JP2000306844A - 処理装置 - Google Patents

処理装置

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JP2000306844A
JP2000306844A JP11110286A JP11028699A JP2000306844A JP 2000306844 A JP2000306844 A JP 2000306844A JP 11110286 A JP11110286 A JP 11110286A JP 11028699 A JP11028699 A JP 11028699A JP 2000306844 A JP2000306844 A JP 2000306844A
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chemical reaction
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gas
exhaust
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Shotaro Okabe
正太郎 岡部
Yuzo Koda
勇蔵 幸田
Sunao Yoshisato
直 芳里
Kouichirou Moriyama
公一朗 森山
Hiroyuki Ozaki
裕之 尾崎
Yukito Aota
幸人 青田
Masahiro Kanai
正博 金井
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Canon Inc
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Priority to US12/327,428 priority patent/US20090095420A1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマCVD法等による基体や膜の処理装
置において、処理空間からの排気中に含まれる未反応ガ
スや副生成物を効率よく分解、除去して回収し、排気手
段への副生成物の付着、堆積を防止する。 【解決手段】 放電空間15の近傍にフィラメント19
等化学反応生起手段を設置し、該フィラメント近傍に化
学反応生成物を回収する回収壁20を配し、該フィラメ
ント19の排気ポンプ2側に冷却手段21を配置して、
排気配管3及び処理チャンバー1を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD
法、熱CVD法、光CVD法、スパッタ法、水素プラズ
マ処理法、ドライエッチング法等を用いて、処理空間
(例えば、放電空間)において、堆積膜を形成するよう
な基体処理或いはエッチング等の膜処理を行う処理装置
であって、特に、上記処理空間からの排気中に含まれる
未反応ガスや副生成物等を上記処理空間より外の排気経
路において処理する手段を備えた処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】減圧雰囲気において、基板(基体)上に
堆積膜を形成したり、堆積膜にドーピングやエッチン
グ、H2プラズマなどの処理を施すことは広く普及し、
周知のところである。
【0003】基板上に堆積膜を形成するプラズマCVD
法や熱CVD法は、減圧雰囲気において、基板上に非晶
質(アモルファス)半導体薄膜や、微結晶、多結晶など
結晶性の半導体薄膜を形成する方法として一般的な方法
である。
【0004】プラズマCVD法は、チャンバーに原料ガ
スを導入し、また、排気ポンプにより減圧して、直流電
力または低周波から高周波、マイクロ波に至る電力を適
宜選択印加して原料ガスをプラズマ様に電離、解離、励
起させて、基板上に堆積膜を形成させるものである。従
来は平行平板電極を用い、グロー放電や或いは高周波を
用いたRF放電を使用してきた。
【0005】熱CVD法は、熱エネルギーにより化合物
ガスを分解し堆積させる方法である。熱エネルギーを利
用する方法では、原料としてSi26等の比較的分解温
度の低いガスを使用し、堆積膜形成チャンバー自体を加
熱してガス分解を行うHotWall法や、基板を加熱
し同様の効果を得る方法がある。さらに、シリコン結晶
の融点以上に加熱したタングステンフィラメントのよう
な金属フィラメントを用いることで薄膜堆積を行うホッ
トワイヤCVD法がある。
【0006】シリコン系非晶質または微結晶半導体薄膜
を形成する場合には、原料ガスとしては、SiH4、S
26、SiF4、Si26などが使われている。ドー
ピングガスとしては、BF3、B26、PH3などが使わ
れている。また、シリコンゲルマニウム系非晶質または
微結晶半導体薄膜の形成には、前記ガスに加えて、原料
ガスとしてGeH4ガスがよく使われる。チャンバー内
の(プラズマ)圧力は直流から高周波まで電力供給の場
合に0.1Torr〜10Torr程度である。マイク
ロ波電力を供給する場合には、0.001Torr〜1
Torr程度である。基板温度は200〜400℃に加
熱する。
【0007】ここで、一般的なプラズマCVD法による
非晶質半導体薄膜の作製例を図6に記載したプラズマC
VD装置を用いて説明する。図6は本装置の断面模式図
である。図6中、1は処理チャンバー、2は排気手段で
ある排気ポンプ(ロータリー、及びメカニカルブースタ
ーポンプ)、3は前記処理チャンバー1と排気ポンプ2
とを結ぶ排気経路にあたる排気配管、4はコンダクタン
ス調整バルブ、5は高周波を印加するカソード電極、6
は高周波電源、7は整合器、8は基板(基体)、9は基
板を保持する機能を有する接地されたアノード電極、1
0は基板加熱ヒーター、11はガス流量コントローラ
ー、12はガス導入バルブ、13はガス導入部、14は
圧力計、15は放電空間(処理空間)、16は放電空間
15を構成する部材を加熱するためのヒーター、17は
放電空間を内包する処理炉である。
【0008】次に、非晶質シリコン半導体膜の堆積を例
に挙げて作製手順を説明する。
【0009】アノード電極9に基板8を固定し、処理チ
ャンバー1の基板出し入れ口(不図示)を閉じて、排気
ポンプ2により減圧に排気する。基板8はアノード電極
9に固定されたヒーター10によって堆積膜形成条件の
温度に加熱する。処理チャンバー1内の放電空間15に
は、不図示のガスボンベからガス流量コントローラー1
1を介して流量を制御された複数の堆積膜形成用原料ガ
ス(SiH4,Si26、H2、ドーピングガス等)が混
合されてガス導入バルブ12、ガス導入部13を通して
供給される。カソード電極5に高周波電源6から高周波
(13.56MHz)を印加し、整合器7により整合状
態を調整してカソード電極5とアノード電極9の間の放
電空間15に放電を生起させる。チャンバー1内のガス
は排気ポンプ2により、排気配管3を通して排気され、
常に新たに供給されるガスと入れ替わっている。放電空
間15の圧力は圧力計14によりモニターされる。その
圧力信号は、排気配管3に設けられたコンダクタンス調
整バルブ4のコントローラー(不図示)に送られ、コン
ダクタンス調整バルブ4の開度を調整して放電空間15
の圧力を一定に制御する。堆積膜形成用原料ガスは放電
空間15内のプラズマ中で解離、電離、励起され、基板
8上に堆積膜を形成する。
【0010】堆積膜形成終了後は、原料ガスの供給を停
止し、新たにパージガス(He,Ar等)を導入して、
チャンバー1内や排気ポンプ2に残留した原料ガスを十
分に置換する。パージ終了後、チャンバー1が冷えるの
を待って、大気圧に戻して基板8を取り出して処理工程
は終了する。
【0011】ところで、上記シリコン系をはじめとする
CVD過程においては、気相中で分解した原料ガスがポ
リマー状に成長し、粒子として漂うことがある。SiH
4系のガスを使用する場合、放電条件(圧力、ガス流
量、電力値)によってプラズマ中で発生し、電極上や、
基板ホルダー、チャンバー壁、排気配管壁、バルブ表
面、排気ポンプに、壁面温度に依存して粉体状に付着、
堆積、または沈殿する。
【0012】処理工程における前述のごとき副生成物を
除去、回収する手段、装置として、CVD処理空間から
排気ポンプ(排気手段)に至る排気経路上にトラップを
設け、CVD副生成物である前記粉体を堆積させる方法
が知られている。従来、このCVD副生成物の除去には
トラップでの温度の低下による凝集作用によってCVD
副生成物を析出させて凝着させる方法が採られている
が、特開平8−218174号公報には、排気配管上に
トラップを設け、堆積膜形成チャンバーとトラップ間を
加熱することでCVD副生成物の排気配管壁への付着を
防止し、トラップにCVD副生成物を析出させて凝着さ
せる方法が開示されている。
【0013】また特開平7−130674号公報には、
排気配管上のトラップに対向電極を設け、放電により未
反応ガスとCVD副生成物を硬質な膜としてトラップ壁
面に堆積させる方法が開示されている。さらに、特開平
8−299784号公報には排気配管上のトラップに加
熱手段として電熱コイルを用いて未反応ガスを分解して
トラップ壁面に堆積させる方法が開示されている。
【0014】CVD法に限らず、基板、堆積膜のドライ
エッチング処理や堆積膜のH2プラズマ処理、プラズマ
ドーピング処理など、気相中でガスを分解、反応させた
り、基板、堆積膜構成物質を気相中に析出させる気相処
理においては、気相中で望まれざる反応生成物が発生す
ることがある。前記同様に、これらの反応生成物は装置
各所に付着、堆積すると様々な問題を引き起こすことが
知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】CVD法においては、
気相中で発生し基板以外に付着堆積する前記CVD副生
成物が堆積膜へ混入し欠陥を形成したり、膜質に影響を
与えることが問題となっている。
【0016】また、CVD副生成物は、排気ポンプにま
で運ばれて、ロータリーポンプオイルの粘度を著しく大
きくしたり、メカニカルブースターポンプのローターに
付着してローター同士が接触して動作不良の原因となる
場合がある。また、前述の通りに、排気配管壁やバルブ
に付着したCVD副生成物が成長し、排気配管やバルブ
の有効断面積が次第に小さくなると、排気コンダクタン
スが次第に小さくなり、チャンバー内における所望の放
電圧力(堆積膜形成条件)が得られなくなる場合があ
る。さらには、コンダクタンスバルブの動作不良を起こ
す場合がある。
【0017】前述した副生成物の除去、回収装置におい
ては、トラップにおける温度冷却によってCVD副生成
物を析出、凝着させていた。このトラップに付着した副
生成物の除去方法としては、トラップを排気配管から取
り外し、直接取り除く方法が知られているが、当該作業
には工夫を要し、時間も要した。
【0018】CVD副生成物の除去方法としては他にド
ライエッチングが知られている。ドライエッチングは、
堆積膜形成チャンバー内で放電し、寿命の長いエッチン
グガスのラジカルによって排気配管中のCVD副生成物
をエッチングする方法や、排気配管内で放電を生起させ
てエッチングする方法がある。しかしながらエッチング
を行うには、チャンバー部材、排気配管材、ポンプの耐
食性を考慮しなければならず、また、新たにエッチング
残渣物やエッチング副生成物が堆積膜形成時にコンタミ
ネーションとして与える影響を心配しなければならな
い。またトラップ内部に平行平板電極を設置し、グロー
放電や或いは高周波を用いたRF放電を使用して未反応
の化合物ガスを分解し、トラップ中に堆積させる方法で
は、未反応の化合物ガスを分解しトラップの壁面に堆積
させる速度が遅いためにCVD副生成物は排気ポンプに
まで運ばれてしまうことが問題となっていた。また、ト
ラップ内部に平行平板電極を設置するためある程度の空
間を必要とし、トラップの設置に自由度がなかった。ト
ラップ内部を外部から加熱し、熱により未反応ガスを分
解しトラップ壁面に膜として堆積させる方法では、トラ
ップ外部に大きなヒーターを抱えなければならない。ま
た、未反応ガス、副生成物の除去、回収能力の大幅なア
ップは望めない。また、トラップ内部に電熱コイルを設
置し、熱により未反応ガスを分解し、トラップの壁面に
堆積させる方法にしても、用いられる電熱コイルの加熱
温度は通常400℃程度であり、未反応の化合物バスを
分解し、トラップの壁面に堆積させる速度が遅いために
CVD副生成物は排気ポンプにまで運ばれてしまうこと
が問題となっていた。
【0019】ところで、CVD副生成物の除去、回収手
段は、処理空間から排気ポンプに至る排気経路上に設け
られる。
【0020】発熱を伴うCVD副生成物の除去手段にお
いては、その熱が除去手段以外の部分に及び様々な問題
を引き起こす場合がある。除去手段の近くにある排気配
管やチャンバーのフランジ等の真空シール部分が昇温す
るとそのシール手段を考慮しなければならない。シール
部分の温度を140〜150℃以下にできれば、シール
材はバイトン(商品名、デュポン社製)などの一般的な
O−リング材を用いることができる。150℃を超える
と特殊な材質の高価なO−リングが必要となり、250
℃を超えるとメタルリングなどの金属シールが必要とな
ってしまう。
【0021】副生成物除去手段の熱がCVD処理空間や
基板に及ぶと、基板上に堆積膜を形成する条件に影響を
与える。基板温度が制御できなくなったり、処理空間の
変形や高周波導入路のインピーダンスが変化して放電
(負荷)の整合状態が変わり、堆積膜形成の再現性がと
れなくなる問題が発生する。すなわち、副生成物の除去
手段の温度を高く設定するほど、その周辺部材に対して
は高い冷却能力が求められる。副生成物の除去条件とし
て高い温度が望まれる場合には、除去手段領域では高温
を、それ以外の領域では温度を抑える方策が必要であ
る。言い換えると、除去手段の設置位置を周辺部材の温
度制御に対して考慮が必要である。
【0022】現CVD法により半導体薄膜を作製する工
業的な利用が進められているが、さらなる大面積化、長
時間成膜が要求されており、それに伴う排気系でのCV
D副生成物の堆積の増大が懸念される。しかしながら、
上気した従来例ではCVD副生成物の除去が不十分とな
る場合がある。
【0023】本発明の目的は、上述の課題を克服し、気
相中の処理により発生した不都合な副生成物を除去、回
収する手段を備えた処理装置を提供することを目的とす
る。
【0024】また、本発明の目的は、小型でメンテナン
スが容易で、大面積に長時間の成膜を高速で行う際の未
反応ガスや副生成物に対しても十分に効率よく除去回収
できる機能を備えた基板または膜の気相処理装置を提供
することにある。
【0025】さらに本発明の目的は、基板や堆積膜の気
相処理条件に影響を与えないような、気相処理により発
生する副生成物を除去、回収する機構を有した、基板ま
たは膜の気相処理装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記構成をと
ることにより、前記課題を解決したものである。
【0027】すなわち本発明は、基体または膜を処理す
るための処理空間と該処理空間を排気するための排気手
段とを有する処理装置であって、上記処理空間と排気手
段とを結ぶ排気経路に、該処理空間から排気された未反
応ガス及び副生成物の少なくとも一方に化学反応を生起
させる化学反応生起手段を配設し、該化学反応生起手段
の排気手段側に冷却手段を有することを特徴とする。
【0028】本発明において、上記冷却手段としては、
冷媒として液体及び気体のいずれも好ましく用いること
ができる。
【0029】また本発明においては、上記処理空間と化
学反応生起手段との間、上記処理空間において処理され
る被処理物と上記化学反応生起手段との間、或いは、上
記化学反応生起手段の排気手段側に該化学反応生起手段
に隣接して、断熱手段を有することが好ましい。
【0030】さらに本発明においては、上記処理空間を
構成する部材の温度を一定に制御する手段を有すること
が好ましい。
【0031】本発明において、上記化学反応生起手段と
しては、触媒或いは発熱体が好ましく用いられ得る。
【0032】本発明の処理装置は、上記未反応ガス及び
副生成物がシリコンを含有している場合に特に好ましく
用いられる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の処理装置について実施形
態を挙げて説明する。
【0034】図1は本発明の処理装置の好ましい一実施
形態であるプラズマCVD法による堆積膜形成装置の模
式的断面図である。図1中、先に説明した図6の装置と
同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0035】図1の処理装置は、図6に示した従来の装
置の処理チャンバー1から排気ポンプ2への排気経路で
ある排気配管3に、放電空間15から未反応で排出され
た原料ガスや放電空間15で形成された副生成物のを除
去・回収するための、未反応ガス及び副生成物除去・回
収手段18が設けられている。該除去・回収手段18
は、未反応ガスや副生成物に化学反応を起こさせるため
の化学反応生起手段であるタングステンフィラメント1
9と、該化学反応によって生成した化学反応生成物を付
着・堆積させトラップする化学反応生成物回収手段とし
て作用する化学反応生成物回収壁20(排気経路である
排気配管壁の一部)から構成される。フィラメント19
には外部の電源から電圧が印加されるようになってい
る。また、未反応ガス及び副生成物除去・回収手段18
の排気手段側の排気配管3には、水冷式の冷却手段21
が配設されている。また、回収壁20と処理チャンバー
1の間には断熱手段として間隙24が設けられ、回収壁
23と処理炉17との間には断熱手段として熱伝導率の
低い焼結体23が設置されている。また、放電空間15
を構成する部材の温度を一定に制御するために、処理炉
17にはヒーター16が設けられている。
【0036】図1のプラズマCVD法による堆積膜形成
装置は、以下の知見に基づいて構成される。
【0037】プラズマCVD法による基板上への堆積膜
形成処理時に処理空間から排出される未反応ガス及び副
生成物の少なくとも一方を、触媒作用或いは熱分解作用
により化学反応を起こさせて分解する。そのため、未反
応ガス及び副生成物の少なくとも一方に対して触媒作用
を有する物質或いは発熱体を、化学反応生起手段として
処理空間(放電空間15)と排気手段(排気ポンプ2)
との間の排気経路上(排気配管3内)に設置する。未反
応ガス及び副生成物は化学反応生起手段の周辺を流れる
ことによって化学反応が誘起され、それによって生成さ
れた化学反応生成物を、該化学反応生起手段の周辺の排
気経路構成部材(回収壁20)に付着、堆積させて回収
する。触媒を用いる場合はその作用を高めるために適宜
適温に加熱する。
【0038】未反応ガスや副生成物にシリコンが含有さ
れる場合には、化学反応生起手段として、タングステ
ン、モリブデン、レニウムの内の少なくとも一つを主成
分とするフィラメントを用いることが好ましく、該フィ
ラメントには直流または交流電圧を印加して発熱させ
る。
【0039】また、化学反応生成物を付着、回収する手
段(回収壁20)も回収効果を上げるためには加熱する
必要がある。例えば、シリコンを含有するシラン等の未
反応ガスや、ポリシランなどの副生成物に化学反応を起
こさせ、堆積膜として付着させ回収するためには、付着
する部材を250℃以上、望ましくは400℃以上の高
温にすることが望ましい。図1の回収壁20は、フィラ
メント19からの熱輻射または熱伝導により加熱され
る。
【0040】化学反応生起手段(フィラメント19)や
その周辺の化学反応生成物回収手段(回収壁20)の熱
が、これらの手段よりも排気手段(排気ポンプ2)側の
排気経路構成部材(排気配管3)や処理チャンバー1の
構成部材に輻射、伝導により及ぶことを抑制するため
に、本発明においては、化学反応生起手段の排気手段側
に冷却手段を設ける。図1の装置においては冷却手段2
1によって排気配管3及び処理チャンバー1を冷却す
る。該冷却手段は、各部材に設けた流路に冷媒を流して
当該部材の熱を置換するように構成すればよい。冷媒と
しては、水や油等の液体であっても、気体であってもよ
い。
【0041】図2に図1の装置の冷却手段21周辺部の
拡大図を示す。図中、32は排気配管3及び処理チャン
バー1の構成部材内に形成された冷媒の流路、26は冷
媒の導入口、27は冷媒の排出口、25はO−リング
(真空シール)である。図2においては、冷却手段21
として処理チャンバー1や排気配管3の構成部材内に冷
媒(冷却水)を流し、O−リング25が熱によって破損
するのを防止している。
【0042】回収壁20と、処理チャンバー1及び排気
配管3との間には断熱手段として間隙24が設けられて
いて、高温の回収壁20から処理チャンバー1や排気配
管3への熱伝達を抑制している。当該構成では、処理チ
ャンバー1内に、原料ガスとは別途のH2ガス等を導入
し、間隙24を通して排気配管3に流れ込むようにする
のが好ましい。
【0043】図3は間隙24とは別の断熱手段を講じた
例であり、回収壁20と、処理チャンバー1及び排気配
管3との間に断熱手段として熱伝導率の低い焼結体33
を設置している。
【0044】上記のように、断熱手段を設けることによ
り、上記回収壁20の回収能力を低下させることなく、
高温の回収壁20近傍の処理チャンバー1や排気配管3
に冷却手段を設けることができる。
【0045】また、化学反応生起手段であるフィラメン
ト19で発生した熱や、フィラメント19周辺の回収壁
20からの熱が、処理炉17や基板8に輻射や伝導によ
り及ぶことを抑制するために、回収壁20と処理炉17
との間に断熱手段を設けることが好ましく、図1の装置
においては、当該断熱体として熱伝導率の低い焼結体2
3を配置している。
【0046】また本発明の装置においては、処理空間を
構成する部材の温度を一定に制御する手段を備えている
ことが望ましく、図1の装置においては、処理空間であ
る放電空間15の構成部材を一定温度に制御するため
に、放電空間15を構成する部材である処理炉17にヒ
ーター16が設けられている。本発明において、当該制
御手段としては加熱手段及び冷却手段の両方を備えてい
ることが望ましい。例えば加熱手段としてはヒーターが
用いられ、冷却手段としては放熱板や冷媒を流す機構を
設けてもよい。また、温度制御された流体(媒体)を循
環させて熱交換させるものでもよい。
【0047】基板上に、例えばシリコン系非晶質堆積膜
をプラズマCVD法により形成する条件においては、処
理炉17の構成部材の温度は200〜350℃に制御す
る必要がある。200℃よりも低くなると処理空間(放
電空間15)の壁面にCVD副生成物が粉体状に付着堆
積したり、その舞い上がりにより、前記副生成物が基板
上の堆積膜に混入し、構造欠陥を生じたり、所望の膜質
が得られなくなる恐れがある。制御温度の上限は、処理
空間構成部材からの熱輻射により基板の温度が所望の温
度に制御できなくなる上限温度として決定される。処理
空間の構成部材は、化学反応生起手段からの距離によっ
て所望の温度に制御するに必要な熱量(加熱及び冷却)
が異なるために、加熱手段、冷却手段を設ける場合に
は、そのレイアウトや供給熱量(出入り熱量)を考慮す
る必要がある。例えば前記化学反応生起手段に近い領域
では冷却手段の冷却能力を相対的に高くする必要があ
る。
【0048】前記未反応ガス及び副生成物除去・回収手
段18は、処理空間(放電空間15)から排気手段(排
気ポンプ2)までの排気経路上(排気配管3内)におい
て、処理空間で生成した副生成物が排気経路上の部材に
付着、堆積しないように、処理空間の近くの排気経路上
に設けるとよい。
【0049】図7は、先に図6に示した従来のCVD処
理装置に未反応ガス及び副生成物除去・回収手段を配置
したCVD処理装置の模式図である。図中、70は未反
応ガス及び副生成物の回収手段(トラップ)、71は冷
却手段、72は加熱源である。
【0050】トラップ70を加熱する方式では、トラッ
プ70外部にヒーター等の加熱源28を設けなくてはな
らず、除去・回収手段18は大きくなってしまい、処理
空間(放電空間15)の直後に設けることは難しい。
【0051】トラップ内部に電熱コイルを設ける方式に
おいても、トラップ内部に平行平板電極を設置し、グロ
ー放電により未反応ガスを分解しトラップに堆積させる
方式であっても、未反応ガスや副生成物の除去回収速度
(能力)が小さく、当該手段自体を大きくしなければな
らず、処理空間に隣接して設けることはできなかった。
除去・回収手段自体が大きいために、該手段を処理チャ
ンバー1の外部に設置せざるを得ず、作業者の安全を考
えて冷却手段を除去・回収手段の外側に設けているが、
そのことがさらに除去・回収手段を大きくしているとと
もに、該手段の未反応ガスや副生成物の除去、回収能力
を低下させる結果にもなっている。
【0052】本発明の処理装置においては、前述の通
り、処理時のみ反応ガスや副生成物の少なくとも一方に
化学反応を起こすための化学反応生起手段が設置され、
該化学反応生起手段周辺の処理チャンバーや排気配管に
冷却手段が配設されていること、さらには、該化学反応
生起手段や回収手段と周辺部材との間に断熱手段を設け
ることにより、上記化学反応生起手段や回収手段を処理
空間直後の排気経路上に設けることが可能となる。
【0053】その結果、化学反応生成物回収手段が少な
くとも減圧雰囲気の処理チャンバー内に収容されること
で、減圧雰囲気が断熱効果を発揮して、回収手段の温度
を効率よく高めることができ、回収効果を高めることが
できる。その結果、未反応ガスや副生成物の除去、回収
領域を小さくすることができる。
【0054】図1の装置における堆積膜形成時に生成さ
れる未反応ガスとCVD副生成物の除去は以下のように
して行われる。
【0055】先に図6の装置において説明した手順と同
様にして、処理炉17でプラズマCVD法により堆積膜
を基板8上に形成する。処理空間15にプラズマを生起
させる時には、前記化学反応生起手段であるフィラメン
ト19に通電し、化学反応生成物の回収手段である回収
壁20も十分に昇温しておく。
【0056】冷却手段21に冷却水を流し、排気配管3
及び処理チャンバー1を冷却する。放電空間15から未
反応のまま排出された原料ガスと、放電空間15で生成
したCVD副生成物は、フィラメント19の周辺で分解
され、その化学反応生成物は、フィラメント19の周辺
の回収壁20に膜として堆積し、回収される。回収壁2
0よりも排気ポンプ2側の排気配管3やコンダクタンス
調整バルブ4、排気ポンプ2にはCVD副生成物は到達
せず、それらに堆積、蓄積することはない。
【0057】基板8上への堆積膜形成が終了し、処理チ
ャンバー1を大気圧に戻した後、未反応ガス及び副生成
物除去・回収手段18は、処理チャンバー1から取り外
され、回収される。
【0058】図4は、本発明の他の実施形態のプラズマ
CVD装置を示す模式的断面図である。本装置では、長
尺の基板8を放電空間15内で連続的に移動させながら
堆積膜を形成する。長尺の基板8は不図示のボビンに巻
かれて紙面左側の繰り出しチャンバー(不図示)に収容
される。そして該繰り出しチャンバーから処理チャンバ
ー1を通して紙面右側の巻き取りチャンバー(不図示)
に張り渡されるようになっている。処理炉17から排気
ポンプ2への排気経路である排気配管3内には、放電空
間15から未反応で排出された原料ガスや放電空間15
で形成された副生成物に化学反応を起こさせるための化
学反応生起手段としてタングステンフィラメント19が
設けられている。フィラメント19には外部の電源から
電圧が印加されるようになっている。フィラメント19
の周囲の回収壁20は、フィラメント19によって生起
された化学反応による生成物を付着、堆積させトラップ
する回収手段である。排気配管3内におけるフィラメン
ト19の排気ポンプ2側近傍には、水冷式の冷却手段2
1が設けられ、排気配管3及びフィラメント19近傍の
処理チャンバー1を冷却する。29は断熱板であり、フ
ィラメント19及び回収壁20と基板8との間の断熱手
段として機能する。
【0059】本装置における基板8上への堆積膜の形成
は以下の手順で行われる。繰り出しチャンバーに長尺の
基板8が巻かれた1ロールのボビンをセットし、該繰り
出しチャンバーから処理チャンバー1を経て巻き取りチ
ャンバーに基板8を張り渡し、処理チャンバー1内を減
圧に排気する。以下は図1の装置の場合と同様の手順に
て、処理準備を進め、処理条件が整ったら、基板を連続
的に搬送して基板8上に堆積膜を形成する。1ロールの
成膜が終了したら、基板8の搬送を停止し、図1の装置
の場合と同様の手順にて、基板8を取り出して処理を終
了する。基板8を取り出した後、処理チャンバー1を開
けて、フィラメント19及び回収壁20を取り出す。
【0060】本装置は以下の知見に基づいて構成されて
いる。
【0061】すなわち本装置の場合、基板8の搬送方向
に基板8と平行して、基板8の処理温度よりも高温の化
学反応生成物の回収手段である回収壁20が存在するた
めに、基板8が回収壁20からの熱輻射を受けて温度が
上昇し、処理条件(基板処理条件)に制御することがで
きなくなったり、処理後の堆積膜の変質を招く恐れがあ
る。そこで、回収壁20と基板8との間に断熱板29を
設け、基板8の温度の上昇を抑えるようにしている。断
熱板29は、本例のように1枚に限らず、複数枚を間隙
を設けて重ねて断熱効果を高めてもよい。
【0062】図5は、本発明の他の実施形態である熱C
VD法による基板上への堆積膜形成装置の模式的断面図
である。図中、図1,図6と同じ部材には同じ符号を付
して説明を省略する。
【0063】図5中、1は基板8上に熱CVD法により
堆積膜を形成する処理炉17を収容する処理チャンバー
である。基板8は処理炉17中に支持され固定される。
処理炉17から排気ポンプ2への排気排気経路上である
排気配管3内の処理炉17直後には、処理空間51から
未反応で排出された原料ガスや処理空間51で形成され
た副生成物に化学反応を起こさせるための化学反応生起
手段であるタングステンフィラメント19が設置されて
いる。該フィラメント19には外部の電源から電圧が印
加されるようになっている。またフィラメント19周囲
には上記化学反応の生成物を付着、堆積させトラップす
る回収壁20が配置されている。
【0064】排気配管3におけるフィラメント19の排
気ポンプ2側には、水冷式の冷却手段21が設けられて
いる。また、フィラメント19と処理チャンバー1の間
には熱伝導率の低い焼結体23が断熱手段として配置さ
れている。30は処理炉17、基板8、原料ガスを加熱
するヒーターである。
【0065】図5の装置を用いて基板8上に結晶性シリ
コン膜を作製する手順について説明する。
【0066】処理炉17に基板8を固定し、処理炉1
7、処理チャンバー1の基板出し入れ口(不図示)を閉
じて、排気ポンプ2により処理炉17内を減圧に排気す
る。処理炉17、基板8はヒーター30によって堆積膜
形成条件の温度に加熱する。排気配管3内に設けられた
フィラメント19に通電し、フィラメント19及び回収
壁20を加熱する。冷却手段21には冷却水を流し冷却
を開始する。
【0067】処理炉17の処理空間51に、不図示のガ
スボンベからガス流量コントローラー11を介して流量
を制御された複数の堆積膜形成用原料ガス(SiH4
Si26、H2、ドーピングガス等)を混合し、ガス導
入バルブ12を通して供給する。前記原料ガスはヒータ
ー30により予め加熱されてから処理空間51に導入す
る。処理炉17内のガスは排気ポンプ2により、排気配
管3を通して排気し、常に新たに供給されるガスと入れ
替える。処理空間51の圧力は圧力計14によりモニタ
ーされる。その圧力信号は、排気配管3に設けられたコ
ンダクタンス調整バルブ4のコントローラー(不図示)
に送られ、コンダクタンス調整バルブ4の開度を調整し
て処理空間51の圧力を一定に制御する。原料ガスは処
理空間51内で解離、電離、励起され、基板8上に堆積
膜を形成する。
【0068】堆積膜形成終了後は、原料ガスの供給を停
止し、新たにパージガス(He、Ar等)を導入して、
処理炉17内や排気ポンプ2に残留した原料ガスを十分
に置換する。パージ終了後、処理チャンバー1が冷える
のを待って、大気圧に戻して基板8を取り出し処理工程
は終了する。フィラメント19と回収壁20は、処理チ
ャンバー1から取り外され回収される。
【0069】
【実施例】(実施例1、比較例1)図1に示したプラズ
マCVD装置を用いて、非晶質シリコン半導体膜を40
cm角のガラス基板上に厚さ1μm形成した。処理条件
は、堆積膜形成用原料ガスとしてSiH4、H2を使用
し、圧力2TorrのもとRF放電を生起した。基板温
度は250℃とした。化学反応生起手段であるタングス
テンフィラメントに通電し、該フィラメントの周辺の回
収壁の温度は550℃とした。
【0070】堆積膜の成膜速度を10Å/secとして
成膜工程を100回繰り返した。同様の装置を用いて、
成膜速度を15Å/sec、20Å/secで成膜工程
を100回繰り返した。上記回収壁の近傍にある真空シ
ール部には熱電対を設置してその温度をモニターした。
【0071】また、比較例1として、上記実施例と同様
の工程を、図6の装置を用いて行った。結果を表1に示
す。
【0072】
【表1】
【0073】本実施例の場合、100回の成膜工程を通
して、基板温度は常に250℃に制御されていた。真空
シール部の温度はバイトン(商品名、デュポン社製)製
のO−リングが十分に使用できる120℃で維持され、
圧力が次第に上昇するなど、真空シール部の破損により
リークが発生することはなかった。
【0074】堆積膜形成時の圧力調整に問題はなく、コ
ンダクタンス調整バルブの動作不良は発生しなかった。
排気ポンプ動作にも問題はなかった。処理終了後、各部
を分解し点検したところ、フィラメント周辺の回収壁に
はCVD副生成物が化学反応を起こして生成した生成物
が膜として堆積していた。また、フィラメント周辺の回
収壁よりも排気ポンプ側の排気配管壁、バルブ表面は、
地が露出して付着堆積物は全くなかった。ポンプにもC
VD副生成物の付着や沈殿はほとんどなかった。
【0075】一方、比較例の場合、20数回の成膜処理
で圧力調整不能となり、処理を中止した。各部を分解し
たところ、排気配管内には大量にCVD副生成物が粉体
として堆積し、放電空間に近い領域で排気配管が閉塞し
ていた。
【0076】以上の結果より、本発明の実施例では、放
電空間を未反応で排出された原料ガス及びCVD副生成
物がフィラメントと回収壁によってほぼ完全に除去・回
収されていることがわかる。
【0077】(実施例2)図4のプラズマCVD装置を
用いて、幅が40cm、長さが100mのステンレス基
板を連続的に搬送しながら、該基板上に非晶質シリコン
半導体膜を厚さ1μmに形成した。搬送速度は1m/m
inとし、処理条件は、堆積膜形成用原料ガスとしてS
iH4、H2を使用し、圧力2TorrのもとRF放電を
生起した。基板温度は220℃とした。化学反応生起手
段であるフィラメントに通電し、該フィラメント周辺の
回収壁の温度は550℃とした。堆積膜の成膜速度は2
0Å/secとした。
【0078】回収壁上の基板には熱電対を接触させて、
その温度をモニターした。基板は回収壁から遠い原料ガ
ス供給口から回収壁のある排気口側に搬送し、放電空間
に入り口、中央、出口付近の基板温度もモニターするこ
ととした。また、回収壁と基板の間の断熱板の枚数を変
えてその断熱効果と基板温度を調べた。断熱板は厚さ2
mmのステンレス製で、断熱板同士は1mmの間隔をあ
けて配置した。結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】断熱板なしの場合と、1,2枚の場合で
は、基板上の堆積膜の色が異なっていることが目視によ
って確認された。2枚と3枚の場合に差はなかったが、
膜厚は異なっていた。
【0081】回収壁と基板の間に断熱板を設けない場合
には、回収壁上の気板温度は処理温度の220℃より2
00℃以上も高くなった。また放電空間内の基板温度も
220℃に制御できず、300℃に達した。回収壁と基
板の間に断熱板を配すると、回収壁上、放電空間内の基
板温度ともに下がり、本実施例の処理条件では断熱板2
枚によって放電空間内の基板温度は所望の220℃に制
御できた。断熱板を3枚にすると、回収壁上の基板温度
も放電空間とほぼ同じ温度となった。
【0082】基板の放電空間内での処理温度及び回収壁
上で晒される基板温度が、基板上の堆積膜質に影響を与
えていることが予測される。断熱板により基板の処理温
度の制御性が大きく向上することもわかった。
【0083】(実施例3、比較例2)図5の熱CVD装
置を用い、高結晶性のシリコン膜をシリコンウエハ上に
形成した。原料ガスとしてSi26及びH2を用い、処
理炉、原料ガスを加熱するとともに、基板温度は600
℃に加熱して圧力10Torrの条件で熱CVDにより
ウエハ上に成膜速度10Å/secで堆積膜を5000
Å形成した。排気経路に設けたフィラメントに通電し、
該フィラメント周辺の回収壁の温度は600℃とした。
冷却手段に冷却水を流して冷却を行った。成膜工程は基
板を入れ替えて50回繰り返した。
【0084】また、比較例2として、図4の装置におけ
るフィラメント19、回収壁29、冷却手段21、断熱
板29、支持体31、焼結体23を取り外して、同様の
条件で成膜工程を行った。
【0085】その結果、実施例の場合には50回の成膜
工程を問題なく行うことができたが、比較例の場合、7
回目の成膜工程において圧力制御が不可能となり処理を
中止した。
【0086】実施例、比較例の装置の各部を分解し、点
検したところ、比較例の装置では、処理炉の排気口から
排気ポンプに至る排気配管内にCVD副生成物が付着、
堆積し、排気配管はほぼ閉塞状態となっていた。一方、
実施例の装置においては、処理炉から排気ポンプまでの
排気配管内にCVD副生成物の堆積は見られず、副生成
物はフィラメント付近で化学反応を起こし、回収壁に膜
として堆積していた。よって、本装置の未反応ガス及び
CVD副生成物除去、回収能力が確認された。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の処理装置
によれば、装置自体に熱的ダメージを与えることなく、
気相中の処理により発生した未反応ガスや副生成物を効
率よく除去、回収することができ、排気配管や排気ポン
プ等のメンテナンス間隔を大幅にのばすことができる。
【0088】また、小型でメンテナンスが容易で、大面
積に長時間の成膜を高速で行う際の未反応ガスや大量の
CVD副生成物に対しても十分に効率よく除去、回収で
きる機能を備えた基板或いは膜の気相処理装置が提供で
きる。
【0089】さらに、気相反応により発生する副生成物
が基板や堆積膜の処理条件に影響を与えることなく処理
を行うことができるため、再現性の高い安定した処理が
実現されるとともに、堆積膜形成、エッチング等高品位
な処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるプラズマCVD装置
の模式的断面図である。
【図2】図1の装置の冷却手段周辺部の拡大図である。
【図3】図2とは異なる断熱体を備えた装置の冷却手段
周辺部の拡大図である。
【図4】本発明の他の実施形態であるプラズマCVD装
置の模式的断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態である熱CVD装置の模
式的断面図である。
【図6】従来のプラズマCVD装置の一例の模式的断面
図である。
【図7】従来の未反応ガス及び副生成物除去・回収手段
を備えたプラズマCVD装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 処理チャンバー 2 排気ポンプ 3 排気配管 4 コンダクタンス調整バルブ 5 カソード電極 6 高周波電源 7 整合器 8 基板 9 アノード電極 10 基板加熱用ヒーター 11 ガス流量コントローラー 12 ガス導入バルブ 13 ガス導入部 14 圧力計 15 放電空間 16 ヒーター 17 処理炉 18 未反応ガス及び副生成物除去・回収手段 19 タングステンフィラメント 20 回収壁 21 冷却手段 23 焼結体 24 間隙 25 O−リング 26 冷却水導入口 27 冷却水排出口 28 加熱源 29 断熱板 30 ヒーター 31 支持具 32 冷媒流路 33 焼結体 51 処理空間 70 トラップ 71 冷却手段l 72 加熱源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳里 直 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森山 公一朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 尾崎 裕之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 青田 幸人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA26 AC10 BA07 BA12 BA13 CA13 CA20 DA70 EA02 EA13 GA02 GA03 GB01 GB02 GB03 GB04 GB11 GB20 HA03 HA06 HA10 4G075 AA24 BC02 BC04 BC06 CA02 CA03 CA47 CA65 DA02 EB01 EB21 4K030 AA06 AA17 BA30 EA12 FA03 FA10 KA22 KA26 KA41 KA49 5F045 AA08 AB02 AB04 AC01 AD06 AD10 AE21 AE23 AF03 AF07 BB10 DP04 EB02 EB06 EB15 EE04 EG07 EG08 EH14 EJ04 EJ09 EK06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体または膜を処理するための処理空間
    と該処理空間を排気するための排気手段とを有する処理
    装置であって、上記処理空間と排気手段とを結ぶ排気経
    路に、該処理空間から排気された未反応ガス及び副生成
    物の少なくとも一方に化学反応を生起させる化学反応生
    起手段を配設し、該化学反応生起手段の排気手段側に冷
    却手段を有することを特徴とする処理装置。
  2. 【請求項2】 上記冷却手段が冷媒として液体を用いる
    請求項1記載の処理装置。
  3. 【請求項3】 上記冷却手段が冷媒として気体を用いる
    請求項1記載の処理装置。
  4. 【請求項4】 上記処理空間と化学反応生起手段との間
    に断熱手段を有する請求項1記載の処理装置。
  5. 【請求項5】 上記処理空間において処理される被処理
    物と上記化学反応生起手段との間に断熱手段を有する請
    求項1記載の処理装置。
  6. 【請求項6】 上記化学反応生起手段の排気手段側に該
    化学反応生起手段に隣接して断熱手段を有する請求項1
    記載の処理装置。
  7. 【請求項7】 上記処理空間を構成する部材の温度を一
    定に制御する手段を有する請求項1記載の処理装置。
  8. 【請求項8】 上記化学反応生起手段が触媒である請求
    項1記載の処理装置。
  9. 【請求項9】 上記化学反応生起手段が発熱体である請
    求項1記載の処理装置。
  10. 【請求項10】 上記未反応ガス及び副生成物がシリコ
    ンを含有している請求項1記載の処理装置。
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