JPH0659363A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0659363A
JPH0659363A JP22788392A JP22788392A JPH0659363A JP H0659363 A JPH0659363 A JP H0659363A JP 22788392 A JP22788392 A JP 22788392A JP 22788392 A JP22788392 A JP 22788392A JP H0659363 A JPH0659363 A JP H0659363A
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JP
Japan
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silver halide
group
gelatin
silver
emulsion
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JP22788392A
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Hiroyuki Mifune
博幸 御舩
Toru Sano
徹 佐野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤
層を有するハロゲン化銀写真感光材料であって、新規な
ハロゲン化銀乳剤で乳剤層が構成されている感光材料を
開示する。このハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子
に対して保護コロイド作用を有する合成高分子化合物、
ゼラチン以外の天然高分子化合物および低分子量ゼラチ
ンからなる群より選らばれる少なくとも一つの物質の存
在下でハロゲン化銀粒子の形成およびテルル増感が行な
われたものである。 【効果】テルル増感時のカブリの発生が少なく、高感度
でカブリの低い迅速処理に適したハロゲン化銀写真感光
材料を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関する。特に、保護コロイド作用を有する高分子
化合物などを用いて、テルル増感のカブリと感度が改良
されたハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀写真感光
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料に使用するハ
ロゲン化銀乳剤は、通常、所望の感度、階調等を得るた
めに各種の化学物質を用いて化学増感を施す。その代表
的方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増感、
金などの貴金属増感、還元増感および、これらの組み合
せによる各種増感法が知られている。近年、ハロゲン化
銀写真感光材料における高感度、優れた粒状性や高い鮮
鋭度、さらに、現像進行等を速めた迅速処理等々への所
望は強く、上記増感法の種々の改良がなされてきた。上
記の増感法のうちテルル増感法およびテルル増感剤に関
しては米国特許1623499号、同3320069
号、同3772031号、同3531289号、同36
55394号、英国特許235211号、同11214
96号、同1295462号、同1396696号、カ
ナダ特許800958号各明細書等に一般的には開示さ
れているが、詳細にかつ具体的なテルル増感剤について
の記載は、英国特許1295462号、同139669
6号とカナダ特許800958号各明細書が知られてい
たのに加え、近年、特願平2−333819号、同3−
53693号、同3−151598号、同3−1834
85号、同3−183486号、同3−183487
号、同3−183491号、同3−205623号、同
3−221268号、同3−221270号、同3−2
21271号、同4−129787号各明細書などで技
術の大きな進歩があった。これらの中で、同じカルコゲ
ン(族)増感の、従来よく知られた硫黄増感やセレン増
感に比べて、テルル増感は、分光増感感度が高く、現像
進行が速く迅速処理により適しており、また、到達感度
が特に高照度短時間露光を行ったときの感度が高いとい
った幾つかのすぐれた利点を有することが分ってきた。
しかしながら、テルル増感は、カブリが発生しやすく、
特に、金増感剤と併用したときにカブリが大きいという
欠点を有しており、この改善が熱望されていた。
【0003】本発明の目的は、第1にテルル増感時のカ
ブリ発生が改善されたハロゲン化銀乳剤を含有するハロ
ゲン化銀写真感光材料を提供することである。また、本
発明の他の目的は、高感度でカブリの低い迅速処理に適
したハロゲン化銀写真感光材料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記により
達成された。すなわち、支持体上に少なくとも一層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料で
あって、前記ハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子に
対して保護コロイド作用を有する合成高分子化合物、ゼ
ラチン以外の天然高分子化合物および低分子量ゼラチン
からなる群より選らばれる少なくとも一つの物質の存在
下でハロゲン化銀粒子の形成およびテルル増感が行なわ
れたハロゲン化銀乳剤であることを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料により達成された。
【0005】通常、ハロゲン化銀乳剤はゼラチンの存在
下で粒子形成され化学増感されるが、本発明では、ゼラ
チンをより少なく、又は使用せずに、上記の高分子化合
物などをハロゲン化銀粒子形成の保護コロイド(ペプタ
イザー)として用い、その条件下でテルル増感すること
により、よりよく上記目的が達成された。
【0006】以下各構成要素について詳細に説明する。
本発明に用いられる保護コロイド性を有する天然高分子
化合物、合成高分子化合物、低分子量ゼラチンについ
て、以下に詳細に説明する。本発明で述べている天然化
合物の代表例として寒天、澱粉、コンニャクマンナン、
カラゲーナン等が挙げられるが保護コロイド性を有する
天然化合物であれば上述したものに限定されず、また澱
粉にアクリル酸をグラフト重合させたようなものなども
含んでもよい。天然化合物の分子量、分子量分布につい
ても制限はなく、目的に応じて変えればよいが、銀1モ
ル当り1kg以下で使用することが好ましく、より好ま
しくは500g以下、さらに好ましくは150g以下で
使用することが好ましい。
【0007】本発明で述べている合成高分子化合物の代
表例を以下に挙げるが、粒子形成において保護コロイド
性を有するものであれば以下のものに限定されない。 1。ポリアクリルアミドポリマー アクリルアミドのホモポリマー、米国特許254147
4号明細書に示されるポリアクリルアミドとイミド化し
たポリアクリルアミドの共重合物、西ドイツ特許120
2132号明細書に示されるアクリルアミドとメタアク
リルアミドの共重合物、米国特許3284207号明細
書に示される部分的にアミノ化したアクリルアミドポリ
マー、特公昭45−14031号公報、米国特許371
3834号、同3746548号、英国特許78834
3号各明細書に示される置換されたアクリルアミドポリ
マー 2。アミノポリマー 米国特許3345346号、同4350759号、西ド
イツ特許2138872号各明細書に示されるアミノポ
リマー、英国特許1413125号、米国特許3425
836号各明細書に示される4級アミンを有するポリマ
ー、米国特許3511818号明細書に示されるアミノ
基とカルボキシル基を有するポリマー、米国特許383
2185号明細書に示されるポリマー 3。ポリビニルアルコール ビニルアルコールのホモポリマー、米国特許30007
41号明細書に示されるポリビニルアルコールの有機酸
モノエステル、米国特許3236653号明細書に示さ
れるマレイン酸エステル、米国特許3479189号明
細書に示されるポリビニルアルコールとポリビニルピロ
リドンとの共重合物 4。アクリル酸ポリマー アクリル酸ホモポリマー、米国特許3832185号、
同3852073号各明細書に示されるアミノ基を有す
るアクリル酸エステルポリマー、米国特許413147
1号明細書に示されるハロゲン化アクリル酸エステルポ
リマー、米国特許4120727号明細書に示されるシ
アノアルキルアクリル酸エステル 5。ヒドロキシキノリンを有するポリマー 米国特許4030929号、同4152161号各明細
書に示されるヒドロキシキノリンを有するポリマー 6。セルロース、澱粉の誘導体 英国特許542704号、同551659号、米国特許
2127573号、同2311086号、同23220
85号各明細書に示されるセルロースあるいは澱粉の誘
導体。 7。米国特許2358836号、同3003879号、
同2828204号、英国特許771155号各明細書
に示されるポリビニルアセタール 8。ポリビニルピロリドン ビニルピロリドンのホモポリマー、フランス特許203
1396号明細書に示されるアクロレインとピロリドン
の共重合物 9。ポリスチレン 米国特許4315071号明細書に示されるポリスチリ
ルアミンポリマー、米国特許3861918号明細書に
示されるハロゲン化スチレンポリマー 10。イミダゾールポリマー 特公昭43−7561号、同47−25374号、同5
2−16365号各公報、ドイツ特許2012095
号、同2012970号各明細書に示されるビニルイミ
ダゾール基を有するポリマー 11。その他 特開昭59−8604号公報に示されるアザインデン基
を有するビニルポリマー、米国特許2976150号明
細書に示されるポリアルキレンオキシド誘導体、米国特
許4022623号明細書に示されるポリビニルアミン
イミドポリマー、米国特許4294920号、同408
9688号各明細書に示されるポリマー、米国特許24
84456号明細書に示されるポリビニルピリジン、米
国特許3520857号明細書に示されるイミダゾール
基を有するビニルポリマー、特公昭60−658号公報
に示されるトリアゾール基を有するビニルポリマー、日
本写真学会誌29巻1号18頁に示されるポリビニル−
2−メチルイミダゾールおよびアクリルアミドイミダゾ
ール共重合物、デキストラン、ツァイトシュリフトビセ
ンシャフトリヒェフォトギラフィー45巻43頁(19
50)に示される水溶性ポリアルキレンアミノトリアゾ
ール類等。
【0008】また、本発明に用いられる低分子量ゼラチ
ンは、ゼラチンの平均分子量が6万以下、好ましくは3
万以下で、かつ2000以上、好ましくは5000以上
である。本発明で用いられる低分子量ゼラチンは、通
常、次のようにして作ることができる。通常用いられる
平均分子量10万のゼラチンを水に溶かし、ゼラチン分
解酵素を加えてゼラチン分子を酵素分解する。この方法
については R.J. Cox Photographic Gelatin II, Acade
mic Press, London, 1976年、 p.233 - 251、 p.335- 34
6の記載を参考にすることができる。この場合、酵素が
分解する結合位置は決っているため、比較的分子量分布
の狭い低分子量ゼラチンが得られ好ましい。この場合、
酵素分解時間を長くする程、より低分子量化する。その
他、低pH(pH1〜3)もしくは高pH(pH10〜
12)雰囲気下で加熱し、加水分解する方法もある。
【0009】使用する高分子化合物の分子量、分子量分
布に制限はなく、目的に応じて、任意に選択可能であ
り、これらの化合物を単独にあるいは数種類併用して使
用することも可能である。使用量に制限はないが単独あ
るいはゼラチンを除く数種の化合物を併用するに当り、
1種の化合物につき銀1モル当り1Kg以下で使用する
のが好ましく、より好ましくは250g以下、さらによ
り好ましくは50g以下で、使用するのが好ましい。ま
た用いる方法としては天然、合成化合物を問わずハロゲ
ン化銀粒子を形成するハロゲン化塩溶液および/または
銀塩溶液中に溶解しておくとか、反応容器中に予め添加
するか、または銀塩溶液と併用して添加することもでき
る。
【0010】本発明で用いられるテルル増感剤として
は、例えば、米国特許1623499号、同33200
69号、同3772031号、英国特許235211
号、同1121496号、同1295462号、同13
96696号、カナダ特許800958号各明細書、特
願平2−333819号、同3−53693号、同3−
131598号、同4−129787号各明細書、ジャ
ーナル・オブ・ケミカル・ソサイティー・ケミカル・コ
ミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.
Commun.)635(1980)、同1102(1
979)、同645(1979)、ジャーナル・オブ・
ケミカル・ソサイティー・パーキン・トランザクション
(J.Chem.Soc.Perkin Tran
s.)1,2191(1980)、S.パタイ(S.P
atai)編ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・
セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(Th
e Chemistry of Organic Se
lenium and Tellurium comp
ounds),Vol.1(1986)、同Vol.2
(1987)に記載の化合物を用いることが好ましい。
具体的なテルル増感剤としては、例えば、コロイド状テ
ルル、テルロ尿素類(例えば、アリルテルロ尿素、N,
N−ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N
−カルボキシエチル−N’,N’−ジメチルテリロ尿
素、N,N’−ジメチルエチレンテルロ尿素、N,N’
−ジフェニルエチレンテルロ尿素)、イソテルロシアナ
ート類(例えばアリルイソテルロシアナート)、テルロ
ケトン類(例えばテルロアセトフェノン)、テルロアミ
ド類(例えばテルロアセトアミド、N,N−ジメチルテ
ルロベンズアミド)、テルロヒドラジド(例えばN,
N’,N’−トリメチルテルロベンズヒドラジド)、テ
ルロエステル(例えばt−ブチル−t−ヘキシルテルロ
エステル)、ホスフィンテルリド類(例えばトリブチル
ホスフィンテルリド、トリシクロヘキシルホスフィンテ
ルリド、トリイソプロピルホスフィンテルリド、ブチル
−ジイソプロピルホスフィンテルリド、ジブチルフェニ
ルホスフィンテルリド)、ジアシル(ジ)テルリド類
(例えばビス(ジフェニルカルバモイル)ジテルリド、
ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)ジテル
リド、ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)
テルリド、ジエチルカルバモイルテルリド、ビス(エト
キシカルボニル)テルリドなど)、(ジ)テルリド類、
他のテルル化合物(例えば英国特許1295462号明
細書記載の負電荷のテルライドイオン含有ゼラチン、ポ
タシウムテルリド、ポタシウムテルロシアナート、テル
ロペンタチオネートナトリウム塩、アリルテルロシアネ
ート)が挙げられる。
【0011】これらのテルル化合物のうち、好ましくは
下記の一般式(1)、(2)、(3)で示される化合物
が好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】上記式(1)中、R11、R12、およびR13
は脂肪族基、芳香族基、複素環基、OR14、NR15(R
16)、SR17、OSiR18(R19)(R20)、Xまたは
水素原子を表す。ここで、R14およびR17は脂肪族基、
芳香族基、複素環基、水素原子またはカチオンを表し、
15およびR16は脂肪族基、芳香族基、複素環基または
水素原子を表し、R18、R19およびR20は脂肪族基を表
し、Xはハロゲン原子を表す。
【0014】次に式(1)について詳細に説明する。式
(1)において、R11、R12、R13、R14、R15
16、R17、R18、R19およびR20で表される脂肪族基
は、好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に炭
素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アラルキル基である。アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基と
しては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n
−ヘキサデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ア
リル、2−ブテニル、3−ペンテニル、プロパルギル、
3−ペンチニル、ベンジル、フェネチルが挙げられる。
式(1)において、R11、R12、R13、R14、R15、R
16およびR17で表される芳香族基は、好ましくは炭素数
6〜30のものであって、特に炭素数6〜20の単環ま
たは縮環のアリール基であり、例としてはフェニル、ナ
フチルが挙げられる。式(1)において、R11、R12
13、R14、R15、R16およびR17で表される複素環基
は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子のうち少なくと
も一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素
環基である。これは単環であってもよいし、さらに他の
芳香環もしくは複素環と縮合環を形成していてもよい。
複素環基としては、好ましくは5〜6員環の芳香族複素
環基であり、具体的には、例えば、ピリジル、フリル、
チエニル、チアゾル、チアゾリル、イミダゾリル、ベン
ズイミダゾリルなどが好ましい。式(1)において、R
14およびR17で表わされるカチオンは、アルカリ金属、
アンモニウムを表わす。式(1)において、Xで表され
るハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子およびヨウ素原子を表わす。上記した脂肪族基、
芳香族基および複素環基は置換されていてもよい。置換
基としては以下のものが挙げられる。代表的な置換基と
しては、例えば、アルキル基、アラルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド
基、ウレタン基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、
アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、リン酸アミド基、ジ
アシルアミノ基、イミド基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキ
シ基、ヒドロキシ基、ホスホニ基、ニトロ基およびヘテ
ロ環基等が挙げられる。これらの基は、さらに置換され
ていてもよい。置換基が2つ以上あるときは、同じでも
異なっていてもよい。
【0015】R11、R12、R13は互いに結合してリン原
子と一緒に環を形成してもよく、また、R15とR16は結
合して含窒素複素環を形成してもよい。式(1)中、好
ましくは、R11、R12およびR13は脂肪族基または芳香
族基を表し、より好ましくはアルキル基または芳香族基
を表す。
【0016】
【化2】
【0017】上記式(2)中、R21は脂肪族基、芳香族
基、複素環基または−NR23(R24)を表し、R22は−
NR25(R26)、−N(R27)N(R28)R29または−
OR30を表す。R23、R24、R25、R26、R27、R28
29およびR30は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素
環基またはアシル基を表す。ここでR21とR25、R21
27、R21とR28、R21とR30、R23とR25、R23とR
27、R23とR28およびR23とR30は結合して環を形成し
てもよい。
【0018】次に式(2)について詳細に説明する。式
(2)において、R21、R23、R24、R25、R26
27、R28、R29およびR30で表される脂肪族基、芳香
族基および複素環基は式(1)と同意義を表す。式
(2)において、R23、R24、R25、R26、R27
28、R29およびR30で表されるアシル基は好ましくは
炭素数1〜30のものであって、特に炭素数1〜20の
直鎖または分岐のアシル基である。例としては、アセチ
ル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル、デカノイルが
挙げられる。ここで、R21とR25、R21とR27、R21
28、R21とR30、R23とR25、R23とR27、R23とR
28およびR23とR30が結合して環を形成する場合、具体
例としては、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレ
ン基またはアルケニレン基等が挙げられる。上記の脂肪
族基、芳香族基および複素環基は式(1)であげた置換
基で置換されていてもよい。式(2)中、好ましくは、
21は脂肪族基、芳香族基または−NR23(R24)を表
し、R22は−NR25(R26)を表す。R23、R24、R25
およびR26は脂肪族基または芳香族基を表す。式(2)
中、より好ましくは、R21は芳香族基または−NR
23(R24)を表し、R22は−NR25(R26)を表す。R
23、R24、R25およびR26はアルキル基または芳香族基
を表す。ここで、R21とR25、およびR23とR25はアル
キレン基、アリーレン基、アラルキレン基またはアルケ
ニレン基を介して環を形成することも、より好ましい。
【0019】
【化3】
【0020】上記式(3)中、R31およびR32は同じで
あっても異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、複
素環基または−(C=Y’)−R33を表す。ここでR33
は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−NR34
(R35)、−OR36または−SR37を表し、Y’は酸素
原子、硫黄原子または−NR38を表す。R34、R35、R
36、R37およびR38は水素原子、脂肪族基、芳香族基ま
たは複素環基を表し、nは1または2を表す。
【0021】次に式(3)について詳細に説明する。式
(3)において、R31、R32、R33、R34、R35
36、R37およびR38で表される脂肪族基、芳香族基ま
たは複素環基は式(1)と同意義を表す。また、R31
32、R33、R34、R35、R36、R37およびR38で表さ
れる脂肪族基、芳香族基および複素環基は式(1)で挙
げた置換基で置換されていてもよい。ここで、R31とR
32およびR34とR35は結合して環を形成していてもよ
い。式(3)中、好ましくは、R31およびR32は複素環
基または−(C=Y’)−R33を表す。R33は−NR34
(R35)または−OR36を表し、Y’は酸素原子を表
す。R34、R35およびR36は脂肪族基、芳香族基または
複素環基を表す。式(3)中、より好ましくは、R31
よびR32は−(C=Y’)−R33を表す。R33は−NR
34(R35)を表し、Y’は酸素原子を表す。R34および
35は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。下記
(4)〜(18)に式(1)、(2)、(3)で表され
る化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀乳剤粒子表面または粒子内部に、増感核となる
と推定されるテルル化銀を生成させる化合物である。ハ
ロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については、以
下の試験ができる。多量添加(例えば、1×10-3モル
/銀モル)すると、生成したテルル化銀が可視域に吸収
をもつ。従って、イオウ増感剤についてE.Moisa
rがJournal of Photographic
Science,14巻,181頁(1966)や同
16巻102頁(1968)に記載された方法を適用で
きる。すなわち、ハロゲン化銀乳剤中での生成硫化銀量
を、可視域(520nm)での乳剤の無限反射率(in
finite reflectivity)からKub
elka−Munkの式を用いて求めたのと同様の方法
で、相対的なテルル化銀生成速度を簡便に求めることが
できる。また、この反応は見かけ上、一次反応に近いの
で、擬一次反応速度定数も求めることができる。例え
ば、平均粒子径0.5μmの臭化銀八面体乳剤(1kg
乳剤中にAgBr0.75モル、ゼラチン80gを含
有)をpH=6.3、pAg=8.3に保ちつつ50℃
に保温し、有機溶剤(メタノールなど)に溶解したテル
ル化合物を1×10-3モル/銀モル添加する。積分球を
もつ分光光度計で1cm厚みのセルに乳剤を入れ、ブラ
ンクの乳剤を参照にして520nmでの反射率(R)を
時間を追って測定していく。反射率をKubelka−
Munkの式(1−R)2 /2Rに代入し、その値の変
化から擬一次反応速度定数k(min-1)を求める。テ
ルル化銀を生成しなければ常にR=1のためKubel
ka−Munkの式の値はテルル化合物のない時と同じ
で0のままである。このテスト法と全く同一条件での見
かけの一次反応速度定数kが1×10-8〜1×100
in-1の化合物が好ましい。
【0038】また、可視域の吸収の検出が難しい、より
少量の添加量域では、生成したテルル化銀を未反応テル
ル増感剤から分離し定量できる。例えば、ハロゲン塩水
溶液や、水溶性メルカプト化合物の水溶液などへの浸漬
で分離したあと、原子吸光法などにより、微量のTeを
定量分析する。この反応速度は、化合物の種類はもちろ
んのこと、被検乳剤のハロゲン化銀組成、試験する温
度、pAgやpHなどで数ケタの範囲で大きく変動す
る。本発明で好ましく用いられるテルル増感剤は、用い
ようとするハロゲン組成、晶癖を有する具体的なハロゲ
ン化銀乳剤に対してテルル化銀を生成しうる化合物であ
る。総括的に言えば、臭化銀乳剤に対して、温度40〜
95℃、pH3〜10、またはpAg6〜11のいずれ
かの範囲で、テルル化銀を生成しうる化合物が本発明に
対して好ましく用いられ、この範囲で、上記テスト法に
よる擬一次反応定数kが1×10-7〜1×10-1min
-1の範囲に入る化合物がテルル増感剤としてより好まし
い。
【0039】本発明の式(1)、(2)および(3)で
表される化合物は既に知られている方法に準じて合成す
ることができる。例えば、ジャーナル・オブ・ケミカル
・ソサイティ(J.Chem.Soc.(A))196
,2927;ジャーナル・オブ・オルガノメタリック
・ケミストリー(J.Organomet.Che
m.),320(1965);同,200(196
3);同113,C35(1976);フォスフォラス
・サルファー(Phosphorus Sulfur)
15,155(1983);ヘミシュ・ベリヒテ(Ch
em.Ber.)109,2996(1976);ジャ
ーナル・オブ・ケミカル・ソサイティ・ケミカル・コム
ニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Co
mmun.)635(1980);同1102(197
9);同645(1979);同820(1987);
ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイティ・パーキン・
トランザクション(J.Chem.Soc.Perki
n.Trans.),2191(1980);S.パ
タイ(S.Patai)編ザ・ケミストリー・オブ・オ
ーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパ
ウンズ(The Chemistry of Orga
nic Selenium and Telluriu
m compounds),2巻の216〜267(1
987);テトラヘドロン・レターズ(Tetrahe
dron Letters)31,3587(199
0);ジャーナル・オブ・ケミカル・レサーチ、シノプ
シーズ(J.Chem.Res.,Synopses)
,56(1990);ブルチン・オブ・ザ・ケミカル
・ソサイティ・オブ・ジャパン(Bull.Chem.
Soc.Japan)62,2117(1989);同
60,771(1987);ジャーナル・オブ・オルガ
ノメタリック・ケミストリー(J.Organomet
allic Chem.)338,9(1988);同
306,C36(1986);日本化学会誌7巻,14
75(1987);ツァイトシュリフト・フュアー・ヘ
ミー(Zeitschrift Chemie)26
179(1986);ケミストリー・レターズ(Chm
istry Letters),475(198
7);インディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー
(Indian Journal of Chemis
try,Section A)25A,57(198
6);アンゲバンテ・ヘミー(Angewandte
Chemie)97,1051(1985);スペクト
ロキミカ・アクタ(Spectrochimica A
cta Part A)38A,185(1982);
オーガニック・プレパレーション・アンド・プロセディ
ア・インターナショナル(Organic Prepa
rations and Procedures In
ternational)10,289(1978);
オルガノメタリックス(Organometallic
s),470(1982)に記載の方法で合成するこ
とができる。
【0040】これらの本発明で用いるテルル増感剤の使
用量は、使用するハロゲン化銀粒子の、化学熟成条件等
により変わるが、一般に、ハロゲン化銀1モル当り10
-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜5×10-3モル程
度を用いる。本発明における化学増感の条件としては、
特に制限はないが、pAgとしては6〜11、好ましく
は7〜10であり、温度としては40〜95℃、好まし
くは45〜85℃である。本発明においては、金、白
金、パラジウム、イリジウム等の貴金属増感剤を併用す
ることが好ましい。特に金増感剤を使用することが好ま
しく、具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレー
ト、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナ
イド等が挙げられ、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜1
-2モル程度を用いることができる。本発明において
は、さらに硫黄増感剤を使用することも好ましい。具体
的には、チオ硫酸塩(例えばハイポ)、チオ尿素類(例
えば、ジフェニルチオ尿素、トリエチル尿素、アリルチ
オ尿素)、ローダニン類等の公知の不安定硫黄化合物が
挙げられ、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モル
程度を用いることができる。本発明においては、さらに
セレン増感剤を併用することも好ましい。例えば、特公
昭44−15748号公報に記載の不安定セレン増感剤
が好ましく用いられる。具体的には、コロイド状セレ
ン、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿
素、セレノ尿素、テトラメチルセレノ尿素)、セレノア
ミド類(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチ
ル−セレノベンズアミド)、セレノケトン類(例えば、
セレノアセトン、セレノベンゾフェノン)、セレニド類
(例えば、トリフェニルフォスフィンセレニド、ジエチ
ルセレナイド)、セレノフォスフェート類(例えば、ト
リ−p−トリルセレノフォスフェート)、セレノカルボ
ン酸およびエステル類、イソセレノシアネート類、等の
化合物が挙げられ、ハロゲン化銀1モル当り10-8〜1
-3モル程度を用いることができる。本発明において
は、さらに還元増感剤を併用することも可能である。還
元増感剤の具体的な例としては、塩化第一スズ、アミノ
イミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン
化合物(例えば、ジメチルアミンボラン)、シラン化合
物、ポリアミン化合物等が挙げられる。
【0041】また、本発明においては、ハロゲン化銀溶
剤の存在下でテルル増感を行うのが好ましい。ハロゲン
化銀溶剤の具体的な例としては、チオシアン酸塩(例え
ば、チオシアン酸カリウム)、チオエーテル化合物(例
えば、米国特許3021215号、同3271157号
各明細書、特公昭58−30571号、特開昭60−1
36736号各公報等の公報に記載の化合物、特に、例
えば、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)、
四置換チオ尿素化合物(例えば、特公昭59−1189
2号公報、米国特許4221863号明細書等の公報に
記載の化合物、特に、例えば、テトラメチルチオ尿
素)、さらに、特公昭60−11341号公報に記載の
チオン化合物、特公昭63−29727号公報に記載の
メルカプト化合物、特開昭60−163042号公報に
記載のメソイオン化合物、米国特許4782013号明
細書に記載のセレノエーテル化合物、特開平2−118
566号公報に記載のテルロエーテル化合物、亜硫酸塩
等が挙げられる。特に、これらの中で、チオシアン酸
塩、チオエーテル化合物、四置換チオ尿素化合物とチオ
ン化合物が好ましく用いることができる。使用量として
は、ハロゲン化銀1モル当り10-5〜10-2モル程度を
用いることができる。
【0042】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、塩臭化銀および塩
化銀が好ましい。本発明に使用されるハロゲン化銀粒子
は、立方体、八面体のような規則的(regular)
な結晶形を有するもの、また球状、板状などのような変
則的(irregular)な結晶形をもつもの、ある
いはこれらの複合形をもつものである。また、種々の結
晶形の粒子の混合から成るものも使用できるが、規則的
な結晶形を使用するのが好ましい。本発明に使用される
ハロゲン化銀粒子は内部と表層とが異なる相をもってい
ても、均一な相から成っていてもよい。粒子内部と表層
とのヨード組成が異なる(特に内部のヨード含量の方が
多い)、二重から多重構造粒子も好ましい。また、潜像
が主として表面に形成されるような粒子(例えば、ネガ
型乳剤)でもよく、粒子内部に主として形成されるよう
な粒子(例えば、内部潜像型乳剤、予めかぶらされた直
接反転型乳剤)であってもよいが、粒子内部に主として
形成されるような粒子が好ましい。
【0043】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
厚みが0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下で、
径は0.6μm以上が好ましく、平均アスペクト比が3
以上の粒子が全投影面積の50%以上を占めるような平
板粒子乳剤も好ましい。本発明に使用されるハロゲン化
銀乳剤は、統計学上の変動係数(投影面積を円近似した
場合の直径で表した分布において、標準偏差Sを平均直
径dで除した値S/d)が30%以下、とりわけ20%
以下である単分散乳剤が特に好ましい。また、乳剤を2
種以上混合してもよい。本発明に用いられる写真乳剤
は、ピー・グラフキデス(P.Glafkides)
著、シミー・エ・フィジーク・フォトグラフィーク(C
himie etPhysique Photogra
pheque)(ポールモンテル社刊、1967年)、
ジー・エフ・ダフィン(G.F.Duffin)著、フ
ォトグラフィック・エマルジョン・ケミストリー(Ph
otographic Emulsion Chemi
stry)(フォーカルプレス刊、1966年)、ブイ
・エル・ゼリクマン(V.L.Zelikman)ら
著、メーキング・アンド・コーティング・フォトグラフ
ィック・エマルジョン(Making and Coa
ting Photographic Emulsio
n)(フォーカルプレス刊、1964年)などに記載さ
れた方法を用いて調製することができる。
【0044】また、このハロゲン化銀粒子の形成時には
粒子の成長をコントロールするためにハロゲン化銀溶剤
として例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモ
ン、チオエーテル化合物(例えば米国特許327115
7号、同3574628号、同3704130号、同4
297439号、同4276374号各明細書参照)、
チオン化合物(例えば特開昭53−144319号、同
53−82408号、同55−77737号各公報参
照)、アミン化合物(例えば特開昭54−100717
号各公報参照)などを用いることができる。ハロゲン化
銀粒子形成または物理熟成の過程において、カドミウム
塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩またはその錯
塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩または鉄錯塩など
を共存させてもよい。
【0045】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤としては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いること
ができる。例えば、ゼラチン誘導体;ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー;アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等のようなセ
ルロース誘導体;アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導体な
どの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアル
コール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等
の単一あるいは共重合体のような種々の合成親水性高分
子物質を用いることができる。
【0046】ゼラチンとしては汎用の石灰処理ゼラチン
のほか、酸処理ゼラチンや日本化学写真協会誌(Bul
l.Soc.Photo.Japan),No.16,
30頁(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチ
ンを用いても良く、また、ゼラチンの加水分解物を用い
ることもできる。本発明の感光材料は、写真感光層ある
いはバック層を構成する任意の親水性コロイド層に無機
あるいは有機の硬膜剤を含有させてもよい。例えば、ク
ロム塩、アルデヒド塩(例えば、ホルムアルデヒド、グ
リオキザール、グルタルアルデヒド)、N−メチロール
系化合物(例えば、ジメチロール尿素)が具体例として
挙げられる。活性ハロゲン化合物(例えば、2,4−ジ
クロル−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンおよ
びそのナトリウム塩)および活性ビニル化合物(例え
ば、1,3−ビスビニルスルホニル−2−プロパノー
ル、1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エ
タン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテルあるい
はビニルスルホニル基を側鎖に有するビニル系ポリマ
ー)は、安定な写真特性を与えるので好ましい。N−カ
ルバモイルピリジニウム塩((1−モルホリノカルボニ
ル−3−ピリジニオ)メタンスルホナートなど)やハロ
アミジニウム塩類((1−(1−クロロ−1−ピリジノ
メチレン)ピロリジニウム・2−ナフタレンスルホナー
トなど)も硬化速度が速く優れている。
【0047】本発明の乳剤は、メチン色素類その他によ
って分光増感されていてもよい。用いられる色素には、
シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、
複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘ
ミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール
色素が包含される。特に有用な色素は、シアニン色素、
メロシアニン色素および複合メロシアニン色素に属する
色素である。これらの色素類には、塩基性異節環核とし
て、シアニン色素類に通常利用される核のいずれをも適
用できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チ
アゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール
核、ピリジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が
縮合した核;および、これらの核に芳香族炭化水素環が
縮合した核、すなわち、インドレニン核、ベンズインド
レニン核、インドール核、ベンズオキサドール核、ナフ
トオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾ
ール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール
核、キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原
子上に置換されていてもよい。メロシアニン色素または
複合メロシアニン色素には、ケトメチレン構造を有する
核として、ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン
核、2−チオオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チア
ゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバル
ビツール酸核などの5〜6員の異節環核等を適用するこ
とができる。
【0048】色素を乳剤中に添加する時期は、乳剤調製
のいかなる段階であってもよい。もっとも普通には、化
学増感の完了後塗布前までの時期に行なわれるが、米国
特許3628969号および同4225666号各明細
書に記載されているように化学増感剤と同時期に添加
し、分光増感を化学増感と同時に行うことも、特開昭5
8−113928号公報に記載されているように化学増
感に先立って行うこともできる。また、ハロゲン化銀粒
子沈殿生成の完了前に添加し、分光増感を開始すること
もできる。さらにまた米国特許4225666号明細書
に教示されているように、これらの前記化合物を分けて
添加すること、すなわち、これらの化合物の一部を化学
増感に先立って添加し、残部を化学増感の後で添加する
ことも可能であり、米国特許4183756号明細書に
教示されている方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成
中のどの時期であってもよい。添加量は、ハロゲン化銀
1モル当り4×10-6〜8×10-3モルで用いることが
できる。
【0049】本発明により調製されたハロゲン化銀乳剤
は、カラー写真感光材料および黒白写真感光材料のいず
れにもに用いることができる。カラー写真感光材料とし
ては、特にカラーペーパー、カラー撮影用フィルム、カ
ラーリバーサルフィルムに用いられ、黒白写真感光材料
としては、X線用フィルム、一般撮影用フィルム、印刷
感材用フィルム等を挙げることができるが、特にカラー
ペーパーに好ましく用いることができる。
【0050】本発明の乳剤を適用する写真感光材料のそ
の他の添加剤に関しては特に制限はなく、例えば、リサ
ーチディスクロージャー誌(Reaearch Dis
closure)176巻、アイテム17643(RD
−17643)、同187巻、アイテム18716(R
D−18716)および同307巻、アイテム3071
05(RD−307105)の記載を参考にすることが
できる。
【0051】RD−17643およびRD−18716
における各種添加剤の記載箇所を以下にリスト化して示
す。 ──────────────────────────────────── 添加剤種類 RD17643 RD18716 ──────────────────────────────────── 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 強色増感剤 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄〜 および安定剤 6 光吸収剤、フ 25〜26頁 649頁右欄〜 ィルター染料 650頁左欄 赤外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、界面 26〜27頁 同上 活性剤 13 スタチック防止剤 27頁 同上 ────────────────────────────────────
【0052】前記添加剤のうちカブリ防止剤、安定化剤
としてはアゾール類(例えば、ベンゾチアゾリウム塩、
ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、
クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾー
ル類、ニトロインダゾール類、ベンゾトリアゾール類、
アミノトリアゾール類など);メルカプト化合物類(例
えば、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチア
ゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプ
トチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特
に、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールおよび
その誘導体)、メルカプトピリミジン類、メルカプトト
リアジン類など);例えばオキサドリンチオンのような
チオケト化合物;アザインデン類(例えば、トリアザイ
ンデン類、テトラアザインデン類(特に、4−ヒドロキ
シ−6−メチル(1,3,3a,7)テトラアザインデ
ン)、ペンタアザインデン類など);ベンゼンチオスル
ホン類;ベンゼンスルフィン酸;ベンゼンスルホン酸ア
ミド等を好ましく用いることができる。
【0053】カラーカプラーとしては、分子中にバラス
ト基と呼ばれる疎水性基を有する非拡散性のもの、また
はポリマー化されたものが望ましい。カプラーは銀イオ
ンに対し4当量性あるいは2当量性のどちらでもよい。
また、色補正の効果をもつカラードカプラー、あるいは
現像にともなって現像抑制剤を放出するカプラー(いわ
ゆるDIRカプラー)を含んでもよい。また、カップリ
ング反応の生成物が無色であって、現像抑制剤を放出す
る無呈色DIRカップリング化合物を含んでもよい。例
えばマゼンタカプラーとして、5−ピラゾロンカプラ
ー、ピラゾロベンツイミダゾールカプラー、ピラゾロト
リアゾールカプラー、ピラゾロテトラゾールカプラー、
シアノアセチルクマロンカプラー、開鎖アシルアセトニ
トリルカプラー等があり、イエローカプラーとして、ア
シルアセトアミドカプラー(例えば、ベンゾイルアセト
アニリド類、ピバロイルアセトアニリド類)等があり、
シアンカプラーとして、ナフトールカプラーおよびフェ
ノールカプラー等がある。シアンカプラーとしては米国
特許3772002号、同2772162号、同375
8308号、同4126396号、同4334011
号、同4327173号、同3446622号、同43
33999号、同4451559号、同4427767
号各明細書等に記載のフェノール核のメタ位にエチル基
を有するフェノール系カプラー、2,5−ジアシルアミ
ノ置換フェノール系カプラー、2位にフェニルウレイド
基を有し5位にアシルアミノ基を有するフェノール系カ
プラー、ナフトールの5位にスルホンアミド、アミドな
どが置換したカプラーなどが画像の堅牢性が優れており
好ましい。上記カプラー等は、感光材料に求められる特
性を満足するために同一層に二種類以上を併用すること
もできるし、同一の化合物を異なった2層以上に添加す
ることも、もちろん差支えない。
【0054】退色防止剤としてはハイドロキノン類、6
−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン類、
スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール類、ビス
フェノール類を中心としたヒンダードフェノール類、没
食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、アミノフ
ェノール類、ヒンダートアミン類およびこれら各化合物
のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化したエー
テルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げられ
る。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッケル錯
体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマ
ト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用でき
る。
【0055】本発明を用いた感光材料の写真処理には、
公知の方法のいずれをも用いることができるし、処理液
には公知のものを用いることができる。また、処理温度
は通常、18℃から50℃の間に選ばれるが、18℃よ
り低い温度または50℃をこえる温度としてもよい。目
的に応じ、銀画像を形成する現像処理(黒白写真処
理)、あるいは、色素像を形成すべき現像処理から成る
カラー写真処理のいずれも適用することができる。黒白
現像液には、ジヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロ
キノン)、3−ピラゾリドン類(例えば1−フェニル−
3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(例えばN−
メチル−p−アミノフェノール)等の公知の現像主薬を
単独あるいは組み合せて用いることができる。カラー現
像液は、一般に、発色現像主薬を含むアルカリ性水溶液
からなる。発色現像主薬は公知の一般芳香族アミン現像
剤、例えばフェニレンジアミン類(例えば4−アミノ−
N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エチル−
N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メ
タンスルホンアミドエチルアニリン、4−アミノ−3−
メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン
など)を用いることができる。この他、L.F.A.メ
ソン著「フォトグラフィック・プロセシン・ケミストリ
ー」、フォーカル・プレス刊(1966年)の226〜
229頁、米国特許2193015号、同259236
4号各明細書、特開昭48−64993号公報などに記
載のものを用いてもよい。
【0056】現像液は、その他、アルカリ金属の亜硫酸
塩、炭酸塩、ホウ酸塩、およびリン酸塩のようなpH緩
衝剤、臭化物、沃化物、および有機カブリ防止剤のよう
な現像抑制剤ないしカブリ防止剤などを含むことができ
る。また、必要に応じて、硬水軟化剤、ヒドロキシルア
ミンのような保恒剤、ベンジルアルコール、ジエチレン
グリコールのような有機溶剤、ポリエチレングリコー
ル、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進
剤、色素形成カプラー、競争カプラー、水素化ホウ素ナ
トリウムのようなカブらせ剤、1−フェニル−3−ピラ
ゾリドンのような補助現像薬、粘性付与剤、米国特許4
083723号明細書に記載のポリカルボン酸系キレー
ト剤、西独公開(OLS)2622950号明細書に記
載の酸化防止剤などを含んでいてもよい。カラー写真処
理を施した場合、発色現像後の写真感光材料は通常漂白
処理される。漂白処理は、定着処理と同時に行われても
よいし、個別に行われてもよい。漂白剤としては、例え
ば鉄(III) 、コバルト(III) 、クロム(IV)、銅(II)など
の多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロソ化合
物が用いられる。例えば、フェニリシアン化物、重クロ
ム酸塩、鉄(III) またはコバルト(III) の有機錯塩(例
えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、
1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸などのアミ
ノポリカルボン酸類あるいはクエン酸、酒石酸、リンゴ
酸などの有機酸の錯塩)、過硫酸塩、過マンガン酸塩、
ニトロソフェノールなどを用いることができる。これら
のうち、フェリシアン化カリ、エチレンジアミン四酢酸
鉄(III) ナトリウムおよびエチレンジアミン四酢酸鉄(I
II) アンモニウムは特に有用である。エチレンジアミン
四酢酸鉄(III) 錯塩は、独立の漂白液においても、一浴
漂白定着液においても有用である。
【0057】漂白または漂白定着液には、米国特許30
42520号、同3241966号各明細書、特公昭4
5−8506号、特公昭45−8836号などの公報に
記載の漂白促進剤、特開昭53−65732号公報に記
載のチオール化合物の他、種々の添加剤を加えることも
できる。また、漂白または漂白定着後は水洗処理しても
よく、安定化浴処理するのみでもよい。
【0058】
【実施例】以下実施例を示すが、実施例に用いられた保
護コロイドを以下に示す。
【0059】 K−1 ゼラチン(アルカリ処理骨ゼラチン) 平均分子量 10万 K−2 低分子量ゼラチン 平均分子量 1万 K−3 ビニルアルコール/ ビニルピロリドン共重合体 平均分子量 6万 K−4 アクリルアミド/アクリル酸/ビニルイミダゾール/ ジアセトンアクリルアミド共重合体 (24/7/4/60 モル比) 平均分子量 5万 K−5 カラゲ−ナン(ラムダータイプ) 平均分子量 不明 K−6 2−メチル−5−ビニルピリジン/ スチレン共重合体(9/1 モル比) 平均分子量 不明 K−7 2−(メタクリロイルオキシ)エチル トリメチルアンモニウムメトサルフェート/ アクリル酸共重合体(1/4 モル比) 平均分子量 6万 K−8 アザインデン基を持つビニルポリマー 平均分子量 6万
【0060】
【化19】
【0061】 K−9 ヒドロキシキノリン基を持つビニルポリマー 平均分子量 7万
【0062】
【化20】
【0063】[実施例1]水1000ml、臭化カリウ
ム0.25gと第1表に示す高分子化合物を混合し、p
H5.0の水溶液とした。この水溶液を75℃に保ち撹
拌しながら、硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液とを精
密定流量ポンプで3.6ml/分(AgNO3 0.05
g/分に相当)で10分間同時添加し、続いて、25.
2ml/分で7分間、同時添加した。この添加中pBr
は一定であった。この時点でのAgBrの粒子径は、
0.26μm(円相当径)であった。引き続き銀電位を
0mVにし、硝酸銀水溶液(AgNO3 125g/90
0ml)と臭化カリウム水溶液(1N)とを用いて、硝
酸銀水溶液を加速(一次)しながら、70分間添加した
ところ、円相当径で0.95μmの単分散AgBr八面
体が得られた。水洗前または水洗後に第1表に示す高分
子化合物を加え、水洗時にゼラチンがある場合は通常の
フロキュレーション法で、また、水洗時にゼラチンがな
い場合は自然沈降により脱塩水洗し、加水したあと、p
Hを6.2、pAgを8.5に合せた。これらの乳剤を
60℃に昇温し、第1表に示すテルル増感剤を加えて6
0分間熟成した。その後、ゼラチン、4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、ポ
リ−スチレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムを加えて、下塗り層を有するトリ
アセチルセルロースフィルム支持体上に、ゼラチン、ポ
リメチルメタクリレート粒子、2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩を含む保護層
と共に同時押し出し法で塗布した。
【0064】これらの試料に、センシトメトリー用露光
(1/100秒)を光学くさびを介して与えたあと、下
記処方のMAA−1現像液で20℃で10分間現像し、
常法により停止、定着、水洗、乾燥し、濃度を測定し
た。相対感度を、カブリ値+0.2の光学濃度を得るた
めに必要な露光量の逆数の相対値で表し、試料1の値を
100とした。
【0065】 MAA−1現像液 ──────────────────────────────────── メトール 2.5g アスコルビン酸 10.0g ナボックス 35 g KBr 1.0g 水を加えて 1 リットルに ────────────────────────────────────
【0066】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 試料 高分子化合物の添加時期(量g) 増感剤添加量 カブリ 相対 粒子形成時 水洗前 水洗後 (モル/モル AgX) 感度 ──────────────────────────────────── 1 K-1 (36) − K-1 (80) 10 (2x10-5) 0.34 100 比較 2 K-2 (36) − − 同上 0.28 104 本発明 3 K-3 (10) − − 同上 0.22 107 本発明 4 K-4 (2.5) − − 同上 0.21 98 本発明 5 K-5 (20) − − 同上 0.24 110 本発明 6 K-6 (25) K-1 (36) − 同上 0.24 112 本発明 7 K-1 (36) − K-1 (80) 23 (2x10-5) 0.44 87 比較 8 K-6 (25) K-1 (36) − 同上 0.36 94 本発明 9 K-1 (36) − K-1 (80) 62 (8x10-6) 0.18 128 比較 10 K-6 (25) K-1 (36) − 同上 0.16 128 本発明 ────────────────────────────────────
【0067】第1表より明らかなように、本発明の高分
子化合物の存在下でテルル増感を行ったハロゲン化銀写
真感光材料は、通常のゼラチンのみを用いるものに比べ
て、カブリが低下し、時には感度も上昇する。また、表
から解るように、ハロゲン化銀の粒子形成時から高分子
化合物を用いれば、最も好ましい結果を得ることができ
る。
【0068】[実施例2]KBr0.05g、3,6−
ジチア−1,8−オクタンジオール0.3gと第2表の
高分子化合物を含むpH3.0の水溶液1リットルを6
0℃に保ち、撹拌しながら、硝酸銀水溶液(1M)72
0mlと臭化カリウム(1M)と沃化カリウム(0.0
2M)の混合水溶液とを銀電位+30mVに保ち36分
間で添加した。得られた沃臭化銀乳剤は、粒子直径が約
0.35μmであり、ほとんどは角の欠けた立方体単分
散乳剤である。粒子形成終了後、本発明の高分子化合物
を用いた乳剤には、ゼラチン12gを添加し、通常のフ
ロキュレーション法で脱塩水洗した。次に、水を加え、
pHを5.9、pAgを8.7に合せた。これらの乳剤
を56℃に昇温した後、増感色素アンヒドロ−5,5’
−ジクロロ−9−エチル−3,3’−ジ(3−スルホプ
ロピル)チアカルボシアニンハイドロオキサイド・Na
塩と、アンヒドロ−9−エチル−3,3’−ジ(3−ス
ルホプロピル)ナフトチアカルボシアニンハイドロオキ
サイド・Na塩を加え、次に塩化金酸(8×10-6モル
/銀モル)、チオシアン酸カリウム(2×10-3モル/
銀モル)と第2表に示す増感剤を加えて、30分間熟成
した。その後、マゼンタカプラー;3−{3−[2−
(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル
アミノ]ベンゾイルアミノ}−1−(2,4,6−トリ
クロロフェニル)ピラゾロン−5−オン、トリクレジル
フォスフェート、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン、1−(3−スルホフ
ェニル)−5−メルカプトテトラゾールモノナトリウム
塩、ポリ−スチレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、1,2−ビス(ビニルス
ルホニルアセチルアミノ)エタンを添加して、ポリメチ
ルメタクリレート粒子を含むゼラチン保護層と共に、ト
リアセチルセルロースフィルム支持体上に同時押し出し
法で塗布した。
【0069】これらの試料にイエローフィルターを介し
て、光くさび下で露光(1/100秒)し、下記のカラ
ー現像処理を行った。処理済みの試料を緑色フィルター
で濃度測定した。得られた写真性能を第2表に示した。
相対感度は、カブリ値+0.2の光学濃度を得るために
必要な露光量の逆数の相対値で表し、試料20の値を1
00とした。
【0070】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 試料 高分子化合物の添加時期(量g) 増感剤添加量 カブリ 相対 粒子形成時 水洗後 (モル/モル AgX) 感度 ──────────────────────────────────── 20 K-1 (30) K-1 (90) 39(1.6x10-5) 0.55 100 比較 21 K-1 (30) K-1 (90) 39(1.2x10-5) 0.34 71 比較 22 K-7 (10) − 39(1.6x10-5) 0.32 94 本発明 23 K-8 (10) − 同上 0.15 112 本発明 24 K-9 (10) − 同上 0.30 96 本発明 25 K-2(5) + K-8(10) − 同上 0.23 121 本発明 26 K-1 (30) K-1 (90) 39 (8x10-6) 0.28 83 比較 +チオ硫酸ナトリウム(1.6x10-5) 27 K-8 (10) − 同上 0.12 80 本発明 ────────────────────────────────────
【0071】第2表より明らかなように、高温迅速のカ
ラー現像処理においても、ゼラチンに代えて、本発明の
高分子化合物を用いてテルル増感を行うと、感度が下が
る場合はあるものの、カブリが抑制された。
【0072】 (カラー現像処理方法) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 2分15秒 38℃ 漂 白 3分00秒 38℃ 水 洗 30秒 24℃ 定 着 3分00秒 38℃ 水洗 (1) 30秒 24℃ 水洗 (2) 30秒 24℃ 安 定 30秒 38℃ 乾 燥 4分20秒 55℃ 次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−[N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ]− 2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0リットル pH 10.05 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.08 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 水を加えて 1.0リットル pH 6.0 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸アンモニウム 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/l) 290.0ml 水を加えて 1.0リットル pH 6.7 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5
【0073】[実施例3] (乳剤A)0.05Mの臭化カリウムを含有する0.8
重量%のK−1(ゼラチン)溶液1リットルに、撹拌し
ながらダブルジェット法で0.39Mの硝酸銀溶液と、
同じく0.39Mの臭化カリウム溶液とを15cc、1
5秒間で添加する。この間、ゼラチン溶液は30℃に保
たれた。添加後、75℃に昇温した。また、10重量%
のK−1(ゼラチン溶液)220ccを追加した。上記
第一段目添加終了後、0.47Mの硝酸銀溶液を29分
で78cc添加した。さらに10分後から60分間に1
50gの硝酸銀を、加速された流量(終了時の流量が開
始時の流量の19倍)で添加した。この60分間、pB
rを2.55に保ち成長させたところ、平均等投影面積
円相当直径が1.4μmであり、平均の厚みは0.14
μmであり、最小の長さを有する辺の長さに対する最大
の長さを有する辺の長さの比が2以下の六角平板粒子が
全粒子の87%を占め、かつ変動係数が16%である単
分散六角平板粒子が形成できた。この乳剤を、通常のフ
ロキュレイション法で脱塩、水洗した後、ゼラチンおよ
び水を加え、40℃でpH6.5、pAg8.5に調製
し、容量を1リットルとした。
【0074】(乳剤B)0.05Mの臭化カリウムを含
有する水溶液1リットル中に、前記したK−2を5g加
えた。次に撹拌しながらダブルジェット法で0.39M
の硝酸銀溶液と、同じく0.39Mの臭化カリウム溶液
とを15cc、15秒間で添加した。この間、溶液は3
0℃に保たれた。添加後、75℃に昇温した。また、前
記したK−2を25g含む水溶液220ccを追添加し
た。次に0.47MのAgNO3 溶液78ccを29分
間で添加した。さらに10分後、60分間で150gの
AgNO3 を流量を加速しながら(終了時の流量が開始
時の流量の19倍)で添加した。この60分間、pBr
を2.55に保ち成長させたところ、前記(乳剤A)と
同様のサイズ、形状の単分散六角平板粒子が形成でき
た。この乳剤を自然沈降させ、脱塩後加水し、pH6.
5、pAgを8.5に調製し、容量を1リットルとし
た。次に各乳剤を60℃にして沃化カリウムと増感色素
アンヒドロ−5,5’−ジクロロ−9−エチル−3,
3’−(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンハ
イドロオキサイドNa塩を加え、塩化金酸(1.2×1
-5モル/銀モル)、チオシアン酸カリウム(8×10
-4モル/銀モル)と本発明のテルル増感剤43(8×1
-6モル/銀モル)とチオ硫酸ナトリウム(1.6×1
-5モル/銀モル)、トリフェニルフォスフィンセレニ
ド(8×10-6モル/銀モル)とを加え、50分間熟成
した。このあと、実施例1と同様にして(ただし、イエ
ローフィルターを介して露光した)第3表の結果を得
た。
【0075】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 乳 剤 カブリ 相対感度 ──────────────────────────────────── A 0.16 100 比 較 B 0.12 100 本発明 ────────────────────────────────────
【0076】第3表よりわかるように、平板状乳剤にお
いても、本発明の効果は明らかである。
【0077】[実施例4]K−1(ゼラチン)72g
(乳剤C)または本発明のK−8 10g(乳剤D)と
NaCl 16gとを含有する水溶液8リットルへ、A
gNO3 1Kgを含む水溶液と、KBr 161gとN
aCl 265gとを含む水溶液とを同時に52℃で3
2分間添加し、平均粒子サイズが約0.3μmの塩臭化
銀乳剤(Br23モル%)を調製した。この時、前半の
10分間に塩化ロジウムとK3 IrCl6 とを各々5×
10-7モル/銀モルとなるよに添加した。次に乳剤Dに
はK−1(ゼラチン)を24g加え、通常のフロキュレ
ーション法により可溶性塩類を脱塩、水洗したあと、ゼ
ラチン、水を加えてpHを6.0、pAgを7.5に調
製した。この乳剤を40分間、60℃に昇温し、本発明
の増感剤53(1.2×10-5モル/銀モル)を加えて
化学増感を施した。次いで、ゼラチン、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、
フェノキシエタノール、ハイドロキノン、ポリエチルア
クリレートラテックス、2−ビス(ビニルスルホニルア
セトアミド)エタンを添加し、ポリエチレンテレフタレ
ート支持体上に、ゼラチン、ポリメチルメタクリレー
ト、コロイダルシリカ、ポリエチルアクリレートラッテ
クス、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む保
護層とともに同時押し出し法で塗布し試料を得た。こう
して得られた試料を光くさび下で露光(1/1000秒
間)したあと、富士写真フイルム(株)製現像液LD−
835で38℃で20秒間現像し、同社製定着液LF−
308で36℃で20秒間定着したあと、水洗、乾燥し
センシトメトリーを行った。写真感度は、カブリ値+
2.0の光学濃度を得るのに必要な露光量の逆数の相対
値で表し、乳剤Cの試料を100とした。
【0078】
【表4】 第4表 ──────────────────────────────────── 乳 剤 カブリ 相対感度 ──────────────────────────────────── C 0.12 100 比 較 D 0.09 100 本発明 ────────────────────────────────────
【0079】第4表より明らかなように、本発明の高分
子化合物により、テルル増感時のカブリ発生が抑制で
き、かつ迅速処理に適した感材が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料であって、
    前記ハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子に対して保
    護コロイド作用を有する合成高分子化合物、ゼラチン以
    外の天然高分子化合物および低分子量ゼラチンからなる
    群より選らばれる少なくとも一つの物質の存在下でハロ
    ゲン化銀粒子の形成およびテルル増感が行なわれたハロ
    ゲン化銀乳剤であることを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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