JP2000309598A - 多剤結合型新規化合物、その製造法および用途 - Google Patents

多剤結合型新規化合物、その製造法および用途

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JP2000309598A
JP2000309598A JP2000054387A JP2000054387A JP2000309598A JP 2000309598 A JP2000309598 A JP 2000309598A JP 2000054387 A JP2000054387 A JP 2000054387A JP 2000054387 A JP2000054387 A JP 2000054387A JP 2000309598 A JP2000309598 A JP 2000309598A
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Yoshiaki Kiso
良明 木曽
Masahiko Fujino
政彦 藤野
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多剤結合性抗HIV剤の提供 【解決手段】HIV細胞表面蛋白質に親和性のない抗H
IV活性を有する化合物群から選ばれた任意の同一また
は異なった2化合物以上が結合してなる多剤結合性化合
物またはその塩、およびこれを含有するHIV感染症、
AIDSの予防・治療のための医薬組成物。 【効果】HIV感染症の予防・治療効果

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗HIV活性を有
する化合物が2化合物以上結合した多剤結合性化合物お
よび該化合物を含有してなる医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、後
天性免疫不全症候群(AIDS)やAIDS関連症候群
等の種々の臨床症状を引き起こすことが知られている。
そこで、前記臨床症状の治療法として、従来から使用さ
れてきたHIV逆転写酵素阻害剤に加え、近年、HIV
プロテアーゼ阻害剤が開発されている。しかしながら、
これらの抗HIV剤、特にペプチド様化合物類であるH
IVプロテアーゼ阻害剤は、多くの場合、水難溶性、生
体内不安定性、低い経口吸収性等の問題を有している。
また、これらの抗HIV剤は大量かつ長期間投与される
ため、特に経口投与において使用する場合、バイオアベ
イラビリティーの優れた薬剤の開発が望まれている。さ
らに、副作用や薬剤耐性ウイルスの出現等の問題を有し
ているため、従来とは異なった作用機構に基づく新しい
抗HIV剤として、マクロファージ指向性HIVが標的
細胞に侵入する際のセカンドレセプターであるCCR5
の拮抗薬が、また、T細胞指向性HIVにおけるセカン
ドレセプターであるCXCR4の拮抗薬が開発されつつ
ある。また、HIV逆転写酵素阻害剤とHIVプロテア
ーゼ阻害剤とを組合せることにより、AIDSの治療が
格段に進歩したが、これらの組み合わせによる使用にお
いてもAIDS撲滅のためには未だ十分とはいえない。
【0003】
【本発明の解決しようとする課題】HIV逆転写酵素阻
害剤やHIVプロテアーゼ阻害剤の組み合わせによるカ
クテル療法によりAIDSの治療効果が認められている
が、それらの大量かつ長期間投与に伴う副作用は低減さ
れていない。また、該療法では薬剤の服用の時間や量が
複雑などの、服用における問題点もある。そこで、本発
明は、より高活性な抗HIV作用を有し、経口吸収性、
安定性、物性などが改善され、取り扱いも容易であり、
投与量の低減に伴い毒性が軽減された抗HIV剤を提供
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究を行った結果、HIV逆転
写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、CCR5拮
抗剤などから選ばれる抗HIV活性を有する化合物が2
化合物以上結合した多剤結合性化合物は、優れた抗HI
V活性を示すと共に、経口吸収性の改善および投与量の
低減に伴う副作用の軽減などの臨床上望ましい効果を有
すること、また、本発明化合物がカクテル療法に変わり
うる簡便でかつより有効な薬剤になりうることを見出
し、これに基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を
完成した。すなわち、本発明は、 (1)HIV細胞表面蛋白質に親和性のない抗HIV活
性を有する化合物群から選ばれた任意の同一または異な
った2化合物以上が結合してなる多剤結合性化合物また
はその塩; (2)HIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻
害剤およびCCR5拮抗剤より選ばれたいずれか2剤が
結合してなる2剤結合性化合物またはその塩; (3)抗HIV活性を有する化合物が、HIV逆転写酵
素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤またはCCR5拮
抗剤である上記(1)記載の化合物; (4)抗HIV活性を有する化合物群から選ばれる少な
くとも1つの化合物がCCR5拮抗剤である上記(1)
記載の化合物; (5)2剤がHIV逆転写酵素阻害剤およびHIVプロ
テアーゼ阻害剤である上記(2)記載の化合物; (6)HIV逆転写酵素阻害剤が、少なくとも1個の水
酸基を有する核酸系阻害剤またはその類縁体である上記
(2)、(3)または(5)記載の化合物; (7)HIV逆転写酵素阻害剤が、ジドブジン、ジダノ
シン、ザルシタビン、ラミブジン、スタブジンまたはア
バカビルである上記(2)、(3)または(5)記載の
化合物; (8)HIV逆転写酵素阻害剤が、ジドブジンである上
記(2)、(3)または(5)記載の化合物; (9)HIVプロテアーゼ阻害剤が、少なくとも1個の
水酸基、アミノ基または/およびカルボキシル基を有
し、HIVプロテアーゼの基質遷移状態をミミック(m
imic:擬態)する化合物である上記(2)、(3)
または(5)記載の化合物; (10)HIVプロテアーゼ阻害剤が、サキナビル、リ
トナビル、インジナビル、ネルフィナビルまたは式
【化7】 (式中、RはC1-6アルキル基または置換されていても
よいフェニル−C1-3アルキル基を示し、R1およびR2
はそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基
を示し、Xは置換されていてもよいC1-6アルキレン基
を示す)または
【化8】 (式中、RはC1-6アルキル基または置換されていても
よいフェニル−C1-3アルキル基を示し、R1およびR2
はそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基
を示し、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を示
す)で表される化合物またはその塩である上記(2)、
(3)または(5)記載の化合物; (11)HIVプロテアーゼ阻害剤が、式
【化9】 (式中の各記号は上記(10)記載と同意義)または
【化10】 (式中の各記号は上記(10)記載と同意義)で表され
る化合物またはその塩である上記(2)、(3)または
(5)記載の化合物; (12)結合が、直接の結合またはスペーサーを介した
結合である上記(1)または(2)記載の化合物; (13)スペーサーが、少なくとも2個のカルボキシル
基を有する化合物である上記(12)記載の化合物; (14)2剤結合性化合物が式
【化11】 (式中の各記号は上記(10)記載と同意義)または
【化12】 (式中の各記号は上記(10)記載と同意義)で表され
る化合物である上記(5)記載の化合物; (15)Rが(1)C1-3アルキル基で置換されたベン
ジル基または(2)t−ブチル基であり、R1およびR2
がそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、
Xがメチレンの任意の位置がメチル基で置換されていて
もよい−(CH2m−(mは1から3の整数を示す)で
ある上記(10)、(11)または(14)記載の化合
物; (16)上記(1)、(2)記載の化合物またはそれらの
塩を含有してなる医薬組成物; (17)経口投与剤である上記(16)記載の組成物; (18)HIVの感染症の予防・治療剤である上記(1
6)記載の組成物; (19)AIDSの予防・治療剤である上記(16)記
載の組成物;などに関する。
【0005】上記の「抗HIV活性」とは、HIVの感
染を抑制する、HIVの増殖を抑制する、HIVを減少
させるなどの性質を示し、「細胞表面蛋白質に親和性の
ない抗HIV活性を有する化合物群」としては、HIV
表面蛋白質gp120および/またはHIV標的細胞表
面蛋白質CD4に親和性を有しない化合物、例えば、H
IV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、ケ
モカイン拮抗剤としてのCCR5拮抗剤、CXCR4拮
抗剤など、APJ受容体リガンド(例えば、アペリンな
ど)、エイズワクチン(例えば、HIV−1−gp−1
20ワクチンなど)、代謝拮抗剤(例えば、リバビリ
ン、ヒドロキシカルバミド、ペルデシンなど)、DNA
ポリメラーゼ阻害剤(例えば、ロブカビル、フォスファ
ジドなど)、免疫賦活剤(例えば、インターロイキン−
2、インターロイキン−12、コロニー刺激因子、イン
ターフェロンα、グリチルリチン、ツカレソール、マイ
タケグルカン、プロカインなど)などが挙げられるが、
なかでもHIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ
阻害剤、ケモカイン拮抗剤としてのCCR5拮抗剤、C
XCR4拮抗剤など、APJ受容体拮抗剤などが好まし
く、とりわけHIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテア
ーゼ阻害剤、CCR5拮抗剤が好ましい。
【0006】本発明の「多剤結合性化合物」とは、上述
の化合物群より選ばれた同一または異なった2化合物以
上が化学的に結合した化合物であり、生体内において切
断され各化合物を遊離して優れた抗HIV活性を示すも
のである。本発明の「2剤結合性化合物」とは、HIV
逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤またはC
CR5拮抗剤より選ばれた同一または異なった2剤より
任意に選択された2つの化合物が化学的に結合した化合
物であり、生体内において切断され各化合物を遊離して
優れた抗HIV活性を示すものである。より好ましく
は、2剤がHIV逆転写酵素阻害剤およびHIVプロテ
アーゼ阻害剤であり、さらに好ましくは、HIV逆転写
酵素阻害剤およびHIVプロテアーゼ阻害剤の各群より
選ばれたそれぞれ1化合物同士が結合した化合物であ
る。HIV逆転写酵素阻害剤としては、HIVの逆転写
酵素の活性を阻害する物質であれば、核酸系および非核
酸系阻害剤の何れであってもよい。核酸系阻害剤として
は、ピリミジン塩基、プリン塩基、イミダゾール塩基ま
たはトリアゾール塩基と、少なくとも一つの水酸基を有
するフラノースまたはそのアシクロ体からなる化合物ま
たはその類縁体であり、例えば、ジドブジン(3’−ア
ジド−3’−デオキシチミジン:AZT)、ジダノシン
(2’,3’−ジデオキシイノシン:ddI)、ザルシ
タビン(2’,3’−ジデオキシシチジン:ddC)、
ラミブジン(3’−チア−2’,3’−ジデオキシシチ
ジン:3TC)、スタブジン(2’,3’−ジデヒドロ
−2’,3’−ジデオキシチミジン:d4T)、3’−
チア−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン
(FTC)、ロデノシン(2’−β−フルオロ−2’,
3’−ジデオキシアデノシン)、アバカビル(abac
avir)などが挙げられる。上記核酸系阻害剤はHI
VがRNAの逆転写によりDNAを合成する際にDNA
中に取り込まれ、結果としてDNAの合成を阻害する非
天然型核酸または核酸類縁体である。核酸類縁体とは、
核酸と類似の立体構造を有し、核酸の構成原子の一部が
欠損または他の原子で置換された化合物であり、例え
ば、核酸のフラノース部分をシクロペンタン環または他
の複素環基などに変換した化合物などである。また、非
核酸系阻害剤としては、例えば、デラビルジン(del
avirdine)、ロビリド(loviride)、
カラノライドA(calanolide A)などが挙
げられる。HIV逆転写酵素阻害剤としては、核酸系逆
転写酵素阻害剤が好ましく、なかでも、ジドブジン、ジ
ダノシン、ザルシタビン、ラミブジン、スタブジン、ア
バカビルなどが好ましく、とりわけ、ジドブジンが好ま
しい。
【0007】HIVプロテアーゼ阻害剤としては、HI
Vのプロテアーゼの活性を阻害する物質であって、例え
ば、プロテアーゼの基質遷移状態をミミック(mimi
c:擬態)する化合物などが挙げられる。基質遷移状態
をミミックする化合物とは、酵素(プロテアーゼ)の基
質結合部位に結合可能で、酵素基質複合体における基質
と類似の立体構造を有する物質であり、例えば、サキナ
ビル(saquinavir)、リトナビル(rito
navir)、インジナビル(indinavir)、
ネルフィナビル(nelfinavir)、アムプレナ
ビル(amprenavir)、パリナビル(pali
navir)、ラシナビル(lasinavir)、
CGP57813(35th ICAAC 要旨集 I2
17(1995))、BMS232632(38th
ICAAC 要旨集 I242(1998))、DMP−
450、チプラナビル(tiplanavir;J.M
ed.Chem.41,3468(1998))、ロピ
ナビル(lopinavir;WHO Drug Inf
omation,12(4),266,1998)、ま
たは式(I)
【化13】 (式中の各記号は前記と同意義)で表される化合物また
はその塩(例えば、 KNI−272、KNI−35
7、KNI−391、KNI−413、KNI−41
7、KNI−418、KNI−547、KNI−54
9、KNI−689、KNI−690、KNI−69
1、KNI−852など(Chem.Pharm.Bu
ll.,40,2251(1992);Arch.Ph
arm.Pharm.Med.Chem.,331,8
7(1998);日本特許公開公報 特開平8−259
532、特開平10−25242、特開平10−101
654))、式(III)
【化14】 (式中の各記号は前記と同意義)で表される化合物また
はその塩(例えば、 J.Med. Chem., 42, 1789 (1999)に
記載の化合物など)などが挙げられる。HIVプロテア
ーゼ阻害剤としては、少なくとも1個の水酸基、アミノ
基または/およびカルボキシル基を有し、プロテアーゼ
の基質遷移状態をミミックする化合物が好ましく、なか
でも、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフ
ィナビル、式(I)または(III)で表される化合物
またはその塩が好ましく、とりわけ式(I)または(I
II)で表される化合物またはその塩(さらに好ましく
はKNI−413、KNI−689、KNI−690、
KNI−691、KNI−852など)が好ましいが、
特に限定されない。また、これらHIV逆転写酵素阻害
剤およびHIVプロテアーゼ阻害剤としては、市販のも
のあるいは既知の合成法に従って調製したものを使用す
ることができる。
【0008】CCR5拮抗剤としては、マクロファージ
指向性HIVがCCケモカイン5型受容体(CCR5)
を介した標的細胞への侵入を阻害または調節する化合物
であり、例えば、天然リガンドであるRANTESのC
CR5への結合を拮抗する化合物である。具体的には、
国際出願番号PCT/JP98/05708(WO99
/32100)に記載の化合物[好ましくは、塩化
N,N−ジメチル−N−(4−(((2−(4−メチル
フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘ
プテン−8−イル)カルボニル)アミノ)ベンジル)−
N−(4−テトラヒドロピラニル)アンモニウムな
ど]、特願平10−234388、特願平11−232
244、特願平11−127724、特願平11−17
0212、特願平11−361074、特願平11−1
70345などに記載の化合物、NSC−651016
(J.Med.Chem.,41,2184(199
8))、WO98/25604、WO98/2560
5、WO98/25617、WO98/27815、W
O98/30218、WO98/31364、WO99
/1127、WO99/4797,WO99/998
4,WO99/14378などに記載の化合物などが挙
げられるが、特に限定されない。
【0009】本発明化合物では、上記化合物群より選ば
れた同一または異なった2以上の抗HIV活性化合物が
化学的に結合しており、生体内で切断され各抗HIV活
性化合物を遊離しうる化学的に形成された結合であれば
特に限定はされない。例えば、エステル結合、アミド結
合、エーテル結合、ジスルフィド結合などが挙がられる
が、本発明化合物が生体内の血中または標的細胞内に運
ばれた後、存在するエステラーゼ等で切断可能な結合で
あり、その作用点近傍で該抗HIV活性化合物を遊離し
うるエステル結合が好ましい。そのなかでも運搬中に容
易に切断されず、血中または標的細胞内で徐々に切断さ
れる程度の安定性を有する結合であることがさらに好ま
しいが、これに限定されない。多剤結合性化合物または
2剤結合性化合物を構成する抗HIV活性化合物の結合
部位は、結合する該活性化合物の種類により適宜選択さ
れるが、該活性化合物中にカルボキシル基、水酸基また
は/およびアミノ基が存在する場合はこれらの官能基を
介して形成されるエステル結合、アミド結合などの化学
結合が好ましく、特にカルボキシル基と水酸基とが化学
的に結合したエステル結合が好ましい。また、該官能基
が抗HIV活性化合物における活性発現に重要な役割を
果たす部位であったとしても、生体内で該化学的結合が
切断され該官能基が遊離されるため、結合する部位とな
る該官能基の位置は特に限定されない。
【0010】上記式(I)または(III)中、Rで示
される「C1-6アルキル基」としては、直鎖状または分
枝状であってもよく、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシルなどが挙げられ、好ましくはt−ブチルで
ある。Rで示される「置換されていてもよいフェニル−
1-3アルキル基」の「フェニル−C1-3アルキル基」と
しては、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロ
ピルなどが挙げられ、より好ましくはベンジルである。
Rで示される「置換されていてもよいフェニル−C1-3
アルキル基」の「フェニル−C1-3アルキル基」および
Aで示される「置換されていてもよいベンゼン環」の
「ベンゼン環」がそれぞれ有していてもよい「置換基」
としては、例えば、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1-6
アルキル基、置換されていてもよい水酸基、置換されて
いてもよいチオール基、置換されていてもよいアミノ基
などが用いられ、置換基の数としては、1〜3個が好ま
しい。RおよびAの置換基としてのハロゲンの例として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。Rおよ
びAの置換基としてのC1-6アルキル基としては、直鎖
状または分枝状であってもよく、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、好ましくはメ
チルである。
【0011】RおよびAの置換基としての置換されてい
てもよい水酸基における置換基としては、C1-6アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル
などが挙げられる)などが挙げられる。RおよびAの置
換基としての置換されていてもよいチオール基における
置換基としては、上記した「RおよびAの置換基として
の置換されていてもよい水酸基における置換基」と同様
なものが挙げられる。RおよびAの置換基としての置換
されていてもよいアミノ基における置換基としては、上
記した「RおよびAの置換基としての置換されていても
よい水酸基における置換基」の他に、アシル基(例え
ば、炭素数2〜4のアルカノイル(例、アセチル、プロ
ピオニル、ブチリルなど)、炭素数1〜4のアルキルス
ルホニル(例、メタンスルホニル、エタンスルホニルな
ど)などが挙げられる。
【0012】R1およびR2で示される「C1-6アルキル
基」としては、直鎖状または分枝状であってもよく、例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げ
られ、好ましくはメチルである。Xで示される「置換さ
れていてもよいC1-6アルキレン基」の「C1-6アルキレ
ン基」としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピ
レンなどが挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレン
である。Xで示される「置換されていてもよいC1-6
ルキレン基」の「C1-6アルキレン基」が有していても
よい「置換基」としては、例えば、ニトロ、シアノ、C
1-6アルキル基、置換されていてもよい水酸基、置換さ
れていてもよいチオール基、置換されていてもよいアミ
ノ基などが挙げられ、置換基の数としては、1〜3個が
好ましい。Xの置換基としてのC1-6アルキル基として
は、直鎖状または分枝状であってもよく、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、好ま
しくはメチルである。Xの置換基としての置換されてい
てもよい水酸基における置換基としては、C1-6アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル
などが挙げられる)などが挙げられる。Xの置換基とし
ての置換されていてもよいチオール基における置換基と
しては、上記した「Xの置換基としての置換されていて
もよい水酸基における置換基」と同様なものが挙げられ
る。Xの置換基としての置換されていてもよいアミノ基
における置換基としては、上記した「Xの置換基として
の置換されていてもよい水酸基における置換基」の他
に、アシル基(例えば、炭素数2〜4のアルカノイル
(例、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、炭素
数1〜4のアルキルスルホニル(例、メタンスルホニ
ル、エタンスルホニルなど)などが挙げられる。Xとし
ては、メチレンの任意の位置がメチル基で置換されてい
てもよい−(CH2m−(mは1から3の整数を示す)
が好ましく、その具体例としては、−CH2−、−CH2
−CH2−、−CH(Me)−CH2−、−C(Me)2−C
2−、−CH(Me)−CH(Me)−、−CH2−CH2
−CH2−などが挙げられる。
【0013】本発明化合物としては、HIV逆転写酵素
阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤およびCCR5拮抗
剤より選ばれたいずれか2剤が結合してなる2剤結合性
化合物またはその塩が好ましく、なかでも、式(II)
【化15】 (式中、RはC1-6アルキル基(好ましくはt−ブチル
基)または置換されていてもよいフェニル−C1-3アル
キル基(好ましくはC1-3アルキル基で置換されたベン
ジル基)を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して、水
素原子またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)
を示し、Xは置換されていてもよいC1-6アルキレン基
(好ましくはメチレンの任意の位置がメチル基で置換さ
れていてもよい−(CH2m−(mは1から3の整数を
示す))を示す)または式(IV)
【化16】 (式中、RはC1-6アルキル基(好ましくはt−ブチル
基)または置換されていてもよいフェニル−C1-3アル
キル基(好ましくはC1-3アルキル基で置換されたベン
ジル基)を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して、水
素原子またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)
を示し、Xは置換されていてもよいC1-6アルキレン基
(好ましくはメチレンの任意の位置がメチル基で置換さ
れていてもよい−(CH2m−(mは1から3の整数を
示す))を示し、環Aは置換されていてもよいベンゼン
環(好ましくは、1〜2個のC1-3アルキル基で置換さ
れたベンゼン環)を示す)で表される化合物またはその
塩が好ましい。本発明化合物の塩としては、薬理学的に
許容される塩が好ましく、例えば、無機塩基との塩、有
機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性ま
たは酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基と
の塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリ
ウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシ
ウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウ
ム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との
塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジ
アミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な
例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、
リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な
例としては、例えば、ぎ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、
フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、
こはく酸、りんご酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられ
る。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例え
ば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げ
られ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例え
ば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げら
れる。本発明化合物は、水和物であってもよく、非水和
物であってもよい。また、本発明化合物が、コンフィギ
ュレーショナル・アイソマー(配置異性体)、ジアステ
レオマー、コンフォマーなどとして存在する場合には、
所望により、自体公知の分離・精製手段でそれぞれを単
離することができる。また、本発明化合物がラセミ体で
ある場合には、通常の光学分割手段により、(S)体、
(R)体に分離することができ、それぞれの光学活性体
ならびにラセミ体のいずれについても本発明に包含され
る。
【0014】本発明化合物またはその塩は、単独で、ま
たは薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤、坐剤などの固形製剤;またはシロッ
プ剤、注射剤などの液状製剤として経口または非経口的
に投与することができる。薬学的に許容される担体とし
ては、製剤素材としての慣用の各種有機あるいは無機担
体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、
結合剤、崩壊剤、坐薬基材;液状製剤における溶剤、溶
解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤など
として配合される。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸
化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることも
できる。賦形剤の好適な例としては、例えば、乳糖、白
糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽
質無水けい酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例とし
ては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられ
る。結合剤の好適な例としては、例えば、結晶セルロー
ス、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊
剤の好適な例としては、例えば、デンプン、カルボキシ
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチ
ルスターチナトリウムなどが挙げられる。坐薬基材の好
適な例としては、例えば、マクロゴールなどが挙げられ
る。溶剤の好適な例としては、例えば、注射用水、アル
コール、プロピレングリコール、マクロゴール、ごま
油、トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤の好
適な例としては、例えば、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベン
ジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロー
ル、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例とし
ては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レ
シチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、
モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤、また、
例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの
親水性高分子などが挙げられる。等張化剤の好適な例と
しては、例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マ
ンニトールなどが挙げられる。緩衝剤の好適な例として
は、例えば、りん酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩な
どの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例とし
ては、例えば、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えば、パラオキシ安息香
酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコー
ル、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸
などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例え
ば、亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0015】本発明化合物またはその塩は、必要に応じ
他のHIVの感染症の予防・治療剤(特に、AIDSの
予防・治療剤)と組合せて用いてもよい。この場合、こ
れらの薬物は、別々にあるいは同時に、薬理学的に許容
されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合して
製剤化し、HIVの感染症の予防・治療のための医薬組
成物として経口的にまたは非経口的に投与することがで
きる。薬物を別々に製剤化する場合、別々に製剤化した
ものを使用時に希釈剤などを用いて混合して投与するこ
とができるが、別々に製剤化した個々の製剤を、同時
に、あるいは時間差をおいて別々に、同一対象に投与し
てもよい。別々に製剤化したものを使用時に希釈剤など
を用いて混合して投与するためのキット製品(例えば、
粉末状の個々の薬物を含有するアンプルと2種以上の薬
物を使用時に混合して溶解するための希釈剤などを含有
する注射用キットなど)、別々に製剤化した個々の製剤
を、同時に、あるいは時間差をおいて別々に、同一対象
に投与するためのキット製品(例えば、個々の薬物を含
有する錠剤を同一または別々の袋に入れ、必要に応じ、
薬物を投与する時間の記載欄を設けた、2種以上の錠剤
を同時にあるいは時間差をおいて別々に投与するための
錠剤用キットなど)なども本発明の医薬組成物に含まれ
る。
【0016】本発明化合物またはその塩と組合せて用い
られる、他のHIVの感染症の予防・治療剤としては、
構成化合物として多剤結合性化合物を調製することが困
難な化合物、例えば、本発明化合物を得るために必要な
官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基な
ど)を有しない抗HIV活性化合物などであり、その具
体的な例としては、アデフォビル(9−(2−(ホスホ
ニルメトキシ)エチル)アデニン)、アデフォビル ジ
ピボキシル、フォジブジン チドキシル、9−(2−
(ホスホニルメトキシ)プロピル)アデニン(PMP
A)、9−(2−メチレン−3−(ホスホニルメトキ
シ)プロピル)グアニンなどの核酸系HIV逆転写酵素
阻害剤;ネビラピン(nevirapine)、エファ
ビレンツ(efavirenz)などの非核酸系HIV
逆転写酵素阻害剤などが挙げられる。
【0017】本発明の多剤結合性化合物、2剤結合性化
合物またはそれらの塩は自体公知の方法、例えば、下記
の方法に従って製造できる。すなわち、抗HIV活性化
合物またはその塩をその化合物中のカルボキシル基を介
して他の抗HIV活性化合物またはその塩に結合させて
本発明化合物を製造する場合、該カルボキシル基と結合
する前記の抗HIV活性化合物のアミノ基または水酸基
との間でアミド結合またはエステル結合を形成させるこ
とができる。この場合、該抗HIV活性化合物が反応に
関与しない官能基を有する時、該官能基は保護されてい
てもよく、また結合は、直接的に結合させ形成すること
も可能であり、または適当なスペーサーを介して生体内
で切断可能な結合を形成させることもできる。また、抗
HIV活性化合物またはその塩をその化合物中の水酸基
を介して他の抗HIV活性化合物またはその塩に結合さ
せて本発明化合物を製造する場合、該水酸基と結合する
前記の抗HIV活性化合物中のカルボキシル基との間で
エステル結合を形成させることができる。この場合、該
抗HIV活性化合物が反応に関与しない官能基も有する
時、該官能基は保護されていてもよく、また結合は、直
接的に結合させ形成することも可能であり、または適当
なスペーサーを介して生体内で切断可能な結合を形成さ
せることもできる。また、該水酸基と前記の抗HIV活
性化合物中の官能基、例えば、アミノ基との間で結合を
形成させて本発明化合物を製造する場合、抗HIV活性
化合物中の水酸基と他の抗HIV活性化合物中のアミノ
基の両方に対して化学的に結合可能な官能基を有する多
官能性スペーサーを介して結合させることができる。該
多官能性スペーサーとしては、例えば、抗HIV活性化
合物中の水酸基と結合可能な一方のカルボキシル基を有
し、さらに他の抗HIV活性化合物中のアミノ基とも結
合を形成できるもう一つのカルボキシル基を有すること
が好ましく、具体的にはカルボキシル基を2個以上有す
る環状または鎖状化合物などが挙げられるが、その中で
もとりわけ鎖状脂肪族化合物が好ましい。なお、該多官
能性スペーサーは抗HIV活性化合物の結合を妨げない
限り他の官能基を有していてもよい。
【0018】多官能性スペーサーとしてカルボキシル基
を2個以上有する鎖状脂肪族化合物としては、合成の簡
便性、生体内での酵素による被切断能、本発明化合物の
抗HIV活性などを考慮すると、炭素数3〜12の脂肪
族ジカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数3
〜8の脂肪族ジカルボン酸である。また、脂肪族ジカル
ボン酸のなかでもこはく酸、グルタル酸またはそれらの
誘導体が特に好ましい。さらに、多官能性スペーサーと
しては、上記した脂肪族ジカルボン酸(例、こはく酸、
グルタル酸など)とアミノ酸(例、グリシン、アラニン
など)とが結合したものであってもよい。上記製造に用
いられる抗HIV活性化合物の塩は、本発明化合物と同
様なものが用いられる。
【0019】また、上記製造において、原料化合物とし
て用いられる抗HIV活性化合物が反応に関与しない官
能基としてアミノ基、カルボキシル基、水酸基などを有
する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用
いられるような保護基が導入されたものであってもよ
く、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより
目的化合物を得ることができる。アミノ基の保護基とし
ては、例えば、置換基を有していてもよいC1-6アルキ
ルカルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルな
ど)、ホルミル、ベンゾイル、C1-6アルキルオキシカ
ルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、t−ブトキシカルボニルなど)、フェニルオキ
シカルボニル、C7-10アラルキルオキシカルボニル(例
えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチル、フ
タロイルなどが用いられる。これらの置換基としては、
ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、C1-6アルキルカルボニル(例えば、アセチル、
プロピオニル、ブチリルなど)、ニトロ基などが用いら
れ、置換基の数は1ないし3個程度である。カルボキシ
ル基の保護基としては、例えば、置換基を有していても
よいC1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなど)、フェニ
ル、トリチル、シリルなどが用いられる。これらの置換
基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)、C1-6アルキルカルボニル(例え
ば、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、ホルミ
ル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3
個程度である。水酸基の保護基としては、例えば、置換
基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブ
チルなど)、フェニル、C7-10アラルキル(例えば、ベ
ンジルなど)、C1-6アルキルカルボニル(例えば、ア
セチル、プロピオニルなど)、ホルミル、フェニルオキ
シカルボニル、C7-10アラルキルオキシカルボニル(例
えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、ピラニル、フ
リル、シリルなどが用いられる。これらの置換基として
は、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素など)、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなど)、
フェニル、C7-10アラルキル(例えば、ベンジルな
ど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし
4個程度である。
【0020】また、保護基の導入および除去方法として
は、それ自体公知またはそれに準じる方法(例えば、プ
ロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・ケミ
ストリー(J.F.W.McOmieら、プレナムプレ
ス社)に記載の方法)が用いられるが、除去方法として
は、例えば、酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フ
ェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナト
リウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パ
ラジウムなどで処理する方法が用いられる。抗HIV活
性化合物のカルボキシル基とアミノ基との間でアミド結
合を形成させ、本発明化合物を製造する場合、その縮合
反応は通常のペプチド合成手段により行われる。該ペプ
チド合成手段は、任意の公知の方法に従えばよく、例え
ば、M.BodanskyおよびM.A.Ondett
i著、ペプチド・シンセシス(Peptide Syn
thesis)、インターサイエンス、ニューヨーク、
1966年;F.M.FinnおよびK.Hofman
n著、ザ・プロテインズ(The Protein
s)、第2巻、H.Nenrath,R.L.Hill
編集、アカデミック プレス インク.、ニューヨーク、
1976年;泉屋信夫他著“ペプチド合成の基礎と実
験”、丸善(株)、1985年などに記載された方法、
例えば、アジド法、クロライド法、酸無水物法、混酸無
水物法、DCC法、活性エステル法、ウッドワード試薬
Kを用いる方法、カルボニルジイミダゾール法、酸化還
元法、 DCC/HOBt法、DCC/HONB法など
の他、WSC法、シアノリン酸ジエチル(DEPC)を
用いる方法などが挙げられる。本縮合反応は溶媒中で行
うことができる。溶媒としては、例えば、無水または含
水のN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロメタン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリルあるいは
これらの適宜の混合物が挙げられる。反応温度は、通常
約−20℃〜約50℃、好ましくは約−10℃〜約30
℃である。反応時間は約1〜約100時間、好ましくは
約2〜約40時間である。このようにして得られた本発
明化合物は公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。
【0021】抗HIV活性化合物のカルボキシル基と水
酸基との間でエステル結合を形成させ、本発明化合物を
製造する場合、自体公知の方法、例えば、前記アミド結
合形成反応に用いられたものと同様の方法、反応条件お
よび分離精製手段を用いることができる。また、抗HI
V活性化合物の水酸基と他の官能基、例えば、アミノ基
との間で多官能性スペーサー、例えば、脂肪族ジカルボ
ン酸(例、こはく酸、グルタル酸)を介して結合を形成
させて本発明化合物を製造する場合、まず抗HIV活性
化合物の水酸基と多官能性スペーサーの結合体を形成す
る。すなわち、例えば、ジメチルアミノピリジン存在下
で水酸基を有する抗HIV活性化合物(例、核酸系逆転
写酵素阻害剤など)を無水こはく酸あるいは無水グルタ
ル酸と反応させ、抗HIV活性化合物にこはく酸あるい
はグルタル酸がエステル結合した多官能性スペーサーと
の結合体を得る。次いで、この結合体を、例えば、アミ
ノ基を有する抗HIV活性化合物に前記ペプチド合成手
段により縮合させて結合することができる。このように
して得られた本発明化合物は公知の分離精製手段、例え
ば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、
クロマトグラフィーなどにより単離精製することができ
る。
【0022】本発明の多剤結合性化合物、2剤結合性化
合物またはそれらの塩は、ヒトにおける種々のHIVの
感染症、例えば、AIDSの予防・治療剤およびAID
Sの病態進行抑制剤として使用することができ、また、
低毒性で安全に使用することができる。本発明の多剤結
合性化合物、2剤結合性化合物またはそれらの塩の1日
当たりの投与量は、患者の状態や体重、投与の方法によ
り異なるが、経口投与の場合、成人(体重50Kg)1
人当たり活性成分として、約5〜2000mg、好まし
くは約10〜1000mgであり、さらに好ましくは約
20〜700mgであり、1日当たり1回または2から
3回に分けて投与する。本発明の多剤結合性化合物、2
剤結合性化合物またはそれらの塩と他のHIVの感染症
の予防・治療剤と組合せて用いる場合、他のHIVの感
染症の予防・治療剤の投与量は、例えば、通常の投与量
の約1/200ないし1/2以上、約2ないし3倍以下
の範囲で適宜選択される。
【0023】
【発明の効果】本発明の多剤結合性化合物、2剤結合性
化合物またはそれらの塩は、多剤併用療法と同等以上の
治療効果が期待され、ヒトにおける種々のHIVの感染
症、例えば、AIDSの予防、治療ならびにAIDSの
病態進行抑制のために有利に使用できる。また、本発明
化合物は、より高活性な抗HIV作用を有し、経口吸収
性、安定性、物性などが改善され、服用の時間・量等の
複雑さなどの服用における問題点が改善され、取り扱い
も容易であり、投与量の低減・投与期間の短縮などに伴
い毒性が軽減されていることから、カクテル療法に変わ
りうる簡便でかつより有効な薬剤として用いることがで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に試験例、製剤例、参考例、
実施例を示し、本願発明をさらに詳しく説明する。しか
し、これらは、単なる例であって本発明を何ら限定する
ものではない。また、本明細書中の各記号は次の意味を
示す。 tBu : t-ブチル Boc : t-ブトキシカルボニル Thz : (R)-1,3-チアゾリジン-4-カルボニル DMAP : 4-(ジメチルアミノ)ピリジン DCC : N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF : N,N'-ジメチルホルムアミド HOBt : 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール EDC : N-エチル-N'-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]カ
ルボジイミド Apns : (2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブ
タノイル Dmt : (R)-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボ
ニル AZT : 3'-アジド-3'-デオキシチミジン
【0025】
【実施例】〔試験例〕 (1)HIVプロテアーゼ阻害活性 本発明化合物のHIVプロテアーゼ阻害活性は、既に、
文献に報告されている試験方法(木曽 良明、有機合成
化学協会誌 第52巻、403-412 (1994)、特開平5-170722
号公報等)に従い、実施例1から7の化合物を評価し
た。また、参考例として、参考例化合物1から4を用い
て、同様の試験を実施した。天然のHIVプロテアーゼ
に換え、既に文献(Science 230, 949 (1985)を参照)に
報告されている組換えHIVプロテアーゼを用いて、H
IVプロテアーゼ阻害活性を評価した(特開平5-170722
号公報等を参照)。また、該組換えHIVプロテアーゼ
に対して、基質として、合成ノナペプチド基質(Ac-Arg-
Ala-Ser-Gln-Asn-Tyr-Pro-Val-Val-NH2・トリフルオロ酢
酸塩)を用いて、プロテアーゼ活性を測定した。すなわ
ち、終濃度100mMのMES緩衝液(pH5.5)、40mMの該基質、
9.2μgの該組換えHIVプロテアーゼ、および種々の濃
度の被験化合物(例えば、あらかじめDMSOなどに溶解し
た)を含む15μlの反応液を用い、反応は、該組換えHI
Vプロテアーゼを反応液に最後に添加し開始し、37℃、
60分間反応させ、その後、15μlアセトニトリルの添加
により、反応を停止させた。該基質の-Tyr…Pro-間の切
断で生成するペプチド断片は、逆相HPLC内部標準法によ
り定量した。被験化合物の濃度を零とする時、プロテア
ーゼ活性を100%、ペプチド断片が測定されない時、残存
する活性を0%とし、定量されるペプチド断片の濃度よ
り、残存活性を算定した。なお、残存活性0%の時、HI
Vプロテアーゼ阻害活性の指標、阻害率を100%とし、阻
害率は、該百分率表記する残存活性を100%から減ずる値
により定義した。
【0026】(2)抗HIV活性 本発明化合物の抗HIV活性を下記の方法により評価し
た。すなわち、T細胞リンパ球に感染するHIVウイルスの
ウイルス粒子生成を阻害する効果を、該HIVウイルス感
染に伴うT細胞リンパ球の死滅を防止する能力により評
価した。文献に記載の試験方法(O.S. Weislow et al.,
J. Natl. Cancer Inst., 81, 577 (1989)などを参照)に
従い、本発明化合物の抗HIV活性を評価した。対象とす
るT細胞リンパ球としてCEMM-SS細胞を用い、またHIVウ
イルスとして、HIV1型ウイルスであるHIV-1 IIIB(HTLV-
IIIB)ウイルスを用いた。所定濃度の被験化合物およびH
IV-1 IIIB ウイルス(1穴当たりのウイルス量は、感染6
日後に感染細胞が完全に死滅するのに要する量)を含む2
00μlの培養液(RPMI-1640培地および50 μgゲンタマイ
シン/mlを含む10%仔牛血清より成る)を加えた96穴マイ
クロタイタープレートにCEMM-SS細胞(2.5x104細胞/ml)
を蒔き、5%CO2を含むインキュベーター中、37℃で6日間
培養した。培養後、生存する細胞数をMTT法(R. Pauwels
et al., J. Virol. Methods 20, 309 (1988)などを参
照)により測定し、その測定値を(ODT)HIVと示す。HIV非
感染のCEMM-SS細胞、並びにHIV感染CEMM-SS細胞を、そ
れぞれ被験化合物の濃度を零として、同様に培養した
後、生存する細胞数を測定し、その測定値を(O
DC)MOCK、(ODC)HIVとそれぞれ示す。これらの測定値(OD
T)HIV、(ODC)MOCK、(ODC)HIVより、該HIVウイルス感染
に伴うT細胞リンパ球の死滅を防止する阻害率を下記の
式で算出する。
【0027】
【数1】 [(ODT)HIV−(ODC)HIV]/[(ODC)MOCK−(ODC)HIV] 算出された阻害率が50%となる被験化合物の添加濃度、E
C50により抗HIV活性を評価した。上記する方法で評価し
た、本発明化合物のHIVプロテアーゼ阻害活性および
抗HIV活性の評価結果を、さらに参考例化合物の試験
結果も併せて〔表1〕に示す。なお、表1に示すHIV
プロテアーゼ阻害活性は、被験化合物の反応液中の終濃
度が5μMの時の阻害率(括弧内の値は終濃度が50nMの時
の阻害率)を示す。
【0028】
【表1】
【0029】〔製剤例〕本発明化合物またはその塩を有
効成分として含有する医薬組成物(例えば、HIV感染
症予防治療剤、AIDS予防治療剤など)は、例えば、
次のような処方によって製造することができる。 (1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和し
た後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体を
ゼラチンカプセルに封入する。 (1)、(2)、(3)(4)の2/3および(5)の
1/2を混和した後、顆粒化する。この顆粒に残りの
(4)および(5)を加えて錠剤に加圧成形する。
【0030】参考例1 (R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチルスクシニ
ル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-1,3-チ
アゾリジン-4-カルボキサミド (KNI-391) 掲題化合物は日本特許公開公報 特開平8-259532に記載
の方法に従い合成した。2,2-ジメチルコハク酸(176mg)
をクロロホルム−N,N-ジメチルホルムアミド(1:1)の混
合液に溶解後、ジシクロヘキシルカルボジイミド(248m
g)を加え室温で3時間攪拌した。不溶物を濾過後、濾液
に氷冷下、(R)-3-[(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-
フェニルブチリル]-1,3-チアゾリジン-4-N'-t-ブチルカ
ルボキサミド[Science 248, 358 (1990); Bioorg. & Me
d. Chem. Lett., 4, 2273 (1994)等記載の方法に従い調
製](400mg)を加え、室温で一夜攪拌した。反応液を減圧
濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し5%クエン酸水溶液、
飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧溜去後、n-ヘキサンより結晶化させ、標
記化合物(467mg)を得た。融点 99−102℃ TOF-MS(飛
行時間型質量分析) [M+H]+ 494
【0031】参考例2 (R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチルスクシニ
ル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-5,5-ジ
メチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド (KNI-413) 参考例1と同様にして、2,2-ジメチルコハク酸と(R)-3-
[(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]
-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-N'-t-ブチルカル
ボキサミド(特開平8-259532に記載の方法に従い調製)よ
り、標記化合物を調製した。融点 98−102℃ TOF-MS
[M+H]+ 522
【0032】参考例3 (R)-N-(2-メチルベンジル)-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチ
ルスクシニル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリ
ル]-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド (KNI-689) 参考例1と同様にして、2,2-ジメチルコハク酸と(R)-3-
[(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]
-1,3-チアゾリジン-4-N'-(2-メチルベンジル)カルボキ
サミド(特開平10-101654に記載の方法に従い調製)よ
り、標記化合物を調製した。融点 103−104℃ TOF-MS
[M+H]+ 542
【0033】参考例4 (R)-N-(2-メチルベンジル)-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチ
ルスクシニル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリ
ル] -5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミ
ド (KNI-852) 参考例1と同様にして、2,2-ジメチルコハク酸と(R)-3-
[(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]
-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-N'-(2-メチルベン
ジル)カルボキサミド(特開平10-25242に記載の方法に従
い調製)より、標記化合物を調製した。融点 100−102℃
TOF-MS [M+H]+ 570
【0034】実施例1 {(2S,5R)-3-アジド-5-[5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジ
ヒドロ-1(2H)-ピリミジニル]テトラヒドロ-2-フラニル}
メチル 4-[((1S,2S)-1-ベンジル-3-{(4R)-4-[(t-ブチ
ルアミノ)カルボニル]-1,3-チアゾリジン-3-イル}-2-ヒ
ドロキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-2,2-ジメチル-4-
オキソブタノアート (R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチルスクシニ
ル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-1,3-チ
アゾリジン-4-カルボキサミド(参考例化合物1:240mg)
のジクロロメタン溶液に、氷冷下、3'-アジド-2',3'-デ
オキシチミジン(AZT)(52mg)、4-(ジメチルアミノ)ピリ
ジン(5mg)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(100m
g)を加え、室温で終夜攪拌した。不溶物を濾過後、濾液
を減圧濃縮して、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し5%
クエン酸水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧溜去後、n-ヘキサンより結晶化させ、標記化合
物(147mg)を得た。融点 83−84℃ FAB-MS(高速原子衝
撃質量分析) m/z 743.3176([M+H]+)
【0035】実施例2 {(2S,5R)-3-アジド-5-[5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジ
ヒドロ-1(2H)-ピリミジニル]テトラヒドロ-2-フラニル}
メチル 4-[((1S,2S)-1-ベンジル-3-{(4R)-4-[(t-ブチ
ルアミノ)カルボニル]-1,3-チアゾリジン-3-イル}-2-ヒ
ドロキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-2,3-ジメチル-4-
オキソブタノアート 2,3-ジメチルコハク酸(30mg)をクロロホルム−N,N-ジメ
チルホルムアミド(1:1)の混合液に溶解後、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(43mg)を加え室温で3時間攪拌し
た。不溶物を濾過後、濾液に氷冷下、3'-アジド-2',3'-
デオキシチミジン(AZT)(56mg)、4-(ジメチルアミノ)ピ
リジン(2mg)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減
圧濃縮後、残渣のN,N-ジメチルホルムアミド溶液に、氷
冷下、(R)-3-[(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェ
ニルブチリル]-1,3-チアゾリジン-4-N'-t-ブチルカルボ
キサミド(70mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和
物(32mg)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(43mg)
を加え室温で終夜攪拌した。不溶物を濾過後、濾液を減
圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し5%クエン
酸水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減
圧溜去後、n-ヘキサンより結晶化させ、標記化合物(115
mg)を得た。融点 102−103℃ FAB-MS m/z 743.3202
([M+H]+)
【0036】実施例3 {(2S,5R)-3-アジド-5-[5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジ
ヒドロ-1(2H)-ピリミジニル]テトラヒドロ-2-フラニル}
メチル 4-[((1S,2S)-1-ベンジル-3-{(4R)-5,5-ジメチ
ル-4-[(t-ブチルアミノ)カルボニル]-1,3-チアゾリジン
-3-イル}-2-ヒドロキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-2,2
-ジメチル-4-オキソブタノアート (R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチルスクシニ
ル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-5,5-ジ
メチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(参考例化
合物2:244mg)のジクロロメタン溶液に、氷冷下、3'-ア
ジド-3'-デオキシチミジン(AZT)(50mg)、4-(ジメチルア
ミノ)ピリジン(4mg)およびジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(95mg)を加え、室温で終夜攪拌した。不溶物を濾過
後、濾液を減圧濃縮して、得られた残渣を酢酸エチルに
溶解し5%クエン酸水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を減圧溜去後、n-ヘキサンより結晶化さ
せ、標記化合物(138mg)を得た。融点 95−97℃ FAB-MS
m/z 771.3508([M+H]+)
【0037】実施例4 {(2S,5R)-3-アジド-5-[5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジ
ヒドロ-1(2H)-ピリミジニル]テトラヒドロ-2-フラニル}
メチル 4-{[(1S,2S)-1-ベンジル-2-ヒドロキシ-3-((4
R)-4-{[(2-メチルベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チ
アゾリジン-3-イル)-3-オキソプロピル]アミノ}-2,2-ジ
メチル-4-オキソブタノアート(R)-N-(2-メチルベンジ
ル)-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチルスクシニル)アミノ-2-
ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-1,3-チアゾリジン-4-
カルボキサミド(参考例化合物3:197mg)のジクロロメタ
ン溶液に、氷冷下、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZ
T)(50mg)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(4mg)およびジ
シクロヘキシルカルボジイミド(67mg)を加え、室温で終
夜攪拌した。不溶物を濾過後、濾液を減圧濃縮して、得
られた残渣を酢酸エチルに溶解し5%クエン酸水溶液、5%
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去後、n-
ヘキサンより結晶化させ、標記化合物(136mg)を得た。
融点102−103℃ FAB-MS m/z 791.3205([M+H]+)
【0038】実施例5 {(2S,5R)-3-アジド-5-[5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジ
ヒドロ-1(2H)-ピリミジニル]テトラヒドロ-2-フラニル}
メチル 4-{[(1S,2S)-1-ベンジル-2-ヒドロキシ-3-((4
R)-4-{[(2-メチルベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チ
アゾリジン-3-イル)-3-オキソプロピル]アミノ}-2,3-ジ
メチル-4-オキソブタノアート2,3-ジメチルコハク酸(34
mg)をクロロホルム−N,N-ジメチルホルムアミド(1:1)の
混合液に溶解後、ジシクロヘキシルカルボジイミド(48m
g)を加え室温で3時間攪拌した。不溶物を濾過後、濾液
に氷冷下、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)(57m
g)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(2mg)を加え、室温で
終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣のN,N-ジメチ
ルホルムアミド溶液に、氷冷下、(R)-3-[(2S,3S)-3-ア
ミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-1,3-チアゾリ
ジン-4-N'-(2-メチルベンジル)カルボキサミド(80mg)、
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(33mg)およびジ
シクロヘキシルカルボジイミド(44mg)を加え室温で終夜
攪拌した。不溶物を濾過後、濾液を減圧濃縮し、得られ
た残渣を酢酸エチルに溶解し5%クエン酸水溶液、5%炭酸
水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去後、n-ヘキ
サンより結晶化させ、標記化合物(120mg)を得た。融点
114−115℃ FAB-MS m/z 791.3230([M+H]+)
【0039】実施例6 {(2S,5R)-3-アジド-5-[5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジ
ヒドロ-1(2H)-ピリミジニル]テトラヒドロ-2-フラニル}
メチル 4-{[(1S,2S)-1-ベンジル-3-((4R)-5,5-ジメチ
ル-4-{[(2-メチルベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チ
アゾリジン-3-イル)-2-ヒドロキシ-3-オキソプロピル]
アミノ}-2,2-ジメチル-4-オキソブタノアート (R)-N-(2-メチルベンジル)-3-[(2S,3S)-3-(3,3-ジメチ
ルスクシニル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリ
ル] -5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミ
ド(参考例化合物4:266mg)のジクロロメタン溶液に、氷
冷下、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)(50mg)、4-
(ジメチルアミノ)ピリジン(3mg)およびジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(87mg)を加え、室温で終夜攪拌した。
不溶物を濾過後、濾液を減圧濃縮して、得られた残渣を
酢酸エチルに溶解し5%クエン酸水溶液、5%炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去後、n-ヘキサンより
結晶化させ、標記化合物(163mg)を得た。融点 107−108
℃ FAB-MS m/z 819.3533([M+H]+)
【0040】実施例7 {(2S,5R)-3-アジド-5-[5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジ
ヒドロ-1(2H)-ピリミジニル]テトラヒドロ-2-フラニル}
メチル 4-{[(1S,2S)-1-ベンジル-3-((4R)-5,5-ジメチ
ル-4-{[(2-メチルベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チ
アゾリジン-3-イル)-2-ヒドロキシ-3-オキソプロピル]
アミノ}-2,3-ジメチル-4-オキソブタノアート 2,3-ジメチルコハク酸(29mg)をクロロホルム−N,N-ジメ
チルホルムアミド(1:1)の混合液に溶解後、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(41mg)を加え室温で3時間攪拌し
た。不溶物を濾過後、濾液に氷冷下、3'-アジド-3'-デ
オキシチミジン(AZT)(53mg)、4-(ジメチルアミノ)ピリ
ジン(2mg)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧
濃縮後、残渣のN,N-ジメチルホルムアミド溶液に、氷冷
下、(R)-3-[(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニ
ルブチリル] -5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-N'-(2
-メチルベンジル)カルボキサミド(80mg)、1-ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール水和物(31mg)およびジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(41mg)を加え室温で終夜攪拌した。不
溶物を濾過後、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸
エチルに溶解し5%クエン酸水溶液、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧溜去後、n-ヘキサンより結晶
化させ、標記化合物(133mg)を得た。融点 116−118℃
FAB-MS m/z 819.3546([M+H]+)
【0041】参考例5 H-Gly-AZT 塩酸塩 AZT(1.0g)をCHCl3-DMF(1:1)の混合液に溶解させ、氷冷
下、Boc-Gly-OH(1.32g)およびDMAP(0.46g)を加え、終夜
攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチル
に溶解させ、5%クエン酸水溶液、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧濃縮し、n-ヘキサンを加えて析出した
沈殿を濾取し、白色粉末を得た。これにアニソール(0.2
5ml)および4N HCl/ジオキサン(5ml)を加え、室温で1時
間攪拌した後、反応液を減圧濃縮し、ジエチルエーテル
を加えて析出した沈殿を濾取し、標記化合物を白色粉末
として得た。
【0042】実施例8 2,6-ジメチルフェノキシアセチル-Apns(サクシニル-Gly
-AZT)-Dmt-NH-tBu J. Med. Chem., 42, 1789 (1999)に記載の方法に従って
合成した2,6-ジメチルフェノキシアセチル-Apns-Dmt-NH
-tBu(150mg)をCHCl3-DMF(1:1)の混合液に溶解させ、氷
冷下、無水コハク酸(54mg)およびDMAP(6.6mg)を加え、
終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣を酢酸エ
チルに溶解させ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧濃縮し、残渣をDMFに溶解させ、
氷冷下、参考例5で得られたH-Gly-AZT 塩酸塩(293m
g)、HOBt・H2O(111mg)およびEDC・HCl(139mg)を加え、
終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣を酢酸エ
チルに溶解させ、5%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、
凍結乾燥した後、標記化合物の粗精製物をHPLCで精製し
て、最終精製物を得た。 収量 34.3mg 融点 112.8−117.0℃ [α] -4.69°(C=0.06, MeOH) HRFAB-MS m/z 962.4090([M+H]+)
【0043】実施例9 2,6-ジメチルフェノキシアセチル-Apns(グルタリル-Gly
-AZT)-Dmt-NH-tBu J. Med. Chem., 42, 1789 (1999)に記載の方法に従って
合成した2,6-ジメチルフェノキシアセチル-Apns-Thz-NH
-tBu(200mg)をCHCl3-DMF(1:1)の混合液に溶解させ、氷
冷下、無水グルタル酸(62mg)およびDMAP(22mg)を加え、
終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣を酢酸エ
チルに溶解させ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧濃縮し、残渣をDMFに溶解させ、
氷冷下、HOBt・H2O(172mg)およびEDC・HCl(214mg)を加
え、室温で20分攪拌した後、参考例5で得られたH-Gly-
AZT 塩酸塩(227mg)を加えて、終夜攪拌した。反応液を
減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチルに溶解させ、5%クエ
ン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧濃縮し、凍結乾燥した後、標記化
合物の粗精製物をHPLCで精製して、最終精製物を得た。 収量 55.5mg 融点 93.5−95.5℃ [α] -4.769°(C=0.06, MeOH) HRFAB−MS m/z 976.4229([M
+H]
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 A61P 37/04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞表面蛋白質に親和性のない抗HIV活
    性を有する化合物群から選ばれた任意の同一または異な
    った2化合物以上が結合してなる多剤結合性化合物また
    はその塩。
  2. 【請求項2】HIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテア
    ーゼ阻害剤およびCCR5拮抗剤より選ばれたいずれか
    2剤が結合してなる2剤結合性化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】抗HIV活性を有する化合物が、HIV逆
    転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤またはCC
    R5拮抗剤である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】抗HIV活性を有する化合物群から選ばれ
    る少なくとも1つの化合物がCCR5拮抗剤である請求
    項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】2剤がHIV逆転写酵素阻害剤およびHI
    Vプロテアーゼ阻害剤である請求項2記載の化合物。
  6. 【請求項6】HIV逆転写酵素阻害剤が、少なくとも1
    個の水酸基を有する核酸系阻害剤またはその類縁体であ
    る請求項2、請求項3または請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】HIV逆転写酵素阻害剤が、ジドブジン、
    ジダノシン、ザルシタビン、ラミブジン、スタブジンま
    たはアバカビルである請求項2、請求項3または請求項
    5記載の化合物。
  8. 【請求項8】HIV逆転写酵素阻害剤が、ジドブジンで
    ある請求項2、請求項3または請求項5記載の化合物。
  9. 【請求項9】HIVプロテアーゼ阻害剤が、少なくとも
    1個の水酸基、アミノ基または/およびカルボキシル基
    を有し、HIVプロテアーゼの基質遷移状態をミミック
    する化合物である請求項2、請求項3または請求項5記
    載の化合物。
  10. 【請求項10】HIVプロテアーゼ阻害剤が、サキナビ
    ル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビルまたは
    式 【化1】 (式中、RはC1-6アルキル基または置換されていても
    よいフェニル−C1-3アルキル基を示し、R1およびR2
    はそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基
    を示し、Xは置換されていてもよいC1-6アルキレン基
    を示す)または 【化2】 (式中、RはC1-6アルキル基または置換されていても
    よいフェニル−C1-3アルキル基を示し、R1およびR2
    はそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基
    を示し、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を示
    す)で表される化合物またはその塩である請求項2、請
    求項3または請求項5記載の化合物。
  11. 【請求項11】HIVプロテアーゼ阻害剤が、式 【化3】 (式中の各記号は請求項10と同意義)または 【化4】 (式中の各記号は請求項10と同意義)で表される化合
    物またはその塩である請求項2、請求項3または請求項
    5記載の化合物。
  12. 【請求項12】結合が、直接の結合またはスペーサーを
    介した結合である請求項1または請求項2記載の化合
    物。
  13. 【請求項13】スペーサーが、少なくとも2個のカルボ
    キシル基を有する化合物である請求項12記載の化合
    物。
  14. 【請求項14】2剤結合性化合物が式 【化5】 (式中の各記号は請求項10と同意義)または 【化6】 (式中の各記号は請求項10と同意義)で表される化合
    物である請求項5記載の化合物。
  15. 【請求項15】Rが(1)C1-3アルキル基で置換され
    たベンジル基または(2)t−ブチル基であり、R1
    よびR2がそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基
    であり、Xがメチレンの任意の位置がメチル基で置換さ
    れていてもよい−(CH2m−(mは1から3の整数を
    示す)である請求項10、請求項11または請求項14
    記載の化合物。
  16. 【請求項16】請求項1、請求項2記載の化合物または
    それらの塩を含有してなる医薬組成物。
  17. 【請求項17】経口投与剤である請求項16記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】HIVの感染症の予防・治療剤である請
    求項16記載の組成物。
  19. 【請求項19】AIDSの予防・治療剤である請求項1
    6記載の組成物。
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