JP2000302885A - 抗菌性フィルム - Google Patents

抗菌性フィルム

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JP2000302885A
JP2000302885A JP11254499A JP11254499A JP2000302885A JP 2000302885 A JP2000302885 A JP 2000302885A JP 11254499 A JP11254499 A JP 11254499A JP 11254499 A JP11254499 A JP 11254499A JP 2000302885 A JP2000302885 A JP 2000302885A
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film
antibacterial
boiling water
acid
composition
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JP11254499A
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English (en)
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Satoshi Hayakawa
聡 早川
Hideto Ohashi
英人 大橋
Juji Konagaya
重次 小長谷
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性、防カビ性に優れ、沸騰水中に浸漬後
も防カビ性を維持し、かつ外観変化もないなど優れた耐
久性を有し、かつ透明性、表面平滑性、ハンドリング特
性、耐摩耗性に優れた抗菌性フィルムを提供する。 【解決手段】 抗菌性組成物を少なくとも表層の片面に
含有するフィルムであって、前記フィルムの沸騰水中1
00時間浸漬前後におけるヘイズ値の変化がフィルム厚
み10μm当たり1.0%以下で、かつJIS Z29
11 6.2.2に準じた評価法によるカビ抵抗性表示
が沸騰水中100時間浸漬前後でいずれも2以上であ
り、フィルムの少なくとも片面の抗菌性表面層における
三次元表面粗さSRaが0.01〜0.05μmであ
り、さらに単位面積当りの突起数PCC値が1200個
/mm2以上であり、かつ空気抜け速さが500秒以下
であることを特徴とする抗菌性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた防カビ性と実
用的な耐久性をあわせ持ち、沸騰水中に浸漬後も外観変
化を起こすことなく優れた防カビ性の持続効果を発現
し、かつ表面の平滑性に優れ、フィルムの厚みに関係な
くハンドリング特性に優れ、更にフィルム表面の耐摩耗
性に優れた抗菌性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、中でもポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリス
チレン、ポリエチレンテレフタレート及びエチレンテレ
フタレートは優れた物理的、化学的特性を有し、繊維、
プラスチック、フィルム、シート、接着剤などに使用さ
れている。最近、これらに無機系または有機系の抗菌剤
を充填または塗布した抗菌性を有する製品が考案されて
おりその用途は多岐に及んでいる。
【0003】現在、主に検討または使用されている抗菌
剤としては、キチン、キトサン、ワサビ抽出物カラシ抽
出物、ヒノキチオール、茶抽出抗菌剤等の天然品、光酸
化触媒酸化チタン粒子、酸化亜鉛超微粒子、銀含有ゼオ
ライト、銀含有リン酸ジルコニウム等の無機系化合物品
及び有機アンモニウム塩系、有機ホスホニウム塩系化合
物などの合成品があげられる。
【0004】天然及び銀に代表される無機系抗菌剤は毒
性の面で安全で最近注目を浴び、以下の発明がすでに開
示されている。すなわち、特開平3−83905号公報
には銀イオン含有リン酸塩系の抗菌剤が、特開平3−1
61409号公報には特定のイオン交換容量を有するゼ
オライト中の一定容量を銀イオンで置換してなる抗菌剤
が開示されている。しかしながら、これらに開示された
発明に従いフィルム、シートを作成し、その黄色ブドウ
球菌、大腸菌等に対する抗菌性を評価したところ、添加
量を比較的控えめにすると抗菌活性は不十分となり、一
方、抗菌活性を改善するために添加量を増やすと、溶融
押し出し時の熱による変色、あるいは耐候性能の低下を
生じるという問題があった。
【0005】他方、有機合成品の抗菌剤はカビ類などに
対する抗菌性能が天然品、無機品より優れるのが一般的
であるが、フィルム等の基体へそれらの抗菌剤を表面塗
布又は充填した場合、抗菌剤が低分子量であるためフィ
ルム等の基体から揮発、脱離、分離しやすく、抗菌性の
長期安定性の点から、また人体への安全性の点で好まし
くない。抗菌剤をフィルム等に使用する場合には、抗菌
剤が水や有機溶媒等に溶解せず、フィルム表面から遊
離、脱離、剥離、脱落し難いことが、抗菌性能の長期安
定性及び人体への安全性の面から好ましい。
【0006】このような状況の中、最近では、フィル
ム、シート等の原料となるポリマー素材に有機系の抗菌
剤をイオン結合又は共有結合で結合した固定化抗菌剤が
開示されている。例えば、特開昭54−86584号公
報には、カルボキシル基やスルホン酸等の酸性基とイオ
ン結合している4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成
分を含有する高分子物質を主体とした抗菌性材料が記載
されている。また、特開昭61−245378号公報に
は、アミジン基などの極性基や4級アンモニウム塩基を
有する抗菌剤成分を含有したポリエステル共重合体から
なる繊維が記載されている。
【0007】さらに、特開昭57−204286号、特
開昭63−60903号、特開昭62−114903
号、特開平1−93596号、特開平2−240090
号などの公報に記載されているように種々の含窒素化合
物と同様、ホスホニウム塩化合物も細菌類に対して広い
活性スペクトルを持った生物学的活性化学物質として知
られている。これらのホスホニウム塩を高分子物質に固
定化して用途の拡大を試みた発明も開示されている。例
えば、特開平4−266912号公報にはホスホニウム
塩系ビニル重合体の抗菌剤について、WO92/143
65号公報にはビニルベンジルホスホニウム塩系ビニル
重合体の抗菌剤について、それぞれ開示されている。さ
らには、特開平5−310820号公報には、酸性基及
びこの酸性基とイオン結合したホスホニウム塩基を有す
る抗菌成分を含有する高分子物質を主体とした抗菌性材
料が記載されており、その実施例中には、スルホイソフ
タル酸のホスホニウム塩を用いたポリエステルが開示さ
れている。
【0008】また、特開平6−41408号公報には抗
菌作用には一切言及していないが、写真用支持体、包装
用、一般工業用、磁気テープ用等にスルホン酸ホスホニ
ウム塩の共重合ポリエステルとポリアルキレングリコー
ルとからなる改質ポリエステル及びポリエステルフィル
ムが開示されている。この特許明細書に記されたホスホ
ニウム塩に結合したアルキル基は、前記特開平5−31
0820号公報とは異なり、ブチル基やフェニル基、ベ
ンジル基と比較的炭素数の短いタイプである。
【0009】本発明者らは、特開平4−266912号
公報、WO92/14365号公報、特開平5−310
820号公報などの記載に基づき、それらの実施例に従
いホスホニウム塩基含有ビニル共重合体及び共重合ポリ
エステルを合成し、フィルム、シート等を形成したり、
またそれの抗菌ポリマーをフィルムシート面上に塗布す
ることにより積層体を形成した。しかしながら、それら
の抗菌・防かび性、沸騰水中浸漬後の持続効果及び前後
の外観変化、さらにフィルムとしてのハンドリング性を
評価したが、抗菌・防カビ性は不十分であり、かつ沸騰
水浸漬後に白化現象を発生したり、またフィルムの製膜
時・加工時のハンドリング特性の不良、さらにはフィル
ム走行時のガイドロール等との接触による滑り性不良に
より、擦り傷等が発生するなど実用性に乏しいものであ
った。
【0010】特に、最近では浴室周りの化粧鋼板にも抗
菌・防カビ性が要求されてきており、このような用途に
おいては、熱水がかかっても表面が変質せず、抗菌・防
カビ性の効果が持続されるなどの耐久性が必要となって
いる。しかしながら、前記従来の技術では抗菌性のみな
らず、耐久性においても不十分であった。
【0011】また、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート及びポリエステル等の各種フィルム
は、特に2軸延伸フィルムとした場合、耐熱性、透明性
などに優れ、包装用、磁気テープ用、コンデンサー用、
写真製版用、建材・家電用等の各種用途に展開されてい
る。これらのフィルム用として用いられる場合、その滑
り性及び耐摩耗性はフィルムの製造工程及び各用途にお
ける加工工程の作業性の良否、更にはその製品品質の良
否を左右する大きな要因になっている。一方で、フィル
ム表面が平滑で、透明性が良好であること、またはコス
ト低減の観点からは薄手であることも強く要求されてい
る。しかし、単に表面を平滑化し、かつ透明化、薄手化
したのではフィルム製造時及び加工時のハンドリング特
性の不良、及びフィルム走行時のガイドロール等との接
触による滑り性不良により、擦り傷や削れ等が発生し耐
摩耗性が不良となる。また、抗菌活性成分を付与するた
めに、特に有機低分子系抗菌剤を添加した場合には、脆
さが増し、フィルム走行時の耐摩耗性が低下する。フィ
ルムの滑り性を改良するために、無機粒子を添加し、表
面粗さRaを限定した公知技術(特開平3−74437
号公報)などが知られている。しかしながら、前記公知
技術では、フィルムの送り速度が低速の場合には良好な
ハンドリング特性が得られるものの、生産性を上げるた
めにフィルムの送り速度を高速にしていくと、ハンドリ
ング特性が急激に悪化するという問題があった。また、
フィルムの厚みが薄くなると、ハンドリング特性が悪化
する傾向があり、前記の無機粒子を添加し、表面粗さR
aと静摩擦係数の範囲を規定したフィルムにおいても同
様の傾向があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決するものであり、その目的は実用性を満
たす十分高い抗菌性、中でもカビに対する高い防カビ性
を備え、更に実用に耐える十分な耐久性、特に沸騰水中
に浸漬した後も防カビ性の持続効果を発現しかつ外観変
化も起こさない優れた特性を有し、かつ透明性、耐熱性
及びフィルム表面の平滑性に優れ、フィルムの厚みに関
係なくハンドリング特性が良好で、更にフィルム表面の
耐摩耗性の良好な抗菌性フィルムを提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の課題
は、下記手段により達成できる。
【0014】A. 抗菌性組成物を少なくとも表層の片
面に含有するフィルムであって、前記フィルムの沸騰水
中100時間浸漬前後におけるヘイズ値の変化がフィル
ム厚み10μm当たり1.0%以下で、かつJIS Z
2911 6.2.2に準じた評価法によるカビ抵抗性
表示が沸騰水中100時間浸漬前後でいずれも2以上で
あり、フィルムの少なくとも片面の抗菌性表面層におけ
る三次元表面粗さSRaが0.01〜0.05μmであ
り、さらに単位面積当りの突起数PCC値が1200個
/mm2以上であり、かつ空気抜け速さが500秒以下
であることを特徴とする抗菌性フィルム。
【0015】B. A記載の抗菌性組成物が、有機系抗
菌剤の残基を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質である
ことを特徴とする抗菌性フィルム。
【0016】C. B記載の有機系抗菌剤の残基が、ア
ンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、またはスルホニウ
ム塩基の少なくとも1種であることを特徴とする抗菌性
フィルム。
【0017】D. 前記高分子物質が主としてポリエス
テル系組成物よりなる、BまたはC記載の抗菌性フィル
ム。
【0018】E. 前記フィルムが2軸延伸フィルムで
あることを特徴とする、A乃至D記載の抗菌性フィル
ム。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の抗菌性フィルムを
説明する。本発明の抗菌性フィルムは抗菌性組成物を含
有する。ここで抗菌性組成物とは、細菌及び/又はカビ
類を死滅あるいはその増殖を抑制するすることの可能な
組成物をさす。
【0020】本発明で使用する抗菌性組成物は、有機系
抗菌剤の残基を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質が好
ましい。有機系抗菌剤の中には、比較的高い抗菌・防カ
ビ性を有するものもあるが、一般に溶出しやすく、抗菌
・防カビ性の効果が持続しない。特に、熱水中・沸騰水
中ではその傾向はより顕著となる。そこで高分子物質の
主鎖又は側鎖に有機系抗菌剤の残基を結合させることに
より、溶出を防止することができ、その結果、抗菌・防
カビ性の効果を持続させることができるのである。
【0021】有機系抗菌剤とは、抗菌性を有する天然抽
出物、低分子有機化合物及び重合体の総称であり、一般
的には窒素、硫黄、リンなどの元素を含む化合物をい
う。例えば、天然抽出物としては、キチン、キトサン、
ワサビ抽出物、カラシ抽出物、ヒノキチオール、茶抽出
物等が、低分子化合物としては、イソチオシアン酸アリ
ル、ポリオキシアルキレントリアルキルアンモニウム、
塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム塩、有
機シリコン第4級アンモニウム塩、トリーnーブチルヘ
キサデシルデシルホスホニウムクロリド、トリーnーブ
チルテトラデシルデシルホスホニウムクロリド、トリー
nーブチルテトラドデシルデシルホスホニウムクロリド
等の第4級ホスホニウム塩、フェニルアミド系、ビグア
ニド系、スルホイソフタル酸テトラアルキルホスホニウ
ム塩またはそのジエステルなどが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0022】これらの有機系抗菌剤のうちでは、高分子
物質への結合のしやすさからは、アンモニウム塩基、ホ
スホニウム塩基、スルホニウム塩基等のオニウム塩、フ
ェニルアミド基、ビグアニド基等の抗菌活性基を主鎖又
は側鎖に結合させた高分子物質が好ましく、特に、高い
抗菌性と幅広い抗菌スペクトルを有するホスホニウム塩
系高分子化合物が特に好ましい。
【0023】好ましくは、酸性基及び該酸性基とイオン
結合しているホスホニウム塩基を含む高分子物質であ
り、さらに好ましくは、ジカルボン酸成分及びグリコー
ル成分を主成分とし、下記一般式で表されるスルホン酸
基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩基を全酸成
分に対し1〜50モル%共重合したポリエステル樹脂で
ある。
【0024】
【化1】
【0025】式中、Aは芳香族基、X1、X2はエステル
形成性官能基、R1、R2、R3、R4はアルキル基でその
うちの少なくとも1個は炭素数10以上20以下のアル
キル基である。
【0026】このほか、高分子物質の1つとして、次の
一般式で示されるホスホニウム塩系ビニル重合体が挙げ
られる。
【0027】
【化2】 式中、Bは芳香族基、R5、R6、R7は水素原子、炭素
原子数1〜18個の直鎖又は分岐のアルキル基、アリー
ル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基で置換された
アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、X-
はアニオン、nは2以上の整数を示す。
【0028】前記R5、R6、R7の具体例としては、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ドデシルなどの炭素数1〜1
8のアルキル基、フェニル、トリル、キシリルなどのア
リール基、ベンジル、フェニチルなどのアラルキル基、
置換基としてヒドロキシル基、アルコキシ基などを有す
るアルキル基、アリール基などが特に好ましい。R5
6、R7は同一の基であっても良く、または異なった基
であってもよい。X-はアニオンであり、たとえばフッ
素イオン、塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオン
などのハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、過
塩素酸イオンなどが挙げられる。なかでも、ハロゲンイ
オンが好ましい。nは2〜500が好ましく、10〜3
00が特に好ましい。
【0029】前記ポリエステル樹脂に使用するジカルボ
ン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等
が挙げられる。また、必要に応じて、脂環族ジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸、複素環式ジカルボン酸などを
併用してもよい。脂環族ジカルボン酸としては1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸な
どが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ
カルボン酸、アゼライン酸、エイコ酸、ダイマー酸及び
その誘導体などが挙げられる。複素環式ジカルボン酸と
しては、ピリジンカルボン酸及びその誘導体が挙げられ
る。また、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多価
のカルボン酸を、必要に応じて、併用してもよい。
【0030】これらのうち、フィルムにした場合の耐沸
騰水性より、テレフタル酸または2,6−ナフタレンジ
カルボン酸を70モル%以上含むことが特に好ましい。
その他のジカルボン酸としては、1,4−ジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましい。
【0031】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル
1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペン
タンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジ
オール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オールなどのアルキレングリコール、1,2−シクロヘ
キサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェ
ノールAまたはFのアルキレンオキサイド付加物、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒドロキ
シピバリン酸のネオペンチルグリコール(HPN)、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等が挙げられる。この他少量のアミド結合、ウレタン
結合、エーテル結合、カーボネート結合を含有する化合
物を含んでいてもよい。
【0032】これらのうち、フィルムにした場合の耐沸
騰水性より、好ましい主構成成分はエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、2−メチル1,3−プロ
パンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、エチ
レングリコールを70モル%以上含むことが特に好まし
い。
【0033】また、必要に応じて、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトールなどの多価ポリオールを併用しても良い。
【0034】スルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホ
スホニウム塩としては、スルホイソフタル酸トリ−n−
ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、スルホイソフタ
ル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、ス
ルホイソフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホ
ニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルオクタ
デシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−
ブチルデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ
−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、スルホテレフタ
ル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、ス
ルホテレフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホ
ニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルオクタ
デシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7
−ジカルボン酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム
塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、4−スルホ
ナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルヘ
キサデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−
2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルテトラデシルホ
スホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカル
ボン酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩等が挙
げられる。抗菌活性の点からは、スルホイソフタル酸ト
リ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイ
ソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホス
ホニウム塩が特に好ましい。
【0035】上記芳香族ジカルボン酸ホスホニウム塩
は、スルホ芳香族ジカルボン酸またはそのナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩などにトリ−n−ブチ
ルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブ
チルテトラデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−
ブチルドデシルホスホニウムブロマイドなどのホスホニ
ウム塩を反応させることにより得られる。このときの反
応溶媒は水が最も好ましいが特に限定されない。
【0036】該共重合ポリエステルには、着色度及びゲ
ル発生度などの耐熱性改善の目的で、酸化アンチモン、
酸化ゲルモニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、
酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸
カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガ
ン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等の
Zn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を、生
成ポリエステルに対し各々金属イオンとして300pp
m以下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン
酸トリエチルエステル等のリン酸エステル誘導体を燐
(P)換算で200ppm以下添加することも可能であ
る。
【0037】上記重合触媒以外の金属イオンの総量が生
成ポリエステルに対し300ppm、またP量が200
ppmを越えるとポリマーの着色が顕著になるのみなら
ず、ポリマーの耐熱性及び耐加水分解性も著しく低下す
る。
【0038】このとき、耐熱性、耐加水分解性等の点
で、総P量(P)と総金属イオン量(M)とのモル原子
比(P/M)は、0.4〜1.0であることが好まし
い。モル原子比(P/M)が0.4未満または1.0を
越える場合には、本発明の組成物の着色、粗大粒子の発
生が顕著となり、好ましくない。
【0039】該ポリエステルの製造法は特に限定しない
が、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接反応させ得
られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、
ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコールとをエ
ステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆるエス
テル交換法などが挙げられ、任意の製造法を適用するこ
とができる。
【0040】上記金属イオン及びリン酸及びその誘導体
の添加時期は特に限定しないが、一般的には金属イオン
類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエス
テル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するのが好
ましい。
【0041】フィルムを構成する組成物としては、前述
の抗菌性組成物単独でフィルムを構成することもでき、
あるいは他の抗菌性組成物以外の組成物と混合して使用
することもできる。さらには、抗菌性組成物は必ずしも
単一である必要はなく、2種類以上を用いても良く、ま
た、フィルムを構成する他の組成物も2種類以上を混合
して使用しても良い。抗菌性組成物とフィルムを構成す
る他の組成物を混合する場合は、両者の相溶性が悪いと
フィルムの透明性を低下させ、外観を損なう場合がある
ので相溶性の良い組成物の組み合わせを選択する必要が
ある。
【0042】本発明の抗菌性フィルムを構成する、抗菌
性組成物以外の他の組成物としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどが適用
される。これらの中で、耐沸騰水性より、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が好ましい。
【0043】本発明では、沸騰水中100時間浸漬前後
のフィルムのヘイズ値の変化がフィルム厚み10μm当
たり1.0%以下で、かつJIS Z2911 6.
2.2に準じた評価法によるカビ抵抗性表示が2以上
で、かつフィルムを沸騰水中に100時間浸漬した後の
該カビ抵抗性表示が2以上であることが必要である。沸
騰水中100時間浸漬前後のフィルムのヘイズ値の変化
がフィルム厚み10μm当たり1.0%を越えると、例
えば、浴室の壁材など高温・高湿下で使用する際に、外
観性が低下する。また、フィルムを沸騰水中に100時
間浸漬した後の該カビ抵抗性表示が2以上でないと同様
な環境下で使用する際に、カビが発生する。これらは、
前述のフィルムを構成する組成物を選択することにより
達成することができる。
【0044】本発明は上記の内容に加えて、フィルムの
少なくとも片面の抗菌性表面層における三次元表面粗さ
(SRa)が0.01μm〜0.05μmであり、さら
に単位面積当たりの突起数(PCC値)が1200個/
mm2以上であり、かつ空気抜け速さが500秒以下で
あることを特徴とする抗菌性フィルムである。前記特性
を有する本発明の抗菌性フィルムは、表面平滑性に優
れ、フィルムの厚みに関係なくハンドリング特性に優
れ、さらにフィルム表面の耐摩耗性が良好である。
【0045】本発明の抗菌性フィルムを製膜する方法と
しては、以下の方法が挙げられるがこれらに限定されな
い。
【0046】抗菌性組成物を単独あるいは他の組成物と
混合し、溶融押し出し機でシート状に押し出すことによ
り未延伸フィルムを製膜する方法、あるいは前記未延伸
フィルムを1軸延伸または2軸延伸することにより、1
軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルムを製膜する方法
等が挙げられるが、フィルムの機械的強度や寸法安定性
などの面から、2軸延伸する製膜方法が好ましい。
【0047】フィルムは単層でもよいし、2層以上に積
層されていてもよいが、本発明で必要な抗菌性能を発現
するために、少なくともフィルムの表層の片面に、抗菌
性組成物を含有している必要がある。前記積層方法とし
ては、溶融押し出し機で共押し出しして積層する方法、
溶融押し出し機で直接または接着剤層を介して、他の基
材フィルム上に溶融押し出しして積層する方法等が挙げ
られる。なかでも、共押し出し法によって少なくとも片
面の最表面層を抗菌剤層とした積層2軸延伸フィルムが
好ましい。さらに、最表層の抗菌剤層の厚みを1〜5μ
mとすることにより、高い抗菌活性を維持しながらフィ
ルム全体に対する抗菌剤の量を少なくすることができ、
かつフィルムの強度や熱収縮率にも優れた積層2軸延伸
フィルムを得ることができるので、より好ましい。ま
た、抗菌性組成物を水、水/アルコール混合溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの溶
媒中に混合溶解または分散化した塗布液をフィルム表面
の少なくとも片面に塗布し、該溶媒を乾燥させる、いわ
ゆるコーティング法も採用できる。
【0048】フィルムの延伸は、公知の方法を採用する
ことができる。例えば、1軸延伸法の場合、縦あるいは
横に1軸延伸する方法が挙げられる。また、2軸延伸法
の場合、縦・横あるいは横・縦の順に2軸延伸する逐次
2軸延伸法や同時2軸延伸法が挙げられる。また、横・
縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法な
どの多段延伸方法を採用することもでき、要求される強
度や寸法安定性などの諸特性に応じて選択される。ま
た、寸法安定性を改良するために、熱固定処理、縦弛緩
処理、横弛緩処理を行うことも有効である。
【0049】そして、前記の三次元表面粗さ(SR
a)、単位面積当りの突起数(PCC値)、及び空気抜
け速さは、フィルムの製膜条件及びフィルム中に含有さ
せる滑剤粒子により調整することができる。滑剤粒子の
種類、平均粒径及び添加量は、三次元表面粗さ(SR
a)、単位面積当りの突起数(PCC値)、及び空気抜
け速さが、所定の範囲内に入るならば特に限定されるも
のではない。
【0050】無機粒子としては、シリカ、二酸化チタ
ン、タルク、カオリナイト、酸化ジルコニウム、酸化
鉄、アルミナ、アルミナ/シリカ複合酸化物、ホウ酸ア
ルミニウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、フッ化カ
ルシウムなどの金属塩が例示される。
【0051】また、有機粒子としては、ポリスチレン、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、
ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン
・ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン・メラミ
ン・ホルムアルデヒド縮合物、それらの共重合体、ある
いはそれらの架橋体などのフィルム組成物に対して不活
性な粒子が例示される。
【0052】前記滑剤粒子は、いずれか1種類を単独で
用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、本
発明において、耐摩耗性を改良するために、樹脂との密
着性や濡れ性、分散性を改善することができるシラン系
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ
ニウム系カップリング剤などを用いて粒子表面を改質す
ることもできる。
【0053】滑剤粒子の平均粒子径は、0.01〜2.
0μmが好ましく、特に好ましくは0.05〜1.5μ
mである。また、粒子径のばらつき度(粒子径の標準偏
差と平均粒子径との比率)は25%以下であることがハ
ンドリング性の点から好ましい。滑剤粒子の添加量は、
フィルム組成物100重量%に対して0.005〜2.
0重量%含有することが好ましく、特に好ましくは0.
1〜1.0重量%である。また、滑剤粒子の形状は、下
式(1)で求められる面積形状係数が60%以上のもの
が1種類以上含まれていることが、ハンドリング性の点
から好ましい。上記のように粒径が均一に近く、しかも
球形に近い不活性粒子としては、球状単分散シリカ粒
子、球状単分散ポリスチレン粒子、球状単分散ポリメタ
クリル酸メチル粒子、球状単分散シリコン樹脂粒子、球
状及び立方体状の炭酸カルシウム粒子などが挙げられ
る。
【0054】 面積形状係数(%)=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の面積) ×100・・・(1)
【0055】本発明で使用するフィルム組成物には、必
要に応じて、公知の酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、
紫外線吸収剤、光安定剤などを適量配合することができ
る。配合量は、フィルム組成物100重量%に対して、
10重量%以下が望ましい。前記配合量が10重量%を
越えると、フィルムを延伸した際に破断がおこりやすく
なり、生産安定性が不良となる。
【0056】本発明において、「三次元表面粗さSR
a」とは、表面粗さ曲線をサインカーブで近似した際の
中心面における平均粗さを意味する。ここで、中心面と
はサインカーブにおける凸状側のトータル面積と凹状側
のトータル面積が同じになる面である。
【0057】具体的には、触針式三次元表面粗さ計[小
坂研究所製、SE−3AK]により一定ピッチで離間し
た所定数の測定箇所(点)の高さを測定し、これらの測
定値を三次元表面粗さ解析装置[小阪研究所製、SPA
−11]に取り込んで自動解析して得られる値である。
【0058】上記自動解析では以下の手順で行われる。
フィルム面の各測定箇所の測定値(高さ)により、表面
粗さ曲線がサインカーブに近似させて求められる(図
1)。Lは測定面における測定長(mm)である。
【0059】ZC−device0.02μmを入力
し、5点で0.1μmとなるようにスライス巾が0.0
125または0.025μmに設定される。フィルム長
手方向の測定点をi(基準長1mmにわたって2μm間
隔でデータを取り込み)、フィルム横手方向の測定点を
j(2μm間隔で連続的に150回)とした時、高さ方
向のデータはh(i,j)〔i=1〜500、j=1〜
150〕で示される。三次元表面粗さSRaは下記式で
定義され、μm単位で表わされる。
【0060】
【数1】
【0061】
【数2】
【0062】本発明の抗菌性フィルムにおいて、少なく
とも片面の抗菌性表面層における三次元表面粗さ(SR
a)は、0.01〜0.05μmの範囲内にあることが
必要である。SRaが0.01μm未満では、ハンドリ
ング特性及び走行特性が不良になり好ましくない。一
方、SRaが0.05μmを越えると、外観が不均一と
なりやすく好ましくない。また、例えば、磁気テープ用
途では電磁変換特性が不良になり、フィルムコンデンサ
ー用途では耐電圧特性が低下する。SRaは0.012
〜0.040の範囲が好ましく、0.015〜0.03
5が特に好ましい。
【0063】また、「単位面積当りの突起数PCC値」
は上記三次元表面粗さSRaの算出時における基準高さ
を有する基準面(中心面)から0.00625μm以上
の高さを有する突起の個数を1mm2当りで表わしたも
の(個数/mm2)である。
【0064】PCC値が1200個/mm2未満では走
行特性が不良となる。PCC値の上限は特に規定されな
いが、SRaが0.05μm以下の場合、10000個
/mm2以上とすることは困難である。PCC値は12
00〜7000個/mm2の範囲が好ましく、特に好ま
しくは1250〜6000個/mm2の範囲である。
【0065】さらに、本発明でいう「空気抜け速さ」と
は、フィルムをロール状に巻き上げる際に、フィルム/
フィルム間に巻き込まれる空気の随伴流がどれだけ逃げ
やすいかを示す尺度である。空気抜け速さが小さいとい
うことは、フィルムをロール状に巻き上げる際にフィル
ム/フィルム間に巻き込まれる空気が少ないということ
を意味し、巻き上げロール内に残る空気によるシワの発
生やロール端面不揃いが少なくなる。また、空気抜け速
さは、フィルムのスティッフネス(E*t3;ここでE
はヤング率、tはフィルム厚みを示す)と負の相関があ
り、同じ表面粗さを有するフィルムであっても、フィル
ム厚みが薄くなると、空気抜け指数が高くなり巻き性が
悪化することが実験的に知られている。本発明の抗菌性
フィルムにおいて、フィルムの厚みや強度と無関係にハ
ンドリング特性が良好な抗菌性フィルムを得るために
は、フィルムの空気抜け速さを500秒以下にすること
が必要である。好ましくは、450秒以下であり、特に
好ましくは400秒以下である。
【0066】すなわち、空気抜け速さを500秒以下、
好ましくは450秒以下、特に好ましくは400秒以下
にすることにより、高速作業時において、フィルムの厚
みや強度と無関係にハンドリング特性が良好な抗菌性フ
ィルムが得られる。反対に、空気抜け速さが500秒を
越えた場合、高速作業時のハンドリング特性が不良とな
り、例えばフィルムを高速でロール状に巻き取る場合
に、フィルムと巻き取りロールの間に空気が取り込まれ
てしわが生じやすく巻き姿が不良なったり、フィルムが
巻き込む空気層の潤滑効果によってフィルムが幅方向に
蛇行してロール端面の不揃いが生じたりする。
【0067】前記特性を有する本発明の抗菌性フィルム
は、表面平滑性に優れ、フィルムの厚みに関係なくハン
ドリング特性に優れ、さらにフィルム表面の耐摩耗性が
良好である。また、前記の三次元表面粗さSRa、単位
面積当りの突起数PCC値、及び空気抜け速さは、フィ
ルムの製膜条件及びフィルム中に含有させる滑剤粒子
(種類、形状、平均粒径、粒度分布及び添加量)を適正
化することにより達成することができる。
【0068】
【実施例】次に、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、以下の実施例に限定されるもので
はない。また、実施例及び比較例で得られた抗菌性フィ
ルムの物性の測定方法を下記に示す。
【0069】1.防カビ性試験 JIS Z2911 6.2.2に準じた方法で、無機
塩寒天培地平板上に5cm×5cmの大きさの試料フィ
ルムを貼付し、下記のカビ5菌株の胞子懸濁液にシュク
ロース5%添加した混合液0.2mlを噴霧し、27±
1℃で28日間培養後のカビの生育状況を評価した。 (試験菌株) AspergillusnigerATCC6275 PenicilliumcitrinumATCC98
49 ChaetomiumglobosumATCC620
5 RhizopusstoloniferATCC104
04 AureobasidiumpullulansIFO
6353 (カビ抵抗性表示) (1)カビの生育が試料面積の1/3以上 (2)カビの生育が試料面積の1/3未満 (3)カビの生育を認めない
【0070】2.耐沸騰水性試験 大きさ10cm×10cmの試料フィルムを97℃±1
℃にコントロールした蒸留水1L中に100時間浸漬後
取り出し、各種特性を評価した。
【0071】3.フィルムヘイズ JIS K6714に準じて、日本精密光学株式会社製
ボイック積分式HTRメータSEP−H2D形によりト
ータルヘイズを求めた。
【0072】4.三次元中心面平均表面粗さ(SRa) 触針式三次元表面粗さ計(SE−3AK、(株)小坂研
究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重30mgの
条件下に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25
mmで、測定長1mmにわたって測定し、2μmピッチ
で500点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置
(SPA−11)に取り込ませた。これと同様の操作を
フィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150
回、すなわちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行
い、解析装置にデータを取り込ませた。次いで、解析装
置を用いてSRaを求めた。
【0073】5.PCC値 前記SRaの算出時における基準高さを有する基準面か
ら0.00625μm以上の高さをもつ突起数を1mm
2当たりについて表した。
【0074】6.空気抜け速度 図1に示す測定装置を用意する。すなわち、台盤1上面
に円形の孔1aを設け、この孔1a内に直径70mmの
ガラス平板2を固定してガラス平板2の外周と孔壁1b
との間に溝を形成し、更に上記の孔1bを囲むリング状
の溝孔1cをあけ、この溝孔1cを上記ガラス平板2の
外周の溝と通過させ、溝孔1cにパイプ3を介して真空
ポンプ4の吸引口を接続する。そして台盤1の上面に、
ガラス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を重ね、そ
の外周を粘着テープ6で台盤1上に密封状に固定し、真
空ポンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に干渉縞が
出現してからガラス平板2の全面に干渉縞が広がり、そ
の動きが止まるまでの時間(秒)を測定し、この時間
(秒)をもって空気抜け速度とした。
【0075】7.フィルムのハンドリング特性 広幅のスリットロールを高速でスリットし、小幅のロー
ルに巻き直すに際しロール端部の巻きずれ、しわ等を生
じないで問題のないスリットロールが得られるかどうか
を4段階評価し、次のランク付けで評価した。 1級;問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難 2級;低速(150m/分)で問題のないスリットロー
ルが得られる 3級;中速(200m/分)で問題のないスリットロー
ルが得られる 4級;高速(250m/分)で問題のないスリットロー
ルが得られる
【0076】8.フィルムの耐摩耗性 23℃、65RH%の雰囲気下で、1/2インチ幅にス
リットしたテープ状フィルムロールを金属製固定ガイド
ピン(Rt:0.15μm、Ra:0.08μm)に1
35°の角度で接触させ、張力50gを与えながら、2
00cm/分での速さで90m走行させる。走行後のフ
ィルムの固定ピンとの接触面をアルミニウムで蒸着した
後、試料面の斜め上方向から光をあてながら、フィルム
面の擦り傷を5段階に評価し、次のランク付けで表す。
【0077】 1級;擦り傷非常に多い 2級;擦り傷多い 3級;擦り傷ややあり 4級;擦り傷ほとんどなし 5級;擦り傷発生なし
【0078】9.平均粒子径 滑剤粒子を(株)日立製作所製S−510型走査型電子
顕微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、
滑剤粒子の輪郭をトレースし、任意に200個の粒子を
黒く塗りつぶした。この像を画像解析装置(ニレコ
(株)製ルーゼックスIID)を用いて、各粒子の水平方
向のフェレ径を測定し、その平均値を平均粒子径とし
た。また、粒子径のばらつき度は下記式(2)により算
出した。 ばらつき度(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100・・・(2)
【0079】10.面積形状係数 平均粒子径の測定に用いたトレース像から任意に20個
の粒子を選び、前記の画像解析装置を用いて、それぞれ
の粒子の投影断面積を測定した。また、それらの粒子に
外接する円の面積を算出し、下記式(3)により算出し
た。 面積形状係数(%)=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の面積) ×100・・・(3)
【0080】(ポリエステル樹脂の製造例1)撹拌機、
温度計及び部分環流式冷却器を備えたステンレススチー
ル製オートクレーブにジメチルテレフタレート276.
5部、5−スルホジメチルイソフタル酸トリ−n−ブチ
ルドデシルホスホニウム塩48.4部、エチレングリコ
ール204.6部、及びテトラ−n−ブチルチタネート
0.25部を仕込み、160〜220℃まで4時間かけ
て生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交
換反応を行った。エステル交換終了後、250℃で、反
応系を徐々に減圧したのち、0.2mmHgの減圧下で
1時間30分反応させ、ポリエステル(A−1)を得
た。また、同様の方法により、各種のポリエステル(A
−2、A−3、A−4)を製造した。これらのポリエス
テルの組成を表1に示す。
【0081】(実施例1)滑剤粒子として、平均粒径
0.4μm、ばらつき度23%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−1)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリエステルチップと、滑剤の添
加されていないポリエステルチップ(A−1)を重量比
で1対9の割合で混合した。混合ポリエステルチップを
乾燥後、押し出し機にて290℃で溶融してTダイより
押し出し、40℃の冷却ロール上で静電印加法により密
着・冷却固化し、厚さ100μmの未延伸シートを得
た。該未延伸シートをロールにより85℃に予熱し、表
面温度750℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用して、
表面温度127℃で縦方向に3.6倍延伸し、次いで表
面温度140℃のセラミックロールと表面温度40℃の
金属ロールの間で10%縦弛緩処理を行い、テンターで
フィルムを90℃に予熱し、横方向に3.7倍延伸し2
20℃で10秒熱固定した。その後、200℃で3%横
弛緩処理し、更に表面温度190℃のセラミックロール
と表面温度40℃の金属ロールとの間で2%縦弛緩処理
した。得られたフィルムの厚みは9μmであった。この
フィルムの特性を、前述の方法により測定した。その結
果を表2に示す。
【0082】(実施例2)ポリエステル(A−1)の代
わりにポリエステル(A−2)を用いたこと以外は、実
施例1と同様にしてフィルムを製膜した。得られたフィ
ルムの厚みは9μmであった。このフィルムの特性を、
前述の方法により測定した。その結果を表2に示す。
【0083】(実施例3)実施例1記載の混合ポリエス
テルチップ(a)と滑剤粒子及び抗菌性組成物を含有し
ていないポリエチレンテレフタレートA−4(b)とを
別々に乾燥後、別々の押し出し機にて290℃で溶融
し、厚み比率がa/b/a=20/60/20となるよ
うTダイより共押し出しした以外は実施例1と同様の方
法でフィルムを製造し、抗菌性組成物層の厚みが1.8
μmで、フィルム全体の厚みは9μmである積層フィル
ムを得た。このフィルムの特性を、前述の方法により測
定した。本実施例3の積層フィルムは実施例1の単層フ
ィルムと比べ、抗菌性組成物層の厚みが9μmから1.
8μmと薄くなっているが、得られた結果は実施例1と
同一であった。
【0084】(比較例1)滑剤粒子として、平均粒径
0.4μm、ばらつき度23%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−3)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリエステルチップと、滑剤の添
加されていないポリエステルチップ(A−3)を重量比
で1対9の割合で混合した。混合ポリエステルチップを
乾燥後、押し出し機にて270℃で溶融してTダイより
押し出し、40℃の冷却ロール上で静電印加法により密
着・冷却固化し、厚さ100μmの未延伸シートを得
た。該未延伸シートをロールにより65℃に予熱し、表
面温度750℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用して、
表面温度107℃で縦方向に3.6倍延伸し、次いで表
面温度120℃のセラミックロールと表面温度40℃の
金属ロールの間で10%縦弛緩処理を行い、テンターで
フィルムを80℃に予熱し、横方向に3.7倍延伸し1
90℃で10秒熱固定した。その後、180℃で3%横
弛緩処理し、更に表面温度170℃のセラミックロール
と表面温度40℃の金属ロールとの間で2%縦弛緩処理
した。得られたフィルムの厚みは9μmであった。この
フィルムの特性を、前述の方法により測定した。その結
果を表2に示す。
【0085】(比較例2)滑剤粒子として、平均粒径
0.4μm、ばらつき度23%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−1)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリエステルチップと、滑剤の添
加されていないポリエステルチップ(A−1)を重量比
で1対9の割合で混合した後で乾燥し、押し出し機にて
290℃で溶融して実施例1とは吐出量を変えてTダイ
より押し出し、40℃の冷却ロール上で静電印可法によ
り密着・冷却固化し、厚さ90μmの未延伸シートを得
た。該未延伸シートをロールにより105℃に加熱し、
縦方向に3.1倍延伸後、テンターでフィルムを90℃
に予熱し、横方向に3.7倍延伸し230℃で10秒熱
固定した。得られたフィルムの厚みは8μmであった。
このフィルムの特性を、前述の方法により測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0086】(比較例3)滑剤粒子として、平均粒径
0.4μm、ばらつき度23%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−4)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリエステルチップと、銀系抗菌
剤ノバロン(東亜合成(株)製)をポリエステル(A−
4)100重量%に対して1.8重量%添加したポリエ
ステルチップを重量比で1対9の割合で混合した。混合
ポリエステルチップを乾燥後、押し出し機にて290℃
で溶融してTダイより共押し出しし、40℃の冷却ロー
ル上で静電印加法により密着・冷却固化し、厚さ100
μmの未延伸シートを得た。該未延伸シートをロールに
より85℃に予熱し、表面温度750℃の赤外線加熱ヒ
ーターを4本使用して、表面温度127℃で縦方向に
3.6倍延伸し、次いで表面温度140℃のセラミック
ロールと表面温度40℃の金属ロールの間で10%縦弛
緩処理を行い、テンターでフィルムを90℃に予熱し、
横方向に3.7倍延伸し220℃で10秒熱固定した。
その後、200℃で3%横弛緩処理し、更に表面温度1
90℃のセラミックロールと表面温度40℃の金属ロー
ルとの間で2%縦弛緩処理した。得られたフィルムの厚
みは9μmであった。このフィルムの特性を、前述の方
法により測定した。その結果を表2に示す。但し、耐沸
騰水試験前の段階で既に防カビ性が不良であったため、
他の評価は実施しなかった。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明の抗菌性フィルムは、実用性を満
たす十分高い抗菌性、中でもカビに対する高い防カビ性
を備え、実用上の使用に耐えうる優れた耐久性を併せ持
っており、特に沸騰水中に浸漬した後も防カビ性の持続
効果を発現しつつ外観変化も起こさない優れた特性を有
し、かつ透明性、耐熱性及びフィルム表面の平滑性に優
れ、フィルムの厚みに関係なくハンドリング特性が良好
で、更にフィルム表面の耐摩耗性が良好であることか
ら、フィルム単体あるいは他のフィルム・シートや成形
品との積層体、金属板との積層体、塩化ビニル鋼板との
積層体等の形態で、磁気テープ用、食品・医療用品等の
包装用、壁・壁紙・床・天井、病院や医療設備・公共施
設・一般家屋等の窓枠やドアノブ、手すり等の建材用、
例えば電子レンジ・炊飯器等の調理用機器、冷蔵庫・洗
濯機・電話機・掃除機等の家電製品用、缶詰・飲料缶・
ペール缶・ドラム缶等の金属容器、システムキッチン・
流し台等の水廻り用品、机・棚・テーブル等の家具類、
医療用機器全般、文具類、電車・自動車・船舶・航空機
等の用途で化粧板、内・外装板、構造体、付属品、部品
等の構成材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元表面粗さ解析装置により、サインカーブ
に近似して求められたフィルムの表面粗さ曲線と三次元
表面粗さSRaを示す図である。
【図2】空気抜け速さを測定するための装置の説明図で
ある。
【符号の説明】
SRa 三次元表面粗さ 1 台盤 2 ガラス平板 3 吸引パイプ 4 真空ポンプ 5 フィルム試料 6 粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44 AF22 AF27 BB08 BC01 BC14 BC16 4F100 AK41A AL06A BA01 JB07A JC00A JD20A JJ03A JK09 JK15A JL01 JL05 JN01A YY00A 4F210 AA24J AE10 QC06 QG01 QG18 QW12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性組成物を少なくとも表層の片面に
    含有するフィルムであって、前記フィルムの沸騰水中1
    00時間浸漬前後におけるヘイズ値の変化がフィルム厚
    み10μm当たり1.0%以下で、かつJIS Z29
    11 6.2.2に準じた評価法によるカビ抵抗性表示
    が沸騰水中100時間浸漬前後でいずれも2以上であ
    り、フィルムの少なくとも片面の抗菌性表面層における
    三次元表面粗さSRaが0.01〜0.05μmであ
    り、さらに単位面積当りの突起数PCC値が1200個
    /mm2以上であり、かつ空気抜け速さが500秒以下
    であることを特徴とする抗菌性フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の抗菌性組成物が、有機系
    抗菌剤の残基を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質であ
    ることを特徴とする抗菌性フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の有機系抗菌剤の残基が、
    アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、またはスルホニ
    ウム塩基の少なくとも1種であることを特徴とする抗菌
    性フィルム。
  4. 【請求項4】 前記高分子物質が主としてポリエステル
    系組成物よりなる、請求項2または3記載の抗菌性フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 前記フィルムが2軸延伸フィルムである
    ことを特徴とする、請求項1乃至4記載の抗菌性フィル
    ム。
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