JP2000297391A - 酸洗浄剤及びその製造方法 - Google Patents

酸洗浄剤及びその製造方法

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JP2000297391A
JP2000297391A JP11103208A JP10320899A JP2000297391A JP 2000297391 A JP2000297391 A JP 2000297391A JP 11103208 A JP11103208 A JP 11103208A JP 10320899 A JP10320899 A JP 10320899A JP 2000297391 A JP2000297391 A JP 2000297391A
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nitric acid
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surfactant
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Tatsuo Mimura
達雄 三村
Hideharu Kakihara
秀晴 柿原
Masaharu Tsunoda
正治 角田
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KUROSAKI KAGAKU KOGYO KK
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/02Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
    • C23G1/025Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions acidic pickling pastes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある種の金属塩を混酸と反応させて均質な金
属複塩として透明なコロイド状物とすることができ、こ
れにより伸展性を有し、作業状態にあわせて液状にも、
ゼリー状にもすることができ、刷毛塗りやスプレー塗り
等の簡単な作業で高い洗浄効果を得ることのできる酸洗
浄剤の提供、及び、洗浄性に優れ、かつ安全性や取扱い
性作業性に優れた親水性ゲル状の酸洗浄剤を低原価で量
産できる製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 硝酸と、前記硝酸に可溶なフッ素化合物
と、アルカリ土類金属化合物と、界面活性剤と、腐食抑
制剤と、を含有した構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼等金
属の表面に発生した酸化スケ−ル、赤錆、もらい錆及び
油脂等を洗浄するのに好適なゾル状乃至ゲル状の酸洗浄
剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼を熱間で加工したり、熱処
理や、溶接等を行った場合、表面に酸化スケ−ルが生じ
る。また付着した油脂、塵埃、異種金属粉、もらい錆等
の汚れはステンレス鋼の美しさを損うと共に、その耐食
性にも影響する。
【0003】そこで、ステンレス鋼の表面を化学的に均
一に仕上げることが必要である。化学的に洗浄する方法
としては酸洗浄剤による洗浄がある。しかし、ステンレ
ス鋼はそれ自体が自然発生的に形成する酸化膜(不動
態)でおおわれているため、通常の酸洗浄剤では均一な
洗浄はかなり困難であり、一般的には強力な酸洗浄剤、
例えばフッ硝酸のような混酸が用いられている。
【0004】また、液状の酸洗浄剤では起立性のステン
レス製品に対して、刷毛塗りやスプレーでの吹き付けに
よる洗浄方法では液ダレを起こし該製品の表面に付着し
た洗浄剤の膜厚が均一にならないため、酸洗班が起きや
すく、その結果、不動態の生成斑が生じ、色斑が生じる
という問題点を有していた。これを防ぐために硫酸アル
ミニウム、硫酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硝酸ナ
トリウム、ベントナイト、シリカ、白土等の無機粉体を
混合してペースト状にした酸洗浄剤が近年用いられてき
た。
【0005】しかしながらこれらは、洗浄に長時間を要
し、また、無機粉体によるいわゆる玉が出来易く、その
結果洗浄斑が生じ易いという問題点を有していた。更
に、低合金鋼やフェライト系ステンレス鋼では粒界腐食
を生じさせるという問題点を有していた。
【0006】そこで、これらの問題点を解決するため
に、種々の研究がなされている。例えば、特開昭59−
83783号公報(以下イ号公報という)には、鋼帯を
硫酸水溶液中に浸漬してスケ−ルを溶解除去し、次い
で、鋼表面に付着した汚れ(スマット)を硝酸水溶液中
で除去しかつ表面を不動態化する酸洗い方法が開示され
ている。
【0007】また、特許第2588646号公報(以下
ロ号公報という)には、Ptイオン、PdイオンとRh
イオンの各イオンの1種または2種以上を含有する塩酸
水溶液に鋼質金属を浸漬または電解処理する鋼質金属の
高速酸洗い方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の酸洗浄剤やその製造方法では、以下の課題を有してい
た。 (1)従来のフッ硝酸系の酸洗浄剤は毒劇物であるフッ
化水素酸を使用するためその取扱いに注意を要し、また
酸洗浄処理装置類に耐酸性等の特別の配慮を必要とし、
安全性や作業性に欠けるとともに、酸洗浄装置類の原価
が高く洗浄コストが上がるという問題点を有していた。 (2)ステンレス鋼を酸洗浄剤に浸漬する方法は、酸洗
浄剤が多量に必要で、かつ数回使用すると浸漬剤が錆、
油脂等で汚れてしまい取り換えなければならず、洗浄効
率に欠けるとともに、廃洗浄液の酸度が高く、量が多い
ので、廃洗浄液の中和等の水処理に多大の設備を要すと
いう問題点を有していた。 (3)イ号公報に記載の酸洗い方法では、酸洗浄剤によ
る処理の後に、ステンレス鋼の表面に耐腐食性を付与す
るため新たに不動態化処理を行なわねばならず、作業工
数が増えるとともに、作業が煩雑で作業性に欠けるとい
う問題点を有していた。 (4)ロ号公報に記載の浸漬または電解処理する方法で
は、ステンレス鋼の電解処理の時間が長く、しかも、ス
テンレス鋼自体をひとつの電極とするものであるため、
大型の電源装置や電解装置を要する結果、多大の設備コ
ストを要し、またその保守管理に多大の労力を要すとい
う問題点を有していた。 (5)ロ号公報に記載の浸漬処理する方法では、ステン
レス鋼を電解処理する際、PtイオンやPdイオン及び
Rhイオン等の重金属を用いるので、排水処理に多大の
設備を要すという問題点を有していた。 (6)無機粉体を混合してペースト状に形成した酸洗浄
剤は基剤の酸洗浄液と均一に混合し難くいわゆる玉が生
じ洗浄斑が生じ易く洗浄性に欠けるという問題点を有し
ていた。 (7)ペースト状の酸洗浄剤は製造時に粉体の取扱いや
混合の際の作業性に欠け生産性に欠けるという問題点を
有していた。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、ある種の金属塩を混酸と反応させて均質な金属複塩
として透明なコロイド状物とすることができ、これによ
り伸展性を有し、作業状態にあわせて液状にも、ゼリー
状にもすることができ、刷毛塗りやスプレー塗り等の簡
単な作業で高い洗浄効果を得ることのできる酸洗浄剤の
提供、及び、洗浄性に優れ、かつ安全性や取扱い性作業
性に優れた親水性ゲル状の酸洗浄剤を低原価で量産でき
る製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の酸洗浄剤は、硝酸と、硝酸又は水に可溶なフ
ッ素化合物と、アルカリ土類金属化合物と、界面活性剤
と、腐食抑制剤と、を含有した構成を有している。
【0011】これにより、伸展性に優れ、作業条件にあ
わせて液状やゼリー状にもすることができ、洗浄の多様
性を向上させるとともに、刷毛塗りやスプレー塗り等も
可能で作業性に優れるとともに、タンク等の起立性の鋼
板に対しても粘性を有しているので必要膜厚を有した洗
浄塗膜を維持して均一に形成することができる粘着性の
酸洗浄剤を得ることが出来る。
【0012】また、本発明の酸洗浄剤の製造方法は、ア
ルカリ土類金属化合物と硝酸又は水に可溶なフッ素化合
物の混合物に水を添加する水和工程と、水和工程で得ら
れた水和混合物に界面活性剤と腐食抑制剤を混合して調
合する助剤調合工程と、助剤調合工程で得られたスラリ
ー状の溶液に硝酸を混入し安定なゾル状乃至ゲル状の溶
液を生成する粘稠化工程と、を備えた構成を有してい
る。
【0013】これにより、該金属塩やフッ素化合物やマ
グネシウム化合物を水に溶解させるので、均質に溶解さ
せることができ、いわゆる玉などの発生を防止できる。
均質な水和物に硝酸を混合するので短時間で均一に混合
することができ生産性を高めることができる。界面活性
剤を水和混合物に含有させているので、水和混合物と硝
酸の均質性を向上させ安定なコロイド状の酸洗浄剤を得
ることができる。酸洗浄剤のゲル性状が安定なので、希
釈しても安定なゾル状になり濃度斑等を生じさせること
がない。また、洗浄塗膜の安定性に優れ、起立状態の被
洗浄物に刷毛塗りしても液ダレがなく安定した洗浄塗膜
を与えることができ作業性を著しく向上させるとともに
洗浄場所の周囲を液ダレで汚すのを防止できる。
【0014】また、均一混合が短時間で達成できるので
混合時間が著しく短縮され生産性を高めることができ
る。酸洗浄剤が均一なゾル状乃至ゲル状のコロイド状で
生産されるので、洗浄性に優れ、かつ安全性や取扱い性
作業性に優れた親水性コロイド状の酸洗浄剤と低原価で
量産できる製造方法を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の酸洗浄
剤は、硝酸と、硝酸又は水に可溶なフッ素化合物と、ア
ルカリ土類金属化合物と、界面活性剤と、腐食抑制剤
と、を含有した構成を有している。
【0016】これにより、以下の作用が得られる。 (1)粘度の調整が自由で、透明性に優れたゾル状乃至
ゲル状の酸洗浄剤が得られる。 (2)硝酸とアルカリ土類金属化合物の反応が発熱反応
で、フッ素化合物と水との反応が吸熱反応なので、これ
らを混合することにより加熱等の作業工程を要せずに酸
洗浄剤を得ることができる。 (3)フッ化水素酸を使用しないので、フッ化水素酸ガ
スの発生を抑制できるとともに、作業の安全性や環境保
全性を向上することができる。 (4)複塩化剤としてアルカリ土類金属化合物を用いた
ことで、酸洗浄剤の粘度を増加させるとともに、遊離状
態の混酸濃度を減少させ、作業の安全性を向上させるこ
とができる。 (5)界面活性剤を用いているので、親水性のコロイド
状の酸洗浄剤がステンレス鋼金属の表面で均一に拡散で
き、金属表面の汚れの分散を加速し、酸化スケ−ル、赤
錆、もらい錆及び油脂等を効率的に洗浄できる。また酸
洗浄剤がステンレス鋼金属の表面に均一に塗布できるの
で、洗浄した金属表面の外観の斑状又は色のばらつきを
防止させることができる。 (6)腐食抑制剤を用いているので、フッ酸で鋼鉄等の
地肌を出して洗浄するとともに腐食抑制剤で腐食(鋼の
溶出)を防止するので、酸洗浄剤によるステンレス鋼等
金属表面の腐食又は溶出の著しい軽減化を図ることがで
きる。
【0017】ここで、アルカリ土類金属化合物として
は、フッ素化合物と複塩化可能なものであればよい。界
面活性剤としては、耐酸性に強く吸着力の強いものであ
ればよく、具体的には非イオン系界面活性剤や陽イオン
系界面活性剤が好適に用いられる。
【0018】腐食抑制剤としては、以下のものが好適に
用いられる。 (a)脂肪族アミンや芳香族アミン、ピリジン、キノリ
ン、脂肪族アミド及びその誘導体、若しくはこれらの塩
(ex.アルキルピリジニウム塩等) (b)メルカプタン、サルファイト、チオ尿素系化合物
及びその誘導体 (c)アルデヒド、ケトン、カルボン酸系化合物及びそ
の誘導体 (d)プロパギルアルコール等のアセチレン化合物及び
その誘導体 (e)朝日化学工業社製の商品名:イビット(No.2
000A,No.7000K)、三菱化学社製の商品
名:TETRADX,TETRADC等) フッ素化合物は水又は硝酸に溶解することによってフッ
素イオンを生成するものであれば、特に限定されるもの
ではない。
【0019】本発明の請求項2に記載の酸洗浄剤は、請
求項1の発明において、フッ素化合物がフッ化ナトリウ
ム,フッ化水素アンモニウム,フッ化アンモニウム,フ
ッ化カリウムの内いずれか1種以上からなり、アルカリ
土類金属化合物が硫酸マグネシウム,塩化マグネシウ
ム,硝酸マグネシウム,炭酸マグネシウム,水酸化マグ
ネシウム等のマグネシウム化合物の内いずれか1種以上
からなり、界面活性剤が非イオン界面活性剤の1種以上
からなり、腐食抑制剤がグリシジルアミン、ポリエチレ
ンイミン或いはイビット(朝日化学工業社製)の少なく
とも1種以上からなった構成を有している。
【0020】これにより、請求項1で得られる作用の
他、以下の作用が得られる。 (1)フッ化水素酸以外のフッ素化合物を用いているの
で、従来のフッ化水素酸を用いた酸洗浄剤に比べて、毒
性の強いフッ化水素ガスの発生を抑制できるとともに、
作業の安全性や環境保全性を向上できる。 (2)アルカリ土類金属化合物としてマグネシウム化合
物を用いているので、アルカリ土類金属化合物をフッ素
化合物や硝酸等と反応させ、安定なゾル状乃至ゲル状の
酸洗浄剤を得ることができる。 (3)マグネシウム化合物を用いるので、ゾル状乃至ゲ
ル状の酸洗浄剤の安定化を向上させることができる。マ
グネシウムは硝酸に可溶であるが、フッ素イオンと反応
して不溶性となる。この三成分のバランスにより安定な
コロイドゲル状となり、刷毛塗り等で鋼板の垂直面に塗
っても液ダレが生じるのを防止できる。 (4)界面活性剤を用いているので、親水性のコロイド
状の酸洗浄剤がステンレス鋼等金属の表面に均一に塗布
(塗着)することができ、金属表面の汚れの分散を加速
し、酸化スケ−ル、赤錆、もらい錆及び油脂等を効率的
に洗浄させることができる。 (5)界面活性剤を用いているので、親水性のコロイド
状の酸洗浄剤がステンレス鋼等金属の表面に均一に塗着
させることができるとともに、洗浄した金属表面の外観
の斑や色のばらつきを防止させることができる。界面活
性剤として非イオン界面活性剤を用いた場合は、更に金
属表面の脱脂性を高め洗浄効率を高めることができる。 (6)腐食抑制剤は酸洗浄剤で洗浄された金属表面に吸
着して、過剰な金属表面の溶解を防止することができ
る。 (7)酸洗浄剤が透明性に優れているので、洗浄が進に
つれ錆が酸洗浄剤に溶出しだし酸化鉄による赤色やクロ
ムイオンによる緑色等の着色が濃ゆくなり色度変化によ
り洗浄の程度を簡単に目視で確認できるので、洗浄の進
捗状況が把握でき作業性に優れる。
【0021】ここで、界面活性剤としては、ポリエチレ
ングリコ−ル、ポリオキシエチレンラウリルエ−テル、
ポリオキシエチレンセチルエ−テル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエ−テル、ポリオキシエチレンオレイルエ
−テル、ポリオキシエチレンベヘニルエ−テル、ポリオ
キシエチレンノニルフエニルエ−テル、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム或いはラウリル硫酸ナトリウム
の1種又は2種以上が用いられる。尚、これらに陽イオ
ン界面活性剤を添加してもよい。金属への吸着性を向上
し洗浄性を向上できる。
【0022】本発明の請求項3に記載の酸洗浄剤は、請
求項1又は2の発明において、硝酸が1〜35wt%、
フッ素化合物がフッ酸として1〜23wt%、好ましく
は2〜15wt%、アルカリ土類金属化合物がマグネシ
ウムとして1〜9wt%、好ましくは2〜6wt%、界
面活性剤が0.01〜2wt%、好ましくは0.1〜2
wt%、腐食抑制剤が0.05〜2wt%及び水が19
〜87.94wt%調合された構成を有している。
【0023】これにより、請求項1又は2で得られる作
用の他、以下のような効果が得られる。 (1)硝酸とアルカリ土類金属化合物の反応が発熱反応
で、フッ素化合物と水との反応が吸熱反応なので、これ
らを混合することにより、生成熱の発生が抑制でき、冷
却水等を用いることなく低原価で量産できるという作用
を有する。 (2)ゾルやゲルの安定性に優れ、更にゲルの場合、ゲ
ル強度に優れた酸洗浄剤を得ることができる。 (3)ゾルやゲルの安定性に優れるので、起立したステ
ンレス材に塗着しても液ダレがなく、安定した洗浄塗膜
を得ることができる。
【0024】ここで、硝酸は、HNO3 として10〜3
5wt%が配合されるのが好ましく、10wt%より少
なくなるにつれ又は35wt%を越えるにつれコロイド
状ゲルが生成し難い傾向を有するので好ましくない。
【0025】フッ素化合物はフッ酸として2〜15wt
%が配合され、2wt%より少なくなるにつれ又は15
wt%を越えるにつれコロイド状ゲルが生成し難い傾向
を有するので好ましくない。
【0026】マグネシウム化合物はマグネシウムとして
2〜6wt%が配合され、2wt%より少なくなるにつ
れ又は6wt%を越えるにつれゲルの強度や弾性が低下
する傾向を有するので好ましくない。
【0027】界面活性剤は0.05〜2.0wt%が配
合され、0.05wt%より少なくなるにつれ界面活性
効果が十分に表れ難い傾向を有するので好ましくなく、
又1.0wt%を越えるにつれ界面活性剤の種類にもよ
るが界面活性効果が平衡に達する傾向を有するので好ま
しくない。
【0028】腐食抑制剤は0.05〜2.0wt%が配
合され、0.05wt%より少なくなるにつれ腐食抑制
効果が表れ難い傾向を有するので好ましくなく、又、
2.0wt%を越えるにつれ腐食抑制剤の種類にもよる
が腐食抑制効果が平衡に達する傾向を有するので好まし
くない。水としては通常の用水やイオン交換水、蒸留水
が用いられる。
【0029】本発明の請求項4に記載の酸洗浄剤は、請
求項1乃至3の内いずれか1項に記載の発明において、
硝酸と、フッ素化合物と、を含有し混合された希釈剤が
0.1〜2容量添加混合された構成を有している。
【0030】これにより、請求項1乃至3で得られる作
用の他、酸洗浄剤のゲル濃度を自由に調整でき、タンク
等の起立した鋼板の洗浄から、半球状の上下方向に傾斜
面を有する鋼板や平板まで洗浄でき汎用性を広げること
ができるという作用を有する。尚、腐食抑制剤は酸洗浄
剤に添加する代わりに希釈剤に添加してもよい。
【0031】本発明の請求項5に記載の酸洗浄剤は、請
求項4に記載の発明において、硝酸100重量部と、フ
ッ素化合物8〜70重量部好ましくは10〜55重量部
と、を含有し混合された構成を有している。
【0032】これにより、請求項4で得られる作用の
他、以下のような作用を有する。 (1)酸洗浄剤のゲル特性を有したまま希釈し粘度等の
調整ができ、高い洗浄効果を有しながら汎用性を高める
ことができるという作用を有する。 (2)粘度の調整が自由に選択できるので、被洗浄剤の
態様に応じた洗浄ができる。
【0033】ここで、希釈剤の硝酸と、フッ素化合物の
配合量は、硝酸100重量部に対し、フッ素化合物が1
0重量部より少なくなるにつれ洗浄に長時間を要し作業
性にかけるとともに洗浄効果に欠ける傾向が現れだし、
また、55重量部よりも多くなるにつれ酸洗浄剤のゲル
と反応が起こりゲルを破壊する傾向が現れだすので好ま
しくない。
【0034】本発明の請求項6に記載の酸洗浄剤の製造
方法は、アルカリ土類金属化合物と硝酸又は水に可溶な
フッ素化合物の混合物に水を添加する水和工程と、水和
工程で得られた水和混合物に界面活性剤と腐食抑制剤を
混合して調合する助剤調合工程と、助剤調合工程で得ら
れたスラリー状の溶液に硝酸を混入し安定なゾル状乃至
ゲル状の溶液を生成する粘稠化工程と、を備えた構成を
有している。
【0035】これにより、洗浄性に優れ、かつ安全性や
取扱い性作業性に優れた親水性コロイド状の酸洗浄剤を
低原価で量産できるという作用を有する。
【0036】ここで、粘稠化工程の後に、ロール等によ
る延伸や攪拌等の工程からなる剪断工程を加えてもよ
い。この工程によりゲル粒子の安定性を保持しながらゲ
ル粒子の分散性を高めることができる。
【0037】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0038】(酸洗浄剤の調整) (a)硝酸として濃度67.5wt%のものを準備し
た。 (b)硝酸又は水に可溶なフッ素化合物として、フッ化
水素アンモニウム(b−1)、フッ化アンモニウム(b
−2)、フッ化ソーダ(b−3)、フッ化カリウム(b
−4)を準備した。 (c)アルカリ土類金属化合物として、硫酸マグネシウ
ム(c−1)、硝酸マグネシウム(c−2)、塩化マグ
ネシウム(c−3)、炭酸マグネシウム(c−4)、水
酸化マグネシウム(c−5)、酸化マグネシウム(c−
6)を準備した。 (d)界面活性剤として、ポリエチレングリコ−ル(d
−1)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル
(d−2)を準備した。 (e)腐食抑制剤として、イビットNo.2000A
(朝日化学工業社)製、商品名)を準備した。 (f)水として蒸留水又はイオン交換水を準備した。 各々の配合例や比較例は上記a乃至fに記載の化合物を
用い、(表1)に示す配合比率(wt%)で酸洗浄剤を
調製した。
【0039】
【表1】
【0040】(酸洗浄剤の調合) (配合例1)フッ化水素アンモニウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウムに水を加えて混合しゲル状物を作
製する。次いで、界面活性剤と腐食抑制剤を加えゲルを
軟化させ、更に硝酸を加えた。その結果、透明なコロイ
ドゲル状の酸洗浄剤が得られた。 (配合例2)フッ化アンモニウム、硫酸マグネシウム、
塩化マグネシウム、炭酸マグネシウムに水を加えて混合
しゲル状物を作製する。次いで、界面活性剤と腐食抑制
剤を加えゲルを軟化させ、更に硝酸を加えた。その結
果、透明なコロイドゲル状の酸洗浄剤が得られた。 (配合例3)フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、硝
酸マグネシウム、水酸化マグネシウムに水を加えて混合
しゲル状物を作製する。次いで、界面活性剤と腐食抑制
剤を加えゲルを軟化させ、更に硝酸を加えた。その結
果、透明なコロイドゲル状の酸洗浄剤が得られた。 (配合例4)フッ化水素アンモニウム、フッ化アンモニ
ウム、フッ化ナトリウム、硫酸マグネシウム、水酸化マ
グネシウムに水を加えて混合しゲル状物を作製する。次
いで、界面活性剤と腐食抑制剤を加えゲルを軟化させ、
更に硝酸を加えた。その結果、透明なコロイド状の酸洗
浄剤が得られた。 (配合例5)フッ化水素アンモニウム、フッ化アンモニ
ウム、フッ化カリウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネ
シウムに水を加えて混合しゲル状物を作製する。次い
で、界面活性剤と腐食抑制剤を加えゲルを軟化させ、更
に硝酸を加えた。その結果、透明なコロイド状の酸洗浄
剤が得られた。 (配合例6)フッ化水素アンモニウム、炭酸マグネシウ
ムに水を加えて混合しゲル状物を作製する。次いで、界
面活性剤と腐食抑制剤を加えゲルを軟化させ、更に硝酸
を加えた。その結果、透明なコロイド状の酸洗浄剤が得
られた。 (配合例7)硝酸100重量部に各配合例1乃至6に記
載した配合比からなるフッ素化合物30重量部を混合し
各配合例に合わせて希釈剤を作製した。得られた各希釈
剤を各配合例の酸洗浄剤に各酸洗浄剤の各々0.5,
1,1.5容量倍加えた。いずれも透明なゲル状の酸洗
浄剤が得られた。起立状の鋼鉄板にスプレー塗り若しく
は刷毛塗りを行ったが、所定の洗浄塗膜を得、数時間経
過しても液ダレが認められなかった。次いで、1時間経
過後、水洗して鋼板の表面を目視観察したところ、色斑
は認められず、極めて良好な不動態化が認められた。ま
た希釈剤の濃度を調整することにより発錆の程度や汚れ
に応じて最適の酸洗浄剤が得られることがわかった。ま
た、希釈しない酸洗浄剤は、タッチアップ部も短時間に
洗浄できることがわかった。
【0041】(比較例1)硝酸を10wt%と水を6
3.8wt%とする以外には、配合例1と同様のものを
用いて実験を行った。その結果、液状の酸洗浄剤が得ら
れた。刷毛塗りで起立した鋼板に洗浄塗膜試験を行った
ところ、液ダレを生じ、均一膜厚の洗浄塗膜が得られな
かった。また、酸洗浄剤を水洗いしたところ色斑が認め
られ不動態化が不十分であった。 (比較例2)硝酸を60wt%と水を13.8wt%と
する以外には、配合例2と同様のものを用いて実験を行
った。酸洗浄剤中に硝酸マグネシウムが析出し、懸濁状
でゲル形成態が認められなかった。また洗浄塗膜試験及
び水洗後の洗浄効果を確認したところ、比較例1と同様
であった。 (比較例3)フッ化水素アンモニウムを2wt%としフ
ッ化カリウムを0wt%として水を51.8wt%とす
る以外には、配合例3と同様のものを用いて実験を行っ
た。溶液状の酸洗浄剤が得られゲル形成態が認めらず、
液ダレが生じた。 (比較例4)フッ化水素アンモニウムを25wt%とし
フッ化アンモニウムとフッ化ソーダを0wt%として水
を23.9wt%とする以外には、配合例4と同様のも
のを用いて実験を行った。酸洗浄剤中にフッ化マグネシ
ウムの沈澱物の生成が認められ、ゲル形成態は認めらな
かった。酸洗浄効果は有するが、液ダレが生じ、起立状
の鋼板の洗浄には不向きであることがわかった。 (比較例5)炭酸マグネシウムを5wt%とし酸化マグ
ネシウムを0wt%として水を41.9wt%とする以
外には、配合例5と同様のものを用いて実験を行った。
ゲル状の酸洗浄剤が得られなかった。酸洗浄効果は優れ
ているが、粘度が低く、液ダレが認められた。 (比較例6)炭酸マグネシウムを25wt%とし水を1
8.9wt%とする以外には、配合例6と同様のものを
用いて実験を行った。懸濁状の酸洗浄剤が得られた。炭
酸マグネシウムが溶解せず、ゲル形成態が認めらなかっ
た。酸洗浄時に液ダレが生じた。
【0042】以下、配合例1乃至6で得られた酸洗浄剤
を用いて錆除去実験及び侵食実験を行った。 (1)錆除去実験:予め、1年間屋外暴露して錆させた
SUS304ステンレス鋼(Crを18%、Niを8%
含有するオ−ステナイト系)、SUS430(Crを1
7%含有するクロム系)、高Cr鋼(Crを19%含有
する)及び低Cr鋼(Crを7%含有する)を、40℃
に加熱した各配合例の酸洗浄剤中に、各々30分間浸漬
した。その後、洗浄した材料を水洗し、錆の除去具合を
観察した。その評価は、 完全に錆が除去されたもの:◎ ほぼ完全に錆が除去されたもの:○ ところどころに錆が残っていたもの:△ ほとんど錆が除去されていないもの:× で表し、その結果を(表2)に示した。 (2)侵食実験:新品の前記SUS304ステンレス鋼
を、50℃に加熱した各配合例の酸洗浄剤中に、120
時間浸漬した。その後、各々材料を水洗して乾燥し、浸
漬前後の重量変化及び表面の粒界腐食の有無を調べた。
その侵食結果を(表3)に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】この表2の結果から明らかなように、配合
例1乃至6で得られた酸洗浄剤は、錆が発生した材料を
30分浸漬するだけで完全に錆が除去された。ステンレ
ス鋼等金属表面の美しさを損うことがなく、同時に不動
態膜を生成していることがわかった。また、表には記載
していないが、比較例のものは、洗浄効果はあるが、色
斑等が認められた。更に、ゼリー状の酸洗浄剤を錆が発
生した材料の表面に刷毛塗りやスプレー塗りしてみたと
ころ、容易に酸化スケ−ルや付着した油脂や塵埃や異種
金属粉及びもらい錆等の汚れを除去することができるこ
とがわかった。
【0046】また、酸洗浄剤が透明性に優れているの
で、洗浄中に錆が酸洗浄剤に溶出しだし酸化鉄による赤
色やクロムイオンによる緑色等の着色が濃ゆくなり色度
の変化により洗浄の程度を簡単に目視で確認できるの
で、洗浄の進捗状況が把握でき作業性に優れる事が分か
った。
【0047】次に、表3から明らかなように、120時
間もの長時間の間、各配合例の酸洗浄剤に浸漬しても、
ほとんど腐食減量はみられず、全て許容範囲を大幅に下
回ることがわかった。更に、電子顕微鏡でその表面を観
察したが、いずれも粒界腐食は認められなかった。
【0048】以上のことから、本実施例によれば、伸展
性が良い均一な粘着状の酸洗浄剤を調合できるととも
に、酸洗浄剤が作業状態にあわせて液状或いはゼリー状
に調製することができ、刷毛塗りやスプレー塗り等の良
好な親水性コロイド状の酸洗浄剤を提供することができ
ることがわかった。また、本発明の酸洗浄剤の製造方法
によれば、洗浄性に優れ、かつ安全性や取扱い性作業性
に優れた親水性コロイド状の酸洗浄剤と低原価で量産で
きる製造方法を提供することができることがわかった。
【0049】次に、配合例1において、界面活性剤及び
腐食抑制剤の種類を変えた他は、配合例1と同様にして
酸洗浄剤を作成した。また、得られた酸洗浄剤を硝酸1
00重量部に配合例1に記載のフッ素化合物を30重量
部添加し希釈した。その結果、洗浄効果や耐蝕性にも優
れていることがわかった。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明においては、以下の
優れた効果を実現できる請求項1に記載の酸洗浄剤は、 (1)粘度の調整が自由で、透明性に優れたゾル状乃至
ゲル状の酸洗浄剤が得られる。 (2)酸洗浄剤が透明性に優れているので、洗浄の進行
に合わせて錆等が酸洗浄剤中に溶けだし酸化鉄による赤
色やクロムイオンによる緑色等の着色が濃ゆくなり色度
の変化により洗浄の程度を簡単に目視で確認できるの
で、洗浄の進捗状況が把握でき作業性に優れる。 (3)硝酸とアルカリ土類金属化合物の反応が発熱で、
フッ素化合物と水との反応が吸熱反応なので、これらを
混合することにより加熱等の作業工数を要せずに酸洗浄
剤を得ることができる。 (4)フッ化水素酸を使用しないので、フッ化水素酸ガ
スの発生を抑制できるとともに、作業の安全性や環境保
全性を向上できる。 (5)複塩化剤としてアルカリ土類金属化合物を用いた
ことで、酸洗浄剤の粘度を増加させるとともに、遊離状
態の混酸濃度を減少させ、作業の安全性を向上させるこ
とができる。 (6)界面活性剤を用いているので、親水性のコロイド
状の酸洗浄剤がステンレス鋼金属の表面で均一に拡散で
き、金属表面の汚れの分散を加速し、酸化スケ−ル、赤
錆、もらい錆及び油脂等を効率的に洗浄できる。また酸
洗浄剤がステンレス鋼金属の表面に均一に塗布できるの
で、洗浄した金属表面の外観のむら状又は色のばらつき
を防止させることができる。 (7)腐食抑制剤を用いているので、フッ酸で鋼鉄等の
地肌を出して洗浄するとともに腐食抑制剤で腐食(鋼の
溶出)を防止するので、酸洗浄剤によるステンレス鋼等
金属表面の腐食又は溶出の著しい軽減化を図ることがで
きる。
【0051】本発明の請求項2に記載の酸洗浄剤は、請
求項1の効果に加えて、 (1)フッ化水素酸以外のフッ素化合物を用いているの
で、従来のフッ化水素酸を用いた酸洗浄剤に比べて、毒
性の強いフッ化水素ガスの発生を抑制できるとともに、
作業の安全性や環境保全性を向上できる。 (2)アルカリ土類金属化合物としてマグネシウム化合
物を用いているので、アルカリ土類金属化合物をフッ素
化合物や硝酸等と反応させ、安定なゾル状乃至ゲル状の
酸洗浄剤を得ることができる。 (3)マグネシウム化合物を用いるので、ゾル乃至ゲル
状の酸洗浄剤の安定化を向上させることができる。マグ
ネシウムは硝酸に可溶であるが、フッ素イオンと反応し
て不溶性となる。この三成分のバランスにより安定なコ
ロイドゲル状となり、刷毛塗り等で鋼板の垂直面に塗っ
ても液ダレが生じるのを防止できる。 (4)界面活性剤を用いているので、親水性のコロイド
状の酸洗浄剤がステンレス鋼等金属の表面に均一に塗布
(塗着)することができ、金属表面の汚れの分散を加速
し、酸化スケ−ル、赤錆、もらい錆及び油脂等を効率的
に洗浄させることができる。 (5)界面活性剤を用いているので、親水性のコロイド
状の酸洗浄剤がステンレス鋼等金属の表面に均一に塗着
させることができるとともに、洗浄した金属表面の外観
のむらや色のばらつきを防止させることができる。界面
活性剤として非イオン界面活性剤を用いた場合は、更に
金属表面の脱脂性を高め洗浄効率を高めることができ
る。 (6)腐食抑制剤は酸洗浄剤で洗浄された金属表面に吸
着して、過剰な金属表面の溶解(溶出)を防止すること
ができる。
【0052】本発明の請求項3に記載の酸洗浄剤は、請
求項1又は2の効果に加えて、 (1)硝酸とアルカリ土類金属化合物の反応が発熱で、
フッ素化合物と水との反応が吸熱反応なので、これらを
混合することにより、生成熱の発生が抑制でき、冷却水
等を用いることなく低原価で量産できるという作用を有
する。 (2)ゾルやゲルの安定性に優れ、更にゲルの場合、ゲ
ル強度に優れた酸洗浄剤を得ることができる。 (3)ゾルやゲルの安定性に優れるので、起立したステ
ンレス材に塗着しても液ダレがなく、安定した洗浄塗膜
を得ることができる。
【0053】本発明の請求項4に記載の酸洗浄剤は、請
求項1乃至3の内いずれか1項に記載の効果に加えて、 (1)酸洗浄剤のゲル濃度を自由に調整でき、タンク等
の起立した鋼板の洗浄から、半球状の上下方向に傾斜面
を有する鋼板や平板まで洗浄でき汎用性を広げることが
できる。
【0054】本発明の請求項5に記載の酸洗浄剤は、請
求項4に記載の効果に加えて、 (1)酸洗浄剤のゲル特性を有したまま希釈し粘度等の
調整ができ、高い洗浄効果を有しながら汎用性を高める
ことができる。 (2)粘度の調整が自由に選択できるので、被洗浄剤の
態様に応じた洗浄ができる。
【0055】本発明の請求項6に記載の酸洗浄剤の製造
方法は、 (1)洗浄性に優れ、かつ安全性や取扱い性作業性に優
れた親水性コロイド状の酸洗浄剤を低原価で量産でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 正治 福岡県北九州市八幡西区茶屋の原三丁目13 番17号 Fターム(参考) 4D077 AB10 AB20 AC10 BA07 BA15 DC02Z DC04Z DC08Z DC14Z DD08X DD32X DE02X DE03X DE07X DE08X 4G065 AA07 AA09 AB17Y BA06 BA14 CA13 CA14 DA04 DA08 EA01 4K053 PA03 QA01 QA04 RA12 RA16 RA17 RA25 RA26 RA28 RA40 RA41 RA42 RA44 RA51 RA52 RA54 RA63 RA64 TA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝酸と、前記硝酸又は水に可溶なフッ素化
    合物と、アルカリ土類金属化合物と、界面活性剤と、腐
    食抑制剤と、を含有することを特徴とする酸洗浄剤。
  2. 【請求項2】前記フッ素化合物がフッ化ナトリウム,フ
    ッ化水素アンモニウム,フッ化アンモニウム,フッ化カ
    リウムの内いずれか1種以上からなり、前記アルカリ土
    類金属化合物が硫酸マグネシウム,塩化マグネシウム,
    硝酸マグネシウム,炭酸マグネシウム,水酸化マグネシ
    ウム等のマグネシウム化合物の内いずれか1種以上から
    なり、前記界面活性剤が非イオン界面活性剤の1種以上
    からなり、前記腐食抑制剤がグリシジルアミン、ポリエ
    チレンイミン或いはイビット(朝日化学工業社製)の少
    なくとも1種以上からなることを特徴とする請求項1に
    記載の酸洗浄剤。
  3. 【請求項3】前記硝酸が1〜35wt%、前記フッ素化
    合物がフッ酸として1〜23wt%、好ましくは2〜1
    5wt%、前記アルカリ土類金属化合物がマグネシウム
    として1〜9wt%、好ましくは2〜6wt%、前記界
    面活性剤が0.01〜2wt%、好ましくは0.1〜2
    wt%、前記腐食抑制剤が0.05〜2wt%及び水が
    19〜87.94wt%調合されていることを特徴とす
    る請求項1又は2の内いずれか1項に記載の酸洗浄剤。
  4. 【請求項4】硝酸と、フッ素化合物と、を含有し混合さ
    れた希釈剤が0.1〜2容量添加混合されていることを
    特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の酸
    洗浄剤。
  5. 【請求項5】前記希釈剤が、前記硝酸100重量部と、
    前記フッ素化合物8〜70重量部好ましくは10〜55
    重量部と、を含有し混合されていることを特徴とする請
    求項4に記載の酸洗浄剤。
  6. 【請求項6】アルカリ土類金属化合物と硝酸又は水に可
    溶なフッ素化合物の混合物に水を添加する水和工程と、
    前記水和工程で得られた水和混合物に前記界面活性剤と
    前記腐食抑制剤を混合して調合する助剤調合工程と、前
    記助剤調合工程で得られたスラリー状の溶液に硝酸を混
    入し安定なゾル状乃至ゲル状の溶液を生成する粘稠化工
    程と、を備えていることを特徴とする酸洗浄剤の製造方
    法。
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