JP2000298322A - ハロゲン化銀写真乳剤及びその増感方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及びその増感方法

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JP2000298322A
JP2000298322A JP10548699A JP10548699A JP2000298322A JP 2000298322 A JP2000298322 A JP 2000298322A JP 10548699 A JP10548699 A JP 10548699A JP 10548699 A JP10548699 A JP 10548699A JP 2000298322 A JP2000298322 A JP 2000298322A
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grains
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Hiroyuki Mifune
博幸 御舩
Shigeji Urabe
茂治 占部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度でかつかぶりの低いハロゲン化銀写真
乳剤を提供する。 【構成】 カルコゲン増感されたハロゲン化銀写真乳剤
において、該カルコゲン増感により生成したカルコゲン
増感中心の吸収スペクトルの半値幅が3900cm -1
下、1200cm-1以上であり、該ハロゲン化銀写真乳剤
に含まれる全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以上
が、平均アスペクト比が5以上であり、かつ該平板状ハ
ロゲン化銀粒子の平均厚さが0.1μm未満であること
を特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真乳
剤及びその増感方法に関し、特に感度とかぶりが改良さ
れたハロゲン化銀写真乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料におけ
る高感度、優れた粒状性、階調や高い鮮鋭度、良好な保
存性、更に現像進行性などを早めた迅速処理等々への要
望はますます強くなっている。
【0003】ハロゲン化銀乳剤は通常、所望の感度、階
調、などを得るために各種の化学物質を用いて化学増感
を施される。その具体的方法としては、硫黄増感、セレ
ン増感やテルル増感の如きカルコゲン増感や、金などの
貴金属をもちいた貴金属増感や、還元剤を用いた還元増
感があり、これらを単独または組み合わせて用いる。
【0004】これらのなかでもカルコゲン増感は、ハロ
ゲン化銀写真乳剤の最も基本的な化学増感法であり、従
来から高感度を目指して種々の検討がなされてきた。し
かし、高感度を得るにつれて、かぶりが上昇しやすいと
いった欠点が増すのが常であり、それらの改善が強く望
まれてきた。通常、かぶり防止剤、安定剤といった化合
物を加えることにより改善がなされてきたが、これらは
本来の高感度を損なうとか階調を変化させるとか現像進
行を遅らせるとか種々の弊害を伴っていた。こういった
欠点を解決するために、カルコゲン増感中心それ自身で
かぶりの少ないものに改善することが強く望まれてきた
が、それを達成する具体的手段やその検出手段が無く、
試行錯誤でしかなされてこなかった。また、近年、増感
色素を多量に用いることができ、かつハロゲン化銀自体
の体積を下げて自然放射線によるかぶりの発生をへらす
ために、平板状のハロゲン化銀粒子を用いた高感度のハ
ロゲン化銀写真感光材料が実用されてきた。そして、更
なる改善の為に、平板状粒子の厚さの低減すなわち薄平
板化が進められてきた。
【0005】例えば米国特許第5411853号、同5
411851号、同5418125号、同537292
7号、同5460934号、同5518872号、特開
平7−253627号、同7−209781号、同10
−239787号などで、厚さが0.1μm未満ないし
0.07μm未満の薄平板のハロゲン化銀粒子が開示さ
れてきた。ところが、こういった薄平板粒子を調製する
には、上記特許に開示されているように、ハロゲン化銀
粒子の調製時に有機化合物を添加するとか、また、特殊
な混合攪拌器を用いる必要があるが、それらのためか、
化学増感した際に、感度が出にくくかぶりが高いといっ
た弊害が起こりやすく、これらの粒子の化学増感におけ
る改善がつよく望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の第1
は、高感度でかぶりの低いハロゲン化銀写真乳剤を提供
することにある。また、本発明の目的の第2は、かぶり
の低くて高感度のハロゲン化銀写真乳剤を調製する化学
増感法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記諸目的は、
下記の(1)及び(2)によって達成された。 (1)カルコゲン増感されたハロゲン化銀写真乳剤にお
いて、該カルコゲン増感により生成したカルコゲン増感
中心の吸収スペクトルの半値幅が3900cm-1以下、1
200cm-1以上であり、該ハロゲン化銀写真乳剤中に含
まれる全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以上がア
スペクト比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子であり、
該平版状粒子の平均粒子厚みが0.1μm未満で、平均
アスペクト比が5以上であることを特徴とするハロゲン
化銀写真乳剤。
【0008】(2)ハロゲン化銀写真乳剤をカルコゲン
増感する方法において、該カルコゲン増感により生成し
たカルコゲン増感中心の吸収スペクトルの半値幅が39
00cm -1以下、1200cm-1以上になるように制御して
カルコゲン増感を行い、該ハロゲン化銀写真乳剤中に含
まれる全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以上がア
スペクト比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子であり、
該平版状粒子の平均粒子厚みは0.1μm未満であり、
該平版状粒子の平均アスペクト比が5以上であることを
特徴とするハロゲン化銀写真乳剤のカルコゲン増感方
法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の目的は、カルコゲン増感
され、それにより生成されたカルコゲン増感中心の吸収
スペクトルの半値幅が3900cm-1以下1200cm-1
上であり、かつ、平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚さが
0.1μm未満で、平均アスペクト比が5以上であるこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤により達成される
が、好ましくは吸収の半値幅が3600cm-1以下、より
好ましくは3200cm-1以下、特に2800cm-1以下が
好ましく、1200cm-1以上あればよい。なお半値幅の
数値が小さいほど鋭い吸収である。
【0010】カルコゲン増感中心は硫化銀、セレン化銀
やテルル化銀からなるが、例えば硫黄増感されたハロゲ
ン化銀乳剤が、可視域に硫黄増感中心である硫化銀の吸
収を持つことはこれまでに知られていた。例えば、ジャ
ーナル オブ フォトグラフィック サイエンス誌、1
4巻181頁(1966年)、同誌16巻102頁(1
968年)、や日本写真学会誌59巻435頁(199
6年)などに報告されてきた。ところがこれらで知られ
ている硫黄増感中心の吸収スペクトルは非常にブロード
であり、半値幅が4000cm-1をこえ5000cm-1前後
になる非常に大きいものであった。しかも、これを用い
てカルコゲン増感を高度かつ精密に制御する試みも全く
なされてこなかった。本発明は、カルコゲン増感された
乳剤のカルコゲン増感中心がもたらす吸収スペクトルを
測定し、それを特定の形に具体的にはこれまで知られて
いなかったほどの狭い吸収に制御することにより、本発
明の目的を達成したものである。
【0011】本発明におけるカルコゲン増感は、硫黄増
感、セレン増感およびテルル増感であり、それぞれ単独
でもあるいは組み合わせても用いることが出来る。
【0012】硫黄増感においては、不安定硫黄化合物を
用い、P. Grafkides著、Chimie etPhysique Photograph
ique (Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Resea
rchDisclosure 誌、307巻307105号などに記載
されている不安定硫黄化合物を用いる事が出来る。具体
的には、チオ硫酸塩(例えばハイポ)、チオ尿素類(例
えば、ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、N−
エチル−N′−(4−メチル−2−チアゾリル)チオ尿
素、カルボキシメチルトリメチルチオ尿素)、チオアミ
ド類(例えば、チオアセトアミド)、ローダニン類(例
えば、ジエチルローダニン、5−ベンジリデン−N−エ
チルローダニン)、フォスフィンスルフィド類(例え
ば、トリメチルフォスフィンスルフィド)、チオヒダン
トイン類、4−オキソ−オキサゾリジン−2−チオン
類、ジスルフィド類またはポリスルフィド類(例えば、
ジモルフォリンジスルフィド、シスチン、1,2,3,
5,6−ペンタチエペン)、メルカプト化合物(例え
ば、システイン)、ポリチオン酸塩、元素状硫黄などの
公知の硫黄化合物および活性ゼラチンなども用いること
ができる。特にチオ硫酸塩、チオスルホン酸塩類、チオ
尿素類とローダニン類が好ましい。
【0013】セレン増感においては、不安定セレン化合
物を用い、特公昭43−13489号、同44−157
48号、特開平4−25832号、同4−109340
号、同4−271341号、同5−40324号、同5
−11385号、特願平4−202415号、同4−3
30495号、同4−333030号、同5−4203
号、同5−4204号、同5−106977号、同5−
236538号、同5−241642号、同5−286
916号などに記載されているセレン化合物を用いる事
が出来る。具体的には、コロイド状金属セレン、セレノ
尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、トリフ
ルオルメチルカルボニル−トリメチルセレノ尿素、アセ
チル−トリメチルセレノ尿素)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアミド、N,N−ジエチルフェニルセレノア
ミド)、フォスフィンセレニド類(例えば、トリフェニ
ルフォスフィンセレニド、ペンタフルオロフェニル−ト
リフェニルフォスフィンセレニド)、セレノフォスフェ
ード類(例えば、トリ−p−トリルセレノフォスフェー
ト、トリ−n−ブチルセレノフォスフェート)、セレノ
ケトン類(例えば、セレノベンゾフェノン)、イソセレ
ノシアネート類、セレノカルボン酸類、セレノエステル
類、ジアシルセレニド類などを用いればよい。またさら
に、特公昭46−4553号、同52−3449号など
に記載の非不安定セレン化合物、例えば亜セレン酸、セ
レノシアン酸塩、セレナゾール類、セレニド類なども用
いる事が出来る。特に、フォスフィンセレニド類、セレ
ノ尿素類とセレノシアン酸塩が好ましい。
【0014】テルル増感においては、不安定テルル化合
物を用い、特開平4−224595号、同4−2713
41号、同4−333043号、同5−303157
号、同6−27573号、同6−175258号、同6
−180478号、同6−208186号、同6−20
8184号、同6−317867号、同7−14057
9号、同7−301879号、同7−301880号な
どに記載されている不安定テルル化合物を用いる事が出
来る。具体的には、フォスフィンテルリド類(例えば、
ブチル−ジイソプロピルフォスフィンテルリド、トリブ
チルフォスフィンテルリド、トリブトキシフォスフィン
テルリド、エトキシ−ジフェニルフォスフィンテルリ
ド)、ジアシル(ジ)テルリド類(例えば、ビス(ジフ
ェニルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フェニル
−N−メチルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フ
ェニル−N−メチルカルバモイル)テルリド、ビス(N
−フェニル−N−ベンジルカルバモイル)テルリド、ビ
ス(エトキシカルボニル)テルリド)、テルロ尿素類
(例えば、N,N′−ジメチルエチレンテルロ尿素、
N,N′−ジフェニルエチレンテルロ尿素)テルロアミ
ド類、テルロエステル類などを用いれば良い。特に、ジ
アシル(ジ)テルリド類とフォスフィンテルリド類が好
ましい。
【0015】さらに本発明のカルコゲン増感に金増感な
どの貴金属増感を組み合わせて併用するのが好ましい。
貴金属増感においては、P. Grafkides著、Chimie et Ph
ysique Photographique (Paul Momtel社刊、1987
年、第5版)、Research Disclosure 誌、307巻30
7105号などに記載されている金、白金、パラジウ
ム、イリジュウムなどの貴金属塩を用いる事が出来、な
かでも特に金増感が好ましい。具体的には、塩化金酸、
カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネ
ート、硫化金、金セレニドにくわえて、米国特許第2,
642,361号、同5,049,484号、同5,0
49,485号、同5,169,751号、同5,25
2,455号、ベルギー特許第691,857などに記
載の金化合物も用いることが出来る。具体的には、金硫
黄増感、金硫黄セレン増感、金硫黄テルル増感、金硫黄
セレンテルル増感の組合せが好ましい。
【0016】カルコゲン増感に金増感を併用した場合の
ハロゲン化銀乳剤の吸収スペクトルは、金増感剤で変化
するので、カルコゲン増感で形成されたカルコゲン増感
中心の吸収スペクトルを測定する為には、金増感による
影響を除いて測定する必要がある。金増感剤の効果を除
くために、金増感剤の数モルないし数10モル倍のシア
ン化カリウムを添加した場合に得られる吸収スペクトル
を観察し、金増感の影響を取り除いたカルコゲン増感中
心の半値幅が3900cm-1以下1200cm-1以上になる
ように制御すればよい。
【0017】本発明で用いられるカルコゲンや貴金属増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子や化学増感
条件などにより変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり1
-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度
を用いることが出来る。
【0018】本発明における化学増感の条件としては、
特に制限は無いが、pAgとしては6〜11、好ましく
は7〜10であり、pHは4〜10、好ましくは5〜
8、温度としては40℃〜95℃、好ましくは45℃〜
85℃である。
【0019】本発明におけるカルコゲン増感されたハロ
ゲン化銀乳剤のカルコゲン増感中心の吸収スペクトルの
測定は、先に示したジャーナル オブ フォトグラフィ
ックサイエンス誌、14巻181頁(1966年)、同
誌16巻102頁(1968年)、や日本写真学会誌5
9巻435頁(1996年)などに報告された方法で測
定すればよい。具体的には液体乳剤を1cm厚さの測定用
セルにいれたり、またはガラス乾板上などに数100μ
m 以上の厚さをもった厚膜にして、未化学増感のハロゲ
ン化銀乳剤を参照にして、積分球をもつ分光光度計で拡
散反射率を測定する。得られた反射率RをKubelka-Munk
式(1-R)2/2Rで変換した値を縦軸に、横軸に波長をとっ
た吸収スペクトルを求め、その吸収極大におけるピーク
高さの1/2での吸収値をcm-1単位に換算して吸収の半
値幅が求められる。カルコゲン増感中心の吸収スペクト
ルの測定は化学熟成時に容易にオンラインで行うことも
でき、その制御に非常に有効である。
【0020】もしカルコゲン増感剤の添加量が少なくて
吸収スペクトルが求めにくい場合には、その数倍ないし
数十倍の添加量で測定しそれを適用してもよい。また、
例えば色素による吸収の如く、カルコゲン増感中心の吸
収スペクトルの測定を妨害する吸収を有する化合物があ
るときは、参照側にも該色素を添加して吸収をキャンセ
ルするか、適当な手段で脱着ないし消色して測定すれば
よい。
【0021】カルコゲン増感される乳剤のカルコゲン増
感中心の吸収スペクトルの半値幅を狭める手段は幾つか
の方法がある。具体的には、実施例に示すように、シア
ニン色素やメロシアニン色素などのメチン系の種々の増
感色素、ヘテロ環を持ちハロゲン化銀粒子に吸着するい
わゆるかぶり防止剤や安定剤などのカルコゲン増感中心
の生成や成長に対して影響する化合物を、吸収スペクト
ルを測定しつつ本発明の範囲になるように最適に添加し
ていくのが良い。また、カルコゲン増感剤などをゼラチ
ン溶液に分散したり、固体分散して添加や攪拌方法を工
夫してもよい。もちろん、吸収を鋭くさせることができ
ればこれ以外の種々の手段で行うことが可能であり、以
上に限定されるものではない。増感色素やかぶり防止剤
などを化学増感時に添加することは、従来から行われて
きたがそれらは単に添加するだけであったのに対して、
本発明はカルコゲン増感されたハロゲン化銀乳剤の該カ
ルコゲン増感により生成したカルコゲン増感中心の吸収
スペクトルを測定しそれを制御するのにこれらを最適に
用いるものであり、これまでは知られていなかった全く
新たな化学増感の制御方法である。
【0022】また、本発明において還元増感をさらに用
いてもよい。特にハロゲン化銀粒子形成時に還元増感を
施すのが好ましい。還元増感においては、P. Grafkides
著、Chimie et Physique Photographique (Paul Momtel
社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure
誌、307巻307105号などに記載されている還元
性化合物を用いることが出来る。具体的には、アミノイ
ミノメタンスルフィン酸(別名、二酸化チオ尿素)、ボ
ラン化合物(例えば、ジメチルアミノボラン)、ヒドラ
ジン化合物(例えば、ヒドラジン、p−トリルヒドラジ
ン)、ポリアミン化合物(例えば、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン)、塩化第一スズ、シラン
化合物、レダクトン類(例えば、アスコルビン酸)、亜
硫酸塩、アルデヒド化合物、水素ガスなどを用いれば良
い。また、高pHや銀イオン過剰(いわゆる銀熟成)の
雰囲気で還元増感を施しても良い。また、本発明におい
て、チオスルフォン酸塩(例えば、ベンゼンチオスルフ
ォン酸ナトリウム)、ジスルフィド化合物(例えば、ビ
ス(4−アセトアニリドフェニル)ジスルフィド、リポ
酸)、沃素、水銀塩などの、特に好ましくはチオスルフ
ォン酸塩やジスルフィド化合物といった銀の酸化剤を併
用するのが好ましい。
【0023】また、本発明においては、ハロゲン化銀の
化学増感はハロゲン化銀溶剤の存在下で行ってもよい。
具体的には、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸カ
リウム)、チオエーテル化合物(例えば、米国特許第
3,021,215号、同3,271,157号、特公
昭58−30571号、特開昭60−136736号に
記載の化合物、特に、3,6−ジチア−1,8−オクタ
ンジオール等)、四置換チオ尿素化合物(例えば、特公
昭59−11892号、米国特許第4,221,863
号に記載の化合物、特に、テトラメチルチオ尿素)、更
に、特公昭60−1134号に記載のチオン化合物、特
公昭63−29727号に記載のメルカプト化合物、特
開昭60−163042号に記載のメソイオン化合物、
米国特許第4,782,013号に記載のセレノエーテ
ル化合物、特開平2−118566号に記載のテルエー
テル化合物、亜硫酸塩が挙げられる。特に、これらの中
で、チオシアン酸塩、チオエーテル化合物、四置換チオ
尿素化合物とチオン化合物は好ましく用いる事ができ特
に、チオシアン酸塩が好ましい。使用量としては、ハロ
ゲン化銀1モル当たり10-5〜10-2モル程度である。
【0024】次に、本発明でカルコゲン増感されるハロ
ゲン化銀乳剤粒子について説明する。本発明のハロゲン
化銀乳剤の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以
上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは90%
以上が平板状粒子である。ここに、平板状粒子とはアス
ペクト比が2以上のハロゲン化銀粒子を言う。アスペク
ト比とは粒子の厚みの粒子の円相当直径に対する比率を
言い(円相当直径/厚み)、円相当直径とは、電子顕微
鏡写真における粒子の投影面積に等しい面積の円の直径
を言う。平板状粒子の粒子厚みは平板状粒子を構成する
2つの平行な面(主平面)の距離で表される。本発明の
平板状粒子の主平面は{100}でも、{111}でも
良い。本発明の平板状ハロゲン化銀粒子のアスペクト比
としては、2以上であるが、3〜30、特に、5〜20
であることが好ましい。また、本発明の平板状ハロゲン
化銀粒子の平均アスペクト比は5以上であるが、5〜8
0、特に、10〜50であることが好ましい。平均アス
ペクト比とは、全平板状粒子のアスペクト比の平均値を
言うが、実務的には100個以上の平板状粒子について
各粒子のアスペクト比を測定してその平均値を求めるこ
とにより得られる。また、平板状粒子についてその平均
粒子厚みと平均円相当直径を測定して、その値から平均
アスペクト比を求めることもできる。
【0025】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の粒子厚
みとしては、0.1μm未満であるが、好ましくは、
0.01μm以上であり、特に好ましくは、0.03μ
m〜0.07μmである。本発明の平板状ハロゲン化銀
粒子の円相当直径に、特に制限はないが、0.2μm〜
5μm、特に、0.3μm〜2.0μmである事が好ま
しい。円相当直径は単分散であることが好ましく、その
変動係数は25%以下、特に20%以下であることが好
ましい。変動係数とは、円相当直径の標準偏差を平均円
相当直径で割って、100を掛けた値である。
【0026】本発明の平板状粒子の調製は、従来の技術
で述べた米国特許第5411853号、同541185
1号、同5418125号、同5372927号、同5
460934号、同5518872号、特開平7−25
3627号、同7−209781号、同10−2397
87号などで開示された技術で調製することができ、と
くに特開平10−239787号の方法が好ましい。勿
論これらに限定されるものではない。
【0027】本発明で使用される平板状ハロゲン化銀粒
子は、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、沃塩
化銀および塩化銀が好ましい。特に沃化銀を0.1モル
%以上、好ましくは0.1〜5.0モル%含有する沃臭
化銀、塩沃臭化銀及び沃塩化銀が好ましい。中でも沃臭
化銀が好ましい。特に、{111}面を主平面とする沃
臭化銀であることが好ましい。
【0028】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は最
終粒子が粒子内部と表層とのハロゲン組成が異なる(内
部高ヨードや表面高ヨードなど)2〜多重構造粒子であ
ってもよい。また潜像が主として表面に形成されるよう
な粒子(例えばネガ型乳剤)でもよく、粒子内部に主と
して形成されるような粒子(例えば、内部潜像型乳剤、
予めかぶらせた直接反転型乳剤)であってもよいが、好
ましくは潜像が主として表面に形成されるような粒子で
ある。
【0029】さらに、本発明の最終粒子乳剤は、好まし
くは転位線を有する。平板状粒子の転位線については、
例えば、J. F. Hamilton, Phot. Sci. Eng., 11 、57、
(1967)やT. Shiozawa, J. Soc. Phot. Sci. Japan, 35
、213 、(1972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡
を用いた直接的な方法により観察することができる。転
位線は刃状転位でも、ラセン転位でもよい。一粒子当た
り5本以上、好ましくは10本以上の転位線を持つこと
が好ましい。また、平板粒子の周辺(フリンジ部)に転
位線を持つことが好ましい。
【0030】またこのハロゲン化銀粒子の形成時には、
粒子の成長をコントロールするためにハロゲン化銀溶剤
として、例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモ
ン、チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3,27
1,157号、同第3,574,628号、同第3,7
04,130号、同第4,297,439号、同第4,
276,374号)、チオン化合物(例えば特開昭53
−144319号、同53−82408号、同55−7
7737号)、アミン化合物(例えば特開昭54−10
0717号)を用いることができる。
【0031】ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過
程において、ルテニウム塩(例えば六シアノルテニウ
ム)、亜鉛塩、クロム塩、イリジウム塩またはその錯塩
(例えば六塩化イリジウム)、ロジウム塩またはその錯
塩(例えば六塩化ロジウム)、鉄塩または鉄錯塩(例え
ば黄血塩)などを共存させてもよい。特にイリジウム
塩、ルテニウム塩、鉄塩、ロジウム塩が好ましい。特に
六配位化合物が好ましい。
【0032】次に、本発明のハロゲン化銀乳剤やこれを
利用したハロゲン化銀写真感光材料(単に感光材料とい
う場合もある)について説明する。上記ハロゲン化銀写
真感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層を支持体上に有する
ものである。
【0033】写真感光材料の乳剤層や中間層に用いるこ
とができる結合剤または保護コロイドとしては、ゼラチ
ンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイ
ドも用いることができる。例えばゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、
カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類
等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘
導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリ
ドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾ
ールの単一あるいは共重合体の如き種々の合成親水性高
分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては、汎
用の石灰処理ゼラチンのほか、酸ゼラチンや日本科学写
真協会誌(Bull. Soc. Phot. Japan) 、No.16 、30頁(1
966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いても良
く、また、ゼラチンの加水分解物を用いることができ
る。
【0034】写真感光材料は、写真感光層あるいはバッ
ク層を構成する任意の親水性コロイド層に無機あるいは
有機の硬膜剤を含有させても良い。例えば、クロム塩、
アルデヒド塩(例えばホルムアルデヒド、グリオキザー
ル、グルタルアルデヒド)、N−メチロール系化合物
(例えばジメチロール尿素)が具体的として挙げられ
る。活性ハロゲン化合物(例えば2,4−ジクロル−6
−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン及びそのナトリ
ウム塩)および活性ビニル化合物(例えば1,3−ビス
ビニルスルホニル−2−プロパノール、1,2−ビス
(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン、ビス(ビニ
ルスルホニルメチル)エーテルあるいはビニルスルホニ
ル基を側鎖に有するビニル系ポリマー)は、ゼラチンな
ど親水性コロイドを早く硬化させ安定な写真特性を与え
るので好ましい。N−カルバモイルピリジニウム塩類
(例えば(1−モルホリノカルボニル−3−ピリジニ
オ)メタンスルホナード)やハロアミジニウム塩類(例
えば1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリ
ジニウム−2−ナフタレンスルホナート)も硬化が早く
優れている。
【0035】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、メチン色素類その他によって分光増感されているこ
とが好ましい。用いられる色素には、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン
色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、
スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含され
る。特に、有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン
色素、および複合メロシアニン色素に属する色素であ
る。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシアニ
ン色素類に通常利用される核のいずれをも適用できる。
すなわち、ピロリン核は、オキサゾリン核、チアゾリン
核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレ
ナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジ
ン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した
核;およびこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した
核、すなわち、インドレニン核、ベンズインドレニン
核、インドール核、ベンズオキサドール核、ナフトオキ
サゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キ
ノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原子上に
置換基を有していてもよい。
【0036】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として例えばピラ
ゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオ
キサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,
4−ジオン核、ローダニン核、チオパルビツール酸核の
5〜6員異節環核を適用することができる。
【0037】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合
わせは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増
感色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素
あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強
色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、含
窒素異節環核基であって置換されたアミノスチルベンゼ
ン化合物(例えば米国特許第2,933,390号、同
3,635,721号に記載のもの)、芳香族有機酸ホ
ルムアルデヒド縮合物(例えば米国特許第3,743,
510号に記載のもの)、カドミウム塩、アザインデン
化合物などを含んでもよい。米国特許第3,615,6
13号、同3,615,641号、同3,617,29
5号、同3,635,721号に記載の組合わせは特に
有用である。
【0038】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中の
カブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させるなど
の目的で、種々の化合物を含有させることができる。す
なわちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニト
ロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロ
ロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール
類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンズチアゾ
ール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプト
チアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリ
アゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプト
テトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾール類)など;メルカプトピリミジン類;メルカ
プトトリアジン類;例えばオキサドリチオンのようなチ
オケト化合物;アザインデン類;例えばトリアザインデ
ン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ−6
−メチル(1,3,3a,7)テトラアザインデン)、
ペンタアザインデン類;ベンゼンチオスルフォン酸、ベ
ンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミドのよ
うなカブリ防止剤または安定剤として知られた、多くの
化合物を加えることができる。
【0039】写真感光材料は塗布助剤、帯電防止、スベ
リ性改良、乳化分散、接着防止および写真特性改良(例
えば現像促進、硬調化、増感)など種々の目的で一種以
上の界面活性剤を含んでもよい。
【0040】写真感光材料は、フィルター染料として、
またはイラジエーションもしくはハレーション防止その
他種々の目的のために親水性コロイド層中に水溶性染料
を含有してもよい。このような染料として、オキソノー
ル染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロシ
アニン染料、アントラキノン染料、アゾ染料が好ましく
使用され、この他にシアニン染料、アゾメチン染料、ト
リアリールメタン染料、フタロシアニン染料も有用であ
る。油溶性染料を水中油滴分散法により乳化して親水性
コロイド層に添加することもできる。
【0041】写真感光材料は、支持体上に少なくとも2
つの異なる分光感度を有する多層多色写真材料として構
成できる。多層天然色カラー写真材料は、通常支持体上
に赤感性乳剤層、緑感性乳剤層および青感性乳剤層をそ
れぞれ少なくとも一つ有する。これらの層の配列順序は
必要に応じて任意に選べる。好ましい層配列は支持体側
から赤感性、緑感性および青感性の順、青感性、緑感性
および赤感性の順または青感性、赤感性および緑感性の
順である。また任意の同じ感色性の乳剤層を感度の異な
る2層以上の乳剤層から構成して到達感度を向上させて
もよく、3層構成として更に粒状性を改良しても良い。
また同じ感色性をもつ2つ以上の乳剤層の間に非感光性
層が存在していてもよい。ある同じ感色性の乳剤層の間
に異なった感色性の乳剤層が挿入される構成としてもよ
い。高感度層特に高感度青感層の下に微粒子ハロゲン化
銀などの反射層を設けて感度を向上させてもよい。本発
明に用いられるハロゲン化銀乳剤で使用される添加剤は
リサーチ・ディスクロージャーNo. 17643、同No.
18716および同No. 307105に記載されてお
り、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0042】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 〔1978年12月〕 〔1979年11月〕 〔1989年11月〕 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.かぶり防止 24〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 剤、安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、赤外 線吸収剤 7.ステイン防止 25頁右欄 650頁左〜右欄 872頁 剤 8.色素画像安定 25頁 650頁左欄 872頁 剤 9.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11. 可塑剤、潤滑 27頁 650頁右欄 876頁 剤 12. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 界面活性剤 13. スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 14. マット剤 878〜879頁
【0043】本発明の写真感光材料に用いることができ
るその他の技術および無機・有機素材については、欧州
特許第436,938A2号の下記の箇所及び下記に引
用の特許に記載されている。 1.層構成 :第146頁34行目〜第147頁25行目 2.イエローカプラー;第137頁35行目〜第146頁33行目、第149頁 21行目〜23行目 3.マゼンタカプラー;第149頁24行目〜第28行目;欧州特許第421, 453A1号の第3頁5行目〜第25頁55行目 4.シアンカプラー ;第149頁29行目〜33行目;欧州特許第432,8 04A2号の第3頁28行目〜第40頁2行目 5.ポリマーカプラー;第149頁34行目〜38行目;欧州特許第435,3 34A2号の第113頁39行目〜第123頁37行目 6.カラードカプラー;第53頁42行目〜第137頁34行目、第149頁3 9行目〜45行目 7.その他の機能性カ;第7頁1行目〜第53頁41行目、第149頁46行目 プラー 〜第150頁3行目;欧州特許第435,334A2号 の第3頁1行目〜第29頁50行目 8.防腐・防黴剤 ;第150頁25行目〜28行目 9.ホルマリンスカベ;第149頁15行目〜17行目 ンジャー 10. その他の添加剤 ;第153頁38行目〜47行目;欧州特許第421, 453A1号の第75頁21行目〜第84頁56行目、 第27頁40行目〜第37頁40行目 11. 分散方法 ;第150頁4行目〜24行目 12. 支持体 ;第150頁32行目〜34行目 13. 膜厚・膜物性 ;第150頁35行目〜49行目 14. 発色現像工程 ;第150頁50行目〜第151頁47行目 15. 脱銀工程 ;第151頁48行目〜第152頁53行目 16. 自動現像機 ;第152頁54行目〜第153頁2行目 17. 水洗・安定工程 ;第153頁3行目〜37行目
【0044】本発明は種々のカラーおよび白黒の感光材
料に適用することができる。一般用もしくは映画用のカ
ラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラ
ー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルム
およびカラー反転ペーパー、カラー拡散転写型感光材料
および熱現像型カラー感光材料を代表例として挙げるこ
とができる。リサーチ・ディスクロージャーNo. 171
23(1978年7月)などに記載の三色カプラー混合
を利用することにより、または米国特許第4,126,
461号および英国特許第2,102,136号に記載
された黒発色カプラーを利用することにより、X線用な
どの白黒感光材料にも本発明を適用できる。リスフィル
ムもしくはスキャナーフィルムなどの製版用フィルム、
直医・間接医療用もしくは工業用のX線フィルム、撮影
用ネガ黒白フィルム、白黒印画紙、COM用もしくは通
常マイクロフィルム、銀塩拡散転写型感光材料およびプ
リントアウト型感光材料にも本発明を適用できる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するがもちろん本発明がこれらの実施例に限定され
るものではない。 実施例1 (沃臭化銀平板粒子乳剤の調製)特開平10−2397
87号の実施例2と同じ方法で沃臭化銀平板粒子を調製
した。なお混合器は、特開平10−239787号にて
開示された混合器を用い、その回転数は核形成時は20
00rpmで、成長中は6000rpmで行った。即ち、反応
容器に水1.0リットルと低分子量骨ゼラチン(平均分
子量1万)2gを添加、溶解し35℃に保った。混合器
に0.6Mの硝酸銀水溶液50ccと、低分子量ゼラチン
0.8重量%を含む0.16MのKBr水溶液200cc
を2分間添加し、得られた乳剤を連続的に反応容器に2
分間かけて添加した。その際混合器の攪拌回転数は20
00rpmであった。(核形成)アミノ基を95%フタル
化した10%骨ゼラチン溶液300cc及びKBrを添加
して反応容器内の乳剤のpBrを2.1にした後、温度
を上昇させて75℃にし5分間放置した。(熟成)その
後再び混合器に1.0Mの硝酸銀水溶液600ccと、K
Iを3モル%含むKBr0.99MのKBr600cc
と、5%の低分子量ゼラチン水溶液800ccを加速して
流量で添加した。(添加終了の流量が初期の流量の4
倍)混合器で生成した微粒子乳剤は連続的に反応容器に
添加された。粒子成長中、硝酸銀を70%添加した時点
でIrCl6を8×10-3mol/molAg添加しドープした。
さらに、粒子生長終了前に黄血塩溶液が混合器に添加さ
れた。黄血塩は粒子のシェル部3%(添加銀量換算で)
局所濃度で3×10-4mol/molAgの濃度になる様にドー
プされた。添加終了後、乳剤を35℃に冷却し、通常の
フロキュレイションで水洗し、石灰処理骨ゼラチンを7
0g添加、溶解しpAgを8.7、pHを6.5に調整
後、冷暗所に保存した。得られた平板粒子は、平均厚さ
は、0.042μmで、平均円相当直径は1.30μm
で、その変動係数は、18%であった。
【0046】この乳剤の小分けの一部を56℃に昇温し
たあと塩化金酸(9×10-6モル/モルAg)、チオシ
アン酸カリウム(3×10-3モル/モルAg)、イオウ
増感剤チオ硫酸ナトリウム(1.6×10-5モル/モル
Ag)とセレン増感剤ペンタフルオロフェニル−ジフェ
ニル−フォスフィンセレニド(8×10-6モル/モルA
g)を加え80分間熟成し、化合物−1{4−カルボキ
シフェニル−5−メルカプトテトラゾールNa塩}(9
×10-4モル/モルAg)を加え、乳剤−A(比較例)
を得た。
【0047】またこの乳剤の小分けの一部を40℃に保
ったまま、化合物−1(3×10-4モル/モルAg)を
加えたあと、乳剤−Aで用いたのと同量の塩化金酸、チ
オシアン酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、ペンタフル
オロフェニル−ジフェニル−フォスフィンセレニドを加
え、直ちに58℃に昇温したあと10分目から30分目
にかけ化合物−1(6×10-4モル/モルAg)をゆっ
くりと加え、90分間熟成し、乳剤−B(本発明)を得
た。
【0048】このあと、 増感色素;{アンヒドロ−5−クロロ−5′−フェニル
−9−エチル−3,3′−ジ(3−スルホプロピル)ベ
ンゾオキサカルボシアニンハイドロオキサイドナトリウ
ム塩}、 マゼンタカプラー;3−{3−〔2−(2,4−ジ−te
rt−アミルフェノキシ)ブチルアミノ〕ベンゾイルアミ
ノ}−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾ
ロン−5−オン オイル;トリクレジルフォスフェート 安定剤;4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデンカブリ防止剤;1−(m−スルホ
フェニル)−5−メルカプトテトラゾールモノナトリウ
ム塩と1−(p−カルボキシフェニル)−5−メルカプ
トテトラゾール 塗布助剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 硬膜剤;1,2−ビス(ビニルスルホニルアセチルアミ
ノ)エタン、 防腐剤;フェノキシエタノール を添加して、メチルポリメタクリレート粒子を含むゼラ
チン保護層と共に下塗り層を有するトリアセチルセルロ
ースフィルム支持体上に同時押し出し法で塗布した。
【0049】これらの試料に、光楔下で露光(1秒)し
下記の現像処理を行なった。
【0050】次に、処理液の組成を示す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 沃化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ) −2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0リットル pH 10.05
【0051】 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 水を加えて 1.0リットル pH 6.0
【0052】 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸ナトリウム 7.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.0ml 水を加えて 1.0リットル pH 6.7
【0053】 (安定液) (単位g) ホルマリン(37%) 2.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.3 (平均重合度10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 水を加えて 1.0リットル pH 5.0−8.0
【0054】処理済の試料を濃度測定した。得られた写
真性能の結果を表1に示した。相対感度は、カブリ値+
0.2と1.2の光学濃度を得るのに必要な露光量の逆
数の相対値で表し、試料1のをそれぞれ100とした。
カルコゲン増感中心の吸収の半値幅は乳剤−Aや−Bで
用いたそれぞれ10モル倍の金、イオウ、セレン増感剤
を添加し同様に熟成して、増感色素が添加されていない
乳剤に金の10モル倍のKCNを加えたあと、1cmセル
に入れて積分球をもつ分光計で吸収(反射率)を測定し
て、半値巾を得た。
【0055】
【表1】
【0056】表1より明らかな様に、カルコゲン増感中
心の吸収の半値巾が小さな本発明の乳剤は、カブリが低
くて感度が高く、とくに、高い光学濃度での感度が高く
て硬調と好ましいものであった。
【0057】(参考例)(平均厚さの厚い平板状乳剤粒
子での結果) 特開平11−31621の実施例4と全く同一の方法で
平板状沃臭化銀乳剤を得た。得られた乳剤は平均厚さが
0.19μmで、平均球相当径0.65μmでアスペク
ト比6以上の平板粒子が、総投影面積の72%含有した
乳剤であった。その後実施例4の乳剤−I(試料20)
と乳剤−J(試料21)と同様にして乳剤Cと乳剤Dを
つくり表2の結果(特願平11−31621号の表4と
全く同じ結果)を得た。
【0058】
【表2】
【0059】表2より明らかな様に、厚さの厚い平板状
粒子乳剤では本発明によるカルコゲン増感中心の吸収の
半値巾を小さくしても感度の上昇は微少であった。これ
に対して表1に示した様に厚さのうすい平板状粒子では
大きな感度上昇が得られた。
【0060】実施例2(純臭化銀平板乳剤) 特開平10−239787号の実施例1と同じ方法で、
但し混合器は3000rpmの回転数で行った。具体的に
は、反応容器1に水1.0リットルと低分子量骨ゼラチ
ン(平均分子量2万)3gとKBr0.5gを添加して
溶解し40℃に保った溶液中に攪拌しながら、0.5M
の硝酸銀溶液を10ccと0.3MKBr溶液20ccを4
0秒かけて添加した後、0.8MのKBr溶液を22cc
添加した。その後75℃に温度を上昇させた後、5分間
熟成した。酸化処理を施した骨ゼラチン(メチオン含量
が5μmol/g)の10重量%水溶液を添加した。次に
混合容器7に0.53Mの硝酸銀溶液と低分子量ゼラチ
ン(平均分子量2万)5重量%含む0.54MのKBr
溶液を各々1000ccを60分かけて添加し、混合器か
ら生成した微粒子乳剤を反応容器に連続的に添加した。
その際反応容器の温度は75℃に保持した。添加終了
後、乳剤を35℃に冷却し、通常のフロキュレイション
で水洗し、石灰処理骨ゼラチンを70g添加、溶解しp
Agを8.7、pHを6.5に調整した。得られた平板
粒子は、平均の厚さが0.05μm、平均円相当径が
1.52μmで、その変動係数は19%であった。
【0061】この乳剤を小分けして以下の化学熟成を行
った。 (Em−E)(比較乳剤) 一部小分けしたこの乳剤を58℃に昇温し、塩化金酸
(1.1×10-5モル/モルAg)とチオシアン酸カリ
ウム(3×10-3モル/モルAg)と、チオ硫酸ナトリ
ウム(2.4×10-5モル/モルAg)を加えて90分
間熟成し、Em−Eを得た。
【0062】(Em−F)(本発明) 一部小分けしたこの乳剤を40℃にて、色素−1;
{5,5′−ジフェニル−N,N′−スルホブチル−モ
ノメチンオキサシアニンNa塩}を(1.6×10 -3
ル/モルAg)を加えたあと、直ちに58℃に昇温し、
チオ硫酸ナトリウムを(2.4×10-5モル/モルA
g)を加え、20分目に化合物−1;{4−カルボキシ
フェニル−5−メルカプトテトラゾールNa塩}を(4
×10-4モル/モルAg)加えて、更に80分目に色素
−1を0.8×10-3モル/モルAg追加して116分
間熟成し、Em−Fを得た。
【0063】Em−Fは、化学熟成終了後に、色素−1
が2.4×10-3モル/モルAg、化合物−1が0.4
×10-3モル/モルAgになるようにそれぞれ必要量を
追加添加した。これら色素−1と化合物−1を加えた未
後熟の乳剤を参照にして、Em−E、Fの一部をとり、
それに加えた金の10モル倍量のKCNを加えたあと1
cmセルに入れて、色素−1や化合物−1は硫化銀の吸収
をほとんど妨害しないのでそのまま積分球をもつ分光計
で吸収(反射率)を測定し、半値幅の結果を得た。乳剤
EとFには、実施例1と増感色素は加えず、またマゼン
タカプラーをイエローカプラーにかえた以外は実施例1
と同様にして表3の結果を得た。相対感度は試料5のを
100とした。
【0064】
【表3】
【0065】表3より明らかな様に、カルコゲン増感中
心の吸収の半値巾が小さいとかぶりが低く、高感度であ
った。
【0066】
【発明の効果】カルコゲン増感中心の吸収をモニターす
ることにより高感度でかぶりのひくい化学増感を採るこ
とが可能となり、これは全く新たな方法である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルコゲン増感されたハロゲン化銀写真
    乳剤において、該カルコゲン増感により生成したカルコ
    ゲン増感中心の吸収スペクトルの半値幅が3900cm-1
    以下、1200cm-1以上であり、該ハロゲン化銀写真乳
    剤中に含まれる全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%
    以上がアスペクト比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子
    であり、該平版状粒子の平均粒子厚みが0.1μm未満
    で、平均アスペクト比が5以上であることを特徴とする
    ハロゲン化銀写真乳剤。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀写真乳剤をカルコゲン増感
    する方法において、該カルコゲン増感により生成したカ
    ルコゲン増感中心の吸収スペクトルの半値幅が3900
    cm-1以下、1200cm-1以上になるように制御してカル
    コゲン増感を行い、該ハロゲン化銀写真乳剤中に含まれ
    る全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以上がアスペ
    クト比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子で、該平版状
    粒子の平均粒子厚みは0.1μm未満であり、該平版状
    粒子の平均アスペクト比が5以上であることを特徴とす
    るハロゲン化銀写真乳剤のカルコゲン増感方法。
  3. 【請求項3】 該平板状ハロゲン化銀粒子が{111}
    面を主平面とすることを特徴とする請求項1に記載のハ
    ロゲン化銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】 該平板状ハロゲン化銀粒子が{100}
    面を主平面とすることを特徴とする請求項1に記載のハ
    ロゲン化銀写真乳剤。
  5. 【請求項5】 該平板状ハロゲン化銀粒子が{111}
    面を主平面とすることを特徴とする請求項2に記載のハ
    ロゲン化銀写真乳剤のカルコゲン増感方法。
  6. 【請求項6】 該平板状ハロゲン化銀粒子が{100}
    面を主平面とすることを特徴とする請求項2に記載のハ
    ロゲン化銀写真乳剤のカルコゲン増感方法。
  7. 【請求項7】 該平板状ハロゲン化銀粒子が少なくとも
    0.1モル%の沃化銀を含有することを特徴とする請求
    項1に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  8. 【請求項8】 該平板状ハロゲン化銀粒子が少なくとも
    0.1モル%の沃化銀を含有することを特徴とする請求
    項2に記載のハロゲン化銀写真乳剤のカルコゲン増感方
    法。
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