JP2000299558A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JP2000299558A
JP2000299558A JP10794799A JP10794799A JP2000299558A JP 2000299558 A JP2000299558 A JP 2000299558A JP 10794799 A JP10794799 A JP 10794799A JP 10794799 A JP10794799 A JP 10794799A JP 2000299558 A JP2000299558 A JP 2000299558A
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JP
Japan
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layer
conductor circuit
plating
printed wiring
wiring board
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Application number
JP10794799A
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English (en)
Inventor
Naohiro Hirose
直宏 広瀬
Hiroaki Uno
浩彰 宇野
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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  • Chemically Coating (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 配線間のスペースが狭くなっても配線間にめ
っき膜が析出することはなく、導体回路上に凹凸の高さ
の高い粗化層を均一に形成することができ、密着性、接
続性、信頼性に優れるプリント配線板を製造すること。 【解決手段】 導体回路4を形成し、前記導体回路に粗
化層を形成した後、前記粗化層が形成された導体回路を
含む基板1面を層間絶縁材料2で被覆する工程を繰り返
すことにより絶縁性基板上に層間絶縁層を挟んだ複数層
からなる導体回路を形成するプリント配線板の製造方法
であって、前記導体回路に無電解めっきにより前記粗化
層を形成する際、めっき液中に浸漬する絶縁性基板同士
の間隔を3cm以上離すことを特徴とするプリント配線
板の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性基板上に形
成された導体回路に無電解めっきにより粗化層を形成す
る際のめっき処理方法に特徴を有するプリント配線板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼
ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等に
より製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5m
m程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、
銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層す
ることにより作製される。この多層プリント配線板の層
間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホー
ルにより行われている。
【0003】従来、ビルドアップ多層プリント配線板
は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示さ
れた方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔
が貼り付けられた銅貼積層板に貫通孔を形成し、続いて
無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形
成する。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの
手法を用いて導体パターン状にエッチング処理して導体
回路を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、
無電解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、そ
の粗化面を有する導体回路上に絶縁樹脂層を形成した
後、露光、現像処理を行ってバイアホール用開口を形成
し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を
形成する。さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤などに
より粗化形成処理を施した後、薄い無電解めっき膜を形
成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成し
た後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト
剥離後にエッチングを行って、下層の導体回路とバイア
ホールにより接続された導体回路を形成する。これを繰
り返した後、最後に導体回路を保護するためのソルダー
レジスト層(有機樹脂絶縁層)を形成し、導体回路との
接続のために開口を露出させた部分に、半田ペーストを
印刷して半田バンプを形成することにより、ビルドアッ
プ多層プリント配線板が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、ビルドアップ多
層プリント配線板のファイン化、高密度化の要望が高ま
るにつれて、配線(導体回路)の幅が細くなり、配線
(ライン)間のスペース幅が狭くなり、これに伴いバイ
アホール径も小さくなってきている。
【0005】このような状態の導体回路に無電解めっき
によって粗化層を形成しようとすると、めっき条件によ
っては配線間に露出している粗化された樹脂表面にめっ
き膜が析出し、このめっき膜は配線間を接続して短絡を
起こしてしまい接続性に問題を起こすことがあった。
【0006】特に配線(ライン)の幅が50μm以下
で、配線間の幅(スペース)が50μm以下(以下、ラ
イン/スペース=50μm/50μm以下と記載する)
の狭い配線部分において、配線間にめっき膜が析出し易
かった。
【0007】また、このような導体回路表面に形成され
る粗化層も、めっき条件によっては凹凸の高さが小さく
なりやすく、平均粗さ(Ra)も小さくなってしまう結
果、層間絶縁層(有機樹脂絶縁層)との密着部分の接触
面積が小さくなって層間絶縁層(有機樹脂絶縁層)が剥
がれたり、その上に形成する導体回路(バイアホール)
との接続強度が低下し、当然得られたプリント配線板で
は信頼性も著しく低下してしまうという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題に鑑
みて鋭意研究した結果、めっき膜析出の際に発生する水
素ガスが配線間の樹脂表面に残留、蓄積したり、導体回
路表面に残留した場合に、この部分が局部的に活性化さ
れてめっき膜が析出してしまうこと、および、無電解め
っき液に絶縁性基板を浸漬する際、絶縁性基板同士の間
隔を開けることにより、発生した水素ガスの抜けがよく
なり、絶縁性基板の導体回路表面や配線間にガスを残
留、蓄積させることなくスムーズに排除することができ
ることを見いだし、以下に示す内容を要旨構成とする発
明に到達した。
【0009】即ち、第一の本発明のプリント配線板の製
造方法は、形成した導体回路上にさらに導体回路を形成
した後、上記粗化層が形成された導体回路を含む基板面
を層間絶縁材料で被覆する工程を繰り返すことにより絶
縁性基板上に層間絶縁層を挟んだ複数層からなる導体回
路を形成するプリント配線板の製造方法であって、上記
導体回路に無電解めっきにより上記粗化層を形成する
際、めっき液中に浸漬する絶縁性基板同士の間隔を3c
m以上離すことを特徴とする。
【0010】また、第二の本発明のプリント配線板の製
造方法は、絶縁性基板上に層間絶縁層を挟んだ複数層か
らなる導体回路を形成した後、最上層の導体回路に粗化
層を形成し、上記粗化層が形成された導体回路を含む基
板面を有機樹脂絶縁材料で被覆するプリント配線板の製
造方法であって、上記最上層の導体回路に無電解めっき
により上記粗化層を形成する際、めっき液中に浸漬する
絶縁性基板同士の間隔を3cm以上離すことを特徴とす
る。
【0011】上記第一または第二のプリント配線板の製
造方法において、上記層間絶縁層は層間樹脂絶縁層であ
ることが好ましい。また、上記第一または第二のプリン
ト配線板の製造方法において、上記めっき液中に絶縁性
基板を浸漬した後、上記絶縁性基板を水平方向および/
または垂直方向にそれぞれ20回/分以上揺動させなが
らめっき処理を行うことが好ましく、また、上記めっき
液中に絶縁性基板を浸漬した後、上記絶縁性基板を水平
方向および垂直方向に同時に20回/分以上揺動させな
がらめっき処理を行うことが好ましい。
【0012】さらに、上記第一または第二のプリント配
線板の製造方法においては、上記めっき液中に絶縁性基
板を浸漬した後、上記絶縁性基板に超音波を作用させな
がらめっき処理を行うことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】第一の本発明のプリント配線板の
製造方法は、形成した導体回路上にさらに粗化層を形成
した後、上記粗化層が形成された導体回路を含む基板面
を層間絶縁材料で被覆する工程を繰り返すことにより絶
縁性基板上に層間絶縁層を挟んだ複数層からなる導体回
路を形成するプリント配線板の製造方法であって、上記
導体回路に無電解めっきにより上記粗化層を形成する
際、めっき液中に浸漬する絶縁性基板同士の間隔を3c
m以上離すことを特徴とする。
【0014】また、第二の本発明のプリント配線板の製
造方法は、絶縁性基板上に層間絶縁層を挟んだ複数層か
らなる導体回路を形成した後、最上層の導体回路に粗化
層を形成し、上記粗化層が形成された導体回路を含む基
板面を有機樹脂絶縁材料で被覆するプリント配線板の製
造方法であって、上記最上層の導体回路に無電解めっき
により上記粗化層を形成する際、めっき液中に浸漬する
絶縁性基板同士の間隔を3cm以上離すことを特徴とす
る。
【0015】上記第一および第二のプリント配線板の製
造方法によれば、めっき液中に浸漬した絶縁性基板同士
の間隔を3cm以上に離しているので、無電解めっきの
際に発生する水素ガスの抜けがよくなり、水素ガスを導
体回路表面や配線間の樹脂表面に残留、蓄積させること
なくスムーズに排除することができる。そのため、配線
間のスペースが狭くなっても配線間にめっき膜が析出す
ることはなく、導体回路上に凹凸の高さの高い粗化層を
均一に形成することができ、密着性、接続性、信頼性に
優れるプリント配線板を製造することができる。
【0016】絶縁性基板の間隔が3cm未満である場合
には、発生した水素ガスの抜け道を充分に確保すること
ができないため、導体回路表面や配線間に水素ガスが残
留したり、再付着して蓄積したりする。そのため、水素
ガスが付着した部分は活性化されすぎ、めっきの反応性
が上がりすぎ、配線間にめっき膜が析出して短絡を起こ
してしまう。また、反応性が上がりすぎるので、導体回
路表面に形成される粗化層の凹凸の高さも他の部分と比
べて低くなってしまう。従って、導体回路上に形成する
層間絶縁層(有機樹脂絶縁層)との密着が低下したり、
上層に導体回路(バイアホール)を形成する場合には、
この導体回路との密着性が低下してしまう。
【0017】絶縁性基板の間隔をあけることに加えて、
上記絶縁性基板を水平方向および/または垂直方向にそ
れぞれ毎分20回以上揺動させることにより、水素ガス
の抜けをよくすることができる。また、上記揺動によ
り、発生した水素ガスの絶縁性基板への再付着を確実に
防止することができ、その結果、上記した配線間の短絡
等の不都合を防止することができる。
【0018】この際、それぞれの揺動距離は5〜30c
mが望ましく、7〜20cmがより望ましい。揺動距離
が5cm未満では揺動による水素ガスの除去効果がない
場合があり、逆に30cmを超えると、揺動により絶縁
性基板に反りが発生したり、傷が付きやすくなる。ま
た、上記絶縁性基板の揺動は、水平方向および/または
垂直方向にそれぞれ毎分30回以上行うことがより望ま
しい。
【0019】上記絶縁性基板は、水平方向か垂直方向か
のどちらかにのみ、単独で揺動させてもよく、水平方向
への揺動と垂直方向への揺動とを交互に行ってもよく、
さらに、水平方向への揺動と垂直方向への揺動とを同時
に行ってもよい。このような揺動によって、水素ガスの
抜け性が向上し、水素ガスの絶縁性基板(導体回路)表
面等への再付着もなくなる。
【0020】さらに、めっき液中に絶縁性基板を浸漬し
た後超音波を発生させ、上記絶縁性基板に超音波を作用
させながらめっき処理を行うことにより、発生した水素
ガスや、導体回路表面または配線間に残留、蓄積した水
素ガスの気泡を細かく分解し、絶縁性基板(導体回路)
表面より排除することができる。その結果、水素ガスを
起因とする析出異常を防止することができ、上記した配
線間の短絡等の不都合を防止することができる。
【0021】また、絶縁性基板(導体回路)表面の水素
ガスが排除される結果、めっき液内の水素ガスの蓄積が
少なくなるので、めっきの自己分解による反応停止やめ
っき膜形成異常もなくなる。上記超音波の発生は、単独
で行ってもよく、上記揺動と超音波の発生とを同時に行
ってもよい。
【0022】上記絶縁性基板に超音波を作用させるタイ
ミングとしては、絶縁性基板がめっき浴に浸漬された直
後から、超音波を連続的に発振し続けてもよく、浸漬し
て一定時間を経過した後に超音波を発振させてもよい。
超音波をいつ作用させるかの選択は、めっき時間、めっ
き膜の厚み、粗化層の平均粗さなどの粗化層を形成する
要因、配線のライン/スペースの大きさ、浴負荷などの
絶縁性基板の要因などによって異なるが、超音波による
上記効果は低減されない。
【0023】本発明に用いられる無電解めっき液は、少
なくとも金属塩、還元剤、錯化剤、界面活性剤およびp
H調整剤を含んでいるものが好ましい。無電解めっきに
より形成する粗化層の材質としては、例えば、Cu−N
i−P合金、Cu−Ni合金、Ni−P合金、Cu−N
i−Co合金などが挙げられる。
【0024】また、粗化層の形状としては、針状、多孔
質状、針状と多孔質の混在したものなどが挙げられる。
粗化層の凹凸の高さは、平均粗さ(Ra)で、1〜10
μmが望ましく、2〜5μmがより望ましい。このよう
な平均粗さの粗化層が形成されると、層間絶縁層あるい
は有機樹脂絶縁層と導体回路との密着性がよいからであ
る。
【0025】次に、本発明の無電解めっき液を用いたプ
リント配線板の製造方法について、説明する。 (1) 本発明のプリント配線板の製造方法においては、ま
ず、絶縁性基板の表面に導体回路が形成された基板を作
製する。
【0026】絶縁性基板としては、樹脂基板が望まし
く、具体的には、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリイ
ミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、フッ
素樹脂基板、セラミック基板、銅貼積層板などが挙げら
れる。本発明では、この絶縁性基板にドリル等で貫通孔
を設け、該貫通孔の壁面および銅箔表面に無電解めっき
を施して表面導電膜およびスルーホールを形成する。無
電解めっきとしては銅めっきが好ましい。
【0027】この無電解めっきの後、通常、スルーホー
ル内壁および電解めっき膜表面の粗化形成処理を行う。
粗化形成処理方法としては、例えば、黒化(酸化)−還
元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレ
ー処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理など
が挙げられる。なお、場合によっては、粗化面を形成し
た基板の余分な成分(水分、溶剤分など)を除去するた
めの熱処理を行ってもよい。
【0028】(2) 次に、無電解めっきが施された基板上
に導体回路形状のエッチングレジストを形成し、エッチ
ングを行うことにより導体回路を形成する。次に、この
導体回路が形成された基板表面に樹脂充填剤を塗布、乾
燥させて半硬化状態とした後、研摩を行い、樹脂充填材
の層を研削するとともに、導体回路の上部も研削し、基
板の両主面を平坦化する。この後、樹脂充填材の層を完
全硬化する。
【0029】(3) 次に、導体回路上に粗化層を形成す
る。すなわち、上記工程を経た絶縁性基板を、無電解め
っき液に浸漬等し、以下のような方法を用いることによ
り、例えば、導体回路上にCu−Ni−P合金からなる
針状または多孔質状の粗化層を形成する。
【0030】まず、上記工程を経た絶縁性基板を、基板
同士が3cm以上離れた状態になるように設計されたラ
ックなどの治具に収納または載置し、続いてアルカリ脱
脂を行った後ソフトエッチングする。次いで、パラジウ
ム塩等を含む触媒溶液で処理して、触媒を付着させ、プ
レディップなどの前処理を施す。
【0031】一方、無電解めっき液は、絶縁性基板を浸
漬する前に40〜80℃の間で一定の温度に保ち、バブ
リングを行いながら攪拌する。バブリングは、1気圧下
で20〜150ml/l(リットル)のエアーを出し続
けることにより行うのが望ましい。
【0032】通常、絶縁性基板をめっき液に浸漬する前
に、バブリングを止めるが、場合によっては、絶縁性基
板に接触しないような位置で、バブリング量が5〜40
ml/lになるように、散気管などからエアーを出し続
けてもよい。絶縁性基板を収納したラックをめっき液に
浸漬する際には、揺動を完全に止める。
【0033】次に、上記ラックを20秒〜3分程度めっ
き液に浸漬した後静置させ、めっき処理を施した後、例
えば、上記ラックを水平方向および/または垂直方向に
それぞれ毎分20回以上揺動させる。上記絶縁性基板
は、水平方向か垂直方向かのどちらかにのみ、単独で揺
動させてもよく、水平方向への揺動と垂直方向への揺動
とを交互に行ってもよく、水平方向への揺動と垂直方向
への揺動とを同時に行ってもよい。このような揺動によ
っても、水素ガスの抜け性が向上し、水素ガスの絶縁性
基板への再付着もなくなる。
【0034】さらに、めっき液中に絶縁性基板を浸漬し
た後超音波を発生させ、上記絶縁性基板に超音波を作用
させながらめっき処理を行ってもよい。上記超音波の発
生は、単独で行ってもよく、上記揺動と超音波の発生と
を同時に行ってもよい。
【0035】(4) ついで、形成された粗化層表面に、ス
ズ、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、タリウム、鉛等か
らなる被覆層を無電解めっき、蒸着などにより形成す
る。上記被覆層を0.01〜2μmの範囲で析出させる
ことにより、層間絶縁層から露出した導体回路を粗化液
やエッチング液から保護し、内層パターンの変色、溶解
を確実に防止することができるからである。
【0036】(5) この後、粗化層が形成された導体回路
上に層間樹脂絶縁層を設ける。層間樹脂絶縁層の材料と
しては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の
一部を感光化した樹脂またはこれらの複合樹脂を使用す
ることができる。層間絶縁層は、未硬化の樹脂を塗布し
て形成してもよく、また、未硬化の樹脂フィルムを熱圧
着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルム
の片面に銅箔などの金属層が形成された樹脂フィルムを
貼付してもよい。このような樹脂フィルムを使用する場
合は、バイアホール形成部分の金属層をエッチングした
後、レーザ光を照射して開口を設ける。金属層が形成さ
れた樹脂フィルムとしては、樹脂付き銅箔などを使用す
ることができる。
【0037】上記層間絶縁層を形成する際に、無電解め
っき用接着剤層を使用することができる。この無電解め
っき用接着剤は、硬化処理された酸あるいは酸化剤に可
溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸あるいは酸化剤に難溶性の
未硬化の耐熱性樹脂中に分散されてなるものが最適であ
る。酸、酸化剤で処理することにより、耐熱性樹脂粒子
が溶解除去されて、表面に蛸つぼ状のアンカーからなる
粗化面を形成できるからである。
【0038】上記無電解めっき用接着剤において、特に
硬化処理された上記耐熱性樹脂粒子としては、(a) 平均
粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、(b) 平均粒径が
2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、
(c) 平均粒径が2〜10μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平
均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、(d)
平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒
径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいず
れか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子、(e) 平
均粒径が0.1〜0.8μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平
均粒径が0.8μmを超え、2μm未満の耐熱性樹脂粉
末との混合物、(f) 平均粒径が0.1〜1.0μmの耐
熱性粉末樹脂粉末を用いることが望ましい。これらは、
より複雑なアンカーを形成することができるからであ
る。
【0039】上記酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹
脂としては、「熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂からな
る樹脂複合体」または「感光性樹脂および熱可塑性樹脂
からなる樹脂複合体」などが望ましい。前者については
耐熱性が高く、後者についてはバイアホール用の開口を
フォトリソグラフィーにより形成できるからである。
【0040】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などを使用
することができる。また、感光化した樹脂としては、メ
タクリル酸やアクリル酸などと熱硬化基をアクリル化反
応させたものが挙げられる。特にエポキシ樹脂をアクリ
レート化したものが最適である。エポキシ樹脂として
は、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック
型、などのノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエン変成した脂環式エポキシ樹脂などを使用すること
ができる。
【0041】熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスル
フォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフ
ェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PP
E)、ポリエーテルイミド(PI)、フッ素樹脂などを
使用することができる。熱硬化性樹脂(感光性樹脂)と
熱可塑性樹脂の混合割合は、熱硬化性樹脂(感光性樹
脂)/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望まし
い。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保できる
からである。
【0042】上記耐熱性樹脂粒子の混合重量比は、耐熱
性樹脂マトリックスの固形分に対して5〜50重量%が
望ましく、10〜40重量%がさらに望ましい。耐熱性
樹脂粒子は、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グ
アナミン樹脂)、エポキシ樹脂などが望ましい。
【0043】(6) 次に、層間絶縁樹脂層を硬化する一方
で、その層間樹脂樹脂層にはバイアホ−ル形成用の開口
を設ける。層間絶縁樹脂層の開口は、無電解めっき用接
着剤の樹脂マトリックスが熱硬化樹脂である場合は、レ
−ザ−光や酸素プラズマ等を用いて行い、感光性樹脂で
ある場合には、露光現像処理にて行う。なお、露光現像
処理は、バイアホ−ル形成のための円パタ−ンが描画さ
れたフォトマスク(ガラス基板がよい)を、円パタ−ン
側を感光性の層間樹脂絶縁層の上に密着させて載置した
後、露光し、現像処理液に浸漬するか、現像処理液をス
プレーすることにより行う。充分な凹凸形状の粗化面を
有する導体回路上に形成された層間樹脂絶縁層を硬化さ
せることにより、導体回路との密着性に優れた層間樹脂
絶縁層を形成することができる。
【0044】(7) 次に、バイアホ−ル用開口を設けた層
間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)の表面を粗化
する。通常、粗化は、無電解めっき用接着剤層の表面に
存在する耐熱性樹脂粒子を酸または酸化剤で溶解除去す
ることにより行う。酸処理等により形成する粗化面の高
さは、Rmax=0.01〜20μmが望ましい。導体
回路との密着性を確保するためである。特にセミアディ
ティブ法では、0.1〜5μmが望ましい。密着性を確
保しつつ、無電解めっき膜を除去することができるから
である。
【0045】上記酸処理を行う際には、リン酸、塩酸、
硫酸、または、蟻酸や酢酸などの有機酸を用いることが
でき、特に有機酸を用いるのが望ましい。粗化形成処理
した場合に、バイアホ−ルから露出する金属導体層を腐
食させにくいからである。上記酸化処理は、クロム酸、
過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)を用いるこ
とが望ましい。
【0046】(8) 次に、粗化した層間絶縁樹脂上の全面
に薄付けの無電解めっき膜を形成する。この無電解めっ
き膜は、無電解銅めっきが好ましく、その厚みは、1〜
5μmが望ましく、2〜3μmがより望ましい。なお、
無電解銅めっき液としては、通常使用される液組成のも
のを使用することができ、例えば、硫酸銅(29g/
l)、炭酸ナトリウム(25g/l)、EDTA(14
0g/l)、水酸化ナトリウム(40g/l)、37%
ホルムアルデヒド150mlを含むpHが11.5のめ
っき液が好ましい。
【0047】(9) さらに、この上にめっきレジストを配
設する。めっきレジストとしては、市販の感光性ドライ
フィルムや液状レジストを使用することができる。そし
て、感光性ドライフィルムを貼り付けたり、液状レジス
トを塗布した後、紫外線露光処理を行い、アルカリ水溶
液で現像処理する。
【0048】(10)ついで、上記処理を行った基板を電気
めっき液に浸漬した後、無電解めっき層をカソードと
し、めっき被着金属をアノードとして直流電気めっきを
行い、バイアホール用開口をめっき充填するとともに、
上層導体回路を形成する。電解めっきとしては、電解銅
めっきが好ましく、その厚みは、10〜20μmが好ま
しい。
【0049】(11)ついで、めっきレジストを強アリカリ
水溶液で剥離した後にエッチングを行い、無電解めっき
層を除去することにより、上層導体回路およびバイアホ
ールを独立パターンとする。上記エッチング液として
は、硫酸/過酸化水素水溶液、塩化第二鉄、塩化第二
銅、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩の水溶液が使用
される。なお、非導体回路部分に露出したパラジウム触
媒核は、クロム酸、硫酸、過酸化水素等により溶解除去
する。
【0050】(12)この後、必要により、(3) 〜(11)の工
程を繰り返し、最上層の導体回路に上記(3) の工程と同
様の条件で無電解めっきを施し、最上層の導体回路上に
粗化層を形成する。
【0051】次に、最上層の導体回路を含む基板面に有
機樹脂絶縁層を形成し、さらにハンダバンプ等を形成す
ることにより、プリント配線板の製造を終了する。な
お、以上の方法は、セミアディティブ法によるものであ
るが、フルアディティブ法を採用してもよい。
【0052】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) A.無電解めっき用接着剤の調製(上層用接着剤) (i) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社
製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80重
量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル
(DMDG)に溶解させた樹脂液35重量部、感光性モ
ノマー(東亜合成社製、アロニックスM315)3.1
5重量部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)0.5
重量部およびN−メチルピロリドン(NMP)3.6重
量部を容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物
を調製した。
【0053】(ii)ポリエーテルスルフォン(PES)1
2重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製、ポリマー
ポール)の平均粒径1.0μmのもの7.2重量部およ
び平均粒径0.5μmのもの3.09重量部を別の容器
にとり、攪拌混合した後、さらにNMP30重量部を添
加し、ビーズミルで攪拌混合し、別の混合組成物を調製
した。
【0054】(iii) イミダゾール硬化剤(四国化成社
製、2E4MZ−CN)2重量部、光重合開始剤(チバ
ガイギー社製、イルガキュアー I−907)2重量
部、光増感剤(日本化薬社製、DETX−S)0.2重
量部およびNMP1.5重量部をさらに別の容器にと
り、攪拌混合することにより混合組成物を調製した。そ
して、(i) 、(ii)および(iii) で調製した混合組成物を
混合することにより無電解めっき用接着剤を得た。
【0055】B.無電解めっき用接着剤の調製(下層用
接着剤) (i) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社
製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80重
量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル
(DMDG)に溶解させた樹脂液35重量部、感光性モ
ノマー(東亜合成社製、アロニックスM315)4重量
部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)0.5重量部
およびN−メチルピロリドン(NMP)3.6重量部を
容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製
した。
【0056】(ii)ポリエーテルスルフォン(PES)1
2重量部、および、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製、
ポリマーポール)の平均粒径0.5μmのもの14.4
9重量部を別の容器にとり、攪拌混合した後、さらにN
MP30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合し、別
の混合組成物を調製した。
【0057】(iii) イミダゾール硬化剤(四国化成社
製、2E4MZ−CN)2重量部、光重合開始剤(チバ
ガイギー社製、イルガキュアー I−907)2重量
部、光増感剤(日本化薬社製、DETX−S)0.2重
量部およびNMP1.5重量部をさらに別の容器にと
り、攪拌混合することにより混合組成物を調製した。そ
して、(i) 、(ii)および(iii) で調製した混合組成物を
混合することにより無電解めっき用接着剤を得た。
【0058】C.樹脂充填材の調製 (i) ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル
社製、分子量:310、YL983U)100重量部、
表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均
粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下の
SiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101
−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ
社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪
拌混合することにより、その粘度が23±1℃で40〜
50Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤と
して、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ
−CN)6.5重量部を用いた。
【0059】D.プリント配線板の製造方法 (1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビス
マレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に1
8μmの銅箔8がラミネートされている銅貼積層板を出
発材料とした(図1(a)参照)。まず、この銅貼積層
板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン
状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導
体回路4とスルーホール9を形成した。
【0060】(2) スルーホール9および下層導体回路4
を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(1
0g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO
4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする
黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH
4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を
行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表
面に粗化面4a、9aを形成した(図1(b)参照)。
【0061】(3) 上記Cに記載した樹脂充填材を調製し
た後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルー
ホール9内、および、下層導体回路4間に樹脂充填材1
0を塗布することにより充填した(図1(c)参照)。
この際、塗布方法としては、スキージを用いた印刷法を
採用し、1回目の印刷塗布においては、主にスルーホー
ル9を充填し、100℃で20分間乾燥させた。また、
2回目の印刷塗布では、主に下層導体回路4の形成で生
じた凹部を充填し、100℃で20分間乾燥させた。
【0062】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面
を、#600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用い
たベルトサンダー研磨により、下層導体回路4の表面や
スルーホール9のランド表面に樹脂充填材が残らないよ
うに研磨し、ついで、上記ベルトサンダー研磨による傷
を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の
研磨を基板の他方の面についても同様に行った。この
後、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を
行い、樹脂充填材の層を完全に硬化させた。
【0063】このようにして、スルーホール9や導体回
路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および
下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下
層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着
し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10
とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た
(図1(d)参照)。
【0064】(5) 次に、上記工程により導体回路を形成
した絶縁性基板を、絶縁性基板同士が3cmの間隔があ
くようにラックに収納し、アルカリ脱脂してソフトエッ
チングし、次いで、塩化パラジウムと有機酸とからなる
触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与し、この触媒を活
性化した。
【0065】次に、硫酸銅(3.9×10-2mol/
l)、硫酸ニッケル(3.8×10-3mol/l)、ク
エン酸ナトリウム(7.8×10-3mol/l)、次亜
リン酸ナトリウム(2.3×10-1 mol/l)、界
面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)
(1.1×10-4mol/l)を含む水溶液からなるp
H=9の無電解銅めっき浴に基板を浸漬し、浸漬1分後
に、ラックを4秒当たりに1回の割合で水平方向および
垂直方向に資10cmの振幅で振動させ、下層導体回路
およびスルーホールのランドの表面に、Cu−Ni−P
からなる針状合金の粗化層11を設けた(図2(a)参
照)。
【0066】(6) さらに、ホウフッ化スズ(0.1mo
l/l)、チオ尿素(1.0mol/l)を含む温度3
5℃、pH=1.2のスズ置換めっき液を用い、浸漬時
間10分でCu−Sn置換反応させ、粗化層の表面に厚
さ0.3μmのSn層を設けた。ただし、このSn層に
ついては、図示しない。
【0067】(7) 基板の両面に、上記Bにおいて記載し
た下層用の無電解めっき用接着剤(粘度:1.5Pa・
s)を調製後24時間以内にロールコータを用いて塗布
し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分
の乾燥を行った。次いで、上記Aにおいて記載した上層
用の無電解めっき用接着剤(粘度:7Pa・s)を調製
後24時間以内にロールコータを用いて塗布し、同様に
水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾
燥を行い、厚さ35μmの無電解めっき用接着剤の層2
a、2bを形成した(図2(b)参照)。
【0068】(8) 上記(7) で無電解めっき用接着剤の層
を形成した基板の両面に、直径85μmの黒円が印刷さ
れたフォトマスクフィルムを密着させ、超高圧水銀灯に
より500mJ/cm2 強度で露光した後、DMDG溶
液でスプレー現像した。この後、さらに、この基板を超
高圧水銀灯により3000mJ/cm2 強度で露光し、
100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時
間の加熱処理を施し、フォトマスクフィルムに相当する
寸法精度に優れた直径85μmのバイアホール用開口6
を有する厚さ35μmの層間樹脂絶縁層2を形成した
(図2(c)参照)。なお、バイアホールとなる開口に
は、スズめっき層を部分的に露出させた。
【0069】(9) バイアホール用開口6を形成した基板
を、クロム酸水溶液(7500g/l)に19分間浸漬
し、層間樹脂絶縁層の表面に存在するエポキシ樹脂粒子
を溶解除去してその表面を粗化し、粗化面を得た。その
後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いし
た(図2(d)参照)。さらに、粗面化処理した該基板
の表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与す
ることにより、層間絶縁材層の表面およびバイアホール
用開口の内壁面に触媒核を付着させた。
【0070】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水
溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜1.
2μmの無電解銅めっき膜12を形成した(図3(a)
参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 0.08 mol/l 硫酸銅 0.03 mol/l HCHO 0.05 mol/l NaOH 0.05 mol/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.10 g/l (ポリエチレングリコール) 〔無電解めっき条件〕 65℃の液温度で20分
【0071】(11)市販の感光性ドライフィルムを無電解
銅めっき膜12に貼り付け、マスクを載置して、100
mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液
で現像処理することにより、厚さ15μmのめっきレジ
スト3を設けた(図3(b)参照)。
【0072】(12)ついで、レジスト非形成部に以下の条
件で電気銅めっきを施し、厚さ15μmの電気銅めっき
膜13を形成した(図3(c)参照)。 〔電気めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 〔電気めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0073】(13)さらにめっきレジストを5%KOH水
溶液で剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解
めっき膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理
して溶解除去し、独立の上層導体回路5(バイアホール
7を含む)とした(図3(d)参照)。
【0074】(14)導体回路を形成した基板に対し、上記
(5) と同様の処理を行い、導体回路の表面に厚さ2μm
のCu−Ni−Pからなる合金粗化層11を形成した
(図4(a)参照)。 (15)続いて、上記 (6)〜(14)の工程を、繰り返すことに
より、さらに上層の導体回路を形成した。(図4(b)
〜図5(b)参照)。
【0075】(16)次に、ジエチレングリコールジメチル
エーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように
溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日
本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光
性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重
量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品
名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬
化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.
6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマ
ー(日本化薬社製、商品名:R604)3重量部、同じ
く多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DP
E6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社
製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、
攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に
対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社
製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃
で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物
(有機樹脂絶縁材料)を得た。なお、粘度測定は、B型
粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの
場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターN
o.3によった。
【0076】(17)次に、多層配線基板の両面に、上記ソ
ルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70
℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行
った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画され
た厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密
着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DM
TG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成
した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1
時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそ
れぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化さ
せ、はんだパッド部分が開口した、その厚さが20μm
のソルダーレジスト層(有機樹脂絶縁層)14を形成し
た。
【0077】(18)次に、ソルダーレジスト層(有機樹脂
絶縁層)14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3
×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8
×10 -1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×
10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケ
ルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmの
ニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板を
シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩
化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン
酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン
酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電
解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッ
ケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層
16を形成した。
【0078】(19)この後、ソルダーレジスト層14の開
口にはんだペーストを印刷して、200℃でリフローす
ることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、
はんだバンプ17を有する多層配線プリント基板を製造
した(図5(c)参照)。
【0079】(実施例2)(5) の工程において、水平方
向および垂直方向の揺動を2秒当たり1回の割合で行っ
たほかは、実施例1と同様にして、プリント配線板を得
た。
【0080】(実施例3)(5) の工程において、絶縁性
基板のめっき液浸漬中に超音波を発振し続けたほかは、
実施例1と同様にして、プリント配線板を得た。
【0081】(比較例1)(5) の工程において、絶縁性
基板同士の間隔が1.5cmになるように絶縁性基板を
ラックに収納したほかは、実施例1と同様にしてプリン
ト配線板を得た。
【0082】以上、実施例1〜3および比較例1で得ら
れた多層プリント配線板について、内層導体回路に粗化
層を形成した後における導体回路間の異常析出、短絡、
粗化層の平均粗さ(Ra);表層(最上層)導体回路に
粗化層を形成した後における導体回路間の異常析出、短
絡、粗化層の平均粗さ(Ra);プリント配線板を形成
した後の内層導体回路および表層(最上層)導体回路の
状態、導通状態;信頼性試験後の内層導体回路および表
層(最上層)導体回路の状態、導通状態等の計4項目に
ついて比較評価を行った。その結果を下記の表1に示し
た。
【0083】評価方法 (1)表面粗さ 東京精密社製の表面粗さ形状測定機 サーコム 130
A/480Aにより測定した。
【0084】(2)異常析出、短絡の有無の判断 内層導体回路に粗化層を形成した後、または、表層(最
上層)導体回路に粗化層を形成した後における導体回路
間の異常析出、短絡を顕微鏡で検査することにより評価
した。 (a) 異常析出:配線間に析出があったものを×、それ以
外のものを○とした。 (b) 短絡:配線間が接続されていると判断したものを
×、それ以外のものを○とした。
【0085】(3)信頼性試験(ヒートサイクル試験) 135℃で30分間保持した後、−65℃で3分間保持
するヒートサイクルを1サイクルとして、合計1000
サイクル行い、下記する層間樹脂絶縁層およびソルダー
レジスト層の状態を観察、評価し、導通試験を行った。
【0086】(4)層間樹脂絶縁層およびソルダーレジ
スト層の状態 プリント配線板製造後、または、上記信頼性試験後に、
プリント配線板をカットして断面を形成し、顕微鏡で観
察することにより、層間樹脂絶縁層およびソルダージス
ト層の剥がれ、クラックの有無を判断し、剥がれ、クラ
ックのないものを○、剥がれ、クラックが存在するもの
を×とした。
【0087】(5)導通試験 プリント配線板製造後、または、上記信頼性試験後に導
通試験を行い、モニターに表示された結果から導通状態
を評価した。短絡、断線がないものを○、短絡、断線が
あったものを×としている。
【0088】
【表1】
【0089】上記表1に示した結果より明らかなよう
に、実施例1〜3のプリント配線板では、いずれの評価
項目も良好であるのに対し、比較例1のプリント配線板
では、配線間や粗化層に異常析出が発生した。特に、配
線間の狭い部分(ライン/スペース=50μm/50μ
m以下)では、全面にめっき層が形成されている部分も
あり、短絡が生じてしまっていた。また、粗化層の凹凸
の大きさも実施例のプリント配線板に比べて小さくなっ
ていた。そのため、層間樹脂絶縁層や有機樹脂絶縁層と
導体回路との密着性も低下してしまい、剥がれやクラッ
クが発生していた。また、導通試験においても、短絡が
発生してしまっていた。
【0090】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のプリ
ント配線板の製造方法によれば、配線間のスペースが狭
くなっても配線間にめっき膜が析出することはなく、導
体回路上に凹凸の高さの高い粗化層を均一に形成するこ
とができ、密着性、接続性、信頼性に優れるプリント配
線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明のプリント配線板の
製造工程の一部を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明のプリント配線板の
製造工程の一部を示す断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明のプリント配線板の
製造工程の一部を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明のプリント配線板の
製造工程の一部を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明のプリント配線板の
製造工程の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2(2a、2b) 層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接
着剤層) 4 下層導体回路 4a 粗化面 5 上層導体回路 7 バイアホール 8 銅箔 9 スルーホール 9a 粗化面 10 樹脂充填材 11 粗化層 14 ソルダーレジスト層(有機樹脂絶縁層) 15 ニッケルめっき膜 16 金めっき膜 17 ハンダバンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K022 AA02 AA42 BA03 BA06 BA08 BA14 BA17 BA21 BA25 BA28 CA02 CA09 DA01 DB11 DB14 DB15 5E343 AA07 AA16 AA17 AA18 AA23 BB24 BB34 BB44 BB45 BB55 BB67 CC01 CC02 CC03 CC33 CC43 CC73 CC78 DD23 DD35 DD76 EE02 EE33 ER32 GG02 GG06 5E346 AA54 DD12 DD23 DD48 EE09 EE13 FF04 FF07 HH11 HH24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形成した導体回路上にさらに粗化層を形
    成した後、前記粗化層が形成された導体回路を含む基板
    面を層間絶縁材料で被覆する工程を繰り返すことにより
    絶縁性基板上に層間絶縁層を挟んだ複数層からなる導体
    回路を形成するプリント配線板の製造方法であって、前
    記導体回路に無電解めっきにより前記粗化層を形成する
    際、めっき液中に浸漬する絶縁性基板同士の間隔を3c
    m以上離すことを特徴とするプリント配線板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上に層間絶縁層を挟んだ複数
    層からなる導体回路を形成した後、最上層の導体回路に
    粗化層を形成し、前記粗化層が形成された導体回路を含
    む基板面を有機樹脂絶縁材料で被覆するプリント配線板
    の製造方法であって、前記最上層の導体回路に無電解め
    っきにより前記粗化層を形成する際、めっき液中に浸漬
    する絶縁性基板同士の間隔を3cm以上離すことを特徴
    とするプリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記めっき液中に絶縁性基板を浸漬した
    後、前記絶縁性基板を水平方向および/または垂直方向
    にそれぞれ20回/分以上揺動させながらめっき処理を
    行う請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記めっき液中に絶縁性基板を浸漬した
    後、前記絶縁性基板を水平方向および垂直方向に同時に
    20回/分以上揺動させながらめっき処理を行う請求項
    1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記めっき液中に絶縁性基板を浸漬した
    後、前記絶縁性基板に超音波を作用させながらめっき処
    理を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント
    配線板の製造方法。
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