JP2928222B2 - コレット及びこれを用いた緊定具 - Google Patents
コレット及びこれを用いた緊定具Info
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- JP2928222B2 JP2928222B2 JP5576398A JP5576398A JP2928222B2 JP 2928222 B2 JP2928222 B2 JP 2928222B2 JP 5576398 A JP5576398 A JP 5576398A JP 5576398 A JP5576398 A JP 5576398A JP 2928222 B2 JP2928222 B2 JP 2928222B2
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- nut
- flange
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はある部材に工具など
を緊定する装置に係わるものであって、更に詳しくは前
記部材に設けられた軸端の雄ねじに螺合する緊定ナット
を締めることにより緊定フランジを介して前記部材のフ
ランジ部に工具などを軸方向に押圧して緊定する緊定具
に関するものである。
を緊定する装置に係わるものであって、更に詳しくは前
記部材に設けられた軸端の雄ねじに螺合する緊定ナット
を締めることにより緊定フランジを介して前記部材のフ
ランジ部に工具などを軸方向に押圧して緊定する緊定具
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スピンドルに砥石,カッタ等の回
転工具を軸方向に緊定する方法は、スピンドルの軸端に
設けられた雄ねじに螺合する緊定ナットにより、回転工
具を軸方向に押圧して、スピンドルのフランジ部と緊定
ナットとの間で回転工具を挟持して緊定する方法が一般
に行われている。この場合スピンドルの雄ねじと緊定ナ
ットとのねじの方向は、起動時の慣性力でナットが増し
締め可能な方向とするのが普通で、これにより回転中に
おける緊定力の維持を可能にしている。
転工具を軸方向に緊定する方法は、スピンドルの軸端に
設けられた雄ねじに螺合する緊定ナットにより、回転工
具を軸方向に押圧して、スピンドルのフランジ部と緊定
ナットとの間で回転工具を挟持して緊定する方法が一般
に行われている。この場合スピンドルの雄ねじと緊定ナ
ットとのねじの方向は、起動時の慣性力でナットが増し
締め可能な方向とするのが普通で、これにより回転中に
おける緊定力の維持を可能にしている。
【0003】ところが、長時間の過酷な使用で増し締め
された回転工具を取外すに際し、緊定ナットを手で弛め
ることは困難である。この問題を解決するために開発さ
れた技術に特表平2−502359号公報で開示された
工具を軸方向に緊定するための緊定装置がある。
された回転工具を取外すに際し、緊定ナットを手で弛め
ることは困難である。この問題を解決するために開発さ
れた技術に特表平2−502359号公報で開示された
工具を軸方向に緊定するための緊定装置がある。
【0004】このものは図4(a)(b)に示すように
スピンドル101軸端のねじ101aに螺合する緊定ナ
ット102に、緊定円板103が軸方向のみ移動可能に
支持されている。緊定ナット102と緊定円板103と
の軸方向の支持面102a,103aは断面が外開き勝
手のV字形に形成されており、支持面102a,103
aに対応する断面V字形の3個のセグメント状支持体1
04が支持面102a,103a間に径方向移動可能に
支持されている。
スピンドル101軸端のねじ101aに螺合する緊定ナ
ット102に、緊定円板103が軸方向のみ移動可能に
支持されている。緊定ナット102と緊定円板103と
の軸方向の支持面102a,103aは断面が外開き勝
手のV字形に形成されており、支持面102a,103
aに対応する断面V字形の3個のセグメント状支持体1
04が支持面102a,103a間に径方向移動可能に
支持されている。
【0005】支持体104の外周はボール105の軌道
面104aに形成されており、内周が軌道面106aに
形成されている操作部材106が、緊定ナット102と
緊定円板103との間で周方向の軌道面104a,10
6aに沿って転動可能な3個のボール105によって支
持されている。操作部材106の軌道面106aには3
個所切欠き106bが刻設されていて、ストッパ107
と108とにより回転範囲が規制されており、ばね10
9により緊定ナット102の締まり方向に付勢されてい
る。
面104aに形成されており、内周が軌道面106aに
形成されている操作部材106が、緊定ナット102と
緊定円板103との間で周方向の軌道面104a,10
6aに沿って転動可能な3個のボール105によって支
持されている。操作部材106の軌道面106aには3
個所切欠き106bが刻設されていて、ストッパ107
と108とにより回転範囲が規制されており、ばね10
9により緊定ナット102の締まり方向に付勢されてい
る。
【0006】このように構成されている緊定装置でスピ
ンドル101に取着されている工具111の緊定を緩め
るには、操作部材106を手で掴んで緊定ナット102
をゆるみ方向に回すと、ボール105を介して支持され
ている操作部材106がばね109の力に抗して回転
し、ボール105が切欠き106bに落ち込む。このボ
ール105の落ち込みで支持体104の径方向外側への
移動が可能となり、緊定円板103が工具110から軸
方向に離れて緊定ナット102が簡単にゆるむようにし
たものである。
ンドル101に取着されている工具111の緊定を緩め
るには、操作部材106を手で掴んで緊定ナット102
をゆるみ方向に回すと、ボール105を介して支持され
ている操作部材106がばね109の力に抗して回転
し、ボール105が切欠き106bに落ち込む。このボ
ール105の落ち込みで支持体104の径方向外側への
移動が可能となり、緊定円板103が工具110から軸
方向に離れて緊定ナット102が簡単にゆるむようにし
たものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた特
表平2−502359号公報の工具を軸方向に緊定する
ための緊定装置などは、構造が複雑かつ部品点数が多く
そのためコスト高になるとともに、動作の安定性,操作
性,耐久性に問題を有しており、且つその用途は回転工
具の緊定に限られていた。本発明は従来の技術の有する
このような問題点を解決したものであり、その目的とす
るところは、構造が安価で安定な動作をし,指先の力で
軽く締め・弛めができる専用工具を必要としない緊定具
を提供しようとするものである。又その用途は回転工具
の緊定に限らず広く静止部材の緊定にも用いられ得る。
表平2−502359号公報の工具を軸方向に緊定する
ための緊定装置などは、構造が複雑かつ部品点数が多く
そのためコスト高になるとともに、動作の安定性,操作
性,耐久性に問題を有しており、且つその用途は回転工
具の緊定に限られていた。本発明は従来の技術の有する
このような問題点を解決したものであり、その目的とす
るところは、構造が安価で安定な動作をし,指先の力で
軽く締め・弛めができる専用工具を必要としない緊定具
を提供しようとするものである。又その用途は回転工具
の緊定に限らず広く静止部材の緊定にも用いられ得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に用いられる請求項1の発明は、工具を回転軸に緊定す
る際に、該回転軸に螺合する緊定ナットと同心に設けた
緊定フランジとの対向する面のいずれもが第1テーパ面
に形成され、前記対向する面で断面V字形状のコレット
が前記回転軸に直交する平面上で径方向に伸縮自在に挟
持されており、前記緊定ナットの螺入により前記工具を
緊定する緊定具であって、外周面に形成した第2テーパ
面を有するコレットと、前記回転軸方向に移動して前記
コレットを径方向に変形させる前記第2テーパ面と対応
し前記コレットと面接触のテーパ面を内周に有するテー
パリングと、回転操作によって前記コレットに対し該テ
ーパリングを軸方向に移動させる係合部材を外径部分に
有する前記テーパリングに外嵌して操作する操作リング
とを設けてなるものである。
に用いられる請求項1の発明は、工具を回転軸に緊定す
る際に、該回転軸に螺合する緊定ナットと同心に設けた
緊定フランジとの対向する面のいずれもが第1テーパ面
に形成され、前記対向する面で断面V字形状のコレット
が前記回転軸に直交する平面上で径方向に伸縮自在に挟
持されており、前記緊定ナットの螺入により前記工具を
緊定する緊定具であって、外周面に形成した第2テーパ
面を有するコレットと、前記回転軸方向に移動して前記
コレットを径方向に変形させる前記第2テーパ面と対応
し前記コレットと面接触のテーパ面を内周に有するテー
パリングと、回転操作によって前記コレットに対し該テ
ーパリングを軸方向に移動させる係合部材を外径部分に
有する前記テーパリングに外嵌して操作する操作リング
とを設けてなるものである。
【0009】また、請求項2の発明は、請求項1記載の
緊定具において、前記テーパリングは前記コレットに対
し軸方向には移動可能で回転方向は常に一体回転するよ
う前記緊定ナット又は前記緊定フランジと係合し、工具
を緊定する時は前記操作リングの回転により前記テーパ
リングが前記コレットの前記第2テーパ面の大径側軸方
向に移動し、前記テーパリングが前記第2テーパ面に嵌
着した後前記緊定ナット又は緊定フランジの締まり端に
当接して前記緊定ナット又は前記緊定フランジと一体回
転して緊定する緊定係合部と、工具を弛める時は前記テ
ーパリングが前記コレットの前記第2テーパ面の小径側
に移動して前記コレットの圧縮を解除した後、前記緊定
ナット又は前記緊定フランジの弛め端に当接して前記緊
定ナット又は前記緊定フランジと一体回転して弛める弛
め係合部とを前記操作リングと前記緊定ナット又は前記
緊定フランジとの間に設けてなり回転工具の頻繁な起動
・停止により工具の緊定力が増大した場合でも操作リン
グの手動操作のみで弛めができるものである。テーパリ
ングと緊定ナット又は緊定フランジとは一体回転し且つ
軸方向にはテーパリングのみが軸方向に移動可能であ
り、テーパリングはコレットの第2テーパ面上のテーパ
リング締め端,テーパリング弛め端とし、この範囲がテ
ーパリングの移動範囲である。緊定の時はテーパリング
がコレットの第2テーパ面の大径側に移動し(テーパリ
ング締め端)、操作リングは緊定ナットの係合部分に当
接してから緊定ナットと一体となって緊定し、弛める時
は操作リングを逆回転させテーパリングを第2テーパ面
の小径側に移動してコレットが自由径に近い状態(テー
パリング弛め端)で緊定ナット弛め端に当接してから緊
定ナットと一体となって弛めるようにしたものである。
ここでテーパリング弛め端とは、テーパリングがコレッ
トが自由径に最も近い状態にあり、またテーパリング締
め端とは、テーパリングがコレットの第2テーパ面の大
径端側に移動してコレット径が最も縮小した状態を言
う。 上記テーパリングの動きを操作リングの回転の動き
に置き換えると工具緊定時に操作リングを回してテーパ
リングが第2テーパ面に嵌着した後、緊定ナットのスト
ッパが操作リングに刻設された切欠部の操作リング締め
端(緊定係合部)に 当接して一体回転により緊定し、工
具を弛める時には緊定ナットのストッパーが操作リング
に刻設された切欠部の操作リング弛め端(弛め係合部)
に当接して一体回転により弛める事と同等である。
緊定具において、前記テーパリングは前記コレットに対
し軸方向には移動可能で回転方向は常に一体回転するよ
う前記緊定ナット又は前記緊定フランジと係合し、工具
を緊定する時は前記操作リングの回転により前記テーパ
リングが前記コレットの前記第2テーパ面の大径側軸方
向に移動し、前記テーパリングが前記第2テーパ面に嵌
着した後前記緊定ナット又は緊定フランジの締まり端に
当接して前記緊定ナット又は前記緊定フランジと一体回
転して緊定する緊定係合部と、工具を弛める時は前記テ
ーパリングが前記コレットの前記第2テーパ面の小径側
に移動して前記コレットの圧縮を解除した後、前記緊定
ナット又は前記緊定フランジの弛め端に当接して前記緊
定ナット又は前記緊定フランジと一体回転して弛める弛
め係合部とを前記操作リングと前記緊定ナット又は前記
緊定フランジとの間に設けてなり回転工具の頻繁な起動
・停止により工具の緊定力が増大した場合でも操作リン
グの手動操作のみで弛めができるものである。テーパリ
ングと緊定ナット又は緊定フランジとは一体回転し且つ
軸方向にはテーパリングのみが軸方向に移動可能であ
り、テーパリングはコレットの第2テーパ面上のテーパ
リング締め端,テーパリング弛め端とし、この範囲がテ
ーパリングの移動範囲である。緊定の時はテーパリング
がコレットの第2テーパ面の大径側に移動し(テーパリ
ング締め端)、操作リングは緊定ナットの係合部分に当
接してから緊定ナットと一体となって緊定し、弛める時
は操作リングを逆回転させテーパリングを第2テーパ面
の小径側に移動してコレットが自由径に近い状態(テー
パリング弛め端)で緊定ナット弛め端に当接してから緊
定ナットと一体となって弛めるようにしたものである。
ここでテーパリング弛め端とは、テーパリングがコレッ
トが自由径に最も近い状態にあり、またテーパリング締
め端とは、テーパリングがコレットの第2テーパ面の大
径端側に移動してコレット径が最も縮小した状態を言
う。 上記テーパリングの動きを操作リングの回転の動き
に置き換えると工具緊定時に操作リングを回してテーパ
リングが第2テーパ面に嵌着した後、緊定ナットのスト
ッパが操作リングに刻設された切欠部の操作リング締め
端(緊定係合部)に 当接して一体回転により緊定し、工
具を弛める時には緊定ナットのストッパーが操作リング
に刻設された切欠部の操作リング弛め端(弛め係合部)
に当接して一体回転により弛める事と同等である。
【0010】また、請求項3の発明は、請求項1記載の
緊定具において、前記テーパリングに冠装された前記操
作リングの内面と前記テーパリングの外周円筒面間に設
ける前記係合部材を螺合部材とし、前記操作リングは前
記緊定フランジ又は前記緊定ナットとにより回転のみ可
能に案内され、前記テーパリングが軸方向には移動可能
で回転方向には一体回転するよう前記テーパリングと前
記緊定ナット若しくは前記緊定フランジ間に設けた突起
部と溝部で係合させてなり、操作リングの回転操作によ
りテーパリングをコレットに対し軸方向に移動させるこ
とにより回転工具の頻繁な起動・停止により工具の緊定
力が増大した場合でも操作リングの手動操作のみで弛め
ができるものである。 テーパリングと操作リング間にボ
ールねじを設けているので、僅かな操作トルクでテーパ
リングをコレットに対し軸方向に移動できるので大きな
緊定力に対して軽快な操作ができる。 上述のように構成
されている緊定具によれば、工具緊定時には操作用の操
作リングをストッパに当接する方向に回して、緊定ナッ
トと操作リングとの一体回転可能な状態とし、緊定ナッ
トをスピンドル軸端の雄ねじに螺合させて締め切ること
により回転工具を軸方向に緊定する。又静止体の緊定用
途の場合には操作リングがストッパーに当接し操作リン
グが緊定ナットと一体回転可能となる前の段階で締め切
られるように設計されており、テーパリングによりコレ
ットが緊定ナットと緊定フランジ間に押し込まれ緊定さ
れる。 また、工具をゆるめる時には、操作リングを緊定
ナットゆるめ方向にストッパに当接する方向に回すこと
により、コレットの径方向の押圧力は解除され、コレッ
ト外径の増大が可能になり、緊定フランジと緊定ナット
との軸方向の間隔が小さくなって軸方向の緊定力が解け
て、最終的には弛めストッパーを介して容易に緊定ナッ
トをゆるめることができる。
緊定具において、前記テーパリングに冠装された前記操
作リングの内面と前記テーパリングの外周円筒面間に設
ける前記係合部材を螺合部材とし、前記操作リングは前
記緊定フランジ又は前記緊定ナットとにより回転のみ可
能に案内され、前記テーパリングが軸方向には移動可能
で回転方向には一体回転するよう前記テーパリングと前
記緊定ナット若しくは前記緊定フランジ間に設けた突起
部と溝部で係合させてなり、操作リングの回転操作によ
りテーパリングをコレットに対し軸方向に移動させるこ
とにより回転工具の頻繁な起動・停止により工具の緊定
力が増大した場合でも操作リングの手動操作のみで弛め
ができるものである。 テーパリングと操作リング間にボ
ールねじを設けているので、僅かな操作トルクでテーパ
リングをコレットに対し軸方向に移動できるので大きな
緊定力に対して軽快な操作ができる。 上述のように構成
されている緊定具によれば、工具緊定時には操作用の操
作リングをストッパに当接する方向に回して、緊定ナッ
トと操作リングとの一体回転可能な状態とし、緊定ナッ
トをスピンドル軸端の雄ねじに螺合させて締め切ること
により回転工具を軸方向に緊定する。又静止体の緊定用
途の場合には操作リングがストッパーに当接し操作リン
グが緊定ナットと一体回転可能となる前の段階で締め切
られるように設計されており、テーパリングによりコレ
ットが緊定ナットと緊定フランジ間に押し込まれ緊定さ
れる。 また、工具をゆるめる時には、操作リングを緊定
ナットゆるめ方向にストッパに当接する方向に回すこと
により、コレットの径方向の押圧力は解除され、コレッ
ト外径の増大が可能になり、緊定フランジと緊定ナット
との軸方向の間隔が小さくなって軸方向の緊定力が解け
て、最終的には弛めストッパーを介して容易に緊定ナッ
トをゆるめることができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
もとづき説明する。実施例1を図1(a)の回転工具を
軸方向に緊定するための緊定具の正面図と、図1(b)
の側面の断面図により説明する。
もとづき説明する。実施例1を図1(a)の回転工具を
軸方向に緊定するための緊定具の正面図と、図1(b)
の側面の断面図により説明する。
【0022】スピンドル1は先端に工具緊定用雄ねじ1
aを有し、軸端部外周1bとその端面1cとにフランジ
9が嵌装されている。フランジ9は軸方向先端部に工具
取付用小径部9aと段差面9bとを有し、小径部9aと
段差面9bとに回転工具Tが嵌装されている。そして、
スピンドル1の雄ねじ1aのねじの方向はこれに螺合さ
れるめねじ2dを有する緊定ナット2がスピンドル1の
回転で締まり勝手の作用を受けるような方向となってい
る。
aを有し、軸端部外周1bとその端面1cとにフランジ
9が嵌装されている。フランジ9は軸方向先端部に工具
取付用小径部9aと段差面9bとを有し、小径部9aと
段差面9bとに回転工具Tが嵌装されている。そして、
スピンドル1の雄ねじ1aのねじの方向はこれに螺合さ
れるめねじ2dを有する緊定ナット2がスピンドル1の
回転で締まり勝手の作用を受けるような方向となってい
る。
【0023】緊定ナット2は軸方向前側に鍔部2aを有
し、後側の外周が案内面2bに形成されており、この案
内面2bに緊定フランジ3が回り止め6により相互回転
が規制されて軸方向のみ移動可能に支持され、スナップ
リング2eにより抜け止めが施されている。尚、回り止
め6は図1に示すピンでもキー又は角穴或いはスプライ
ンでもよい。緊定フランジ3はフランジ9側端面が回転
工具Tとの当接面3aに形成され、鍔部2a側端面3b
と、これに対向する緊定ナット2の鍔部端面2cとが比
較的尖頭角度が小さい外広がりのV字断面形状の支持
(案内)面に形成されている。更に緊定フランジ3の外
周には雄ねじ1aと同一方向の雄ねじ3cが刻設されて
いる。
し、後側の外周が案内面2bに形成されており、この案
内面2bに緊定フランジ3が回り止め6により相互回転
が規制されて軸方向のみ移動可能に支持され、スナップ
リング2eにより抜け止めが施されている。尚、回り止
め6は図1に示すピンでもキー又は角穴或いはスプライ
ンでもよい。緊定フランジ3はフランジ9側端面が回転
工具Tとの当接面3aに形成され、鍔部2a側端面3b
と、これに対向する緊定ナット2の鍔部端面2cとが比
較的尖頭角度が小さい外広がりのV字断面形状の支持
(案内)面に形成されている。更に緊定フランジ3の外
周には雄ねじ1aと同一方向の雄ねじ3cが刻設されて
いる。
【0024】緊定ナット2と緊定フランジ3との対向す
る案内面2c,3bに案内されるリング状のコレット5
(以下コレットと呼ぶ)は、両側面5a,5bが案内面
2c,3bと嵌合可能なV字断面形状に形成され、外周
面に緊定フランジ3側が大径のテーパ5cが形成されて
いる。コレット5には外周に開口する等間隔の半径方向
のスリット5dと、内周に開口する等間隔の半径方向の
スリット5eとが交互に放射状に刻設されていて、コレ
ット5はこの複数のスリット5d,5eにより径方向に
変位可能となっており、径方向外周側からの押圧力で外
径が縮小し、軸方向の押圧力で外径が増大可能となって
いる。
る案内面2c,3bに案内されるリング状のコレット5
(以下コレットと呼ぶ)は、両側面5a,5bが案内面
2c,3bと嵌合可能なV字断面形状に形成され、外周
面に緊定フランジ3側が大径のテーパ5cが形成されて
いる。コレット5には外周に開口する等間隔の半径方向
のスリット5dと、内周に開口する等間隔の半径方向の
スリット5eとが交互に放射状に刻設されていて、コレ
ット5はこの複数のスリット5d,5eにより径方向に
変位可能となっており、径方向外周側からの押圧力で外
径が縮小し、軸方向の押圧力で外径が増大可能となって
いる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】コレット5の外周上に、テーパ5cと嵌合
するテーパ40aを内周に有するテーパリング40が軸
方向移動可能に嵌合されていて、テーパリング40には
大径側端面にテフロンなど低摩擦係数の摺動シート41
が貼着されている。
するテーパ40aを内周に有するテーパリング40が軸
方向移動可能に嵌合されていて、テーパリング40には
大径側端面にテフロンなど低摩擦係数の摺動シート41
が貼着されている。
【0047】操作リング47は軸方向後端鍔部の内周に
緊定フランジ外周の雄ねじ3cと螺合するめねじ47a
を有し、軸方向前端鍔部の内側端面がテーパリング40
の摺動シート41との当接面47bに形成されている。
更に、軸方向後端鍔部の内側端面47cとテーパリング
40との間に摺動シート42が介装されていて、テーパ
リング40は係合部材の摺動シート41,42を介し
て、軸方向が規制され回転のみ可能に操作リング47内
に挟持されている。
緊定フランジ外周の雄ねじ3cと螺合するめねじ47a
を有し、軸方向前端鍔部の内側端面がテーパリング40
の摺動シート41との当接面47bに形成されている。
更に、軸方向後端鍔部の内側端面47cとテーパリング
40との間に摺動シート42が介装されていて、テーパ
リング40は係合部材の摺動シート41,42を介し
て、軸方向が規制され回転のみ可能に操作リング47内
に挟持されている。
【0048】従って操作リング47はテーパリング40
を挟持するため軸方向前端鍔部が分解可能な組立構造と
なっている(図示せず)。そして操作リング47を回転
することにより、テーパリング40はコレットに対し移
動し軸方向に移動してコレット5の外径を縮小又は増大
させる。尚テーパリングは緊定時弛め方向の反力を受け
ているためテーパ角度を大きく設定すれば弛め時に働く
摺動シート42はなくても良い。
を挟持するため軸方向前端鍔部が分解可能な組立構造と
なっている(図示せず)。そして操作リング47を回転
することにより、テーパリング40はコレットに対し移
動し軸方向に移動してコレット5の外径を縮小又は増大
させる。尚テーパリングは緊定時弛め方向の反力を受け
ているためテーパ角度を大きく設定すれば弛め時に働く
摺動シート42はなくても良い。
【0049】更に、緊定ナット2の鍔部2a外周にスト
ッパ48が半径方向に外側に突出するように植設され、
操作リング47の対応位置に所定角度切欠き溝47dが
該設されていて、操作リング47は切欠き溝47dとス
トッパ48とにより切欠き角度だけに回転範囲が規制さ
れている。
ッパ48が半径方向に外側に突出するように植設され、
操作リング47の対応位置に所定角度切欠き溝47dが
該設されていて、操作リング47は切欠き溝47dとス
トッパ48とにより切欠き角度だけに回転範囲が規制さ
れている。
【0050】続いて実施例1の作用について説明する。
緊定具は組立時に操作リング47の切欠き溝47dのゆ
るめ端がストッパ48に当接した回転位置(弛め係合
部)で、テーパリング40は係合部材の摺動シート41
の側面と接しコレット5の外周の径方向の押圧は零か又
は自由外径から僅かに縮小された状態に調整されてい
る。従って、操作リング47をこの状態から更に締め込
むに従って次第に回転抵抗が増すようになっている。
緊定具は組立時に操作リング47の切欠き溝47dのゆ
るめ端がストッパ48に当接した回転位置(弛め係合
部)で、テーパリング40は係合部材の摺動シート41
の側面と接しコレット5の外周の径方向の押圧は零か又
は自由外径から僅かに縮小された状態に調整されてい
る。従って、操作リング47をこの状態から更に締め込
むに従って次第に回転抵抗が増すようになっている。
【0051】このように調整されている緊定具で工具T
をスピンドル1に緊定するには、最初に操作リング47
をゆるめ端側(弛め係合部)に位置決めしておいて、操
作リング47の外周を手で把持して緊定ナット2をスピ
ンドル1の雄ねじ1aに臨ませ、締まり勝手に回転す
る。最初は操作リング47だけが軽く回転するが、切欠
き溝47dの締まり端に達する手前で回転抵抗がやや大
きくなり、緊定フランジ3,及び緊定ナット2と一体回
転するようになって、雄ねじ1aとの螺合が進む。
をスピンドル1に緊定するには、最初に操作リング47
をゆるめ端側(弛め係合部)に位置決めしておいて、操
作リング47の外周を手で把持して緊定ナット2をスピ
ンドル1の雄ねじ1aに臨ませ、締まり勝手に回転す
る。最初は操作リング47だけが軽く回転するが、切欠
き溝47dの締まり端に達する手前で回転抵抗がやや大
きくなり、緊定フランジ3,及び緊定ナット2と一体回
転するようになって、雄ねじ1aとの螺合が進む。
【0052】螺合が進んで緊定フランジ3の当接面3a
が工具Tに当接すると、緊定ナット2が引き込まれて案
内面2cがコレット5の側面5bに当接して雄ねじ1a
と緊定ナット2間の回転抵抗が急に大きくなり、操作リ
ング47だけ締まり端(緊定係合部)に向かって回転
し、切欠き溝47dの締まり端がストッパ48に当接し
て止まる。このときのテーパリング40の軸方向後側へ
の移動による楔効果によりコレット5の外径が圧縮し更
に断面V字のコレット5の外径の圧縮により緊定フラン
ジ3と緊定ナット2の軸方向の間隔が大きくなる。この
操作により工具Tは手動で強く軸方向に緊定される。
が工具Tに当接すると、緊定ナット2が引き込まれて案
内面2cがコレット5の側面5bに当接して雄ねじ1a
と緊定ナット2間の回転抵抗が急に大きくなり、操作リ
ング47だけ締まり端(緊定係合部)に向かって回転
し、切欠き溝47dの締まり端がストッパ48に当接し
て止まる。このときのテーパリング40の軸方向後側へ
の移動による楔効果によりコレット5の外径が圧縮し更
に断面V字のコレット5の外径の圧縮により緊定フラン
ジ3と緊定ナット2の軸方向の間隔が大きくなる。この
操作により工具Tは手動で強く軸方向に緊定される。
【0053】工具Tをスピンドル1から取り外すには、
操作リング47の外周を手で把持して切欠き溝47dの
弛め端(弛め係合部)がストッパ48に当接する方向に
回転すると、操作リングの端面47cが摺動シート42
を介して、テーパリング40を軸方向前側へ移動させ、
コレット5の外径の増大が可能になる。よって工具Tを
緊定している軸方向の大きな押圧力は解除され緊定ナッ
ト2の雄ねじ2aに対する回転が軽くなり、容易に取外
せるようになる。
操作リング47の外周を手で把持して切欠き溝47dの
弛め端(弛め係合部)がストッパ48に当接する方向に
回転すると、操作リングの端面47cが摺動シート42
を介して、テーパリング40を軸方向前側へ移動させ、
コレット5の外径の増大が可能になる。よって工具Tを
緊定している軸方向の大きな押圧力は解除され緊定ナッ
ト2の雄ねじ2aに対する回転が軽くなり、容易に取外
せるようになる。
【0054】実施例2を図2(a)の緊定具の正面図と
図2(b)の側面断面図とにより説明する。本実施例2
の実施例1との相違点は、緊定ナット12の雄ねじ12
eと螺合するめねじ17aを有する操作リング17内周
のテーパ17bで、直接コレット5外周のテーパ5cを
押圧するのではなく、緊定ナット12の雄ねじ12eと
螺合するめねじ57aを有する操作リング57を回転す
ることにより実施例4と同様のテーパリング40を係合
部材の摺動シート41,42を介して軸方向に往復動さ
せ、コレット5の外周に径方向の押圧力を付与するとこ
ろであり、他は実施例2と同一のため同一個所には同符
号を付して説明を省略する。また、本実施例2の作用も
実施例1とほぼ同一のため省略する。
図2(b)の側面断面図とにより説明する。本実施例2
の実施例1との相違点は、緊定ナット12の雄ねじ12
eと螺合するめねじ17aを有する操作リング17内周
のテーパ17bで、直接コレット5外周のテーパ5cを
押圧するのではなく、緊定ナット12の雄ねじ12eと
螺合するめねじ57aを有する操作リング57を回転す
ることにより実施例4と同様のテーパリング40を係合
部材の摺動シート41,42を介して軸方向に往復動さ
せ、コレット5の外周に径方向の押圧力を付与するとこ
ろであり、他は実施例2と同一のため同一個所には同符
号を付して説明を省略する。また、本実施例2の作用も
実施例1とほぼ同一のため省略する。
【0055】実施例3の緊定具を図3で説明する。図3
(a)は該緊定具の正面図、図3(b)(c)はそれぞ
れ弛め,締め状態の断面の説明図、図3(d)は正面断
面図である。本発明は操作リング67がテーパリング6
0と係合部材のボールねじで螺合し、該操作リングを手
で回すことによりテーパリング60が回ることなく軸方
向に移動することを特徴とする。係合部材のボールねじ
を単にねじにより螺合させても良い。更に付言すれば、
操作部材によりテーパリング60をコレット5に対し軸
方向に相対変位させれば良いので、例えばねじの代わり
に軸方向にリードを有するカムを用いても良い。尚、実
施例1と同一の部品は同一符号を付して説明を省略す
る。
(a)は該緊定具の正面図、図3(b)(c)はそれぞ
れ弛め,締め状態の断面の説明図、図3(d)は正面断
面図である。本発明は操作リング67がテーパリング6
0と係合部材のボールねじで螺合し、該操作リングを手
で回すことによりテーパリング60が回ることなく軸方
向に移動することを特徴とする。係合部材のボールねじ
を単にねじにより螺合させても良い。更に付言すれば、
操作部材によりテーパリング60をコレット5に対し軸
方向に相対変位させれば良いので、例えばねじの代わり
に軸方向にリードを有するカムを用いても良い。尚、実
施例1と同一の部品は同一符号を付して説明を省略す
る。
【0056】被緊定物には工具その他一般機械部品も含
まれる。スピンドル1に装着される緊定ナット2及び緊
定フランジ63は実施例1と同様に、図3(b)におい
て、緊定フランジ63は、緊定ナット2の小径円筒部に
外嵌され、該円筒部外径にピン設された回り止め6と、
該緊定フランジの内径に刻設された溝が係合して、緊定
フランジ63と緊定ナット2は一体として回転可能で緊
定フランジ63は軸方向にのみ移動可能に支持されてい
る。
まれる。スピンドル1に装着される緊定ナット2及び緊
定フランジ63は実施例1と同様に、図3(b)におい
て、緊定フランジ63は、緊定ナット2の小径円筒部に
外嵌され、該円筒部外径にピン設された回り止め6と、
該緊定フランジの内径に刻設された溝が係合して、緊定
フランジ63と緊定ナット2は一体として回転可能で緊
定フランジ63は軸方向にのみ移動可能に支持されてい
る。
【0057】そして緊定ナット2と緊定フランジ63と
対向する断面V字形の案内面2c,63bにより外周に
テーパ5cを有すコレット5が径方向に伸縮自在に支持
されている。コレット5の外径のテーパ5cは緊定ナッ
ト2のテーパ面2c側に小径端を、緊定フランジ63の
テーパ面63b側に大径端を有する。テーパ面5cと嵌
合するテーパ面60aを内径に有するテーパリング60
がスピンドル1の軸方向に移動可能にコレット5に外嵌
されている。
対向する断面V字形の案内面2c,63bにより外周に
テーパ5cを有すコレット5が径方向に伸縮自在に支持
されている。コレット5の外径のテーパ5cは緊定ナッ
ト2のテーパ面2c側に小径端を、緊定フランジ63の
テーパ面63b側に大径端を有する。テーパ面5cと嵌
合するテーパ面60aを内径に有するテーパリング60
がスピンドル1の軸方向に移動可能にコレット5に外嵌
されている。
【0058】図3(b)(d)において、テーパリング
60の外周部と操作リング67の内周部の間に係合部材
の鋼球69が嵌装可能に案内溝が刻設されボールねじを
形成している。操作リング67は操作リング67に設け
られたボール溝67sと緊定フランジ63に設けられた
ボール溝63s及び鋼球63fにより回転可能・長手移
動不可能に支持されている。操作リング67を締め側に
手で回したときテーパリング60はコレット5の外径テ
ーパの大径端の方向に移動しコレット5の外径を圧縮し
緊定フランジ63を被緊定物側に移動させ緊定する。
60の外周部と操作リング67の内周部の間に係合部材
の鋼球69が嵌装可能に案内溝が刻設されボールねじを
形成している。操作リング67は操作リング67に設け
られたボール溝67sと緊定フランジ63に設けられた
ボール溝63s及び鋼球63fにより回転可能・長手移
動不可能に支持されている。操作リング67を締め側に
手で回したときテーパリング60はコレット5の外径テ
ーパの大径端の方向に移動しコレット5の外径を圧縮し
緊定フランジ63を被緊定物側に移動させ緊定する。
【0059】図3(a)において、テーパリング60と
緊定ナット2は一体となって回転するよう該緊定ナット
の突起部2fと該テーパリングの溝60fが係合してお
り緊定ナットに対し操作リング67を回すとテーパリン
グ60は軸方向に移動する。又、緊定ナットのフランジ
端面2aと対面する操作リング67の端面には切欠溝6
7dが一定角度の範囲にわたり刻設され、緊定ナット2
の大径部のストッパ2gと係合してテーパリング60の
コレット5上で軸方向の移動範囲を定めている。
緊定ナット2は一体となって回転するよう該緊定ナット
の突起部2fと該テーパリングの溝60fが係合してお
り緊定ナットに対し操作リング67を回すとテーパリン
グ60は軸方向に移動する。又、緊定ナットのフランジ
端面2aと対面する操作リング67の端面には切欠溝6
7dが一定角度の範囲にわたり刻設され、緊定ナット2
の大径部のストッパ2gと係合してテーパリング60の
コレット5上で軸方向の移動範囲を定めている。
【0060】次に実施例3の作用について図3(b)
(c)に基づき説明する。図3(b)は弛め状態のテー
パリング60の位置を示しており、この状態からまず緊
定ナット2をスピンドル1のねじ部に臨ませ、操作リン
グ67を締め方向に手回しでねじ部の螺合を深めて緊定
フランジ63が被緊定物に当接するまで回転させる。更
に操作リングを手回しすると該操作リングとテーパリン
グ60間に設けたボールねじにより該テーパリングは、
コレット5の外径テーパの大径端の方向に移動してコレ
ット5に外周テーパ部5eから径方向の押圧力を加え
る。コレット5は径方向に収縮し、緊定ナット2と緊定
フランジ63の間でくさびを形成する。該緊定ナットは
スピンドル1と螺合しているのでテーパ面2cから反力
を受け緊定フランジ63のテーパ面63bに押圧力を加
え該緊定フランジの緊定力となる。図3(c)は締めの
状態を示しておりテーパリング60がコレット5の外径
テーパの大径端へ移動し、コレット5が収縮している状
態を表している。
(c)に基づき説明する。図3(b)は弛め状態のテー
パリング60の位置を示しており、この状態からまず緊
定ナット2をスピンドル1のねじ部に臨ませ、操作リン
グ67を締め方向に手回しでねじ部の螺合を深めて緊定
フランジ63が被緊定物に当接するまで回転させる。更
に操作リングを手回しすると該操作リングとテーパリン
グ60間に設けたボールねじにより該テーパリングは、
コレット5の外径テーパの大径端の方向に移動してコレ
ット5に外周テーパ部5eから径方向の押圧力を加え
る。コレット5は径方向に収縮し、緊定ナット2と緊定
フランジ63の間でくさびを形成する。該緊定ナットは
スピンドル1と螺合しているのでテーパ面2cから反力
を受け緊定フランジ63のテーパ面63bに押圧力を加
え該緊定フランジの緊定力となる。図3(c)は締めの
状態を示しておりテーパリング60がコレット5の外径
テーパの大径端へ移動し、コレット5が収縮している状
態を表している。
【0061】次に砥石をスピンドルに固定するような回
転体緊定と単に対象物を固定するような静止体緊定につ
いて使用上の相違点を説明する。前者の場合には操作リ
ング67を手回しして手締力で緊定フランジ63を被緊
定物に当接する前に該操作リングの切欠部67dの締め
端(緊定係合部)が緊定ナット2のストッパ2eに当接
するようにする。このようにすれば該操作リングを回す
手締めの力で直接緊定ナット2を回して該緊定フランジ
を緊定する。回転による増し締めを前提としているので
緊定力はわずかな手締力で充分である。 手回しで締結後
スピンドル1が回転起動するときに該スピンドルの雄ね
じと緊定ナット2の雌ねじとの螺合が深くなり増し締め
される。この時コレット5の外径を増大させようとする
力が働くがテーパリング60に拒まれて径は増大しない
がテーパ面は増し締め力に対応した応力を受ける。
転体緊定と単に対象物を固定するような静止体緊定につ
いて使用上の相違点を説明する。前者の場合には操作リ
ング67を手回しして手締力で緊定フランジ63を被緊
定物に当接する前に該操作リングの切欠部67dの締め
端(緊定係合部)が緊定ナット2のストッパ2eに当接
するようにする。このようにすれば該操作リングを回す
手締めの力で直接緊定ナット2を回して該緊定フランジ
を緊定する。回転による増し締めを前提としているので
緊定力はわずかな手締力で充分である。 手回しで締結後
スピンドル1が回転起動するときに該スピンドルの雄ね
じと緊定ナット2の雌ねじとの螺合が深くなり増し締め
される。この時コレット5の外径を増大させようとする
力が働くがテーパリング60に拒まれて径は増大しない
がテーパ面は増し締め力に対応した応力を受ける。
【0062】後者の場合は、操作リング67を手回しし
て緊定フランジ63を被緊定物に当接するまで回転させ
る。更に手回し力を付加して該操作リングを回転させる
と、テーパリング60が緊定フランジの方向に強制的に
移動しコレット5の外径寸法を圧縮させるのでコレット
の第1テーパ面と第2テーパ面で形成される楔効果によ
りわずかな手締め力で緊定できる。この場合、操作リン
グ67の締め端(緊定係合部)と緊定ナットのストッパ
2gは関与させない。
て緊定フランジ63を被緊定物に当接するまで回転させ
る。更に手回し力を付加して該操作リングを回転させる
と、テーパリング60が緊定フランジの方向に強制的に
移動しコレット5の外径寸法を圧縮させるのでコレット
の第1テーパ面と第2テーパ面で形成される楔効果によ
りわずかな手締め力で緊定できる。この場合、操作リン
グ67の締め端(緊定係合部)と緊定ナットのストッパ
2gは関与させない。
【0063】次に本緊定具の緊定状態を弛める場合につ
いて説明する。緊定状態では緊定ナット2、緊定フラン
ジ63、コレット5及びテーパリング60は各相互の接
面がそれぞれの大きさの応力を受けて一体に緊定されて
いる。この状態で操作リング67を弛める方向に回すと
緊定ナット2と回転方向に一体のテーパリング60は回
転せず軸方向に且つ弛め方向に移動する。テーパリング
60のこの移動によりコレット5の外径に加わっていた
増し締め応力は徐々に解除され緊定ナット2は手回しで
容易に弛めることが可能となる。
いて説明する。緊定状態では緊定ナット2、緊定フラン
ジ63、コレット5及びテーパリング60は各相互の接
面がそれぞれの大きさの応力を受けて一体に緊定されて
いる。この状態で操作リング67を弛める方向に回すと
緊定ナット2と回転方向に一体のテーパリング60は回
転せず軸方向に且つ弛め方向に移動する。テーパリング
60のこの移動によりコレット5の外径に加わっていた
増し締め応力は徐々に解除され緊定ナット2は手回しで
容易に弛めることが可能となる。
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【発明の効果】一般の緊定具においては、締め・弛めの
力が一つの伝達系路を通じて緊定フランジに伝えられて
いる。本発明では締める時は、操作リングを回す力は、
直接緊定ナットを通じて緊定フランジに伝わり緊定ナッ
トが工具を緊定する。又弛める時は弛め操作力がまずテ
ーパリングを軸方向に移動させて使用により増し締めさ
れた緊定力を解除した後、緊定フランジに対する緊定ナ
ットの締め付け力が解除される。 前述のように本発明で
は、緊定時と弛める時の力の伝達経路が異なるように構
成したので、特に使用により増し締めが後発的に発生し
ている場合に工具の弛めが時に容易となる効果を有す
る。
力が一つの伝達系路を通じて緊定フランジに伝えられて
いる。本発明では締める時は、操作リングを回す力は、
直接緊定ナットを通じて緊定フランジに伝わり緊定ナッ
トが工具を緊定する。又弛める時は弛め操作力がまずテ
ーパリングを軸方向に移動させて使用により増し締めさ
れた緊定力を解除した後、緊定フランジに対する緊定ナ
ットの締め付け力が解除される。 前述のように本発明で
は、緊定時と弛める時の力の伝達経路が異なるように構
成したので、特に使用により増し締めが後発的に発生し
ている場合に工具の弛めが時に容易となる効果を有す
る。
【0076】又増し締めが期待されない一般部材の緊定
の場合には、締める時も弛める時も操作リングを回す操
作力はコレットを通じて緊定フランジに伝わる。そして
工具を使うことなくわずかな指先の力で大きな緊定力に
よる締めとその緊定状態からの弛めが可能な緊定具であ
る。頻繁な起動時や急停止を繰り返す電動工具におい
て、緊定力の伝達経路に局部面圧が大きくなる転動体を
使用すると、変形しやすく耐久性と動作安定性に問題を
生ずる。これに対し本発明では受圧面にすべり面を使用
することにより過大な局部面圧が生ずることなく外周に
均等、かつ、低い面圧が付加されることにより歪発生の
ない耐久性・安定性が向上した緊定具の実施が可能とな
る。
の場合には、締める時も弛める時も操作リングを回す操
作力はコレットを通じて緊定フランジに伝わる。そして
工具を使うことなくわずかな指先の力で大きな緊定力に
よる締めとその緊定状態からの弛めが可能な緊定具であ
る。頻繁な起動時や急停止を繰り返す電動工具におい
て、緊定力の伝達経路に局部面圧が大きくなる転動体を
使用すると、変形しやすく耐久性と動作安定性に問題を
生ずる。これに対し本発明では受圧面にすべり面を使用
することにより過大な局部面圧が生ずることなく外周に
均等、かつ、低い面圧が付加されることにより歪発生の
ない耐久性・安定性が向上した緊定具の実施が可能とな
る。
【図1】本発明の実施例1の緊定具の図で(a)は正面
図、(b)は側面断面図である。
図、(b)は側面断面図である。
【図2】本発明の実施例2の緊定具の図で(a)は正面
図、(b)は(a)のC−C断面図である。
図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図3】本発明の実施例3の緊定具の図で、(a)は正
面図、(b)は弛めの状態の断面説明図、(c)は締め
の状態の断面説明図、(d)は正面断面図である。
面図、(b)は弛めの状態の断面説明図、(c)は締め
の状態の断面説明図、(d)は正面断面図である。
【図4】従来の技術の緊定装置の図で、(a)は正面断
面図、(b)は側面断面図である。
面図、(b)は側面断面図である。
1 スピンドル 1a 雄ねじ 2,12 緊定ナット 3 緊定フランジ 5 コレット 6 回り止め 40,60 テーパリング 47,57,67 操作リング 18,48 ストッパ 9 フランジ 10 ばね 41,42 摺動シート
Claims (3)
- 【請求項1】 工具を回転軸に緊定する際に、該回転軸
に螺合する緊定ナットと同心に設けた緊定フランジとの
対向する面のいずれもが第1テーパ面に形成され、前記
対向する面で断面V字形状のコレットが前記回転軸に直
交する平面上で径方向に伸縮自在に挟持されており、前
記緊定ナットの螺入により前記工具を緊定する緊定具で
あって、外周面に形成した第2テーパ面を有するコレッ
トと、前記回転軸方向に移動して前記コレットを径方向
に変形させる前記第2テーパ面と対応し前記コレットと
面接触のテーパ面を内周に有するテーパリングと、回転
操作によって前記コレットに対し該テーパリングを軸方
向に移動させる係合部材を外径部分に有する前記テーパ
リングに外嵌して操作する操作リングとを設けてなる緊
定具。 - 【請求項2】 請求項1記載の緊定具において、前記テ
ーパリングは前記コレットに対し軸方向には移動可能で
回転方向は常に一体回転するよう前記緊定ナット又は前
記緊定フランジと係合し、工具を緊定する時は前記操作
リングの回転により前記テーパリングが前記コレットの
前記第2テーパ面の大径側軸方向に移動し、前記テーパ
リングが前記第2テーパ面に嵌着した後前記緊定ナット
又は緊定フランジの締まり端に当接して前記緊定ナット
又は前記緊定フランジと一体回転して緊定する緊定係合
部と、工具を弛める時は前記テーパリングが前記コレッ
トの前記第2テーパ面の小径側に移動して前記コレット
の圧縮を解除した後、前記緊定ナット又は前記緊定フラ
ンジの弛め端に当接して前記緊定ナット又は前記緊定フ
ランジと一体回転して弛める弛め係合部とを前記操作リ
ングと前記緊定ナット又は前記緊定フランジとの間に設
けてなり回転工具の頻繁な起動・停止により工具の緊定
力が増大した場合でも操作リングの手動操作のみで弛め
ができる緊定具。 - 【請求項3】 請求項1記載の緊定具において、前記テ
ーパリングに冠装された前記操作リングの内面と前記テ
ーパリングの外周円筒面間に設ける前記係合部材を螺合
部材とし、前記操作リングは前記緊定フランジ又は前記
緊定ナットとにより回転のみ可能に案内され、前記テー
パリングが軸方向には移動可能で回転方向には一体回転
するよう前記テーパリングと前記緊定ナット若しくは前
記緊定フ ランジ間に設けた突起部と溝部で係合させてな
り、操作リングの回転操作によりテーパリングをコレッ
トに対し軸方向に移動させることにより回転工具の頻繁
な起動・停止により工具の緊定力が増大した場合でも操
作リングの手動操作のみで弛めができる緊定具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5576398A JP2928222B2 (ja) | 1997-03-07 | 1998-02-20 | コレット及びこれを用いた緊定具 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7049797 | 1997-03-07 | ||
JP9-70497 | 1997-03-07 | ||
JP5576398A JP2928222B2 (ja) | 1997-03-07 | 1998-02-20 | コレット及びこれを用いた緊定具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10309612A JPH10309612A (ja) | 1998-11-24 |
JP2928222B2 true JP2928222B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=26396667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5576398A Expired - Lifetime JP2928222B2 (ja) | 1997-03-07 | 1998-02-20 | コレット及びこれを用いた緊定具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2928222B2 (ja) |
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1998
- 1998-02-20 JP JP5576398A patent/JP2928222B2/ja not_active Expired - Lifetime
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