JP2000297065A - 含フッ素光学活性化合物、それを含有する液晶組成物及び液晶素子 - Google Patents

含フッ素光学活性化合物、それを含有する液晶組成物及び液晶素子

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JP2000297065A
JP2000297065A JP11107762A JP10776299A JP2000297065A JP 2000297065 A JP2000297065 A JP 2000297065A JP 11107762 A JP11107762 A JP 11107762A JP 10776299 A JP10776299 A JP 10776299A JP 2000297065 A JP2000297065 A JP 2000297065A
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Keizo Ito
恵造 伊藤
Masaaki Namekawa
正明 滑川
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Kashima Oil Co Ltd
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Kashima Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示素子用液晶組成物の成分として有用
な新規な光学活性化合物の開発。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 ,R2 は炭素数3〜15のアルキル基、X
1 は−O−又は単結合、X2 は−COO−,−CH2
−又は−O−、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキ
ル基を示し,Aは 【化2】 から選ばれる環状基,*は不斉炭素原子を示す。)で表
される含フッ素光学活性化合物、それを含有する液晶組
成物及び液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含フッ素光学活性化
合物、それを利用した液晶組成物及び液晶素子に関し、
詳しくは液晶表示素子の使用に適した強誘電性液晶組成
物の成分として有用である新規な含フッ素光学活性化合
物、それを含有する液晶組成物及び該液晶組成物を用い
た液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種表示素子,電子光学デバイス
など、液晶の利用分野が著しく拡大しつつあり、それに
伴って様々な構造の液晶化合物が提案されてきた。特に
カイラルスメクチックC相(SC* 相) を有する強誘電
性液晶は1980年に ClarkとLagerwall によりそのマ
イクロ秒オーダーの高速応答性とメモリー性が報告(App
l. Phys. Lett., 36, 899(1980))されて以来、ネマチッ
ク液晶を用いた液晶表示素子に代わる新しい表示素子の
材料として注目され、多くの液晶化合物が合成されてき
た。
【0003】強誘電性液晶の応答速度は、τ=η/(P
s・E)で知られている。ここでηは回転粘性を示し、
Psは自発分極を示し、Eは電界強度を示す。これか
ら、高速応答性を得るため、粘性が小さく、自発分極の
大きな液晶材料が開発目標とされてきた。また、液晶組
成物としては、化学的安定性,広動作温度範囲などの特
性が要求されるが、単一の化合物でこれらの諸特性を満
たすことは困難であった。従って、従来、複数のSC*
相を有する化合物を混合したり、粘性の低いスメクチッ
クC相(SC相)を有する母体となる液晶組成物に、光
学活性な化合物(カイラルドーパント)を添加して、所
望の性能を有する強誘電性液晶組成物を得る方法が用い
られてきた。
【0004】後者の場合には、添加するカイラルドーパ
ントは、それ自体SC* 相を有していても、有していな
くてもよく、液晶組成物との相溶性が良好で、大きな自
発分極を誘起し、粘性を増大させないことが要求され
る。この自発分極は、分子長軸に対して垂直な方向の双
極子モーメントが不斉炭素の影響により長軸回りの自由
回転が抑制された結果生じると考えられている。したが
って、自発分極を増大させるためには、双極子部分を
コアと呼ばれる骨格部に近づける、双極子部分と不斉
炭素原子を近づける、不斉炭素に立体的に大きな置換
基を付け、長軸回りの自由回転を制御する等の方法で自
発分極を増大させる試みがなされてきた。さらに最近、
双極子部分と不斉炭素を5員環ラクトンに直結させた構
造の化合物が効果的に自由回転を束縛し、大きな自発分
極を有することが報告された(Japanese Journal of App
lied Physics, Vol. 29, No.6、pp. L 81〜L 983 (199
0))。しかしながら、液晶組成物に添加した際に、大き
な自発分極を誘起し、速い応答速度が得られる光学活性
化合物は、あまり得られていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためになされたもので、液晶組成物に添加した
場合に、大きな自発分極を誘起し、速い応答速度が得ら
れる光学活性化合物、それを含有する液晶組成物及び液
晶素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような状況下で、本
発明者らは、不斉炭素原子にトリフルオロメチル基に代
表されるフルオロアルキル基を有する新規な光学活性化
合物を開発することを目的として鋭意研究を重ねた。そ
の結果、不斉炭素原子上に、大きな電子吸引性を有する
フルオロアルキル基を有する新規な光学活性化合物が、
単独で液晶相を示すか否かにかかわらず、他の液晶組成
物に添加した場合、きわめて応答速度の速い強誘電性液
晶組成物を与えるカイラルドーパントとして有用である
ことを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成し
たものである。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(1)
【化3】 (式中、R1 ,R2 は炭素数3〜15のアルキル基、X
1 は−O−又は単結合、X2 は−COO−,−CH2
−又は−O−、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキ
ル基を示し,Aは
【化4】 から選ばれる環状基,*は不斉炭素原子を示す。)で表
される含フッ素光学活性化合物を提供するものである。
【0008】また、本発明は、上記含フッ素光学活性化
合物の中から選ばれる少なくとも1種類を含有する強誘
電性液晶組成物を提供するものである。さらに、本発明
は、上記液晶組成物が、1対の電極基板間に配設されて
なる液晶素子を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】一般式(1)においてR1 ,R2
として、炭素数3〜15、好ましくは炭素数3〜10の
直鎖又は分岐鎖アルキル基、例えば、n−プロピル基,
i−プロピル基,n−ブチル基,i−ブチル基,sec
−ブチル基,t−ブチル基をはじめ、各種のペンチル
基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基などが挙げられ
る。Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキル基を示
し、具体例として、トリフルオロメチル基,ジフルオロ
メチル基,クロロジフルオロメチル基,ペンタフルオロ
エチル基などが挙げられ、好ましくはペンタフルオロエ
チル基,トリフルオロメチル基である。
【0010】X1 は−O−又は単結合を示し、好ましく
は−O−である。X2 は−COO−,−CH2 O−又は
−O−を示し、好ましくは−COO−である。また、A
は前述の環状基から選ばれ、好ましくは下記の群から選
ばれる。
【化5】
【0011】ここで、本発明の一般式(1)の含フッ素
光学活性化合物の具体例を、以下に示す。
【0012】
【化6】
【0013】本発明の一般式(1)で表される含フッ素
光学活性化合物は、従来知られている方法を用いて製造
することができ、例えば、下記一般式(2)で表される
光学活性なアルコールを用いて製造することができる。
【化7】 (式中、Rf,R2 及び*は、前記一般式(1)と同じ
である。)
【0014】この光学活性なアルコールは、例えば特開
平1−163143号公報,特開平6−56721号公
報に記載した方法に従って製造することができる。この
アルコールとしては,例えば以下のような化合物が挙げ
られる。
【0015】
【化8】
【0016】本発明の一般式(1)で表される含フッ素
光学活性化合物は、具体的には以下に示すような方法で
製造される。 一般式(1)におけるX2 が−COO−である含フッ
素光学活性化合物の製造方法 まず、下記反応式に示すように、式(3)で示される化
合物の水酸基をベンジル基で保護して、式(4)の化合
物とした後、エステルをKOH等のアルカリで加水分解
して、式(5)の化合物を得る。この式(5)の化合物
と一般式(2)で示されるアルコールをエステル化し
て、一般式(6)で示される化合物を得る。さらに、一
般式(6)の化合物のベンジル基を脱保護し、一般式
(7)で示される化合物を得る。
【0017】
【化9】 (式中,Etはエチル基、Bnzはベンジル基、Rf,
2 及び*は前記一般式(1)と同じである。) 尚、上記反応式中DCCはジシクロヘキシルカルボジイ
ミドである。
【0018】次に,下記反応式に示すように、得られた
一般式(7)の化合物を一般式(8)で示される化合物
とエステル化することにより、本発明の一般式(1a)
で示される含フッ素光学活性化合物を得ることができ
る。
【0019】
【化10】 (式中、R1 ,R2 ,Rf,X1 ,A及び*は前記一般
式(1)と同じである。)
【0020】一般式(1)におけるX2 が−CH2
−である含フッ素光学活性化合物の製造方法 一般式(7)で示されるアルコールにNaHあるいはN
aOH,KOH等の塩基を作用させて一般式(7a)の
化合物とした後、一般式(9)の化合物と反応させるこ
とにより、本発明の一般式(1b)で示される含フッ素
光学活性化合物を得ることができる。
【0021】
【化11】 (式中、MはNa又はK、YはBr又はCl、R1 ,R
2 ,Rf,X1 ,A及び*は前記一般式(1)と同じで
ある。)
【0022】本発明の液晶組成物は、上記一般式(1)
で表される含フッ素光学活性化合物の少なくとも1種類
を含有する強誘電性の液晶組成物である。この液晶組成
物は例えば、下記式
【化12】 で示される化合物からなる母体液晶に上記一般式(1)
で表される含フッ素光学活性化合物の少なくとも1種類
を0.1〜20重量%配合したものが挙げられる。
【0023】本発明の液晶素子は上記液晶組成物が一対
の電極基板間に配設されたものである。この液晶素子
は、例えばInO3 ,SnO2 ,ITO(酸化インジウ
ムと酸化スズとの混合酸化物)などからなる透明電極を
有し、その上にポリビニルアルコール,ポリイミド等か
らなる配向制御膜を有する2枚の透明基板間に本発明の
液晶組成物を封入してなるセルの上下に偏光板を配設
(挾持)して作製できる。この素子は複屈折モードを利
用して、表示素子あるいは電気光学素子として使用する
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中に記載した相系列及び相転移温度
は、偏光顕微鏡によるテクスチャー観察及び示差走査熱
量計(DSC)測定により決定した。また相転移温度の
項に示した記号は、以下の相を表わす。
【0025】 Cry : 結晶相 SC* : カイラルスメクティックC相 SA : スメクティックA相 I : 等方性液体相 N* : カイラルネマティク相
【0026】実施例1(含フッ素光学活性化合物の合成
例) 3−{(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ルオキシカルボニル}フェニル 4’−デシルオキシビ
フェニル−4−カルボキシレート(下記式(I)参照)
の合成
【化13】
【0027】(a)テトラヒドロフラン 40ml中に濃度
60重量%のNaH 0.86g(21.5mmol)を懸濁させた溶液
に、テトラヒドロフラン中に3−ヒドロキシ安息香酸エ
チルエステル 2.0g(21.5mmol)を溶解した溶液10mlを0
℃で滴下した。この溶液にブロモメチルベンゼン 2.05g
(12mmol)を加え、さらにジメチルスルフォキシド 5mlを
加えて、室温で20時間反応させた。1N−HCl水溶
液を加えて反応を停止した後、ヘキサンで抽出した。油
相を蒸留水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し、3−ベンジルオキシ安息香
酸エチルエステル 2.86g(11.2mmol)を得た。 (b)上記(a)で得られた3−ベンジルオキシ安息香
酸エチルエステル 2.86g(11.2mmol)をエタノール 20ml
に溶解し、1N−KOH水溶液 20ml を加え、80℃で
10時間還流した。6N−HClを加えて反応を停止
し、得られた白色固体をろ過後、水洗、乾燥して 1.9g
(8.3mmol)の3−ベンジルオキシ安息香酸を得た。 (c)上記(b)で得られた3−ベンジルオキシ安息香
酸 1.9g(8.3mmol)と(R)−1,1,1−トリフルオロ
−2−オクタノール 1.5g(8.3mmol)をトルエン 25ml に
溶解し、この溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC) 2.56g(12.5mmol)を加えた。この溶液にさら
に触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを加えて室温で
24時間反応させた。反応液をろ過後、溶媒を留去し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、3.28g
(8.3mmol)の3−ベンジルオキシ安息香酸(R)−1,
1,1−トリフルオロ−2−オクチルエステルを得た。 (d)上記(c)で得られた3−ベンジルオキシ安息香
酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルエ
ステル 3.2g(8.3mmol)をエタノール 25ml に溶解し、こ
れにPd−C 0.8g を加え、水素雰囲気下、室温で3時
間反応させた。反応液をろ過した後、酢酸エチルで抽出
した。油相を蒸留水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製して、2.04g(6.6mmol)
の3−ヒドロキシ安息香酸(R)−1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクチルエステルを得た。 (e)上記(d)で得られた3−ヒドロキシ安息香酸
(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルエス
テル 0.61g(2mmol) と4’−デシルオキシビフェニル−
4−カルボン酸 0.78g(2.2mmol) をトルエン 15ml に溶
解し、この溶液にさらにDCC 0.62g(3mmol) と触媒量
の4−ジメチルアミノピリジンを加え、室温で20時間
反応させた。反応液をろ過した後、溶媒を留去し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらにエ
タノールから再結晶して、目的化合物である3−
{(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオ
キシカルボニル}フェニル 4’−デシルオキシビフェ
ニル−4−カルボキシレート 1.0g(1.56mmol) を得た。
【0028】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式 C38475 3 [α]D 25=+25.21(C=1.00;CHCl3 19 F−NMR(CFCl3 );δ(ppm) −77.47(d,J=6.7Hz) 1 H−NMR(CDCl3 );δ(ppm) 0.8〜0.9(m,6H),1.2〜1.5(m,22H) 1.7〜1.9(m,4H),4.0 (t,2H) 5.5 (m,1H),7.00 (d,2H) 7.5〜7.6(m,2H),7.61 (d,2H) 7.70 (d,2H),7.92 (s,1H) 8.00 (d,1H),8.24 (d,2H) IR(cm-1) 2959,2932,2920,2852,1736,1604, 1284,1253
【0029】得られた化合物は液晶性を示し,その相系
列及び相転移温度は以下の通りであった。
【化14】
【0030】実施例2(含フッ素光学活性化合物の合成
例) 3−{(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ルオキシカルボニル}フェニル 6−デシルオキシナフ
チル−2−カルボキシレート(下記式(II)参照)の合
【化15】
【0031】実施例1の(d)で得られた3−ヒドロキ
シ安息香酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クチルエステル 0.3g(1mmol)と6−デシルオキシナフチ
ル−2−カルボン酸 0.36g(1.1mmol) をトルエン 8mlに
溶解し、この溶液にDCC 0.31g(1.5mmol) と触媒量の
4−ジメチルアミノピリジンを加え、室温で20時間反
応させた。反応液をろ過した後、蒸留水、飽和食塩水で
順次洗浄した。油相を分離し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製して、目的化合物である3−{(R)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボ
ニル}フェニル 6−デシルオキシナフチル−2−カル
ボキシレート 0.61g(1.0mmol) を得た。
【0032】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式 C36455 3 [α]D 25=+29.57(C=1.01;CHCl3 19 F−NMR(CFCl3 );δ(ppm) −77.47(d,J=6.7Hz) 1 H−NMR(CDCl3 );δ(ppm) 0.8〜0.9(m,6H),1.2〜1.5(m,22H) 1.7〜1.9(m,4H),4.1 (t,2H) 5.5 (m,1H),7.20 (m,2H) 7.54 (m,2H),7.81 (d,1H) 7.89 (d,1H),7.95 (s,1H) 8.01 (m,1H),8.15 (d,1H) 8.70 (s,1H) IR(cm-1) 2927,2855,2117,1733,1626,1469, 1254,1175
【0033】実施例3(含フッ素光学活性化合物の合成
例) 3−{(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ルオキシカルボニル}フェニル 4−{5−(4−オク
チルオキシフェニル)−2−ピリミジニル}ベンゾエー
ト(下記式(III) 参照)の合成
【化16】
【0034】実施例1の(d)で得られた3−ヒドロキ
シ安息香酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クチルエステル 0.3g(1mmol)と4−{5−(4−オクチ
ルオキシフェニル)−2−ピリミジニル}安息香酸 0.4
4g(1.1mmol) をトルエン 10ml に溶解し、この溶液にさ
らにDCC 0.31g(1.5mmol) と触媒量の4−ジメチルア
ミノピリジンを加え、室温で23時間反応させた。反応
液をろ過した後、蒸留水、飽和食塩水で順次洗浄した。
油相を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し
て、目的化合物である3−{(R)−1,1,1−トリ
フルオロ−2−オクチルオキシカルボニル}フェニル
4−{5−(4−オクチルオキシフェニル)−2−ピリ
ミジニル}ベンゾエート 0.54g(0.78mmol)を得た。
【0035】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式 C40452 5 3 [α]D 26=+24.81(C=1.06;CHCl3 19 F−NMR(CFCl3 );δ(ppm) −77.46(d,J=6.5Hz) 1 H−NMR(CDCl3 );δ(ppm) 0.8〜0.9(m,6H),1.2〜1.5(m,18H) 1.7〜1.9(m,4H),4.0 (t,2H) 5.5 (m,1H),7.06 (d,2H) 7.5〜7.6(m,4H),7.95 (s,1H) 8.01 (d,1H),8.34 (d,2H) 8.64 (d,2H),9.04 (s,2H) IR(cm-1) 2929,2857,2120,1740,1608,1438, 1258,1246,1180
【0036】得られた化合物は液晶性を示し,その相系
列及び相転移温度は以下の通りであった。
【化17】
【0037】実施例4(液晶組成物の作製例) 下記の4種類の化合物
【化18】
【0038】それぞれ25重量%からなる母体液晶を常
法により作製しておく。この母体液晶の相転移温度
(℃)は,SC(51)SA(64)N(70)Iであ
った。なお、SCはスメクチックC相、Nはネマチック
相を表す。この母体液晶に実施例1〜3の含フッ素光学
活性化合物をそれぞれ2重量%添加して、液晶組成物を
作製し液晶組成物1〜3とした。これらの液晶組成物1
〜3の相転移温度を表1に示す。
【0039】実施例5(液晶素子の作製例) 実施例4で作製した液晶組成物1〜3を、それぞれパラ
レルラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセ
ル間隔2μmの素子に注入して液晶素子を作製した。こ
の液晶素子に30℃で10Vpp/μmの矩形波電圧を
印加した時の応答速度(透過光強度が0〜50%まで変
化する時間)を測定し、表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の含
フッ素光学活性化合物を、液晶組成物に添加した場合、
大きな自発分極を誘起し、速い応答速度が得られる新規
な光学活性化合物を得ることができる。このため、本発
明の含フッ素光学活性化合物は、各種の表示素子,電子
工学デバイス,液晶センサーなどに有効に利用すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 19/34 C09K 19/34 // C07M 7:00 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB64 AC48 AC80 BJ50 BM10 BM71 BP30 BT36 FC52 FE71 FE74 4H027 BA06 BD08 BD19 CB08 CC08 CE08 CF08 CK08 CL08 CN08 CP08 DE01 DE08 DF08 DK08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 ,R2 は炭素数3〜15のアルキル基、X
    1 は−O−又は単結合、X2 は−COO−,−CH2
    −又は−O−、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキ
    ル基を示し,Aは 【化2】 から選ばれる環状基,*は不斉炭素原子を示す。)で表
    される含フッ素光学活性化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の含フッ素光学活性化合物
    の中から選ばれる少なくとも1種類を含有することを特
    徴とする強誘電性液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液晶組成物が、1対の電
    極基板間に配設されてなることを特徴とする液晶素子。
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