JP2000303113A - 鋳鉄製造用黒鉛球状化合金 - Google Patents

鋳鉄製造用黒鉛球状化合金

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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネシウムの反応を抑えるだけでなく、カ
ルシウム添加に起因するスラグの発生を抑制すると共
に、カルシウムや希土類元素の有無に係わらず、カルシ
ウムと同等以上の接種効果を発揮し、チル効果の少ない
球状黒鉛鋳鉄の製造を可能にする黒鉛球状化合金を得る
こと。 【解決手段】 鋳鉄製造用黒鉛球状化合金を珪素38〜
70重量%、マグネシウム2〜15重量%、炭素0.4
〜5重量%、残部実質的に鉄及び不可避的不純物で構成
し、前記合金中の炭素の大部分を珪素炭化物相として存
在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳鉄製造用黒鉛球状
化合金、具体的には、球状黒鉛鋳鉄及びバーミキュラー
鋳鉄を製造する際に鋳鉄中の黒鉛を球状化するのに使用
する黒鉛球状化合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、球状黒鉛鋳鉄及びバーミキュラー
鋳鉄は、低硫黄の鋳鉄溶湯中にマグネシウム単体又はマ
グネシウムと希土類元素を併添加して導入する方法が採
用されている。しかしながら、この方法では、マグネシ
ウムの反応による激しい沸騰現象を伴うため、注湯取鍋
とは別の反応装置が必要となり、球状化処理に多大な工
数が必要となるだけでなく、処理された溶湯がチル化す
る傾向が強くなり、引け巣欠陥等を招く恐れがあった。
【0003】他方、マグネシウムを単体で若しくは希土
類元素と共に添加する代わりに、マグネシウムを合金の
形態で導入する方法が実用化されている。この場合、黒
鉛球状化処理のコスト面から黒鉛球状化合金中のマグネ
シウム含有量を多くし、これを少量添加するのが最も良
いが、この種の黒鉛球状化合金でもマグネシウム含有量
が多くなるにつれて沸騰現象が強くなることは避けられ
ず、マグネシウム含有量が多ければ、処理中に溶湯が周
囲に飛散するという問題がある。しかも、沸騰現象が強
ければ強いほど球状黒鉛鋳鉄溶湯のチル化傾向が強くな
り、引け巣欠陥を誘発する恐れがある。このため、球状
黒鉛鋳鉄溶湯の性状品質を確保しながら経済性を高める
ことができる黒鉛球状化合金が要望されている。
【0004】この種の黒鉛球状化合金は、通常、マグネ
シウム、シリコン及び鉄からなる基本組成を有し、これ
に球状化補助及び球状化処理用溶湯(元湯)に含まれて
いる球状化阻害元素を中和する目的で希土類元素が、ま
た、マグネシウムの沸騰現象を和らげ、かつ、チル化傾
向を少なくするという接種効果を持たせる目的でカルシ
ウムが配合される場合が多い。この方法は、マグネシウ
ムの反応による沸騰現象をある程度小さくできるため、
注湯取鍋で処理でき特別な処理装置が不要となるという
利点がある。
【0005】この黒鉛球状化合金中のカルシウムは、マ
グネシウムやシリコンと金属間化合物の状態で存在して
いる。このカルシウムのごとき鋳鉄溶湯に溶けにくい元
素が黒鉛球状化合金中にある程度均一に存在することに
よって、黒鉛球状化合金を難溶解性なものにしており、
結果として反応時間を長期化させる為、穏やかな反応に
なるものと推察される。また、反応中にカルシウムと鋳
鉄溶湯とが十分に接触することで、接種効果が得られる
ものと推察される。
【0006】カルシウムは反応を効果的に抑制すると同
時に、黒鉛球状化処理溶湯のチル化傾向を減少させると
いう大きな効果を併せ持つが、反面、鋳鉄溶湯に殆ど溶
解しないため、黒鉛球状化処理後は湯面に滓化浮上し、
スラグ除去作業を困難にし、ひいては製品に混入してノ
ロカミ、ピンホール不良等を誘発し易いという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
る為、特公昭61ー27443号公報及び特許第268
9837号公報にて、カルシウムの弊害を除去し、か
つ、反応を抑制する黒鉛球状化処理合金として炭素を固
溶体又は微細な黒鉛として合金中に存在させたものが提
案されている。しかしながら、これらの合金では、カル
シウムの弊害は除去できても、カルシウムの持つ大きな
長所、即ち、チルを減じるという効果が全く補われてい
ない。
【0008】又、特公平4−54723号公報にて、カ
ルシウムの弊害を除去し、反応を抑制しながらマグネシ
ウムと希土類元素の比率でもって接種効果を持たせた合
金が提案されている。しかしながら、この合金は希土類
元素を必須成分とするため、希土類元素を添加したくな
い鋳鉄、例えば、薄肉球状黒鉛鋳鉄鋳物や厚肉球状黒鉛
鋳鉄鋳物等には適用できないという問題がある。
【0009】本発明は、前記理由に鑑みてなされたもの
であって、マグネシウムの反応を抑え、カルシウム添加
に起因するスラグの発生を抑制するだけでなく、カルシ
ウムや希土類元素の有無に係わらず、カルシウムと同等
以上の接種効果を発揮し、チル発現の少ない球状黒鉛鋳
鉄の製造を可能にする黒鉛球状化合金を得ることを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、珪素炭化物が高温まで安定な
化合物であり、単体では2000℃以上の温度でシリコ
ンガスと黒鉛に分解するが、鋳鉄溶湯や鋼溶湯中では徐
々に溶け出すという特徴を併有している、換言すれば、
難溶解性でありながらも溶湯中に溶け込み滓化しない特
徴を持っていることを見い出し、この珪素炭化物をシリ
コン、マグネシウム、残部鉄及び不可避的不純物からな
る球状黒鉛鋳鉄製造用黒鉛球状化合金に均一に分散晶出
させることによって、マグネシウムの反応を抑制すると
共に、接種効果を持たせるようにしたものであって、カ
ルシウムを含有する黒鉛球状化合金に対しては合金中の
カルシウムの一部又は全部を珪素炭化物に置き換えるよ
うにしたものである。
【0011】即ち、本発明は、珪素38〜70重量%、
マグネシウム2〜15重量%、炭素0.4〜5重量%、
残部実質的に鉄及び不可避的不純物からなり、前記炭素
の大部分を珪素炭化物相として存在させることを特徴と
する鋳鉄製造用黒鉛球状化合金を提供するものである。
【0012】実施態様においては、前記黒鉛球状化合金
に希土類元素を0.5〜9重量%含有させても良い。
又、要すれば、カルシウムを0.5〜5重量%含有させ
ても良い。
【0013】本発明に係る黒鉛球状化合金を鋳鉄の黒鉛
球状化処理に用いた場合、合金中に存在せしめた珪素炭
化物が合金の溶解速度を遅らせ、マグネシウムの反応を
抑制して反応時間を長期化させると同時に、少しずつ溶
け出す際に周囲の鋳鉄溶湯中にシリコンと炭素に富む微
細領域を形成し、鋳鉄溶湯が凝固する際に黒鉛が晶出す
る下地を作り、チル化傾向を減少させる役割を果たす。
【0014】本発明に係る黒鉛球状化合金の組成を前記
範囲に限定したのは、次の理由による。即ち、マグネシ
ウム含有量が2重量%未満では、黒鉛球状化処理に要す
る黒鉛球状化合金の添加量が多くなりすぎて不経済であ
るだけでなく、温度降下も大きくなるため好ましくな
い。
【0015】また、マグネシウム含有量が15重量%を
越えると、黒鉛球状化処理時の反応がマグネシウム単体
の反応に近くなり、取鍋内での安全な処理という黒鉛球
状化合金本来の使用目的を達成することができない。
【0016】シリコン含有量が37重量%未満では、公
知方法で安定的に、かつ、経済的に黒鉛球状化合金を製
造することが不可能であり、また、シリコン含有量が7
0重量%を越えると、比重が小さくなると共に、経済的
な珪素材料であるシリコン50〜75重量%のフェロシ
リコンを用いることが困難となるので、シリコンの含有
量は37〜70重量%とした。
【0017】炭素は、マグネシウムの急激な反応を抑制
し黒鉛化を促進すると共に、カルシウム添加による弊害
を除去するためカルシウムの一部又は全部に代えて添加
されるが、炭素含有量が0.4重量%未満では、晶出し
た珪素炭化物の量が少な過ぎて反応抑制効果が不十分で
あり、5重量%を越えると、鋳鉄溶湯中での未溶解珪素
炭化物の量が増加し、その浮上、滓化も始まるのでノロ
を少なくするという効果が得られなくなる。黒鉛球状化
合金中の炭素は、その大部分が珪素炭化物として晶出し
ていることが必須であり、黒鉛その他の形態で存在させ
た場合には本発明の目的を達成することができない。こ
こでいう炭素の大部分とは、一般的なX線回折分析で黒
鉛が検出できない程度を意味する。
【0018】本発明に係る黒鉛球状化合金は、球状化処
理時にノロを多く発生させないで反応を抑制し、接種効
果を持たせるために炭素を珪素炭化物相として合金に存
在せしめることを特徴としているが、必要に応じて希土
類元素やカルシウムを含有させることができる。希土類
元素は黒鉛球状化性能を補助すると共に、球状化阻害元
素を中和する効果があるが、その含有量が0.5重量%
未満では、十分な効果が得られず、9重量%を越えて過
度に添加すると、逆に黒鉛の形状を崩したりチル化傾向
を高めたり、いわゆるチャンキー黒鉛を発生するなどの
弊害を招く恐れがあるので、希土類元素の含有量は0.
5〜9重量%が好ましい。
【0019】また、カルシウムは、マグネシウム含有量
の高い黒鉛球状化合金を使用して低珪素の処理溶湯を得
る場合や、製品肉厚等による湯流れの問題から黒鉛球状
化処理温度を通常以上に高くする場合には、マグネシウ
ムの反応の抑制を補助するために添加されるが、カルシ
ウムの含有量が0.5重量%未満ではその添加効果が十
分に期待できず、また、5重量%を越えると、カルシウ
ム添加による弊害が出始めるので、カルシウムの含有量
は0.5〜5重量%が好ましい。
【0020】なお、工業的な炭素原料としては、炭素を
含む鉄原料(銑鉄等)、黒鉛粉、珪素炭化物(SiC)
等があるが、炭素を含む鉄原料を使用して十分に合金溶
湯と反応させることによって本発明の合金は公知方法で
製造することができる。以下、本発明の実施例について
説明する。
【0021】
【実施例1】原料としてフェロシリコン(75%Si−
Fe)、マグネシウム、カルシウムシリコン及びミッシ
ュメタルと共に銑鉄を用い、公知方法により表1に示す
成分組成の黒鉛球状化合金を調製した。また、前記組成
において銑鉄の代わりに鋼屑を用い、同様にして表1に
示す成分組成の従来型黒鉛球状化合金(比較例1)を調製
した。
【0022】鋳鉄溶解用2T高周波炉で2トンの鋳鉄溶
湯を溶製し、その溶湯1トンを500kgづつ2回に分
けて前記2種類の黒鉛球状化合金でそれぞれ球状化処理
を行った。球状化処理温度はいずれも1500℃とし、
球状化合金の添加量を1%とした。
【0023】本発明に係る黒鉛球状化合金及び従来型黒
鉛球状化合金の成分組成、元湯及び処理後の成分組成並
びに使用結果をそれぞれ表1、表2及び表3に示す。ま
た、本発明に係る黒鉛球状化合金について、Coをター
ゲットとし、50KV,35mA、スキャン速度2度/
分の条件下でX線回折分析したところ、図1及び図2に
示す結果が得られた。
【0024】
【表1】 黒鉛球状化合金組成(重量%) Mg Si Re Ca C Fe 実施例1 6.05 45.3 1.91 1.21 1.52 残部 比較例1 5.98 45.7 1.85 2.43 0.14 残部
【0025】
【表2】 C Si Mn P S Mg Fe 元湯 3.84 2.04 0.24 0.032 0.012 − 残部 実施例1 3.77 2.48 0.24 0.032 0.011 0.035 残部 比較例1 3.73 2.50 0.24 0.033 0.010 0.034 残部
【0026】
【表3】 機械的性質 反応状況 スラグ量 チル幅 引張強さ 伸び 硬度 (mm) (kgf/mm2) (%) HB 実施例1 穏やか 少ない 3.0 46.5 22.0 156 比較例1 穏やか 多い 3.2 45.7 21.6 163
【0027】表3に示す結果から、本発明に係る黒鉛球
状化合金は、カルシウム含有量が比較例1の従来型黒鉛
球状化合金に比べて半分であるにも係わらず、マグネシ
ウムの沸騰現象を効果的に抑制し穏やかに反応を進行さ
せることができ、比較例1の場合と同等のチル幅が得ら
れ、しかも、ノロの発生が少なく、鋳鉄製品は比較例1
の黒鉛球状化合金を用いた場合と同等以上の機械的性質
を示すことが解る。また、図1に示される結果から、本
発明に係る黒鉛球状化合金においては、黒鉛のピークは
認められず、炭素は殆ど全て炭化珪素(SiC)の形態
で存在していることが解る。
【0028】
【実施例2】原料としてフェロシリコン(75%Si−
Fe)、マグネシウム、ミッシュメタル及び銑鉄を用
い、公知方法により表4に示す成分組成の黒鉛球状化合
金を調製した。また、前記組成において銑鉄の代わりに
鋼屑を用い、同様にして表1に示す成分組成の従来型黒
鉛球状化合金(比較例2)を調製した。
【0029】鋳鉄溶解用3T低周波炉で3トンの元湯を
溶製し、その溶湯2トンを1トンづつ2回に分けて本発
明に係る黒鉛球状化合金と従来型黒鉛球状化合金とでそ
れぞれ黒鉛球状化処理を行った。球状化処理温度はいず
れも1510℃とし、球状化合金の添加量は1.2%と
した。本発明に係る黒鉛球状化合金及び従来型黒鉛球状
化合金の成分組成、元湯及び処理後の成分組成並びに使
用結果をそれぞれ表4、表5及び表6に示す。また、本
発明に係る黒鉛球状化合金及び従来型黒鉛球状化合金の
X線回折分析結果を図3及び図4に示す。
【0030】
【表4】 黒鉛球状化合金組成(重量%) Mg Si Re C Fe 実施例2 4.93 46.2 2.00 1.48 残部 比較例2 4.98 45.7 1.94 0.15 残部
【0031】
【表5】 C Si Mn P S Mg Fe 元湯 3.90 2.04 0.23 0.035 0.013 − 残部 実施例2 3.91 2.55 0.23 0.034 0.011 0.038 残部 比較例2 3.78 2.60 0.23 0.033 0.010 0.035 残部
【0032】
【表6】 機械的性質 反応状況 スラグ量 チル幅 引張強さ 伸び 硬度 (mm) (kgf/mm2) (%) (HB) 実施例2 穏やか 少ない 2.8 45.7 21.8 163 比較例2 激しい 少ない 5.2 47.0 20.4 167
【0033】表6に示す結果から明らかなように、本発
明に係る黒鉛球状化合金は、カルシウムを含有しない場
合であっても、マグネシウムの反応を効果的に抑制し、
穏やかに反応を進行させることができ、しかも、従来型
黒鉛球状化合金を用いた場合と同等以上の機械的性質を
示し、比較例2のものに比べてチル幅をほぼ半減させる
ことができる。また、図3に示す結果から、本発明に係
る黒鉛球状化合金においては、黒鉛のピ−クは認められ
ず、炭素はほとんど全て珪素炭化物(SiC)の形態で存
在していることが解る。
【0034】
【実施例3】原料としてフェロシリコン(75%Si−
Fe)、マグネシウム及び銑鉄を用い、公知方法により
表7に示す成分組成の黒鉛球状化合金を調製した。ま
た、前記組成において銑鉄の代わりに鋼屑を用い、公知
方法により表1に示す成分組成の従来型黒鉛球状化合金
(比較例3)を調製した。
【0035】鋳鉄溶解用2T高周波炉で2トンの元湯を
溶製し、その溶湯1トンを500kgづつ2回に分けて
本発明に係る黒鉛球状化合金と従来型黒鉛球状化合金と
でそれぞれ黒鉛球状化処理を行った。球状化処理温度は
いずれも1500℃とし、球状化合金の添加量を1.7
%とした。本発明に係る黒鉛球状化合金及び従来型合金
の成分組成、元湯及び処理後の成分組成並びに使用結果
をそれぞれ表7、表8及び表9に示す。
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】 C Si Mn P S Mg Fe 元湯 3.85 1.72 0.24 0.033 0.013 − 残部 実施例3 3.76 2.45 0.24 0.034 0.011 0.042 残部 比較例3 3.74 2.41 0.24 0.033 0.011 0.038 残部
【0038】
【表9】 機械的性質 反応状況 スラグ量 チル幅 引張強さ 伸び 硬度 (mm) (kgf/mm2) (%) (HB) 実施例3 穏やか 少ない 2.0 46.0 21.6 152 比較例3 激しい 少ない 3.8 45.7 19.8 149
【0039】表9に示す結果から明らかなように、本発
明に係る黒鉛球状化合金は、カルシウム及び希土類元素
を含有しない場合であっても、穏やかに反応を進行させ
ることができ、しかも、従来型黒鉛球状化合金を用いた
場合と同等以上の機械的性質やスラグ量を維持しつつ、
比較例3に比べて著しくチル幅が小さくなっており、優
れた接種効果を有することが解る。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、珪素、マグネシウム及び残部実質的に鉄及び不可避
的不純物からなる合金中に炭素を含有させ、かつ、当該
炭素の大部分を珪素炭化物の形態で存在させることによ
って、従来型黒鉛球状化合金と同等以上の機械的性質を
維持させつつ、穏やかな反応でチル化傾向の低い溶湯を
得ることができ、しかも、スラグ量が少なく、カルシウ
ムに起因するノロカミ、ピンホール、チル幅などの欠陥
を著しく減少させることができるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る黒鉛球状化合金(実施例1)の
X線回折図
【図2】 従来型黒鉛球状化合金(比較例1)のX線回
折図
【図3】 本発明に係る黒鉛球状化合金(実施例2)の
X線回折図
【図4】 従来型黒鉛球状化合金(比較例2)のX線回
折図
【図5】 本発明に係る黒鉛球状化合金(実施例3)の
X線回折図
【図6】 従来型黒鉛球状化合金(比較例3)のX線回
折図
フロントページの続き (72)発明者 竹内 厚司 福井県勝山市遅羽町千代田34−2 大阪特 殊合金株式会社勝山工場内 Fターム(参考) 4K014 AB21 BA01 BC12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素38〜70重量%、マグネシウム2
    〜15重量%、炭素0.4〜5重量%、残部実質的に鉄
    及び不可避的不純物からなり、前記炭素の大部分が珪素
    炭化物相として存在していることを特徴とする鋳鉄製造
    用黒鉛球状化合金。
  2. 【請求項2】 希土類元素を0.5〜9重量%含有して
    なることを特徴とする請求項1に記載の黒鉛球状化合
    金。
  3. 【請求項3】 カルシウムを0.5〜5重量%含有して
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載の黒鉛球状
    化合金。
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