JP2000303011A - 再帰反射性印刷用インキ組成物およびこれを用いた再帰反射性物品 - Google Patents
再帰反射性印刷用インキ組成物およびこれを用いた再帰反射性物品Info
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Abstract
かつ効率良く付与して、夜間においても遠方からの視認
性を高めて防犯または安全に寄与すると共に、カラー化
によりファッション性をも付与することによって商品の
表現力が大きく広がり商品価値を高める。 【解決手段】 再帰反射性印刷用インキ組成物は、ガラ
スビーズと接着用樹脂とを含むインキ組成物において、
マイカおよび/または着色アルミニウム粒子をも含み、
マイカおよび/または着色アルミニウム粒子の粒子径が
ガラスビーズの粒子径よりも小さいことを特徴とし、こ
のインキ組成物を基材に印刷して基材表面にカラー再帰
反射機能を有する被膜を形成する。
Description
インキ組成物およびこれを用いた再帰反射性物品に関す
る。
全性を高めたり、夜間の広告効果を高めたりするため
に、衣服、宣伝旗(または幟)、靴、鞄などの布帛表面
に、夜間遠方からの視認性を高めた再帰反射性の図柄
(パターン)が設けられている。再帰反射性の図柄は昼
間における視認性にも優れている。
赤、黄、青のように色光(有彩色の光)として見えるよ
うな構造を備えていれば、夜間遠方からの視認性がより
一層高まる。このための構造は、従来、布帛上に、所望
の図柄で、アルミニウム層、その上に赤、黄、青等の染
料や顔料等からなる色素層、さらにその上にガラスビー
ズ層を形成するものであって、布帛の図柄部分に光を照
射するとガラスビーズを透過した光が、最下層であるア
ルミニウム層で反射されて色素層を通過することにより
色を帯びるようになり再びガラスビーズを透過して帰っ
てくるので、色光として見えるようになるのである。
に、再帰反射シートが使用されていたが、所望の図柄を
作りだすのに二つのタイプがあった。第1は、再帰反射
シートから所望の図柄シートをカッティングにより得る
タイプである。例えば、ポリエステルフィルムの表面上
にアルミニウム蒸着層、その上にガラスビーズ層を重ね
て形成したものであって、布帛上へ再帰反射性の図柄を
設けるときには、再帰反射シートから所望の図柄シート
を切り取り、得られた図柄シートを、前記ポリエステル
フィルムの裏面側に付与された接着剤層を介して、布帛
表面に重ね合わせ、布帛表面に固定するようにする。あ
るいは、離型性を有するポリエステルフィルム上に、ガ
ラスビーズ層、カラー樹脂層、アルミニウム蒸着層、ホ
ットメルト樹脂層をこの順に設けてなるものであって、
カッティングによって得られた図柄シートのホットメル
ト樹脂層側を布帛に向き合わせて布帛上に重ね合わせ、
加熱圧着することによりホットメルト樹脂を溶融させ
て、図柄シートを布帛と接着させ、ホットメルト樹脂の
冷却固化後、離型フィルムを剥して、布帛上に、所望パ
ターンのアルミニウム蒸着層、カラー樹脂層およびガラ
スビーズ層を、この順序で残す方法である。
所望する図柄シートを切り取る必要があり、面倒であっ
た。しかも、カッティングした残りの再帰反射シート
は、使用できず、無駄になっていた。そこで、離型フィ
ルム上にプリント法により再帰反射性の図柄を直接形成
し、これを布帛に転写する第2のタイプが提案されてい
る。たとえば、ポリエステルフィルムからなる離型フィ
ルム上に、図柄ごとに作った版を介して、ガラスビーズ
層、カラー樹脂層、アルミニウム層、ホットメルト樹脂
層をこの順にプリントし乾燥させて得られた図柄付き再
帰反射シートを用いる方法であり、上記図柄付き再帰反
射シートのホットメルト樹脂層側を布帛に向き合わせて
布帛上に重ね合わせ、加熱圧着することによりホットメ
ルト樹脂を溶融させて、図柄シートを布帛と接着させ、
ホットメルト樹脂の冷却固化後、離型フィルムを剥して
図柄部分を布帛に転写することにより、再帰反射性を有
する再帰反射性物品が得るようにするのである。
ートを予め作製しておき、これを熱プレスすることで初
めて、布帛上に再帰反射性の図柄を得るので、図柄の作
成が極めて間接的であり、工程が長く、低生産性、高コ
ストであった。そこで、再帰反射シートを用いる代わり
に、ガラスビーズ、色素、アルミニウム粒子、接着用樹
脂を混合することにより印刷用インキを作成し、スクリ
ーン印刷法等で、布帛上に再帰反射性の図柄を得ること
が考えられた。この方法では、流動性を帯びて布帛に含
浸されてゆく樹脂に随伴して粒子径の小さなアルミニウ
ム粒子の大部分が布帛側に移行し、粒子径の大きなガラ
スビーズの大部分は表面側に残る。ガラスビーズとアル
ミニウム粒子の間に存在する色素が再帰反射時に色光を
生じさせる。色素は粒子が極端に小さいので、樹脂中に
均一に分散しているが、塗工された樹脂が布帛内部にま
で回るので、配合された色素がこの樹脂に随伴してアル
ミニウム粒子の下側に向かう。そのため、ガラスビーズ
とアルミニウム粒子の間には一部の色素しか残らない。
アルミニウム粒子は透明でなく光を遮断するため、アル
ミニウム粒子の下側になった色素は着色に関わらない。
ガラスビーズとアルミニウム粒子の間に存在する色素の
みが着色に関わる。しかし、これに関わる色素量が上述
のように少ないため、この方法では、期待したほどのカ
ラー再帰反射光が得られないのである。
ミニウム本来のシルバー色に近い色光の再帰反射インキ
しか出来ていない。シルバー色に近い色光の再帰反射光
は、夜間遠方からの視認性はあるが、ファッション性が
低く応用分野が限られるという問題がある。
ラー再帰反射機能を生産性よく、かつ効率良く付与し
て、夜間においても遠方からの視認性を高めて防犯また
は安全に寄与すると共に、カラー化によりファッション
性をも付与することによって商品の表現力が大きく広が
り商品価値を高め得る再帰反射性印刷用インキ組成物と
再帰反射性物品を提供することを課題とする。
の再帰反射光(カラー再帰反射光)を得るためには、印
刷物に塗工されたインキの乾燥被膜がガラスビーズのほ
かに反射鏡となる粒子をも含んでいて再帰反射を起こせ
るようになっていることと、反射光を着色するために反
射鏡となる粒子とガラスビーズの間に色素が存在するこ
ととが必要であることは勿論であるが、着色の効率を挙
げるためには、被膜に含まれる色素が反射鏡となる粒子
の陰になっていても色光を生み出せることが必要である
と考えた。そこで、本発明者は、この反射鏡となる粒子
について種々検討した結果、透光性および光沢を有する
マイカを配合すればよいことを見いだし、本発明を完成
した。本発明者はまた、反射光を効率良く着色するため
には、反射鏡となる粒子とガラスビーズの間に濃度の高
い色素層を存在させても良いと考えた。すなわち、反射
鏡となる粒子自体を着色すれば良いと考えた。そして、
アルミニウム粒子を用いる場合であっても、着色アルミ
ニウム粒子として配合すればよいことも見いだし、本発
明を完成した。
キ組成物は、ガラスビーズと接着用樹脂とを含むインキ
組成物において、マイカおよび/または着色アルミニウ
ム粒子をも含み、マイカおよび/または着色アルミニウ
ム粒子の粒子径がガラスビーズの粒子径よりも小さいこ
とを特徴とする。本発明の再帰反射性印刷用インキ組成
物は、さらに、色素を含むことができる。
面に本発明のインキ組成物から形成された被膜を備えて
いる。
組成物(以下では、単に「インキ組成物」と言うことも
ある)は、表現したい文字や図柄の一部または全部をス
クリーン印刷法等で基材(例えば、織物、編物、不織布
などの布帛)に塗工され、その接着用樹脂によってガラ
スビーズとマイカおよび/または着色アルミニウム粒子
を所定の位置関係に配置し、さらに、これらと、必要に
応じて配合されるその他の成分(後述する色素や無着色
アルミニウム粒子など)を相互に固着させるとともに、
基材に接着させる。
反射性印刷用インキ組成物においては、反射鏡となる粒
子がマイカである場合、ガラスビーズを透過した光は、
前述の従来インキ組成物と同様、一部がこのマイカで反
射され、マイカ上側の色素で着色されて色光となるが、
マイカが透光性であるので、反射されなかった部分がこ
のマイカを透過してマイカ下側の色素にまで到達するこ
とが出来る。そのため、この透過光が下側色素でさらに
着色されたのち、その下側に存在するマイカの表面で反
射されて色光として働くようになり、着色が効率的とな
るのである。反射鏡となる粒子が着色アルミニウム粒子
である場合、粒子本体表面で反射された光が粒子表面の
濃度の高い着色層で着色されて効率的に色光となること
ができる。着色アルミニウム粒子を配合する場合におい
て、色素がさらに配合されているときは、粒子本体表面
で反射された光が着色アルミニウム粒子上側の色素でさ
らに着色される。
折させてビーズ球面に焦点を結ばせ、反射光となって再
帰させるという働きを持っている。このため、ガラスビ
ーズは、1.5〜2.5の屈折率を有することが好まし
く、1.9〜2.3の屈折率を有することがより好まし
い。ガラスビーズの屈折率が1.5未満であると屈折率
が低いため反射光の方向が大幅にずれて視認性が著しく
低下するおそれがあり、2.5超であるときも反射光の
方向がずれて視認性が低下するおそれがある。ガラスビ
ーズの配合割合は、インキ組成物全体の固形分100重
量部に対して、30〜85重量部であることが好まし
く、50〜75重量部であることがより好ましい。30
重量部未満であると反射光量が少なくなって視認性が低
下するおそれがあり、85重量部超であるとマイカおよ
び/または着色アルミニウム粒子の相対割合と接着用樹
脂の相対割合が低くなって印刷物の物性が著しく低下す
るおそれがある。
粒子である。マイカは、天然品および合成品のいずれで
あっても使用できる。好ましくは、薄板状雲母粒子の表
面を酸化チタンや酸化鉄等で被覆した合成品であり、合
成品のうちでも酸化チタン被覆したものがより好まし
い。マイカの粒子は、層状構造を形成し、しかも、一部
の光を反射し一部の光を透過させるために、光の多重層
反射を起こさせることが出来る。マイカを透過した光
は、前述のように下側色素で反射して着色されるほか、
基材表面で反射して基材色(下地色)に着色されること
もある。マイカの配合割合は、インキ組成物全体の固形
分100重量部に対し、5〜25重量部が好ましく、8
〜18重量部であることがより好ましい。5重量部未満
であると鏡の役目をするマイカの量が少なすぎて反射光
が弱くなるおそれがあり、25重量部超であるとガラス
ビーズ、接着用樹脂、色素(色素を配合する場合)の相
対比率が下がり、再帰反射色光が弱くなったり、堅牢性
が悪くなってガラスビーズの剥離等が起こったりするお
それがある。
おいては、着色アルミニウム粒子も反射鏡となる粒子で
あり得る。着色アルミニウム粒子は、粒子の表面を顔料
等で着色した粒子であり、粒子本体表面で反射させた光
を粒子本体表面に形成された着色層で着色する。本発明
の再帰反射性印刷用インキ組成物においては、再帰反射
性を高めるためか、その他の目的で、無着色のアルミニ
ウム粒子を配合することができる。
子としては、ノンリーフィングタイプがアルミニウム粒
子の表面酸化が起こりにくくアルミニウムの黒変を抑え
反射光量を維持する等の理由で好ましく用いられる。着
色および/または無着色のアルミニウム粒子の配合割合
は、インキ組成物全体の固形分100重量部に対し、1
0重量部以下が好ましく、3〜6重量部であることがよ
り好ましい。10重量部超であるとアルミニウム面によ
ってはね返される光が多くなり、シルバー色(いわゆる
アルミニウム色)の反射光となってしまうおそれがある
からである。着色および/または無着色のアルミニウム
粒子を配合するときは、粉末状であってもよいが、ペー
スト状である方が他の材料に対する濡れ性が良く、均一
な配合が得られやすいという理由から好ましい。
インキ組成物が溶媒を含む場合、その溶媒に溶解可能
(水溶性または油溶性)であってもよく、溶解しないが
分散可能(水分散性または油分散性)であってもよい。
色素は、再帰反射光やマイカ透過光に有彩色を付けるた
めのものであり、その色は特に限定はないが、接着用樹
脂との相溶性の良好なもの、または、接着用樹脂への分
散性の良好なものが使用される。インキ組成物に色素を
配合した場合には、色素の色や配合量などに応じて、基
材の持つ色、色素の色、またはそれらの合わさった色な
どの有彩色を帯びたカラー再帰反射光が得られる。色素
の配合割合は、インキ組成物全体の固形分100重量部
に対し、20重量部以下が好ましく、15重量部以下が
より好ましい。色素配合量が20重量部超であると色が
濃すぎて反射色光の視認性が逆に劣ったり堅牢性に劣っ
たりするようになるおそれがある。
重量部である場合、本発明のインキ組成物は、クリヤタ
イプとなり、これをそのまま塗工すれば、基材の持つ有
彩色を帯びたカラー再帰反射光を得る。さらに、色素お
よび着色アルミニウム配合量0のこのインキ組成物は、
粘度および再帰反射光量を低下させることなく色素を配
合したインキ組成物の色素量を低減させる働き、すなわ
ち、有色インキ組成物の色をよりうすく調整するために
用いられる。
形成し得る樹脂であれば良く、水系、有機溶剤系、水・
有機溶剤の混合溶媒系のいずれでも良く、たとえば、ア
クリル系、ウレタン系、ビニル系、エポキシ系、シリコ
ーン系、ポリエステル系、オレフィン系、ゴム系等の接
着用樹脂が使用できるほか、ホットメルト樹脂接着剤が
使用でき、これらのうちから、透明性に優れる樹脂を選
択する。接着用樹脂の配合割合(固形分基準)は、イン
キ組成物100重量部に対し、5〜30重量部が好まし
く、10〜25重量部がより好ましい。5重量部未満で
あると他材料を充分に固着・接着させることができず堅
牢性が悪くなるおそれがあり、30重量部超であるとガ
ラスビーズとマイカおよび/または着色アルミニウム粒
子の最適混合比率を維持できず反射色光としては弱くな
るおそれがある。
(乳化を含む)している。この場合、溶剤としては、
水、トルエン、キシレン、メチルアルコール等のアルコ
ール類、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル
等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ベンゼン等が
使用できる。マイカの粒子径(平均長径を言う)や着色
アルミニウム粒子の粒子径(平均粒子径)は、ガラスビ
ーズの粒子径(平均粒子径)よりも小さいことが必要で
ある。これは、インキ組成物を基材に塗工するときにガ
ラスビーズの大部分またはすべてが表面側に、マイカお
よび/または着色アルミニウム粒子の大部分またはすべ
てがその下側に位置するようにするためである。これら
の位置関係が逆になると、反射光の再帰が起きにくくな
り反射光が弱くなる。
0〜300μm(好ましくは75〜110μm)のビー
ズを用い、マイカとしては、例えば、粒子径1〜150
μm(好ましくは5〜60μm、より好ましくは20〜
40μm)のマイカを用い、着色および/または無着色
のアルミニウム粒子としては、例えば、粒子径80μm
以下(好ましくは粒子径20μm以下)のアルミニウム
粒子を用いる。色素の粒子径は、非常に小さく、例え
ば、0.01〜10μm(好ましくは0.05〜10μ
m、より好ましくは0.1〜1.0μm)である。
ると、マイカよりも小さいガラスビーズの割合が多くな
るおそれがあるため、ガラスビーズの下側にマイカや色
素が位置する構造の被膜が形成されにくくなり、反射光
が弱くなって視認性が著しく劣るおそれがあり、300
μm超であると、ガラスビーズ全体の表面積が極端に小
さくなって反射光量が少なくなり、視認性が低下したり
接着性能が低下したり、スクリーン印刷時に目詰まりを
起こしたりするおそれがある。マイカの粒子径が1μm
が未満であると、急激に隠蔽力を増し色素のもつ色光が
得られにくくなったり、鏡としての面が小さすぎて光を
反射する力が小さいため反射光が弱くなったりするおそ
れがあり、150μm超であると、マイカよりも小さい
ガラスビーズの割合が多くなるため上述と同じ問題が生
じるようになるおそれがある。アルミニウム粒子の粒子
径が80μm超であると、アルミニウム粒子がガラスビ
ーズの上にくることがあり、反射光が得られなかった
り、入射した光がアルミニウム表面ではねかえされて色
素に到達しなかったりするので、反射光が弱い色光とな
るおそれがある。色素の粒子径が0.01μm未満であ
ると、色素としての性能は良いが飛躍的に価格が高くな
り、インキとしての実用性にそわなくなるおそれがあ
り、10μm超であると、マイカやアルミニウム粒子よ
りも大きい粒子径を有する色素が多くなるためマイカや
アルミニウム粒子に到達する光を遮って反射光を弱くす
るおそれがある。
必要に応じて他の成分、たとえば、接着用樹脂のガラス
ビーズとの接着性を良くするためのシランカップリング
剤、基材との接着性を良くするための架橋剤、色素の分
散を助けるための分散剤、接着用樹脂を増粘するための
増粘剤などのうちのいずれか1種または2種以上が配合
され得る。
1,000〜1,000,000cps、好ましくは1
0,000〜30,000cps(B型粘度計、ロータ
ーNo.3、6rpm、15℃での測定)であり、粒子
径及び比重の違う材(ガラスビーズ、マイカ、色素等)
が混在していても沈降することなく、均一に配合された
オールインワンタイプのインキ組成物であり、長時間の
保存安定性に富んでいる。
塗工される基材としては、たとえば、織物、編物、不織
布、紙、フィルム、シート、板、片などが挙げられ、そ
の素材としては、ポリエステル、ナイロン、ウレタン、
塩化ビニル等のプラスチックや、羊毛、絹、綿、レーヨ
ン等の天然有機繊維素材のほかに、鉄、アルミニウム等
の金属やこれらの合金、ガラス、石(セラミックスを含
む)、木などが挙げられる。
膜を形成し得るので、織物、編物、不織布、紙、プラス
チックフィルムなどの可撓性のある基材の可撓性を損な
わない。本発明にかかる再帰反射性印刷用インキ組成物
を基材に塗工する方法としては、スクリーンプリント、
グラビアプリント、コーティングなど公知の方法が採用
できる。
のスクリーンの目の大きさは、例えば、60〜135メ
ッシュが好ましく、80〜100メッシュがより好まし
い。60メッシュ未満の場合には基材上に必要量以上の
インキが乗るため細かい柄の表現が難しくなるおそれが
あり、135メッシュを超える場合にはスクリーンの目
が細か過ぎてガラスビーズが通過できないおそれがあ
る。インキ組成物の塗工厚みは、ガラスビーズの粒子径
が最小厚みとなるが、印刷物によっては凹凸のある素材
もあり、最適被膜厚はその用途により適宜決められる。
や溶剤の種類に応じた熱処理により乾燥、必要に応じて
硬化させることにより、基材上に、ガラスビーズ、マイ
カおよび/または着色アルミニウム粒子、および、必要
に応じて配合される色素や無着色アルミニウム粒子など
の成分を含有する被膜を形成する。熱処理は、乾燥機、
テンターなどにより70〜200℃の温度で0.5〜5
分間熱処理するか、100℃以下の温度で1昼夜エージ
ングするなどの方法で行われる。
して得られる。上記塗工時または熱処理時には、接着用
樹脂が柔らかく流動性を帯びているので、ガラスビーズ
とマイカおよび/または着色アルミニウム粒子が基材の
表面になじんで移動可能となるが、ガラスビーズとマイ
カおよび/または着色アルミニウム粒子は、ガラスビー
ズの粒子径>マイカおよび/または着色アルミニウム粒
子の粒子径という大小関係があるので、一番大きい粒子
のガラスビーズが被膜の表面側により多く位置し、その
下にそれよりも細かな粒子のマイカ(および/または着
色アルミニウム粒子)がより多く位置するようになる。
これらガラスビーズやマイカおよび/または着色アルミ
ニウム粒子よりも圧倒的に細かい粒子である色素は接着
用樹脂中にほぼ均一に存在している。
(被膜)に可視光線(波長400〜700nm)を照射
したとき、反射鏡となる粒子がマイカの場合、ガラスビ
ーズを透過した光の一部がマイカで直ちに反射される
が、マイカを通過した光についても色素や基材の持つ色
の波長部分が色素や基材で反射される。反射鏡となる粒
子が着色アルミニウム粒子の場合は、ガラスビーズを透
過した光は着色アルミニウム粒子の粒子本体で反射され
る。これらの反射色光は、色素の色や基材表面の色や着
色アルミニウム粒子の色が合わさった有彩色を持つ再帰
反射光として観察者の目に入る。
カラー再帰反射機能を有しており、印刷面に当たって跳
ね返る(反射する)光が充分に色のついている光なの
で、再帰反射光の識別性は昼間より夜間の方が良いし、
目立つことになる。そのため、夜間、散歩したりジョギ
ングしたりする人、ペット等の散歩に出る人、塾通いの
子供等に対する安全性、特に交通事故の防止には効果が
ある。
自転車のファッション性や安全性を向上させる。宣伝・
広告分野においては、宣伝旗、広告看板に応用すること
により、夜間の宣伝効果が期待できる。ファッション衣
料、子供向けキャラクター商品、バッグ、リボン等雑貨
に対し、ファッショナブル化への展開が期待される。
全や工事箇所等の表示に効果がある。
外れた比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。下記では特に断らない限り、「部」および
「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を表す。 (実施例1)水系アクリル樹脂エマルション(固形分4
0%)24部、ガラスビーズ(屈折率1.93、粒子径
80〜110μm)55部、マイカ(隠蔽力7%、粒子
径15〜25μm)10部、色素としてRyuDye
W Yellow FF8G(大日本インキ (株) 製、
粒子径0.1〜1.0μm)10部を配合してミキサー
で混合することにより、再帰反射性印刷用インキ組成物
を得た。このインキ組成物の粘度は、12,000cp
s(B型粘度計、ローターNo.3、6rpm、15℃
での測定)であった。
ンジー)にスクリーン印刷(80メッシュのスクリーン
紗使用)して乾燥機で175℃の温度で3分間熱処理し
て再帰反射性物品である宣伝旗を得た。この宣伝旗の印
刷面に25m離れた所から自動車のヘッドライトを照ら
したところ、黄色のきらきらした図柄を肉眼で観察で
き、カラー再帰反射機能を有することがわかった。
わりに鱗片状アルミニウム(無着色、粒子径10〜20
μm)5部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
比較用インキ組成物を得た。このインキ組成物を実施例
1と同様にしてスクリーン印刷して宣伝旗を得た。
ところ、黄色のきらきらした図柄を肉眼で観察すること
はできたが、カラー再帰反射光は弱く実用的な輝度は得
られなかった。 (実施例2)実施例1において水系アクリル樹脂エマル
ションの代わりに水系ウレタン系樹脂エマルション(固
形分40%)を用い、増粘剤としてノニオン系界面活性
剤(花王 (株) 製、商品名ビスサーフ1400)を1部
配合したこと以外は実施例1と同様にして再帰反射性印
刷用インキ組成物を得た。このインキ組成物の粘度は、
22,000cps(B型粘度計、ローターNo.3、
6rpm、15℃での測定)であった。
エステルポンジー)に80メッシュのポリエステル紗を
使用して一の瀬式オートスクリーン捺染機でスクリーン
印刷した後、180℃の温度で1分間熱処理して再帰反
射性の宣伝旗を得た。この宣伝旗の印刷面に自動車のヘ
ッドライトを照射したところ、100m離れた位置から
でも黄色のきらきらした図柄を肉眼で観察でき、カラー
再帰反射機能を有することがわかった。
わりに鱗片状アルミニウム(無着色、粒子径10〜20
μm)4部を用いたこと以外は実施例2と同様にして比
較用インキ組成物を得た。このインキ組成物を実施例2
と同様にしてスクリーン印刷して宣伝旗を得た。
ところ、黄色のきらきらした図柄を肉眼で観察できた
が、カラー再帰反射光はマイカ使用時(実施例2)より
も弱く視認性の劣るものであった。 (実施例3)ナイロン樹脂系のホットメルト接着剤(固
形分45%)15部、ガラスビーズ(屈折率1.92、
粒子径80〜110μm)50部、マイカ(隠蔽力5
%、粒子径15〜25μm)12部、色素としてRyu
Dye W Red F3G(大日本インキ(株)製、
粒子径0.1〜1.0μm)を10部を配合してミキサ
ーで混合して再帰反射性印刷用インキ組成物を得た。こ
のインキ組成物の粘度は、23,000cps(B型粘
度計、ローターNo.3、6rpm、15℃での測定)
であった。
素材)に80メッシュのポリエステル紗を使用した型枠
で英文字を製版してスクリーン印刷し、熱台で水分を飛
ばした後に185℃の温度で40秒間、ホットプレスに
より熱処理して、再帰反射性のTシャツを得た。これの
印刷面に自動車のヘッドライトを照射したところ、10
0m離れた位置からでも緋赤色のきらきらした図柄を肉
眼で観察でき、カラー再帰反射機能を有することがわか
った。
わりに鱗片状アルミニウム(無着色、粒子径5〜25μ
m)10部を用いたこと以外は実施例3と同様にして比
較用インキ組成物を得た。このインキ組成物を実施例3
と同様にしてスクリーン印刷して英文字の入ったTシャ
ツを得た。
照射したところ、赤白い色のきらきらした図柄を肉眼で
観察できたが、カラー再帰反射光は弱くマイカ使用時
(実施例3)よりも視認性に劣るものであった。 (実施例4)ポリエステル系樹脂のホットメルト接着剤
(固形分38%)23部、ガラスビーズ(屈折率1.9
2、粒子径80〜110μm)55部、マイカ(隠蔽力
5%、粒子径15〜25μm)10部、色素としてRy
uDye W Blue RLC−H(大日本インキ
(株)製、粒子径0.1〜1.0μm)を10部を配合
してミキサーで混合して再帰反射性印刷用インキ組成物
を得た。このインキ組成物の粘度は、20,500cp
s(B型粘度計、ローターNo.3、6rpm、15℃
での測定)であった。
ルタフタ)に80メッシュのスクリーン紗を使用して千
鳥格子柄を製版し、スクリーン印刷してループ状乾燥機
で175℃の温度で4分間熱処理して再帰反射性の合繊
織物を得た。これの印刷面に自動車のヘッドライトを照
射したところ、100m離れた位置からでも青色のきら
きらした図柄を肉眼で観察でき、カラー再帰反射機能を
有することがわかった。
わりに鱗片状アルミニウム(無着色、粒子径5〜25μ
m)5部を用いたこと以外は実施例4と同様にして比較
用インキ組成物を得た。このインキ組成物を実施例4と
同様にしてスクリーン印刷してポリエステルタフタ上に
千鳥格子柄を得た。
ところ、シルバーがかった青色のきらきらした図柄を肉
眼で観察できたが、カラー再帰反射光は弱くマイカ使用
時(実施例4)に比べ輝度はなく視認性に劣った。 (実施例5)エチレン−酢酸ビニル系樹脂のホットメル
ト接着剤(固形分40%)20部、ガラスビーズ(屈折
率1.92、粒子径80〜110μm)55部、マイカ
(隠蔽力5%、粒子径5〜25μm)10部、色素とし
てRyuDye W Blue RLC−H(大日本イ
ンキ(株)製、粒子径0.1〜1.0μm)を10部を
配合してミキサーで混合して再帰反射性印刷用インキ組
成物を得た。このインキ組成物の粘度は、19,000
cps(B型粘度計、ローターNo.3、6rpm、1
5℃での測定)であった。
ルポンジー)に100メッシュのスクリーン紗使用の型
枠に星柄を製版してオートスクリーン捺染機で印捺して
130℃の温度で2分間乾燥した後、ループドライヤー
で185℃×1分30秒間熱処理して再帰反射性の合繊
織物を得た。これの印刷面に自動車のヘッドライトを照
射したところ、100m離れた位置からでも青色のきら
きらした図柄を肉眼で観察でき、カラー再帰反射機能を
有することがわかった。
わりに鱗片状アルミニウム(無着色、粒子径10〜30
μm)10部を用いたこと以外は実施例5と同様にして
比較用インキ組成物を得た。このインキ組成物を実施例
5と同様にしてスクリーン印刷してポリエステルポンジ
ー上に星柄を得た。
ところ、シルバーがかった青色のきらきらした図柄を肉
眼で観察できたが、カラー再帰反射光は弱くマイカ使用
時(実施例5)に比べ輝度はなく視認性に劣った。 (実施例6)水系ウレタン樹脂エマルション(固形分5
0%)24部、ガラスビーズ(屈折率1.93、粒子径
80〜110μm)55部、マイカ(粒子径5〜25μ
m)10部、水11部を配合しミキサーで混合して、色
素なしの再帰反射性印刷用インキ組成物を得た。このイ
ンキ組成物の粘度は、16,000cps(B型粘度
計、ローターNo.3、6rpm、16℃での測定)で
あった。
リエステルポンジー)に柄をスクリーン印刷(80メッ
シュのスクリーン紗使用)して、120℃で2分間乾燥
した後、ループドライヤーで175℃×4分間熱処理し
て柄部分のみ再帰反射性のある布帛を得た。この布帛の
印刷面に、25m離れた所から自動車のヘッドライトを
照射したところ、赤色に光るカラー再帰反射光を確認し
た。
れないで比較用のインキ組成物を作り、このインキ組成
物を実施例6と同様にしてスクリーン印刷し、ポリエス
テルポンジー上に柄を得た。これに実施例6と同様にし
て光を照射したが、赤色の再帰反射光は実施例6に比べ
て弱く、視認性に劣り、実用には不適であった。
分散液(固形分50%)23部、ガラスビーズ(屈折率
1.92、粒子径90〜106μm)50部、着色アル
ミニウム(平均粒子径30μm)5部、増粘度剤として
ノニオン系界面活性剤(花王(株)製、商品名ビスサー
フ1400)を1部、架橋剤としてブロックイソシアネ
ート(大日本インキ(株)製、品番CR60B)を2部
配合し、ミキサーで混合することにより、再帰反射性印
刷用インキ組成物を得た。このインキ組成物の粘度は、
21,000cps(B型粘度計、ローターNo.3、
6rpm、14℃での測定)であった。
ンジー)にスクリーン印刷(80メッシュのスクリーン
紗使用)して、120℃で乾燥後、185℃の温度で1
分間熱処理して再帰反射布帛を得た。この布帛の印刷面
に、25m離れた所から自動車のヘッドライトを照射し
たところ、着色されたアルミニウム色の色光が得られカ
ラー再帰反射機能を有することがわかった。
こと以外は実施例7と同様にして、比較用のインキ組成
物を作り、このインキ組成物を実施例7と同様にしてス
クリーン印刷し、実施例7と同様にして光を照射した
が、再帰反射光は弱く、色光もなかった。比較例1〜7
で得られた印刷物は、カラー再帰反射機能が弱いため、
実施例1〜7で得られたものに比べて、視認性が劣って
いる。
射機能を効率良く付与して、夜間においても遠方からの
視認性を高めて防犯または安全に寄与すると共に、カラ
ー化によりファッション性をも付与することによって商
品の表現力が大きく広がり商品価値を高めることができ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】ガラスビーズと接着用樹脂とを含むインキ
組成物において、マイカおよび/または着色アルミニウ
ム粒子をも含み、前記マイカおよび/または着色アルミ
ニウム粒子の粒子径が前記ガラスビーズの粒子径よりも
小さいことを特徴とする、再帰反射性印刷用インキ組成
物。 - 【請求項2】前記ガラスビーズの粒子径が20〜300
μm、前記マイカおよび/または着色アルミニウム粒子
の粒子径が1〜150μmである、請求項1に記載の再
帰反射性印刷用インキ組成物。 - 【請求項3】前記ガラスビーズが1.5〜2.5の屈折
率を有する、請求項1または2に記載の再帰反射性印刷
用インキ組成物。 - 【請求項4】着色アルミニウム粒子がノンリーフィング
タイプである、請求項1から3までのいずれかに記載の
再帰反射性印刷用インキ組成物。 - 【請求項5】色素をも含む、請求項1から4までのいず
れかに記載の再帰反射性印刷用インキ組成物。 - 【請求項6】基材と、この基材の表面に請求項1から5
までのいずれかに記載の再帰反射性印刷用インキ組成物
から形成された被膜とを備えた、再帰反射性物品。 - 【請求項7】前記基材が、織物、編物、紙、不織布から
なる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項6に
記載の再帰反射性物品。
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