JP2000305310A - 電子写真用現像剤及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真用現像剤及びそれを用いた画像形成方法

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JP2000305310A
JP2000305310A JP11251799A JP11251799A JP2000305310A JP 2000305310 A JP2000305310 A JP 2000305310A JP 11251799 A JP11251799 A JP 11251799A JP 11251799 A JP11251799 A JP 11251799A JP 2000305310 A JP2000305310 A JP 2000305310A
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Tetsuya Taguchi
哲也 田口
Toshimoto Inoue
敏司 井上
Masahiro Takagi
正博 高木
Susumu Yoshino
進 吉野
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
Kaori Ooishi
かおり 大石
Kotaro Yoshihara
宏太郎 吉原
Yasuhiro Oya
康博 大矢
Koichi Hamano
弘一 濱野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーの凝集体の発生と未定着トナー画像の
転写不良の発生を抑制し、機械的ストレスを受けても、
高品質な画像を安定して得られる電子写真用現像剤、及
びそれを用いた画像形成方法の提供。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
る微粒子に流動化剤を添加してなる電子写真用トナー
と、樹脂粒子凝集体とを含む電子写真用現像剤であっ
て、前記樹脂粒子凝集体の平均粒径が、前記電子写真用
トナーの体積平均粒子径の100倍より小さく、かつ、
該樹脂粒子凝集体を構成する樹脂粒子の1次粒子径が、
30nmより大きく、前記電子写真用トナーの体積平均
粒子径の0.1倍より小さいことを特徴とする電子写真
用現像剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電写真法等を利用している複写機、プリンタ
ー、ファックス等に用いられる電子写真用現像剤(以
下、単に、「現像剤」と称することがある。)、及びそ
れを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真法、静電記録法、静電
写真法等のプロセスの一例としては、感光体上を均一に
帯電した後に露光を行って静電潜像を形成し、この静電
潜像を現像剤によって現像して顕像とし、必要に応じて
この顕像を紙、OHPシート等の記録媒体に転写し、加
熱、加圧等によって定着し画像を得る。
【0003】この電子写真に用いられる二成分系現像剤
は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する微粒子に
流動化剤を添加してなる電子写真用トナー(以下、単
に、「トナー」と称することがある。)と、フェライト
粉や鉄粉からなるキャリアやそれらを樹脂でコートした
樹脂コートキャリアとにより構成されている。この現像
剤を現像機内部でオーガー等によって撹拌することによ
り、トナーは帯電する。キャリアはトナーに比べて比重
も粒径も大きいため、トナー表面は撹拌時に強いストレ
スを受けることになる。また、静電潜像を均一に現像
し、むらのない良好な画像を得るためには、現像領域に
薄層で均一な現像剤層を安定して供給する必要がある。
【0004】このため、一般的には搬送ロール上の現像
剤の搬送量を一定に制御するために、過剰の現像剤を除
去するトリマーを現像領域手前に設置し、搬送ロール上
の現像剤はトリマーギャップを通過し薄層化される。現
像剤がトリマーギャップの狭い隙間を通過するときに、
現像剤は強いせんだんを受けて通過し、また、通過せず
に滞留する現像剤は、長時間の撹拌や圧縮を受けること
になる。
【0005】トナーには、これらのようにストレスが長
時間加え続けられ、トナー表面に存在する流動化剤はト
ナーに押しつけられトナー中に埋没する。この現象は、
溶融粘度が比較的低い樹脂をトナーに用いることの多い
フルカラー現像剤や、高速で撹拌・搬送される高速機用
現像剤、記録媒体上のトナー画像の加熱加圧定着性を向
上するためにトナーに離型剤を添加した現像剤におい
て、特に顕著に現れる。また、球形トナーは、転写効率
の向上や粉体特性の向上に効果があるが、トナーのすべ
ての表面が凸になるため、流動化剤の埋没は顕著であ
る。球形トナーは、初期的に優れた特性を示すが、維持
性が劣ることが問題となっている。
【0006】トナー表面の流動化剤がトナー中に埋没す
ると、帯電的に変化してしまい所望の帯電量が得られな
いという障害や、トナー中の結着樹脂同士が直接接触す
ることにより凝集体が発生しやすくなるという障害や、
現像トナー画像や転写トナー画像の非静電的な付着力が
増大し、感光体や中間転写体からの転写が十分に行われ
なくなるという障害等が発生する。このような転写不良
は、画像中のむらの原因や、転写残りの増加によって十
分な画像濃度が得られなくなる原因となる。
【0007】また、前記のような画像形成プロセスにお
いて、転写体に転写した未定着トナー画像を定着する方
法としては、加熱ローラや加熱フィルムによる加熱定着
方法があるが、このうち加熱ローラによる加熱定着方法
が一般的であり、この方法は熱効率に優れ高速定着が可
能である。しかし、この定着方法では加熱定着時に溶融
したトナーの一部が加熱ローラの表面に転移、付着し、
この溶融トナーが次に送られてくる記録媒体に再転移し
て記録媒体及び画像を汚染するというホットオフセット
現象が発生しやすい。
【0008】このホットオフセット現象を防止するため
には、加熱ロールの表面にシリコーンオイル等の離型用
オイルを塗布し、トナーと加熱ローラとの離型性を向上
する手段や、加熱ロールには離型用オイルを塗布せずに
トナー自身に離型性を付与する手段がとられている。加
熱ローラに離型用オイルを塗布してホットオフセットを
防止する手段は、ホットオフセットを防止する点では極
めて有効であるが、離型用オイルを塗布する装置が必要
となるため小型化が困難であったり、記録媒体上に離型
用オイルが付着するため書き込みや張り付けできなくな
ったり、離型用オイルが蒸発して不快臭を発生する等の
問題がある。
【0009】トナー自身に離型性を付与してホットオフ
セットを防止する手段は、トナーに離型剤を含有させる
方法(特開昭52−3304号公報)等があるが、この
ようなトナーは低融点の離型剤を用いているため流動化
剤の埋没が更に加速され、トナーの凝集体の発生や転写
不良といった問題が顕著になっている。トナーの凝集体
は、現像剤・トナー搬送装置の故障の原因となったり、
画像中に凝集体が混入して白抜け等の画像欠陥を引き起
こす原因となる。また、トナーの付着性が増大したこと
による転写不良は、不均一な転写やトナー同士の凝集力
増大の要因となり、画像の抜けや画像濃度のむらの原因
となり、得られる画像の品質低下を招いている。
【0010】流動化剤の埋没を防ぐためには、特開昭6
2−246073号公報のように機械的衝撃力によって
均一に強く固着させる方法や、特開平2−289859
号公報のように部分的に凝集したシリカを用いる方法、
特開平4−174862号公報のように流動化剤をトナ
ー表面に局所的に高密度で付着させる方法等が提案され
ている。これらの方法は、それぞれ一定の効果が得られ
るのものの、十分とはいえなかった。例えば、機械的衝
撃力によって均一に強く固着させる方法では、流動化剤
の脱離は防げるものの埋没抑制の効果は弱くなる。ま
た、部分的に凝集したシリカを用いる方法は、初期的に
は効果があるがトナーに加わるストレスによって徐々に
シリカ凝集体が一次粒径にほぐれ埋没が発生する傾向が
ある。更に、流動化剤をトナー表面に局所的に高密度で
付着させる方法は、付着方法が煩雑でコスト増大の原因
となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、トナーの凝集体の発生と未定
着トナー画像の転写不良の発生を抑制し、初期的にはも
ちろん、長時間装置内で使用され機械的ストレスを受け
ても、高品質な画像を安定して得ることができる電子写
真用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法を提供する
ころを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記従来
の技術における問題を改善すべく、機械的ストレスを受
けたトナーの挙動をいままでとは異なる観点から鋭意検
討した結果、以下のような知見を見出し、本発明を完成
するに至った。即ち、特定の樹脂粒子凝集体を加えた現
像剤は、現像機内部での機械的ストレスによって前記特
定の樹脂粒子凝集体が徐々に再分散し、トナー表面に常
に新たな樹脂粒子が供給される。そのため、既にトナー
表面に付着していた樹脂粒子がトナー中に埋没して効果
を失っても、新たな樹脂粒子がトナー表面に付着して効
果を発揮し、トナー凝集体の発生防止やトナーの非静電
的付着力の増大を抑制するため、転写不良の発生やトナ
ーの粉体特性/帯電特性の悪化を防止することができ
る、という知見である。前記課題を解決するための手段
は、以下の通りである。即ち、 <1> 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する微粒
子に流動化剤を添加してなる電子写真用トナーと、樹脂
粒子凝集体とを含む電子写真用現像剤であって、前記樹
脂粒子凝集体の平均粒径が、前記電子写真用トナーの体
積平均粒子径の100倍より小さく、かつ、該樹脂粒子
凝集体を構成する樹脂粒子の1次粒子径が、30nmよ
り大きく、前記電子写真用トナーの体積平均粒子径の
0.1倍より小さいことを特徴とする電子写真用現像剤
である。 <2> 潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤
により現像してトナー画像を形成する現像工程と、該ト
ナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写
工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形
成方法において、前記定着工程で、離型用オイルを実施
的に供給せずに、加熱ロールを含む定着装置により定着
を行い、かつ、前記<1>に記載の電子写真用現像剤を
用いることを特徴とする画像形成方法である。
【0013】更に、前記課題を解決するための手段は、
以下の態様が好ましい。 <3> キャリアを含む二成分系現像剤である前記<1
>に記載の電子写真用現像剤である。 <4> 前記微粒子が離型剤を含有し、前記キャリアが
フッ素系樹脂及びシリコーン樹脂からなる群から選択さ
れる少なくとも一種により被覆されてなる前記<3>に
記載の電子写真用現像剤である。 <5> 前記樹脂粒子凝集体は、撹拌により再分散可能
であり、かつ、一次粒子に再分散した樹脂粒子又は一次
粒子が数個凝集した樹脂粒子が、前記電子写真用トナー
の表面に付着可能である前記<1>、<3>又は<4>
に記載の電子写真用現像剤である。
【0014】単に、トナーに小径粒子を添加しただけで
は、初期的には効果が得られるものの、粒子が埋没した
り、破壊したりするため、トナーの粉体特性の改善効果
やトナーの非静電的付着力の低減効果を維持することは
できない。粒子の埋没を防ぐためには、大径粒子を用い
ることが従来より提案されているが、大径粒子はトナー
から脱離しやすく、やはり効果を維持することは困難で
あった。特に、近年、高画質化のためにトナーの小径化
が進んでいるが、小径のトナーであるほど大径粒子の脱
離は顕著になる。また、大径のシリカ等の金属酸化物粒
子は、感光体等の部材を摩耗したり部材に固着しやす
く、使用するには障害が多い。
【0015】本発明では、機械的ストレスを受けて再分
散する樹脂粒子凝集体を用いることにより、長時間効果
を発揮することができる。初期的には、この樹脂粒子凝
集体は、トナー表面に付着しているものは少ない。この
段階では、流動化剤の埋没は少なく効果的に機能するた
め、トナー凝集体の発生、転写不良の懸念はない。装置
内部で現像剤に機械的ストレスが加わると、流動化剤は
徐々にトナー中に埋没して行くが、同時に前記樹脂粒子
凝集体が再分散していき、一次粒子あるいは一次粒子が
数個凝集したものが発生する。この一次粒子あるいは一
次粒子が数個凝集したものは、現像剤の撹拌によってト
ナー表面に非静電的あるいは機械的に付着する。樹脂粒
子はトナー表面を覆い、トナーに埋没して効果が減少し
ている流動化剤のかわりに、トナー凝集体の発生防止
や、トナーと感光体又は中間転写体との付着力を低減し
て、転写不良の発生抑制に効果を発揮する。
【0016】トナー表面に付着した樹脂粒子は、機械的
ストレスを受けるとやはり埋没したり破壊したりする
が、前記樹脂粒子凝集体から新たに再分散した一次粒子
あるいは一次粒子が数個凝集したものが供給されるた
め、効果は維持され、長期間安定した特性を得ることが
できる。更に、このようにトナー表面に樹脂粒子が継続
的に付着し、スペーサーとして機能するため流動化剤の
埋没を遅延し、帯電安定性が向上するという効果も得ら
れる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真用現像剤
について詳しく説明する。本発明の電子写真用現像剤
は、電子写真用トナー及び樹脂粒子凝集体を含み、更に
必要に応じて、キャリアを含んでなる。
【0018】[樹脂粒子凝集体]本発明に用いられる樹
脂粒子凝集体は、その平均粒径が、前記電子写真用トナ
ーの体積平均粒子径の100倍より小さいことが必要で
あり、10倍より小さいことが好ましい。前記樹脂粒子
凝集体の平均粒径が、前記電子写真用トナーの体積平均
粒子径の100倍以上では、トリマーギャップ部に前記
樹脂粒子凝集体が溜まり、搬送ロール上の現像剤層が不
均一になりやすくなる。
【0019】前記樹脂粒子凝集体を構成する樹脂粒子の
1次粒子径は、30nmより大きく、前記電子写真用ト
ナーの体積平均粒子径の0.1倍より小さいことが必要
である。更に、前記電子写真用トナーの体積平均粒子径
の0.005倍より大きく、前記電子写真用トナーの体
積平均粒子径の0.04倍より小さいことが好ましい。
前記樹脂粒子の1次粒子径が30nm以下では、極端に
トナー中に埋没しやすかったり、十分なスペーサー効果
が得られないことがある。一方、前記樹脂粒子の1次粒
子径が、前記電子写真用トナーの体積平均粒子径の0.
1倍以上では、トナーから脱離しやすくなり、トナーの
表面改質効果が得られないことがある。
【0020】この樹脂粒子凝集体は、帯電的にはトナー
と同極に帯電し、キャリアに静電的に付着していること
が好ましい。キャリアに静電的に付着しない場合は、搬
送ロールで現像剤を搬送するときに、前記樹脂粒子凝集
体は遠心力で飛ばされ吐き出されてしまう可能性があ
る。現像剤から大量の樹脂粒子凝集体が吐き出される
と、有効に作用しないだけでなく、装置の汚染や画像欠
陥という問題を引き起こす。撹拌等のストレスにより、
1次粒子又はそれに近い状態に再分散した樹脂粒子ひと
つひとつの電荷は、非常に小さなものになるため、非静
電的付着力や機械的付着の方が支配的となり、トナー表
面に付着する。
【0021】前記樹脂粒子凝集体を構成する樹脂粒子
は、トナー中の結着樹脂よりも高いガラス転移点を有す
るものが好ましい。ガラス転移点が低すぎる場合は、ト
ナーの凝集の原因となる可能性がある。前記樹脂粒子凝
集体の添加量は、トナー100重量部に対して、0.5
〜10重量部が好ましく、1〜5重量部がより好まし
い。該添加量が0.5重量部より少ないと、本発明の効
果が得られないことがあり、該添加量が10重量部より
多いと、前記樹脂粒子凝集体の吹き出しによる装置の汚
染や現像剤の流動性の悪化等の問題が発生することがあ
る。
【0022】前記樹脂粒子凝集体を構成する樹脂粒子
は、従来公知のモノマーを用いた乳化重合、懸濁重合、
ソープフリー重合、分散重合等によって得られたポリマ
ーや、溶液重合、バルク重合によって得られたポリマー
を微粒化して得られる。微粒化する方法としては、例え
ば、機械的粉砕、ポリマーを溶媒に溶解した後、そのポ
リマー溶液を溶媒と混和しない液体中に分散し、その分
散液から溶媒を除去した後、乾燥する液中乾燥法等が挙
げられる。前記従来公知のモノマーとしては、例えば、
スチレン及びその置換体、アクリレート及びその置換
体、ビニル化合物、ジエン化合物、ジビニル化合物、モ
ノオレフィン類等が挙げられるが、これらの化合物に限
定されるものではない。前記樹脂粒子は、架橋系、非架
橋系のどちらでもかまわないが、樹脂粒子に強度を持た
せるために架橋させたものが好ましい。
【0023】こうして得られた樹脂粒子を凝集体にする
には、例えば、樹脂粒子分散液をスプレードライする、
樹脂粒子分散液に凝集剤を加え凍結乾燥する、樹脂粒子
に融着しない程度の低い熱をかけながら撹拌する、機械
的強度の低い膜状の材料で樹脂粒子を包みカプセル状に
加工する等の方法が挙げられるが、再分散が可能な樹脂
粒子の凝集体が形成しうるものであれば、これ以外のい
かなる方法を用いてもよい。尚、前記樹脂粒子分散液を
調製するには、前記樹脂粒子を必要に応じて安定剤を用
いて水中に分散、もしくはポリマーを溶解しないアルコ
ール等の有機溶媒中に分散する等により得ることができ
る。
【0024】また、本発明における樹脂粒子凝集体は、
トナーに流動化剤を添加するときに加えてもよく、トナ
ーとキャリアとを混合するときに加えてもよく、現像剤
に後から加えてもよく、添加方法はどのようなものでも
よい。
【0025】前記樹脂粒子凝集体の状態、及び該凝集体
が再分散した状態は、例えば、走査型電子顕微鏡(日立
株式会社製:S−4100)によって確認することがで
きる。前記樹脂粒子凝集体の平均粒径は、走査型電子顕
微鏡により、300個の粒子の粒径を測定し、平均値を
とることにより求めることができる。本発明において、
前記樹脂粒子凝集体を構成する樹脂粒子の一次粒子径
は、走査型電子顕微鏡により300個のサンプリングに
対して測定を行い、それらの一次粒子径の平均値を求め
ることにより得ることができる。前記樹脂粒子凝集体の
帯電的傾向は、前記樹脂粒子凝集体をキャリアと混合し
て撹拌した後、CSG法(チャージスペクトログラフ
法)によって、正帯電性を示すのか、あるいは負帯電性
を示すのかを確認することができる。
【0026】本発明における樹脂粒子凝集体は、低粘度
の結着樹脂を用いることが多いフルカラー用トナーや、
定着性を向上するために低融点の離型剤を結着樹脂に添
加したトナーに用いると、特に高い効果が得られる。低
粘度の結着樹脂や低融点の離型剤は、凝集しやすくべた
つきをもつため、感光体や中間転写体への付着力が強く
転写しにくく、流動化剤を更に埋没しやすくするという
傾向をもっている。
【0027】フルカラー用トナーや離型剤を結着樹脂に
添加したトナーを用いた現像剤の寿命を短くする原因の
一つには、こうした流動化剤の埋没が挙げられている。
従来までは、これらの問題を解決するために、大量の流
動化剤を添加したり、大粒径の金属酸化物微粒子を添加
していた。しかし、流動化剤の添加量を増加する方法や
大粒径の金属酸化物微粒子を添加する方法は、十分な効
果が得られないばかりか、光の乱反射による画像のくす
みや部材の汚染/摩耗の原因となる。
【0028】前記樹脂粒子凝集体から再分散した樹脂粒
子は、付着性の強い結着樹脂や離型剤の露出を抑制する
ため、フルカラー用トナーや離型剤を結着樹脂に添加し
たトナーを用いた現像剤の寿命をのばす効果が得られ、
高品質の画像を安定して得ることができる。また、球形
トナーにおいても同様に流動化剤の埋没を抑制し、粉体
特性を維持し、感光体や中間転写体への付着力を低減さ
せることができる。
【0029】[電子写真用トナー]前記電子写真用トナ
ーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、及び流動化剤を
含み、更に必要に応じて、その他の成分を含んでなる。
【0030】(結着樹脂)代表的な結着樹脂としては、
ポリスチレン樹脂、スチレン−メタクリル酸アルキル共
重合体、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
特に本発明に好適な結着樹脂としては、多価ヒドロキシ
化合物と、多塩基性カルボン酸又はその反応性誘導体と
の反応によって得られるポリエステル樹脂が挙げられ
る。
【0031】(着色剤)前記着色剤としては、カーボン
ブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブ
ルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポ
ンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルーク
ロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・
オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.
I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント
・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:
1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグ
メント・レッド12、C.I.ピグメント・ブルー1
5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の顔料
を代表的なものとして例示することができる。トナー中
の前記着色剤の含有量は、前記結着樹脂100重量部に
対して1〜8重量部が好ましい。前記着色剤の含有量
が、1重量部より少ないと着色力が弱まることがあり、
8重量部より多いとトナーの透明性が悪化することがあ
る。
【0032】(流動化剤)前記流動化剤は、トナーの外
添剤として添加される。前記流動化剤としては、シリ
カ、チタニア、チタン化合物、アルミナ等が挙げられる
が、未処理コアのままでは高温高湿下で吸湿して帯電付
与能力が低下し、低温低湿化で過剰な帯電を付与するた
め環境による差が非常に大きい。従って、未処理コアの
表面にシランカップリング反応による処理やシリコーン
オイル処理を施し、疎水化することにより環境に対する
依存性を低減することができる。
【0033】前記シランカップリング反応に用いるシラ
ン化合物は、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザ
ン、特殊シリル化合物等のいずれのタイプでもよい。ま
た、前記シリコーンオイルとしては、具体的には、ジメ
チルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコー
ンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル
変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコ
ーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、アミノ
変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイ
ル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビーノ変
性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイ
ル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性
シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイ
ル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸
エステル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーン
オイル等が挙げられるが、本発明における処理剤はこれ
らの化合物に限定されるものではない。
【0034】前記流動化剤の添加量は、トナー100重
量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。該添加量
が0.1重量部より少ないと、トナーの流動性改善効果
が不十分となることがあり、一方、該添加量が5重量部
より多いと、感光体の摩耗や定着画像のくすみの原因と
なることがある。
【0035】(その他の成分) −離型剤− 前記その他の成分として、トナー中に離型剤を含有する
ことができる。前記離型剤としては、例えば、パラフィ
ンワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリオレ
フィンワックス、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エス
テルワックス、ケトン、硬化ひまし油、植物系ワック
ス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム
等とそれらの変性品が挙げられる。これらの離型剤の含
有量は、トナー100重量部に対して0.1〜40重量
部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。該含有
量が0.1重量部よりも少ない場合には、十分な定着特
性が得られないことがあり、一方、該含有量が40重量
部より多い場合には、トナーの粉体流動性や耐ブロッキ
ング性が極端に悪化したり、混練時に結着樹脂と十分に
混合されないことがある。
【0036】本発明において、トナーは前記結着樹脂、
着色剤等を溶融混練処理する方法によって製造してもよ
く、結着樹脂形成用のモノマーの懸濁重合、乳化重合等
の重合トナー作製方法を用いてもよい。トナー製造に関
しては、必要に応じて、帯電制御剤等を添加することが
できる。
【0037】[キャリア]本発明の電子写真用現像剤
は、キャリアを含まない一成分系現像剤として用いても
よく、キャリアを含む二成分系現像剤として用いてもよ
い。本発明で用いることができるキャリアは、フェライ
ト粉や鉄粉やそれらを樹脂で被覆した樹脂コートキャリ
アが挙げられる。特に、耐汚染性や高帯電性といった観
点から樹脂コートキャリアが好ましい。キャリアのコー
ト剤には、トナーの付着や離型剤による汚染を抑制し、
機械的強度に優れ、摩耗や破損に強い樹脂が好ましい。
具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル及びポ
リビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニト
リル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカ
ルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、アミ
ノ樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、スチレンアクリル共重合体、オルガノシロキサン結
合からなるシリコーン樹脂及びその変性体、フッ素樹脂
等が挙げられる。特に、シリコーン樹脂及びその変性体
とフッ素樹脂(例えば、パーフルオロアクリレート、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等)
が好ましい。
【0038】次に、本発明の画像形成方法について詳し
く説明する。本発明の画像形成方法は、潜像担持体上に
形成された静電潜像を、現像剤により現像してトナー画
像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転
写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定
着する定着工程とを含む画像形成方法において、前記定
着工程で、離型用オイルを実施的に供給せずに、加熱ロ
ールを含む定着装置により定着を行い、かつ、前記本発
明の電子写真用現像剤を用いることを特徴とする。
【0039】前記潜像担持体上に静電潜像を形成するに
は、公知の方法によって行うことができる。前記潜像担
持体としては、電子写真感光体、誘電記録体等を用いる
ことができる。前記潜像担持体上に形成された静電潜像
は、前記本発明の電子写真用現像剤を用いて顕像化さ
れ、次いで紙等の転写材上に公知の方法によって転写さ
れる。このとき中間転写体にいったん転写してから、紙
等の転写材上に再度転写する方法を用いてもよい。転写
材上に転写された未定着トナー画像は、加熱ロールを備
えた定着装置によって加熱及び/又は加圧されて定着さ
れるが、このとき加熱ロールには離型用オイルを供給し
ないことが好ましい。
【0040】前記定着装置としては、加熱ロールと加圧
ロールとを有するもの、加熱ロールとベルトとを有する
もの等を用いることができる。図1に、本発明の定着工
程に好適に用いられるロール−ロール接触型定着装置の
一例の概略側面図を示す。図1に示すように、この定着
装置Aには、回転可能に支持されている加熱ロール12
1と、回転可能に支持されているとともに加熱ロール1
21に圧接するように支持されている加圧ロール122
が設けられている。この一対の定着ロールの間に形成さ
れたニップ領域123に、未定着の転写画像124を担
持する転写材125を、転写画像124を加熱ロール1
21側に向けて導入する。転写材125がニップ領域1
23に導入されると、加熱ロール121及び加圧ロール
122は転写材125を上下逆方向から圧接して、転写
画像124を転写材125に定着させる。定着装置Aに
は、剥離補助部材126を設けてもよい。
【0041】加熱ロール121は、アルミニウム等の熱
伝導率の高い金属からなる芯金ロール127をゴム弾性
体128で内包する。ゴム弾性体128は、耐熱性の高
い材料が好ましく、例えば、シリコーンゴム、フッ素系
ゴム等が好ましい。更に加熱ロール121の最表面12
8’は、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂又はシリコ
ーンゴム等の低表面エネルギー材料で構成されたものが
好ましく用いられる。これらのロール構成材料には、必
要に応じて、ロールの耐摩耗性や強度を向上させるため
に金属酸化物等を添加してもよい。加熱ロール121の
内部には、ハロゲンランプ等の加熱源129が設けられ
ていて、この加熱源から供与される熱により、転写材1
25上の未定着トナーが一部溶融し、転写材125中に
浸透し、これを圧接することにより、転写画像124が
転写材125に定着する。一方、加圧ロール122も、
アルミニウム等の熱伝導率の高い金属からなる芯金ロー
ルをゴム弾性体で内包している(不図示)。所望によ
り、加圧ロール122内部にも加熱源が設けられてもよ
い。
【0042】本発明に使用されるロール−ロール接触型
定着装置の構成は、図1に示す構成の定着装置に限定さ
れるものではなく、従来公知のロール−ロール接触型定
着装置を広く使用することができる。例えば、特開平9
−171313号公報、及び特開平10−10895号
公報等に提案されている定着装置が好適に用いられる。
【0043】図2に、本発明の定着工程に好適に用いら
れるロール−ベルト接触型定着装置の一例の概略側面図
を示す。図2に示すように、この定着装置Bには、回転
可能に支持されている加熱ロール131と、エンドレス
ベルト132とが設けられている。エンドレスベルト1
32は、回転可能に支持されている駆動ロール134、
回転可能に支持されているスポンジロール135、及び
回転可能に支持されている加圧ロール133により張架
されている。エンドレスベルト132は、加圧ロール1
33により加熱ロール131に圧接されるとともに、ス
ポンジロール135によって所定のニップ幅のニップ領
域140を構成するよう配置されている。
【0044】エンドレスベルト132の材料については
特に制約はなく、例えば、高分子材料、金属材料、セラ
ミック材料、ガラス繊維材料等からなるフィルムや、こ
れら材料を2種類以上組み合わせて複合化した材料等が
挙げられる。また、これらのフィルムの上に高い耐熱性
及び高い摩耗性を有する弾性層を設けることが好まし
く、例えば、フッ素系ゴム、シリコーンゴム等のゴム弾
性体からなる層が好ましい。加熱ロール131の構成に
ついては、ロール−ロール接触型定着装置の加熱ロール
121と同様な構成である。
【0045】このように、ニップ幅の広いロール−ベル
ト接触型定着装置を用いて未定着の転写画像を定着する
ことによって、定着圧力を比較的低い圧力に設定しても
安定的に定着することが可能となるため、画像のつぶれ
等が抑制でき、また高速機等への対応も可能となる。
【0046】本発明に使用されるロール−ベルト接触型
定着装置の構成は、図2に示す構成の定着装置に限定さ
れるものではなく、従来公知のロール−ベルト接触型定
着装置を広く使用することができる。例えば、特開平5
−150679号公報、及び特開平9−329980号
公報等に提案されている定着装置が好適に用いられる。
【0047】本発明の画像形成方法は、前記本発明の電
子写真用現像剤を用いているため、長期に渡り、高品質
の画像を安定して得ることができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、
以下の説明において、「部」はすべて「重量部」を意味
する。
【0049】<樹脂粒子凝集体1の合成>スチレン90
部にアクリル酸10部を混合したモノマーを用いて、ラ
ウリル硫酸ナトリウム水溶液中に分散し、重合開始剤を
加えて攪拌しながら乳化重合(窒素雰囲気下、85℃、
10時間)を行い、得られたポリマーを微粒化して、樹
脂粒子の1次粒子径が100nmのポリスチレン−アク
リル酸共重合体粒子を得た。この樹脂粒子を洗浄後、ラ
ウリル硫酸ナトリウム水溶液中に加えて樹脂粒子分散液
を調製し、スプレードライ乾燥を行って造粒し、篩分し
て粗大粉を除去して平均粒径50μmの樹脂粒子凝集体
1を得た。CSG法の結果では負帯電性を示した。尚、
スプレードライによる造粒は、次の条件で行った。ま
ず、上記樹脂粒子分散液を粘度が約5cPになるように
固形分濃度を調整し、この分散液をホローコーン型圧力
噴霧ノズルを有したスプレードライ装置を用いて噴霧造
粒し、球形の樹脂粒子凝集体を得た。乾燥温度は樹脂粒
子同士が溶融合一することを防ぐために、樹脂粒子のガ
ラス転移点よりも低い60℃に設定し、凝集体の粒径は
ノズルのギャップによって制御した。こうして得られた
樹脂粒子凝集体は真空乾燥機で一晩乾燥後、平均粒径の
5倍程度の網を用いて篩分を行い、粗粉を除去した。
【0050】<樹脂粒子凝集体2の合成>スチレンモノ
マーに重合開始剤を溶解し、このスチレンモノマーをポ
リビニルアルコール水溶液中に分散して、攪拌しながら
懸濁重合(窒素雰囲気下、80℃、10時間)を行い、
得られたポリマーを微粒化して、樹脂粒子の1次粒子径
が400nmのポリスチレン重合体粒子を得た。この樹
脂粒子を洗浄し、水に加えて樹脂粒子分散液を調製し、
凝集剤を加えて凍結乾燥(真空下、−50℃)した後、
更に篩分して粗大粉を除去して平均粒径65μmの樹脂
粒子凝集体2を得た。CSG法の結果では帯電的にほぼ
中性を示した。
【0051】<樹脂粒子凝集体3の合成>メチルメタア
クリレートモノマーを、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液
中に分散し、重合開始剤を加えて攪拌しながら乳化重合
(窒素雰囲気下、85℃、10時間)を行い、得られた
ポリマーを微粒化して、樹脂粒子の1次粒子径が200
nmのPMMA粒子を得た。この樹脂粒子を洗浄後、ス
プレードライ乾燥を行って造粒し、篩分して粗大粉を除
去して平均粒径55μmの樹脂粒子凝集体3を得た。C
SG法の結果では正帯電性を示した。
【0052】<樹脂粒子凝集体4の合成>スチレン90
部にアクリル酸10部を混合したモノマーを用いて乳化
重合(樹脂粒子凝集体1と同様の条件下)を行い、得ら
れたポリマーを微粒化して、樹脂粒子の1次粒子径が1
000nmのポリスチレン−アクリル酸共重合体粒子を
得た。この樹脂粒子を洗浄後、スプレードライ乾燥を行
って造粒し、篩分して粗大粉を除去して平均粒径100
μmの樹脂粒子凝集体4を得た。CSG法の結果では負
帯電性を示した。
【0053】<樹脂粒子凝集体5の合成>スチレン90
部にアクリル酸10部を混合したモノマーを用いて乳化
重合(樹脂粒子凝集体1と同様の条件下)を行い、得ら
れたポリマーを微粒化して、樹脂粒子の1次粒子径が1
00nmのポリスチレン−アクリル酸共重合体粒子を得
た。この樹脂粒子を洗浄後、スプレードライ乾燥を行っ
て造粒し、篩分して粗大粉を除去して平均粒径1000
μmの樹脂粒子凝集体5を得た。CSG法の結果では負
帯電性を示した。
【0054】 <トナーの調製> 線状ポリエステル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92部 (テレフタル酸、ビスフェノールA、グリセリンから得られた線状ポリエステル :Tg=65℃、Mn=4,200、Mw=33,000、酸価=10、水酸基 価=22) マゼンダ顔料:(C.I.ピグメント・レッド57) ・・・・・・・・ 3部 離型剤:(精製カルナバワックス) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 5部 上記材料を予備混合した後、エクストリューダで混練
し、得られたスラブを圧延、冷却、破砕後、ジェットミ
ルで粉砕した。更に、風力式分級機で分級して粗粉と微
粉とを除去し、体積平均粒子径7.9μmのトナー分級
品を得た。
【0055】(実施例1)得られたポリエステルトナー
の分級品100部に対して、流動化剤として負電性チタ
ニア微粒子を0.5部、及びシリコーンオイル処理シリ
カを0.7部、樹脂粒子凝集体1を2部添加し、ヘンシ
ェルミキサで混合してトナーを得た。得られたトナー8
部に、粒径35μmのパーフルオロオクチルエチルメタ
クリレート−スチレン共重合体コートキャリア100部
を加え、混合して現像剤1を製造した。
【0056】(実施例2)実施例1において、樹脂粒子
凝集体1を樹脂粒子凝集体2に代えた以外は、実施例1
と同様にして、現像剤2を製造した。
【0057】(実施例3)実施例1において、樹脂粒子
凝集体1を樹脂粒子凝集体3に代えた以外は、実施例1
と同様にして、現像剤3を製造した。
【0058】(実施例4)前述のポリエステルトナーの
分級品100部に対して、流動化剤として負帯電性チタ
ニア微粒子0.5部、及びシリコーンオイル処理シリカ
0.7部を添加し、ヘンシェルミキサで混合してトナー
を得た。得られたトナー8部に、粒径35μmのパーフ
ルオロオクチルエチルメタクリレート−スチレン共重合
体コートキャリア100部、及び樹脂粒子凝集体1を
1.0部加え、混合して現像剤4を製造した。
【0059】(比較例1)実施例1において、樹脂粒子
凝集体1を加えなかった以外は、実施例1と同様にし
て、現像剤5を製造した。
【0060】(比較例2)実施例1において、樹脂粒子
凝集体1を樹脂粒子凝集体4に代えた以外は、実施例1
と同様にして、現像剤6を製造した。
【0061】(比較例3)実施例1において、樹脂粒子
凝集体1を樹脂粒子凝集体5に代えた以外は、実施例1
と同様にして、現像剤7を製造した。
【0062】市販の電子写真複写機(A−Color6
35、富士ゼロックス社製)の定着装置における加熱ロ
ールを、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル(PFA)でコートしたロールに交換
した改造試験機を用いて、離型用オイルの供給をせず
に、得られた現像剤1〜8のそれぞれによりA4のコー
ト紙に画像を出力した。中温中湿下(22℃、55%R
H)、すべての現像剤1〜8に対して、画像部の濃度が
同じになるように調整して複写を10000枚行い、1
0000枚複写後の画像中の抜け、画像濃度のむらを確
認した。また、10000枚複写後の現像剤を走査型電
子顕微鏡で観察し、トナー表面にどのような状態で、樹
脂粒子凝集体が再分散した樹脂粒子が付着しているか確
認した。また、10000枚複写後の現像剤をアパチャ
ー75μmのメッシュに通してキャリアを除去し、目視
で樹脂粒子凝集体と識別しながらトナー凝集体の発生量
を観察した。結果を表1に示す。尚、画像品質が優れて
いるものを◎、画像品質に問題がないものを○、画像品
質にやや劣るものを△、画像品質に劣るものを×、と評
価した。
【0063】
【表1】
【0064】実施例1〜4では、10000枚後でも画
像の抜けや濃度むらがなく、高い品質の画像が得られ
た。トナー表面には潰れた樹脂粒子が多数付着している
ものの、埋没や破壊していない樹脂粒子が多数付着して
いた。実施例2及び3では、現像機から樹脂粒子凝集体
の若干の吹き出しが観察され、顕像機と周辺部とが白く
汚れていた。トナー凝集体の発生はいずれもごくわずか
で、実質的に問題となる量ではなかった。一方、比較例
1及び2では、10000枚後の画像濃度の大幅な低
下、ぬけ、濃度むらが見られ、実施例と比較すると、画
像品質は大きく劣っていた。比較例2では樹脂粒子は、
トナーに対して5個から20個程度しか付着しておら
ず、また、樹脂粒子が大きいためトナーに均一に付着せ
ずに、ほとんど付着していないトナーと、いくつか付着
しているトナーとが混ざっている状態であった。更に、
トナーに付着せずに遊離している樹脂粒子も多く観察さ
れた。比較例1及び2のいずれもトナーの凝集体が多く
見られた。比較例3では、初期から現像機のトリマーギ
ャップ部に樹脂粒子凝集体5が引っかかって堆積し、現
像剤の通過を妨げたため、現像部位に現像剤が均一に供
給されず筋状に白抜けが発生した。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、トナーの凝集体の発生
と未定着トナー画像の転写不良の発生を抑制し、初期的
にはもちろん、長時間装置内で使用され機械的ストレス
を受けても、高品質な画像を安定して得ることができる
電子写真用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法に用いられるロール−
ロール接触型定着装置の一例の概略図である。
【図2】 本発明の画像形成方法に用いられるロール−
ベルト接触型定着装置の一例の概略図である。
【符号の説明】
A ロール−ロール接触型定着装置 B ロール−ベルト接触型定着装置 121 加熱ロール 122 加圧ロール 123 ニップ領域 124 未定着トナー層 125 転写材 126 剥離補助部材 127 芯金ロール 128 弾性体層 129 ハロゲンランプ 131 加熱ロール 132 エンドレスベルト 133 加圧ロール 134 駆動ロール 135 スポンジロール 136 未定着の転写画像 137 転写材 139 剥離補助部材 140 ニップ領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 正博 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 吉野 進 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 二宮 正伸 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 大石 かおり 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 吉原 宏太郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 大矢 康博 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 濱野 弘一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CA01 DA05 EA05 2H077 EA03 EA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
    る微粒子に流動化剤を添加してなる電子写真用トナー
    と、樹脂粒子凝集体とを含む電子写真用現像剤であっ
    て、前記樹脂粒子凝集体の平均粒径が、前記電子写真用
    トナーの体積平均粒子径の100倍より小さく、かつ、
    該樹脂粒子凝集体を構成する樹脂粒子の1次粒子径が、
    30nmより大きく、前記電子写真用トナーの体積平均
    粒子径の0.1倍より小さいことを特徴とする電子写真
    用現像剤。
  2. 【請求項2】 潜像担持体上に形成された静電潜像を、
    現像剤により現像してトナー画像を形成する現像工程
    と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成
    する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含
    む画像形成方法において、前記定着工程で、離型用オイ
    ルを実施的に供給せずに、加熱ロールを含む定着装置に
    より定着を行い、かつ、請求項1に記載の電子写真用現
    像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009511987A (ja) * 2005-10-14 2009-03-19 イーストマン コダック カンパニー 静電写真法
US7939235B2 (en) 2007-03-16 2011-05-10 Ricoh Company Limited Image formation method

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