JP2000303032A - 粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

粘着シート及びその製造方法

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JP2000303032A
JP2000303032A JP11115201A JP11520199A JP2000303032A JP 2000303032 A JP2000303032 A JP 2000303032A JP 11115201 A JP11115201 A JP 11115201A JP 11520199 A JP11520199 A JP 11520199A JP 2000303032 A JP2000303032 A JP 2000303032A
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pressure
sensitive adhesive
adhesive sheet
coating layer
paint
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JP11115201A
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Masahiko Hiragori
正彦 平郡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の光沢の低下が生じ難く、外観性状に優
れており、かつ原反ロールのロスをあまり生じさせず
に、効率良く製造し得る粘着シートの製造方法を得る。 【解決手段】 支持基材の片面に着色塗膜層及びクリア
ー塗膜層が形成されており、反対側の面に粘着剤層及び
離型紙が積層されている粘着シートの製造に際し、支持
基材の片面に粘着剤層及び離型紙を積層し、反対側の面
に着色塗料を積層し、着色塗料中の溶剤が乾燥した後
に、23℃及び24時間養生後の剥離力が10〜200
g/50mmであり、片面にクリアー塗料が塗工された
工程紙を、該クリアー塗料側から着色塗膜層表面に積層
する、粘着シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外及び屋内の広
告ステッカー類や表示用ステッカー類などの装飾用マー
キングフィルムとして用いられる粘着シート及びその製
造方法に関し、より詳細には、光沢等の外観性状に優れ
た粘着シート及び粘着シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、装飾用粘着シートでは、一般に、
塩化ビニル系樹脂フィルムからなる基材が用いられてい
る。目的に応じて、この基材に顔料が添加されて基材が
着色されたり、あるいは基材表面に印刷や塗装を施すこ
とにより装飾が施されている。また、上記基材の片面に
は、用途に応じて適当な感圧接着剤及び/または感熱接
着剤が塗布されて粘着剤層が形成されている。さらに、
製品において粘着剤層を保護するために、離型紙などの
剥離材が粘着剤層を覆うように貼り合わされている。
【0003】使用に際しては、剥離紙を剥離した後、粘
着シートを被着体に貼付する。貼付された粘着シートで
は、基材が着色されていることにより、あるいは基材表
面に形成された印刷層や塗膜層により装飾効果が発揮さ
れる。
【0004】上記のような装飾用粘着シートは、看板、
広告塔、自動車及び二輪車などの車両やモーターボート
などの様々な被着体を装飾するのに用いられている。従
って、装飾用粘着シートでは、三次元曲面に貼付し得る
ように、適度な柔軟性を有することが求められている。
【0005】上記のような装飾用粘着シートとして、軟
質塩化ビニル系樹脂フィルムを基材とし、該基材上に塗
料を塗工して塗膜層を形成してなるものが種々提案され
ている(例えば、特願平10−53600号など)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩化ビ
ニル系樹脂フィルムからなる基材表面に塗料を塗工し、
塗膜層を形成してなる粘着シートでは、塗料中の顔料成
分の含有割合が比較的高いため、チョーキングなどによ
り表面性状が劣化し、光沢が低下しやすいという問題が
あった。
【0007】さらに、従来の粘着シートでは、上述した
ように塩化ビニル系樹脂フィルムを基材としていたた
め、焼却廃棄に際し、塩化水素ガスやダイオキシンが発
生する。従って、簡単な焼却設備で粘着シートを処理す
ることができず、さらに焼却設備の耐久性を低下させる
という問題があった。従って、近年、簡単な焼却設備で
処理し得る、低環境負荷型の粘着シートの要望が高まっ
ている。
【0008】そこで、粘着シートの基材をポリオレフィ
ンにより構成することが種々試みられているが、ポリオ
レフィン系基材を用いる場合には、Tダイやインフレー
ション法などによる成膜が一般的であり、生産単位が大
きくならざるを得ない。
【0009】また、着色剤を基材に添加して着色が施さ
れている粘着シートの製造に際しては、着色剤と塩化ビ
ニル系樹脂とを含む組成物を用い、ゾルキャスティング
により、着色基材を容易に得ることができる。この場
合、着色剤の種類を変更することにより、少ロットで様
々な色の塩化ビニル系樹脂フィルム基材を容易に提供す
ることができる。
【0010】ところが、ポリオレフィン系基材を用いる
場合には、このような製法を用いることが困難であり、
上述したように生産単位がかなり大きくならざるを得な
かった。従って、少ロット多品種化に対応することが難
しかった。
【0011】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、装飾効果を発揮させるための塗膜層の光沢の
低下が生じ難く、外観性状に優れ、さらに少量多品種化
に対応し得る粘着シート及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0012】本発明の他の目的は、様々な装飾効果を発
揮し得る粘着シートを、光沢度を変化させることなく容
易に提供することができ、かつ使用後は簡単な焼却設備
で焼却廃棄し得る粘着シート及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、ク
リアー塗膜層、着色塗膜層、支持基材、粘着剤層及び離
型紙がこの順序で積層されてなる粘着シートの製造方法
であって、前記粘着剤層及び離型紙が片面に積層された
基材の他面に着色塗料を付与し、着色塗料中の溶剤を乾
燥して着色塗膜層を形成し、該着色塗膜層の表面に、2
3℃で24時間養生した後の剥離力が10〜200g/
50mmであり、かつ片面にクリアー塗料が塗工されて
いる工程紙を該クリアー塗料側から積層することを特徴
とする。
【0014】好ましくは、前記着色塗料が硬化性塗料で
あり、該着色塗料の溶剤分乾燥後のゲル分率が10〜9
0重量%である状態で工程紙が積層される。また、第1
の発明において、好ましくは、クリアー塗料のゲル分率
が93重量%以上になった時点で工程紙が剥離される。
上記工程紙としては、好ましくは、延伸ポリプロピレン
シートが用いられる。
【0015】また、第1の発明においては、好ましく
は、工程紙を積層するに際し、着色塗膜層表面を40℃
以上に加熱した状態で工程紙が積層される。また、上記
支持基材としては、好ましくは、ポリオレフィン系軟質
樹脂からなるものが用いられる。
【0016】本願の第2の発明は、第1の発明に係る粘
着シートの製造方法により得られ、上記クリアー塗膜層
の厚みが2〜20μmの範囲にある粘着シートである。
【0017】以下、本発明の詳細を説明する。本願発明
者は、上述した従来技術の問題点について種々検討した
結果、塗膜層表面にクリアー塗膜層を積層すれば、光
沢の低下を抑制し得ること、工程紙上にクリアー塗料
をコーティングすることにより生産性を高め得ることを
見出し、本発明を成すに至った。
【0018】本発明で用いられる支持基材の材料につい
ては、装飾用粘着シートで必要とされるカッティング
性、柔軟性、及び機械的強度を有していれば特に限定さ
れない。もっとも、コスト、生産性及び柔軟性などの観
点から、粘着シートを構成する支持基材材料としては、
一般的には、軟質塩化ビニル系樹脂が用いられている。
【0019】また、上記支持基材を構成する材料として
は、好ましくは、ポリオレフィン系軟質樹脂フィルムが
用いられる。このようなポリオレフィン系軟質樹脂フィ
ルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、これらを延伸したフィルム、これらのフィル
ムと他の材料からなるフィルムとを積層したものなどを
用いることができる。また、フィルムに、各種顔料や充
填剤が添加されていてもよい。
【0020】好ましくは、塩化ビニル系樹脂フィルムと
同じように柔軟性を有し、結晶性が低いポリエチレンフ
ィルムやポリプロピレンフィルム、また、塩化ビニル樹
脂フィルムと同様に応力緩和性に優れたプロピレンとエ
チレンとの共重合物をブレンドしたり、重合時に共重合
してなるポリオレフィン系フィルムを用いることができ
る。
【0021】上記ポリオレフィン系軟質樹脂フィルム
は、一般的な成膜方法であるTダイ法やインフレーショ
ン法により成膜することができ、かつこれらの製造方法
と、延伸工程やラミネート工程とを組み合わせることに
より得ることもできる。
【0022】粘着剤層を構成する粘着剤についても特に
限定されず、一般的なゴム系やアクリル系などの各種粘
着剤を用いることができる。もっとも、耐候性が必要な
用途では、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤の中でも、
水素添加したものが二重結合を含まないのでより好まし
い。
【0023】離型紙としては、上記粘着剤層から安定に
剥離し得るものであれば特に限定されず、シリコーン系
樹脂やフッ素系樹脂を、コート紙、ポリエチレンラミネ
ート紙、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどにコ
ーティングしたものを用いることができる。
【0024】また、着色塗膜層を構成する塗料として
は、基本性能として必要な色を発現でき、支持基材表面
に密着する機能を有しているものであれば特に限定され
ず、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、メラミン系塗
料、ポリエステル系塗料、フッ素系塗料などの1液型の
乾燥のみにより硬化するものや、2液以上を配合する硬
化型塗料を用いることができる。また、1液型の塗料及
び2液型の塗料のいずれにおいても、水系塗料及び油性
塗料など任意のものを用いることができる。
【0025】支持基材上に着色塗料を均一に塗工するに
は、表面の濡れ性に優れた溶剤系塗料を用いることが好
ましい。耐候性が要求される用途に用いるには、耐候性
の高い自動車用塗料や建材用塗料に用いられている、ア
クリルウレタン系塗料やメラミン系塗料を用いることが
望ましい。さらに耐候性が必要とされる用途では、塗料
成分として、無機系焼成顔料を用いたり、シリコーン系
樹脂やフッ素系樹脂を用いることが望ましい。
【0026】また、支持基材をポリオレフィン系軟質樹
脂で構成した場合には、支持基材表面の密着性を高める
ために、支持基材表面をコロナ放電処理、フレーム処
理、あるいは塩素化ポリプロピレンなどによる下地処理
等を施しておくことが好ましい。
【0027】また、本発明に係る粘着シートの製造方法
では、着色塗膜層に加えて、上記クリアー塗膜層が形成
される。このクリアー塗膜層を構成する塗料について
は、顔料を含有していないことを除いては、前述した着
色塗膜層を構成する塗料と同様のものを用いることがで
きる。
【0028】また、着色塗膜層上にクリアー塗膜層が積
層されるので、着色塗膜層を構成する着色塗料と、クリ
アー塗膜層を構成するクリアー塗料は、密着性を高める
上で、同一のバインダを含む塗料を用いることが好まし
い。もっとも、着色塗膜層及びクリアー塗膜層が異種の
バインダを含む場合であっても、架橋形態が同一であれ
ば、両者の間の粘着性を高めることができる。従って、
着色塗膜層及びクリアー塗膜層に含まれているバインダ
は必ずしも同一でなくともよい。
【0029】なお、クリアー塗膜層の厚みは、2〜20
μmの範囲とすることが望ましい。2μm未満では、光
沢性を維持する効果が不十分となり、20μmを超えた
としても、光沢性保持効果がそれ以上高まらず、粘着シ
ート全体の厚みが増加し、硬くなりすぎると共に、コス
トが高くつくことになる。
【0030】上記粘着シートの製造に際しては、まず、
基材の片面に粘着剤層及び離型紙が、反対側の面に着色
塗膜層が積層された積層体を得、該積層体の着色塗膜層
上に片面にクリアー塗膜層が形成された後述の工程紙が
積層される。
【0031】ところで、上記支持基材、粘着剤層、離型
紙及び着色塗膜層からなる積層体を得るための積層工程
については、様々な方法を用いることができる。一例を
挙げると、まず支持基材上に着色塗料を塗工し、着色塗
膜層を形成し、しかる後、支持基材の反対面に粘着剤及
び離型紙を積層する方法が挙げられる。あるいは、支持
基材に粘着剤層を形成し、離型紙を積層した後、支持基
材の粘着剤層が形成されている側とは反対側の面に着色
塗料を塗工し、着色塗膜層を形成する方法も採用するこ
とができる。
【0032】また、粘着剤層の形成に際しては、粘着剤
層を基材表面に直接塗工してもよいが、ポリエチレンの
ような耐熱性及び強度が低い支持基材の場合には、離型
紙上に粘着剤を塗工し、離型紙に支持された粘着剤層を
支持基材とラミネートする方法を用いることが望まし
い。
【0033】支持基材表面に塗料を塗工し、乾燥し、着
色塗膜層を形成した後、巻き取る前に、クリアー塗料が
塗工された工程紙が着色塗膜層側に積層される。耐候性
が要求される用途では、好ましくは、着色塗膜層を構成
する着色塗料及びクリアー塗膜層を構成するクリアー塗
料としては、硬化性の塗料を用いることが望ましい。塗
料の硬化には、通常、比較的長い時間及び大きな熱を必
要とする。太巻きの半製品においても、モトリングが発
生しないような状態まで塗料を硬化させるには、50m
以上の炉長を用いなければ、10m/分以上の現実的な
生産速度を確保することができない。また、より多量の
熱量を加えるために、乾燥・硬化温度を高くしすぎる
と、塗料中の溶剤が発泡したり、離型紙の耐熱性不足に
よる剥離不良が生じたり、製品のカールや基材の品質変
化、塗料の急激な硬化収縮などが生じ、製品品質が劣化
する。
【0034】また、硬化速度を高めるための触媒を用い
ることも考えられるが、液のゲル化時間や残存触媒によ
る耐候性の低下などの問題が生じる。さらに、本発明に
係る粘着シートでは、着色塗膜層上にクリアー塗膜層を
形成する必要があり、設備的に、2回塗工できる装置は
少なく、2つの塗工工程をオフラインで続けて実施しな
ければならず、生産効率が低くなる。
【0035】そこで、本発明に係る製造方法では、オフ
ラインで、クリアー塗料が工程紙上に塗工される。そし
て、このクリアー塗料が塗工された工程紙が、クリアー
塗料側から、上記積層体の着色塗膜層表面にラミネート
される。従って、基材、粘着剤層及び離型紙を積層して
なる上記積層体の使用効率を低下させることなく、着色
塗膜層上にクリアー塗膜層が積層された本発明に係る粘
着シートを得ることができる。
【0036】なお、上記クリアー塗料が塗工される工程
紙としては、最終製品に必要な外観性状を満たすだけで
なく、クリアー塗膜層を乾燥した後にクリアー塗膜層が
直色塗膜層に十分に密着され、かつ最終製品化後は、工
程紙のみを容易に剥離し得るものであることが必要であ
る。最終製品において工程紙の剥離を容易とするには、
23℃及び24時間の養生後の剥離力が10〜200g
/50mm幅であることが必要である。剥離力が低過ぎ
ると、剥離途中で浮きが発生し、浮いた部分が気泡跡と
なり、外観不良を引き起こす。逆に、剥離力が重過ぎる
と、剥離時に工程紙が切れたり、横スジ状の外観品質低
下が生じ易い。
【0037】また、上記剥離力で工程紙が上記積層体に
安定に密着されるには、貼り合わされる基材のコシは弱
い方が好ましい。従って、基材の厚みは、基材を構成す
る材料によっても異なるが、100μm以下とすること
が望ましい。
【0038】剥離力を上記範囲とするには、離型紙の場
合と同様に、シリコーンなどの剥離材により工程紙表面
を処理し、剥離力を調製する方法、クリアー塗料と接着
性の低い各種樹脂を工程紙表面にコーティングしておく
方法などを挙げることができる。さらに、工程紙が極性
の低いオレフィン系材料により構成されている場合に
は、剥離時の強度が確保できる限り、上記のような表面
処理を行うことなく用いることができる。
【0039】具体的には、極性の低いオレフィン系材料
からなる工程紙としては、ポリプロピレンフィルム、高
−中密度ポリエチレンフィルムが用いられ、特に、延伸
された延伸ポリプロピレンフィルムやハイネック延伸高
密度ポリエチレンフィルムなどが、剥離時の強度を上記
特定の範囲に制御し易く、かつ表面平滑性に優れている
ため、好ましい。
【0040】樹脂クリアー塗膜層が形成された工程紙
を、着色塗膜層、支持基材層、粘着剤層及び離型紙が積
層されてなる積層体の着色塗膜層上に積層する方法につ
いては、乾燥後ライン内でロール間に上記工程紙及び積
層体を挿入し、圧着することにより行い得る。
【0041】もっとも、着色塗膜層及びクリアー塗膜層
の表面性状や乾燥・硬化状態によっては、工程紙が浮き
易くなることがある。従って、好ましくは、積層に際
し、着色塗膜層表面の温度を40℃以上とし、着色塗膜
層表面を軟化させることにより、着色塗膜層とクリアー
塗膜層との密着性を高めることができる。
【0042】また、貼付時の両者の密着性を確保するに
は、着色塗膜層及びクリアー塗膜層が十分な柔軟性を有
することが望ましい。従って、硬化が十分に進行してい
ない状態、すなわち着色塗膜層の溶剤分乾燥後のゲル分
率が10〜90重量%の状態において積層することが望
ましい。
【0043】なお、上記ゲル分率とは、乾燥した塗料
を、テトラヒドロフランに24時間浸漬し、溶解し、♯
280メッシュの金網にて塗料を濾過した際の金網上残
渣塗料の最初の塗料に対する重量百分率をいうものとす
る。
【0044】上記着色塗膜層のゲル分率が10重量%未
満の時点で工程紙を積層した場合は、工程紙のクリアー
塗料と着色塗膜層との密着性が高くなり過ぎ、最終製品
において工程紙を剥離することが困難となることがあ
る。90重量%を超えると、密着性が十分に得られ難い
ことがある。好ましくは、上記ゲル分率は20〜70重
量%の範囲とされる。
【0045】また、工程紙を剥離するに際しては、クリ
アー塗料のゲル分率が、93重量%以上であることが望
ましい。クリアー塗料のゲル分率が93重量%未満の場
合には、やはり着色塗膜層とクリアー塗料との密着性が
高くなり過ぎ、最終製品化にあたり工程紙を剥離するこ
とが困難となることがある。
【0046】本発明に係る粘着シートの製造に際して
は、上述したように、支持基材の片面に着色塗膜層及び
クリアー塗膜層が、反対側の面に粘着剤層及び離型紙が
積層されており、上記特定の工程紙がクリアー塗膜層側
に積層された状態でロール状に巻回される。最終製品と
して供給する際には、該ロールから繰り出し、上記工程
紙を剥離して、粘着シートとする。
【0047】(作用)請求項1に記載の発明に係る粘着
シートの製造方法では、支持基材の片面に着色塗膜層及
びクリアー塗膜層が、他面に粘着剤層及び離型紙が積層
されている粘着シートの製造に際し、支持基材上に粘着
剤層及び離型紙を積層し、反対側の面に着色塗料を積層
し、着色塗料中の溶剤を乾燥させて着色塗膜層を形成し
た後、着色塗膜層表面に上記クリアー塗料が塗工された
上記特定の剥離力範囲の工程紙が積層される。従って、
工程紙が積層された粘着シートをロール状に巻回したと
しても、クリアー塗膜層表面は上記工程紙に接触され
る。よって、離型紙の背面がクリアー塗膜層に直接接触
し難いので、離型紙の背面の模様の転写による塗膜層表
面の外観性状の劣化を防止することができる。
【0048】また、上記クリアー塗膜層が着色塗膜層上
に形成されているので、光沢の低下も生じ難い。加え
て、上記工程紙が、上記特定の剥離力を有するので、工
程紙をクリアー塗膜層から安定にかつ容易に剥離するこ
とができ、剥離後のクリアー塗膜層及び着色塗膜層の外
観性状の劣化も生じ難い。よって、塗膜層による装飾効
果を目的通りに確実に発現させることができ、かつ光沢
に優れた粘着シートを提供することが可能となる。
【0049】請求項2に記載の発明では、着色塗料が硬
化性塗料であり、溶剤分乾燥後の着色塗料のゲル分率が
10〜90重量%の範囲にある段階で工程紙が積層され
るので、工程紙が着色塗膜層に十分に密着され、着色塗
膜層が確実に保護されると共に、製品供給に際し、工程
紙を塗膜層の外観性状を劣化させることなく容易に剥離
することができる。
【0050】請求項3に記載の発明では、クリアー塗料
のゲル分率が93重量%以上になった時点で工程紙が剥
離されるので、クリアー塗膜層の表面が十分に硬化して
おり、従って工程紙を剥離したとしても、外観性状の良
好な粘着シートを提供することができる。
【0051】請求項4に記載の発明では、工程紙として
延伸ポリプロピレンフィルムが用いられ、該延伸ポリプ
ロピレンフィルムは十分な強度を有し、かつ表面平滑性
に優れているので、塗膜層表面の外観性状の劣化がより
一層効果的に抑制される。
【0052】請求項5に記載の発明では、工程紙積層に
際し、着色塗膜層表面が40℃以上に加熱されるので、
着色塗膜層表面が十分な柔軟性を有し、工程紙が着色塗
膜層表面に確実に密着される。
【0053】請求項6に記載の発明では、支持基材がポ
リオレフィン系軟質樹脂で構成されているので、粘着シ
ートとして十分な強度を有し、かつ使用後には簡単な焼
却設備で焼却することができる。従って、環境負担を軽
減することができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を詳細に説明する。
【0055】(実施例1)低密度ポリエチレン(三菱化
学社製、品番:LC500)100重量部に、白色顔料
としてルチル型酸化チタンマスターバッチ(酸化チタン
の含有率60重量%)を20重量部配合し、Tダイ法に
より厚み50μmのポリエチレンフィルムを成膜し、支
持基材Aとした。
【0056】2液架橋型アクリル系粘着剤をコンマコー
ターを用いて乾燥後の厚みが30μmとなるように、表
面がシリコーン樹脂で処理されたポリエチレンラミネー
ト離型紙に塗工し、乾燥し、粘着剤層を形成した。前述
した支持基材の片面にコロナ放電処理を施し、該コロナ
放電処理面に、離型紙により支持された上記粘着剤層を
ラミネートした。
【0057】次に、上記支持基材の粘着剤層及び離型紙
が積層されている面とは反対側の面に、コロナ放電処理
を施し、アクリル系着色塗料A(日本ペイント社製、品
番:NX)を100重量部に対し、イソシアネート系硬
化剤として日本ポリウレタン社製、商品名:コロネート
2094を10重量部配合したものを用い、該着色塗料
を、スプレーガンコーターにて乾燥後の厚みが20μm
となるように塗工し、炉長30mの乾燥炉に通じ10m
/分及び120℃で乾燥し、さらに、下記の表1に示す
各条件で、クリアー塗料が塗工された工程紙を積層し、
かつロール状に巻き取った。
【0058】工程紙としては、シリコーン樹脂がコーテ
ィングされた厚み50μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム(工程紙A)を用い、上記着色塗
料に対して顔料が添加されていないことを除いては同様
とされたクリアー塗料を用意し、工程紙の片面に乾燥後
の厚みが7μmとなるように塗工し、炉長10m、乾燥
温度110℃にて20m/分で巻き取った。
【0059】工程紙の積層に際しては、上記のようにク
リアー塗膜層が形成された工程紙ロールから工程紙を繰
り出し、前述したように、下記の表1に示す各条件で着
色塗膜層上に積層した。
【0060】なお、このようにして得た粘着シートロー
ルを23℃で24時間養生した後、ロールから繰り出
し、工程紙を剥離した。この時の剥離力を、JIS Z
0237に基づき測定したところ、30g/50mm
であった。
【0061】上記のようにして得られた粘着シートにつ
いて、以下のゲル分率、積層温度、原反ロス量、
耐候性(光沢)、及び展開性を以下の要領で評価し
た。
【0062】ゲル分率:ロール巻き取り直後(すなわ
ち積層直後)及び粘着テープから工程紙を剥離する際
に、乾燥した塗料(着色塗料及びクリアー塗料の双方を
含む)を引き剥がし、テトラヒドロフルフランに24時
間浸漬した後、♯280メッシュの金網にて残存固形分
を採取し、洗浄・乾燥し、該残存固形分のテトラヒドロ
フラン浸漬前の塗料重量に対する百分率(残存固形分
率)を測定し、ゲル分率とした。
【0063】積層温度:クリアー塗膜層が形成された
工程紙を、着色塗膜層上に積層する際の着色塗膜層表面
温度をサーモラベルを用いて測定した。 原反ロス量:各500mの粘着シートロールから粘着
シートを繰り出し、工程紙を剥離して粘着シート製品を
得た場合の原反ロス量を評価した。下記の表1において
記号A〜Cの意味は以下のとおりである。 A:原反ロス量が50m未満 B:原反ロス量が50〜80m C:原反ロス 量が80m超
【0064】耐候性(光沢):サンシャインウェーザ
ーメーターを用い、工程紙が剥離された最終製品の粘着
シートについて3000hr暴露試験を行い、暴露後の
光沢の低下を評価した。下記の表1の評価記号の意味は
以下のとおりである。 〇:光沢低下率が30%未満 ×:光沢低下率が30%以上 展開性:クリアー塗膜層が形成された工程紙を積層す
る際に、工程紙ロールから工程紙を繰り出す際の安定性
を評価した。 ○:工程紙を均一に繰り出すことができた。 ×:展開ばらつきがみられた。
【0065】(実施例2)支持基材を、軟質塩化ビニル
系樹脂シートに変更したことを除いては、実施例1と同
様にして粘着シートを得、評価した。
【0066】(実施例3)着色塗料を、ポリエステル系
塗料B〔(大日本塗料社製、商品名:プラニット♯U5
00)100重量部に対し、イソシアネート系硬化剤
(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネート20
94)10重量部を配合したものを〕用いたことを除い
ては、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0067】(実施例4)着色塗料として、フッ素系塗
料C〔(日本ペイント社製、商品名:デュフロン)10
0重量部に対し、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウ
レタン工業社製、商品名:コロネート2094)10重
量部を配合したもの〕を用いたことを除いては、実施例
1と同様にして粘着シートを得た。
【0068】(実施例5)巻き取り時の塗膜層のゲル分
率が95重量%となった状態で、工程紙を積層し、巻き
取ったことを除いては、実施例1と同様にして粘着シー
トを得た。
【0069】(実施例6)巻き取り時の塗膜層のゲル分
率を5重量%としたことを除いては、実施例1と同様に
して粘着シートを得た。
【0070】(実施例7)工程紙として、厚み40μm
の2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(工程紙
B)を用いこと、該工程紙の剥離力が40g/50mm
であることを除いては、実施例1と同様にして粘着シー
トを得た。
【0071】(実施例8)工程紙として、剥離力が30
0g/50mmである、重剥離タイプのシリコーン離型
剤塗布ポリエチレンテレフタレートフィルム(工程紙
D)を用いたことを除いては、実施例1と同様にして粘
着シートを得た。
【0072】(実施例9)工程紙として、剥離力が25
g/50mmである、40μmの厚みの2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムのクリアー塗布側の面がサンドマット
処理されているもの(工程紙C)を用いたことを除いて
は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0073】(実施例10)実施例9において、積層温
度を60℃に変更したことを除いては、実施例9と同様
にして粘着シートを得た。
【0074】(実施例11)剥離時の着色塗膜層のゲル
分率が85重量%となるようにしたことを除いては、実
施例8と同様にして粘着シートを得た。
【0075】(実施例12)実施例1で用いた粘着剤層
が積層された支持基材の粘着剤層が形成されている側と
は反対側の面に、実施例1で用いた着色塗料及びクリア
ー塗料を順次直接塗工し、粘着シートを得た。
【0076】(比較例1)実施例1で用いた支持基材の
片面に、実施例1と同様にして粘着剤層及び離型紙を積
層し、反対側の面に実施例1で用いた着色塗料を塗工
し、着色塗膜層が片面に形成された粘着シートを得た。
【0077】(比較例2)クリアー塗膜層の厚みを40
μmとしたことを除いては、実施例1と同様にして粘着
シートを得た。
【0078】(比較例3)実施例1において、クリアー
塗膜層が設けられていない工程紙を用いたことを除いて
は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0079】(比較例4)クリアー塗膜層を設けず、着
色塗膜層の乾燥スピードを3m/分としたこと以外は、
比較例3と同様にして粘着シートを得た。
【0080】(比較例5)比較例3で得られた粘着シー
トを23℃で3日間養生した後、OPPフィルムを剥離
することにより粘着シートを得た。
【0081】上記実施例2〜12及び比較例1〜5で得
た各粘着シートについても、実施例1と同様にして評価
した。結果を下記の表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】本発明に係る粘着シートの製造方法で
は、支持基材の片面に着色塗膜層及びクリアー塗膜層が
形成されており、反対側の面に粘着剤層及び離型紙が積
層されている粘着シートの製造に際し、上記のように着
色塗料を塗工し、該着色塗料の溶剤を乾燥させて着色塗
膜層を形成し、養生後の剥離力が上記特定の範囲にあ
り、かつ片面にクリアー塗膜層が形成された工程紙を該
クリアー塗膜層側から着色塗膜層に積層しているので、
着色塗膜層、支持基材、粘着剤層及び離型紙が積層され
た原反にあまりロスを発生させることなく、上記粘着シ
ートを得ることができる。
【0084】しかも、上記工程紙の剥離力が上記特定の
範囲にあるので、最終製品化に際して工程紙を容易に剥
離することができ、工程紙剥離時に着色塗膜層及びクリ
アー塗膜の外観性状が劣化し難い。
【0085】さらに、着色塗膜層上にクリアー塗膜層が
積層されいてるので、最終製品化に際して光沢の低下も
生じ難く、装飾効果に優れた粘着シーとを容易に提供す
ることが可能となる。
【0086】よって、本発明に係る粘着シートの製造方
法によれば、屋内の広告ステッカーや表示用ステッカー
などにも装飾用マーキングフィルムとして用いられる粘
着シートであって、外観性状が良好であり、光沢に優れ
た粘着シートを容易に提供することが可能となる。
【0087】加えて、上記支持基材をポリオレフィン系
軟質樹脂により構成した場合には、塩化ビニル系樹脂フ
ィルムの場合と異なり、簡単な設備で焼却したとして
も、環境汚染を引き起こし難い。従って、環境負担を軽
減することも可能となる。
【0088】さらに、上記ポリオレフィン系軟質樹脂か
らなる支持基材を用いた場合であっても、着色塗膜層に
より着色効果が発揮されるので、着色塗膜層を構成する
塗料や顔料の配合を調整するだけで、様々な装飾効果を
発揮し得る粘着シートを容易に提供することができ、装
飾用粘着シートの小量・多品種化にも容易に対応するこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリアー塗膜層、着色塗膜層、支持基
    材、粘着剤層及び離型紙がこの順序で積層されてなる粘
    着シートの製造方法であって、 前記粘着剤層及び離型紙が片面に積層された基材の他面
    に着色塗料を付与し、着色塗料中の溶剤を乾燥して着色
    塗膜層を形成し、該着色塗膜層の表面に、23℃で24
    時間養生した後の剥離力が10〜200g/50mmで
    あり、かつ片面にクリアー塗料が塗工されている工程紙
    を該クリアー塗料側から積層することを特徴とする粘着
    シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記着色塗料が硬化性塗料であり、該着
    色塗料の溶剤分乾燥後のゲル分率が10〜90重量%で
    ある状態において前記工程紙が積層されることを特徴と
    する請求項1に記載の粘着シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記クリアー塗料のゲル分率が93重量
    %以上になった時点で前記工程紙を剥離することを特徴
    とする請求項1に記載の粘着シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程紙が延伸ポリプロピレンシート
    からなる請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シートの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程紙を積層するに際し、着色塗膜
    層表面を40℃以上に加熱した状態で積層することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シートの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記支持基材がポリオレフィン系軟質樹
    脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の粘着シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シ
    ートの製造方法により得られ、クリアー塗膜層の厚みが
    2〜20μmであることを特徴とする粘着シート。
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