JP2000303627A - 下り棟部における屋根材の連結用構成材 - Google Patents

下り棟部における屋根材の連結用構成材

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JP2000303627A JP11115420A JP11542099A JP2000303627A JP 2000303627 A JP2000303627 A JP 2000303627A JP 11115420 A JP11115420 A JP 11115420A JP 11542099 A JP11542099 A JP 11542099A JP 2000303627 A JP2000303627 A JP 2000303627A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連結部の構造強度が高く、葺成した屋根の外
観が立体的で美しさに富むとゝもに、施工が容易で且つ
防水性を確実に保持することができるものを提供するこ
とにある。 【解決手段】 上辺に切欠部8,下辺に突出部9,中心
線7aの部分で裏面側へ折り曲げた表面側の前記中心線
の部分に屋根板挟着体16を夫々備えた連結用本体部材
7と、屋根板抑え部材17とから構成され、該屋根板抑
え部材は、中心線17aの部分で前記連結用本体部材と
ほゞ同角度で裏面側に折り曲げ、左右両側部の端縁を夫
々裏面側に折曲げて形成した一対の挿入片19を備えた
下り棟部における屋根板の連結用構成材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下り棟部における
屋根板の連結用構成材、詳しくは、寄せ棟屋根の下り棟
部における左右の屋根板を連結するための構成材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図15に示すように、建造物の寄せ棟屋
根には、隣接する二面の屋根R,R間に棟Aから軒Bに
向け下降傾斜する棟部Mが介在するが、従来この棟部M
を屋根板で葺成する場合には図16に示す方法により行
っている。
【0003】すなわち、図16において、1は金属板に
より形成した屋根板連結材で、その中心線1aにおい
て、前記棟部Mの傾斜角度に合わせて夫々下方向に逆V
字状に折り曲げた2つの傾斜面部2を備えており、この
両傾斜面部2には夫々の中央部において裏面側にS字状
に折り返して形成した係止部3と、前記両傾斜面部2の
端縁を裏面側に折り返して形成した折返部4がそれぞれ
形成されている。
【0004】そこで、この屋根板連結材1および屋根板
5により棟部Mを葺く場合には、先ず前記棟部Mの中心
に前記屋根板連結材1の中心線1aを一致させた後、前
記折返部4の近傍を釘打ちにより野路板に固定する。そ
の後、前記係止部3の中心線1a側に開口する間隙部に
それぞれ屋根板5,5の側端縁を表面側に折り返した係
止片6を挿入し、前記係止部3を上から叩いて係止部3
の開口部を圧潰することで、屋根板連結材1と屋根板
5,5とを連結している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記屋根板連
結材1は、一枚の金属板をその中心線1aの部分で逆V
字形状に折曲した構成からなるものであるから強度が弱
く、上に人間や重量物が乗っかった場合には簡単に変形
してしまう虞れがあるとゝもに、葺成後の外観が貧弱に
見えるという欠点がある。
【0006】また、連結時において、前記係止部3をそ
の上から叩くことにより、係止部3の開口部を圧潰して
係止片6を挟着する構成であるから、防水性を確実に確
保した状態で連結するには相当の熟練を要するとゝも
に、吹き上げる風雨により屋根板5の係止片6が屋根板
連結材1の前記係止部3から容易に外れてしまう虞もあ
る、といった諸問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の諸問題点を解決するために成されたもので、連結
部の構造強度が高く、葺成した屋根の外観が立体的で美
しさに富むとゝもに、施工が容易で且つ防水性を確実に
保持することができるものを提供することを目的とした
ものである。
【0008】前記の目的を達成するため、本願発明の要
旨は、棟側に設置する上辺には山形状の切欠部を、軒側
に設置する下辺には山形状の突出部をそれぞれ備えた平
面視がほゞ矢羽形状に形成され、前記切欠部及び突出部
の中心を通る中心線の部分で裏面側に所定角度で折り曲
げると共に、表面側の前記中心線の部分に幅方向の中央
部で前記中心線に沿って固定した長方形の屋根板挟着体
を備えた連結用本体部材と、屋根板抑え部材とから構成
され、該屋根板抑え部材は、中心線の部分で前記連結用
本体部材とほゞ同角度で裏面側に折り曲げると共に、そ
の左右両側部の端縁を夫々裏面側に折曲げて形成した左
右一対の挿入片を備えた構造であり、該挿入片を前記屋
根板挟着体の左右両側の挟着片とその下面で前記連結用
本体部材とで挟着した屋根板との間に挿入することによ
り、連結用本体部材とその左右に連結した両屋根板との
連結部を前記屋根板抑え部材により被覆した状態で固定
する構成としたことを特徴とする下り棟部における屋根
板の連結用構成材にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1乃至図15に
示す実施例により詳細に説明すると、図において、7は
一枚の金属板により形成した連結用本体部材で、棟A側
に設置する上辺には所定の中心角でカットした山形状の
切欠部8が、また軒B側に設置する下辺には前記切欠部
8の中心角とほゞ同一角度の山形状の突出部9が夫々形
成されており、その両側部の側端10が平行とした平面
視がほゞ矢羽形状に形成されている。
【0010】7aは前記切欠部8と突出部9を通る中心
線で、前記連結用本体部材7はこの中心線7aの部分で
裏面側へ所定角度だけ、具体的には棟部Mの角度に合わ
せて裏面側へ折曲されている。11は前記切欠部8の端
縁に立設した高さの低い上向起立片で、12は前記突出
部9の端縁に垂設した高さの低い下向起立片であり、1
3は連結用本体部材7の前記両側部の側端10を表面側
へ折曲げにより形成した幅狭な折返片である。
【0011】14は前記連結用本体部材7の表面側に設
置した角棒で、前記中心線7aの部分にリベット15に
より固定されており、該角棒14の上面には上下方向に
長い長方形状の屋根板挟着体16がその幅方向の中心部
分で前記リベット15により共締めで固定されている。
16Aは前記屋根板挟着体16の左右両側に延びた挟着
片で、バネ性を備えており、その先端部は前記連結用本
体部材7の表面方向へ付勢されていて表面と当接してい
る。
【0012】17は一枚の金属板により形成した屋根板
抑え部材で、図5乃至図7に示すように、その天板部1
8の横幅は前記屋根板挟着体16の横幅より広く、長さ
は屋根板挟着体16の長さより僅かに長く形成されてい
るとゝもに、中心線17aの部分で前記連結用本体部材
7とほゞ同角度で裏面側に折曲されている。
【0013】19は前記天板部18の両端縁をそれぞれ
裏面側に折り返して形成した左右一対の挿入片で、20
は軒B側に設置する下辺に形成した山形状の突出部であ
る。21は前記突出部20の端縁に形成した断面コ字状
の係止部で、裏面側に垂直に折曲した垂直部21Aと、
この垂直部21Aの下端から内側方向に折曲した水平部
21Bとから構成されている。なお、前記垂直部21A
の内法の高さは、後述する屋根板22の下部係止部24
及び前記連結用本体部材7における突出部9の端縁に形
成した下向起立片12をそれぞれ被覆可能となるよう
に、僅かに高くに設定されている。
【0014】22は前記連結用本体部材7に固定した角
棒14の両側に配置する一対の屋根板で、それぞれの内
側端22aは前記角棒14の長手方向と平行で、その上
端辺22bおよび下端辺22cは前記山形状の切欠部8
の傾斜角度とそれぞれ同一角度で平行に形成されてい
る。そして、屋根板22の前記上端辺22bの近傍には
表面側にS字状に折曲げた上部係止部23が、また前記
下端辺22cには裏面側に折返した下部係止部24がそ
れぞれ形成されている。なお、図中、23aは前記上部
係止部23と屋根板22の表面との間に下向きに開口す
る間隙部である。
【0015】次に、以上のような連結用本体部材7,屋
根板抑え部材17及び屋根板22の3部材の組付けにつ
いて説明すると、先ず連結用本体部材7を図示しないが
棟部Mの野地板上に図示しないルーフィング等を介して
図8の(イ)に示すように設置する。すなわち、連結用
本体部材7をその切欠部8を棟A側に、突出部9を軒B
側にそれぞれ向けて配設するとゝもに、その中心線7a
を棟部Mの稜線に一致させて固定する。
【0016】次いで、屋根板22の内側端22aをその
下端辺22c側から、前記連結用本体部材7の表面と前
記屋根板挟着体16の挟着片16Aの下部との間に、該
挟着片16Aをその弾性に抗して上方向に開きながら挿
入した後、内側端22aの下端辺22cを支点として矢
印方向に押し込み、内側端22a全体が前記角棒14の
側面と当接するまで挿入する。
【0017】次いで、図8の(ロ)に示すように、前記
屋根板22の内側端22aを角棒14の側面に案内させ
ながら前記屋根板22を上方向にスライドさせ、この屋
根板22の下部係止部24における垂直部を連結用本体
部材7の前記下向起立片12に当接せしめる。これによ
り、屋根板22の前記下部係止部24は連結用本体部材
7の前記下向起立片12を被覆した状態で連結用本体部
材7に係止されるとゝもに、屋根板22の上方部は内側
端22aの部分で前記屋根板挟着体16の挟着片16A
の下面で弾性的に挟着される。
【0018】更に、図8の(ハ),(ニ)に示すよう
に、前記連結用本体部材7の下方から前記屋根板抑え部
材17を、その天板部18の下面が前記屋根板挟着体1
6の上面に接する状態で、左右の挿入片19を前記屋根
板22の表面と屋根板挟着体16との間に強制的に挿入
する。そして、その後、前記屋根板抑え部材17を上方
向にスライドさせ、下部の係止部21の垂直部21Aが
屋根板22の下部係止部24の垂直部に当接するまで差
し込む。これにより、図9乃至図12に示すように、前
記屋根板抑え部材17の係止部21は屋根板22の前記
下部係止部24及び連結用本体部材7の下向起立片12
を被覆した状態で一体化する。
【0019】このようにして、連結用本体部材7,屋根
板抑え部材17及び屋根板22により葺成された屋根
(下段の屋根)の上方に上段の屋根を連結するには、図
13に示すように、下段に固定された屋根板22の上部
係止部23の間隙部23aに、上段に葺成する屋根板2
2の下部係止部24を挿入した後、該上部屋根板22の
連結用本体部材7を野路板に固定する。以後は上記の作
業を順次繰り返して棟A部まで行うことにより谷部の葺
成が完了する。
【0020】図14は連結用本体部材7の他実施例であ
る。前記実施例では、連結用本体部材7と屋根板挟着体
16とは角棒14を介して一体に固定していた。しか
し、組立加工費および材料費が高くなるので、この実施
例では、連結用本体部材7Aの中心線の部分にプレス加
工等により、前記角棒14と同一形状の隆条部25を表
面側に設け、この隆条部25に上記の屋根板挟着体16
をリベット止め,スポット溶接或いは接着剤等により一
体に固定したものである。
【0021】なお、接着剤(電気化学工業株式会社製,
商標名:ハードロック)を使用した場合には、前記連結
用本体部材7の材料をステンレスに代えて亜鉛メッキの
鉄板を使用することができるため、材料費の大幅な逓減
が図られるとゝもに、リベット打ち装置やスポット溶接
装置の設備が不要となり、且つ固定作業の能率が一段と
向上する。
【0022】また図14に示す連結用本体部材7Aは、
その上辺から下辺方向に山・谷部が伸びる波形板で形成
したものである。前記実施例の連結用本体部材7のよう
に、一枚の平板な金属板に成形した場合には、切欠部8
の端縁に上向起立片11を形成すると、左右の上向起立
片11の外方向の引っ張りによって、その偶角部8aに
亀裂が発生するおそれがあった。
【0023】しかし、本実施例においては、前記連結用
本体部材7Aを波形板により形成することにより、左右
の上向起立片12を形成する際に、山部あるいは谷部の
弛みによって偶角部8aに亀裂の発生を防止することが
でき、不良品の発生が少なくなって歩留りが良くなると
ゝもに、上方向からの加圧に対する強度が向上し、且つ
連結用本体部材7Aの表面に侵入した雨水を谷部に沿っ
て迅速に下方向に流下させることができ、水切り性が向
上させることもできる。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る屋根板の連結用構成材は、
上記のような構成であるから、施工が容易で且つ連結部
の構造強度が高く、且つ防水性を長期にわたって確実に
保持することができる。また、屋根板抑え部材の軒側に
設置する下辺に連結用本体部材の突出部とほゞ同一形状
の突出部を形成するとゝもに、該突出部の端縁に屋根板
の下辺部及び連結用本体部材の突出部の端縁に形成した
下向起立片を被覆可能な断面コ字状の係止部を形成する
ことにより、葺成した屋根の軒側は立体感及び重量感に
富み、外観も美麗となる。さらに、前記連結用本体部材
を波形板で成形することによって構造強度が向上すると
ゝもに、その表面に侵入した雨水を迅速に下方向に流下
させることができる、雨仕舞いが良好となる、といった
諸効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】連結用本体部材の正面図である。
【図2】図1のIIーII線断面矢視図である。
【図3】図1の底面図である。
【図4】図1のIVーIV線断面図である。
【図5】屋根板抑え部材の正面図である。
【図6】図5の背面図である。
【図7】図5の平面拡大図である。
【図8】連結工程を示す作用説明正面図である。
【図9】連結後の平面図である。
【図10】図9の底面図である。
【図11】図9のXIーXI線断面拡大部分図である。
【図12】図10のXII ーXII 線断面拡大部分図であ
る。
【図13】上下方向の連結状態を示す正面図である。
【図14】他の連結用本体部材の斜視図である。
【図15】寄せ棟屋根を備えた建造物の斜視図である。
【図16】従来の谷部における屋根板の連結状態を示す
部分斜視図である。
【符号の説明】
7 連結用本体部材 7a 中心線 8 切欠部 9 突出部 11 上向起立片 12 下向起立片 14 角棒 16 屋根挟着体 16A 挟着片 17 屋根板抑え部材 17a 中心線 19 挿入片 20 突出部 21 係止部 22 屋根板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棟側に設置する上辺には山形状の切欠部
    を、軒側に設置する下辺には山形状の突出部をそれぞれ
    備えた平面視がほゞ矢羽形状に形成され、前記切欠部及
    び突出部の中心を通る中心線の部分で裏面側に所定角度
    で折り曲げるとゝもに、表面側の前記中心線の部分に幅
    方向の中央部で前記中心線に沿って固定した長方形の屋
    根板挟着体を備えた連結用本体部材と、屋根板抑え部材
    とから構成され、該屋根板抑え部材は、中心線の部分で
    前記連結用本体部材とほゞ同角度で裏面側に折り曲げる
    とゝもに、その左右両側部の端縁を夫々裏面側に折曲げ
    て形成した左右一対の挿入片を備えた構造であり、該挿
    入片を前記屋根板挟着体の左右両側の挟着片とその下面
    で前記連結用本体部材とで挟着した屋根板との間に挿入
    することにより、連結用本体部材とその左右に連結した
    両屋根板との連結部を前記屋根板抑え部材により被覆し
    た状態で固定する構成としたことを特徴とする下り棟部
    における屋根板の連結用構成材。
  2. 【請求項2】 連結用本体部材の切欠部の端縁には上向
    起立片を、突出部の端縁には下向起立片を、左右両側部
    の側端縁には表面側への折返片を夫々形成したことを特
    徴とする請求項1記載の下り谷部における屋根板の連結
    用構成材。
  3. 【請求項3】 連結用本体部材の中心線に沿った位置に
    表面側に膨出せしめた凸条部を一体に形成し、該凸条部
    に屋根板挟着体を固定したことを特徴とする請求項1又
    は2記載の下り棟部における屋根板の連結用構成材。
  4. 【請求項4】 連結用本体部材の表面側の中心線に沿っ
    た位置に長尺な角材を装着し、該角材に屋根板挟着体を
    固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の下り棟
    部における屋根板の連結用構成材。
  5. 【請求項5】 連結用本体部材を上辺から下辺方向に山
    ・谷部が伸びる波形板で形成したことを特徴とする請求
    項1,2,3又は4記載の下り棟部における屋根板の連
    結用構成材。
  6. 【請求項6】 屋根板抑え部材の軒側に設置する下辺に
    連結用本体部材の突出部とほゞ同一形状の突出部を形成
    するとゝもに、該突出部の端縁に屋根板の下辺部及び連
    結用本体部材の突出部の端縁に形成した下向起立片を被
    覆可能な断面コ字状の係止部を形成したことを特徴とす
    る請求項1,2,3,4又は5記載の下り棟部における
    屋根板の連結用構成材。
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