JP2002265439A - シアノピロリジン誘導体およびその医薬用途 - Google Patents

シアノピロリジン誘導体およびその医薬用途

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JP2002265439A
JP2002265439A JP2001065210A JP2001065210A JP2002265439A JP 2002265439 A JP2002265439 A JP 2002265439A JP 2001065210 A JP2001065210 A JP 2001065210A JP 2001065210 A JP2001065210 A JP 2001065210A JP 2002265439 A JP2002265439 A JP 2002265439A
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ethyl acetate
acid
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JP2001065210A
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Hiroshi Kitajima
浩 北嶋
Tomohiro Yoshida
知弘 吉田
Shuji Sonda
修二 尊田
Fumihiko Akaboshi
文彦 赤星
Yoshiharu Hayashi
義治 林
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Mitsubishi Pharma Corp
Original Assignee
Mitsubishi Pharma Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明目的はDPP−IV阻害作用による治療
効果を有し、医薬品として満足できる化合物を提供する
ことにある。 【解決手段】本発明者らは、側鎖に親水性のアミノ基を
導入したシアノピロリジン誘導体、式(I)が強力なD
PP−IV阻害作用を有する事を見出し、さらに安定性
を高めて本発明を完成した。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明はジペプチジルペプチ
ダーゼIV(DPP−IV)阻害作用を示し、糖尿病、
肥満、HIV感染、癌転移、皮膚病、前立腺肥大症、歯
根膜炎または自己免疫疾患等の治療または予防に有用な
シアノピロリジン誘導体またはその塩に関する。
【0001】
【従来の技術】DPP−IVはN末端から2番目にプロ
リン(アラニン,ヒドロキシプロリンでもよい)を有す
るアミノ酸配列を認識し、ジペプチドXaa−Proを
産生するセリンプロテアーゼである(Xaaは任意のア
ミノ酸、ProはL−プロリンを示す)。DPP−IV
は、哺乳動物組織中に広く分布し、特に血液、腎臓、腸
管上皮及び胎盤に存在することが知られている。哺乳動
物におけるDPP−IVの生理学的役割は完全には解明
されていないが、神経ペプチドの分解〔ヘイマン(He
ymann)等、FEBSレターズ(FEBS Let
ters)第91巻、360−364頁(197
8)〕、T細胞の活性化〔ショーン(Schon)等、
バイオメディカ・バイオキミカ・アクタ(Biomed
ica Biochimica Acta)第44巻、
K9−K15頁(1985)〕、転移性腫瘍細胞の内皮
への接着〔ジョンソン(Johnson)等、ジャーナ
ル・オブ・セル・バイオロジー(Journal of
Cell Biology)、第121巻、1423
−1432頁(1993)〕、HIVウイルスのリンパ
球への侵入〔カレバウト(Callebaut)等、サ
イエンス(Science)第262巻、2045−2
050頁(1993)〕等の広範囲にわたる生体機能に
関与することが明らかにされつつある。なかでも、強力
なインスリン分泌能を有し食後の血糖値調節を担う生体
内物質グルカゴン様ペプチド(GLP−1)を不活性化
する酵素としてのDPP−IVの役割が注目されている
〔デアコン(Deacon)等、ジャーナル・オブ・ク
リニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム
(Journal of Clinical Endo
crinology and Metabolis
m)、第80巻、952−957頁(1995)〕。
【0002】GLP−1は生体内において数分で代謝さ
れることが知られている。その中でも特にDPP−IV
による代謝は重要であり、GLP−1を速やかに切断し
て不活性型GLP−1を産生する〔デアコン(Deac
on)等、アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロ
ジー(American Journal of Ph
ysiology)、第271巻、E458−E464
頁(1996)〕。加えて、この不活性型GLP−1が
GLP−1レセプターに対し拮抗作用することから、G
LP−1の生理的作用がさらに減弱化すると考えられて
いる〔ヌーゼン(Knudsen)等、ヨーロピアン・
ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Europea
n Journal of Pharmacolog
y)、第318巻、429−435頁(1996)〕。
従って、DPP−IV阻害によりGLP−1の分解を抑
制する方法はGLP−1作用増強のアプローチとして最
良と考えられる。すなわち、DPP−IV阻害薬はイン
スリン非依存型糖尿病(2型糖尿病)患者にとって、遷
延性低血糖などの副作用を伴わずに食後高血糖を是正す
る優れた治療方法になり得るものと期待されている。D
PP−IV阻害薬に関する特許出願も既になされてい
る。特表平9−509921号には(S)−2−シアノ
−1−(N−ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リジ
ル)ピロリジンが開示されている。このL−リジン部分
は疎水性側鎖を有するL−α−アミノ酸に限定されてい
る。また、WO99/61431には天然アミノ酸とチ
アゾリジンまたはピロリジンからなる化合物が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在までに多くのDP
P−IV阻害薬が報告されているが〔オウガスチンス
(Augustyns)等、カレント・メディシナル・
ケミストリー(Current Medicinal
Chemistry)、第6巻、311−327頁(1
999)〕、いずれの化合物も、阻害活性、生体内の安
定性および安全性が十分とは言えず、医薬品として満足
出来るものではない。したがって、DPP−IV阻害作
用による治療効果を有し、医薬品として満足できる化合
物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の点
に鑑み新規DPP−IV阻害薬の開発を目的とし鋭意検
討を行った。その結果、本発明者らは、側鎖に親水性の
アミノ基を導入したシアノピロリジン誘導体が強力なD
PP−IV阻害作用を有する事を見出し、さらに安定性
を高めて本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は以下の化合物に関す
る。 (1)一般式(I)
【化5】 〔式中、nは1〜5までの整数を示し、Xは水素原子ま
たはアルキルを示し、Yは−NR12(R1はアリール
またはヘテロアリールを示し、R2は水素原子、アルキ
ル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまた
はヘテロアリールアルキルを示すか、または互いに結合
して、1〜2個の窒素原子または酸素原子をそれぞれ含
んでいてもよいヘテロサイクルを形成してもよく、さら
に、このヘテロサイクルに置換基を有していてもよい芳
香環が置換または縮合していてもよい。)を示し、Zは
CH2、CH−OH、S、S=OまたはSO2を示す。な
お、上記基のうち、アルキル、アリール、アリールアル
キル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、及び
ヘテロサイクルはそれぞれ置換基を有してもよい〕で表
されるシアノピロリジン誘導体またはその医薬上許容さ
れる塩。 (2)一般式(I)のYが下式
【化6】 〔式中、
【化7】 は単結合または二重結合を示し、R2は前記同様であ
り、R3、R4は同一または異なっていてもよく、それぞ
れ独立して水素原子、アルキル、アリール、アリールア
ルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ハ
ロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−NR56
−NHSO27、−OR8、−COOR9、−CONHS
21 0、−SO2OR1 1、−SO21 2または−CON
1314(R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R
12、R13、R14は同一または異なっていてもよく、それ
ぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、シ
クロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、
ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはハロア
ルキルを示すか、またはR5とR6、R1 3とR1 4はそれぞ
れ互いに結合して1〜2個の窒素原子または酸素原子を
それぞれ含んでいてもよいヘテロサイクルを形成しても
よく、さらに、このヘテロサイクルに置換基を有してい
てもよい芳香環が置換または縮合していてもよい。)を
示し、a、b、c、d、eは全て炭素原子であるか、ま
たはいずれか1つまたは2つが窒素原子で残りが炭素原
子を示し、mは0、1、2または3を示し、Aは炭素原
子または窒素原子を示す。ただし、i)Aが炭素原子を
示す場合、Aは水酸基、カルボキシルまたはアルコキシ
カルボニルで置換されていてもよい。また、ii)Aが
窒素原子を示す場合、
【化8】 は単結合を示す。なお、上記基のうち、アルキル、アリ
ール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリ
ールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキ
ル、ヘテロサイクルは、それぞれ置換基を有していても
よい。〕から選ばれる置換基である前記(1)に記載の
シアノピロリジン誘導体またはその医薬上許容される
塩。 (3)一般式(I)においてXが水素原子であり、Zが
CH2で表される前記(1)に記載のシアノピロリジン
誘導体またはその医薬上許容される塩。 (4)一般式(I)においてXが水素原子、Yが置換基
を有していてもよいフェニルアミノ、2−ピリジルアミ
ノ、4−フェニル−1−ピペラジニル、4−フェニルピ
ペリジノ、4−(2−ピリジル)−1−ピペラジニルで
表され、ZがCH 2で表される前記(1)に記載のシア
ノピロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩。 (5)前記(1)から(4)のいずれかに記載のシアノ
ピロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩と薬理
学上許容しうる担体とを含有する医薬組成物。 (6)前記(1)から(4)のいずれかに記載のシアノ
ピロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩を含有
するDPP−IV阻害剤。 (7)前記(1)から(4)のいずれかに記載のシアノ
ピロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩を有効
成分とするDPP−IVが関与する疾患の治療剤。 (8)前記疾患が糖尿病、肥満、HIV感染、癌転移、
皮膚病、前立腺肥大症、歯根膜炎または自己免疫疾患に
よるものである請求項7に記載の治療剤。
【0006】本明細書中で使用されている各記号につい
て以下に説明する。アルキルとは、好ましくは炭素数1
〜8で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等が挙げ
られる。
【0007】シクロアルキルとは、好ましくは炭素数3
〜7で、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
【0008】シクロアルキルアルキルとは、そのシクロ
アルキル部は上記と同等であり、そのアルキル部は、好
ましくは炭素数1〜3で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、
例えばシクロプロピルメチル、2−シクロブチルエチ
ル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチ
ル、2−シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチル
等が挙げられる。
【0009】アリールとは、好ましくはフェニル、ナフ
チル、またはオルト融合した二環式の基で8〜10個の
環原子を有し少なくとも一つの環が芳香環であるもの
(例えばインデニル等)等が挙げられる。
【0010】アリールアルキルとは、そのアリール部は
上記と同等であり、そのアルキル部は、好ましくは炭素
数1〜3で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばベンジ
ル、フェネチル、3−フェニルプロピル、1−ナフチル
メチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフ
チル)エチル、3−(2−ナフチル)プロピル等が挙げ
られる。
【0011】ヘテロアリールとは、好ましくは炭素及び
1〜4個のヘテロ原子(酸素、硫黄または窒素)を有す
る5〜6員環基、またはそれから誘導される8〜10個
の環原子を有するオルト融合した二環式ヘテロアリー
ル、特にベンズ誘導体、もしくはプロペニレン、トリメ
チレンもしくはテトラメチレン基をそれに融合して導か
れるもの、ならびにその安定なN−オキシド等が挙げら
れる。例えば、ピロリル、フリル、チエニル、オキサゾ
リル、イソキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イ
ソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリ
ル、1,3,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキ
サジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリジ
ル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,
2,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、
1,3,5−トリアジニル、ベンズオキサゾリル、ベン
ズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチア
ゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアナフテニル、イソチ
アナフテニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、
ベンゾチエニル、クロメニル、イソインドリル、インド
リル、インダゾリル、イソキノリル、キノリル、フタラ
ジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニ
ル、2,1,3−ベンズオキサジアゾリル、ベンゾキサ
ジニル等が挙げられる。
【0012】ヘテロアリールアルキルとは、そのヘテロ
アリール部は上記と同等であり、そのアルキル部は、好
ましくは炭素数1〜3で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、
例えば2−ピロリルメチル、2−ピリジルメチル、3−
ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、2−チエニルメ
チル、2−(2−ピリジル)エチル、2−(3−ピリジ
ル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、3−(2−
ピロリル)プロピル、4−イミダゾリルメチル等が挙げ
られる。
【0013】ヘテロサイクルとは、炭素および少なくと
も1個の窒素を有しさらに他のヘテロ原子(酸素または
硫黄)を有していてもよい4〜6員環基で、例えばアゼ
チジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、
モルホリノ、チオモルホリノ、オキソチオモルホリノ、
ジオキソチオモルホリノ等が挙げられる。さらに、上記
ヘテロサイクルに置換基を有していてもよい芳香環が縮
合していてもよく、例えば、インドリン、イソインドリ
ン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリン等が挙げられる。
【0014】ハロゲンとは、塩素、臭素、フッ素、ヨウ
素が挙げられる。ハロアルキルとは、トリフルオロメチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロ
エチル等が挙げられる。
【0015】なお、上記置換基のうち、アルキル、シク
ロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリ
ールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキ
ル、ヘテロサイクルは、以下に示す1個以上の置換基に
よってそれぞれ置換されていてもよい。これらの置換基
としては、例えば、ハロゲン、水酸基、ニトロ、シア
ノ、トリフルオロメチル、アルキル、アルコキシ、アル
キルチオ、ホルミル、アシルオキシ、オキソ、フェニ
ル、アリールアルキル、−COORa、−CH2COOR
a、−OCH2COORa、−CONRbc、−CH2CO
NRbc、−OCH2CONRbc、−COO(CH2
2NRef、−SO21、−CONRdSO21、−NR
ef、−NRgCHO、−NRgCOT2、−NRgCOO
2、−NRgCQNRij、−NRkSO23、−SO2
NRlm、−SO2NRnCOT4等が挙げられる。ここ
で、上記置換基の置換基において、ハロゲン、アルキ
ル、アリールアルキルは前述と同様のものが挙げられ
る。
【0016】アルコキシは、好ましくは炭素数1〜8で
直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ、オクチルオキシ等が挙げられる。アルキルチオ
は、好ましくは炭素数1〜8で直鎖状でも分岐鎖状でも
よく、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、
ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチ
オ等が挙げられる。アシルオキシは、好ましくは炭素数
1〜8で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばホルミル
オキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリ
ルオキシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシ、ヘキサ
ノイルオキシ等が挙げられる。
【0017】また、Ra〜Rnは、水素、アルキル(前述
と同様)、アリールアルキル(前述と同様)を示す。な
お、−NRbc、−NRef、−NRij、−NRlm
におけるRbとRc、ReとRf、RiとRj、RlとRmは、
それぞれ互いに結合してヘテロサイクルを形成してもよ
く、1〜2個の窒素原子または酸素原子をそれぞれ含ん
でいてもよく、さらに、このヘテロサイクルに置換基を
有していてもよい芳香環が縮合していてもよく(前述と
同様であり、これは上述の置換基により置換されていて
もよい。)、さらに−NRefは=Oを有するヘテロア
リール(例えば2−ピロリジノン−1−イル、スクシン
イミド、オキサゾリジン−2−オン−3−イル、2−ベ
ンゾキサゾリノン−3−イル、フタルイミド、シス−ヘ
キサヒドロフタルイミド等)を示すこともできる。T1
〜T4は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、シク
ロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘ
テロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはハロアル
キルを示し、これは上述の置換基により置換されていて
もよい。Qは=Oまたは=Sを示す。
【0018】化合物(I)は多形(polymorph
ism)を示すことができ、また、一より多くの互変異
性体として存在することができる。従って、本発明は、
上記のようないかなる立体異性体、光学異性体、多形
体、互変異性体、およびそれらの任意の混合物等を含有
するものである。
【0019】化合物(I)の医薬上許容される塩として
は、無機酸付加塩(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化
水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等との塩)、有機酸付加塩
(例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、マ
ンデル酸、リンゴ酸、パントテン酸、メチル硫酸等との
塩)、アミノ酸との塩(例えば、グルタミン酸、アスパ
ラギン酸等との塩)等が挙げられる。
【0020】本発明のシアノピロリジン誘導体は、以下
の方法により製造することができる。スキーム1に、一
般式(I)においてR1がアリールまたはヘテロアリー
ルである化合物の製造方法を示す。
【0021】スキーム1
【化9】
【0022】〔式中、P1、P2はアミノ酸の保護基(例
えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベン
ジルオキシカルボニル(Cbz))を示し、Halはハ
ロゲン(好ましくはフッ素)を示す。他の各記号は前記
と同義である。〕
【0023】一般式(IV’)で示される化合物は文献
記載の手法〔アシュワース(Ashworth)等、バ
イオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリ
ー・レターズ(Bioorganic & Medic
ainal Chemistry Letters)、
第6巻、1163−1166頁(1996)〕である
か、またはこれらの文献に基づいて慣用の手法により調
製できる。
【0024】工程a:化合物(III)と化合物(I
V)を反応させてアミド化合物(V)を、または化合物
(III)と化合物(IV’)を反応させてアミド化合
物(VI)を得る工程である。化合物(III)のカル
ボン酸を活性化する縮合剤として、例えば、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチル
アミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(ED
C)またはその塩酸塩、2−エトキシ−1−エトキシカ
ルボニル−1,2−ジヒドロキシキノリン(EED
Q)、カルボジイミダゾール(CDI)、ジエチルホス
ホリルシアニド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ
トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート(PyBOP)、ジフェニルホスホリルアジド(D
PPA)、クロロギ酸イソブチル、塩化ジエチルアセチ
ル、塩化トリメチルアセチル等が挙げられる。これらの
縮合剤を単独で、あるいはN−ヒドロキシスクシンイミ
ド(HONSu)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(H
OBT)、または3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4
−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOB
T)、または4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)
等の添加剤と組み合わせて用いる。当該反応は通常不活
性溶媒中で行われ、用いられる不活性溶媒は非プロトン
性のものならばいかなるものでもよく、好適なものとし
て、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)等が挙げられる。また、当該縮合は、通常−
30〜80℃の温度で行われ、好ましくは−10〜25
℃で行われる。
【0025】工程b:化合物(V)または化合物(V
I)を脱保護させて化合物(VII)または化合物(V
III)を得る工程である。この反応において、保護基
がBoc基の場合は、例えば、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル等の不
活性溶媒中、塩化水素または、トリフルオロ酢酸等の酸
を用いて、通常−30〜60℃で10分〜24時間反応
させて脱保護できる。また、保護基がCbz基の場合
は、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル等の不活性溶媒
中、パラジウム等の触媒の存在下に接触水素還元反応に
付するか、臭化水素酸−酢酸、もしくはチオアニソール
の存在下にトリフルオロ酢酸と反応させることにより脱
保護できる。
【0026】工程c:化合物(VII)または化合物
(VIII)と化合物(IX)を反応させて化合物
(X)または化合物(XI)を得る工程である。反応は
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩
基存在下、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒
中、0℃〜溶媒の沸点付近の温度で、好ましくは0〜8
0℃で行われる。
【0027】工程d:化合物(X)を反応させてシアノ
化合物(XI)を得る工程である。この反応は、脱水剤
として五酸化ニリン、オキシ塩化リン−イミダゾール、
トリフルオロ酢酸無水物、p−トルエンスルホニルクロ
リド−ピリジン等を用いてジクロロメタン、ピリジン等
の不活性溶媒中、0℃〜溶媒の沸点付近の温度で行われ
る。
【0028】工程e:化合物(XI)を脱保護させて化
合物(I−a)を得る工程である。この場合、工程bと
同じ反応条件にて行われる。本スキームにおいて、化合
物(VI)は化合物(V)から合成することもできる。
この場合、工程dと同じ反応条件にて行われる。また、
一般式(I)において置換基Yが一般式(II−b)で
表される化合物はスキーム2に示す方法により製造する
ことができる。
【0029】スキーム2
【化10】 〔式中、QはCONH2(カルバモイル基)またはシア
ノ基を示し、Lは脱離基(例えば、ハロゲン、トシレー
ト(OTs)、メシレート(OMs)、トリフレート
(OTf))を示し、他の各記号は前記と同義であ
る。〕
【0030】工程f:化合物(XII)と化合物(XI
II)を反応させて化合物(XIV)を得る工程であ
る。反応は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン等の塩基存在下、N−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
ヒドロフラン等の不活性溶媒中、0℃〜溶媒の沸点付近
の温度で、好ましくは0〜80℃で行われる。置換基Q
がカルバモイル基の場合、スキーム1の工程dと同様の
方法にてシアノ基へと変換することができる。
【0031】工程g:化合物(XIV)を脱保護させて
化合物(I−b)を得る工程である。工程bと同様の方
法にて行われる。さらに、本発明の化合物はスキーム3
およびスキーム4に示す方法にて製造することもでき
る。
【0032】スキーム3
【化11】 (式中、各記号は前記と同義である。)
【0033】工程h:化合物(XV)と化合物(XV
I)を反応させて化合物(XVII)を得る工程であ
る。反応は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン等の塩基存在下、N−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
ヒドロフラン等の不活性溶媒中、0℃〜溶媒の沸点付近
の温度で、好ましくは0〜80℃で行われる。置換基Q
がカルバモイル基の場合、スキーム1の工程dと同様の
方法にてシアノ基へと変換することができる。
【0034】工程i:保護基P1を除去して化合物(I
−c)を得る工程であり、工程bと同様の方法にて行わ
れる。
【0035】スキーム4
【化12】 (式中、各記号は前記と同義である。)
【0036】工程j:化合物(XVIII)を酸化して
(XIX)を得る工程である。この反応は、例えば、室
温にてピリジン三酸化硫黄錯体およびジメチルスルホキ
シドを使用する方法がある。有用な他の方法としては、
例えば、アルカリ性過マンガン酸カリウム溶液を使用す
る方法;オギザリルクロリド、ジメチルスルホキシドお
よび3級アミンを使用する方法;無水酢酸およびジメチ
ルスルホキシドを使用する方法;ジクロロ酢酸を触媒と
して、EDCおよびジメチルスルホキシドを使用する方
法;ジクロロメタン中、酸化クロミウム(VI)ピリジ
ン錯体を使用する方法;TEMPOフリーラジカルを触
媒として、臭化ナトリウムの存在下、次亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液を酢酸エチルやトルエン中で使用する方法等
がある。
【0037】工程k:化合物(XIX)と化合物(XV
I)を反応させた後に還元して化合物(XVII’)を
得る工程である。この反応は、水素化ホウ素ナトリウ
ム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水
素化ホウ素ナトリウム等の存在下、メタノール、エタノ
ール、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テト
ラヒドロフラン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン
等の不活性溶媒中、必要に応じて酸性触媒、例えば酢
酸、p−トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素・ジエチ
ルエーテル錯体等を用いてもよく、通常0〜100℃で
10分〜10時間で行われる。置換基Qがカルバモイル
基の場合、スキーム1の工程dと同様の方法にてシアノ
基へと変換することができる。
【0038】工程l:保護基P1を除去して化合物(I
−d)を得る工程であり、工程bと同様の方法にて行わ
れる スキーム3における原料化合物(XV)は、スキーム5
に示すように一般式(XX)で表されるカルボン酸化合
物と化合物(IV)または(IV’)を工程aと同じ方
法にて縮合させるか、一般式(XXI)で表されるヒド
ロキシ体をハロゲン化または、メタンスルホニルクロリ
ド、パラトルエンスルホニルクロライド、トリフルオロ
メタンスルホン酸無水物などを用いてスルホニル化する
ことにより合成することができる。さらにまた、原料化
合物(XV)のLがハロゲンで表される化合物は、一般
式(XII)で表される化合物を、対応するハロゲン化
アルカリ金属塩の存在下に亜硝酸ナトリウムまたは、亜
硝酸エステルを作用させることによっても製造できる。
【0039】一般式(XXI)で表されるヒドロキシ体
は、対応するN−保護ヒドロキシアミノ酸(XXII)
と化合物(IV)または(IV’)を工程aと同じ方法
にて縮合させるか、N−保護アスパラギン酸、N−保護
グルタミン酸、2−保護アミノアジピン酸、2−保護ア
ミノピメリン酸と化合物(IV)または化合物(I
V’)からなるジペプチド化合物(XXIII)を、リ
チウム水素化ホウ素ナトリウムなどを用いた還元反応に
付することにより製造することができる。
【0040】スキーム5
【化13】 (式中、R15はアルキルまたはアラルキルを示し、他は
前記と同義である)
【0041】このようにして製造される本発明の一般式
(I)のシアノピロリジン誘導体は、公知の分離精製手
段、例えば、濃縮、抽出、クロマトグラフィー、再沈
殿、再結晶等の手段を適宜施すことによって、任意の純
度のものとして採取できる。また、当該一般式(I)の
シアノピロリジン誘導体は、必要により塩酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸およ
びメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ
酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、マンデル酸、
リンゴ酸、パントテン酸、メチル硫酸等の有機酸との酸
付加塩とすることができる。また、水和物等の溶媒和物
としても存在する。
【0042】本発明の一般式(I)で示される化合物ま
たはその薬理学的に許容される塩は、哺乳動物(例え
ば、ヒト、イヌ、ネコ、ラット等)に対して、優れたD
PP−IVの阻害作用を有する。従って、本発明化合物
(I)またはその薬理学的に許容される塩は、DPP−
IVの阻害薬として有用であり、GLP−1が関与して
いると考えられる疾患(例えば、糖尿病、肥満等)等の
予防・治療をはじめとするDPP−IVに起因する各種
疾患等の予防・治療に有用である。また、本発明化合物
(I)は、他の糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療薬、
抗高脂血症剤または降圧剤等と同時に同一対象に投与す
ることができ、また、時間差をおいて同一対象に投与す
ることができる。ここにおいて糖尿病治療薬としては、
インスリン感受性増強剤、α−グルコシダーゼ阻害剤あ
るいはビグアナイド剤等が挙げられる。糖尿病性合併症
治療薬としては、アルドース還元酵素阻害剤が挙げられ
る。抗高脂血症剤としては、コレステロール合成酵素阻
害剤であるスタチン系化合物、スクアレン合成酵素阻害
剤あるいはトリグリセリド低下作用を有するフィブラー
ト系化合物等が挙げられる。降圧剤としては、カルシウ
ム拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤あるいはア
ンジオテンシンII拮抗剤等が挙げられる。本発明化合
物を多剤と組み合わせて用いる場合、その配合比は、投
与対象、投与対象の年齢および体重、症状、投与時間、
剤形、投与方法、組み合わせ等により適宜選択すること
ができる。
【0043】本発明の化合物(I)およびその酸付加塩
を前述の医薬として用いる場合、それ自体あるいは適宜
の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤などと混
合し、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、注射剤等の形
態で、経口的または非経口的に投与することができる。
上記製剤中には化合物(I)またはその薬理学的に許容
される塩を有効量配合する。当該化合物(I)またはそ
の薬理学的に許容される塩の投与量は、投与ルート、対
象疾患、患者の症状、体重あるいは年齢、用いる化合物
によっても異なり、投与目的に応じて適宜設定すること
ができる。通常、成人に経口投与する場合、0.01〜
1000mg/kg体重/日、好ましくは0.05〜5
00mg/kg体重/日を、一日1〜数回に分けて投与
するのが好ましい。
【0044】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。なお、1H−NMRは300MHzで測
定した。1H−NMRのケミカルシフトは、内部標準と
してテトラメチルシラン(TMS)を用い、相対的なデ
ルタ(δ)値をパーツパーミリオン(ppm)で表し
た。カップリング定数は自明な多重度をヘルツ(Hz)
で示し、s(シングレット)、d(ダブレット)、t
(トリプレット)、q(カルテット)、m(マルチプレ
ット)、dd(ダブレット オブ ダブレッツ)、br
s(ブロードシングレット)等と表した。薄層クロマト
グラフィーはメルク社製、カラムクロマトグラフィーは
富士シリシア化学社製のシリカゲルを用いて行った。ま
た、抽出における有機溶液の乾燥は、特に明記しない限
り無水硫酸ナトリウムまたは無水硫酸マグネシウムを使
用した。
【0045】実施例1 (S)−1−[(S)−2−アミノ−3−(5−シアノ
ピリジン−2−イルアミノ)プロピオニル]−2−シア
ノピロリジン・2トリフルオロ酢酸塩の合成 (1)N−α−ベンジルオキシカルボニル−N−β−t
ert−ブトキシカルボニル−L−α,β−ジアミノプ
ロピオン酸・ジシクロヘキシルアミン塩3g、(S)−
2−シアノピロリジンの塩酸塩0.77gをDMF10
mLに溶解し、HOBT0.97g、およびEDCの塩
酸塩1.22gを順次加え、室温下15時間攪拌した。
反応液を濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加
え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩
水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーで精製することにより(S)
−1−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオニ
ル)−2−シアノピロリジン2.06gをアモルファス
として得た。 (2)上記化合物2.0gをジクロロメタン40mLに
溶解し、トリフルオロ酢酸4mLを加え、室温下15時
間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に
加え、クロロホルムで抽出した。抽出液を水および飽和
食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を
DMF20mLに溶解し、トリエチルアミン2.1mL
および2−クロロ−5−シアノピリジン0.69gを加
え、85℃にて15時間攪拌した。反応液を酢酸エチル
と水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することに
より(S)−1−[(S)−2−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−3−(5−シアノピリジン−2−イルアミ
ノ)プロピオニル]−2−シアノピロリジン0.75g
を得た。 (3)上記化合物0.75gをトリフルオロ酢酸7mL
に溶解し、チオアニソール0.11mLを加え、室温下
15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、エーテルで3
回デカンテーションを行い、残渣を逆相HPLCで精製
して凍結乾燥することにより表題化合物298mgを得
た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.91−2.31
(4H,m),3.61−3.90(4H,m),4.
39(1H,brs),4.60−4.81(1H,
m),6.65(1H,d,J=9.1Hz),7.7
2−7.93(2H,m),8.55(1H,d,J=
2Hz).
【0046】実施例2 (S)−1−[(S)−2−アミノ−4−(5−シアノ
ピリジン−2−イルアミノ)ブタノイル]−2−シアノ
ピロリジン・2トリフルオロ酢酸塩の合成 (1)N−α−ベンジルオキシカルボニル−N−γ−t
ert−ブトキシカルボニル−L−α,γ−ジアミノブ
タン酸・ジシクロヘキシルアミン塩2.2g、(S)−
2−シアノピロリジンの塩酸塩0.83gをDMF10
mLに溶解し、トリエチルアミン0.87mL、HOB
T0.97g、およびEDCの塩酸塩1.22gを順次
加え、室温下15時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧
留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製
することにより(S)−1−((S)−2−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−4−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノブタノイル)−2−シアノピロリジン1.8
gをアモルファスとして得た。 (2)上記化合物1.8gをジクロロメタン41mLに
溶解し、トリフルオロ酢酸4.1mLを加え、室温下1
5時間攪拌した。反応液を濃縮後、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液に加え、クロロホルムで抽出した。抽出液を
水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をDMF15mLに溶解し、トリエチルアミ
ン1.2mLおよび2−クロロ−5−シアノピリジン
0.58gを加え、85℃にて5時間攪拌した。反応液
を酢酸エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減
圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精
製することにより(S)−1−[(S)−2−ベンジル
オキシカルボニルアミノ−4−(5−シアノピリジン−
2−イルアミノ)ブタノイル]−2−シアノピロリジン
0.57gを得た。 (3)上記化合物0.56gをジクロロメタン5mLに
溶解し、チオアニソール0.15mL、トリフルオロ酢
酸5mLを加え、室温下15時間攪拌した。反応液を減
圧濃縮後、エーテルで3回デカンテーションを行い、残
渣を逆相HPLCで精製して凍結乾燥することにより表
題化合物270mgを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.83−1.37
(6H,m),3.51−3.64(2H,m),4.
74−4.87(1H,m),6.59(1H,d,J
=9.0Hz),7.62−7.83(2H,m),
8.23−8.57(4H,m).
【0047】実施例3 (S)−1−[(S)−2−アミノ−5−(5−シアノ
ピリジン−2−イルアミノ)ペンタノイル]−2−シア
ノピロリジン・2トリフルオロ酢酸塩の合成 (1)N−δ−ベンジルオキシカルボニル−N−α−t
ert−ブトキシカルボニル−L−オルニチン10g、
L−プロリンアミド3.1gをDMF50mLに溶解
し、HOBT4.6g、およびEDCの塩酸塩5.5g
を順次加え、室温下15時間攪拌した。反応液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶
媒を減圧留去し、ジイソプロピルエーテルを加え、(N
−δ−ベンジルオキシカルボニル−N−α−tert−
ブトキシカルボニル−L−オルニチル)−L−プロリン
アミド10.6gを得た。 (2)上記化合物4.62gをメタノール50mLに溶
解し、5%パラジウム/炭素1gの存在下、1気圧の水
素下にて15時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減
圧下濃縮した。残渣をDMF30mLに溶解し、トリエ
チルアミン4.2mLおよび2−クロロ−5−シアノピ
リジン1.39gを加え、85℃にて15時間攪拌し
た。反応液を酢酸エチルと水に分配し、有機層を乾燥
後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーで精製することにより[N−α−tert−ブ
トキシカルボニル−N−δ−(5−シアノピリジン−2
−イル)−L−オルニチル]−L−プロリンアミド2.
8gを得た。 (3)上記化合物2.8gをピリジン40mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.88g、オキシ塩化り
ん2.5mLの順に加え、室温にて3時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
5−(5−シアノピリジン−2−イルアミノ)ペンタノ
イル]−2−シアノピロリジン1.62gを得た。 (4)上記化合物1.61gをジクロロメタン39mL
に溶解し、トリフルオロ酢酸3.9mLを加え、室温下
15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、エーテルで3
回デカンテーションを行い、残渣を逆相HPLCで精製
して凍結乾燥することにより表題化合物865mgを得
た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.50−2.33
(8H,m),3.23−3.72(4H,m),4.
19(1H,brs),4.75−4.85(1H,
m),6.57(1H,d,J=9.0Hz),7.6
1−7.85(2H,m),8.29(3H,br
s),8.38(1H,d,J=2.1Hz).
【0048】実施例4 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(5−シアノ
ピリジン−2−イルアミノ)ヘキサノイル]−2−シア
ノピロリジン・2トリフルオロ酢酸塩の合成 (1)N−ε−ベンジルオキシカルボニル−N−α−t
ert−ブトキシカルボニル−L−リジン1.9g、
(S)−2−シアノピロリジン・塩酸塩0.67g、ト
リエチルアミン0.7mLをDMF10mLに溶解し、
HOBT0.84g、およびEDCの塩酸塩1.05g
を順次加え、室温下15時間攪拌した。反応液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶
媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ーで精製することにより(S)−1−[(S)−6−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(tert
−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン1.98gを得た。 (2)上記化合物1.41gをジクロロメタン45mL
に溶解し、トリフルオロ酢酸4.5mLを加え、室温下
15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液に加え、クロロホルムで抽出した。抽
出液を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減
圧留去した。残渣をDMF20mLに溶解し、トリエチ
ルアミン1.4mLおよび2−クロロ−5−シアノピリ
ジン0.69gを加え、80℃にて15時間攪拌した。
反応液を酢酸エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶
媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ーで精製することにより(S)−1−[(S)−2−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−4−(5−シアノピリ
ジン−2−イルアミノ)ヘキサノイル]−2−シアノピ
ロリジン0.464gを得た。 (3)上記化合物0.46gをトリフルオロ酢酸5mL
に溶解し、チオアニソール0.59mLを加え、室温下
15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、エーテルで3
回デカンテーションを行い、残渣を逆相HPLCで精製
して凍結乾燥することにより表題化合物244mgを得
た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.30−2.34
(10H,m),3.20−3.73(4H,m),
4.56(1H,brs),4.73−4.86(1
H,m),6.54(1H,d,J=9.0Hz),
7.58−7.79(2H,m),8.31(3H,b
rs),8.38(1H,d,J=2.1Hz).
【0049】実施例5 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(3,4−ジ
シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シアノピ
ロリジン・塩酸塩の合成 (1)N−ε−ベンジルオキシカルボニル−N−α−t
ert−ブトキシカルボニル−L−リジン100g、L
−プロリンアミド30gをDMF1Lに溶解し、HOB
T44.3g、およびEDCの塩酸塩55.4gを順次
加え、室温下15時間攪拌した。反応液を濃縮後、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶
媒を減圧留去し、(N−ε−ベンジルオキシカルボニル
−N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−リジ
ル)−L−プロリンアミド136gを得た。 (2)上記化合物125gをメタノール1Lに溶解し、
10%パラジウム/炭素10gの存在下、1気圧の水素
下にて15時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧
下濃縮することにより(N−α−tert−ブトキシカ
ルボニル−L−リジル)−L−プロリンアミドを89g
得た。 (3)上記化合物1.73gをDMF15mLに溶解
し、トリエチルアミン1.4mLおよび3,4−ジシア
ノフルオロベンゼン0.73gを加え、85℃にて6時
間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと水に分配
し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーで精製することにより[N−
α−tert−ブトキシカルボニル−N−ε−(3,4
−ジシアノフェニル)−L−リジル]−L−プロリンア
ミド1.76gを得た。 (4)上記化合物1.76gをピリジン18mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.51g、オキシ塩化り
ん1.4mLの順に加え、室温にて3時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(3,4−ジシアノフェニルアミノ)ヘキサノイ
ル]−2−シアノピロリジン1.16gを得た。 (5)上記化合物1.15gを酢酸エチル3mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.5mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体を濾取し、クロ
ロホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有
機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加
え、析出した固体を濾取することにより、表題化合物
0.25gを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.35−2.33
(10H,m),3.05−3.22(2H,m),
3.50−3.78(2H,m),4.15(1H,b
rs),4.77−4.88(1H,m),6.93
(1H,d,J=9.0Hz),7.13(1H,d,
J=2.4Hz),7.44(1H,brs),7.6
4(1H,d,J=9.0Hz),8.40(1H,
d,J=2.4Hz).
【0050】実施例6 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(4−ニトロ
フェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シアノピロリジ
ン・2塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド1.93gをDMF15
mLに溶解し、トリエチルアミン1.6mLおよび4−
フルオロニトロベンゼン0.60mLを加え、85℃に
て6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと水に
分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を
シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより
[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N−ε−
(4−ニトロフェニル)−L−リジル]−L−プロリン
アミド1.6gを得た。 (2)上記化合物1.55gをピリジン18mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.45g、オキシ塩化り
ん1.3mLの順に加え、室温にて3時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(4−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2
−シアノピロリジン1.19gを得た。 (3)上記化合物1.18gを酢酸エチル3mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.6mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体を濾取すること
により、表題化合物0.97gを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.35−2.35
(10H,m),3.15(2H,t,J=6.6H
z),3.50−3.75(2H,m),4.07−
5.03(5H,m),6.67(2H,d,J=9.
3Hz),7.99(2H,d,J=9.3Hz),
8.51(1H,brs).
【0051】実施例7 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(3−クロロ
−4−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド1.66gをDMF15
mLに溶解し、トリエチルアミン1.36mLおよび2
−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル0.75gを加
え、85℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸
エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−
N−ε−(3−クロロー4−シアノフェニル)−L−リ
ジル]−L−プロリンアミド1.25gを得た。 (2)上記化合物1.25gをピリジン15mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.354g、オキシ塩化
りん0.98mLの順に加え、室温にて15時間攪拌し
た。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ク
ロロホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で
洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーで精製することにより(S)−1
−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−6−(3−クロロ−4−シアノフェニルアミノ)ヘキ
サノイル]−2−シアノピロリジン0.918gを得
た。 (3)上記化合物0.915gを酢酸エチル3mLに溶
解し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2mLを加え、室
温下15時間放置した。析出した固体を濾取し、クロロ
ホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機
層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、
析出した固体を濾取することにより、表題化合物0.2
65gを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.33−2.34
(10H,m),3.04−3.73(4H,m),
4.15(1H,brs),4.76−4.88(1
H,m),6.60(1H,d,J=6.6Hz),
6.74(1H,s),7.12(1H,s),7.5
2(1H,d,J=6.6Hz),8.32(2H,b
rs).
【0052】実施例8 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(2−クロロ
−4−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド1.72gをDMF15
mLに溶解し、トリエチルアミン1.4mLおよび3−
クロロ−4−フルオロベンゾニトリル0.78gを加
え、85℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸
エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−
N−ε−(2−クロロー4−シアノフェニル)−L−リ
ジル]−L−プロリンアミド1.41gを得た。 (2)上記化合物1.40gをピリジン15mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.40g、オキシ塩化り
ん1.1mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(2−クロロ−4−シアノフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン1.03gを得た。 (3)上記化合物1.0gを酢酸エチル3mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2mLを加え、室温
下15時間放置した。析出した固体をクロロホルムと飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾燥
後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出した
固体を濾取することにより、表題化合物0.321gを
得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.30−2.33
(10H,m),3.16−3.71(4H,m),
4.07−4.22(1H,m),4.77−4.87
(1H,m),6.37(1H,t,J=5.7H
z),6.79(1H,d,J=8.7Hz),7.5
4(1H,dd,J=2.1,8.7Hz),7.74
(1H,d,J=2.1Hz),8.23(2H,br
s).
【0053】実施例9 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(2−シアノ
フェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シアノピロリジ
ン・2塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド6.22gをDMF50
mLに溶解し、トリエチルアミン10.3mLおよび2
−フルオロベンゾニトリル2.17mLを加え、100
℃に48時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと
水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することによ
り[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N−ε−
(2−シアノフェニル)−L−リジル]−L−プロリン
アミド4.1gを得た。 (2)上記化合物3.93gをピリジン40mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール1.21g、オキシ塩化り
ん3.35mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(2−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2
−シアノピロリジン3.1gを得た。 (3)上記化合物3.1gを酢酸エチル73mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル7.3mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.95gを
得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.33−2.32
(10H,m),3.10−3.74(4H,m),
4.08−4.20(1H,m),4.75−4.86
(1H,m),6.64(1H,t,J=7.5H
z),6.76(1H,d,J=8.7Hz),7.3
5−7.49(2H,m),8.38(1H,br
s).
【0054】実施例10 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(5−クロロ
−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・2塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド2.3gをDMF20m
Lに溶解し、トリエチルアミン2.8mLおよび4−ク
ロロ−2−フルオロベンゾニトリル1.05gを加え、
85℃にて15時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エ
チルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製するこ
とにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N
−ε−(5−クロロ−2−シアノフェニル)−L−リジ
ル]−L−プロリンアミド1.78gを得た。 (2)上記化合物1.78gをピリジン20mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.51g、オキシ塩化り
ん1.4mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(5−クロロ−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン1.35gを得た。 (3)上記化合物1.3gを酢酸エチル28mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.8mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.125g
を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.32−2.34
(10H,m),3.18(2H,t,J=6.9H
z),3.49−3.76(2H,m),4.08−
4.23(1H,m),4.74−4.85(1H,
m),6.66(1H,dd,J=1.8,8.1H
z),6.80(1H,d,J=1.8Hz),7.4
9(1H,d,J=8.1Hz),8.32−8.58
(1H,m).
【0055】実施例11 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(3−クロロ
−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・2塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド2.3gをDMF20m
Lに溶解し、トリエチルアミン2.8mLおよび2−ク
ロロ−6−フルオロベンゾニトリル1.03gを加え、
85℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチ
ルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製するこ
とにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N
−ε−(3−クロロ−2−シアノフェニル)−L−リジ
ル]−L−プロリンアミド1.66gを得た。 (2)上記化合物1.66gをピリジン25mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.47g、オキシ塩化り
ん1.3mLの順に加え、室温にて4時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(3−クロロ−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン1.30gを得た。 (3)上記化合物1.3gを酢酸エチル5mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.8mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.52gを
得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.30−2.33
(10H,m),3.10−3.77(4H,m),
4.05−4.20(1H,m),4.73−4.87
(1H,m),6.68−6.81(2H,m),7.
30−7.57(1H,m),8.41−8.63(1
H,m).
【0056】実施例12 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(5−ブロモ
−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド2.7gをDMF30m
Lに溶解し、トリエチルアミン3.3mLおよび4−ブ
ロモ−2−フルオロベンゾニトリル1.58gを加え、
85℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチ
ルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製するこ
とにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N
−ε−(5−ブロモ−2−シアノフェニル)−L−リジ
ル]−L−プロリンアミド2.38gを得た。 (2)上記化合物2.3gをピリジン30mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.62g、オキシ塩化り
ん1.7mLの順に加え、室温にて15時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(5−ブロモ−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン1.17gを得た。 (3)上記化合物1.15gを酢酸エチル3mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.5mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.37gを
得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.33−2.33
(10H,m),3.11−3.73(4H,m),
4.10−4.20(1H,m),4.73−4.86
(1H,m),6.79(1H,dd,J=1.8,
8.1Hz),6.93(1H,d,J=1.8H
z),7.41(1H,d,J=8.1Hz),8.2
9(1H,brs).
【0057】実施例13 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(4−ブロモ
−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド4.4gをDMF45m
Lに溶解し、トリエチルアミン5.4mLおよび5−ブ
ロモ−2−フルオロベンゾニトリル1.58gを加え、
85℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチ
ルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製するこ
とにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N
−ε−(4−ブロモ−2−シアノフェニル)−L−リジ
ル]−L−プロリンアミド2.57gを得た。 (2)上記化合物2.5gをピリジン35mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.67g、オキシ塩化り
ん1.9mLの順に加え、室温にて15時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(4−ブロモ−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン2.16gを得た。 (3)上記化合物2.15gを酢酸エチル5mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル4.5mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物1.07gを
得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.33−2.35
(10H,m),3.11−3.73(4H,m),
4.08−4.23(1H,m),4.75−4.86
(1H,m),6.74(1H,d,J=9.3H
z),7.53(1H,dd,J=2.4,9.3H
z),7.67(1H,d,J=2.4Hz),8.2
0−8.43(1H,brs).
【0058】実施例14 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(4−シアノ
−2−フルオロフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−
シアノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド2.39gをDMF25
mLに溶解し、トリエチルアミン2.9mLおよび3,
4−ジフルオロベンゾニトリル0.97gを加え、85
℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと
水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することによ
り[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N−ε−
(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−L−リジル]
−L−プロリンアミド1.50gを得た。 (2)上記化合物1.49gをピリジン20mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.44g、オキシ塩化り
ん1.2mLの順に加え、室温にて15時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(4−シアノ−2−フルオロフェニルアミノ)ヘキ
サノイル]−2−シアノピロリジン1.11gを得た。 (3)上記化合物1.11gを酢酸エチル3mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.5mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.583g
を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.31−2.33
(10H,m),3.07−3.74(4H,m),
4.06−4.18(1H,m),4.75−4.86
(1H,m),6.72−6.86(1H,m),7.
37−7.58(2H,m),8.38−8.62(1
H,m).
【0059】実施例15 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(2−シアノ
−3−フルオロフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−
シアノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド3.22gをDMF30
mLに溶解し、トリエチルアミン3.9mLおよび2,
6−ジフルオロベンゾニトリル1.3mLを加え、85
℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと
水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することによ
り[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N−ε−
(2−シアノ−3−フルオロフェニル)−L−リジル]
−L−プロリンアミド3.01gを得た。 (2)上記化合物3.0gをピリジン40mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.88g、オキシ塩化り
ん2.5mLの順に加え、室温にて15時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(2−シアノ−3−フルオロフェニルアミノ)ヘキ
サノイル]−2−シアノピロリジン2.10gを得た。 (3)上記化合物2.1gを酢酸エチル5mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル4.7mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.779g
を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.32−2.35
(10H,m),3.13−3.78(4H,m),
4.09−4.20(1H,m),4.76−4.85
(1H,m),6.44−6.65(2H,m),7.
35−7.49(1H,m),8.39−8.62(1
H,m).
【0060】実施例16 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(4−クロロ
−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド2.31gをDMF25
mLに溶解し、トリエチルアミン2.8mLおよび5−
クロロ−2−フルオロベンゾニトリル1.05gを加
え、85℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸
エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−
N−ε−(4−クロロ−2−シアノフェニル)−L−リ
ジル]−L−プロリンアミド1.03gを得た。 (2)上記化合物1.03gをピリジン15mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.29g、オキシ塩化り
ん0.82mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(4−クロロ−2−シアノフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン0.79gを得た。 (3)上記化合物0.78gを酢酸エチル2mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル1.7mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.352g
を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.32−2.34
(10H,m),3.11−3.77(4H,m),
4.06−4.22(1H,m),4.75−4.87
(1H,m),6.80(1H,d,J=9.3H
z),7.43(1H,dd,J=2.6,9.3H
z),7.57(1H,d,J=2.4Hz),8.3
7−8.62(1H,brs).
【0061】実施例17 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(4−シアノ
−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ヘキサノイ
ル]−2−シアノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド2.79gをDMF25
mLに溶解し、トリエチルアミン3.42mLおよび4
−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾニトリル
1.54gを加え、85℃にて6時間攪拌した。反応液
を濃縮後、酢酸エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、
溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィーで精製することにより[N−α−tert−ブトキ
シカルボニル−N−ε−(4−シアノ−3−トリフルオ
ロメチルフェニル)−L−リジル]−L−プロリンアミ
ド2.64gを得た。 (2)上記化合物2.64gをピリジン30mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.70g、オキシ塩化り
ん1.94mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(4−シアノ−3−トリフルオロメチルフェニルア
ミノ)ヘキサノイル]−2−シアノピロリジン1.91
gを得た。 (3)上記化合物1.90gを酢酸エチル4mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル3.9mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体を濾取し、クロ
ロホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有
機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加
え、析出した固体を濾取することにより、表題化合物
0.640gを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.32−2.33
(10H,m),3.02−3.75(4H,m),
4.08−4.24(1H,m),4.74−4.86
(1H,m),6.84(1H,dd,J=1.8,
8.7Hz),7.03(1H,d,J=1.8H
z),7.71(1H,d,J=8.7Hz),8.3
3−8.62(1H,m).
【0062】実施例18 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(2−シアノ
−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ヘキサノイ
ル]−2−シアノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド2.96gをDMF25
mLに溶解し、トリエチルアミン3.63mLおよび2
−フルオロ−5−トリフルオロメチルベンゾニトリル
1.64gを加え、85℃にて6時間攪拌した。反応液
を濃縮後、酢酸エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、
溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィーで精製することにより[N−α−tert−ブトキ
シカルボニル−N−ε−(2−シアノ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−L−リジル]−L−プロリンアミ
ド3.23gを得た。 (2)上記化合物3.2gをピリジン40mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.85g、オキシ塩化り
ん2.36mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(2−シアノ−4−トリフルオロメチルフェニルア
ミノ)ヘキサノイル]−2−シアノピロリジン2.39
gを得た。 (3)上記化合物2.30gを酢酸エチル5mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル4.6mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体を濾取し、クロ
ロホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有
機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加
え、析出した固体を濾取することにより、表題化合物
1.10gを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.32−2.37
(10H,m),3.21−3.81(4H,m),
4.06−4.19(1H,m),4.75−4.84
(1H,m),6.89(1H,t,J=5.7H
z),6.95(1H,d,J=9.0Hz),7.6
7(1H,dd,J=1.5,9.0Hz),7.85
(1H,d,J=1.5Hz),8.57(1H,br
s).
【0063】実施例19 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(2−ブロモ
−4−シアノフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド4.14gをDMF40
mLに溶解し、トリエチルアミン5.1mLおよび3−
ブロモ−4−フルオロベンゾニトリル2.42gを加
え、85℃にて6時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸
エチルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−
N−ε−(2−ブロモ−4−シアノフェニル)−L−リ
ジル]−L−プロリンアミド3.54gを得た。 (2)上記化合物3.30gをピリジン40mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.86g、オキシ塩化り
ん2.4mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(2−ブロモ−4−シアノフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン2.60gを得た。 (3)上記化合物1.21gを酢酸エチル3mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.4mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.51gを
得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.33−2.32
(10H,m),3.15−3.77(4H,m),
4.05−4.18(1H,m),4.75−4.84
(1H,m),6.19(1H,brs),6.77
(1H,t,J=8.7Hz),7.57(1H,d
d,J=1.9,8.7Hz),7.86(1H,d,
J=1.9Hz),8.42−8.67(1H,m).
【0064】実施例20 (S)−1−[(S)−2−アミノ−6−(4−シアノ
−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド6.68gをDMF80
mLに溶解し、トリエチルアミン8.2mLおよび4−
クロロ−3−ニトロベンゾニトリル3.57gを加え、
85℃にて4時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチ
ルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製するこ
とにより[N−α−tert−ブトキシカルボニル−N
−ε−(4−シアノ−2−ニトロフェニル)−L−リジ
ル]−L−プロリンアミド8.08gを得た。 (2)上記化合物2.09gをピリジン30mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.58g、オキシ塩化り
ん1.6mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−(4−シアノ−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサ
ノイル]−2−シアノピロリジン1.37gを得た。 (3)上記化合物1.35gを酢酸エチル5mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル2.9mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体をクロロホルム
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、析出し
た固体を濾取することにより、表題化合物0.509g
を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.34−2.35
(10H,m),3.38−3.78(4H,m),
4.10−4.20(1H,m),4.74−4.83
(1H,m),7.21(1H,t,J=9.0H
z),7.82(1H,dd,J=2.1,9.0H
z),8.45−8.68(2H,m).
【0065】実施例21 (S)−1−[(S)−6−(3,4−ジシアノフェニ
ルアミノ)−2−メチルアミノヘキサノイル]−2−シ
アノピロリジン・塩酸塩の合成 (1)N−α−tert−ブトキシカルボニル−N−α
−メチル−N−γ−ベンジルオキシカルボニル−L−リ
ジン・ジシクロヘキシルアミン塩2.0g、L−プロリ
ンアミド0.40gをDMF20mLに溶解し、HOB
T0.58g、およびEDCの塩酸塩0.73gを順次
加え、室温下15時間攪拌した。反応液を濃縮後、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶
媒を減圧留去し、(N−α−tert−ブトキシカルボ
ニル−N−α−メチル−N−ε−ベンジルオキシカルボ
ニル−L−リジル)−L−プロリンアミド1.47gを
得た。 (2)上記化合物1.25gをメタノール50mLに溶
解し、10%パラジウム/炭素0.5gの存在下、1気
圧の水素下にて15時間攪拌した。反応液を濾過し、濾
液を減圧下濃縮することにより(N−α−tert−ブ
トキシカルボニル−N−α−メチル−L−リジル)−L
−プロリンアミドを1.01g得た。 (3)上記化合物1.01gをDMF15mLに溶解
し、トリエチルアミン1.2mLおよび3,4−ジシア
ノフルオロベンゼン0.42gを加え、85℃にて3時
間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと水に分配
し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーで精製することにより[N−
α−tert−ブトキシカルボニル−N−α−メチル−
N−ε−(3,4−ジシアノフェニル)−L−リジル]
−L−プロリンアミド1.04gを得た。 (4)上記化合物1.0gをピリジン10mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.28g、オキシ塩化り
ん0.78mLの順に加え、室温にて5時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
[(S)−2−(N−tert−ブトキシカルボニル−
N−メチルアミノ)−6−(3,4−ジシアノフェニル
アミノ)ヘキサノイル]−2−シアノピロリジン0.5
5gを得た。 (5)上記化合物0.55gを酢酸エチル2mLに溶解
し、4mol/L塩酸−酢酸エチル1.2mLを加え、
室温下15時間放置した。析出した固体を濾取し、クロ
ロホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有
機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加
え、析出した固体を濾取することにより、表題化合物
0.143gを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.30−2.35
(10H,m),3.12(2H,t,J=6.6H
z),3.37(3H,s),3.48−3.80(2
H,m),4.17−4.30(1H,m),4.80
−4.90(1H,m),6.92(1H,dd,J=
2.4,9.0Hz),7.12(1H,d,J=2.
4Hz),7.68(1H,d,J=9.0Hz),
8.98−9.57(1H,m).
【0066】実施例22 (S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(4−
ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイ
ル}−2−シアノピロリジン・2塩酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド3.9gをDMF50m
Lに溶解し、トリエチルアミン4.4mLおよびN,N
−ビス[2−(メタンスルフォニルオキシ)エチル]−
4−ニトロアニリン4.04gを加え、85℃にて6時
間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと水に分配
し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーで精製することにより(S)
−1−{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルア
ミノ−6−[4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン−
1−イル]ヘキサノイル}ピロリジン−2−カルボキサ
ミド1.80gを得た。 (2)上記化合物1.8gをピリジン20mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.46g、オキシ塩化り
ん1.3mLの順に加え、室温にて15時間攪拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−[4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン−1−イ
ル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン1.20g
を得た。 (3)上記化合物1.19gをジクロロメタン23mL
に溶解し、トリフルオロ酢酸2.3mLを加え、室温下
15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をクロロ
ホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機
層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製し、塩酸−酢酸エチルを加え、
析出した固体を濾取することにより、表題化合物0.2
14gを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.31−2.34
(10H,m),3.01−4.26(13H,m),
4.78−4.86(1H,m),7.14(2H,
d,J=9.3Hz),8.12(2H,d,J=9.
3Hz),8.49(1H,brs).
【0067】実施例23 (S)−1−{(S)−2−アミノ−5−[4−(4−
ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル]ペンタノイ
ル}−2−シアノピロリジン・2トリフルオロ酢酸塩の
合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
オルニチル)−L−プロリンアミド3.4gをDMF8
0mLに溶解し、トリエチルアミン4.2mLおよび
N,N−ビス[2−(メタンスルフォニルオキシ)エチ
ル]−4−ニトロアニリン3.82gを加え、85℃に
て8時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと水に
分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を
シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより
(S)−1−{(S)−2−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−5−[4−(4−ニトロフェニル)ピペラ
ジン−1−イル]ペンタノイル}ピロリジン−2−カル
ボキサミド0.95gを得た。 (2)上記化合物0.94gをピリジン10mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.25g、オキシ塩化り
ん0.68mLの順に加え、室温にて15時間攪拌し
た。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ク
ロロホルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で
洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーで精製することにより(S)−1
−{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−5−[4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン−1−
イル]ペンタノイル}−2−シアノピロリジン0.69
gを得た。 (3)上記化合物0.69gをジクロロメタン15mL
に溶解し、トリフルオロ酢酸1.5mLを加え、室温下
15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣を逆相H
PLCで精製して凍結乾燥することにより表題化合物4
40mgを得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.70−2.34
(8H,m),2.95−4.35(13H,m),
4.78−4.88(1H,m),7.15(2H,
d,J=9.3Hz),8.13(2H,d,J=9.
3Hz),8.50(1H,brs).
【0068】実施例24 (S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(5−
シアノピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]ヘ
キサノイル}−2−シアノピロリジン・2トリフルオロ
酢酸塩の合成 (1)(N−α−tert−ブトキシカルボニル−L−
リジル)−L−プロリンアミド34.4gをDMF40
0mLに溶解し、炭酸カリウム41.4g、ヨウ化カリ
ウム33.2gおよびN,N−ビス(2−クロロエチ
ル)カルバミン酸ベンジルエステル27.6gを加え、
85℃にて15時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エ
チルと水に分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製するこ
とにより(S)−1−{(S)−2−tert−ブトキ
シカルボニルアミノ−6−[4−(ベンジルオキシカル
ボニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}ピロリ
ジン−2−カルボキサミド3.68gを得た。 (2)上記化合物3.6gをメタノール35mLに溶解
し、10%パラジウム/炭素1gの存在下、1気圧の水
素下にて15時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減
圧下濃縮した。残渣をDMF30mLに溶解し、トリエ
チルアミン2.8mLおよび2−クロロ−5−シアノピ
リジン0.91gを加え、85℃にて5時間攪拌した。
反応液を濃縮後、酢酸エチルと水に分配し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製することにより(S)−1−{(S)
−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−[4
−(5−シアノピリジン−2−イル)ピペラジン−1−
イル]ヘキサノイル}ピロリジン−2−カルボキサミド
1.66gを得た。 (3)上記化合物1.6gをピリジン20mLに溶解
し、氷冷下にてイミダゾール0.42g、オキシ塩化り
ん1.2mLの順に加え、室温にて3時間攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより(S)−1−
{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−
6−[4−(5−シアノピリジン−2−イル)ピペラジ
ン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン
1.40gを得た。 (4)上記化合物1.40gをジクロロメタン20mL
に溶解し、トリフルオロ酢酸5mLを加え、室温下15
時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣を逆相HPL
Cで精製して凍結乾燥することにより表題化合物を1.
10g得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.28−2.33
(10H,m),3.00−3.73(12H,m),
4.13−4.22(1H,m),4.55−4.90
(3H,m),7.08(1H,d,J=8.7H
z),7.99(1H,dd,J=2.4,8.7H
z),8.58(1H,d,J=2.4Hz).
【0069】実施例24と同様の方法により、(S)−
1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(ピリジン−2
−イル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−
シアノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ
−6−[4−(5−ニトロピリジン−2−イル)ピペラ
ジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジ
ン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−
(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラ
ジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジ
ン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−
(4−シアノフェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサ
ノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−1−
{(S)−2−アミノ−6−[4−(4−ニトロフェニ
ル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シア
ノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6
−[4−(キノリン−2−イル)ピペラジン−1−イ
ル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−
1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(ピリジン−4
−イル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−
シアノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ
−6−[4−(4−シアノピリジン−2−イル)ピペラ
ジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジ
ン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−
(2−ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサ
ノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−1−
{(S)−2−アミノ−6−[4−(2−ベンゾオキサ
ゾリル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−
シアノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ
−6−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラ
ジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジ
ン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−
(イソキノリン−1−イル)ピペラジン−1−イル]ヘ
キサノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−1−
{(S)−2−アミノ−6−[4−(キノリン−4−イ
ル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シア
ノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6
−[4−(2−ベンゾチアゾリル)ピペラジン−1−イ
ル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−
1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(2−トリフル
オロメチルキノリン−4−イル)ピペラジン−1−イ
ル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−
1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(3,4−ジシ
アノフェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}
−2−シアノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−
アミノ−6−[4−(3−クロロ−4−シアノフェニ
ル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シア
ノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6
−[4−(2−クロロ−4−シアノフェニル)ピペラジ
ン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジ
ン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−
(2−クロロ−4−シアノフェニル)ピペラジン−1−
イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、(S)
−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(2−シアノ
フェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2
−シアノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミ
ノ−6−[4−(5−クロロ−2−シアノフェニル)ピ
ペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロ
リジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4
−(3−クロロ−2−シアノフェニル)ピペラジン−1
−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、
(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(5−
ブロモ−2−シアノフェニル)ピペラジン−1−イル]
ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−1−
{(S)−2−アミノ−6−[4−(4−ブロモ−2−
シアノフェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイ
ル}−2−シアノピロリジン、(S)−1−{(S)−
2−アミノ−6−[4−(2−フルオロ−4−シアノフ
ェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−
シアノピロリジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ
−6−[4−(2−フルオロ−3−シアノフェニル)ピ
ペラジン−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロ
リジン、(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4
−(4−クロロ−2−シアノフェニル)ピペラジン−1
−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、
(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(4−
シアノ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン
−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、
(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(2−
シアノ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン
−1−イル]ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、
(S)−1−{(S)−2−アミノ−6−[4−(2−
ブロモ−4−シアノフェニル)ピペラジン−1−イル]
ヘキサノイル}−2−シアノピロリジン、(S)−1−
{(S)−2−アミノ−6−[4−(4−シアノ−2−
ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル]ヘキサノイ
ル}−2−シアノピロリジン等が合成される。
【0070】なお、上記実施例で得られた化合物を表に
まとめて示す。
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明の化合物は、以下に示す実験例1
において、強力なDPP−IV阻害活性を示した。
【0074】実験例1(血漿DPP−IV阻害活性) 蛍光アッセイ法により、ヒトおよびラットの血漿DPP
−IV阻害活性を測定した。DPP−IV特異的な蛍光
基質としてGly−Pro−MCA(ペプチド研)を用
い、種々濃度の被験物質を含む下記組成の反応液を室温
で60分間インキュベーションし、計測(SPECTR
A FLUOR、TECAN社)される蛍光強度(Ex
itation 360 nm/Emission 4
65 nm)をDPP−IV活性とした。
【0075】
【表4】 溶媒添加群に対する阻害率を算出し、IC50値をロジス
ティック解析により求めた。 以上の方法により求めた
本発明の血漿DPP−IV阻害活性のIC50値を下表に
示す。
【0076】
【表5】
【0077】なお、以下に示すように、特表平9−50
9921号公報の化合物の血漿DPP−IV阻害活性は
十分ではない。
【表6】
【0078】以上の実験例および各種の薬理実験から、
本発明化合物は、強力なDPP−IV阻害活性を示し、
糖尿病の予防、治療、または、肥満の予防、治療に有用
であるほか、HIV感染、癌転移、皮膚病、前立腺肥大
症、歯根膜炎または自己免疫疾患の予防、治療等に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 A61P 3/10 13/08 13/08 17/00 17/00 31/18 31/18 35/04 35/04 37/02 37/02 43/00 111 43/00 111 C07D 401/12 C07D 401/12 (72)発明者 赤星 文彦 大阪府枚方市招提大谷二丁目25番1号 ウ ェルファイド株式会社創薬研究所内 (72)発明者 林 義治 大阪府枚方市招提大谷二丁目25番1号 ウ ェルファイド株式会社創薬研究所内 Fターム(参考) 4C063 AA01 AA03 BB09 CC12 DD03 EE01 4C069 AA17 BB34 BD09 4C086 AA01 AA02 AA03 BC07 BC17 GA07 GA08 MA01 MA04 NA14 ZA67 ZA70 ZA81 ZA89 ZB07 ZB26 ZC20 ZC35 ZC55

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 〔式中、nは1〜5までの整数を示し、Xは水素原子ま
    たはアルキルを示し、Yは−NR12(R1はアリール
    またはヘテロアリールを示し、R2は水素原子、アルキ
    ル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまた
    はヘテロアリールアルキルを示すか、または互いに結合
    して、1〜2個の窒素原子または酸素原子をそれぞれ含
    んでいてもよいヘテロサイクルを形成してもよく、さら
    に、このヘテロサイクルに置換基を有していてもよい芳
    香環が置換または縮合していてもよい。)を示し、Zは
    CH2、CH−OH、S、S=OまたはSO2を示す。な
    お、上記基のうち、アルキル、アリール、アリールアル
    キル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、及び
    ヘテロサイクルはそれぞれ置換基を有してもよい〕で表
    されるシアノピロリジン誘導体またはその医薬上許容さ
    れる塩。
  2. 【請求項2】一般式(I)のYが下式 【化2】 〔式中、 【化3】 は単結合または二重結合を示し、R2は前記と同様であ
    り、R3、R4は同一または異なっていてもよく、それぞ
    れ独立して水素原子、アルキル、アリール、アリールア
    ルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ハ
    ロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−NR56
    −NHSO27、−OR8、−COOR9、−CONHS
    21 0、−SO2OR1 1、−SO21 2または−CON
    1314(R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R
    12、R13、R14は同一または異なっていてもよく、それ
    ぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、シ
    クロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、
    ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはハロア
    ルキルを示すか、またはR5とR6、R1 3とR1 4はそれぞ
    れ互いに結合して1〜2個の窒素原子または酸素原子を
    それぞれ含んでいてもよいヘテロサイクルを形成しても
    よく、さらに、このヘテロサイクルに置換基を有してい
    てもよい芳香環が置換または縮合していてもよい。)を
    示し、a、b、c、d、eは全て炭素原子であるか、ま
    たはいずれか1つまたは2つが窒素原子で残りが炭素原
    子を示し、mは0、1、2または3を示し、Aは炭素原
    子または窒素原子を示す。ただし、i)Aが炭素原子を
    示す場合、Aは水酸基、カルボキシルまたはアルコキシ
    カルボニルで置換されていてもよい。また、ii)Aが
    窒素原子を示す場合、 【化4】 は単結合を示す。なお、上記基のうち、アルキル、アリ
    ール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリ
    ールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキ
    ル、ヘテロサイクルは、それぞれ置換基を有していても
    よい。〕から選ばれる置換基である請求項1に記載のシ
    アノピロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】一般式(I)においてXが水素原子であ
    り、ZがCH2で表される請求項1に記載のシアノピロ
    リジン誘導体またはその医薬上許容される塩。
  4. 【請求項4】一般式(I)においてXが水素原子、Yが
    置換基を有していてもよいフェニルアミノ、2−ピリジ
    ルアミノ、4−フェニル−1−ピペラジニル、4−フェ
    ニルピペリジノ、4−(2−ピリジル)−1−ピペラジ
    ニルで表され、ZがCH2で表される請求項1に記載の
    シアノピロリジン誘導体またはその医薬上許容される
    塩。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のシアノピ
    ロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩と薬理学
    上許容しうる担体とを含有する医薬組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載のシアノピ
    ロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩を含有す
    るDPP−IV阻害剤。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかに記載のシアノピ
    ロリジン誘導体またはその医薬上許容される塩を有効成
    分とするDPP−IVが関与する疾患の治療剤。
  8. 【請求項8】前記疾患が糖尿病、肥満、HIV感染、癌
    転移、皮膚病、前立腺肥大症、歯根膜炎または自己免疫
    疾患によるものである請求項7に記載の治療剤。
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