JP2000302073A - 自転車用ハブダイナモ - Google Patents

自転車用ハブダイナモ

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JP2000302073A
JP2000302073A JP11112294A JP11229499A JP2000302073A JP 2000302073 A JP2000302073 A JP 2000302073A JP 11112294 A JP11112294 A JP 11112294A JP 11229499 A JP11229499 A JP 11229499A JP 2000302073 A JP2000302073 A JP 2000302073A
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憲治 糸井
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誠 内田
Isao Suzuki
功 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブダイナモ1の左右ヨーク9の基端部間に
配されるスペーサ部材について、渦電流損が発生した
り、特性低下をきたさないようにする。 【解決手段】 スペーサ部材8を、順次径の異なる円筒
部材8aを入れ子状態に積層させて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前照灯等の電源供
給源となる自転車用ハブダイナモの技術分野に属するも
のである。
【0002】
【従来技術】一般に、自転車の前照灯等の電源供給源と
してダイナモが一般に採用され、この様なダイナモとし
て、車輪の車軸ハブ部に設けられるハブダイナモが知ら
れている。そしてこの様なハブダイナモは、車輪スポー
ク(図示せず)に固定される車軸に、スペーサを介して
コイルボビンを支持し、該コイルボビンにステータコイ
ルを巻装し、その外周側にクローポール型のヨーク(磁
極片)を左右両側から設ける一方、車輪側にはマグネッ
トが止着されたリングヨークを固定し、車輪回転に基づ
くマグネットのステータコイルに対する相対回転で発電
するようにしている。ところでこの様なハブダイナモに
おいて、前記左右のヨークを固定する必要があり、その
ため従来は、次ぎのようなものがあった。まず図5
(A)に示す第一のものは、前記クローポール型をした
左右各ヨーク(磁極片)11の基端部(軸芯側部)を左
右方向対向面側に向けてそれぞれ絞り加工してスペーサ
片12を形成し、そして該左右のスペーサ片12同志を
互いに接当固定したものがある。また、同図(B)に示
す第二のものは、左右ヨーク13の基端部間に肉厚円筒
状のスペーサ部材14を介装し、該スペーサ部材14に
ヨーク13の基端部を固定したものがある。さらに同図
(C)に示す第三のものは、左右ヨーク15の基端部間
に介装されるスペーサ16を四角筒形状とし、該四角筒
形状の各辺を平板16aを複数枚積層して形成したもの
がある。尚、これらの図面において17はリングヨー
ク、18はマグネット、19はステータコイル、20は
コイルボビン、Cは車軸センターである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
ものは次ぎの様な問題がある。まず第一のものは、スペ
ーサ片12が絞り加工により形成されている結果、該絞
り部の面積が磁束を受ける面積より小さくなってしまう
ため、この絞り部で磁束が飽和することになって効率の
良い発電ができなくなるという問題がある。次ぎの第二
のものは、第一のもののように面積が小さくなるため飽
和するという問題はないが、高速時においてスペーサ部
材14の内部に発生する渦電流損が大となって高速時の
出力電圧が低下するという問題がある。最後に第三のも
のであるが、スペーサ部材16を積層板16aで形成し
ているため、第二のものに比して渦電流損を低減するこ
とができるが、スペーサ部材16が平板を積層して四角
筒形状にしている結果、スペーサ部材16とコイルボビ
ン20とは、スペーサ部材16のコーナー部では当接す
るが、隣接コーナー部のあいだでは離間し、しかもこの
離間する距離が変化することになり、この結果、コイル
ボビンが大径となってステータコイル19の巻きスペー
スが狭くなってしまうという問題がある。しかも、コイ
ル巻きスペースを広くしようとすると、ハブダイナモが
大型化することになる。そのうえ、スペーサ部材16と
ステータコイル19との距離が離間することで特性が低
下するという問題があり、ここに本発明の解決すべき課
題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、車輪ハブ部に取付けられる自転車
用のハブダイナモであって、該ハブダイナモを構成すべ
くステータコイルの外側に設けられるヨークの基端部間
にスペーサ部材を介装するにあたり、該スペーサ部材
は、薄板材を円筒状に積層組み込みして形成されている
ことを特徴とするもので、このようにすることにより、
磁束が飽和することを回避し、かつ渦電流損を低減でき
るものでありながら、スペーサ部材とコイルボビンとの
あいだに無駄なスペースが形成されてしまうことを回避
して、スペース効率を向上すると共に、スペーサ部材と
ステータコイルとの距離関係を一定にして高速出力時の
特性を改善することができる。またこのものにおいて、
スペーサ部材は、順次径の異なった薄板円筒部材を積層
して形成したもの、あるいは薄板材を渦巻き状に積層し
て形成したものにすることができる。さらに、スペーサ
部材については、各径に設定された半円筒状のものを突
き合わせて形成されているもの、各対応する円周寸法に
形成された薄板材を円筒状に湾曲したものを積層して形
成されているものにすることができる。またこれらにつ
いて、スペーサ部材は、軸に対して径方向に積層されて
いることを特徴とすることができ、このものでは、磁気
抵抗を減らし、効率よく磁束を流すことができると共
に、渦電流損を低減できる。
【0005】
【発明の実施の形態】次ぎに、本発明の実施の形態につ
いて、図面に基づいて説明する。図中、1は自転車の車
軸ハブ部に取り付けられるハブダイナモであって、該ハ
ブダイナモ1を構成する筒状のリングヨーク2は内周面
にマグネット(永久磁石)3が固着されている。さらに
リングヨーク2の外周を被覆内奏するケーシング4に
は、車輪スポーク(図示せず)を取付けるための取付け
孔4aが形成されていると共に、該ケーシング4の一側
部を覆蓋するサイドパネル5の軸芯部がベアリング6を
介して車軸7に自由回転自在に軸支されており、そして
リングヨーク2と共にマグネット3が車輪の回転に連動
して一体回動するようになっていること等は何れも従来
通りである。
【0006】一方、前記車軸7には後述するスペーサ部
材8が外嵌状に止着され、該スペーサ部材8の外周にコ
イルボビン9が止着され、さらに該コイルボビン9にス
テータコイル10が巻装されている。さらに11はクロ
ーポール型のヨーク(磁極片)であって左右一対が設け
られるが、該各ヨーク11の基端部11aは前記スペー
サ部材8の左右両側部に止着されている。尚、図中、7
a、7bはヨーク基端部11aを車軸7に固定するため
のナットである。
【0007】さて、前記スペーサ部材8は次ぎのように
して組み込み形成されている。つまり、鉄等の強磁性材
料から形成され、略板厚相当分だけ順次径が異なった複
数の薄板円筒部材8aを用意し、これら板厚円筒部材8
aを入れ子状態(年輪状態)で軸方向に円筒積層状態に
なるよう嵌合組み込みして形成されている。
【0008】叙述の如く構成されたものにおいて、車輪
の回転に伴い、ステータコイル10に起電されることに
なるが、この場合に、左右ヨーク11の基端部を連結す
るためスペーサ部材8が介装されているため、ヨーク1
1の基端部間が磁束を受ける面積より小さくなることが
なくなって磁束の飽和を回避でき、しかもこのスペーサ
部材8は、薄板の積層構造になっていて、渦電流損の低
減を図ることができながら、薄板積層構造を、従来のよ
うに四角筒形状ではなく円筒形状にしているから、四角
筒状にしたもののようにスペーサ部材8とコイルボビン
9とのあいだに無駄なスペースが形成されてしまうこと
がなくなって、スペーサ部材8とコイルボビン9の胴部
とを隙間のない状態で組込むことができ、この結果、ス
ペーサ部材8とステータコイル10との距離の関係も均
一になって距離の関係にバラツキを生じてしまう四角筒
形状のもののように特性の低下を伴うことがなく、高速
時出力の特性改善を図ることができる。
【0009】尚、本発明は、前記実施の形態のものに限
定されないことは勿論であって、スペーサ部材としては
図4にそれぞれ示す構成としても実施することができ
る。まず図4(A)に示す実施の形態のものは、スペー
サ部材8を、長尺の薄板材8bを渦巻き状に積層して形
成したもので、この場合には、長尺薄板材をロール成形
することにより形成することができる。また、同図
(B)、(C)に示す実施の形態のものは、スペーサ部
材8を、各径に設定された半円筒状(半円に限らず、1
/3半円、1/4半円等、必要において分割した適宜の
半円で良いことは勿論である)の薄板材8cをそれぞれ
突き合わせて積層形成したもの、各対応する円周寸法に
形成された薄板材8dを円筒状に湾曲したものを積層し
て形成したもので、これらのものでは、スペーサ部材8
に薄板材の区切りライン8eがでるものの、薄板材の半
円または円筒の湾曲加工で良いため、加工が簡単にでき
る。勿論、この様な場合に、仕切りライン8eを周回り
方向に位置ズレさせたものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハブダイナモのケーシング部を断面した側面図
である。
【図2】ハブダイナモの全体断面側面図である。
【図3】(A)スペーサ部材の正面図、(B)スペーサ
部材の分解斜視図、(C)スペーサ部材の斜視図であ
る。
【図4】(A)は長尺薄板材を渦巻き状にして形成した
スペーサ部材の正面図、斜視図、(B)は半円寸法の薄
板材を用いて形成したスペーサ部材の正面図、分解斜視
図、斜視図、(C)は円周寸法の薄板材を用いて形成し
たスペーサ部材の正面図、分解斜視図、斜視図である。
【図5】(A)(B)(C)は従来のハブダイナモの部
分断面図である。
【符号の説明】
1 ハブダイナモ 8 スペーサ部材 8a 薄板円筒部材 9 コイルボビン 10 ステータコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 誠 群馬県桐生市広沢町一丁目二六八一番地 株式会社ミツバ内 (72)発明者 鈴木 功 群馬県桐生市広沢町一丁目二六八一番地 株式会社ミツバ内 Fターム(参考) 5H607 AA00 BB02 BB05 BB14 CC01 CC05 DD02 DD03 FF31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪ハブ部に取付けられる自転車用のハ
    ブダイナモであって、該ハブダイナモを構成すべくステ
    ータコイルの外側に設けられるヨークの基端部間にスペ
    ーサ部材を介装するにあたり、該スペーサ部材は、薄板
    材を円筒状に積層組み込みして形成されていることを特
    徴とする自転車用ハブダイナモ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、スペーサ部材は、順
    次径の異なった薄板円筒部材を積層して形成されること
    を特徴とする自転車用ハブダイナモ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、スペーサ部材は、薄
    板材を渦巻き状に積層して形成したことを特徴とする自
    転車用ハブダイナモ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、スペーサ部
    材は、各径に設定された半円筒状のものを突き合わせて
    形成されていることを特徴とする自転車用ハブダイナ
    モ。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、スペーサ部
    材は、各対応する円周寸法に形成された薄板材を円筒状
    に湾曲したものを積層して形成されていることを特徴と
    する自転車用ハブダイナモ。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5におい
    て、スペーサ部材は、軸に対して径方向に積層されてい
    ることを特徴とする自転車用ハブダイナモ。
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