JP2000306454A - 押釦スイッチ構造体及びその製造方法 - Google Patents
押釦スイッチ構造体及びその製造方法Info
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Abstract
EMI(磁界・電界)シールド機能を有し、ESD(静
電気破壊)対策が取られている押釦スイッチを安価で容
易に提供する。 【解決手段】 キートップ部である複数の突起部を有す
る押釦スイッチ構造体において、透明フィルム1の裏面
側に遮光性インキにより文字パターンが印刷されてお
り、その下方全面に導電性蒸着膜4を積層した蒸着フィ
ルム5が接着されており、更にその下方に熱硬化性樹脂
または熱可塑性樹脂からなる押釦スイッチ部材6が形成
される。また、前記の印刷が施された透明フィルム1と
蒸着フィルム5との間に、透光性着色層を設ける。
Description
車電話機等の移動体通信機器、家庭用電話機、電子手
帳、計測機器類、車載用スイッチ、リモコン、計算機あ
るいはパーソナルコンピュータのデータ入力装置やスイ
ッチ装置等に部品として用いられる押釦スイッチ構造体
に関する。
インや色調には様々なものが用いられるようになり、特
にメタリック色調が好評である。また、携帯電話の殆ど
が、その使用態様から、照光性(文字照光、ボタン照
光)も要求される。メタリック色調を出すには、雲母、
金属、酸化チタン等の粉体を樹脂中、塗料中、インキ中
に配合することによって行われているが、いずれもメタ
リック色調のトーンが金属に類似したものになり難い。
メタリック色調を出すために、押釦スイッチ部材のキー
トップに直接金属蒸着を施すことも試みられている。し
かし、キートップ成形後に蒸着処理を施すことからバッ
チ式処理となる上に、蒸着膜を保護するコーティングが
更に必要になるなど、コストアップに繋がる要因が多
い。更に、導電性(108 Ωcm以下)を有している
ものが操作部表面に存在すると、静電気印加試験におい
て携帯用無線機器としてパスしない(家庭用・軽工業環
境機器規格:EN50082−1/1997)という不
都合もあった。
周辺機器に悪影響を与えることは古くから知られてお
り、近年は人体への危険性も一部に報告されている。E
MI(磁界・電界シールド)対策のために、無線機器の
ケースに導電性を付与したり、回路基板又は基板上面の
機構部品の一部に導電性を付与することにより対応する
例もあるが、押釦スイッチ部は無防備に近い状態であっ
た。すなわち、無線機器のケースを金属等の導電部材に
するとか、ケース内面に導電性の塗料を施すものでは、
押釦スイッチ部分はシールドされない。押釦スイッチ部
材の接点部が対向する回路基板の上面、特に対向電極以
外の場所に導電部を形成するものでは、回路基板上の電
極・電気部品等が邪魔になり、ごく一部分にしかシール
ドのための導電部が形成されないため、シールド対策と
しては不充分である。携帯電話を取り巻く環境は、より
周波数の高い領域を使うようになってきており、また、
アナログからデジタルへの移行も加速している。デジタ
ル方式一つとってもPDC(800MHz〜1.5GH
z)→TDMA→CDMA・One(1.5GHz)→
CDMA・Wide band (1.5GHz以上)方式への移
行が計画されており、益々電磁波シールドの必要性は高
まりつつある。
従来技術の欠点を解消し、照光式でかつメタリック色調
を有し、同時にEMI(磁界・電界)シールド機能を有
し、ESD(静電気破壊)対策が取られている押釦スイ
ッチ構造体を安価で容易に提供することにある。
めに、本発明は、キートップ部である複数の突起部を有
する押釦スイッチ構造体において、透明フィルムの裏面
側に遮光性インキにより文字パターンが印刷されてお
り、その下方全面に蒸着膜を施した蒸着フィルムが接着
されており、更にその下方に熱硬化性樹脂または熱可塑
性樹脂(以下、成形樹脂という)からなる押釦スイッチ
部材が形成される。また、前記の印刷が施された透明フ
ィルムと前記蒸着フィルムとの間に、透光性着色層を設
ける。この場合、前記蒸着フィルムの蒸着層の厚みが8
0〜5000Åであることが好ましい。更に、前記蒸着
フィルムの蒸着層の電気導電率が101 Ωcm以下で
あり、EMI(磁界・電界シールド)機能を有すること
が好ましい。前記蒸着フィルムの蒸着層が透明フィルム
の表面側に露出せず、蒸着層が保護されているととも
に、ESD(静電気破壊)対策が取られていることが好
ましい。本発明の押釦スイッチ構造体を製造するには、
透明フィルムの裏面側に遮光性インキにより文字パター
ンを印刷する工程、所望により更にその上に透光性着色
層を塗布する工程、その上に前記蒸着フィルムをラミネ
ートして成形フィルム原反とする工程、成形フィルム原
反の透明フィルム面側を金型凹型に載置し、成形樹脂を
充填しながら、金型凸型を用いて成形フィルム原反と押
釦スイッチ部材とを一体化成形する工程からなる。
調の押釦スイッチをより安定的に、より確実に得るため
に、金属蒸着膜を透光層として利用することが効果的で
あることを見いだした。本発明は、透明フィルムに文字
パターン等を印刷すると共に、金属を蒸着したフィルム
を貼り合わせて成形フィルム原反とし、その成形フィル
ム原反を成形樹脂と共に一体化成形することを基本とし
ている。透明フィルムとしては、熱可塑性透明フィル
ム、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(E
TFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(FEP)、ポリカーボネート(P
C)等が使用できる。透明フィルムの膜厚としては、P
ETで8〜300μm、ETFEで20〜500μm、
FEPで10〜400μm、PCで30〜400μmが
適当である。膜厚がそれぞれの数値下限に満たないと、
金型より絞り加工品を離型するときに破れが生じ、型よ
り取り出しができないばかりか、成型時の形状を保持で
きない。それぞれの数値上限を超えると、形状の再現性
が乏しく、更に押釦操作時にフィルムがたわみ難い。印
刷により、押釦スイッチ構造体として必要な文字パター
ン等を形成する。また、下方に形成するメタリック色調
の不要部分を隠す役割もさせる。印刷は単色でもいい
し、所望により多色としても差し支えない。多色の場合
には、その一部は、遮光性インキではなく透光性のイン
キでもかまわない。印刷は、透明フィルムの裏側に行う
のを原則とするが、透明フィルムの表面側に文字パター
ン等を印刷しても差し支えない。この場合、印刷面を保
護する目的で、透明インキで保護層を設けることが必要
になる。
刷用のインキが使用できる。印刷方法としては、スクリ
ーン印刷、タンポ印刷、コータ等、通常の印刷方法がそ
のまま利用できる。蒸着ベースフィルム用のフィルム素
材としては、前記の透明フィルムに適する材料と同様の
PET、ETFE、FEP、PC等が使用できる。蒸着
ベースフィルムと前記の透明フィルムとは、同じ材料で
もよいし、異なる材料でもよい。蒸着ベースフィルムの
膜厚としては、透明フィルムの膜厚と調整するが、PE
Tで8〜50μm、ETFEで20〜50μm、FEP
で10〜75μm、PCで30〜40μmが適当であ
る。膜厚がそれぞれの数値下限に満たないと、金型より
絞り加工品を離型するときに破れが生じ、型より取り出
しができないばかりか、成型時の形状を保持できない。
それぞれの数値上限を超えると、形状の再現性が乏し
く、更に押釦操作時にフィルムがたわみ難くなる。蒸着
物質として利用できるものは、メタリック色調を有する
層を形成するものであれば特に制限はない。具体的に
は、Cr、Ni、Ti、Al、Si、Ag、Cu、Au
ならびに硫化亜鉛などが挙げられる。環境特性、信頼性
やコスト等を勘案すると、中でもCr、Ni、Ti、C
u、Alがより好ましい。蒸着操作は、PVD法(蒸着
・スパッタリング・イオンプレーティング)のいずれの
方法によってもよい。導電性蒸着膜の厚さは、80〜5
000Åであることが必要である。80Å未満では、反
射光で均一なメタリック色調が得られない。また、50
00Åを超えると、照光型携帯機器の最高バックライト
輝度である1000ルックスの元で視認できる透過光を
得ることが難しい(遮光層となる)。
の黄色印刷を施すことにより金色色調を得ることができ
る。Cr蒸着膜裏面に半透明な赤色を印刷すると銅色が
発現する。このことは、さまざまな金属光沢を有した色
調に対応できることを意味する。周波数帯域とEMI
(磁界・電界シールド)機能を有するのに必要なシール
ド部材の電気導電率との間には、以下のような関係があ
ることが知られている。 〜800MHz:101 Ω・cm以下 800MHz〜1.5GHz:10−1Ω・cm以下 1.5GHz〜2.3GHz:10−2Ω・cm以下 2.3GHz〜 :10−3Ω・cm以下
着方式、成膜スピード、成膜温度等)によっては、金属
蒸着層の抵抗値は変わり得る。5000Å以下の膜厚で
最も抵抗値が下がる条件でいくつかの金属について蒸着
膜の電気伝導率を示すと、たとえば、Cuの2000Å
厚の膜で10−4Ωcm、Crの150Å厚の膜で10
−1Ωcm、Alの450Å厚の膜で10−3Ωcmで
あった。ESD(静電気障害)を回避するためには、表
面層の抵抗値が108 Ωcm以上であれば、すなわち
表面層が絶縁体であれば、よいと一般に考えられてい
る。印刷層を有する透明フィルムと蒸着フィルムとの接
着には、フェノール系、アクリル系等の接着剤が適当で
ある。押釦スイッチ部材を成形する材料としては、ウレ
タンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴ
ム、イソプレンゴム若しくはEPDM(エチレン−プロ
ピレン−ジエン三元共重合体)等の合成ゴム、天然ゴム
などの熱硬化性樹脂、又はポリエステル系、メタクリル
系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系
あるいはこれらの樹脂のアロイ等の熱可塑性樹脂から任
意に選択できる。なかでも、特に、シリコーンゴムであ
ることが好ましい。一体化成形は、インジェクション成
形、プレス成形等によることができる。また、所望によ
り、成形樹脂を充填する前に、仮絞り成形をすることも
有用である。
を説明する。なお、図1〜4は、いずれも模式図であっ
て、各層の相対的な厚みを必ずしも反映していない。1
00μmの厚みを有するポリエチレンテレフタレート
(PET)からなる透明フィルム(1)の上に、商品
名:9100シリーズPETインキ[十条ケミカル
(株)製]の黒インキ(遮光性)を用いて、スクリーン
印刷にて、文字パターン(2a)と、ボタン以外の部分
の隠蔽性を保つべく枠状に遮光部(2b)を印刷した
後、温風循環式乾燥機にて80℃、30分の乾燥処理を
行った。この印刷面に、25μmの厚みを有するPET
フィルムからなる蒸着ベースフィルム(5)の一面に2
00Åの厚みのCrの蒸着膜(4)が蒸着され、蒸着面
にアクリル系粘着剤が塗布されている蒸着フィルム[東
京麗光(株)製]を、印刷面と蒸着膜面とを合わせて貼
り合わせ、成形用フィルム原反とした。この成形用フィ
ルム原反を、120℃に温度調節されている成形型の所
定の位置に印刷されたPETフィルムのPETフィルム
面が凹型成形型に接するように(蒸着フィルムを上側に
して)載置し、50kg/cm2 の圧力で、枠内部分
がキー部となるように印刷位置に合わせて仮絞り成形を
行った。
の蒸着したPETフィルムの非蒸着面にシランカップリ
ング剤[商品名:KBE903、信越化学工業(株)
製]を塗布し、5分間風乾した。このシランカップリン
グ剤が塗布されたPETフィルム面上に、[商品名:K
E−9710TU、信越化学工業(株)製]のシリコー
ンゴムを載せ、あらかじめ130℃に加温されている製
品凹凸型にインサートし、100kg/cm2の圧力で
1分間の条件で、成形フィルム原反と押釦スイッチ部材
(6)とを一体化成形後、型より取り出し、80℃の乾
燥機を用い1時間のアフターキュアを行った。この後、
外周を打ち抜き、銀色メタリック色調ボタン照光型の押
釦スイッチ構造体とした。この蒸着フィルムのCr蒸着
層の抵抗値を測定したところ、6.8×10−3Ωcm
(比抵抗値)であった。また、対向PCB(プリント回
路基板)にCr蒸着層の一部をPCBグランドラインに
接続した状態にて電界・磁界SE値を測定したところ、
電界SE=12dB、磁界SE=3dBであった。これ
らの値は、十分なEMI(磁界・電界)シールド機能効
果が与えられていることを示す。また、キートップ部の
表面抵抗を測定したところ、1012Ωcmオーダであ
り、絶縁性の高いものであった。また、外観検査では、
反射光時はボタン部の銀色上に黒文字が鮮やかに認識さ
れ、透過光時はボタン部の蒸着層を透過した光により文
字が鮮明に識別されるものであった。
2を説明する。75μmの厚みを有するポリカーボネー
ト(PC)からなる透明フィルム(1)[商品名:マク
ロフォール、バイエル(株)製]に、商品名:1700
シリーズHITインキ[十条ケミカル(株)製]の黒イ
ンキ(遮光性)を用いて文字パターン(2a)をスクリ
ーン印刷し、実施例1と同様に乾燥し、その上に、同イ
ンキの黄色インキ(透光性)を用いて全面にベタパター
ンをスクリーン印刷・乾燥して透光性着色層(3)とし
た。この印刷面に、12μmの厚みを有するエチレン/
テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)フィルム
の一面に450Åの厚みでAlの蒸着面(4)が蒸着さ
れ、他面にアクリル系粘着剤が塗布されている蒸着ベー
スフィルム(5)(東邦化研社製)を貼り合わせ、成形
用フィルム原反とした。
ム面上に、商品名:KE−1990−60A/B[信越
化学工業(株)製]の付加型液状シリコーンゴムを載
せ、所定形状をした製品凹凸金型上に位置決めし、これ
を110℃、50kg/cm2の圧力で1分間の条件
で、成形フィルム原反と押釦スイッチ部材(6)とを一
体化成形を行った。この後、外周を打ち抜き、照光型の
押釦スイッチ構造体とした。この蒸着フィルムのAl層
の抵抗値を測定したところ、2.0×10−1Ωcm
(比抵抗値)であった。また、対向PCB(プリント回
路基板)にAl蒸着層の一部をPCBグランドラインに
接続した状態にて電界・磁界SE値を測定したところ、
電界SE=36dB、磁界SE=14dBであった。こ
れらの値は、十分なEMI(磁界・電界)シールド機能
効果が与えられていることを示す。また、キートップ部
の表面抵抗を測定したところ、1012Ωcmオーダで
あり、絶縁性の高いものであった。また、外観検査で
は、反射光時は金色光沢を有したボタンの中央に黒文字
が発現され、照光時はこの金色ボタンからの透過光によ
り、鮮明に黒文字パターンが認識されるボタン照光型の
釦押スイッチ構造体であった。
3を説明する。100μmの厚みを有するポリカーボネ
ート(PC)フィルムである透明フィルム(1)[商品
名:マクロフォール、バイエル(株)製]の上に、商品
名:1700シリーズHITインキ[十条ケミカル
(株)製]を用いて、文字パターン(2a)をスクリー
ン印刷し、実施例1と同様に乾燥した。その上に、文字
耐久性と外観の艶出しを目的として、同インキのメジウ
ムインキを用いて、スクリーン印刷にてベタ印刷(7)
を行い、80℃で1時間乾燥して、印刷ベースフィルム
とした。
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FET)フィルムに、蒸着手法を用いて蒸着ベースフ
ィルム(5)にCuの蒸着膜(4)を5000Åの厚み
に蒸着した蒸着フィルムを用意し、この蒸着フィルムを
前記PCフィルムから作製した印刷ベースフィルムの非
印刷面(印刷を施してある面の反対側の面)に積層し、
成形フィルム原反とした。この成形フィルム原反の印刷
面を120℃に加温した成形型の凹型に位置決めし、仮
絞り成形用の凸型を上方より被せて、10kg/cm2
の圧力で保持時間30秒の条件で仮絞り成形を行っ
た。
たまま、仮絞り成形用凸型を製品形状の金型に入れ替
え、成形されたフィルム上に事前に配合された付加型シ
リコーンゴム[商品名:KE−1990−60A/B、
信越化学工業(株)製]を所定量計量して載置し、11
0℃、圧力50kg/cm2 、成形時間1分間の条件
で成形フィルム原反とシリコーンゴムとの一体化成形を
行った。この後、外周を打ち抜き、押釦スイッチ構造体
とした。この蒸着フィルムのCu層の抵抗値を測定した
ところ、7.5×10−3Ωcm(比抵抗値)であっ
た。
CBグランドラインに接続した状態にて電界・磁界SE
値を測定したところ、電界SE=73dB、磁界SE=
55dBであった。これらの値は、十分なEMI(磁界
・電界)シールド機能効果が与えられていることを示
す。また、キートップ部の表面抵抗を測定したところ、
1012Ωcmオーダであり、絶縁性の高いものであっ
た。また、外観検査では、反射光時は奇麗な銅色のキー
の上に黒文字が鮮明に認識でき、照光時は蒸着面を光が
通過して黒文字が浮き出るという極めて視認性の高いボ
タン照光型の押釦スイッチであった。
4を説明する。100μmの厚みを有するポリカーボネ
ート(PC)フィルムである透明フィルム(1)[商品
名:マクロフォール、バイエル(株)製]の上に、商品
名:1700シリーズHITインキ[十条ケミカル
(株)製]を用いて、文字パターン(2a)をスクリー
ン印刷し、実施例1と同様に乾燥した。その上に、文字
耐久性と外観の艶出しを目的として、同インキのメジウ
ムインキを用いて、スクリーン印刷にてベタ印刷(7)
を行い、80℃で1時間乾燥して、印刷ベースフィルム
とした。
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FET)フィルムに、蒸着手法を用いて蒸着ベースフ
ィルム(5)にCuの蒸着膜(4)を5000Åの厚み
に蒸着した蒸着フィルムを用意し、この蒸着フィルムを
前記PCフィルムから作製した印刷ベースフィルムの非
印刷面(印刷を施してある面の反対側の面)に積層し、
成形フィルム原反とした。この成形フィルム原反の印刷
面を120℃に加温した成形型の凹型に位置決めし、仮
絞り成形用の凸型を上方より被せて、10kg/cm2
の圧力で保持時間30秒の条件で仮絞り成形を行っ
た。
たまま、仮絞り成形用凸型を製品形状の金型に入れ替
え、熱可塑性樹脂のポリカーボネート樹脂[商品名:H
−4000、三菱ガス化学(株)製]を、樹脂温度29
0℃、金型温度60℃、射出圧力1000kg/cm2
、成形時間40秒の条件で射出成形により一体化成形
を行った。この後、外周を打ち抜き、押釦スイッチ構造
体とした。この蒸着フィルムのCu層の抵抗値を測定し
たところ、7.5×10−3Ωcm(比抵抗値)であっ
た。
CBグランドラインに接続した状態にて電界・磁界SE
値を測定したところ、電界SE=73dB、磁界SE=
55dBであった。これらの値は、十分なEMI(磁界
・電界)シールド機能効果が与えられていることを示
す。また、キートップ部の表面抵抗を測定したところ、
1012Ωcmオーダであり、絶縁性の高いものであっ
た。また、外観検査では、反射光時は奇麗な銅色のキー
の上に黒文字が鮮明に認識でき、照光時は蒸着面を光が
通過して黒文字が浮き出るという極めて視認性の高いボ
タン照光型の押釦スイッチであった。
の金属光沢上に印刷された文字が鮮明に認識され、透過
光時には、蒸着金属層を透過した光に印刷文字が浮き上
がって見える上に、EMI(磁界・電界)シールド機能
を有し、ESD(静電気破壊)対策が取られている押釦
スイッチ構造体がきわめて簡易に得られる。
のキートップ部の断面概念図である。
のキートップ部の断面概念図である。
のキートップ部の断面概念図である。
のキートップ部の断面概念図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 キートップ部である複数の突起部を有す
る押釦スイッチ構造体において、透明フィルムの裏面側
に遮光性インキにより文字パターンが印刷されており、
その下方全面に導電性蒸着膜を積層した蒸着フィルムが
接着されており、更にその下方に熱硬化性樹脂または熱
可塑性樹脂からなる押釦スイッチ部材が形成されている
ことを特徴とする、押釦スイッチ構造体。 - 【請求項2】 前記の印刷が施された透明フィルムと前
記蒸着フィルムとの間に、透光性着色層を設けたことを
特徴とする、請求項1に記載された押釦スイッチ構造
体。 - 【請求項3】 前記蒸着フィルムの導電性蒸着層の厚み
が80〜5000Åであることを特徴とする、請求項1
又は請求項2に記載された押釦スイッチ構造体。 - 【請求項4】 前記蒸着フィルムの導電性蒸着層の電気
導電率が101 Ωcm以下であり、EMI(磁界・電
界)シールド機能を有することを特徴とする、請求項1
〜3のいずれかに記載された押釦スイッチ構造体。 - 【請求項5】 前記蒸着フィルムの導電性蒸着層が透明
フィルムの表面側に露出せず、蒸着層が保護されている
とともに、ESD(静電気破壊)対策が取られているこ
とを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載された
押釦スイッチ構造体。 - 【請求項6】 透明フィルムの裏面側に遮光性インキに
より文字パターンを印刷する工程、所望により更にその
上に透光性着色層を印刷する工程、その上に前記蒸着フ
ィルムをラミネートして成形フィルム原反とする工程、
成形フィルム原反の透明フィルム面側を金型凹型に載置
し、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を充填しながら、
金型凸型を用いて成形フィルム原反と押釦スイッチ部材
とを一体化成形する工程からなることを特徴とする、請
求項1〜5のいずれかに記載された押釦スイッチ構造体
の製造方法。
Priority Applications (1)
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