JP2000301402A - ツールチャック - Google Patents

ツールチャック

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JP2000301402A
JP2000301402A JP11111692A JP11169299A JP2000301402A JP 2000301402 A JP2000301402 A JP 2000301402A JP 11111692 A JP11111692 A JP 11111692A JP 11169299 A JP11169299 A JP 11169299A JP 2000301402 A JP2000301402 A JP 2000301402A
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chuck
ring
tool
thrust bearing
chuck body
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JP11111692A
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Daijiro Nakamura
大治郎 中村
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MURAKKUSU KK
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MURAKKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、振動によるチャックの緩み、およ
びツールシャンクに対するチャック爪の食込み溝による
チャックの緩みを解決し、強い締付け力を維持して作業
ができるツールチャックの提供を目的とする。 【解決手段】この発明は、チャック爪がツールを締付け
たときにナットリングが締付け反力を受けて後退する該
ナットリング後退側と、これに対向するチャック本体側
との間に、スラストベアリングを介装し、上記スラスト
ベアリングと、これに対向するチャック本体側との間
に、前記締付け反力を受けていないときは遊転状態にあ
り、締付け反力を受けたとき挟持固定される受圧部材を
介装し、上記受圧部材に前記操作リングの内周面に接し
てこれを押圧する弾性部材を連設し、上記操作リングの
内周面における前記弾性部材と対接する円周上に凹凸面
を形成し、前記スラストベアリングと受圧部材との間
に、チャック本体に対して回動のみ不可に係止したリン
グ部材を介装したツールチャックであることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、例えば、電動ド
リルのドリルビッド、電動ドライバのドライバビット
等、各種ツールを挟持するツールチャックに関し、さら
に詳しくは、チャックハンドルを使用しないで手動でツ
ールを締付け操作することができるツールチャックに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ツールチャックはチャックハンド
ルによる強い力でツールの取付け・取外しを行なってい
たが、チャック爪をねじ送りするねじのピッチを小さく
することにより、チャックハンドルを用いなくとも、手
動操作(手で直接チャックを回動する操作)で充分な締
付け力が得られる。すなわち、一般的なツールチャック
は、例えば、図1を借りて説明すると、チャック爪12
がチャック本体11に対して拡縮動が可能に保持され、
また、チャック本体11に回転のみ可能に保持したナッ
トリング15と相互にねじが螺合し、このナットリング
15をこれに連結した操作リング17で回動操作するこ
とにより、チャック爪12が拡縮動するように構成され
ている。
【0003】ところで、上述のナットリング15の回動
でチャック爪12がツールを締付けたときナットリング
15が締付け反力を受けて後退するので、該ナットリン
グ15の後退側と、これに対向するチャック本体11側
との間に、摩擦抵抗が生じる。そこで、この部分にスラ
ストベアリング20を介装すると、上述の摩擦抵抗を低
減して、手動による回動装置を軽くすることができる。
【0004】しかし、この状態では、スライドベアリン
グ20の介装故に、ナットリング15が緩みやすく、ツ
ールの締付けが緩むので、緩み止め手段を講じることが
好ましい。
【0005】上述の緩み止め手段は、例えば、図1を借
りて説明すると、前述のスラストベアリング20とチャ
ック本体11との間に、前述のナットリング15が締付
け反力で後退したとき両者間で挟持固定される受圧部材
21を介装し、この受圧部材21に前述の操作リング1
7の内周面に接してこれを押圧する弾性片22を連設
し、また、操作リング17の内周面に上述の弾性片22
と係合する凹凸面24を円周上に形成して構成すること
ができる。
【0006】そして、前述のナットリング15を締め切
ったとき、チャック本体11と固定状態にある受圧部材
21の弾性片22が操作リング17の凹凸面24と係合
していることにより、操作リング17の回動が弾性片2
2、受圧部材21を介してチャック本体11側に固定さ
せることになり、ナットリング15の回動も固定され
て、ナットリング15を緩み止めして、ツールの締付け
が緩むのを阻止することができる。
【0007】上述のように緩み止め手段を講じると、ス
ライドベアリング20の介装故に、ナットリング15の
緩むことを阻止することが可能であるが、しかし、ツー
ルのによる作業において、振動が生じる作業では、その
振動で前述の受圧部材21の挟持固定が緩み、該受圧部
材21と操作リング17とが共回りして、緩み止めの作
用がなくなり、ナットリング15が緩められる問題点が
生じる。
【0008】これは、ナットリング15の締付け反力に
よりスラストベアリング20が押圧されたとき、このス
ラストベアリング20および前述の受圧部材21の内部
に、上述の締付け反力(円周方向とスラスト方向との合
成力)に対して、緩め方向の内部応力(円周方向とスラ
スト方向との合成力であって、前述の締付け反力とは逆
方向)が蓄積され、この状態でツールによる作業により
振動が発生すると、この緩め方向の内部応力のことに逆
円周方向の内部応力が作用して、受圧部材21の挟持固
定が緩み、この緩みが増加されてついには操作リング1
7と共回りするものと考えられる。
【0009】さらに、上述の受圧部材21の緩みとは別
に、チャック爪からの緩みの問題がいる。すなわち、前
述の強い締付け力でチャック爪がツールシャンク(柄部
分)を挟持すると、チャック爪がツールシャンク部分に
食込み溝が形成される。これを図11を借りて説明する
と、この食込み溝41はツールの作業初期ではツールの
回転方向に対するチャック爪12の引っ掛かりとなって
ツールのスリップが防止されるが、しかし、ツールの回
転を停止して、回転方向の負荷を解除すると、上述の食
込み溝41がチャック爪12とツールシャンク40との
隙間42となり、チャック爪12の締付けの緩みとなる
問題点になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前述の振
動によるチャックの緩み、および上述のツールシャンク
に対するチャック爪の食込み溝によるチャックの緩みを
解決し、強い締付け力を維持して作業ができるツールチ
ャックの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、チャック本体の先端側中心部に複数本のチャ
ック爪を拡縮動可能に保持して、チャック本体に回動可
能に保持したナットリングと相互に螺合し、前記チャッ
ク本体の外周面に回動可能に嵌着した操作リングと上記
ナットリングとを連動連結し、上記操作リングの締付け
方向の回動をナットリングに伝達して各チャック爪を締
付け方向にねじ送りするツールチャックであって、前記
チャック爪がツールを締付けたときにナットリングが締
付け反力を受けて後退する該ナットリング後退側と、こ
れに対向するチャック本体側との間に、スラストベアリ
ングを介装し、上記スラストベアリングと、これに対向
するチャック本体側との間に、前記締付け反力を受けて
いないときは遊転状態にあり、締付け反力を受けたとき
挟持固定される受圧部材を介装し、上記受圧部材に前記
操作リングの内周面に接してこれを押圧する弾性部材を
連設し、上記操作リングの内周面における前記弾性部材
と対接する円周上に凹凸面を形成し、前スラストベアリ
ングと受圧部材との間に、チャック本体に対して回動の
み不可に係止したリング部材を介装したツールチャック
であることを特徴とする。
【0012】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成に併せて、前記スラストベアリ
ングを、複数の転動体と、これを保持する保持プレート
と、上記転動体のスラスト方向の両側に位置して該転動
体を受ける受けリングで形成し、上記スラストベアリン
グの保持プレートに、前記チャック本体側に位置する受
けリングに接してこれを押圧する弾性部を形成し、上記
チャック本体側に位置する受けリングの上記保持プレー
トの弾性部が対接する部分の円周方向に凹凸面を形成し
たツールチャックであることを特徴とする。
【0013】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の構成に併せて、前記ナット
リングの締付け反力を受ける部位に、該反力に抗する弾
性部材を介装したツールチャックであることを特徴とす
る。
【0014】
【発明の作用・効果】この発明の請求項1記載の発明に
よれば、チャック爪でツールシャンクを挟持する場合、
受圧部材はその弾性部材が操作リングの凹凸面に押圧係
合しているので、操作リングの回動でチャック爪がツー
ルシャンクに接するまでは共回りをしている。操作リン
グが回動されてナットリングが連動回動し、チャック爪
がツールシャンクと接すると、ナットリングが締付け反
力を受けて後退し、この後退でスラストベアリングを介
して受圧部材がチャック本体側に押圧されてその回動が
停止される。そのためこの受圧部材に連設した弾性部材
と操作リング内周の凹凸面との間に、相対移動が生じ、
しかも、弾性部材の付勢力による押圧であるため、この
相対回動には弾性部材が凹凸面を乗り越える度に節度あ
る大きな抵抗が付加され、この状態でチャック爪はツー
ルシャンクを締付けることになる。
【0015】このような締付け状態において、スラスト
ベアリングには、ナットリングの締付け反力(円周方向
とスラスト方向との成分を有する合成力)に対して、緩
み方向の内部応力(円周方向とスラスト方向との成分を
有する合成力であって、前記締付け反力とは逆方向)が
蓄積されるも、上述のスラストベアリングとチャック本
体との間に介装したリング部材をチャック本体に回動の
み不可に係止したので、このリング部材に作用する締付
け反力の内、円周方向の成分はチャック本体に伝達され
て、受圧部材にはスラスト方向の成分の反力が伝達さ
れ、該受圧部材の内部応力はスラスト方向の成分の内部
応力しか蓄積されず、円周方向の内部応力の蓄積がない
ため、ツールに振動が発生しても、該振動で受圧部材を
回転させる円周方向の内部応力がなく、したがって、振
動で受圧部材の回動がないため、該受圧部材の弾性部材
と操作リング内周面の凹凸面との係合作用を有効に行わ
せる。 前述のようにして締付けたツールで所定の作業
を実行し、ツールに振動が伴っても、操作リングには前
述したように弾性部材による付勢力の押圧で凹凸面に大
きな抵抗が付加されているので、この大きな抵抗がブレ
ーキ作用、あるいはロック作用となって、ナットリング
の緩む方向への回動を阻止することができ、その結果、
チャックの締付け力が維持されて、ツールの振動を伴う
作業に対してチャックの緩みがなく、確実なツールの挟
持が得られる。また、上述のように緩みの防止機構を構
成した場合、構造簡単であり、安価に形成できる。
【0016】さらに、この発明の請求項2記載の発明に
よれば、上述の作用効果に併せて、ナットリングが締付
け反力を受けて後退し、この後退でスラストベアリング
がチャック本体側に押圧されて軸受機能が生じると、ス
ラストベアリングの転動体が転がり移動を行なう。この
移動に伴って保持プレートも転動体の1/2の移動量で
移動する。一方、チャック本体側の受けリングはチャッ
ク本体に回動が固定されて停止しているので、該受けリ
ングは前述の保持プレートとの間で相対回動が生じ、し
かも、保持プレートの弾性部が受けリングの凹凸面に付
勢力で押圧しているので、この相対回動には弾性部が凹
凸面を乗り越える度に節度ある大きな抵抗が付加され、
この状態でチャック爪はツールシャンクを締付けること
になる。このように構成することにより、弾性部の付勢
力の押圧で凹凸面に大きな抵抗が付加されているので、
この大きな抵抗がブレーキ作用、あるいはロック作用と
なって、ナットリングの緩む方向への回動を阻止するこ
とができ、その結果、前述の操作リングに内周面側の緩
み止めと相俟って、大きな作用力でチャックの締付け力
が維持されて、ツールの振動を伴う作業に対してチャッ
クの緩みがなく、確実なツールの挟持が得られる。ま
た、上述のように緩みの防止機構を構成した場合、構造
も比較的簡単で、コンパクトに形成できる。
【0017】さらに、この発明の請求項3記載の発明に
よれば、上述の作用効果に併せて、ナットリングが締付
け反力を受けて後退すると、このナットリングの後退側
に介装した弾性部材に弾性力が蓄積されると共に、該蓄
積された弾性力てナットリングを押し戻す作用が生じ
る。この状態で、チャック爪が強く締付けられることに
より、ツールシャンク部分に食込み溝が形成されて、こ
の食込み溝がツールシャンクとチャック爪との隙間とな
り、チャック爪の締付けの緩みとなるとき、前述の弾性
部材に蓄積された弾性力がナットリングをチャック爪に
隙間が生じた分押し戻すことになり、この押し戻しによ
りチャック爪が前方に移動して縮められてツールシャン
クを挟持することができ、この作用により、前述の食込
み溝による隙間がなくなって、チャックの緩む原因が解
消され、良好な締付け力の維持が得られる。しかも、こ
のような作用が弾性部材の介装により得られ、構造が簡
単である。
【0018】
【実施例】この発明の一実施例を図面と共に説明する。
図面は、電動ドリルや電動ドライバなどでドリルビット
やドライバビット等のツールを挟持するツールチャック
を示し、図1、図2において、該ツールチャック10
は、チャック本体11の先端中心部に3本のチャック爪
12…を、チャック本体11の軸芯に対して先端側が集
合する傾斜状に、しかも、拡縮摺動可能に斜設してい
る。
【0019】すなわち、それぞれのチャック爪12はチ
ャック本体11の軸芯に対して傾斜状に形成した摺動溝
13に摺動のみ自在に挿入し、それぞれの外周部にはそ
れぞれが連続する状態となる部分雄ネジ14を螺設し、
これら部分雄ネジ14…にはリング状のナットリング1
5の雌ネジ16を螺合し、このナットリング15はチャ
ック本体11に対して回動自在に支持されると共に、前
後動も若干量可能に支持されており、このナットリン1
5を正逆回転することで、チャック爪12…をネジ送り
して、拡縮摺動させ、ツールの挟持および解除を行な
う。
【0020】前述のナットリング15には、チャック本
体11の外周面に回動可能に嵌着した操作リング17を
圧入固定して、相互を連動連結し、この操作リング17
を正逆に回動操作することにより、ナットリング15が
正逆に回動操作される。
【0021】また、チャック本体11の前部にはカバー
18が嵌着固定され、さらに後部には蓋板19が嵌着固
定して操作リング17の開口部を封鎖している。
【0022】前述のナットリング15はツールの締付け
方向への回動でチャック爪12…を収縮させてツールを
挟持したとき、後方への締付け反力を受けて後退しよう
とする。このナットリング15の後退側と、これに対応
するチャック本体11との間には、スラスト方向に対し
て軸受機能を有するスラストベアリング20と、受圧部
材21とを介装している。
【0023】図3、図4にも示すように、上述の受圧部
材21は金属材料でリング状に形成しており、その外周
部の均等位置の4箇所から軸芯方向に折曲し、さらに円
周方向に延出して弾性片22…を連設形成し、各弾性片
22の先端は小さい径で湾曲形成して押圧部23を形成
し、上述の弾性片22…は材料弾性でバネ性を備え、遊
端の押圧部23はその所定圧の弾性で操作リング17の
内周面を押圧する。
【0024】図5、図6にも示すように、上述の各弾性
片22の押圧部23が対接する操作リング17の内周方
向には凹凸面24を形成し、この凹凸面24は前記弾性
片22の押圧部23と係合して、その円周方向での相対
移動に節度ある大きな抵抗を付与する。そして、上述の
弾性片22の押圧部23と凹凸面24とは該操作リング
17を介してナットリング15の緩み止め構造を形成し
ている。
【0025】図1、図2において、前述のスラストベア
リング20は、同一円周上に所定の間隔を隔てて配置さ
れる複数のボール(転動体であって、ローラを含む)2
5と、このローラ25…を保持する保持プレート26
と、上述のボール25のスラスト方向の両側にそれぞれ
位置して該ボール25のスラスト方向の負荷を受ける受
けリング27a,27bとで形成している。
【0026】図7にも示すように、前述の保持プレート
26は金属材料でリング状に形成し、前述のボール25
…を収納する収納孔28…を所定の間隔で形成すると共
に、均等配置の3箇所の位置に弾性部29…を切り出し
て形成し、各弾性部29…の先端は回収に突出する凸状
にして押圧部30…を形成している。上述の各弾性部2
9…は材料弾性でバネ性を有し、遊端の押圧部30はそ
の所定圧の弾性で外方に付勢する。
【0027】図8、図9にも示すように、前述した受け
リング27のうち、チャック本体11側に位置する内側
の受けリング27bは、その外周部を軸芯方向に折曲し
て、前述の弾性部29…の押圧部30…と対向する鍔部
31を連設形成し、この鍔部31の内周面で前述の押圧
部30と対接する部分に円周方向へ凹凸面32を形成し
ている。また、その内周部には回り止め用の突起33…
を形成して、これをチャック本体11の対応位置に形成
された凹部34(図1、図2参照)に係合させること
で、この内側受けリング27bの回転を阻止している
(スラスト方向の移動は可能)。
【0028】そして、上述の鍔部31の内周に形成した
凹凸面32は前記弾性部29の押圧部30と係合して、
その円周方向での相対移動に節度ある大きな抵抗を付与
する。そして、上述の弾性部29の押圧部30と凹凸面
32とはナットリング15の緩み止め構造を形成してい
る。
【0029】図10にも示すように、前述の内側受けリ
ング27bの内周縁部はチャック本体11側に傾斜され
て皿バネ部35を形成している。この内側受けリング2
7bも金属で形成しているため、上述の皿バネ部35は
材料弾性によりバネ性を備えており、このバネ性は前述
のナットリング15の締付け反力に抗する弾性に設定し
ている。そして、この皿バネ部35の弾性は、チャック
爪12がツールの挟持を緩めたときナットリン15を前
方に押し戻してその緩みを解消するように作用する。
【0030】なお、上述したナットリング15の後端側
とチャック本体11対応する位置との間には、前述のよ
うにスラストベアリング20と受圧部材21が介装され
るが、この状態でナットリング15は軸芯方向に受けた
締付け反力により若干量移動できる程度の間隙を持って
支持している。
【0031】次ぎに、上述のように構成したツールチャ
ックの作用を説明する。ツールチャック10のチャック
爪12…でツールシャンク(図示省略)を挟持する場
合、受圧部材21はその弾性片22…の各押圧部23が
操作リング17の凹凸面24に押圧係合しているので、
操作リング17の回動でチャック爪12…がツールシャ
ンクに接するまでは共回りをしている。
【0032】操作リング17が回動されてナットリング
15が連動回動し、チャック爪12…がツールシャンク
と接すると、ナットリング15が反力を受けて後退し、
この後退で受圧部材21がチャック本体11側に押圧固
定されてその回動が停止される。
【0033】そのためこの受圧部材21に連設した弾性
片22…の各押圧部23と操作リング17内周の凹凸面
24との間に、相対移動が生じ、しかも弾性片22の付
勢力による押圧であるため、この相対回動には弾性片2
2…の各押圧部23が凹凸面24を乗り越える度に節度
が付けられて大きな抵抗が付加され、この状態でチャッ
ク爪12…はツールシャンクを締付けることになる。
【0034】このような締付け状態において、スラスト
ベアリング20には、ナットリング15の締付け反力
(円周方向とスラスト方向との成分を有する合成力)に
対して、緩み方向の内部応力(円周方向とスラスト方向
との成分を有する合成力であって、前記締付け反力とは
逆方向)が蓄積されるも、上述のスラストベアリング2
0におけるチャック本体11側(内側)の受けリング2
7bをチャック本体11に回動のみ不可に係止したの
で、この受けリング27bに作用する締付け反力の内、
円周方向の成分はチャック本体11に伝達されて、受圧
部材21にはスラスト方向の成分の反力が伝達され、該
受圧部材21の内部応力はスラスト方向の成分の内部応
力しか蓄積されず、円周方向の内部応力の蓄積がないた
め、ツールに振動が発生しても、該振動で受圧部材21
を回転させる円周方向の内部応力がなく、したがって、
振動で受圧部材21の回動がないため、該受圧部材21
の弾性片22と操作リング17内周面の凹凸面24との
係合作用を有効に行わせる。
【0035】前述のようにして締付けたツールで所定の
作業を実行し、ツールに振動が伴っても、操作リング1
5には上述のように弾性片22…の付勢力による各押圧
部23…の押圧で凹凸面24を乗り越える度に節度ある
大きな抵抗が付加されているので、この大きな抵抗がブ
レーキ作用、あるいはロック作用となって、ナットリン
グ15の緩む方向への回動を阻止することができ、その
結果、チャック10の締付け力が維持されて、ツールの
振動を伴う作業に対してチャックの緩みがなく、確実な
ツールの挟持が得られる。
【0036】上述の受圧部材21の弾性片22と操作リ
ング17の凹凸面24とによる緩み止めと同時に、スラ
ストベアリング20側でも緩み止めの機能が生じてい
る。すなわち、前述のようにナットリング15が締付け
反力を受けない間は、スラストベアリング20にはスラ
スト方向の負荷が掛かっていないので、回動が停止状態
にあって、軸受の機能は生じていない。
【0037】しかし、操作リング17が回動されてナッ
トリング15が連動回動し、チャック爪12…がツール
シャンクに接して、ナットリング15が締付け反力を受
けて後退すると、この後退でスラストベアリング20が
チャック本体11側に押圧される軸受機能が生じ、ボー
ル25…が転がり移動を行なう。この移動に伴って保持
プレート26もボール25…の1/2の移動量で移動す
る。
【0038】一方、チャック本体11側の内側受けリン
グ27bはチャック本体11に回り止めされているの
で、前述の保持プレート26との間で相対回動が生じ、
しかも、保持プレート26の弾性部29の押圧部30が
内側受けリング27bの凹凸面32に付勢力で押圧して
いるので、この相対回動には弾性部29の押圧部30が
凹凸面32を乗り越える度に節度を持った大きな抵抗が
付加され、この状態でチャック爪12…はツールシャン
クを締付けることになる。
【0039】このようにして締付けたツールで所定の作
業を実行し、ツールに振動が伴っても、操作リング15
には上述のように弾性部29の付勢力による各押圧部3
0…の押圧で凹凸面32を乗り越える度に節度ある大き
な抵抗が付加されているので、この大きな抵抗がブレー
キ作用、あるいはロック作用となって、ナットリング1
5の緩む方向への回動を阻止することができ、その結
果、チャック10の締付け力が維持されて、ツールの振
動を伴う作業に対してチャックの緩みがなく、確実なツ
ールの挟持が得られる。
【0040】上述の実施例では、弾性片22による回り
止めの回動抵抗と、弾性部29による回り止めの回動抵
抗との2つの回り止めの回動抵抗がナットリング15に
掛けられるので、この2種の大きな抵抗がブレーキ作
用、あるいは、ロック作用となって、ナットリングの緩
む方向への回動を阻止することができ、その結果、ツー
ルチャック10の締付け力が維持されて、ツールの振動
を伴う作業に対してチャックの緩みがなく、確実なツー
ルの挟持が得られる。
【0041】しかし、上述の2種の大きな回り止めの回
動抵抗は、必ずしも同時に必要ではなく、ツールの挟持
負荷が小さくて済むときは、弾性片22、または、弾性
部29の何れか一方を採用することもできる。
【0042】さらに、前述ようのに、チャック爪12…
にツールを挟持して、ナットリング15に締付け反力が
生じ後退しているとき、既に説明したように、スラスト
ベアリング20の内側受けリング27bにも前述の締付
け反力が作用して、内側に形成した皿バネ部35はこの
締付け反力の付勢に抗して圧縮されている。
【0043】例えば、チャック爪12…がツールシャン
クを強く締付けていることにより、図11で示すよう
に、ツールシャンク40部分にチャック爪12…の食込
み溝41が形成された状態で該ツールシャンク40を回
転(矢印方向に)させると、この食込み溝41にチャッ
ク爪12の回転方向の負荷が作用して食込み溝41が横
方向に僅かに広がり、また、チャック爪12が反力を受
けることにより僅かに浮き上がる。
【0044】これら食込み溝41の横広がりや、チャッ
ク爪12の浮き上がりは極めて僅かであるが、しかし、
チャック爪12とツールシャンク40との間には上述の
食込み溝41内で僅かではあるが隙間42が生じ、チャ
ック10の回転を停止すると、チャック爪12の回転方
向の負荷が解放されると、チャック爪12は食込み溝4
1内で遊ぶ状態となり、その挟持が緩むことになる。し
たがって従来のチャック、すなわち、弾性片22および
弾性部29による緩み止め構造が無い場合、並びに皿バ
ネ部35が無い場合では、再度チャック10を回動する
と、ナットリング15および操作リング17がフリーの
状態であるためツールシャンク40に対するチャック爪
12の締付け力がなくなってツールを回転させることが
不可能となる。 しかし、この実施例では、前述したよ
うに皿バネ部35が介装され、該皿バネ部35がナット
リング15を常時押し戻すように付勢しているので、ツ
ールシャンク40とチャック爪12との間に隙間42が
生じようとする場合、前述のナットリング15の締付け
反力に抗する皿バネ部35がナットリング15をチャッ
ク爪12に隙間が生じようとする分押し戻すことにな
り、この押し戻しによりチャック爪12が前方に移動し
て縮められてツールシャンク40を挟持することがで
き、この作用により、前述の食込み溝41による隙間4
2の発生がなくなって、チャックの緩む原因が解消さ
れ、良好な締付け力が維持される。
【0045】なお、上述の実施例では、皿バネ部35を
内側受けリング27bに形成したが、他の実施例として
は、上述の内側受けリング27bには皿バネ部35を形
成しないで、図12、図13に示すように、別部材で皿
バネ43を、図1において内側受けリング27bと受圧
部材21との間、あるいは受圧部材21とチャック本体
11との間に介装することができ、また、外側受けリン
グ27aとナットリング15との間にも介装することも
できる。
【0046】さらに、この発明のリング部材の例とし
て、前述の実施例では受けリング27bを示したが、こ
れに代えて、上述の別部材の皿バネ43で形成すること
もでき、また、リング部材の機能のみであればフラット
状(ワッシャ状)のリング部材で構成することもでき、
その他の構成を含めて、この発明は実施例の構成のみに
限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技
術的思想に基づいて応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ツールチャックの断面図。
【図2】 ツールチャックの分解断面図。
【図3】 受圧部材の正面図。
【図4】 受圧部材の断面図。
【図5】 操作リングの背面図。
【図6】 操作リングと受圧部材との係合状態を示す正
面視断面図。
【図7】 スラストベアリングの保持プレートの正面
図。
【図8】 スラストベアリングの内側受けリングの正面
図。
【図9】 内側受けリングと保持プレートとの係合状態
を示す正面図。
【図10】 内側受けリングの断面図。
【図11】 ツールシャンクとチャック爪との挟持を示
す正面視断面図。
【図12】 別部材の皿バネを示す正面図。
【図13】 皿バネの断面図。
【符号の説明】
10…ツールチャック 11…チャック本体 12…チャック爪 15…ナットリング 17…操作リング 20…スラストベアリング 21…受圧部材 22…弾性片 23…押圧部 24…凹凸面 25…ボール 26…保持プレート 27a,27b…受けリング 29…弾性部 30…押圧部 32…凹凸面 35…皿バネ部 43…皿バネ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チャック本体の先端側中心部に複数本のチ
    ャック爪を拡縮動可能に保持して、チャック本体に回動
    可能に保持したナットリングと相互に螺合し、前記チャ
    ック本体の外周面に回動可能に嵌着した操作リングと上
    記ナットリングとを連動連結し、上記操作リングの締付
    け方向の回動をナットリングに伝達して各チャック爪を
    締付け方向にねじ送りするツールチャックであって、前
    記チャック爪がツールを締付けたときにナットリングが
    締付け反力を受けて後退する該ナットリング後退側と、
    これに対向するチャック本体側との間に、スラストベア
    リングを介装し、上記スラストベアリングと、これに対
    向するチャック本体側との間に、前記締付け反力を受け
    ていないときは遊転状態にあり、締付け反力受けたとき
    挟持固定される受圧部材を介装し、上記受圧部材に前記
    操作リングの内周面に接してこれを押圧する弾性部材を
    連設し、上記操作リングの内周面における前記弾性部材
    と対接する円周上に凹凸面を形成し、前記スラストベア
    リングと受圧部材との間に、チャック本体に対して回動
    のみ不可に係止したリング部材を介装したツールチャッ
    ク。
  2. 【請求項2】前記スラストベアリングを、複数の転動体
    と、これを保持する保持プレートと、上記転動体のスラ
    スト方向の両側に位置して該転動体を受ける受けリング
    で形成し、上記スラストベアリングの保持プレートに、
    前記チャック本体側に位置する受けリングに接してこれ
    を押圧する弾性部を形成し、上記チャック本体側に位置
    する受けリングの上記保持プレートの弾性部が対接する
    部分の円周方向に凹凸面を形成した請求項1記載のツー
    ルチャック。
  3. 【請求項3】前記ナットリングの締付け反力を受ける部
    位に、該反力に抗する弾性部材を介装した請求項1また
    は2記載のツールチャック。
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