JP2000302050A - 車両の操舵角制御装置 - Google Patents

車両の操舵角制御装置

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JP2000302050A
JP2000302050A JP11116587A JP11658799A JP2000302050A JP 2000302050 A JP2000302050 A JP 2000302050A JP 11116587 A JP11116587 A JP 11116587A JP 11658799 A JP11658799 A JP 11658799A JP 2000302050 A JP2000302050 A JP 2000302050A
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steering angle
gear
adjusting mechanism
backlash
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JP11116587A
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Tokihiko Akita
時彦 秋田
Mitsuo Yoshikawa
光生 吉川
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補助操舵角調整機構を有する車両の操舵角制
御装置において、補助操舵角調整機構内のギヤ同志のバ
ックラッシュを安定して強制除去すること。 【解決手段】 ステアリングホイール11の回転操作に
応じて操舵輪10を操舵する操舵角伝達機構の伝達経路
中に設けられ操舵輪を切り増し又は切り戻し可能とする
補助操舵角調整機構14と、補助操舵角調整機構を駆動
するアクチュエータ(モータ19)と、各種車両運動状
態量から操舵輪の目標操舵角を算出し実操舵角が目標操
舵角になるようにアクチュエータを制御する制御手段と
を有し、補助操舵角調整機構には、複数のギヤ列内のギ
ヤ同志の噛み合いのバックラッシュを強制除去する強制
除去機構(ねじりコイルスプリング26)を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ール操作に連動して操舵される操舵輪に対し、車両の運
動状態量に応じて切り増し又は切り戻し補正可能な補助
操舵角調整機構を備えた車両の操舵角制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ステアリングホイール操作に
連動して操舵される操舵輪に対し、切り増し又は切り戻
し制御可能な補助操舵角調整機構を備え、車両の各種運
動状態量に応じて操舵輪の操舵角を最適値に保持し、車
両の走行安定性等を向上させることができる車両の操舵
角制御装置が知られており、例えば、英国特許第141
4206号公報及びドイツ公開特許公報第403131
6号公報に記載のものがある。これらに記載された操舵
角制御装置の補助操舵角調整機構は共に、補助操舵角調
整機構を駆動するアクチュエータの出力軸に設けられた
ウオームギヤと、ウオームギヤに噛み合うウオームホイ
ールギヤを外周面に有するリングギヤと、リングギヤに
噛み合うとともにリングギヤ内に公転可能に配設される
複数の遊星ギヤと、ステアリングホイールに一体固設さ
れたステアリング入力軸に設けられるとともに複数の遊
星ギヤと噛み合うサンギヤと、複数の遊星ギヤの公転に
連動して回転するとともにステアリング入力軸と同軸的
に配設されたステアリング出力軸と、から構成されてい
る。
【0003】かかる構成において、補助操舵角調整機構
が操舵角調整を行わない場合は、アクチュエータの作動
を禁止し、アクチュエータの出力軸に設けられたウオー
ムギヤを回転させないことで、ウオームギヤに噛み合う
リングギヤも回転せず、ステアリング入力軸の回転角と
ステアリング出力軸の回転角とは、サンギア、遊星ギヤ
及びリングギヤの各歯数により一義的に決定される減速
比によって一定の対応関係に保持される。よって、ステ
アリング入力軸に一体固設されるステアリングホイール
の回転角と、ステアリング出力軸の回転に連動して操舵
される操舵輪の操舵角とは一定の対応関係に保持され
る。
【0004】一方、補助操舵角調整機構が操舵角調整を
行う場合、すなわち、ステアリング操舵角や車速等の各
種車両運動状態量から算出されるその瞬間の最適な目標
操舵角と操舵輪の実操舵角とが一致していない場合は、
上記各種車両運動状態量から算出された操舵輪の目標操
舵角に操舵輪の実操舵角を一致させるようにアクチュエ
ータを駆動し、リングギヤを所定角だけ回転させること
で、ステアリング入力軸の回転角に対するステアリング
出力軸の回転角を調整可能とし、ステアリングホイール
の回転角が一定でも、操舵輪を切り増し又は切り戻し可
能とし、操舵輪の実操舵角を目標操舵角になるように調
整し、車両の走行安定性等を向上させることができるも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような操
舵角制御装置の補助操舵角調整機構は、上述のごとく、
複数のギヤ列から構成されており、ギヤの設計上及び精
度上の要求等からギヤ同志の噛み合いにおけるバックラ
ッシュは不可避的に存在するものである。
【0006】かかるバックラッシュは、ステアリングホ
イールを操作するドライバーから見れば、ステアリング
操作上のガタとして不快に感じられるものである。さら
に、このバックラッシュの存在により、ステアリングホ
イールを反転操作する場合等に、ギヤ同志の打音が発生
するという問題もあった。
【0007】かかるバックラッシュを低減するため、ギ
ヤ作製時の精度を向上させたり、ギヤの出来栄えに応じ
てバックラッシュを低減できるような最適なギヤ同志を
選択的に組付けたりする方法も考えられるが、長時間使
用後は、ギヤ摩耗等の経年変化によりバックラッシュは
必ず増加するものである。よって、長時間使用後もバッ
クラッシュを所定値以下に保持することは非常に困難で
あり、どちらも恒久対策にはなっていない。
【0008】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、補助操舵角調整機構を有する車両の操
舵角制御装置において、補助操舵角調整機構内のギヤ同
志のバックラッシュを安定して強制除去できるものを提
供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールの
回転操作に応じて操舵輪を操舵する操舵角伝達機構と、
前記操舵角伝達機構の伝達経路中に設けられ前記操舵輪
を切り増し又は切り戻し可能に構成された補助操舵角調
整機構と、前記補助操舵角調整機構を駆動するアクチュ
エータと、各種車両運動状態量から前記操舵輪の目標操
舵角を算出し前記操舵輪の実操舵角が前記目標操舵角に
なるように前記アクチュエータを制御する制御手段と、
を有し、前記補助操舵角調整機構は、複数のギヤ列から
なり、前記ギヤ同志の噛み合いのバックラッシュを強制
除去する強制除去機構を有することを特徴とする車両の
操舵角制御装置とした。
【0010】請求項1に記載の発明によれば、複数のギ
ヤ列からなる補助操舵角調整機構内のギヤ同志の噛み合
いのバックラッシュを強制除去する強制除去機構を有し
ているので、ギヤの設計上及び精度上の要求等からギヤ
同志の噛み合いにおけるバックラッシュが存在していて
も、かかるバックラッシュが強制的に除去され、ドライ
バーは、ステアリング操作上のガタを感じることがなく
なり、ステアリングフィールが向上する。さらに、バッ
クラッシュを強制的に除去することにより、ステアリン
グホイールを反転操作する場合等のギヤ同志の打音の発
生も抑えることが可能となるものである。また、ギヤ摩
耗等の経年変化によりバックラッシュが増加しても、上
述のバックラッシュの強制除去機構は常に働いているの
で、長時間使用後においても、ステアリング操作上のガ
タは発生せず、安定した良好なステアリングフィールが
得られるものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記複数のギヤ列は、前記アクチュエータの出力軸
に設けられたギヤと、前記ギヤに噛み合うギヤを外周面
に有するリングギヤと、前記リングギヤに噛み合うとと
もに前記リングギヤ内に公転可能に配設される複数の遊
星ギヤと、前記ステアリングホイールに一体固設された
ステアリング入力軸に設けられるとともに前記複数の遊
星ギヤと噛み合うサンギヤと、前記複数の遊星ギヤの公
転に連動して回転するとともに前記ステアリング入力軸
と同軸的に配設されたステアリング出力軸と、からな
り、前記強制除去機構は、前記複数の遊星ギヤのうち一
部のものを公転方向における一方向へ付勢し残りのもの
を公転方向における他方向へ付勢する弾性力付勢手段か
らなることを特徴とする車両の操舵角制御装置としたも
のである。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、複数のギ
ヤ列からなる補助操舵角調整機構を、いわゆる遊星ギヤ
機構により構成しているので、補助操舵角調整機構自体
をコンパクトに構成でき、結果として装置全体の小型化
に貢献することができる。
【0013】また、補助操舵角調整機構内の複数のギヤ
列内の複数の遊星ギヤのうち、一部のものを公転方向に
おける一方向へ付勢し、残りのものを公転方向における
他方向へ付勢する弾性力付勢手段を有しているので、複
数の遊星ギヤの歯面は、公転方向のどちらの方向に対し
ても、噛み合っているリングギヤ及びサンギヤの歯面と
常に接触が保たれており、遊星ギヤとリングギヤとの噛
み合い及び、遊星ギヤとサンギヤとの噛み合いにおい
て、ステアリングホイールをどちらの回転方向へ操作し
ても、バックラッシュが強制的に除去されることにな
る。
【0014】なお、かかる構成においてバックラッシュ
を確実に除去するためには、付勢手段の弾性付勢力を、
遊星ギヤの噛み合い面に発生し得る駆動伝達力の最大値
以上の値に設定しておく必要がある。よって、設計上の
都合等により、弾性付勢力が不足する場合においては、
ステアリング操作上のガタが発生する場合がある。しか
し、ドライバーがステアリング操作上のガタをガタとし
て認識するのは、ステアリングホイールをある所定角度
だけ回転させても、その間の操舵トルクが、増加せずほ
ぼ一定値をとる場合である。ところが、請求項2に係る
構成を採用すれば、弾性付勢力が不足する場合におい
て、ステアリングホイール操作上のガタが生じたとして
も、バックラッシュ(ガタ分)に相当する所定角度だけ
回転させる間に、弾性力付勢手段は、徐々に、遊星ギヤ
を付勢する方向とは逆の方向へ押し付けられることにな
り、その付勢力は、その弾性定数により徐々に増加する
ことになる。ドライバーは、バックラッシュ(ガタ分)
に相当する所定角度だけ回転させる間に、徐々に増加す
る弾性付勢力を操舵トルクとして感じながらステアリン
グホイールを操作することになるので、実際にはガタが
生じていても、ガタとして認識しにくくなる。よって、
請求項2に係る構成を採用すれば、弾性力付勢手段に十
分な付勢力を与えておけば、実際にガタを除去すること
が可能であるし、また、設計上の都合等により弾性付勢
力が不足する場合においても、発生したガタをガタとし
て認識しにくい構造となり、良好なステアリングフィー
ルを得ることが可能となるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態に係る車両の
操舵角制御装置全体のつながりを示す模式図である。ま
ず、機械的構成について説明する。
【0017】図1において、11はステアリングホイー
ルであり、ステアリング入力軸12と一体固設されてい
る。15はステアリング出力軸であり、ステアリング入
力軸12と同軸的に配設されており、ステアリング出力
軸15とステアリング入力軸12とは、補助操舵角調整
機構14を介して連結されている。
【0018】さらに、ステアリング出力軸15は、図示
しないラックアンドピニオン機構等によりタイロッド1
6に連結され、ステアリング出力軸15の回転が、タイ
ロッド16の図1における左右方向の変位に変換される
ようになっている。タイロッド16の両端には、リンク
機構17を介して操舵輪10がそれぞれ連結されてお
り、タイロッド16の図1における左右方向の変位によ
り、操舵輪10が操舵される構造となっている。
【0019】以上の構成により、ステアリングホイール
11を回転操作すると、その回転は、ステアリング入力
軸12、補助操舵角調整機構14を介して、ステアリン
グ出力軸15に伝達され、ステアリング出力軸15の回
転が、タイロッド16の左右方向の変位に変換されるこ
とにより、リンク機構17を介して操舵輪10が操舵さ
れることになる。このように、ステアリング入力軸1
2、補助操舵角調整機構14、ステアリング出力軸1
5、タイロッド16及びリンク機構17にて、操舵角伝
達機構を構成している。
【0020】また、補助操舵角調整機構14は、モータ
19(アクチュエータ)により駆動される。この補助操
舵角調整機構14は、非駆動状態では、ステアリング入
力軸12の回転角とステアリング出力軸15の回転角と
は、一定の対応関係に保持するが、駆動状態では、ステ
アリング入力軸12の回転角に対するステアリング出力
軸15の回転角を調整し、操舵輪10の切り増し又は切
り戻しを行うことができる。
【0021】次に、補助操舵角調整機構14の制御系に
ついて説明する。図1において、18は操舵輪10の操
舵角センサであり、操舵角センサ18は、操舵輪10の
実操舵角(車両運動状態量)を検出し、その信号を出力
する。13はステアリング操作角度センサであり、ステ
アリング操作角度センサ13は、ステアリングホイール
11の操作角度(車両運動状態量)を検出し、その信号
を出力する。20はコントローラ(制御手段)であり、
コントローラ20は、操舵角センサ18及びステアリン
グ操作角度センサ13の出力信号、及び図示しない車速
センサの出力信号を受け、これら出力信号から、車両の
走行安定性等を向上させることができるその瞬間の最適
な操舵輪10の目標操舵角を算出する。そして、そのと
きの操舵輪10の実操舵角が、算出された目標操舵角と
一致していない場合には、実操舵角が目標操舵角になる
ようにモータ19を制御し、補助操舵角調整機構14を
駆動する。補助操舵角調整機構14が駆動されると、前
述のように、操舵輪10の切り増し又は切り戻しが行わ
れ、操舵輪10の実操舵角が目標操舵角になるように追
値制御される。
【0022】図2は、図1における補助操舵角調整機構
14の具体的な実施形態を示した断面図である。そのう
ち、図2(a)は、ステアリング入力軸12に垂直方向
の断面図、図2(b)は、ステアリング入力軸12の軸
方向の断面図である。なお、図2において、前記図1に
おける部材及び部位等と同一ないし均等のものは前記と
同一符号をもって示し重複した説明を省略する。以下、
図2を用いて、補助操舵角調整機構14の具体的な機械
的構成を説明する。
【0023】図2において、21はハウジングであり、
ハウジング21には、モータ19が一体固設されてい
る。モータ19の出力軸19aには、ウオームギヤ19
aa(ギヤ)が設けられている。22はリングギヤであ
り、リングギヤ22は、ステアリング入力軸12に対し
同軸的に回転可能にハウジング21に支持されており、
かつ、その外周面に設けられたウオームホイールギヤ2
2b(ギヤ)がウオームギヤ19aaと噛み合ってい
る。
【0024】リングギヤ22内には、4つの遊星ギヤ2
3が90°等配にて配設されており、これら4つの遊星
ギヤ23は、リングギヤ22の歯22aと噛み合ってい
る。4つの遊星ギヤ23には、それぞれその中心に、一
端に突出部24aを有するピン24が挿通されている。
これら4本のピン24のうち、図2(a)における上下
方向の2本のピン24の突出部24aと、左右方向の2
本のピン24の突出部24aとが、それぞれ、長板状の
2本の支持部材27の両端部に挿通され、上下方向の2
つの遊星ギヤ23と、左右方向の2つの遊星ギヤ23と
が、それぞれ一体的にリングギヤ22内を公転するよう
になっている。
【0025】ステアリング入力軸12には、サンギヤ2
5が一体固設されており、サンギヤ25は、4つの遊星
ギヤ23にそれぞれ噛み合っている。また、ステアリン
グ出力軸15に一体固設され一体回転するキャリア28
は、図2(a)における上下方向の2本のピン24に連
結されているので、4つの遊星ギヤ23の公転運動は、
ピン24、キャリア28を介して、ステアリング出力軸
15の回転運動に変換される。
【0026】また、26は、ねじりコイルスプリング
(弾性力付勢手段、強制除去機構)であり、ねじりコイ
ルスプリング26の両端部の係止部26aは、それぞ
れ、図2(a)における左側のピン24の突出部24a
と、上側のピン24の突出部24aとに係止されてい
る。かかる構成により、ねじりスプリング26の付勢力
により、左側のピン24は、下向きに付勢され、上側の
ピン24は、右向きに付勢され、結果として、上下方向
の2つの遊星ギヤ23は、図2(a)において時計方向
の公転方向に付勢され、左右方向の2つの遊星ギヤ23
は、図2(a)において反時計方向の公転方向に付勢さ
れることになる。よって、4つの遊星ギヤ23の歯面
は、公転方向のどちらの方向に対しても、噛み合ってい
るリングギヤ22及びサンギヤ25の歯面と常に接触が
保たれており、遊星ギヤ23とリングギヤ22との噛み
合い及び、遊星ギヤ23とサンギヤ25との噛み合いに
おいて、ステアリングホイール11をどちらの回転方向
へ操作しても、バックラッシュが強制的に除去されるこ
とになる。これにより、ドライバーは、ステアリング操
作上のガタを感じることがなくなり、ステアリングフィ
ールが向上する。さらに、バックラッシュを強制的に除
去することにより、ステアリングホイール11を反転操
作する場合等のギヤ同志の打音の発生も抑えることが可
能となるものである。また、ギヤ摩耗等の経年変化によ
りバックラッシュが増加しても、バックラッシュの強制
除去機構は常に働いているので、長時間使用後において
も、ステアリング操作上のガタは発生せず、安定した良
好なステアリングフィールが得られるものである。
【0027】なお、かかる構成においてバックラッシュ
を確実に除去するためには、ねじりコイルスプリング2
6の弾性付勢力を、遊星ギヤ23の噛み合い面に発生し
得る駆動伝達力の最大値以上の値に設定しておく必要が
ある。よって、設計上の都合等により、弾性付勢力が不
足する場合においては、ステアリング操作上のガタが発
生する場合がある。しかし、ドライバーがステアリング
操作上のガタをガタとして認識するのは、ステアリング
ホイールをある所定角度だけ回転させても、その間の操
舵トルクが、増加せずほぼ一定値をとる場合である。こ
れを、図3にて説明する。図3は、ステアリング操作角
度と操舵トルクとの関係を示すグラフであるが、このグ
ラフにおいて、バックラッシュ(ガタ分)に相当する角
度は、ステアリング操作角度0〜Aまでである。この範
囲内において、上述の「ドライバーがステアリング操作
上のガタをガタとして認識する場合」とは、特性1に示
すように、ステアリングホイール11を切り増ししてい
っても操舵トルクが増加せず一定値をとる操舵トルク特
性となる場合である。しかし、本発明に係る構成を採用
すれば、弾性付勢力が不足する場合において、ステアリ
ングホイール11操作上のガタが生じたとしても、バッ
クラッシュ(ガタ分)に相当する所定角度0〜Aだけ回
転させる間に、ねじりコイルスプリング26は、徐々
に、遊星ギヤ23を付勢する方向とは逆の方向へねじら
れることになり、その付勢力は、その弾性定数により徐
々に増加することになる。ドライバーは、所定角度0〜
Aだけ回転させる間に、徐々に増加する弾性付勢力を操
舵トルクとして感じながらステアリングホイール11を
操作することになるので、実際にはガタが生じていて
も、ガタとして認識しにくくなる。この場合の操舵トル
ク特性を図3にて示すと、特性2のようになる。
【0028】よって、本発明に係る構成を採用すれば、
弾性力付勢手段に十分な付勢力を与えておけば、実際に
ガタを除去することが可能であるし、また、設計上の都
合等により弾性付勢力が不足する場合においても、発生
したガタをガタとして認識しにくい構造となり、良好な
ステアリングフィールを得ることが可能となるものであ
る。
【0029】次に、本発明に係る補助操舵角調整機構1
4の具体的な作動を説明する。補助操舵角調整機構14
が操舵角調整を行わない場合は、モータ19の作動を禁
止し、モータ19の出力軸19aに設けられたウオーム
ギヤ19aaを回転させないことで、ウオームギヤ19
aaに噛み合うリングギヤ22も回転せず、ステアリン
グ入力軸12の回転角とステアリング出力軸15の回転
角とは、サンギア25、遊星ギヤ23及びリングギヤ2
2の各歯数により一義的に決定される減速比によって一
定の対応関係に保持される。よって、ステアリング入力
軸12に一体固設されるステアリングホイール11の回
転角と、ステアリング出力軸15の回転に連動して操舵
される操舵輪10の操舵角とは一定の対応関係に保持さ
れる。
【0030】一方、補助操舵角調整機構14が操舵角調
整を行う場合、すなわち、ステアリング操作角度や車速
等の各種車両運動状態量からコントローラ20により算
出されるその瞬間の最適な目標操舵角と操舵輪10の実
操舵角とが一致していない場合は、コントローラ20
は、目標操舵角に操舵輪10の実操舵角を一致させるよ
うにモータ19を駆動し、リングギヤ22を所定角だけ
回転させることで、遊星ギヤ23の公転角度が調整さ
れ、ステアリング入力軸12の回転角に対するステアリ
ング出力軸15の回転角を調整される。よって、ステア
リングホイール11の回転角が一定でも、操舵輪10を
切り増し又は切り戻し可能となり、操舵輪10の実操舵
角を目標操舵角になるように調整し、車両の走行安定性
等を向上させることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
補助操舵角調整機構を有する車両の操舵角制御装置にお
いて、補助操舵角調整機構内のギヤ同志のバックラッシ
ュを安定して強制除去できるものを提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の操舵角制御装
置全体のつながりを示す模式図である。
【図2】図1における補助操舵角調整機構14の具体的
な実施形態を示した断面図である。
【図3】ステアリング操作角度と操舵トルクとの関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 操舵輪 11 ステアリングホイール 12 ステアリング入力軸 14 補助操舵角調整機構 15 ステアリング出力軸 19 モータ(アクチュエータ) 19a 出力軸, 19aa ウオームギヤ(ギヤ) 20 コントローラ(制御手段) 22 リングギヤ 22b ウオームホイールギヤ(ギヤ) 23 遊星ギヤ 25 サンギヤ 26 ねじりコイルスプリング(弾性力付勢手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 113:00 Fターム(参考) 3D030 DB19 DC25 DC29 DC39 3D032 CC50 DA03 DA04 DA23 DB11 EA01 EB04 EC22 EC31 GG01 3J027 FA14 FB12 GB03 GB05 GB09 GC13 GC22 GD04 GD08 GE05 GE11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの回転操作に応じ
    て操舵輪を操舵する操舵角伝達機構と、前記操舵角伝達
    機構の伝達経路中に設けられ前記操舵輪を切り増し又は
    切り戻し可能に構成された補助操舵角調整機構と、前記
    補助操舵角調整機構を駆動するアクチュエータと、各種
    車両運動状態量から前記操舵輪の目標操舵角を算出し前
    記操舵輪の実操舵角が前記目標操舵角になるように前記
    アクチュエータを制御する制御手段と、を有し、前記補
    助操舵角調整機構は、複数のギヤ列からなり、前記ギヤ
    同志の噛み合いのバックラッシュを強制除去する強制除
    去機構を有することを特徴とする車両の操舵角制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記複数のギヤ列
    は、前記アクチュエータの出力軸に設けられたギヤと、
    前記ギヤに噛み合うギヤを外周面に有するリングギヤ
    と、前記リングギヤに噛み合うとともに前記リングギヤ
    内に公転可能に配設される複数の遊星ギヤと、前記ステ
    アリングホイールに一体固設されたステアリング入力軸
    に設けられるとともに前記複数の遊星ギヤと噛み合うサ
    ンギヤと、前記複数の遊星ギヤの公転に連動して回転す
    るとともに前記ステアリング入力軸と同軸的に配設され
    たステアリング出力軸と、からなり、前記強制除去機構
    は、前記複数の遊星ギヤのうち一部のものを公転方向に
    おける一方向へ付勢し残りのものを公転方向における他
    方向へ付勢する弾性力付勢手段からなることを特徴とす
    る車両の操舵角制御装置。
JP11116587A 1999-04-23 1999-04-23 車両の操舵角制御装置 Pending JP2000302050A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1561668A2 (en) 2004-02-09 2005-08-10 Hitachi Ltd. Steering transmission device and steering apparatus
JP2022553245A (ja) * 2019-10-16 2022-12-22 クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 車両のための電気機械的なステアリングシステム用のステアリング伝動装置および車両のための電気機械的なステアリングシステム

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