JP2000302675A - 塩基性化合物を含有する医薬 - Google Patents

塩基性化合物を含有する医薬

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JP2000302675A
JP2000302675A JP11110765A JP11076599A JP2000302675A JP 2000302675 A JP2000302675 A JP 2000302675A JP 11110765 A JP11110765 A JP 11110765A JP 11076599 A JP11076599 A JP 11076599A JP 2000302675 A JP2000302675 A JP 2000302675A
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carbon atoms
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JP11110765A
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English (en)
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Masakatsu Kaneko
正勝 金子
Chikako Akiyama
千佳子 秋山
Makoto Yamashita
誠 山下
Fumiko Nagasawa
文子 永澤
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたトリプターゼ・クララ阻害作用を有し、
新規なインフルエンザ感染予防又は治療剤を提供する。 【解決手段】下記の構造式(I)で示される化合物を含
有する医薬。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な塩基性化合
物、その薬理上許容しうる塩又はそのプロドラッグを含
有する医薬、特にインフルエンザ感染予防又は治療剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】インフルエンザウィルスは、該ウィルス
表面に存在する赤血球凝集素(HA、hemagglutinin)
を介して、宿主細胞のレセプターに吸着する。しかし、
単に吸着しただけでは、膜融合は起こらないため、該ウ
ィルス遺伝子は宿主細胞に侵入することができず、従っ
て、宿主もインフルエンザに感染しない。
【0003】ラットにおいては、膜融合が起こり、該ウ
ィルスが宿主に感染するためには、このHAが、宿主由
来のプロテアーゼの一種であるトリプターゼ・クララ
(TC)により、HA1及びHA2の2つのサブ・ユニッ
トに開裂することが必要であることが立証されており、
他の哺乳動物でも、トリプターゼ・クララ又は同等の機
能を有するプロテアーゼが、インフルエンザウィルス感
染に関わっていると考えられる。従って、トリプターゼ
・クララ等を阻害する物質は、インフルエンザの感染予
防剤又は治療剤となり得ることが期待される。
【0004】現在、トリプターゼ・クララの阻害剤とし
ては、 HIROSHI KIDO, SAKAI, K., KISHINO, Y., & TASHIRO,
M. ( 1993 ). Pulmonary Surfactant Is a Potentia
l Endogenous Inhibitor of Proteolytic Activation o
f Sendai Virus and Influenza virus. FEBS. lett.
322, 115-119.及び YOSHIHITO BEPPU, IMAMURA, Y., TASHIRO, M., TOWAT
ARI, T., ARIGA, H.,& KIDO, H. ( 1997 ). Human Mu
cus Protease Inhibitor in Airway Fluids Is a Poten
tial Defensive Compound against Infection with Inf
luenza A andSendai Viruses. J. Biochem. 121, 30
9-316. に記載されているものが知られているが、いずれも高分
子物質であり、本発明の化合物のように、低分子でトリ
プターゼ・クララ阻害活性を有するものは、知られてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、優れ
たトリプターゼ・クララ阻害作用を有し、インフルエン
ザ感染予防又は治療剤として有用であり、かつ、従来、
知られているものと構造をまったく異にする新規な化合
物を含有する医薬を見出すことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、該課
題を解決すべく、鋭意研究を続けた結果、新規な塩基性
化合物及びその薬理上許容しうる塩が、優れたトリプタ
ーゼ・クララ阻害作用を有し、医薬、特にインフルエン
ザ感染予防又は治療剤として有用であることを見出し、
本発明を完成した。
【0007】本発明は、 1)一般式(I)
【化2】 (式中、Aは、下記α群から選択される置換基を有して
いてもよい炭素数2乃至10個のアルカン、下記α群か
ら選択される置換基を有していてもよい炭素数3乃至1
0個のシクロアルカン、又は、下記α群から選択される
置換基を有していてもよい3乃至10員環の環状エーテ
ルを示し、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原
子、下記β群から選択される置換基を有していてもよい
炭素数2乃至20個の脂肪族アシル基、又は、下記β群
から選択される置換基を有していてもよい炭素数2乃至
20個のアルキル基を示し、Xは、NH基又は酸素原子
を示し、mは、2乃至6を示し、nは、0乃至1を示
す。但し、nが0の場合は、一般式(I)の化合物中
で、R1が、アミノ基又はグアニジノ基で置換された炭
素数2乃至20個の脂肪族アシル基、又は、アミノ基又
はグアニジノ基で置換された炭素数2乃至20個のアル
キル基であり、nが1の場合は、一般式(I)の化合物
中で、R1又はR2の少なくとも1つが、アミノ基又はグ
アニジノ基で置換された炭素数2乃至20個の脂肪族ア
シル基、又は、アミノ基又はグアニジノ基で置換された
炭素数2乃至20個のアルキル基である。)で表される
化合物、その薬理上許容しうる塩又はそのプロドラッグ
を含有する医薬、特にインフルエンザ感染予防又は治療
剤である。 [α群]炭素数1乃至20個のアルコキシ基、下記γ群
から選択される置換基を有していてもよい炭素数6乃至
10個のアリールオキシ基、下記δ群から選択される置
換基を有していてもよく、少なくとも窒素を1つ含有す
る複素環(但し、該複素環上の窒素とAとは単結合で結
合する)、及び、ハロゲノ基。 [β群]ハロゲノ基、アミノ基、及び、グアニジノ基。 [γ群]炭素数1乃至6個のアルキル基、炭素数1乃至
6個のアルコキシ基、及び、ハロゲノ基。 [δ群]低級アルキル基、ハロゲノ基、保護されていて
もよいアミノ基、及び、オキソ基。
【0008】本発明のうち、好適なものは、 2)Aが、α群から選択される置換基を有していてもよ
い炭素数3乃至6個のアルカン、α群から選択される置
換基を有していてもよい炭素数3乃至6個のシクロアル
カン、又は、α群から選択される置換基を有していても
よい3乃至6員環の環状エーテルである化合物、 3)Aが、プロパン、ブタン、又は、α群から選択され
る置換基を有していてもよい5又は6員環の環状エーテ
ルである化合物、 4)Aが、プロパン、オキサン、オキソラン、2−アデ
ニニルオキソラン、2−グアニニルオキソラン、2−シ
トシニルオキソラン、2−チミニルオキソラン、又は、
2−ウラシリルオキソランである化合物、 5)R1及びR2が、同一又は異なって、水素原子、β群
から選択される置換基を有していてもよい炭素数5乃至
16個の脂肪族アシル基、又は、β群から選択される置
換基を有していてもよい炭素数5乃至16個のアルキル
基である化合物、 6)R1及びR2が、同一又は異なって、β群から選択さ
れる置換基を有していてもよい炭素数5乃至8個の脂肪
族アシル基、又は、β群から選択される置換基を有して
いてもよい炭素数5乃至8個のアルキル基である化合
物、 7)R1及びR2が、同一又は異なって、アミノ基若しく
はグアニジノ基で置換されていてもよい炭素数5乃至8
個の脂肪族アシル基、又は、アミノ基若しくはグアニジ
ノ基で置換されていてもよい炭素数5乃至8個のアルキ
ル基である化合物、 8)Xが、酸素原子である化合物、 9)mが、2又は3である化合物、又は、 10)nが、1である化合物、或は、その薬理上許容し
うる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬、特にイン
フルエンザ感染予防又は治療剤である。これらのうち、
更に好適なものは、 11) 2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキサノイ
ル)ウリジン、2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキサノ
イル)−1−デオキシ−D−リボース、2,3,4,6−テトラ
−O−(6−アミノヘキサノイル)−1−デオキシ−D−
グルコース、又は、1,2,3−トリ−(6−アミノヘキサノ
イルオキシ)プロパン、或は、その薬理上許容しうる塩
又はそのプロドラッグを含有する医薬、特にインフルエ
ンザ感染予防又は治療剤である。
【0009】Aの定義における「炭素数2乃至10個の
アルカン」としては、例えば、エタン、プロパン、ブタ
ン、2−メチルプロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、2−メチルヘキサン、オクタン、ノナン、3−メチ
ルオクタン、デカンのような直鎖又は分枝鎖アルカンを
挙げることができ、好適には、炭素数3乃至6個の直鎖
又は分枝鎖アルカンであり、更に好適には、プロパン又
はブタンである。
【0010】Aの定義における「炭素数3乃至10個の
シクロアルカン」としては、例えば、シクロプロパン、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン、ノルボルナン、シクロオクタン、シクロノ
ナン、シクロデカン、アダマンタンのような縮環してい
てもよい炭素数3乃至10個の飽和環状炭化水素を挙げ
ることができ、好適には、炭素数3乃至6個の飽和環状
炭化水素であり、更に好適には、シクロペンタン又はシ
クロヘキサンであり、特に好適には、シクロペンタンで
ある。
【0011】Aの定義における「3乃至10員環の環状
エーテル」とは、前記「炭素数3乃至10個のシクロア
ルカン」の一つの炭素原子が酸素原子に置換された基で
あり、好適には、3乃至6員環の環状エーテルであり、
更に好適には、5又は6員環の環状エーテルであり、特
に好適には、オキソランである。
【0012】R1及びR2の定義における「炭素数2乃至
20個の脂肪族アシル基」としては、例えば、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタ
ノイル、オクタノイル、2,2−ジメチルヘキサノイ
ル、オクチルカルボニル、ノニルカルボニル、デシルカ
ルボニル、3−メチルノニルカルボニル、8−メチルノ
ニルカルボニル、3−エチルオクチルカルボニル、3,
7−ジメチルオクチルカルボニル、ウンデシルカルボニ
ル、ドデシルカルボニル、トリデシルカルボニル、テト
ラデシルカルボニル、ペンタデシルカルボニル、ヘキサ
デシルカルボニル、1−メチルペンタデシルカルボニ
ル、14−メチルペンタデシルカルボニル、13,13
−ジメチルテトラデシルカルボニル、ヘプタデシルカル
ボニル、15−メチルヘキサデシルカルボニル、オクタ
デシルカルボニル、1−メチルヘプタデシルカルボニ
ル、ノナデシルカルボニルのような炭素数2乃至20個
の直鎖若しくは分枝鎖アルキルカルボニル基;ビニルカ
ルボニル、アリルカルボニル、1−ブテニルカルボニ
ル、1−メチル−1−プロペニルカルボニル、2−ペン
テニルカルボニル、3−メチル−2−ブテニルカルボニ
ル、1,3−ペンタジエニルカルボニル、1−ヘキセニ
ルカルボニル、3−ヘキセニルカルボニル、2−メチル
−3−ペンテニルカルボニル、2,2−ジメチル−3−
ペンテニルカルボニル、3−エチル−5−エテニル−
1,6−ヘプタジエニルカルボニル、8,12−テトラ
デカンジエニルカルボニル、3−エチル−8−プロピル
−4,10,12−テトラデカントリエニルのような炭
素数3乃至20個の直鎖若しくは分枝鎖アルケニルカル
ボニル基を挙げることができ、好適には、炭素数2乃至
20個の直鎖若しくは分枝鎖アルキルカルボニル基であ
り、更に好適には、炭素数5乃至20個の直鎖若しくは
分枝鎖アルキルカルボニル基であり、更にまた好適に
は、炭素数5乃至16個の直鎖若しくは分枝鎖アルキル
カルボニル基であり、特に好適には、炭素数5乃至8個
の直鎖若しくは分枝鎖アルキルカルボニル基であり、最
も好適には、n−ヘキサノイル基である。
【0013】R1及びR2の定義における「炭素数2乃至
20個のアルキル基」としては、例えば、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブ
チル、2−メチルブチル、イソペンチル、1−エチルプ
ロピル、ネオペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペン
チル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソ
ヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチル
ブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブ
チル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチ
ル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキ
シル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−
メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−プロピルブ
チル、4,4−ジメチルペンチル、n−オクチル、1−
メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプ
チル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−
メチルヘプチル、1−プロピルペンチル、2−エチルヘ
キシル、5,5−ジメチルヘキシル、n−ノニル、3−
メチルオクチル、4−メチルオクチル、5−メチルオク
チル、6−メチルオクチル、1−プロピルヘキシル、2
−エチルヘプチル、6,6−ジメチルヘプチル、n−デ
シル、1−メチルノニル、3−メチルノニル、8−メチ
ルノニル、3−エチルオクチル、3,7−ジメチルオク
チル、7,7−ジメチルオクチル、n−ウンデシル、
4,8−ジメチルノニル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、3,7,11−トリメチルド
デシル、ヘキサデシル、4,8,12−トリメチルトリ
デシル、1−メチルペンタデシル、14−メチルペンタ
デシル、13,13−ジメチルテトラデシル、ヘプタデ
シル、15−メチルヘキサデシル、オクタデシル、1−
メチルヘプタデシル、ノナデシル、アイコシル、3,
7,11,15−テトラメチルヘキサデシルのような炭
素数2乃至20個の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を挙
げることができ、好適には炭素数5乃至20個の直鎖又
は分枝鎖アルキル基であり、更に好適には、炭素数5乃
至16個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、特に好適
には、炭素数5乃至8個の直鎖又は分枝鎖アルキル基で
あり、最も好適には、n−ヘキシル基である。
【0014】α群の定義における「炭素数1乃至20個
のアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
s−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペ
ントキシ、2−メチルブトキシ、イソペントキシ、ネオ
ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペントキ
シ、3−メチルペントキシ、4−メチルペントキシ、
1,1−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキ
シ、3,3−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブト
キシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブ
トキシ、2−エチルブトキシ、n−ヘプチルオキシ、5
−メチルヘキシルオキシ、1−プロピルブトキシ、4,
4−ジメチルペントキシ、n−オクチルオキシ、6−メ
チルヘプチルオキシ、1−プロピルペントキシ、2−エ
チルヘキシルオキシ、5,5−ジメチルヘキシルオキ
シ、n−ノニルオキシ、3−メチルオクチルオキシ、1
−プロピルヘキシルオキシ、2−エチルヘプチルオキ
シ、6,6−ジメチルヘプチルオキシ、n−デシルオキ
シ、1−メチルノニルオキシ、8−メチルノニルオキ
シ、3−エチルオクチルオキシ、3,7−ジメチルオク
チルオキシ、7,7−ジメチルオクチルオキシ、n−ウ
ンデシルオキシ、4,8−ジメチルノニルオキシ、ドデ
シルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、
ペンタデシルオキシ、3,7,11−トリメチルドデシ
ルオキシ、ヘキサデシルオキシ、4,8,12−トリメ
チルトリデシルオキシ、1−メチルペンタデシルオキ
シ、14−メチルペンタデシルオキシ、13,13−ジ
メチルテトラデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、15
−メチルヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシ、1
−メチルヘプタデシルオキシ、ノナデシルオキシ、アイ
コシルオキシ、3,7,11,15−テトラメチルヘキ
サデシルオキシのような炭素数1乃至20個の直鎖若し
くは分枝鎖アルコキシ基を挙げることができ、好適に
は、炭素数1乃至10個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基
であり、更に好適には、炭素数1乃至6個の直鎖又は分
枝鎖アルコキシ基であり、特に好適には、メトキシ又は
エトキシ基である。
【0015】α群の定義における「炭素数6乃至10個
のアリールオキシ基」としては、例えば、フェノキシ、
インデニルオキシ、ナフチルオキシ、アズレニルオキシ
のような縮環していてもよい炭素数6乃至10個のアリ
ールオキシ基を挙げることができ、好適には、フェノキ
シ又はナフチルオキシ基である。
【0016】α群の定義における「少なくとも窒素を1
つ含有する複素環」としては、例えば、ピロール、イミ
ダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジ
ン、ピリダジン、トリアジン、テトラジン、インドー
ル、イソインドール、プリン、キノリンのような、窒素
を含有する縮環していてもよい5乃至10員複素環を挙
げることができ、好適には、窒素を1乃至4個含有する
縮環していてもよい5乃至9員複素環であり、更に好適
には、イミダゾール、ピリミジン及びプリンである。
【0017】α群の定義における「δ群から選択される
置換基を有していてもよく、少なくとも窒素を1つ含有
する複素環」全体において好適な基は、アデニニル、グ
アニニル、シトシニル、チミニル又はウラシリル基であ
り、更に好適には、ウラシリル基である。
【0018】α群、β群、γ群及びδ群の定義における
「ハロゲノ基」としては、弗素原子、塩素原子、臭素原
子又は沃素原子を挙げることができ、好適には、弗素原
子又は塩素原子である。
【0019】γ群の定義における「炭素数1乃至6個の
アルキル基」としては、前記「炭素数2乃至20個のア
ルキル基」で例示した基及びメチル基のうち炭素数1乃
至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基を挙げることがで
き、好適には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アル
キル基である。
【0020】γ群の定義における「炭素数1乃至6個の
アルコキシ基」としては、前記「炭素数1乃至20個の
アルコキシ基」で例示した基のうち炭素数1乃至6個の
直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を挙げることができ、好適
には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基
である。
【0021】δ群の定義における「低級アルキル基」と
しては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、tert
−ブチルのような炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分枝
鎖アルキル基を挙げることができ、好適にはメチル基で
ある。
【0022】δ群の定義における「保護されていてもよ
いアミノ基」の保護基としては、通常アミノ基の保護基
として使用するものであれば限定はないが、好適には、
ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルのような
アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのような低級
アルコキシ低級アルキルカルボニル基、ベンゾイル、α
−ナフトイルのようなアリールカルボニル基、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニルのような低級アルコキシカ
ルボニル基、ベンジルオキシカルボニルのようなアラル
キルオキシカルボニル基、トリメチルシリル、トリエチ
ルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t-ブチルジメ
チルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ-t
- ブチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジフェニル
メチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニルイ
ソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのよ
うなシリル基、ベンジル、フェネチルのようなアリール
基で置換された低級アルキル基を挙げることができ、更
に好適には、低級アルコキシカルボニル基であり、特に
好適には、t-ブトキシカルボニル基である。
【0023】「その薬理上許容される塩」とは、本発明
の医薬に含有される化合物(I)は、塩にすることがで
きるので、その塩をいい、そのような塩としては、好適
には、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素
酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸
塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン
酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールス
ルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩のようなハロゲン化脂
肪酸塩、酢酸塩、りんご酸塩、フマール酸塩、コハク酸
塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の
有機酸塩を挙げることができる。
【0024】又、本発明の医薬に含有される化合物
(I)は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸
収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そ
のような塩も本発明の医薬に包含される。
【0025】「そのプロドラッグ」とは、「生体内で加
水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」
で保護されている化合物を示し、「生体内で加水分解の
ような生物学的方法により開裂し得る保護基」として
は、例えば、エチルカルボニルオキシメチル、ピバロイ
ルオキシメチル、ジメチルアミノアセチルキシメチル、
1−アセトキシエチルのようなアシルオキシアルキル
基;1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、1−
(エトキシカルボニルオキシ)エチル、エトキシカルボ
ニルオキシメチル、1−(イソプロポキシカルボニルオ
キシ)エチル、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)
エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル
のような1−(アルコキシカルボニルオキシ)アルキル
基;フタリジル基;4−メチル−オキソジオキソレニル
メチル、4−フェニル−オキソジオキソレニルメチル、
オキソジオキソレニルメチルのようなオキソジオキソレ
ニルメチル基等の「カルボニルオキシアルキル基」;前
記R1及びR2の定義と同様の「脂肪族アシル基」;ベンゾ
イル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリー
ルカルボニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベ
ンゾイルのようなハロゲン化アリールカルボニル基、
2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルの
ような低級アルキル化アリールカルボニル基、4−アニ
ソイルのような低級アルコキシ化アリールカルボニル
基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのよ
うなニトロ化アリールカルボニル基、2−(メトキシカ
ルボニル)ベンゾイルのような低級アルコキシカルボニ
ル化アリールカルボニル基、4−フェニルベンゾイルの
ようなアリール化アリールカルボニル基等の「芳香族ア
シル基」;「コハク酸のハーフエステル塩残基」;「燐
酸エステル塩残基」;「アミノ酸等のエステル形成残
基」;カルバモイル基;1乃至2個の低級アルキル基で
置換されたカルバモイル基;及び、ピバロイルオキシメ
チルオキシカルボニルのような「カルボニルオキシアル
キルオキシカルボニル基」を挙げることができ、そのよ
うな誘導体か否かは、ラットやマウスのような実験動物
に静脈注射により投与し、その後の動物の体液を調べ、
元となる化合物又はその薬理学的に許容される塩を検出
できることにより決定できる。
【0026】また、本発明の医薬に含有される化合物
(I)は、分子内に不斉炭素を有する場合があり、R配
位、S配位である立体異性体が存在し、また、分子内に
糖がある場合には、d体、l体が存在するが、その各
々、或いはそれらの任意の割合の混合物のいずれも本発
明の医薬に包含される。
【0027】本発明の医薬に含有される化合物(I)の
具体例としては、例えば、下記表1に示すような化合物
を挙げることができる。
【0028】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 例示化合物 番 号 化学式 R1 2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 Urd 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 2 Urd 5-NH2-Pno 5-NH2-Pno 3 Urd 7-NH2-Hpo 7-NH2-Hpo 4 Urd 8-NH2-Octo 8-NH2-Octo 5 Cy 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 6 AraC 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 7 Ads 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 8 Gus 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 9 Thd 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 10 Drib 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 11 Drib 8-NH2-Octo 8-NH2-Octo 12 Drib 6-Gud-Hxo 6-Gud-Hxo 13 Drib 9-NH2-4,8-Me-Nono 9-NH2-4,8-Me-Nono 14 Drib 14-NH2-9-Cl-Tedco 14-NH2-9-Cl-Tedco 15 Drib 20-NH2-Icso 20-NH2-Icso 16 Drib 12-NH2-6-Cl-Ddc 12-NH2-6-Cl-Ddc 17 Drib 19-NH2-Ndc 19-NH2-Ndc 18 Ads 9-NH2-4,8-Me-Nono 9-NH2-4,8-Me-Nono 19 Ads 14-NH2-9-Cl-Tedco 14-NH2-9-Cl-Tedco 20 Ads 20-NH2-Icso 20-NH2-Icso 21 Dglc 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 22 1-O-Ph-Glc 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 23 1-O-Hx-Glc 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 24 1-O-Oc-Glc 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 25 1-O-Ddc-Glc 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 26 Drib 6-NH2-Hx 6-NH2-Hx 27 Drib 8-NH2-Oc 8-NH2-Oc 28 Dglc 6-NH2-Hx 6-NH2-Hx 29 DribN 6-NH2-Hx 6-NH2-Hxo 30 Drib 6-Gud-Hx 6-Gud-Hx 31 Drib 6-NH2-2,2-Me-Hxo 6-NH2-2,2-Me-Hxo 32 Urd 6-NH2-2,2-Me-Hxo 6-NH2-2,2-Me-Hxo 33 1,2-O-3-CH2O-cPnn 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 34 1,2,3-O-4-CH2O-cHxn 6-NH2-Hxo 6-NH2-Hxo 35 1,2-O-3-CH2O-cPnn 6-NH2-Hx 6-NH2-Hx 36 1,2,3-O-4-CH2O-cHxn 6-NH2-Hx 6-NH2-Hx 37 1,2,3-O-Prp 6-NH2-Hxo - 38 1,2,3-O-Prp 6-Gud-Hx - 39 1,2,3-O-Prp 6-NH2-2,2-Me-Hxo - 40 1,2,3-O-Prp 9-NH2-4,8-Me-Nono - 41 1,2,3-O-Prp 14-NH2-9-Cl-Tedco - 42 1,2,3-O-Prp 20-NH2-Icso - 43 1,2,3-O-Prp 16-NH2-3,7,11,15-Me-Hxd - 44 2-Me-1,2,3-O-Prp 6-NH2-Hxo - 45 3-MeO-1,6-O-Hxn 6-NH2-Hxo - 46 1,3,5,7,10-O-Dcn 6-NH2-Hxo - −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0029】上記表中、「Ads」は、2',3'-ジ-O-R1-5'
-O-R2-アデノシン、「AraC」は、2',3'-ジ-O-R1-5'-O
-R2-アラビノシチジン、「Cy」は、2',3'-ジ-O-R1-5'
-O-R2-シチジン、「Dglc」は、2,3,4-トリ-O-R1-6-O-
2-1-デオキシ-D-グルコース、「Drib」は、2,3-ジ-O-
1-5-O-R2-1-デオキシ-D-リボース、「DribN」は、2,
3-ジ-O-R1-5-NHR2-1,5-ジ-デオキシ-D-リボース、「G
lc」は、2,3,4-トリ-O-R1-6-O-R2-1-β-D-グルコピラ
ノース、「Gus」は、2',3'-ジ-O-R1-5'-O-R2-グアノ
シン、「Thd」は、2',3'-ジ-O-R1-5'-O-R2-チミジ
ン、「Urd」は、2',3'-ジ-O-R1-5'-O-R2-ウリジン、
「1,2,3-O-4-CH2O-cHxn」は、1,2,3-トリ-OR1-4-CH2O
2-シクロヘキサン、「1,2-O-3-CH2O-cPnn」は、1,2-
ジ-OR1-3-CH2OR2-シクロペンタン、「1,3,5,7,10-O-D
cn」は、1,3,5,7,10-テトラ-OR1-デカン、「1,6-O-Hx
n」は、1,6-ジ-OR1-ヘキサン、「1,2,3-O-Prp」は、1,
2,3-トリ-OR1-プロパン、「Ddc」は、ドデシル基、「G
ud」は、グアニジノ基、「Hpo」は、ヘプタノイル基、
「Hx」は、ヘキシル基、「Hxd」は、ヘキサデシル基、
「Hxo」は、ヘキサノイル基、「Icso」は、イコサノイ
ル基、「Me」は、メチル基、「MeO」は、メトキシ基、
「Ndc」は、ノナデシル基、「Nono」は、ノナノイル
基、「Oc」は、オクチル基、「Octo」は、オクタノイル
基、「Ph」は、フェニル基、「Pno」は、ペンタノイル
基、「Tedco」は、テトラデカノイル基を示す。
【0030】上記表中、好ましい化合物としては、化合
物番号1、2、3、4、10、11、21、22、23、24、26及
び37の化合物が挙げられ、更に好ましい化合物として
は、化合物番号1、2、3、4、10、11、21及び37の化
合物が挙げられ、最も好ましい化合物としては、 化合物番号1:2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)ウリジン、 化合物番号10:2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキサノ
イル)−1−デオキシ−D−リボース、 化合物番号21:2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)−1−デオキシ−D−グルコース、及び、 化合物番号37:1,2,3−トリ−(6−アミノヘキサノイル
オキシ)プロパンが挙げられる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の医薬に含有される化合物
(I)は、以下に記載するA乃至Cの方法により、製造
することができる。
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】
【0034】
【化5】
【0035】上記工程表中、A、R1、R2、X、m及び
nは、前述と同意義である。
【0036】R3は、水酸基の保護基又はアミノ基の保
護基を示し、好適には、トリフェニルメチル、α−ナフ
チルジフェニルメチル、4-メトキシフェニルジフェニル
メチルであり、更に好適には、4-メトキシフェニルジフ
ェニルメチルである。
【0037】R4及びR5は、同一又は異なって、水素原
子、下記β1群から選択される置換基を有していてもよ
い炭素数2乃至20個の脂肪族アシル基又は下記β1 群
から選択される置換基を有していてもよい炭素数2乃至
20個のアルキル基を示す。但し、R4又はR5の少なく
とも一方には、アミノ基が存在する。 [β1群]ハロゲノ基、及び、アミノ基。
【0038】R1a及びR2aは、異なって、下記β2 群か
ら選択される置換基を有していてもよい炭素数2乃至2
0個の脂肪族アシル基、又は、下記β2 群から選択され
る置換基を有していてもよい炭素数2乃至20個のアル
キル基を示す。但し、R1a又はR2aの少なくとも一方に
は、保護されたアミノ基又はアジド基が存在する。 [β2群]ハロゲノ基、保護されたアミノ基、及び、ア
ジド基。
【0039】β2 群の定義における「保護されたアミノ
基」の「保護基」としては、前記δ群の定義における
「保護されていてもよいアミノ基」の保護基と同様の基
を挙げることができるが、好適には、t-ブトキシカルボ
ニル基である。
【0040】A法は、R1とR2が異なる場合に、化合物
(II)から、アミノアルキル若しくはアミノアシル基を
有する目的化合物(Ia)を得る方法である。B法は、R
1とR2が同じ場合に、化合物(II)から、アミノアルキ
ル若しくはアミノアシル基を有する目的化合物(Ib)を
得る方法である。C法は、アミノ基を有する化合物(I
c)から、グアニジノ基を有する目的化合物(Id)を得
る方法である。以下、A乃至C法の各工程につき、詳細
に説明する。
【0041】A法 (A−1工程)本工程は、化合物(II)の一級水酸基又
はアミノ基を保護する工程である。
【0042】本工程において用いられる水酸基又はアミ
ノ基の保護基としては、塩基性で安定な基が好適であ
り、例えば、イソプロピルジメチルシリル、t-ブチルジ
メチルシリル、トリイソプロピルシリルのような「シリ
ル基」;トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニル
メチル、4-メトキシフェニルジフェニルメチルのような
「アラルキル基」を挙げることができ、好適には、4-メ
トキシフェニルジフェニルメチル基であり、それぞれの
基に応じた周知の方法によって、水酸基を保護すること
ができる。例えば、4-メトキシフェニルジフェニルメチ
ル基による保護は、水酸基を有する化合物をピリジンに
溶解し、4-メトキシフェニルジフェニルメチルクロリド
を加え、室温で10乃至20時間攪拌することによって
行うことができる。
【0043】反応終了後、本反応の目的化合物は、常法
に従って、反応混合物から採取される。例えば、溶剤を
留去し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を
加え、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する
場合にはろ過により除去した後、水等で洗浄後、溶剤を
留去することによって得られる。得られた目的化合物は
必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿、又は、通
常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例え
ば、シリカゲル、アルミナ、マグネシウム−シリカゲル
系のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマ
トグラフィー法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化
シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー
法を適宜組合せ、適切な溶離剤で溶出することによって
分離、精製することができる。
【0044】(A−2工程)本工程は、化合物(III)
に一般式 R1aYで表わされる化合物を反応させて化合
物(IV)を製造する工程である。Yは、塩素、臭素、沃
素のようなハロゲン原子又は水酸基である。
【0045】1)Yがハロゲン原子である場合 本工程は、不活性溶剤中、塩基の存在又は非存在下、化
合物(III)に1乃至4当量(好適には2乃至3当量)
の一般式 R1aYで表わされる化合物を反応させて行わ
れる。
【0046】使用される溶媒としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳
香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四
塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル
のようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト
キシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルの
ようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリ
ルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘ
キサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類を挙げ
ることができ、好適には、芳香族炭化水素類、エーテル
類又はアミド類である。
【0047】使用される塩基としては、通常の反応にお
いて塩基として使用されるものであれば、特に限定はな
いが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウムのようなア
ルカリ金属炭酸水素塩類;水素化リチウム、水素化ナト
リウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物
類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウ
ム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物類;
弗化ナトリウム、弗化カリウムのようなアルカリ金属弗
化物類等の無機塩基類;N−メチルモルホリン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジ
ン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4
−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ
(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン
のような有機塩基類を挙げることができ、好適には、無
機塩基類であり、更に好適には、アルカリ金属水素化物
類又はアルカリ金属水酸化物類である。又、反応を効果
的に行わせるために、例えば、ベンジルトリエチルアン
モニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド
のような第4級アンモニウム塩類、18−クラウン−6−
エーテルのようなクラウンエーテル類を添加することも
できる。
【0048】反応温度は、通常、−20℃乃至使用する
溶媒の還流温度で行なわれるが、好適には、0℃乃至使
用する溶媒の還流温度である。反応時間は、主に反応温
度、原料化合物、使用される塩基又は使用される溶媒の
種類によって異なるが、通常、10分間乃至3日間であ
り、好適には、2乃至3日間である。
【0049】反応終了後、本反応の目的化合物(IV)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反
応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には
濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和し
ない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層
を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留
去することによって得られる。
【0050】得られた目的化合物は必要ならば、常法、
例えば再結晶、再沈殿、又は、通常、有機化合物の分離
精製に慣用されている方法、例えば、シリカゲル、アル
ミナ、マグネシウム−シリカゲル系のフロリジルのよう
な担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー法、又
は、シリカゲル若しくはアルキル化シリカゲルによる順
相・逆相カラムクロマトグラフィー法を適宜組合せ、適
切な溶離剤で溶出することによって分離、精製すること
ができる。
【0051】2)Yが水酸基である場合 本工程は、不活性溶剤中、「縮合剤」及び塩基の存在
下、化合物(III)に一般式 R1aOHで表わされる化合
物を反応させて行われる。
【0052】使用される溶剤としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪
族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような
芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエ
チルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
メトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニ
トリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノ
ン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類
を挙げることができる。
【0053】使用される「縮合剤」としては、1,3−
ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,3−ジイソプロ
ピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド
類;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンの
ようなホスフィン類とアゾジカルボン酸ジエチル、1,
1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンのようなアゾ
ジカルボン酸エステル又はアゾジカルボキシアミド類の
組合せ等を挙げることができるが、好適には、カルボジ
イミド類である。
【0054】使用される塩基としては、通常の反応にお
いて塩基として使用されるものであれば、特に限定はな
いが、好適には、N−メチルモルホリン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、
ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−
(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(te
rt−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N
−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのよう
な有機塩基類を挙げることができる。尚、4−(N,N
−ジメチルアミノ)ピリジン、4−ピロリジノピリジン
は、他の塩基と組み合わせて、触媒量を用いることもで
きる。
【0055】反応温度は、−20℃乃至80℃で行なわ
れるが、好適には、0℃乃至室温である。反応時間は、
主に反応温度、原料化合物、反応試薬又は使用される溶
媒の種類によって異なるが、通常、10分間乃至3日間
で、好適には、30分間乃至1日間である。
【0056】反応終了後、本反応の目的化合物は、常法
に従って、反応混合物から採取される。例えば、溶剤を
留去し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を
加え、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する
場合にはろ過により除去した後、水等で洗浄後、溶剤を
留去することによって得られる。得られた目的化合物は
必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿、又は、通
常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例え
ば、シリカゲル、アルミナ、マグネシウム−シリカゲル
系のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマ
トグラフィー法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化
シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー
法を適宜組合せ、適切な溶離剤で溶出することによって
分離、精製することができる。
【0057】(A−3工程)本工程は、化合物(IV)の
一級水酸基又はアミノ基を脱保護して、化合物(V)を
得る工程であり、保護基の種類に応じた周知の方法によ
って反応を行うことができる。例えば、保護基が4-メト
キシフェニルジフェニルメチルである場合は、保護され
た化合物を80%酢酸に溶解し、室温で3乃至10時間
攪拌することによって保護基を除去することができる。
【0058】反応終了後、本反応の目的化合物は、常法
に従って、反応混合物から採取される。例えば、溶剤を
留去し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を
加え、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する
場合にはろ過により除去した後、水等で洗浄後、溶剤を
留去することによって得られる。得られた目的化合物は
必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿、又は、通
常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例え
ば、シリカゲル、アルミナ、マグネシウム−シリカゲル
系のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマ
トグラフィー法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化
シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー
法を適宜組合せ、適切な溶離剤で溶出することによって
分離、精製することができる。
【0059】(A−4工程)本工程は、化合物(V)に
一般式 R2aYで表わされる化合物を反応させて化合物
(VI)を製造する工程であり、前記A−2工程と同様に
行うことができる。
【0060】(A−5工程)本工程は、化合物(VI)に
還元反応又はアミノ基の脱保護反応を行い、化合物(I
a)を製造する工程である。
【0061】1)化合物(VI)にアジド基が存在する場
合 本工程は、不活性溶剤中、約3当量のトリフェニルホス
フィンを作用させて、化合物(VI)のアジド基をアミノ
基に還元し、目的化合物(Ia)を製造する工程である。
【0062】使用される溶媒としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキ
シエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのよ
うなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ジエチレングリコール、シクロヘキサノールのよう
なアルコール類を挙げることができ、好適には、テトラ
ヒドロフラン又はメタノールである。
【0063】反応温度は、好適には、室温であり、反応
時間は、主に反応温度、原料化合物又は使用される溶媒
の種類によって異なるが、通常、1乃至3日間であり、
好適には、2乃至3日間である。
【0064】反応終了後、本反応の目的化合物(Ia)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反
応混合物の溶剤を留去した後、塩酸等の酸と酢酸エチル
のような混和しない有機溶媒を加え、目的化合物を含む
水層を分離し水を留去し、必要ならば逆層クロマトグラ
フィー等で精製して、目的化合物を酸塩として得ること
ができる。
【0065】2)化合物(VI)に保護されたアミノ基が
存在する場合 本工程は、水性溶剤中、酸又は塩基で処理することによ
りアミノ基を脱保護し、目的化合物(Ia)を製造する工
程である。
【0066】使用される溶剤としては、通常の加水分解
反応に使用されるものであれば特に限定はなく、水;メ
タノール、エタノール、n-プロパノールのようなアルコ
ール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエー
テル類等の有機溶媒又は水と上記有機溶媒との混合溶媒
が好適である。
【0067】使用される酸としては、通常酸として使用
されるもので、反応を阻害しないものであれば特に限定
はなく、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸のような無機
酸又はトリフルオロ酢酸のような有機酸が用いられ、使
用される塩基としては、化合物の他の部分に影響を与え
ないものであれば特に限定はないが、ナトリウムメトキ
シドのような金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩
類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムのようなアルカリ金属水酸化物類又はアンモニア水、
濃アンモニア−メタノールのようなアンモニア類が用い
られる。
【0068】反応温度及び反応時間は、出発物質、溶媒
及び使用される酸若しくは塩基等により異なり、特に限
定はないが、副反応を抑制するために、通常は0乃至15
0℃で、1乃至10時間実施され、好適には、室温で1乃
至4時間である。
【0069】反応終了後、本反応の目的化合物は、常法
に従って、反応混合物から採取される。例えば、溶剤を
留去し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を
加え、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する
場合にはろ過により除去した後、水等で洗浄後、溶剤を
留去することによって得られる。得られた目的化合物は
必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿、又は、通
常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例え
ば、イオン交換クロマトを使用する方法、シリカゲル、
アルミナ、マグネシウム−シリカゲル系のフロリジルの
ような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー法、
又は、シリカゲル若しくはアルキル化シリカゲルによる
順相・逆相カラムクロマトグラフィー法を適宜組合せ、
適切な溶離剤で溶出することによって分離、精製するこ
とができる。
【0070】B法 (B−1工程)本工程は、化合物(II)に一般式 R1a
Yで表わされる化合物を反応させて化合物(VII)を製
造する工程であり、前記A−2工程と同様に行われる。
Yは、前記と同様に、塩素、臭素、沃素のようなハロゲ
ン原子又は水酸基である。
【0071】(B−2工程)本工程は、化合物(VII)
に還元反応又はアミノ基の脱保護反応を行い化合物(I
b)を製造する工程であり、前記A−5工程と同様に行
われる。
【0072】C法 (C−1工程)本工程は、不活性溶剤中、塩基性の条件
下、化合物(Ic)に1−グアニル−3,5−ジメチルピラ
ゾール ニトレートを反応させて、グアニジノ化された
目的化合物(Id)を製造する工程である。
【0073】使用される溶剤としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、好適には、ホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキ
サメチルホスホロトリアミドのようなアミド類を挙げる
ことができる。
【0074】塩基性の条件としては、pH9 が好適であ
り、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリ
ジン等のアミン類を徐々に加えて調節する。
【0075】反応温度は、好適には、室温であり、反応
時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬又は使用
される溶媒の種類によって異なるが、通常、1乃至3日
間であり、好適には、2日間である。
【0076】反応終了後、本反応の目的化合物(Id)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反
応混合物の溶剤を留去した後、逆層クロマトグラフィー
及び陰イオン交換樹脂を用いて精製し、流出液を濃縮
後、凍結乾燥することによって目的化合物を酸塩として
得ることができる。
【0077】本発明の、新規な塩基性化合物を含有する
医薬は、優れたトリプターゼ・クララ阻害作用を有し、
且つ、毒性も少ないので、インフルエンザ感染の予防又
は治療に有用である。
【0078】本発明の、新規な塩基性化合物を含有する
医薬の投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、
顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口投与又は
注射剤若しくは坐剤等による非経口投与を挙げることが
でき、これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、
葡萄糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導体;ト
ウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デ
キストリン、カルボキシメチルデンプンのような澱粉誘
導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
カルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナト
リウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキ
ストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質
無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸
マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸カルシウムの
ような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カ
ルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げること
ができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのような
ステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガ
ム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫
酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;
安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム
塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウ
ムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のよ
うな珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができ
る。)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、マク
ロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げるこ
とができる。)、崩壊剤(例えば、前記賦形剤と同様の
化合物、及び、クロスカルメロースナトリウム、カルボ
キシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリ
ドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を
挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プ
ロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル
類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニル
エチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザル
コニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール
類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を
挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使
用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができ
る。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造さ
れる。
【0079】その使用量は症状、年齢、投与方法等によ
り異なるが、例えば、経口投与の場合には、1回当り、
下限として、0.1mg/kg体重(好ましくは、1mg/kg体
重)、上限として、1000mg/kg 体重(好ましくは、500m
g/kg体重)を、静脈内投与の場合には、1回当り、下限
として、0.01mg/kg 体重(好ましくは、0.1mg/kg体
重)、上限として、100mg/kg体重(好ましくは、50mg/k
g 体重)を1日当り1乃至数回症状に応じて投与するこ
とが望ましい。以下に、実施例、製剤例及び試験例を示
し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲
は、これらに限定されるものではない。
【0080】
【実施例1】2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキサ
ノイル)ウリジン・三塩酸塩(例示化合物番号1) (1a) 2',3',5'−トリ−O−(N−t−ブトキシカルボニ
ル−6−アミノヘキサノイル)ウリジン ウリジン(2.43g,9.95mmol)を無水ジメチルホルムアミ
ド15mlに溶解し、得られた溶液にN−t−ブトキシカルボ
ニル−6−アミノヘキサン酸(13.8g,59.8mmol)を加え
た。さらに、その溶液に、1M−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド/CH2Cl 2溶液(60ml,60mmol)及び4−ピロリ
ジノピリジン(147mg,0.993mmol)を、順次加えた。な
お、試薬を反応液へ完全に加えるため、無水ジメチルホ
ルムアミド35mlを使用した。得られた反応液を、窒素雰
囲気下、室温で3時間撹拌した。その後、反応液へ水4
mlを加えて反応を停止し、反応液を減圧下濃縮した。得
られた残渣に酢酸エチル100mlを加えて、生成した不溶
物を濾去し、濾液を0.05N塩酸100ml、次いで、飽和炭酸
水素ナトリウム水50ml、さらに、飽和食塩水50mlで2回
洗浄し、またさらに、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をアルミナカ
ラム(200g、シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1の混
液で溶出)で精製し、まず、カルボン酸を除去し、次い
で、シリカゲルカラム(180g、酢酸エチルで溶出)で精
製し、目的物をカラメル状物質として、5.97g(68%)得
た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 11.5(1H, bs), 7.7
0(1H, d, J=8.2Hz), 6.74(3H, bs), 5.87(1H, d, J=5.1
Hz), 5.71(1H, d, J=8.2Hz), 5.46(1H, t, J=5.7Hz),
5.35-5.32(1H, m), 4.34-4.21(3H, m), 2.90-2.85(6H,
m), 2.49-2.24(6H,m), 1.58-1.42(6H, m), 1.40-1.31(3
3H, m), 1.29-1.17(6H, m)
【0081】(1b) 2',3',5'−トリ−O−(6−アミノ
ヘキサノイル)ウリジン・三塩酸塩 (1a)で得られた化合物 1.04g(1.18mmol)に、氷冷下、80
%トリフルオロ酢酸水溶液10mlを加え、得られた反応液
を室温で1時間撹拌した。その後、反応液を減圧下濃縮
した。得られた濃縮液に、エタノール5ml及びトルエン5
mlを加え、減圧下、溶媒を留去した。さらに、この操作
を2回繰り返した。得られた残渣を、水5mlに溶解し、
その溶液を陰イオン交換樹脂Dowex1-X2(Cl-型、水に膨
潤させた状態で50ml)をつめたカラムに通し、流出液を
濃縮し、得られた濃縮液を凍結乾燥して、目的物を粉末
状物質として、675mg(82%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 8.35(bs, 6H), 7.9
4(1H, d, J=8.1Hz), 5.89(1H, d, J=5.0Hz), 5.73(1H,
d, J=8.1Hz), 5.61(1H, t, J=5.6Hz), 5.36-5.34(1H,
m), 4.36-4.23(3H, m), 2.77-2.72(6H, m), 2.44-2.27
(6H, m), 1.63-1.47(12H, m), 1.38-1.27(6H, m)
【0082】
【実施例2】2',3',5'−トリ−O−(5−アミノペンタ
ノイル)ウリジン・三トリフルオロ酢酸塩(例示化合物
番号2) (2a) 2',3',5'−トリ−O−(N−t−ブトキシカルボニ
ル−5−アミノペンタノイル)ウリジン ウリジン(2.45g,10.0mmol)を無水ジメチルホルムアミ
ド15mlに溶解し、得られた溶液にN−t−ブトキシカルボ
ニル−5−アミノペンタン酸(9.78g,45.0mmol)を加え
た。さらに、その溶液に、1M−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド/CH2Cl 2溶液(45ml,45mmol)及び4−ピロリ
ジノピリジン(154mg,1.04mmol)を順次加えた。なお、
試薬を反応液へ完全に加えるために、ジメチルホルムア
ミド45mlを使用した。得られた反応液を、窒素雰囲気
下、室温で6時間撹拌した。その後、反応液へ水4mlを加
えて、反応を停止し、反応液を減圧下濃縮した。得られ
た残渣に酢酸エチル100mlを加えて、生成した不溶物を
濾去し、濾液を0.05N塩酸100ml、次いで、飽和炭酸水素
ナトリウム水50ml、さらに、飽和食塩水50mlで2回洗浄
し、またさらに、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下溶媒を留去して得られた残渣をアルミナカラム(20
0g、シクロヘキサン:酢酸エチル=1:2の混液から段階
的に酢酸エチル100%にあげていった)で精製し、ま
ず、カルボン酸を除去し、次いで、シリカゲルカラム
(180g、酢酸エチルで溶出)で精製し、目的物を油状物
質として712mg(94%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 11.5(1H, bs), 7.7
0(1H, d, J=8.1Hz), 6.60(3H, bs), 5.87(1H, d, J=5.0
Hz), 5.71(1H, d, J=8.1Hz), 5.45(1H, t, J=5.7Hz),
5.34-5.31(1H, m), 4.34-4.20(3H, m), 2.94-2.87(6H,
m), 2.43-2.26(6H,m), 1.52-1.46(6H, m), 1.44-1.31(3
3H, m)
【0083】(2b) 2',3',5'−トリ−O−(5−アミノ
ペンタノイル)ウリジン・三トリフルオロ酢酸塩 (2a)で得られた化合物 643mg(0.763mmol)に、氷冷下、8
0%トリフルオロ酢酸水溶液10mlを加え、得られた反応液
を室温で4時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した。得
られた濃縮液に、エタノール5ml及びトルエン5mlを加
え、減圧下、溶媒を留去した。さらに、この操作を2回
繰り返し、目的物を粉末状物質として649.4mg(73%)得
た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 11.5(1H, bs), 7.8
6(bs, 6H), 7.72(1H, d,J=8.1Hz), 5.88(1H, d, J=5.1H
z), 5.74(1H, d, J=8.1Hz), 5.47(1H, t, J=5.8Hz), 5.
38-5.33(1H, m), 4.36-4.22(3H, m), 2.81-2.79(6H,
m), 2.47-2.32(6H,m), 1.58-1.55(12H, m)
【0084】
【実施例3】2',3',5'−トリ−O−(7−アミノヘプタ
ノイル)ウリジン・三トリフルオロ酢酸塩(例示化合物
番号3) N−t−ブトキシカルボニル−5−アミノペンタン酸の代
わりに、N−t−ブトキシカルボニル−7−アミノヘプタ
ン酸を用いる以外は、実施例2と同様に行ない、目的化
合物を粘性物質として338mg(70%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 11.5(1H, bs), 7.8
1(6H, bs), 7.72(1H, d,J=8.1Hz), 5.88(1H, d, J=5.2H
z), 5.73(1H, d, J=8.1Hz), 5.47(1H, t, J=5.7Hz), 5.
33(1H, t, J=5.5Hz), 4.36-4.21(1H, m), 4.27-4.22(2
H, m), 2.76(6H,bs), 2.43-2.26(6H, m), 1.53-1.48(12
H, m), 1.30-1.26(12H, m)
【0085】
【実施例4】2',3',5'−トリ−O−(8−アミノオクタ
ノイル)ウリジン・三トリフルオロ酢酸塩(例示化合物
番号4) N−t−ブトキシカルボニル−5−アミノペンタン酸の代
わりに、N−t−ブトキシカルボニル−8−アミノオクタ
ン酸を用いる以外は、実施例2と同様に行ない、目的化
合物を粘性物質として279mg(35%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 11.5(1H, bs), 7.8
1(bs, 6H), 7.72(1H, d,J=8.1Hz), 5.88(1H, d, J=5.4H
z), 5.72(1H, d, J=8.1Hz), 5.47(1H, t, J=5.8Hz), 5.
33(1H, t, J=5.5Hz), 4.35-4.30(1H, m), 4.27-4.21(2
H, m), 2.77(6H,bs), 2.42-2.25(6H, m), 1.53-1.48(12
H, m), 1.27-1.25(18H, m)
【0086】
【実施例5】2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキサ
ノイル)シチジン・四塩酸塩(例示化合物番号5) ウリジンの代わりに、シチジンを用いる以外は、実施例
1と同様に行ない、目的化合物を粉末状物質として28.9
mg(90%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 8.46(1H, bs), 8.1
5(bs, 6H), 8.00(1H, bs), 7.89(1H, d, J=7.6Hz), 6.0
2(1H, d, J=7.6Hz), 5.87(1H, d, J=4.4Hz), 5.48(1H,
dd, J=5.9, 4.6Hz), 5.36(1H, t, J=5.8Hz), 4.36-4.23
(3H, m), 2.75(6H, bs), 2.42-2.30(6H, m), 1.64-1.48
(12H, m), 1.38-1.30(6H, m)
【0087】
【実施例6】2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキサ
ノイル)−1−(β−D−アラビノフラノシル)シトシン
・四塩酸塩(例示化合物番号6) ウリジンの代わりに、1−(β−D−アラビノフラノシ
ル)シトシンを用いる以外は、実施例1と同様に行な
い、目的化合物を粉末状物質として56.6mg(51%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 8.26(2H, bs), 7.9
7-7.92(6H, m,), 7.79(1H, d, J=7.5Hz), 6.23(1H, d,
J=5.0Hz), 6.14(1H, d, J=6.6Hz), 5.43(1H, dd,J=4.8,
3.5Hz), 5.20(1H, bs), 4.38-4.26(3H, m), 2.78-2.73
(6H, m), 2.42-2.17(6H, m), 1.60-1.15(18H, m)
【0088】
【実施例7】2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキサ
ノイル)アデノシン・四トリフルオロ酢酸塩(例示化合
物番号7) ウリジンの代わりに、アデノシンを用い、また、N−t−
ブトキシカルボニル−5−アミノペンタン酸の代わり
に、N−t−ブトキシカルボニル−6−アミノヘキサン酸
を用いる以外は、実施例2と同様に行ない、目的化合物
を無色粒状物質として568mg(70%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 8.35(1H, s), 8.16
(1H, s), 7.83(6H, bs),7.42(2H, s), 6.19(1H, d, J=
5.2Hz), 6.05(1H, t, J=5.6Hz), 5.67(1H, t, J=5.4H
z), 4.36(1H, dd, J=8.7, 5.0Hz), 4.33(1H, dd, J=12,
3.3Hz), 4.26(1H,dd, J=12, 5.5Hz), 2.78-2.74(6H,
m), 2.46-2.22(6H, m), 1.60-1.41(12H, m),1.38-1.13
(6H, m)
【0089】
【実施例8】2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキサノイ
ル)−1−デオキシ−D−リボース・三トリフルオロ酢酸
塩(例示化合物番号10) (8a) 2,3,5−トリ−O−(N−t−ブトキシカルボニル
−6−アミノヘキサノイル)−1−デオキシ−D−リボー
1−デオキシ−D−リボース(該化合物は、J.Plavec et
al., J. Am. Chem. Soc.,115, 9734(1993)を参考にして
合成された。)(1.34g,10.0mmol)を無水ジメチルホル
ムアミド60mlに溶解した。得られた溶液に、ジイソプロ
ピルエチルアミン(15.6ml,89.6mmol)、N−t−ブトキシ
カルボニル−6−アミノヘキサン酸(17.3g,74.8mmo
l)、4−ジメチルアミノピリジン(369mg,3.02mmol)、1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド 塩酸塩 (14.4g,75.3mmol)を順次加えた。なお、
試薬を反応液へ完全に加えるため、ジメチルホルムアミ
ド60mlを使用した。得られた反応液を、窒素雰囲気下、
室温で24時間撹拌した。その後、水4mlを加えて、反応
を停止し、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢
酸エチル200ml及び水200mlを加えて、分液し、有機層を
0.05N塩酸100ml、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水50
ml、さらに、飽和食塩水50mlで2回洗浄し、またさら
に、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を
留去して得られた残渣をアルミナカラム(200g、塩化メ
チレンで溶出)で精製し、まず、カルボン酸を除去し、
次いで、シリカゲルカラム(5%メタノール/塩化メチレ
ンで溶出)で精製し、目的物を淡黄色油状物質として、
4.732g(61%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 6.76-6.73(3H, m),
5.30(1H, dd, J=8.9, 5.0Hz), 5.12(1H, t, J=5.8Hz),
4.19(1H, dd, J=12, 3.1Hz), 4.14(1H, dd, J=10, 5.0
Hz), 4.08(1H, dd, J=12, 5.5Hz), 4.06-4.02(1H, m),
3.73(1H, dd, J=10, 3.6Hz), 2.88(6H, dd, J=13, 6.7H
z), 2.34-2.21(6H, m), 1.55-1.44(6H, m), 1.43-1.30
(33H, m), 1.27-1.19(6H, m)
【0090】(8b) 2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)−1−デオキシ−D−リボース・三トリフルオ
ロ酢酸塩 (8a)で得られた化合物 1.91g(2.46mmol)に、80%トリフ
ルオロ酢酸水溶液50mlを加え、得られた反応液を、室温
で2時間撹拌した。その後、反応液を減圧下濃縮し、得
られた濃縮液にエタノール5ml及びトルエン5mlを加え、
減圧下溶媒を留去した。さらに、この操作を2回繰り返
した。残渣を水5mlに溶解し、逆層クロマトグラフィー
(RP-8カラム(メルク社製)、5%アセトニトリル水溶液で
溶出)で精製し、主ピークのフラクションを集めて濃縮
後、得られた濃縮液を凍結乾燥して、目的物を無色粘性
物質として、1.39g(69%)を得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.78(6H, bs), 5.3
1(1H, dd, J=8.9, 5.0Hz), 5.13(1H, t, J=5.7Hz), 4.2
1(1H, dd, J=11, 2.7Hz), 4.15(1H, dd, J=10, 5.0Hz),
4.09(1H, dd, J=11, 5.7Hz), 4.06-4.03(1H, m), 3.74
(1H, dd, J=10, 3.5Hz), 2.77(6H, bs), 2.34-2.22(6H,
m), 1.60-1.48(12H, m), 1.37-1.29(6H,m)
【0091】
【実施例9】2,3,5−トリ−O−(8−アミノオクタノイ
ル)−1−デオキシ−D−リボース・三トリフルオロ酢酸
塩(例示化合物番号11) ウリジンの代わりに、1−デオキシ−D−リボースを用
い、また、N−t−ブトキシカルボニル−5−アミノペン
タン酸の代わりに、N−t−ブトキシカルボニル−8−ア
ミノオクタン酸を用いる以外は、実施例2と同様に行な
い、目的化合物を無色粘性物質として66.2mg(37%)得
た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.74(6H, bs), 5.3
0(1H, dd, J=8.8, 4.9Hz), 5.12(1H, t, J=5.8Hz), 4.2
0(1H, dd, J=12, 2.9Hz), 4.14(1H, dd, J=10, 4.9Hz),
4.08(1H, dd, J=12, 5.4Hz), 4.05-4.02(1H, m), 3.73
(1H, dd, J=10, 3.6Hz), 2.77(6H, t, J=7.6Hz), 2.38-
2.21(6H, m), 1.51(12H, bs), 1.27(18H,bs)
【0092】
【実施例10】2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)−1−デオキシ−D−グルコース・四トリフル
オロ酢酸塩(例示化合物番号21) 1−デオキシ−D−リボースの代わりに、1−デオキシ−D
−グルコースを用いる以外は、実施例8と同様に行な
い、目的化合物を淡黄色粘性物質として470mg(100%)得
た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.80(8H, bs), 5.2
5(1H, t, J=9.5Hz), 4.92-4.80(2H, m), 4.11-4.00(2H,
m), 3.94(1H, dd, J=11, 5.5Hz), 3.86-3.82(1H, m),
3.65-3.55(1H, m), 2.82-2.69(8H, m), 2.34-2.15(8H,
m), 1.57-1.40(16H, m), 1.35-1.21(8H, m)
【0093】
【実施例11】2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)−フェニル−1−β−D−グルコピラノシド
・四トリフルオロ酢酸塩(例示化合物番号22) ウリジンの代わりに、フェニル−1−β−D−グルコピ
ラノシドを用い、また、N−t−ブトキシカルボニル−5
−アミノペンタン酸の代わりに、N−t−ブトキシカルボ
ニル−6−アミノヘキサン酸を用いる以外は、実施例2
と同様に行ない、目的化合物を無色粘性物質として498m
g(48%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.84(8H, bs), 7.3
3(2H, t, J=8.0Hz), 7.07(1H, t, J=7.3Hz), 6.97(2H,
d, J=8.3Hz), 5.58(1H, d, J=8.0Hz), 5.45(1H,t, J=9.
6Hz), 5.10-5.00(2H, m), 4.30-4.25(1H, m), 4.22-4.1
7(1H, m), 4.10-4.08(1H, m), 2.81-2.66(8H, m), 2.37
-2.19(8H, m), 1.55-1.41(16H, m), 1.33-1.21(8H, m)
【0094】
【実施例12】2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)−ヘキシル−1−β−D−グルコピラノシド
・四トリフルオロ酢酸塩(例示化合物番号23) ウリジンの代わりに、ヘキシル−1−β−D−グルコピ
ラノシドを用い、また、N−t−ブトキシカルボニル−5
−アミノペンタン酸の代わりに、N−t−ブトキシカルボ
ニル−6−アミノヘキサン酸を用いる以外は、実施例2
と同様に行ない、目的物を無色粒状物質として、169mg
(53%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.76(8H, bs), 5.3
2-5.23(1H, m), 4.91(1H, t, J=9.6Hz), 4.79-4.74(2H,
m), 4.16(1H, dd, J=12, 5.2Hz), 4.05-3.97(2H, m),
3.73-3.67(1H, m), 3.46-3.41(1H, m), 2.75(8H, bs),
2.35-2.15(8H, m), 1.56-1.39(18H, m), 1.35-1.20(14
H, m), 0.87-0.84(3H, m)
【0095】
【実施例13】2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)−オクチル−1−β−D−グルコピラノシド
・四トリフルオロ酢酸塩(例示化合物番号24) ウリジンの代わりに、オクチル−1−β−D−グルコピ
ラノシドを用い、また、N−t−ブトキシカルボニル−5
−アミノペンタン酸の代わりに、N−t−ブトキシカルボ
ニル−6−アミノヘキサン酸を用いる以外は、実施例2
と同様に行ない、目的物を無色粒状物質として、344mg
(81%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.78(8H, bs), 5.3
1-5.25(1H, m), 4.91(1H, t, J=9.6Hz), 4.78-4.74(2H,
m), 4.16(1H, dd, J=12, 5.1Hz), 4.05-3.97(2H, m),
3.73-3.63(1H, m), 3.46-3.41(1H, m), 2.75(8H, bs),
2.35-2.15(8H, m), 1.56-1.39(18H, m), 1.35-1.23(18
H, m), 0.88-0.84(3H, m)
【0096】
【実施例14】2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキ
サノイル)−ドデシル−1−β−D−グルコピラノシド
・四トリフルオロ酢酸塩(例示化合物番号25) 1−デオキシ−D−リボースの代わりに、ドデシル−1−
β−D−グルコピラノシドを用いる以外は、実施例8と
同様に行ない、目的化合物を白色粉末状物質として257m
g(61%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.82(8H, bs), 5.3
2-5.25(1H, m), 4.91(1H, t, J=9.7Hz), 4.79-4.73(2H,
m), 4.16(1H, dd, J=12, 5.0Hz), 4.04-3.97(2H, m),
3.72-3.67(1H, m), 3.46-3.40(1H, m), 2.78-2.72(8H,
m), 2.37-2.15(8H, m), 1.57-1.39(18H, m), 1.35-1.24
(26H, m), 0.87-0.84(3H, m)
【0097】
【実施例15】2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキシ
ル)−1−デオキシ−D−リボース(例示化合物番号2
6) (15a) 2,3,5−トリ−O−(6−アジドヘキシル)−1−
デオキシ−D−リボース 1−デオキシ−D−リボース(134mg、1.00mmol)を、テト
ラヒドロフラン10mlに溶解し、水酸化カリウム(505mg、
9.00mmol)、18−クラウン−6−エーテル(728mg、2.75mm
ol)を順次加え、得られた反応液を、撹拌しながら、2時
間加熱還流した。その後、反応液に、1−アジド−6−ブ
ロモヘキサン(該化合物は、文献E.Dieter et al., Lieb
igs Ann. Chem. 569(1991)に従って合成された。)(1.23
g、5.95mmol)を加え、さらに、室温で43時間撹拌した。
その後、飽和塩化アンモニウム水10mlを加えて、反応を
停止し、得られた溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣
に、酢酸エチル50mlと水50mlを加えて分液し、水層を酢
酸エチルで、さらに抽出し、もとの酢酸エチル層と合わ
せ、得られた酢酸エチル溶液を飽和食塩水50mlで洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留
去して得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢
酸エチル=8:2の混液で溶出)で精製し、目的物を無色
油状物質として225mg(44%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 3.95(1H, dd, J=8.
7, 4.4Hz), 3.81(1H, dd, J=9.4, 4.7Hz), 3.78-3.76(1
H, m), 3.68(1H, dd, J=6.3, 4.8Hz), 3.63(1H,dd, J=
9.6, 3.8Hz), 3.52-3.48(1H, m), 3.46-3.43(1H, m),
3.41-3.36(6H, m),3.30(6H, t, J=6.8Hz), 1.56-1.47(1
2H, m), 1.37-1.30(12H, m)
【0098】(15b) 2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキ
シル)−1−デオキシ−D−リボース・三塩酸塩 (15a)で得られた化合物 51.1mg(0.100mmol)を5mlのテ
トラヒドロフランに溶解し、そこへ、トリフェニルホス
フィン(158mg, 0.604mmol)と28%アンモニア水24mlを加
え、室温で3日間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得
られた残渣に0.02N塩酸30mlと酢酸エチル30mlを加えて
分液した。酢酸エチル層を0.02N塩酸50mlで、さらに、2
回抽出し、塩酸層を合わせて、減圧下濃縮した。得られ
た濃縮液を水2mlに溶解し、逆層クロマトグラフィー(R
P-8のカラム(メルク社製)、5%アセトニトリル水溶液で
溶出)で精製し、主ピークのフラクションを濃縮後、得
られた濃縮液を凍結乾燥して、目的物を白色粉末状物質
として、44.5mg(82%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 8.00(6H, bs), 3.9
5(1H, dd, J=8.5, 4.3Hz), 3.82(1H, dd, J=9.4, 4.5H
z), 3.79-3.76(1H, m), 3.68(1H, dd, J=6.3, 4.4Hz),
3.64(1H, dd, J=9.3, 3.4Hz), 3.52-3.34(8H, m), 2.74
(6H, bs), 1.56-1.47(12H, m), 1.35-1.30(12H, m)
【0099】(15c) 2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキ
シル)−1−デオキシ−D−リボース 化合物15bを水3mlに溶かして陰イオン交換樹脂(Dowex1
-OH-型)のカラムに通す。目的物を含むフラクションを
集め、減圧下濃縮し、水から凍結乾燥することにより、
フリー体が得られる。
【0100】
【実施例16】2,3,5−トリ−O−(8−アミノオクチ
ル)−1−デオキシ−D−リボース・三塩酸塩(例示化合
物番号27) 1−アジド−6−ブロモヘキサンの代わりに、1−アジド
−8−ブロモオクタンを用いる以外は、実施例15と同
様に行ない、目的化合物を白色粉末状物質として、19.5
mg(58%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.95(6H, bs), 3.9
4(1H, dd, J=8.4, 4.3Hz), 3.81(1H, dd, J=9.3, 4.6H
z), 3.78-3.75(1H, m), 3.67(1H, dd, J=6.4, 5.1Hz),
3.63(1H, dd, J=9.4, 3.6Hz), 3.51-3.36(8H, m), 2.75
-2.72(6H, m), 1.55-1.46(12H, m), 1.27(24H, bs)
【0101】
【実施例17】2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキ
シル)−1−デオキシ−D−グルコース・四塩酸塩(例示
化合物番号28) 1−デオキシ−D−リボースの代わりに、1−デオキシ−D
−グルコースを用いる以外は、実施例15と同様に行な
い、目的化合物を白色粉末状物質として、201mg(63%)得
た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 8.05(8H, bs), 3.8
9(1H, dd, J=11, 4.5Hz), 3.74-3.58(4H, m), 3.57-3.4
0(6H, m), 3.18-3.09(3H, m), 3.02-2.95(2H, m), 2.77
-2.72(8H, m), 1.57-1.45(16H, m), 1.32-1.30(16H, m)
【0102】
【実施例18】2,3−ジ−O−(6−アミノヘキシル)−
5−(6−アミノヘキサノイルアミノ)−1,5−ジ−デオ
キシ−D−リボース・三塩酸塩(例示化合物番号29) (18a) 1−デオキシ−5−モノメトキシトリチル−D−リ
ボース 1−デオキシ−D−リボース(13.4g,100mmol)をピリジ
ン500mlに溶解し、4−メトキシトリチルクロリド(37.0
g,120mmol)を加え、得られた反応液を室温で19時間撹
拌した。その後、水3mlを加え、反応を停止し、反応液
を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
(5%メタノール/塩化メチレンで溶出)で精製し、目的
物を白色カラメル状物質として、41.8g(78%)を得た。
【0103】(18b) 2,3−ジ−O−(6−アジドヘキシ
ル)−1−デオキシ−5−モノメトキシトリチル−D−リ
ボース (18a)で得られた化合物(12.3g,30.2mmol)を、無水ジ
メチルホルムアミド150mlに溶解し、窒素通気下、水素
化ナトリウム(4.55g,132mmol)及びトルエン15mlを加
え、得られた反応液を24時間撹拌した。その後、反応液
に、1−アジド−6−ブロモヘキサン(28.0g,136mmol)を
トルエン15mlに溶解した溶液を加え、さらに、30時間
撹拌した。その後、pHを測定しながら、反応液に酢酸2
mlを滴下して、中和にし、得られた溶液を減圧下濃縮
し、得られた濃縮液にエタノール5ml及びトルエン5mlを
加え、減圧下溶媒を留去した。さらに、この操作をもう
1回行なった。得られた残渣に水50ml及び塩化メチレン
50mlを加え、分液し、水層を塩化メチレンで2回抽出
し、もとの塩化メチレン層とこれら抽出層とを合せ、得
られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム液50ml、次いで、
飽和食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲル
クロマト(ヘキサン:酢酸エチル=8:2の混液で溶
出)で精製し、目的物を無色油状物質として10.9g(55%)
得た。
【0104】(18c) 2,3−ジ−O−(6−アジドヘキシ
ル)−1−デオキシ−D−リボース (18b)で得られた化合物 10.9g(16.5mmol)を、80%酢酸
水溶液に溶解し、室温で5時間撹拌した。その後、反応
液を減圧下濃縮し、トルエン50mlを加えて減圧下溶媒を
留去した。さらに、この操作をもう1回行なった。得ら
れた残渣をシリカゲルクロマト(ヘキサン−酢酸エチル
=6:4の混液で溶出)で精製し、目的物を無色油状物
質として4.39g(69%)得た。
【0105】(18d) 2,3−ジ−O−(6−アジドヘキシ
ル)−1−デオキシ−5−メタンスルホニル−D−リボー
(18c)で得られた化合物 4.39g(11.4mmol)を、無水塩化
メチレン50mlに溶解し、そこへ、トリエチルアミン3.35
ml(24.2mmol)を加え、得られた反応液を氷冷し、さら
に、メタンスルホニルクロリド1.79ml(23.1mmol)を滴下
した。室温で1時間撹拌後、反応液を氷水50mlに注ぎ、1
0分間撹拌した。得られた溶液に塩化メチレン50ml及び
水50mlを加えて、分液し、水層を塩化メチレンで2回抽
出した。もとの塩化メチレン層とこれら抽出層を合せ、
得られた溶液を、炭酸水素ナトリウム液100ml、さら
に、食塩水100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、濃縮乾固して、目的物を粗製物として5.60g得
た。
【0106】(18e) 2,3−ジ−O−(6−アジドヘキシ
ル)−1,5−ジ−デオキシ−5−フタルイミド−D−リボ
ース (18d)で得られた化合物(5.60g,11.4mmol)を、無水ジメ
チルホルムアミド250mlに溶解した。そこへ、フタルイ
ミドカリウム(4.23g,22.8mmol)を加えて溶解し、得ら
れた反応液を、液温95℃にて3時間撹拌した。その後、
反応液を室温に戻し、水3mlを加えて、反応を停止した
後、減圧下に濃縮した。酢酸エチル70ml及び水70mlを加
えて分液し、水層を酢酸エチルで5回抽出した。もとの
酢酸エチル層とこれら抽出層とを合わせ、得られた溶液
を飽和食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。得られた溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣に
ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶液(8:2)を加え、
生成した不溶物の除去を行い、濾液を濃縮した。再び析
出した不溶物を除去し、濾液を減圧下濃縮した。得られ
た残渣をシリカゲルクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=
7:3の混液で溶出)で精製し、目的物を黄色油状物質
として4.76g(81%)得た。
【0107】(18f) 5−アミノ−2,3−ジ−O−(6−ア
ジドヘキシル)−1,5−ジ−デオキシ−D−リボース (18e)で得られた化合物(190mg,0.370mmol)をエタノー
ル3mlに溶解し、ヒドラジン・一水和物(0.04ml,0.823m
mol)を加え、得られた反応液を2時間加熱還流した。そ
の後、反応液を、室温に戻し、生成した白色の不溶物を
濾去し、濾液を濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル50
ml及び50%炭酸水素ナトリウム液50mlを加えて分液し、
水層を酢酸エチルで2回抽出した。もとの酢酸エチル層
とこれら抽出層を合わせ、得られた溶液を飽和食塩水50
mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下
溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマト(5%
メタノール/塩化メチレンで溶出)で精製し、目的物を
淡黄色油状物質として117mg(82%)得た。
【0108】(18g) 5−(N−t−ブトキシカルボニル−6
−アミノヘキサノイルアミノ)−2,3−ジ−O−(6−ア
ジドヘキシル)−1,5−ジ−デオキシ−D−リボース (18f)で得られた化合物 2.34g(6.10mmol)を無水ジメチ
ルホルムアミド150mlに溶解した。そこへ、ジイソプロ
ピルエチルアミン(3.19ml,18.3mmol)、N−t−ブトキシ
カルボニル−6−アミノヘキサン酸(3.55g,15.3mmol)、
4−ジメチルアミノピリジン(149mg,1.22mmol)、1−エ
チル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド 塩酸塩 (2.92g,15.3mmol)を順次加えた。なお、試
薬を完全に反応液に加えるため、無水ジメチルホルムア
ミド50mlを使用した。得られた反応液を、窒素雰囲気
下、室温で24時間撹拌した。水5mlを加え、反応を停
止し、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣に、酢酸
エチル150ml及び水100mlを加え分液し、有機層を0.05N
塩酸100ml、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水50ml、
さらに、飽和食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣を
アルミナカラム(200g、塩化メチレンで溶出)で精製
し、まず、カルボン酸を除き、次いで、シリカゲルカラ
ム(200g、5%メタノール/塩化メチレンで溶出)で精製
し、目的物を油状物質として3.09g(86%)得た。
【0109】(18h) 2,3−ジ−O−(6−アミノヘキシ
ル)−5−(6−アミノヘキサノイルアミノ)−1,5−ジ
−デオキシ−D−リボース・三塩酸塩 (18g)で得られた化合物 (16.5mg,0.0276mmol)をメタノ
ール2mlに溶解し、そこへ、トリフェニルホスフィン(4
3.4mg,0.165mmol)を加え、得られた反応液を室温で24
時間撹拌した。その後、反応液に4N塩酸−ジオキサン溶
液0.2mlを加え、一晩放置した後、反応液を減圧下濃縮
した。得られた残渣に酢酸エチル5ml及び水5mlを加えて
分液し、有機層を水で2回抽出した。もとの水層とこれ
ら抽出層を凍結乾燥することにより、目的物を粘性物質
として6.8mg(44%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.95(6H, bs), 7.7
9-7.76(1H, m), 3.94(1H, dd, J=8.3, 4.2Hz), 3.85(1
H, dd, J=9.3, 4.6Hz), 3.71(1H, dd, J=11, 6.0Hz),
3.64(1H, dd, J=9.3, 3.7Hz), 3.59(1H, dd, J=6.2, 5.
0Hz), 3.56-3.54(2H, m), 3.25-3.11(4H, m), 2.75(6H,
bs), 2.09(2H, t, J=7.3Hz), 1.56-1.47(12H, m), 1.3
2-1.25(10H, m)
【0110】
【実施例19】1−デオキシ−2,3,5−トリ−O−(6−
グアニジノヘキシル)−D−リボース・三塩酸塩(例示
化合物番号30) (15b)で得られた化合物 40.3mg(0.0445mmol)をジメチル
ホルムアミド4mlに溶解し、トリエチルアミン0.3mlを徐
々に加えて、pHを9に調整した。そこへ、1−グアニル
−3,5−ジメチルピラゾール ニトレート(135mg,0.668
mmol)を加えて、溶解し、さらに、トリエチルアミン0.3
mlを徐々に加えて、pHを9に調整した。得られた反応液
を、室温で2日間撹拌後、反応液を減圧下濃縮した。得
られた残渣を水2mlに溶解し、逆層クロマトグラフィー
(RP-8のカラム(メルク社製)、5%アセトニトリル水溶液
で溶出)で精製した。主ピークのフラクションを濃縮
後、陰イオン交換樹脂Dowex1-X2(Cl-型、水に膨潤させ
た状態で30ml)で精製し、流出液を濃縮後、凍結乾燥し
て、目的物を白色粉末状物質として、22.3mg(45%)得
た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.76-7.67(3H, m),
7.42-6.88(9H, m), 3.95(1H, dd, J=8.4, 4.3Hz), 3.8
2(1H, dd, J=9.4, 4.5Hz), 3.79-3.76(1H, m), 3.75-3.
67(1H, m), 3.64(1H, dd, J=9.5, 3.6Hz), 3.51-3.35(8
H, m), 3.11-3.06(6H, m), 1.49-1.44(12H, m), 1.32-
1.04(12H, m)
【0111】
【実施例20】2,3,5−トリ−O−(6−アミノ−2,2−
ジメチルヘキサノイル)−1−デオキシ−D−リボース・
三塩酸塩(例示化合物番号31) (20a) 2,3,5−トリ−O−(N−t−ブトキシカルボニル
−6−アミノ−2,2−ジメチルヘキサノイル)−1−デオ
キシ−D−リボース 無水アセトニトリル240mlに、メタンスルホニルクロリ
ド(6ml,77.5mmol)を溶解し、得られた溶液を、−43℃
に冷却した。得られた溶液に、トリエチルアミン(60m
l,430mmol)及び参考例2で得られたN−t−ブトキシカ
ルボニル−6−アミノ−2,2−ジメチルヘキサン酸18.8g
を溶解したアセトニトリル溶液100mlを滴下し、得られ
た反応液を撹拌した。1.5時間後、反応液は−25℃にな
った。そこへ、あらかじめ調整しておいた1−デオキシ
−D−リボース(1.08g,8.05mmol)及び4−ジメチルアミ
ノピリジン(9.10g,74.5mmol)のアセトニトリル溶液100
mlを加えた。この混合液を室温まで自然に昇温し、その
まま12日間撹拌した。水10mlを加え、反応を停止し、反
応液を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチル300ml、水400
ml及び1N塩酸60mlを加えて分液し、有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水200ml、次いで、飽和食塩水200mlで洗浄
し、さらに、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下
溶媒を留去して得られた残渣をアルミナカラム(200g、
5%エタノール/塩化メチレン混液で溶出)で精製し、ま
ず、カルボン酸を除き、次いで、シリカゲルカラム(ヘ
キサン:酢酸エチル=7:3の混液で溶出)で精製し、
目的物を油状物質として2.14g(31%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 6.76-6.71(3H, m),
5.28(1H, dd, J=8.7, 4.4Hz), 5.16(1H, t, J=5.6Hz),
4.14(1H, dd, J=10, 4.7Hz), 4.23-4.21(1H, m), 4.05
-4.00(2H, m), 3.70(1H, dd, J=10, 3.5Hz), 2.87(6H,
dd, J=13, 6.5Hz), 1.52-1.40(6H, m), 1.36-1.25(30H,
m), 1.24-1.02(27H, m)
【0112】(20b) 2,3,5−トリ−O−(6−アミノ−2,
2−ジメチルヘキサノイル)−1−デオキシ−D−リボー
ス・三塩酸塩 (20a)で得られた化合物 1.93g(2.25mmol)に、80%トリフ
ルオロ酢酸水溶液150mlを加え、室温で2時間撹拌した。
その後、反応液を減圧下濃縮し、エタノール10ml及びト
ルエン10mlを加えて、留去する操作を2回行った。得ら
れた残渣を水に溶解し、陰イオン交換樹脂Dowex1-X2(C
l-型、水に膨潤させた状態で15ml)で精製し、さらに、
得られた溶液を逆層クロマトグラフィー(RP-8(メルク
社製)、5%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製し、主
ピークのフラクションを濃縮後、得られた濃縮液を凍結
乾燥することにより、目的物を無色粘性物質として1.15
g(77%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 8.06(6H, bs), 5.3
1(1H, dd, J=8.5, 4.4Hz), 5.17(1H, t, J=5.5Hz), 4.2
2(1H, dd, J=13, 4.4Hz), 4.15(1H, dd, J=10, 4.6Hz),
4.09-4.04(2H, m), 3.74(1H, dd, J=10, 3.5Hz), 2.74
(6H, bs), 1.55-1.42(12H, m), 1.39-1.12(24H, m)
【0113】
【実施例21】2',3',5'−トリ−(6−アミノ−2,2−ジ
メチルヘキサノイル)−ウリジン・三塩酸塩(例示化合
物番号32) 1−デオキシ−D−リボースの代わりに、ウリジンを用い
る以外は、実施例20と同様に行ない、目的化合物を白
色粉末状物質として120mg(63%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 11.5(1H, bs), 8.0
(6H, bs), 7.70(1H, d,J=8.1Hz), 5.89(1H, d, J=5.4H
z), 5.74(1H, d, J=8.1Hz), 5.51(1H, dd, J=5.5Hz),
5.35-5.33(1H, m), 4.30(3H, s), 2.74(6H, bs), 1.58-
1.32(12H, m), 1.31-1.04(24H, m)
【0114】
【実施例22】1,2,3−トリ−(6−アミノヘキサノイル
オキシ)プロパン・三トリフルオロ酢酸塩(例示化合物
番号37) ウリジンの代わりに、グリセロールを用い、N−t−ブト
キシカルボニル−5−アミノペンタン酸の代わりに、N−
t−ブトキシカルボニル−6−アミノヘキサン酸を用いる
以外は、実施例2と同様に行ない、目的化合物を無色粘
性物質として415mg(66%)得た。1 H-NMR(400MHz in d6-DMSO)δppm : 7.82(6H, bs), 5.2
1-5.16(1H, m), 4.25(2H, dd, J=12, 3.8Hz), 4.14(2H,
dd, J=12, 6.4Hz), 2.76(6H, bs), 2.33-2.28(6H, m),
1.56-1.48(12H, m), 1.34-1.26(6H, m)
【0115】
【参考例1】1−デオキシ−D−グルコース (1a)2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−デオ
キシ−D−グルコース アセトブロモ−α−D−グルコース(10.2g,24.7mmol)
を、トルエン200mlに溶解し、トリブチル錫ヒドリド(12
ml,45mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(207mg,1.2
6mmol)を順次加え、100℃の油浴上で3時間加熱還流し
た。その後、反応液に酢酸エチル250ml及び飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液200mlを加えて、分液し、有機層を
飽和食塩水200mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。減圧下溶媒を留去して、得られた残渣をシリカ
ゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混液で溶
出)で精製し、得られた溶液を濃縮後、エタノールを加
えて、結晶化し、目的物を粉末状結晶として、6.82g(76
%)得た。
【0116】(1b)1−デオキシ−D−グルコース 参考例(1a)で得られた化合物(6.08g,18.3mmol)を、メ
タノール90mlに溶解し、ナトリウムメトキシド(1.19g,
6.14mmol)を加えて、室温で一晩撹拌した。その後、反
応液を減圧下濃縮して得られた残渣を陽イオン交換樹脂
(Dowex1-50WH+型、膨潤状態で50ml)で精製し、得られ
た溶液を濃縮後、エタノールを加えて、結晶化し、目的
物を白色粉末状結晶として、2.30g(77%)得た。
【0117】
【参考例2】N−t−ブトキシカルボニル−6−アミノ−
2,2−ジメチルヘキサン酸 (2a) 5−シアノ−2,2−ジメチルペンタン酸メチル
エステル ジイソプロピルアミン(25.5ml,182mmol)を無水テトラ
ヒドロフラン250mlに溶解し、−78℃で、ブチルリチウ
ムの1.6Mヘキサン溶液(100ml,160mmol)を滴下し、0℃
で2時間撹拌した。その後、反応液を再び−78℃に冷却
し、30mlの無水テトラヒドロフランに溶解したイソ酪酸
メチル(17.4ml,152mmol)を滴下し、2時間撹拌した。次
に、−78℃で、4−ブロモブチロニトリル(26.3ml,265
mmol)を加え、一晩かけて室温まで昇温した。その後、
反応液を0℃に冷却し、酢酸9mlを加え5分撹拌後、減圧
下濃縮した。残渣に酢酸エチル200ml及び水200mlを加え
分液し、有機層を1N塩酸100ml、次いで、飽和炭酸水素
ナトリウム液150ml、さらに、飽和食塩水100mlで洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留
去して得られた残留物を蒸留し、3mmHg、105℃にて目的
物を無色油状物質として、17.8g(69%)得た。
【0118】(2b) 6−アミノ−2,2−ジメチルヘキ
サン酸メチルエステル 参考例(2a)で得られた化合物(45.5g,269mmol)をエタ
ノール15mlに溶解し、28%アンモニア水3.2ml及びラネー
コバルトの懸濁液5mlを加え、100℃、90気圧にて3時間
撹拌した。常温、常圧に戻した後、ラネー・コバルトを
濾去し、濾液を減圧下留去することにより、目的物を淡
黄色油状物質として49.3g(100%)得た。
【0119】(2c) N−t−ブトキシカルボニル−6−ア
ミノ−2,2−ジメチルヘキサン酸 参考例(2b)で得られた化合物(49.3g,269mmol)をジオキ
サン200mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム536mlを加えて
一晩放置した。そこへ、ジ−t−ブチルジカーボナート
を加え7時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。酢
酸エチル300ml及び水300mlを加えて激しく撹拌し、そこ
へクエン酸を少しずつ加えて、pHを3.5に調整した。有
機層を分離し、水層を酢酸エチル50mlで2回抽出した。
もとの有機層とこれら酢酸エチル層を合せて、有機層を
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下溶媒を留去し、目的物を白色粉末状物質とし
て、56.7g(81%)得た。
【0120】
【製剤例1】 散剤 実施例1の化合物 5g、乳糖 895g及びトウモロ
コシデンプン 100gをブレンダーで混合すると、散
剤が得られる。該散剤は1gあたり、5mgの実施例8
の化合物を含有する。
【0121】
【製剤例2】 顆粒剤 実施例1の化合物 5g、乳糖 865g及び低置換度
ヒドロキシプロピルセルロース 100gを混合した
後、10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液300
gを加えて練合する。これを押し出し造粒機を用いて造
粒し、乾燥すると顆粒剤が得られる。該顆粒剤は1gあ
たり、5mgの実施例8の化合物を含有する。
【0122】
【製剤例3】 カプセル剤 実施例1の化合物 5g、乳糖 115g、トウモロコ
シデンプン 58g及びステアリン酸マグネシウム 2
gをV型混合機を用いて混合した後、3号カプセルに1
80mgずつ充填するとカプセル剤が得られる。該カプ
セル剤は1カプセルあたり、5mgの実施例8の化合物
を含有する。
【0123】
【製剤例4】 錠剤 実施例1の化合物 5g、乳糖 90g、トウモロコシ
デンプン 34g、結晶セルロース 20g及びステア
リン酸マグネシウム 1gをブレンダーで混合した後、
錠剤機で打錠すると重量 150mgの錠剤が得られる。
該錠剤は1錠あたり 5mgの実施例8の化合物を含有す
る。
【0124】
【試験例1】トリプターゼ・クララ阻害活性測定法 96穴平底プレート(製品番号3070、FALCON
製)に、下に記す合成ペプチド基質から1分間に8.7
pmolの7−アミノ−4−メチルクマリンを生成する
量の、100mM トリス−塩酸(pH7.5)緩衝液
に溶かした精製ラット肺トリプターゼクララ酵素液80
μlとジメチルスルホキシド或いは生理食塩水で10
0、10、1.0、0.1μg/mlに希釈した被験物質
10μlを加え、更に、合成ペプチド基質として、5%
DMSOに溶解した1mM t−ブチルオキシカルボニ
ル−L−グルタミニル−L−アラニル−L−アルギニン
4−メチルクマリル−7−アミド((株)ペプチド研究
所製)溶液を10μl加え、終量100μlとした。室
温で30分間反応させた後、合成ペプチド基質の分解産
物である7−アミノ−4−メチルクマリンの蛍光を蛍光
プレートリーダー(CYTOFLUOR II、PEバ
イオシステムズジャパン株式会社製)を用いて、励起波
長360nm、検出波長460nm、Gain80で定
量した。この時、0%活性として、酵素液の代わりに1
25mM トリス−塩酸(pH7.5)のみを加え、1
00%活性として、被験物質の代わりにジメチルスルホ
キシドあるいは生理食塩水のみを加えたものを用意し
た。1つの検体につき2穴を使用し、2穴の測定値の平
均を基に反応を50%阻害する濃度を算出し、IC50
として表2に示した。
【0125】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 被験薬物 IC50(μg/ml) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例8の化合物 0.08 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例22の化合物 0.11 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1の化合物 0.21 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例10の化合物 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0126】
【発明の効果】本発明の医薬は、優れたトリプターゼ・
クララ阻害作用を有し、且つ、毒性も少ないので、イン
フルエンザ感染の予防又は治療に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7072 A61K 31/70 619 31/7076 620 31/708 621 C07D 307/20 C07D 307/20 309/10 309/10 C07H 19/067 C07H 19/067 19/09 19/09 19/167 19/167 (72)発明者 山下 誠 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 永澤 文子 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 Fターム(参考) 4C037 DA07 4C057 DD03 LL17 LL19 LL27 LL42 4C062 AA19 4C086 AA01 AA02 AA03 BA02 BA07 EA17 EA18 MA01 MA04 NA14 ZB33 ZC20 4C206 AA01 AA02 AA03 FA02 MA01 MA04 NA14 NA15 ZB33 ZC20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Aは、下記α群から選択される置換基を有して
    いてもよい炭素数2乃至10個のアルカン、 下記α群から選択される置換基を有していてもよい炭素
    数3乃至10個のシクロアルカン、又は、 下記α群から選択される置換基を有していてもよい3乃
    至10員環の環状エーテルを示し、 R1及びR2は、同一又は異なって、 水素原子、 下記β群から選択される置換基を有していてもよい炭素
    数2乃至20個の脂肪族アシル基、又は、 下記β群から選択される置換基を有していてもよい炭素
    数2乃至20個のアルキル基を示し、Xは、NH基又は
    酸素原子を示し、mは、2乃至6を示し、nは、0乃至
    1を示す。但し、nが0の場合は、 一般式(I)の化合物中で、R1が、 アミノ基又はグアニジノ基で置換された炭素数2乃至2
    0個の脂肪族アシル基、又は、 アミノ基又はグアニジノ基で置換された炭素数2乃至2
    0個のアルキル基であり、 nが1の場合は、 一般式(I)の化合物中で、R1又はR2の少なくとも1
    つが、 アミノ基又はグアニジノ基で置換された炭素数2乃至2
    0個の脂肪族アシル基、又は、 アミノ基又はグアニジノ基で置換された炭素数2乃至2
    0個のアルキル基である。)で表される化合物、その薬
    理上許容しうる塩又はそのプロドラッグを含有する医
    薬。 [α群]炭素数1乃至20個のアルコキシ基、 下記γ群から選択される置換基を有していてもよい炭素
    数6乃至10個のアリールオキシ基、 下記δ群から選択される置換基を有していてもよく、少
    なくとも窒素を1つ含有する複素環(但し、該複素環上
    の窒素とAとは単結合で結合する)、及び、 ハロゲノ基。 [β群]ハロゲノ基、 アミノ基、及び、 グアニジノ基。 [γ群]炭素数1乃至6個のアルキル基、 炭素数1乃至6個のアルコキシ基、及び、 ハロゲノ基。 [δ群]低級アルキル基、 ハロゲノ基、 保護されていてもよいアミノ基、及び、 オキソ基。
  2. 【請求項2】請求項1において、 Aが、α群から選択される置換基を有していてもよい炭
    素数3乃至6個のアルカン、 α群から選択される置換基を有していてもよい炭素数3
    乃至6個のシクロアルカン、又は、 α群から選択される置換基を有していてもよい3乃至6
    員環の環状エーテルである化合物、その薬理上許容しう
    る塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  3. 【請求項3】請求項1において、 Aが、プロパン、ブタン、又は、 α群から選択される置換基を有していてもよい5又は6
    員環の環状エーテルである化合物、その薬理上許容しう
    る塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  4. 【請求項4】請求項1において、Aが、プロパン、 オキサン、オキソラン、 2−アデニニルオキソラン、2−グアニニルオキソラ
    ン、 2−シトシニルオキソラン、2−チミニルオキソラン、
    又は、 2−ウラシリルオキソランである化合物、その薬理上許
    容しうる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4より選択されるいずれか1
    項において、R1及びR2が、同一又は異なって、 水素原子、 β群から選択される置換基を有していてもよい炭素数5
    乃至16個の脂肪族アシル基、又は、 β群から選択される置換基を有していてもよい炭素数5
    乃至16個のアルキル基である化合物、その薬理上許容
    しうる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4より選択されるいずれか1
    項において、R1及びR2が、同一又は異なって、 β群から選択される置換基を有していてもよい炭素数5
    乃至8個の脂肪族アシル基、又は、 β群から選択される置換基を有していてもよい炭素数5
    乃至8個のアルキル基である化合物、その薬理上許容し
    うる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4より選択されるいずれか1
    項において、R1及びR2が、同一又は異なって、 アミノ基若しくはグアニジノ基で置換されていてもよい
    炭素数5乃至8個の脂肪族アシル基、又は、 アミノ基若しくはグアニジノ基で置換されていてもよい
    炭素数5乃至8個のアルキル基である化合物、その薬理
    上許容しうる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7より選択されるいずれか1
    項において、Xが、酸素原子である化合物、その薬理上
    許容しうる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8より選択されるいずれか1
    項において、mが、2又は3である化合物、その薬理上
    許容しうる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9より選択されるいずれか
    1項において、nが、1である化合物、その薬理上許容
    しうる塩又はそのプロドラッグを含有する医薬。
  11. 【請求項11】請求項1において、以下で表わされる化
    合物、その薬理上許容される塩又はそのプロドラッグを
    含有する医薬: 2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキサノイル)ウリ
    ジン、 2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキサノイル)−1−デ
    オキシ−D−リボース、 2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキサノイル)−1
    −デオキシ−D−グルコース、又は、 1,2,3−トリ−(6−アミノヘキサノイルオキシ)プロパ
    ン。
  12. 【請求項12】請求項1乃至11に記載の医薬に含有さ
    れる化合物、その薬理上許容される塩又はそのプロドラ
    ッグを含有するインフルエンザ感染予防又は治療剤。
  13. 【請求項13】下記化合物、その薬理上許容される塩又
    はそのプロドラッグ: 2',3',5'−トリ−O−(6−アミノヘキサノイル)ウリ
    ジン、 2,3,5−トリ−O−(6−アミノヘキサノイル)−1−デ
    オキシ−D−リボース、 2,3,4,6−テトラ−O−(6−アミノヘキサノイル)−1
    −デオキシ−D−グルコース、又は、 1,2,3−トリ−(6−アミノヘキサノイルオキシ)プロパ
    ン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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