JP2001131497A - マーキングフィルム - Google Patents

マーキングフィルム

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JP2001131497A
JP2001131497A JP31124699A JP31124699A JP2001131497A JP 2001131497 A JP2001131497 A JP 2001131497A JP 31124699 A JP31124699 A JP 31124699A JP 31124699 A JP31124699 A JP 31124699A JP 2001131497 A JP2001131497 A JP 2001131497A
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Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷または塗装の際の加熱に伴ってフィルム
がカールするのを効果的に防ぐことができるマーキング
フィルムを提供する。 【解決手段】 離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層
と基材層がこの順に積層されてなる積層体の反離型紙層
側表面に印刷層または塗膜層が積層されてなるマーキン
グフィルムである。離型紙のたわみ量は15%以下であ
り、および/または、印刷層または塗膜層形成後の離型
紙層中の含水率は4〜7%である。上記積層体は、例え
ば、離型紙層の片面に、粘着剤層、基材層、塗膜層がこ
の順に積層されてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、屋外およ
び屋内の広告ステッカー類や表示用ステッカー類などに
使用されるマーキングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】マーキングフィルムは、一般に、ポリ塩
化ビニル系樹脂フィルムを基材層として、目的に応じて
基材層に顔料を練り込んで着色したり、あるいは基材層
の片側面に印刷や塗装を施して表面層を形成し、反対面
に用途に応じて適当な感圧および/または感熱接着剤を
塗布して粘着剤層を形成し、さらに粘着剤層を保護する
目的で剥離紙等の剥離材を貼り合わせて構成されてお
り、使用時には、この剥離材層を剥離して粘着剤層を所
定の箇所に貼り付ける。マーキングフィルムは、屋外で
使用されることが多く、看板、広告塔、シャッター、シ
ョーウインドウ等に用いられる広告ステッカー類;自動
車、二輪車等の車両やモーターボート等の船舶に用いら
れる装飾用ストライプステッカー類;交通標識、道路標
識、案内板等に用いられる表示用ステッカー類等の用途
に用いられる。このため、マーキングフィルムは耐候性
を有し、且つ三次曲面に貼り付けるための適度な柔軟性
を有することが必要である。
【0003】従来のマーキングフィルムはポリ塩化ビニ
ル系樹脂フィルムを基材層としているために、焼却廃棄
する際には塩化水素ガスやダイオキシンが発生するの
で、簡単な焼却設備では処理できず、さらには焼却設備
の耐久性を低下させるという問題があった。そのため最
近では、簡単な焼却設備で処理できる低環境負荷型のマ
ーキングフィルムへの要望が高まって来ている。例えば
特開平8−157780号公報記載のマーキングフィル
ムはポリオレフィン系樹脂フィルムを基材層としたもの
であり、容易に焼却廃棄することが可能である。
【0004】また、離型紙の寸法安定性、透気性、含水
率を規定した両面粘着テープの製造方法も提案されてい
る(特開平6−25622号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】離型紙層の片面に、少
なくとも粘着剤層、基材層がこの順に積層されてなる積
層体の反離型紙層側表面に、各種印刷または塗装を施し
て印刷層または塗膜層を形成する際、離型紙層が加熱に
より含水率低下を来たしその後徐々に吸湿するためフィ
ルムがカール現象を発生し、作業性が悪化するという問
題がある。カールの発生を防ぐために加熱温度を下げる
と生産性の低下を来たす。
【0006】本発明の課題は、上記実状に鑑み、印刷ま
たは塗装の際の加熱に伴ってフィルムがカールするのを
効果的に防ぐことができるマーキングフィルムを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、印刷または
塗装の際のカールの発生防止について検討を重ねた結
果、離型紙の剛性を最適化すること、および/または、
印刷層または塗膜層形成後の離型紙層中の含水率を最適
化することにより、カールの発生を防止できることを見
出し発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明によるマーキングフィル
ムは、離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層と基材層
がこの順に積層されてなる積層体の反離型紙層側表面に
印刷層または塗膜層が積層されてなるマーキングフィル
ムにおいて、離型紙のたわみ量が15%以下であり、お
よび/または、印刷層または塗膜層形成後の離型紙層中
の含水率が4〜7%であることを特徴とするものであ
る。
【0009】上記積層体としては、例えば、離型紙層の
片面に、粘着剤層、基材層がこの順に積層されてなるも
のであってもよく、また更に基材層の上に塗膜層が積層
されたものであってもよい。すなわち、本発明のマーキ
ングフィルムはこれら積層体の最外層に印刷層または塗
膜層が形成されたものである。
【0010】本発明によるマーキングフィルムは、好ま
しくは、離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層と基材
層をこの順に積層して積層体を作製しておき、該積層体
の反離型紙層側表面に印刷層または塗膜層を形成するこ
とにより製造される。
【0011】以下、本発明によるマーキングフィルムの
構成層についてそれぞれ詳しく説明をする。
【0012】まず、基材層についてであるが、同基材層
用のフィルムとしては一般的な各種樹脂、例えばポリオ
レフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂からなるフィルム
の使用が可能である。その中でも焼却処理が容易に行え
るポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを使用するこ
とが環境負荷低減の点から好ましい。
【0013】基材層用のポリオレフィン系樹脂の好適な
例は、軟質ポリプロピレン系樹脂(以下、ポリプロピレ
ンを「PP」と略記する)20〜100重量%とその他
のポリオレフィン系樹脂0〜80重量%からなり、軟質
PP系樹脂は重量平均分子量(Mw)8万〜50万を有
し、かつクロス分別法による10℃以下の溶出量が45
〜80重量%、10℃を越え70℃以下での溶出量が5
〜35重量%、70℃を越え95℃以下での溶出量が1
〜30重量%、95℃を越え125℃以下での溶出量が
3〜35重量%であるものである。
【0014】この軟質PP系樹脂フィルムは、非常に柔
軟性があり、かつ適度な引き裂き性を有する基材層を形
成することができ、マーキングフィルムの三次曲面施工
性、引き裂き性が著しく改良されるので特に好ましい。
また基材層用フィルムは単層であっても多層であっても
構わない。
【0015】基材層用の軟質PP系樹脂においては、上
記クロス分別法による10℃以下の樹脂溶出量は全PP
系樹脂量の45〜80重量%である。この溶出量が45
重量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠け、80
重量%を超えるとフィルムとして充分な強度が得られな
い。
【0016】10℃を越え70℃以下での樹脂溶出量は
全PP系樹脂量の5〜35重量%である。この溶出量が
5重量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠け、3
5重量%を超えるとフィルムが変形回復性に劣る。
【0017】70℃を越え95℃以下での樹脂溶出量は
全PP系樹脂の1〜30重量%である。この溶出量が1
重量%未満では得られたフィルムが変形回復性に劣り、
30重量%を超えるとフィルムとしての強度が得られな
い。
【0018】最後に上記クロス分別法の95℃を越え1
25℃以下での樹脂溶出量は全PP系樹脂量の3〜35
重量%である。この溶出量が3重量%未満ではフィルム
としての充分な強度が得られず、35重量%を超えると
フィルムが柔軟性に劣る。
【0019】基材層を構成するPP系樹脂において、ク
ロス分別法による各温度域での溶出量が上記範囲内にあ
ることは、得られたフィルムの弾性率、強度、延性など
の物性を制御する上で非常に重要である。
【0020】一般的なPP系樹脂では応力−歪み曲線を
とると、低伸張時の応力の立ち上がりが急であり、20
〜30%伸張すると降伏し、その後100%伸張程度ま
では応力がほとんど増加しない。つまり、応力−歪み曲
線において歪みに対する応力がほぼ一定となる。このよ
うな樹脂をマーキングフィルムに適用すると、例えば曲
面貼りの際にフィルムを強く引張るとフィルムが延びき
ってしまう恐れがある。しかしながら、上記のようなP
P系樹脂をマーキングフィルムに適用することにより、
柔軟性に富んだフィルムが得られる。
【0021】このような柔軟なPP系樹脂としては、ト
クヤマ社製の「PER」、モンテルJPO社製の「キャ
タロイ」、三菱化学社製の「ゼラス」、住友化学社製の
「エクセレン」などが挙げられ、これらはいずれも本発
明に用いられる。また低密度ポリエチレンや中・高密度
ポリエチレンやポリプロピレンにエチレン−プロピレン
ゴムやスチレン系エラストマーを配合したものなども使
用できる。
【0022】基材層に隠蔽性を持たせるために、PP系
樹脂100重量部に対して顔料、例えば酸化チタンを5
0〜300重量部配合することが好ましい。酸化チタン
の配合量が50重量部より少ないと、充分な隠蔽性が得
られないことがあり、300重量部より多いと樹脂剛性
が高すぎるためにフィルムの成形ができず、またコスト
的に不経済となる嫌いがある。酸化チタンにはルチル
型、アタナーゼ型があるがそれ自身に耐候性があり、樹
脂分散性の良い、平均粒径の小さいルチル型酸化チタン
が好適に用いられる。
【0023】本発明ではまた、顔料の樹脂への分散性を
高める手法として汎用されているマスターバッチ化など
により、基材層用樹脂に顔料を混和しておくことが好ま
しい。
【0024】ポリオレフィン系基材層に耐候性を付与す
るために従来ポリオレフィン系樹脂に配合しているヒン
ダードアミン化合物を添加しても良い。特に、紫外線吸
収剤との併用効果が顕著である。
【0025】本発明の基材層用の樹脂には、また、他の
汎用添加剤(帯電防止剤、アンチブロッキング剤、酸化
防止剤、無機フィラー、有機フィラー)を配合すること
も好ましい。
【0026】基材層の厚みは全層合わせて20〜150
μm、好ましくは40〜60μmである。20μm未満
ではフィルム自体が柔らかすぎるために施工困難および
強度不足となり、150μmを超えると逆に固くなり、
3次曲面等の被着体への追従性が劣ることがある。
【0027】基材層用のフィルムは、基材層用の樹脂に
上記のような添加物を配合した後、従来より用いられて
いるTダイ法やインフレーション法等により配合物を製
膜することにより得ることができる。得られた基材層フ
ィルムは一般に表面張力が小さいため、コロナ処理等の
表面改質処理により塗膜層や粘着剤層の密着性を向上さ
せるのが望ましい。
【0028】つぎに、印刷層または塗膜層は本発明によ
るマーキングフィルムの最外層を構成する。塗膜層の上
に印刷層を形成する場合もある。印刷層または塗膜層は
マーキングフィルム本来の機能を発現するものであり、
この層を構成するインキまたは塗料は、基本性能として
必要な色を発現でき、基材層表面に密着する機能を有し
ているものであればよく、アクリル系樹脂やウレタン系
樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂等からな
るインキまたは塗料が例示される。これらは1液型であ
って乾燥のみで硬化するものや、加熱で硬化させるも
の、さらに2液以上を配合する硬化型のものであってよ
い。また、それぞれ水系塗料、油性塗料等の各種汎用の
インキまたは塗料が使用可能である。マーキングフィル
ムは耐候性を要する用途で使用されるので、乾燥後架橋
および硬化するタイプのインキまたは塗料が好ましい。
インキまたは塗料をポリオレフィン系樹脂からなる基材
層上に均一に塗工するためには、表面の濡れ性の良い溶
剤系のものが好ましく、耐候性が要求される用途では、
耐候性の高い自動車用や建材用のアクリルウレタン系樹
脂やメラミン系樹脂からなるものが好ましい。さらに耐
候性が必要とされる用途では、無機系焼成顔料やシリコ
ーン系樹脂、フッ素系樹脂からなるものが好ましい。ま
た、基材層の表面と印刷層または塗膜層との密着性を向
上するために、基材層にコロナ放電処理やフレーム処
理、塩素化ポリプロピレン等による下地処理等を施して
おくことが好ましい。
【0029】印刷層または塗膜層はグラビアコーター、
コンマコーター、リバースコーター、ナイフコーター、
スプレーガン、スクリーン印刷等により厚さ5〜40μ
m、好ましくは10〜35μmでインキまたは塗料を塗
工することにより形成される。
【0030】印刷層または塗膜層が薄過ぎると下地の透
けを防止する効果が小さくなり色の調色および均一な外
観を得ることが難しくなり、厚過ぎるとフィルムの3次
曲面等の被着体への追従性が劣ることとなる。
【0031】印刷層または塗膜層は、複数層、例えば上
下2層からなるものであってもよい。
【0032】つぎに、粘着剤層に使用する粘着剤として
はアクリル系、ゴム系の粘着剤いずれでもよいが、特に
優れた耐候性が必要な用途においては、アクリル系や水
素添加により2重結合をなくしたゴム系の粘着剤が好ま
しい。
【0033】粘着剤は、溶媒中で重合した溶剤型粘着剤
であっても、水中で重合したエマルジョン型粘着剤であ
っても、また、モノマー混合物に紫外線照射した塊状重
合型粘着剤であってもよい。粘着剤層の厚さは好ましく
は20〜50μmである。
【0034】マーキングフィルムは、一般に、粘着剤を
リバースコート法等のような定量的な塗工法により離型
紙に塗布し、加熱乾燥させた後、基材層の片側面に印刷
層または塗膜層が形成されている場合にはこれの反対面
に粘着剤層を積層することにより製造される。
【0035】本発明マーキングフィルムの離型紙は、上
記粘着剤層から安定的に剥離できるものであれば、特に
限定されるものではなく、例えば上質紙、グラシン紙、
コート紙、ポリエチレンラミネート紙、PETフィルム
等にシリコーン系やフッ素系樹脂をコーティングしたも
のが使用できる。また、製品在庫中の吸湿による変化を
防止するため、上質紙、グラシン紙、コート紙、PET
フィルム等の表裏にポリエチレンなどのプラスチック層
をラミネートしてその上に離型剤を塗布したものも、マ
ーキングフィルム用の離型紙として好ましく使用され
る。
【0036】本発明においては、離型紙層の片面に、少
なくとも粘着剤層、基材層がこの順に積層されてなる積
層体の反離型紙層側表面に、印刷または塗装を施す際、
フィルムがカール現象を来たすのを防止するため、離型
紙の剛性を増大(たわみ量を低減)する、および/また
は、印刷層または塗膜層形成後の離型紙層中の含水率を
高める。離型紙の剛性を増大するには、使用する紙の厚
みを適度に設定する、紙の密度を高める、などの手法が
ある。離型紙のたわみ量が15%より大きいと、印刷ま
たは塗装時のカール抑制効果は不十分になる。
【0037】また、印刷層または塗膜層形成後の離型紙
層中の含水率を高めるには、離型紙の表裏にプラスチッ
ク層をラミネートする前に水蒸気を吹き付ける、水を塗
布する等の方法で、強制加湿する手法がある。未加湿処
理の離型紙中の含水率は3%程度である。本発明マーキ
ングフィルムでは、加湿処理により印刷層または塗膜層
形成後の含水率は4〜7%になされる。この含水率が4
%未満ではカール発生防止効果が不十分であり、7%を
越えるとマーキングフィルムが乾燥中に逆向きにカール
し乾燥炉内にて乾燥ノズルなどに接触し、不良品の生成
をまねく。
【0038】離型紙全体の厚みは好ましくは80〜25
0μmである。この厚みが250μmを越えるとフィル
ム貼付時に離型紙の嵩高さのため作業性が低下し、80
μmより薄いとマーキングフィルムを持ち運ぶ際、離型
紙の剛性が不十分であるため離型紙自体が折れ込みシワ
になることがある。
【0039】上記各層材料から本発明によるマーキング
フィルムを製造するには、1)予め用意した基材層の片
面にインキまたは塗料を塗工して印刷層または塗膜層を
形成し、その後、基材層の印刷層または塗膜層反対面に
粘着剤層さらにその上に離型紙を積層する方法、2)ま
ず基材層に粘着剤層その上に離型紙を積層し、その後、
基材層の粘着剤層反対面にインキまたは塗料を塗工して
印刷層または塗膜層を形成する方法が採用可能である。
また、3)離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層と基
材層をこの順に積層して積層体を作製しておき、該積層
体の反離型紙層側表面に印刷層または塗膜層を形成する
方法も好ましい。粘着剤は、これを基材層表面へ直接塗
工することもできるが、基材層がポリエチレンのような
耐熱性、強度の低い材料からなる場合は、粘着剤を離型
紙上へ塗工し、得られた粘着剤層を基材層表面と積層す
る方が好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
より詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の例によって限定されるものではない。
【0041】<実施例1> a)離型紙の製造 上質紙(坪量125g/m2 、厚み170μm)の両
面にポリエチレン層をラミネートし、その片側面にシリ
コーンをグラビアロールでドライイ厚み0.5μmでコ
ーティングした。こうして、目的とする離型紙を得た
(含水率:4%、たわみ量5%)。
【0042】b)マーキングフィルムの製造 両外層用樹脂としてメルトインデックス(3.9g/1
0分)のホモPP樹脂を用い、中間層用材料として、重
量平均分子量200,000、クロス分別法による各温
度での溶出量が10℃以下で69重量%、10℃を越え
70℃以下で11重量%、70℃を越え95℃以下で2
重量%、95℃を越え125℃以下で18重量%である
軟質PP系樹脂に、該中間層樹脂100重量部に対して
酸化チタン80重量部を配合してなる配合物を用い、こ
れらを多層Tダイ押出機にて厚さ50μm(両外層厚:
各8μm、中間層厚:34μm)になるようにサンドイ
ッチ状に製膜し、インラインにて両面コロナ処理を施し
た。得られたフィルムを着色基材層とし、その片側面に
下塗膜層を形成し、さらに下塗膜層の上にこれと同色系
の上塗膜層を形成した。
【0043】基材層における塗膜層の反対面に粘着剤層
を、その上に上記離型紙層を積層した。粘着剤層は、2
液架橋型アクリル系粘着剤をコンマコーターにてドライ
厚み40μmとなるようにシリコーン塗布型工程紙に塗
工して形成した。これを基材層の塗膜層積層面の反対面
に積層した。
【0044】このようにして作製した積層体の塗膜層側
に、印刷インキ(帝国インキ、「VKインキ」)で、2
50メッシュのスクリーンを使用してスクリーン印刷し
た後、マーキングフィルムを100℃の乾燥炉を通して
乾燥させ、本発明のマーキングフィルムを得た。
【0045】このマーキングフィルムの層構成を図1に
示す。
【0046】<実施例2> a)離型紙の製造 上質紙(坪量80g/m2 、厚み100μm)をポリ
エチレン層ラミネート工程でラミネート前に水蒸気でイ
ンライン加湿し、加湿両面ポリエチレン層ラミネート品
を作製した。これの片側面にシリコーンをグラビアロー
ルでドライ厚み0.5μmでコーティングした。こうし
て、目的とする離型紙を得た(含水率:8%、たわみ
量:18%)。
【0047】b)マーキングフィルムの製造 離型紙を上記のものに代えた以外、実施例1と同様の操
作で、マーキングフィルムを得た。
【0048】<実施例3> a)離型紙の製造 上質紙(坪量125g/m2 、厚み170μm)をポ
リエチレン層ラミネート工程でラミネート前に水蒸気で
インライン加湿し、加湿両面ポリエチレン層ラミネート
品を作製した。これの片側面にシリコーンをグラビアロ
ールでドライ厚み0.5μmでコーティングした。こう
して、目的とする離型紙を得た(含水率:7.5%、た
わみ量6%)。
【0049】b)マーキングフィルムの製造 両外層用樹脂としてメルトインデックス(3.9g/1
0分)のホモPP樹脂を用い、中間層用材料として、重
量平均分子量250,000、クロス分別法による各温
度での溶出量が10℃以下で48重量%、10℃を越え
70℃以下で19重量%、70℃を越え95℃以下で5
重量%、95℃を超え125℃以下で28重量%である
軟質PP系樹脂に酸化チタンを樹脂100重量部に対し
100重量部配合してなる配合物を用い、これらを多層
Tダイ押出機にて厚さ50μmになるようにサンドイッ
チ状に製膜し、インラインにて両面コロナ処理を施し
た。得られたフィルムを基材層とし、その片側面に下塗
膜層を形成した後、他側面に粘着剤層と上記離型紙を積
層した。
【0050】このようにして得た積層体の下塗膜層の上
に同色の上塗膜層を形成して本発明のマーキングフィル
ムを得た。
【0051】<実施例4>ポリ塩化ビニル系樹脂(鐘淵
化学社製「PSH−10」)100重量部に、可塑剤
(旭電化社製「P−300」)35重量部、金属系安定
剤(旭電化社製「AC−110」)10重量部、白色顔
料酸化チタン(大日精化社製「VT−771」)45重
量部、および溶剤(三菱化学社製「ソルベッソ」)80
重量部を添加し、オルガノゾルを作製した。このゾルを
アルキッド樹脂コーティング工程紙上にコンマコーター
にて塗布し乾燥し、厚み60μmのフィルムを得た。乾
燥条件は180℃×7分とした。得られたフィルムを基
材層とした以外は実施例1と同様の方法にてマーキング
フィルムを得た。
【0052】<比較例1>加湿を行わなかった点を除い
て、実施例2と同様の操作で離型紙を得た(含水率:
3.8%、たわみ量:18%)。
【0053】離型紙を上記のものに代えた以外、実施例
2と同様の操作で、マーキングフィルムを得た。
【0054】<比較例2>加湿条件を強化して含水率を
10%にした以外、実施例2と同様の操作で離型紙を得
た(含水率:10%、たわみ量18%)。
【0055】離型紙を上記のものに代えた以外、実施例
2と同様の操作で、マーキングフィルムを得た。
【0056】性能評価試験 上記実施例および比較例で得られたマーキングフィルム
を下記項目について評価した。評価結果を表1に示す。
【0057】<含水率>マイクロウェーブ式水分計(イ
ンフラレッドエンジニアリング社製、「MOISTREX MX200
0-D3M 」)を使用し、離型紙中の水分量、および印刷後
もしくは上塗膜層形成後の離型紙層中の水分量を測定し
た。
【0058】<たわみ量>離型紙を原反の長手方向に平
行もしくは垂直に40mm×150mmのサイズで短冊
状にカットしてサンプルを作製し、その両端を接続し、
得られたリングを垂直に配置し、その上に10gの重り
を載せ、無荷重状態での直径からの変形率を下記式によ
り求めた(たわみ量が小さいものの方が剛性が高い)。
【0059】
【数1】 なお、変形率の大きいデータをたわみ量として採用し
た。
【0060】<印刷後カール性>マーキングフィルムか
ら100mm×100mmのサイズでサンプルを作製
し、これを印刷面を上にして23℃×70%の環境下で
24時間放置した。その後、図2に示すように、サンプ
ル1 を上下反転させ、水平面2 からの浮き上がり量(A)
をカール量として測定し、下記の基準で評価した。
【0061】 ○・・・浮き上がり量10mm以下: 作業性良好 △・・・浮き上がり量10〜30mm: 作業性可 ×・・・浮き上がり量30mm以上: 作業性不可
【0062】<貼り作業性>マーキングフィルムを10
00mm幅で貼り付け施工し、施工時の離型紙に関する
作業状況を下記の基準で評価した。
【0063】 ○・・・離型紙の不具合無く作業性は良好 △・・・離型紙の剛性が強くやや貼り難い ×・・・離型紙の剛性が著しく強く施工が困難
【0064】<印刷時のノズル接触性>スクリーン印刷
後、乾燥させる際にフィルムがカールすることにより乾
燥ノズルに接触して塗膜面に生じる傷の有無を下記の基
準で評価した。
【0065】 ○・・・塗膜面がノズルに接触しない ×・・・塗膜面がノズルに接触した
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、離型紙のたわみ量を1
5%以下に設定し、および/または、印刷層または塗膜
層形成後の離型紙層中の含水率が4〜7%となるように
調整することにより、印刷または塗工時の加熱によって
もカールが発生せず、貼り付け作業性が良好であり、ま
た印刷時にカール端部が乾燥ノズルに接触する恐れのな
いマーキングフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のマーキングフィルムの層構成を示す
断面図である。
【図2】印刷後カール性を評価するための浮き上がり量
を測定する状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1:サンプル 2:水平面 A:浮き上がり量

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層
    と基材層がこの順に積層されてなる積層体の反離型紙層
    側表面に印刷層または塗膜層が積層されてなるマーキン
    グフィルムにおいて、離型紙のたわみ量が15%以下で
    あることを特徴とするマーキングフィルム。
  2. 【請求項2】 離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層
    と基材層がこの順に積層されてなる積層体の反離型紙層
    側表面に印刷層または塗膜層が積層されてなるマーキン
    グフィルムにおいて、印刷層または塗膜層形成後の離型
    紙層中の含水率が4〜7%であることを特徴とするマー
    キングフィルム。
  3. 【請求項3】 離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層
    と基材層がこの順に積層されてなる積層体の反離型紙層
    側表面に印刷層または塗膜層が積層されてなるマーキン
    グフィルムにおいて、離型紙のたわみ量が15%以下で
    あり、かつ、印刷層または塗膜層形成後の離型紙層中の
    含水率が4〜7%であることを特徴とするマーキングフ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 上記積層体が、離型紙層の片面に、粘着
    剤層、基材層、塗膜層がこの順に積層されてなるもので
    ある、請求項1〜3記載のマーキングフィルム。
  5. 【請求項5】 離型紙層の片面に、少なくとも粘着剤層
    と基材層とがこの順に積層されてなる積層体を作製して
    おき、該積層体の反離型紙層側表面に印刷層または塗膜
    層を形成することを特徴とする請求項1〜4記載のマー
    キングフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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