JP2000256481A - 抗菌性フィルム - Google Patents

抗菌性フィルム

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JP2000256481A
JP2000256481A JP6239499A JP6239499A JP2000256481A JP 2000256481 A JP2000256481 A JP 2000256481A JP 6239499 A JP6239499 A JP 6239499A JP 6239499 A JP6239499 A JP 6239499A JP 2000256481 A JP2000256481 A JP 2000256481A
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film
antibacterial
less
boiling water
srz
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JP6239499A
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English (en)
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Satoshi Hayakawa
聡 早川
Hideto Ohashi
英人 大橋
Juji Konagaya
重次 小長谷
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用性を満たす十分高い抗菌性を有し、かつ
実用に耐える十分な耐久性を有するフィルムを提供する
こと。 【解決手段】 抗菌性組成物をフィルムの少なくとも片
面の少なくとも表層に含有し、沸騰水中100時間浸漬
前後の該フィルムのヘイズ値の変化が10μm当たり
1.0%以下でかつ、JIS Z 2911 6.2に
準じた評価法によるカビ抵抗性表示が2以上で、かつ該
フィルムを沸騰水中に100時間浸漬した後の該カビ抵
抗性表示が2以上であり、該フィルムの少なくとも片面
の3次元表面粗さSRzが1.2μm以下であり、SR
maxとSRzの比が1.5以下であり、S△aが0.
004以上0.04以下であり、かつ空気抜け速さが9
00秒以下であることを特徴とする抗菌性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた防カビ性と実
用的な耐久性とを有する抗菌性フィルムに関する。特に
本発明は、沸騰水中に浸漬後も外観変化を起こさず、優
れた防カビ性の持続効果を発現する抗菌性フィルムに関
する。
【0002】本発明は更に、表面の平滑性に優れ、フィ
ルムの厚みに関係なくハンドリング特性に優れ、かつフ
ィルム表面の耐摩耗性に優れた抗菌性フィルムに関す
る。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、中でもポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリス
チレン、ポリエチレンテレフタレート及びエチレンテレ
フタレートは優れた物理的、化学的特性を有し、繊維、
プラスチック、フィルム、シート、接着剤等に使用され
ている。
【0004】最近、これらに無機系または有機系の抗菌
剤を充填または塗布した抗菌性を有する製品が考案され
ており、その用途は多岐に及んでいる。
【0005】現在、主に検討または使用されている抗菌
剤としては、キチン、キトサン、ワサビ抽出物、カラシ
抽出物、ヒノキチオール、茶抽出抗菌剤等の天然品、光
酸化触媒酸化チタン粒子、酸化亜鉛超微粒子、銀含有ゼ
オライト、銀含有リン酸ジルコニウム等の無機系化合物
品及び有機アンモニウム塩系、有機ホスホニウム塩系化
合物等の合成品があげられる。
【0006】天然及び銀に代表される無機系抗菌剤は毒
性の面で安全で最近注目を浴び、以下の発明がすでに開
示されている。
【0007】特開平3−83905には銀イオン含有リ
ン酸塩系の抗菌剤が開示されている。特開平3−161
409には特定のイオン交換容量を有するゼオライト中
の一定容量を銀イオンで置換してなる抗菌剤が開示され
ている。
【0008】これらに開示された発明に従いフィルム、
シートを作成し、その黄色ブドウ球菌、大腸菌等に対す
る抗菌性を評価したが、抗菌剤の添加量を比較的控えめ
にすると抗菌活性は不十分で、抗菌活性を改善する為に
添加量を増やすと溶融押し出し時の熱による変色、ある
いは耐候性能の低下を生じる問題があった。
【0009】他方、有機合成品の抗菌剤は、カビ類等に
対して抗菌性能が天然品、無機品より優れるのが一般的
であるが、フィルム等の基体へそれらの抗菌剤を表面塗
布又は充填した場合、抗菌剤が低分子量であるためフィ
ルム等の基体から揮発、脱離、分離しやすく、抗菌性の
長期安定性の点から、また人体への安全性の点で好まし
くない。抗菌剤をフィルム等に使用する場合には、抗菌
剤が水や有機溶媒等に溶解せず、フィルム表面から遊
離、脱離、剥離、及び脱落し難いことが抗菌性能の長期
安定性及び人体への安全性の面から好ましい。
【0010】このような状況の中、最近では、フィル
ム、シート等の原料となる重合体素材に有機系の抗菌剤
をイオン結合又は共有結合で結合した固定化抗菌剤が開
示されている。
【0011】特開昭54−86584公報には、カルボ
キシル基やスルホン酸基等の酸性基とイオン結合してい
る4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有する
高分子物質を主体とした抗菌性材料が記載されている。
【0012】特開昭61−245378公報には、アミ
ジン基などの極性基や4級アンモニウム塩基を有する抗
菌剤成分を含有したポリエステル共重合体からなる繊維
が記載されている。
【0013】特開昭57−204286、63−609
03、62−114903、特開平1−93596、特
開平2−240090等の公報には、種々の含窒素化合
物と同様、細菌類に対して広い活性スペクトルを有する
ホスホニウム塩化合物が記載されている。
【0014】上記のホスホニウム塩を高分子物質に固定
化して用途の拡大を試みた発明が開示されている。
【0015】特開平4−266912には、ホスホニウ
ム塩系ビニル重合体の抗菌剤が開示されており、特開平
4−814365には、ビニルベンジルホスホニウム塩
系ビニル重合体の抗菌剤について開示されている。
【0016】さらには、特開平5−310820には、
酸性基及びこの酸性基とイオン結合したホスホニウム塩
基を有する抗菌成分を含有する高分子物質を主体とした
抗菌性材料が記載されている。その実施例中で、スルホ
イソフタル酸のホスホニウム塩を用いたポリエステルが
開示されている。
【0017】また、特開平6−41408には抗菌作用
には一切言及していないが、写真用支持体、包装用、一
般工業用、磁気テープ用等にスルホン酸ホスホニウム塩
の共重合ポリエステルとポリアルキレングリコールとか
らなる改質ポリエステル及びポリエステルフィルムが開
示されている。
【0018】上記特許の明細書に記されたホスホニウム
塩に結合したアルキル基は、前記特開平5−31082
0とは異なり、ブチル基やフェニル基、ベンジル基と比
較的炭素数の短いタイプである。
【0019】特開平4−266912、特開平4−81
4365、特開平5−310820を鋭意検討し、その
実施例に従いホスホニウム塩基含有ビニル共重合体及び
共重合ポリエステルを合成しフィルム、シート等を形成
したり、またその抗菌性重合体をフィルムシート面上に
塗布することにより積層体を形成し、その抗菌・防カビ
性とその沸騰水中浸漬後の持続効果及び前後の外観変
化、フィルムとしてのハンドリング性を評価したが、抗
菌・防カビ性は不十分でかつ沸騰水浸漬後に白化現象を
発生し、また、フィルムの製膜時・加工時のハンドリン
グ特性の不良、及びフィルム走行時のガイドロール等と
の接触による滑り性不良により、擦り傷等が発生し実用
性に乏しいものであった。
【0020】また、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート及びポリエステル等の各種フィルム
は特に2軸延伸フィルムにおいて耐熱性、透明性などに
優れ、包装用、磁気テープ用、コンデンサー用、写真製
版用、建材・家電用等の各種用途に展開されている。こ
れらのフィルム用として用いられる場合、その滑り性及
び耐摩耗性はフィルムの製造工程及び各用途における加
工工程の作業性の良否、更にはその製品品質の良否を左
右する大きな要因になっている。一方、フィルム表面が
平滑で、透明性が良好であること、またはコスト低減の
観点からは薄手であること等が強く要求されている。し
かし、単に表面を平滑化し、かつ透明化、薄手化したの
ではフィルム製造時及び加工時のハンドリング特性の不
良、及びフィルム走行時のガイドロール等との接触によ
る滑り性不良により、擦り傷や削れ等が発生し耐摩耗性
が不良となる。また、抗菌活性成分を付与するために特
に、有機低分子系抗菌剤を添加した場合においては脆さ
が増し、フィルム走行時の耐摩耗性の低下を招く。滑り
性の良好なフィルムとしては無機粒子を添加し、表面粗
さRaが限定されたもの(特開平3−74437)等が
知られている。
【0021】しかし、上記の滑り性良好なフィルムで
は、低速作業時には良好なハンドリング特性が得られる
が、作業が高速になるとハンドリング特性が急激に悪化
するという問題があった。またフィルムの厚みが薄くな
るとハンドリング特性が悪化する傾向があり上記の無機
粒子を添加し、表面粗さRaと静摩擦係数の範囲を規定
したフィルムにおいても同様の傾向を備えており、その
為に良好なハンドリング特性が得られたとしても、厚み
が変わると所望のハンドリング特性が得られなくなって
いた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決するものであり、その目的は、実用性を
満たす十分高い抗菌性を有し、かつ実用に耐える十分な
耐久性を有するフィルムを提供することである。特に、
カビに対する高い防カビ性、特に沸騰水中に浸漬した後
も防カビ性の持続効果を発現しつつ外観変化も起こさな
い優れた特性を有するフィルムを提供し、かつ透明性、
耐熱性及びフィルム表面の平滑性に優れ、フィルムの厚
みに関係なくハンドリング特性が良好で、更にフィルム
表面の耐摩耗性の良好な抗菌性フィルムを提供すること
を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の抗菌性フィルム
は、抗菌性組成物を含有し、沸騰水中100時間浸漬前
後のフィルムのヘイズ値の変化が10μm当たり1.0
%以下でかつ、JISZ 2911 6.2に準じた評
価法によるカビ抵抗性表示が2以上で、かつフィルムを
沸騰水中に100時間浸漬した後のカビ抵抗性表示が2
以上であり、フィルムの少なくとも片面の3次元表面粗
さSRzが1.2μm以下であり、SRmaxとSRz
の比が1.5以下であり、S△aが0.004以上0.
04以下であり、かつ空気抜け速さが900秒以下であ
ることを特徴とする。このフィルムは、十分高い抗菌
性、中でもカビに対する高い防カビ性を備え、更に実用
に耐える十分な耐久性、特に沸騰水中に浸漬した後も防
カビ性の持続効果を発現しつつ外観変化も起こさない優
れた特性を有し、かつ透明性、耐熱性及びフィルム表面
の平滑性に優れ、フィルムの厚みに関係なくハンドリン
グ特性が良好で、更にフィルム表面の耐摩耗性が良好で
ある。
【0024】本発明に使用される抗菌性組成物が含まれ
るのは、フィルムの表層であっても内部であってもよ
い。
【0025】本発明の好適な実施態様は、有機系抗菌剤
の残基を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質を含有する
抗菌性フィルムである。
【0026】より好適な実施態様は、有機系抗菌剤成分
の残基が、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基又は、
スルホニウム塩基の少なくとも1種である抗菌性フィル
ムである。
【0027】さらに好適な実施態様は、高分子物質が主
としてポリエステルを含む抗菌性フィルムである。
【0028】特に好適な実施態様において、抗菌性フィ
ルムは2軸延伸フィルムである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の抗菌性フィルムを
説明する。
【0030】本発明の抗菌性フィルムは抗菌性組成物を
含有する。ここで抗菌性組成物とは、細菌及び/又はカ
ビ類を死滅あるいはその増殖を抑制することの可能な組
成物をさす。
【0031】本発明に使用される抗菌性組成物は、有機
系抗菌剤の残基を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質が
好ましい。
【0032】有機系抗菌剤の中には、比較的高い抗菌・
防カビ性を有するものもあるが、一般に溶出しやすく、
抗菌・防カビ性の効果が持続しない。特に、熱水中・沸
騰水中ではその傾向はより顕著となる。そこで高分子物
質の主鎖又は側鎖に有機系抗菌剤の残基を結合させるこ
とにより、溶出を防止することができ、したがって、抗
菌・防カビ性の効果を持続させることができるのであ
る。
【0033】有機系抗菌剤とは、抗菌性を有する天然抽
出物、低分子有機化合物及び重合体の総称であり、一般
的には窒素、硫黄、リンなどの元素を含む化合物をい
う。例えば天然抽出物としては、キチン、キトサン、ワ
サビ抽出物、カラシ抽出物、ヒノキチオール、茶抽出物
等が挙げられ、低分子化合物としては、イソチオシアン
酸アリル、ポリオキシアルキレントリアルキルアンモニ
ウム、塩化ベンザルコニウム、ヘキサメチレンビグアニ
ド塩酸塩などの第4級アンモニウム塩、有機シリコン第
4級アンモニウム塩、トリ−n−ブチルヘキサデシルデ
シルホスホニウムクロリド、トリ−n−ブチルテトラデ
シルデシルホスホニウムクロリド、トリ−n−ブチルテ
トラドデシルデシルホスホニウムクロリド等の第4級ホ
スホニウム塩、フェニルアミド系、ビグアニド系、スル
ホイソフタル酸テトラアルキルホスホニウム塩又はその
ジエチル、イミダゾール・チアゾール系化合物、チオカ
ーバイト系化合物、ピリジン・キノリン系化合物その他
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】これらの有機系抗菌剤の残基のうちでは、
高分子物質への結合のしやすさからは、アンモニウム塩
基、ホスホニウム塩基、スルホニウム塩基等のオニウム
塩、フェニルアミド基、ビグアニド基等を主鎖又は側鎖
に結合した重合体が好ましく、特に、高い抗菌性と幅広
い抗菌スペクトルを有するホスホニウム塩系重合体が好
ましい。
【0035】好ましい一例は、酸性基及び酸性基とイオ
ン結合しているホスホニウム塩基を含む高分子物質であ
り、さらに好ましい一例は、ジカルボン酸成分及びグリ
コール成分を主成分とし、下記一般式(化1)で表され
るスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム
塩基を全酸成分に対し1〜50モル%共重合したポリエ
ステル樹脂である。
【0036】
【化1】
【0037】(式中、Aは芳香族基、X1、X2はエス
テル形成性官能基、R1、R2、R3、R4はアルキル
基でそのうちの少なくとも1個は炭素数10以上20以
下のアルキル基) この他、高分子物質の1つに下記一般式で示されるホス
ホニウム塩系ビニル重合体が挙げられる。
【0038】
【化2】
【0039】(R1、R2、R3は水素原子、炭素原子
数1〜18個の直鎖又は分岐のアルキル基、アリール
基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基で置換されたア
ルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、X-
アニオン、nは2以上の整数を示す) 上記R1、R2、R3の具体例としてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、ト
リル、キシリル等のアリール基、ベンジル、フェニチル
等のアラルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基等で
置換されたもので、アルキル基、アリール基等が特に好
ましい。R1、R2、R3は同一の基でも、異なった基
でもよい。X -はアニオンであり、たとえばフッ素、塩
素、臭素又はヨウ素等のハロゲンイオン、硫酸イオン、
リン酸イオン、過塩素酸イオン等があげられ、ハロゲン
イオンが好ましい。nは特に限定しないが、好ましくは
2〜500、より好ましくは10〜300である。
【0040】該ポリエステル樹脂に使用するジカルボン
酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が
挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲で脂環
族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、複素環式ジカル
ボン酸等を併用してもよい。脂環族ジカルボン酸として
は1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸として
は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、エイコ酸、ダイ
マー酸及びその誘導体等が挙げられる。複素環式ジカル
ボン酸としては、ピリジンカルボン酸及びその誘導体が
挙げられる。またp−オキシ安息香酸などのオキシカル
ボン酸、無水トリメリット酸、無水ヒロメリット酸等の
多価のカルボン酸を発明の内容を損なわない範囲で併用
してもよい。
【0041】これらの内、フィルムにした場合の耐沸騰
水性よりテレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を70モル%以上含むことが特に好ましい。その他
のジカルボン酸としては、1,4−ジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸が好ましい。
【0042】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンダジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル
1,5−ペンタンジオール、2−メチルー1,5−ペン
タンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジ
オール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オールなどのアルキレングリコール、1,2−シクロヘ
キサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノ
ールAまたはFのアルキレンオキサイド付加物、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ヒドロキシ
ピバリン酸のネオペンチルグリコール(HPN)、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
等が挙げられる。
【0043】この他少量のアミド結合、ウレタン結合、
エーテル結合、カーボネート結合を含有する化合物を含
んでいてもよい。
【0044】これらのうち、フィルムにした場合の耐沸
騰水性より好ましい主構成成分はエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、2−メチル1,3−プロパン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、エチレン
グリコールを70モル%以上含むことが特に好ましい。
【0045】また、発明の内容を損なわない範囲で、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを併
用しても良い。
【0046】スルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホ
スホニウム塩としては、スルホイソフタル酸トリ−n−
ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩スルホイソフ
タル酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、
スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルオクタデシルホス
ホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルヘキ
サデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n
−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スルホイソフタ
ル酸−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、4−スルホ
ナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルデ
シルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−
ジカルボン酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウ
ム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸ト
リ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、4−スル
ホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチル
テトラデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−
2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルドデシルホスホ
ニウム塩等が挙げられ、抗菌活性の点からはスルホイソ
フタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシル
ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩が特に好ましい。
【0047】上記芳香族ジカルボン酸ホスホニウム塩
は、スルホ芳香族ジカルボン酸またはそのナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩等にトリ−n−ブチル
ヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチ
ルテトラデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブ
チルドデシルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム
塩を反応させることにより得られる。このときの反応溶
媒は特に限定しないが、水が最も好ましい。
【0048】該共重合ポリエステルには着色度及びゲル
発生度等の耐熱性改善の目的で、酸化アンチモン、酸化
ゲルマニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に酢酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化
マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、
塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を各々金属イオ
ンとして300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメ
チルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エ
ステル誘導体をPとして200ppm以下添加すること
も可能である。
【0049】上記重合触媒以外の金属イオンの総量が3
00ppm、またP量が200ppmを越えると重合体
の着色が顕著になるのみならず、重合体の耐熱性及び耐
加水分解性も著しく低下する。このとき、耐熱性、耐加
水分解性等の点で、総P量と総金属イオン量とのモル比
は、0.4〜1.0であることが好ましい。
【0050】
【数1】
【0051】上記モル比が0.4未満または1.0を越
える場合には、本発明の組成物の着色、粗大粒子発生が
顕著となり、好ましくない。
【0052】該ポリエステルの製造法は特に限定しない
が、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接反応させ得
られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、
ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコールとをエ
ステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆるエス
テル交換法などが挙げられ、任意の製造法を適用するこ
とができる。
【0053】上記金属イオン及びリン酸及びその誘導体
の添加時期は特に限定しないが、一般的には金属イオン
類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエス
テル化前に、リン酸類の添加は重縮合反応前に添加する
のが好ましい。
【0054】フィルムを構成する組成物としては、前述
の抗菌性組成物単独でフィルムを構成することもでき、
あるいは他の抗菌性組成物以外の組成物と混合して使用
することもできる。抗菌性組成物は必ずしも単一である
必要はなく、2種類以上を用いても良く、又、フィルム
を構成する他の組成物も2種類以上を混合して使用して
も良い。抗菌性組成物とフィルムを構成する他の組成物
を混合する場合は、両者の相溶性が悪いとフィルムの透
明性を低下させ、外観を損なう場合があるので相溶性の
良い組成物の組み合わせを選択する必要がある。
【0055】本発明の抗菌性フィルムを構成する、抗菌
性組成物以外の他の組成物としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどを含有
し得る。
【0056】これらの中で、耐沸騰水性より、ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が好ましい。
【0057】本発明の抗菌性フィルムでは、沸騰水中1
00時間浸漬前後のフィルムのヘイズ値の変化が10μ
m当たり1.0%以下でかつ、JIS Z 2911
6.2に準じた評価法によるカビ抵抗性表示が2以上
で、かつフィルムを沸騰水中に100時間浸漬した後の
該カビ抵抗性表示が2以上であることが必要である。沸
騰水中100時間浸漬前後のフィルムのヘイズ値の変化
が10μm当たり1.0%を越えると、例えば浴室の壁
材等高温・高湿下で使用する際に外観性の低下を招く。
また、フィルムを沸騰水中に100時間浸漬した後の該
カビ抵抗性表示が2以上でないと同様な環境下で使用す
る際にカビの発生が起こる。
【0058】これらは、前述のフィルムを構成する組成
物を選択することにより達成することができる。
【0059】本発明は上記の内容に加えて、フィルムの
少なくとも片面の3次元表面粗さSRzが1.2μm以
下であり、SRmaxとSRzの比が1.5以下であ
り、かつS△aが0.004以上0.04以下、かつ空
気抜け速さが900秒以下であることを特徴とする、フ
ィルム表面の平滑性に優れ、フィルムの厚みに関係なく
ハンドリング特性に優れ、更にフィルム表面の耐摩耗性
が良好な抗菌性フィルムを提供するものである。
【0060】本発明の抗菌性フィルムを製膜する方法と
しては、以下の方法が挙げられるがこれらに限定されな
い。
【0061】抗菌性組成物を単独あるいは他の組成物と
混合して溶融押し出し機でシート状に押し出すことによ
り未延伸フィルムを製膜する方法、あるいは押し出し後
1軸延伸または2軸延伸することにより2軸延伸フィル
ムを製膜する方法等が挙げられるが、フィルムの機械的
強度や寸法安定性などの面からは2軸延伸する製膜方法
が好ましい。
【0062】フィルムは単層でもよいし、2層以上に積
層されていてもよいが、本発明で必要な抗菌性能を発現
する為に、少なくともフィルム片面の少なくとも表層側
には抗菌性組成物を含有している必要がある。積層する
場合の方法としては、溶融押し出し機で共押し出しして
積層する方法、溶融押し出し機で直接または接着剤層を
介して、他の基材フィルム上に溶融押し出しして積層す
る方法等が挙げられる。又、フィルムを延伸する場合は
公知の延伸方式を採用することができる。1軸延伸の場
合は、例えば縦1軸延伸、横1軸延伸等による方式を、
2軸延伸の場合は、例えば、縦延伸及び横延伸を順に行
う逐次2軸延伸方式のほか、横・縦・縦延伸法、縦・横
・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの延伸方法を採用す
ることができ、要求される強度や寸法安定性などの諸特
性に応じて選択される。また、寸法安定性を改良する為
に熱固定処理、縦弛緩処理、横弛緩処理を施すことも有
効である。そして、前記の3次元祖さSRz、SRma
xとSRzとの比、S△a、及び空気抜け速さは、フィ
ルムの製膜条件及び滑剤粒子によって調整される。
【0063】滑剤粒子には、無機粒子および有機粒子が
挙げられる。滑剤粒子の種類及び添加量は3次元表面粗
さSRz、SRmaxとSRzとの比、S△a、及び空
気抜け速さが所定の範囲内に入るならば特に限定される
ものではないが、無機粒子としては、シリカ、二酸化チ
タン、タルク、カオリナイト、酸化ジルコニウム、酸化
鉄、アルミナ、アルミナ/シリカ複合酸化物、ホウ酸ア
ルミニウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、フッ化カ
ルシウムなどの金属塩、有機粒子としてはポリスチレ
ン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステ
ル、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラ
ミン・ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン・メ
ラミン・ホルムアルデヒド縮合物、それらの共重合体、
あるいはそれらの架橋体などのフィルム組成物に対して
不活性な粒子が例示される。そしてこれらの滑剤粒子
は、いずれか1種類を単独で用いてもよく、2種類以上
を併用してもよい。また、本発明において樹脂との密着
性や濡れ性、分散性を改善する為にシラン系カップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤等を用いて粒子表面を改質することもでき
る。
【0064】使用する滑剤粒子の平均粒子径は0.01
μm以上2.0μm以下、特に0.05μm1.5μm
以下が好ましく、粒子径のばらつき度(標準偏差と平均
粒子径との比率)が25%以下が好ましく、添加量はフ
ィルム組成物100重量%に対して0.005重量%以
上2.0重量%以下含有することが好ましく、特に0.
1重量%以上1.0重量%以下が好ましい。また、滑剤
粒子の形状は、面積形状係数が60%以上のものが1種
類以上含まれていることが好ましい。この面積形状係数
は次式によって求められる。
【0065】
【数2】
【0066】本発明に用いられるフィルム組成物には、
必要に応じて、公知の酸化防止剤、帯電防止剤、着色
剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを適量配合したものを
用いることができる。配合量はフィルム組成物100重
量%に対して、10重量%以下が望ましい。10重量%
を越えると延伸する場合、延伸時破断がおこりやすくな
り、生産安定性が不良となる。
【0067】本発明の抗菌性フィルムの少なくとも片面
の3次元祖さSRzは1.2以下、SRmaxとSRz
との比は1.5以下、かつS△aは0.004以上0.
04以下であることが必要である。SRzが1.2を越
えると、例えば磁気テープ用途では電磁変換特性が不良
になり、フィルムコンデンサー用途では耐電圧特性の低
下の問題を生じる。SRmaxとSRzとの比が1.5
を越えるとSRzが1.2を越えた場合と同様の問題が
生じると共に、耐摩耗性が不良となる問題を発生する。
更に、S△aは0.004未満ではハンドリング特性及
び走行特性が不良になり、S△aが0.04を越えると
SRzが1.2を越えた場合と同様の問題が生じる。
【0068】更に、本発明の抗菌性フィルムの空気抜け
速さは900秒以下である必要がある。更に好ましくは
700秒以下である。即ち、空気抜け速さを900秒以
下、更に好ましくは700秒以下にすることにより、高
速作業時において、フィルムの厚みや強度と無関係にハ
ンドリング特性が良好な抗菌性フィルムが得られる。反
対に、空気抜け速さが500秒を越えた場合、高速作業
時のハンドリング特性が不良となり、例えばフィルムを
高速でロール状に巻き取る場合にフィルムと巻き取りロ
ールの間に空気が取り込まれてしわが生じやすく、巻き
姿が不良なったり、フィルムが巻き込む空気層の潤滑効
果によってフィルムが幅方向に蛇行してロール端面の不
揃いが生じたりする。
【0069】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて本発明を更に
詳細に説明するが、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0070】以下に実施例及び比較例で得られた抗菌性
フィルムの物性の測定方法を示す。
【0071】1.防カビ性試験JIS Z 2911
6.2.2に準じた方法で、無機塩寒天培地平板上に5
cm×5cmの大きさの試料フィルムを貼付し、下記の
カビ5菌株の胞子懸濁液にシュクロース5%添加した混
合液0.2mlを噴霧し27±1℃で28日間培養後の
カビの生育状況を評価した。 (試験菌株) Aspergillus niger ATCC 62
75 Penicillium citrinum ATCC
9849 Chaetomium globosum ATCC
6205 Rhizopus stolonifer ATCC
10404 Aureobasidium pullulans I
FO 6353 (カビ抵抗性表示) (1)カビの生育は試料面積の1/3以上。 (2)カビの生育は試料面積の1/3未満。 (3)カビの生育を認めない。
【0072】2.耐沸騰水性試験 10cm×10cmの大きさの試料フィルムを97℃±
1℃にコントロールした蒸留水1L中に100時間浸漬
後取り出し、各種特性を評価した。
【0073】3.フィルムヘイズ JIS K6714に準じて日本精密光学株式会社製ボ
イック積分式HTRメータSEP−H2D形によりトー
タルヘイズを求めた。
【0074】4.3次元表面粗さSRz、SRmax、
S△a フィルム表面を触針式3次元表面粗さ計(SE−3A
K、(株)小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μ
m、荷重30mgの条件下に、フィルムの長手方向にカ
ットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたって測
定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを
3次元粗さ解析装置(SPA−11)に取り込ませた。
これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間
隔で連続的に150回、即ちフィルムの幅方向0.3m
mにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。
次に解析装置を用いてSRz、SRmax、S△aを求
めた。
【0075】5.空気抜け速度 図1に示す測定装置を用意する。即ち、台盤1上面に円
形の孔1aを設け、この孔1a内に直径70mmのガラ
ス平板2を固定してガラス平板2の外周と孔壁1bとの
間に溝を形成し、更に上記の孔1bを囲むリング状の溝
孔1cをあけ、この溝孔1cを上記ガラス平板2の外周
の溝と通過させ、溝孔1cにパイプ3を介して真空ポン
プ4の吸引口を接続する。そして台盤1の上面に、ガラ
ス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を重ね、その外
周を粘着テープ6で台盤1上に密封状に固定し、真空ポ
ンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に干渉縞が出現
してからガラス平板2の全面に干渉縞が広がり、その動
きが止まるまでの時間(秒)を測定し、この時間(秒)
をもって空気抜け速度とした。
【0076】6.フィルムのハンドリング特性 広幅のスリットロールを高速でスリットし、小幅のロー
ルに巻き直すに際しロール端部の巻きずれ、しわ等を生
じないで問題のないスリットロールが得られるかどうか
を4段階評価し、次のランク付けで評価した。 1級;問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難。 2級;低速で問題のないスリットロールが得られる。 3級;中速で問題のないスリットロールが得られる。 4級;高速で問題のないスリットロールが得られる。
【0077】7.フィルムの耐摩耗性 フィルムを細幅にスリットしたテープ状ロールを金属製
ガイドロールにこすりつけて走行するとき、一定の供給
張力に対してガイドロール擦過後のテープの擦り傷の大
小を5段階に評価して次のランク付けで表す。 1級;擦り傷非常に多い。 2級;擦り傷多い。 3級;擦り傷ややあり。 4級;擦り傷ほとんどなし。 5級;擦り傷発生なし。
【0078】8.平均粒子径 滑剤粒子を(株)日立製作所製S−510型走査型電子
顕微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、
滑剤粒子の外形をトレースし任意に200個の粒子を黒
く塗りつぶした。この像をニコレ(株)製ルーゼックス
500型画像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平
方向のフェレ径を測定し、その平均値を平均粒子径とし
た。また、粒子径のばらつき度は下記の式により算出し
た。
【0079】
【数3】
【0080】9.面積形状係数 平均粒子径の測定に用いたトレース像から任意に20個
の粒子を選び、8.で用いた画像解析装置を用いて、そ
れぞれの粒子の投影断面積を測定した。また、それらの
粒子に外接する円の面積を算出し、下記の式により算出
した。
【0081】
【数4】
【0082】(ポリエステル樹脂の製造例1)撹拌機、
温度計及び部分環流式冷却器を備えたステンレススチー
ル製オートクレーブにジメチルテレフタレート276.
5部、5−スルホジメチルイソフタル酸トリ−n−ブチ
ルドデシルホスホニウム塩48.4部、エチレングリコ
ール204.6部、及びテトラ−n−ブチルチタネート
0.25部を仕込み、160〜220℃まで4時間かけ
て生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交
換反応を行った。エステル交換終了後、250℃で、反
応系を徐々に減圧したのち、0.2mmHgの減圧下で
1時間30分反応させ、ポリエステル(A−1)を得
た。ポリエステルの組成は表1に示す通りである。同様
の方法により表1に示した種々のポリエステル(A−
2、A−3、A−4)を製造した。
【0083】(実施例1)滑剤粒子として、平均粒系
1.0μm、ばらつき度25%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−1)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリマーチップと、滑剤粒子の添
加されていないポリマーチップ(A−1)を重量比で1
対9の割合で混合した後で乾燥し、押し出し機にて29
0℃で溶融してTダイより押し出し、40℃の冷却ロー
ル上で静電印可法により密着・冷却固化し、厚さ約10
0μmの未延伸シートを得た。
【0084】該未延伸シートをロールにより90℃に予
熱し、表面750℃の赤外線加熱ヒーターを3本使用し
て、表面温度129℃で縦方向に3.5倍延伸し、つい
でテンターでフィルムを90℃に予熱し、横方向に3.
5倍延伸し225℃で10秒熱固定した。得られたフィ
ルムの厚みは約8μmであった。このフィルムの特性
を、前述の方法により測定した。その結果を表2、表3
に示す。
【0085】(実施例2)ポリエステル(A−1)の代
わりにポリエステル(A−2)を用いたこと以外は、実
施例1と同様にしてフィルムを製膜した。得られたフィ
ルムの厚みは約9μmであった。このフィルムの特性
を、前述の方法により測定した。その結果を表2、表3
に示す。
【0086】(比較例1)滑剤粒子として、平均粒系
1.0μm、ばらつき度25%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−3)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリマーチップと、滑剤粒子の添
加されていないポリマーチップ(A−3)を重量比で1
対9の割合で混合した後で乾燥し、押し出し機にて27
0℃で溶融してTダイより押し出し、40℃の冷却ロー
ル上で静電印可法により密着・冷却固化し、厚さ約10
0μmの未延伸シートを得た。
【0087】該未延伸シートをロールにより65℃に予
熱し、表面750℃の赤外線加熱ヒーターを3本使用し
て、表面温度107℃で縦方向に3.5倍延伸し、つい
でテンターでフィルムを80℃に予熱し、横方向に3.
5倍延伸し200℃で10秒熱固定した。得られたフィ
ルムの厚みは約9μmであった。このフィルムの特性
を、前述の方法により測定した。その結果を表2、表3
に示す。
【0088】(比較例2)滑剤粒子として、平均粒系
1.0μm、ばらつき度40%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−1)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリマーチップと、滑剤粒子の添
加されていないポリマーチップ(A−1)を重量比で1
対9の割合で混合した後で乾燥し、押し出し機にて29
0℃で溶融してTダイより押し出し、40℃の冷却ロー
ル上で静電印可法により密着・冷却固化し、厚さ約10
0μmの未延伸シートを得た。該未延伸シートをロール
により90℃に加熱し、表面750℃の赤外線加熱ヒー
ターを3本使用して表面温度129℃で、縦方向に3.
5倍延伸後、テンターでフィルムを90℃に予熱し、横
方向に3.5倍延伸し225℃で10秒熱固定した。得
られたフィルムの厚みは約8μmであった。このフィル
ムの特性を、前述の方法により測定した。その結果を表
2、表3に示す。
【0089】(比較例3)滑剤粒子として、平均粒系
1.0μm、ばらつき度25%、面積形状係数80%の
シリカをポリエステル(A−4)100重量%に対して
3.0重量%添加したポリマーチップと、銀糸抗菌剤ノ
バロン(東亜合成(株)製)をポリエステル(A−4)
100重量%に対して1.8重量%添加したポリマーチ
ップを重量比で1対9の割合で混合した後で乾燥し、押
し出し機にて290℃で溶融してTダイより押し出し、
40℃の冷却ロール上で静電印可法により密着・冷却固
化し、厚さ約100μmの未延伸シートを得た。該未延
伸シートをロールにより90℃に予熱し、表面750℃
の赤外線加熱ヒーターを3本使用して、表面温度129
℃で縦方向に3.5倍延伸し、ついで1テンターでフィ
ルムを90℃に予熱し、横方向に3.5倍延伸し225
℃で10秒熱固定した。得られたフィルムの厚みは約8
μmであった。このフィルムの特性を、前述の方法によ
り測定した。その結果を表2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【発明の効果】本発明の抗菌性フィルムは、実用性を満
たす十分高い抗菌性、中でもカビに対する高い防カビ性
を備え、実用上の使用に耐えうる優れた耐久性を併せ持
っており、特に沸騰水中に浸漬した後も防カビ性の持続
効果を発現しつつ外観変化も起こさない優れた特性を有
し、かつ透明性、耐熱性及びフィルム表面の平滑性に優
れ、フィルムの厚みに関係なくハンドリング特性が良好
で、更にフィルム表面の耐摩耗性が良好であることか
ら、フィルム単体あるいは他のフィルム・シートや成形
品との積層体、金属板との積層体、塩化ビニル鋼板との
積層体等の形態で、磁気テープ用、食品・医療用品等の
包装用、壁・壁紙・床・天井、病院や医療設備・公共施
設・一般家屋等の窓枠やドアノブ、手すり等の建材用、
例えば電子レンジ・炊飯器等の調理用機器、冷蔵庫・洗
濯機・電話機・掃除機等の家電製品用、缶詰・飲料缶・
ぺール缶・ドラム缶等の金属容器、システムキッチン・
流し台等の水廻り用品、机・棚・テーブル等の家具類、
医療用機器全般、文具類、電車・自動車・船舶・航空機
等の用途で化粧板、内・外装板、構造体、付属品、部品
等の構成材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気抜け速さを測定するための装置の説明図で
ある。
【符号の説明】
1;台盤 2;ガラス平板 3;吸引パイプ 4;真空ポンプ 5;フィルム試料 6;粘着テープ
フロントページの続き (72)発明者 小長谷 重次 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AA22 AA25 AA43 AA54 AB18 AC12 AC13 AC15 AE22 AF08Y AF30Y AF52Y BB08 BC01 BC16 BC17 4F210 AA24 AB01 AB17 AC08 AE01 AG01 QA02 QA03 QC05 QC06 QD16 QG01 QG18 QW07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性組成物を含有し、沸騰水中100
    時間浸漬前後の該フィルムのヘイズ値の変化が10μm
    当たり1.0%以下でかつ、JIS Z 2911
    6.2に準じた評価法によるカビ抵抗性表示が2以上
    で、かつ該フィルムを沸騰水中に100時間浸漬した後
    の該カビ抵抗性表示が2以上であり、該フィルムの少な
    くとも片面の3次元表面粗さSRzが1.2μm以下で
    あり、SRmaxとSRzの比が1.5以下であり、S
    △aが0.004以上0.04以下であり、かつ空気抜
    け速さが900秒以下であることを特徴とする抗菌性フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 前記抗菌性組成物が、有機系抗菌剤の残
    基を側鎖に結合した高分子物質であることを特徴とする
    請求項1に記載の抗菌性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記残基が、アンモニウム塩基、ホスホ
    ニウム塩基又は、スルホニウム塩基の少なくとも1種で
    ある請求項2に記載の抗菌性フィルム。
  4. 【請求項4】 前記高分子物質が主としてポリエステル
    を含む、請求項2又は3に記載の抗菌性フィルム。
  5. 【請求項5】 前記フィルムが2軸延伸フィルムである
    ことを特徴とする、請求項1、2、3又は4に記載の抗
    菌性フィルム。
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