JP2000296915A - チャンバ内部材移動装置および部品ハンドリング装置 - Google Patents

チャンバ内部材移動装置および部品ハンドリング装置

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JP2000296915A
JP2000296915A JP10615599A JP10615599A JP2000296915A JP 2000296915 A JP2000296915 A JP 2000296915A JP 10615599 A JP10615599 A JP 10615599A JP 10615599 A JP10615599 A JP 10615599A JP 2000296915 A JP2000296915 A JP 2000296915A
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眞 根本
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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にチャンバ内部を低温状態に保持する場合
に、結露を有効に防止し得るチャンバ内部材移動装置お
よびそれを用いた部品ハンドリング装置を提供するこ
と。 【解決手段】 トレイ水平搬送装置360は、外部環境
と異なる条件に内部が設定されるチャンバ内に移動可能
に配置してある移動部材320aを駆動する駆動ワイヤ
330と、チャンバの外部に配置され、駆動ワイヤ33
0を長手方向に沿って移動させるように、駆動ワイヤ3
30に連結してある駆動モータ342と、チャンバ壁に
取り付けられ、駆動ワイヤ330がチャンバの内外で貫
通する貫通孔374が形成してある駆動ワイヤ導入部材
372と、駆動ワイヤ導入部材372の貫通孔374に
装着され、駆動ワイヤ330の外周に摺設するフェルト
製リング382とを有する。駆動ワイヤ導入部材372
の貫通孔374のチャンバ内部側には、乾燥空気を吹き
出す吹き出し口378が具備してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャンバ内部材移
動装置およびそれを用いた部品ハンドリング装置に係
り、さらに詳しくは、特にチャンバ内部を低温状態に保
持する場合に、結露を有効に防止し得るチャンバ内部材
移動装置およびそれを用いた部品ハンドリング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置などの製造課程においては、
最終的に製造されたICチップなどの電子部品を試験す
る試験装置が必要となる。このような試験装置において
は、ハンドラ(handler )と称される部品ハンドリング
装置が用いられる。このハンドラでは、トレイに収納さ
れた多数のICチップを、部品吸着装置により吸着して
試験装置のテストヘッド上に搬送し、各ICチップをテ
ストヘッドに電気的に接触させ、ICチップの試験を行
う。そして、試験が終了すると各ICチップを、吸着パ
ッドを持つ部品吸着装置によりテストヘッドから搬出
し、試験結果に応じたトレイに載せ替えることで、良品
や不良品といったカテゴリへの仕分けが行われる。
【0003】この種のハンドラでは、ICチップの試験
を行うテストヘッドの上部をチャンバで覆い、内部を密
閉空間とし、ICチップがテストヘッドの上に搬送さ
れ、そこで、ICチップをテストヘッドに押圧して接続
し、チャンバ内部を高温または低温状態にしながら試験
を行う装置も知られている。チャンバ内部では、ICチ
ップを搬送するための複数のトレイが循環し、ICチッ
プは、このトレイに収容されてチャンバ内部を移動す
る。
【0004】従来では、このトレイを水平方向に移動さ
せるための機構として、ベルトコンベア方式でトレイを
移動させる機構が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、チャンバの
内部においてベルトコンベア方式でトレイを水平方向に
移動させる機構の場合には、トレイを所定位置で停止さ
せるための機構に課題があった。たとえば従来のベルト
コンベア方式のトレイ水平搬送装置においては、トレイ
を所定位置で停止させるために、ベルトコンベアにより
搬送されてきたトレイにストッパ部材を突き当ててトレ
イを停止させ、停止したトレイを位置センサなどで検出
し、その後ベルトコンベアを停止させている。その後、
トレイを他の位置に移動させる場合には、ストッパ部材
を後退移動させた後、ベルトコンベアを駆動し、前述と
同様にして、他の停止位置にて、ストッパ部材によりト
レイを停止させている。
【0006】そのため、複数の停止位置毎に、ストッパ
部材とセンサが必要になり、さらにストッパ部材を駆動
するためのアクチュエータも必要となり、その機構が複
雑なものとなっている。また、トレイを停止させるため
に、ストッパ部材にトレイを突き当てているため、トレ
イには衝突による衝撃が加わると共に、コンベアが停止
するまでの間にトレイとトレイがスリップし、トレイお
よびベルトの摩耗などのトラブルが発生する。さらに、
ストッパ部材にトレイを突き当てて停止させるため、停
止位置がずれやすく、トレイの位置決めのための機構を
別途装着する必要がある。
【0007】そこで、最近では、トレイ用キャリアを略
水平方向に移動させる機構として、駆動ワイヤを用い、
駆動ワイヤを長手方向に沿って移動させることで、キャ
リアを水平方向に移動および停止制御する機構が本出願
人によって提案されている。この機構によれば、比較的
単純な機構により、トレイを所定の停止位置で正確に停
止させることが容易であり、トレイに作用する負荷が小
さく、故障が少ないハンドラを実現することができる。
【0008】ところが、このように駆動ワイヤを用いて
トレイ用キャリアを移動させる機構では、駆動ワイヤの
駆動源であるモータがチャンバの外部に配置され、チャ
ンバの断熱壁には、駆動ワイヤを挿通するための貫通孔
が明けられる。このようにチャンバの断熱壁に貫通孔が
明けられると、その部分の断熱性が低下する。特にチャ
ンバの内部を−55°C程度の低温に設定してICチッ
プの低温試験を行う場合には、駆動ワイヤを通すための
貫通孔から外気が流入し、結露が発生するおそれがあ
る。結露が発生し、その結露水がICチップの端子やテ
ストヘッドのソケット端子に付着すると、試験の信頼性
を低下させるおそれがある。
【0009】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、比較的単純な機構により、トレイ用キャリアなどの
チャンバ内移動部材を所定の停止位置で正確に停止させ
ることが容易であり、移動部材に作用する負荷が小さ
く、故障が少ないチャンバ内部材移動装置およびそれを
用いた部品ハンドリング装置であって、特にチャンバ内
部を低温状態に保持する場合に、結露を有効に防止し得
るチャンバ内部材移動装置およびそれを用いた部品ハン
ドリング装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るチャンバ内部材移動装置は、外部環境
と異なる条件に内部が設定されるチャンバ内に移動可能
に配置してある移動部材を駆動する駆動ワイヤと、前記
チャンバの外部に配置され、前記駆動ワイヤを長手方向
に沿って移動させるように、前記駆動ワイヤに連結して
ある駆動源と、前記チャンバ壁に取り付けられ、前記駆
動ワイヤが前記チャンバの内外で貫通する貫通孔が形成
してある駆動ワイヤ導入部材と、前記駆動ワイヤ導入部
材の貫通孔に装着され、前記駆動ワイヤの外周に摺設す
る吸水部材とを有する。
【0011】前記駆動ワイヤ導入部材の貫通孔のチャン
バ内部側には、乾燥空気を吹き出す吹き出し口が具備し
てあることが好ましい。
【0012】前記吸水部材が、フェルト製リングで構成
してあり、前記貫通孔のチャンバ外部側に装着してある
ことが好ましい。
【0013】前記貫通孔の軸方向両端部には、当該貫通
孔の内部を実質的に密封するシール部材が装着してある
ことが好ましい。
【0014】前記移動部材としては、特に限定されない
が、たとえばチャンバ内で試験すべき部品が収容された
トレイを搬送するためのキャリアである。
【0015】本発明に係る部品ハンドリング装置は、上
述したチャンバ内部材移動装置を有する。本発明に係る
部品ハンドリング装置によりハンドリングされる部品と
しては、特に限定されないが、たとえばICチップであ
る。
【0016】
【作用】本発明に係るチャンバ内部材移動装置および部
品ハンドリング装置では、駆動ワイヤを用いてチャンバ
内移動部材を移動させるので、駆動ワイヤの長手方向移
動量を制御することにより、チャンバ内移動部材(たと
えばトレイ水平キャリア)を正確な位置で停止させるこ
とができる。駆動ワイヤの長手方向移動量は、たとえば
駆動源としてステップモータなどを用いることで、比較
的容易に制御することができる。また、従来とは異な
り、ストッパ部材を衝突させてトレイなどの移動部材を
停止させる構成ではないので、移動部材に作用する負荷
も少なく、移動部材の耐久性が向上すると共に、故障も
少ない。また、駆動ワイヤの長手方向移動量を制御する
ことにより、トレイ水平キャリアなどの移動部材を正確
な位置で停止させることができるので、トレイの停止位
置毎にストッパ部材やセンサなどを設ける必要がなく、
単純な構成であり、この点でも故障が少ない。
【0017】特に本発明では、チャンバ壁に取り付けら
れた駆動ワイヤ導入部材の貫通孔にフェルトリングなど
の吸水部材が装着してあり、この吸水部材が、駆動ワイ
ヤの外周に摺設するので、貫通孔のシールを行い、外気
の流入を防止して断熱性を向上させると共に、駆動ワイ
ヤに付着した結露水を拭き取る機能を有する。また、貫
通孔のチャンバ内部側に、乾燥空気を吹き出す吹き出し
口を設けることで、吹き出し口から吹き出した乾燥空気
が貫通孔の内部を満たし、貫通孔の内部に外気が入り込
むことを有効に防止する。その結果、断熱性が向上する
と共に、結露の発生を抑制する。また、吹き出し口から
吹き出した乾燥空気は、吸水部材にて吸水した水分を乾
燥させる機能もある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の1実施形態に係
るチャンバ内部材移動装置の構成を示す概略図、図2は
図1に示す断熱スリーブ付き駆動ワイヤ導入部材の斜視
図、図3は図2に示すIII−III線に沿う駆動ワイヤ導入
部材の断面図、図4はトレイ水平搬送装置の要部斜視
図、図5はトレイの斜視図、図6はIC試験装置用ハン
ドラの全体斜視図、図7は図6に示す試験装置用ハンド
ラにおいてICチップの流れを示す概念図、図8は同試
験装置用ハンドラにおいて図7に示すICチップの流れ
を実現するためのICチップの移送装置を模式的に示す
平面図、図9はIC試験装置用ハンドラのチャンバ内で
用いられるトレイの搬送経路を説明するための斜視図で
ある。
【0019】[第1実施形態]図1に示すように、本実
施形態に係るチャンバ内部材移動装置は、図示省略して
ある断熱材で構成してあるチャンバ壁の内部に配置され
るICトレイを、チャンバの内部において水平方向に搬
送させるためのトレイ水平搬送装置360である。チャ
ンバの内部は、ICチップの低温試験または高温試験を
行うために、外気から実質的に隔離されて、所定温度に
設定してある。
【0020】本実施形態のトレイ水平搬送装置360
は、図4に示すICトレイ110aが着脱自在に乗せら
れる細長いプレート状のトレイ水平キャリア320a
と、このトレイ水平キャリア320aを長手方向に沿っ
て水平方向に移動させるための駆動ワイヤ330を有す
る。図4では、1対のトレイ水平キャリア320a,3
20aが略平行に隣接して図示してあるが、図1では、
説明の容易化のために、単一のトレイ水平キャリア32
0aのみを図示してある。
【0021】図1に示すように、トレイ水平キャリア3
20aには、開口部322aを形成しても良い。その開
口部322aは、たとえばトレイ水平搬送装置360を
トレイ垂直搬送装置と組み合わせて用いる場合に、トレ
イ昇降部材を通過させるためのものである。
【0022】図4に示すトレイ水平キャリア320aの
上に乗せられるICトレイ110aは、図5に示すIC
トレイ110と同じものでも異なっていても良い。いず
れにしても、ICトレイ110aには、チャンバの内部
で試験される1以上のICチップ、好ましくは複数のI
Cチップが収容してある。
【0023】図5に示すICトレイ110は、当該IC
トレイ110のIC収容部14に収納された被試験IC
の位置ずれや飛び出し防止のため、その上面の開口面を
開閉するためのシャッタ15が設けられている。
【0024】このシャッタ15は、スプリング16によ
ってプレート11に対して開閉自在とされており、被試
験ICをIC収容部14に収容する際またはIC収容部
14から取り出す際に、外部シャッタ開閉機構を用いて
シャッタ15を開くことで、被試験ICの収容または取
り出しが行われる。なお、外部シャッタ開閉機構を解除
すると、当該シャッタ15はスプリング16の弾性力に
より元の状態に戻り、プレート11のIC収容部14の
開口面はシャッタ15によって蓋をされ、これにより当
該IC収容部14に収容された被試験ICは、高速搬送
中においても位置ズレや飛び出しが生じることなく保持
される。
【0025】本実施形態のシャッタ15は、プレート1
1の上面に設けられた3つの滑車112により支持され
ており、中央の滑車112がシャッタ15に形成された
長孔152に係合し、両端に設けられた2つの滑車11
2,112はシャッタ15の両端縁をそれぞれ保持す
る。
【0026】ただし、中央の滑車112とシャッタ15
の長孔152との係合は、プレート11の長手方向に対
して殆どガタツキがない程度とされており、これに対し
て両端の滑車112とシャッタ15の両端縁との間には
僅かな隙間が設けられている。こうすることで、ICト
レイ110に熱ストレスが作用しても、それによる膨張
または収縮は中央の滑車112を中心にして両端へ振り
分けられ、両端に設けられた隙間によって適宜吸収され
る。したがって、シャッタ15の長手方向全体の膨張ま
たは収縮量は、最も膨張または収縮する両端でも半分の
量となり、これによりプレート11の膨張または収縮量
との格差を小さくすることができる。したがって、本実
施形態のICトレイ110は、後述するIC試験装置用
ハンドラのチャンバ内に用いて好適である。チャンバの
内部は、高温または低温に維持されるからである。
【0027】また本実施形態のICトレイ110では、
シャッタ15を開閉する際の当該シャッタ15とプレー
ト11の上面との干渉を防止してシャッタ15を円滑に
開閉動作させるために、シャッタ15に複数の摺動体が
取り付けられている。この摺動体は、プレート11を構
成する金属よりも低硬度の材料、たとえばエンジニアリ
ングプラスチックなどの各種樹脂で構成され、シャッタ
15に開設された通孔に装着されている。
【0028】こうした摺動体をシャッタ15とプレート
11との間に設けることで、シャッタ15の開閉動作が
円滑になるとともに、シャッタ15およびプレート11
相互の損傷が防止できるので、ICトレイ110自体の
寿命を延ばすことができる。
【0029】このICトレイ110は、複雑な形状、構
造ではなく、シャッタ15の開閉のみによって被試験I
Cの収容および取り出しが行えるので、その作業時間も
著しく短縮される。
【0030】また、このICトレイ110では、シャッ
タ15の両端がスプリング16,16で支持されている
ので、開閉時のシャッタ15のバランスが良好となり、
上述したように当該シャッタ15の中央のみを把持して
開閉することが容易となる。
【0031】図4に示すように、トレイ水平キャリア3
20aの下面には、複数のローラ軸受けが装着してあ
り、これらローラ軸受けがLMガイドレールに係合する
ことにより、トレイ水平キャリア320aは、LMガイ
ドレールの長手方向に沿って、略水平方向に移動可能に
してある。
【0032】図1に示すように、駆動ワイヤ330の両
端は、トレイ水平キャリア320aの長手方向両端に接
続してある。また、駆動ワイヤ330の途中は、チャン
バの外部に配置された滑車340を介して駆動モータ3
42の駆動ドラム344に巻き付けられており、たとえ
ば駆動ドラム344を矢印R1方向に回転させること
で、駆動ワイヤ330が矢印L1方向に移動し、その逆
の回転方向R2の場合には、反対の矢印L2方向に移動
するようになっている。その結果、トレイ水平キャリア
320aは、LMガイドレールに沿って、チャンバの内
部で往復移動可能になっている。なお、図1では省略し
てあるが、駆動ワイヤ330の弛みを防止するために、
駆動ワイヤ330に張力を付与するテンショナーを装着
しても良い。
【0033】本実施形態に係るチャンバ内部材移動装置
としてのトレイ水平搬送装置360では、トレイ水平キ
ャリア320aを駆動ワイヤ330により略水平方向に
搬送しているので、駆動ワイヤ330の長手方向移動量
を制御することにより、トレイ水平キャリアを正確な位
置で停止させることができる。駆動ワイヤの長手方向移
動量は、駆動源となる駆動モータ342として、ステッ
プモータなどのような回転角度または回転数を制御可能
なモータを用いることで、比較的容易に制御することが
できる。また、トレイ水平搬送装置360は、従来とは
異なり、ストッパ部材を衝突させてICトレイ110を
停止させる構成ではないので、ICトレイ110aに作
用する負荷も少なく、ICトレイ110aの耐久性が向
上すると共に、故障も少ない。また、駆動ワイヤ330
の長手方向移動量を制御することにより、トレイ水平キ
ャリア320aを正確な位置で停止させることができる
ので、ICトレイ110の停止位置毎にストッパ部材や
センサなどを設ける必要がなく、単純な構成であり、こ
の点でも故障が少ない。
【0034】本実施形態では、このようなトレイ水平搬
送装置360において、図1に示すように、対向するチ
ャンバ壁には、それぞれ円柱形状の断熱スリーブ370
が装着してある。断熱スリーブ370の厚みは、チャン
バ壁の厚みと略同一である。チャンバ壁を構成する断熱
材としては、たとえばセラミックスファイバーが用いら
れ、断熱スリーブ370は、たとえばガラス繊維強化エ
ポキシ樹脂などで構成してある。
【0035】図2に示すように、各断熱スリーブ370
には、その中心軸線に沿って、駆動ワイヤ導入部材37
2が埋め込んである。駆動ワイヤ導入部材372には、
その軸芯に対して平行に一対の貫通孔374が形成して
ある。また、各貫通孔374のチャンバ内部側には、乾
燥空気を吹き出す吹き出し口378が形成してある。各
吹き出し口378には、乾燥空気導入孔376を通して
乾燥空気が供給される。乾燥空気導入孔376の導入ポ
ート376aには、乾燥空気供給源が接続され、たとえ
ば露点温度がチャンバの内部温度と同程度またはそれよ
りも低い露点を有する乾燥空気が好ましくは供給され
る。たとえばチャンバの内部が−55°C程度である場
合には、乾燥空気導入孔376を通して貫通孔374の
内部に導入される乾燥空気の露点温度は、−55°Cま
たはそれ以下の温度であることが好ましい。
【0036】図3に示すように、駆動ワイヤ導入部材3
72の貫通孔374には、吸水部材としてのフェルト製
リング382がチャンバの外側に近い位置に装着してあ
り、駆動ワイヤ330の外周に摺設するようになってい
る。フェルト製リング382の外側には、シール部材と
してのシリコーン製リング380が装着してある。この
シリコーン製リング380は、貫通孔374のチャンバ
外側に形成してある大径凹所内に、フェルト製リング3
82と共に収容される。
【0037】貫通孔374においてフェルト製リング3
82のチャンバ内側には、フッ素樹脂などの滑り特性に
優れた樹脂チューブ384が装着してあり、駆動ワイヤ
330は、このチューブ384の軸方向空洞を貫通して
いる。チューブ384は、乾燥空気吹き出し口378を
塞がないように配置してある。
【0038】図3に示すように、駆動ワイヤ導入部材3
72のチャンバ内側端面には、シール部材としてのシリ
コーン製円盤386が装着してある。シリコーン製円盤
386には、一対の貫通孔374に連通する一対の通孔
388が形成してある。通孔388の内径は、貫通孔3
74の内径よりも小さく、駆動ワイヤ330の外径より
も僅かに大きい。したがって、貫通孔374の両軸端
は、シール部材としてのシリコーン製リング380およ
びシリコーン製円盤386との間で、実質的に密封さ
れ、各貫通孔374の内部は、吹き出し口378から吹
き出された乾燥空気で満たされる。なお、駆動ワイヤ3
30との隙間による多少の漏れは生じる。
【0039】本実施形態に係るトレイ水平搬送装置36
0では、チャンバ壁に取り付けられた駆動ワイヤ導入部
材372の貫通孔374にフェルト製リング382など
の吸水部材が装着してあり、このフェルト製リング38
2が、駆動ワイヤ330の外周に摺設するので、貫通孔
374のシールを行い、外気の流入を防止して断熱性を
向上させると共に、駆動ワイヤ33に付着した結露水を
拭き取る機能を有する。また、貫通孔374のチャンバ
内部側に、乾燥空気を吹き出す吹き出し口378を設け
てあるので、吹き出し口378から吹き出した乾燥空気
が貫通孔374の内部を満たし、貫通孔374の内部に
外気が入り込むことを有効に防止する。その結果、断熱
性が向上すると共に、結露の発生を抑制する。また、吹
き出し口378から吹き出した乾燥空気は、フェルト製
リング382にて吸水した水分を乾燥させる機能もあ
る。
【0040】[第2実施形態]本実施形態では、本発明
に係るチャンバ内部材移動装置を具体化したトレイ水平
搬送装置を、チャンバ内に配置したIC試験装置用ハン
ドラについて説明する。
【0041】図6に示す本実施形態に係るIC試験装置
用ハンドラ1は、試験すべき電子部品としてのICチッ
プに高温または低温の温度ストレスを与えた状態でIC
チップが適切に動作するかどうかを試験(検査)し、当
該試験結果に応じてICチップを分類する装置である。
こうした温度ストレスを与えた状態での動作テストは、
試験対象となる被試験ICチップが多数搭載されたカス
タマトレイから当該IC試験装置用ハンドラ1内で搬送
されるICトレイに被試験ICチップを載せ替えて実施
される。
【0042】このため、本実施形態のIC試験装置用ハ
ンドラ1は、図6および図7に示すように、これから試
験を行なう被試験ICチップを格納し、また試験済のI
Cチップを分類して格納するIC格納部100と、IC
格納部100から送られる被試験ICチップをチャンバ
300に送り込むローダ部200と、テストヘッドを含
むチャンバ300と、チャンバ300で試験が行なわれ
た試験済のICチップを分類して取り出すアンローダ部
400とから構成されている。
【0043】IC格納部100 IC格納部100には、試験前の被試験ICチップを格
納する試験前ICストッカ101と、試験の結果に応じ
て分類された被試験ICチップを格納する試験済ICス
トッカ102とが設けられている。
【0044】そして、試験前ICストッカ101には、
これから試験が行われる被試験ICチップが格納された
カスタマトレイが積層されて保持される一方で、試験済
ICストッカ102には、試験を終えた被試験ICチッ
プが適宜に分類されたカスタマトレイが積層されて保持
されている。
【0045】なお、これら試験前ICストッカ101と
試験済ICストッカ102とは同じ構造とされているの
で、試験前ICストッカ101と試験済ICストッカ1
02とのそれぞれの数を必要に応じて適宜数に設定する
ことができる。
【0046】図6および図7に示す例では、試験前スト
ッカ101に1個のストッカLDを設け、またその隣に
アンローダ部400へ送られる空ストッカEMPを1個
設けるとともに、試験済ICストッカ102に5個のス
トッカUL1,UL2,…,UL5を設けて試験結果に
応じて最大5つの分類に仕分けして格納できるように構
成されている。つまり、良品と不良品の別の外に、良品
の中でも動作速度が高速のもの、中速のもの、低速のも
の、あるいは不良の中でも再試験が必要なもの等に仕分
けされる。
【0047】ローダ部200 上述したカスタマトレイは、IC格納部100と装置基
板201との間に設けられたトレイ移送アーム(図示省
略)によってローダ部200の窓部202に装置基板2
01の下側から運ばれる。そして、このローダ部200
において、カスタマトレイに積み込まれた被試験ICチ
ップを第1の移送装置204によって一旦ピッチコンバ
ーションステージ203に移送し、ここで被試験ICチ
ップの相互の位置を修正するとともにそのピッチを変更
したのち、さらにこのピッチコンバーションステージ2
03に移送された被試験ICチップを第2の移送装置2
05を用いて、チャンバ300内の位置CR1(図7お
よび図9参照)に停止しているICトレイ110に積み
替える。その時には、図6に示すチャンバ300の入り
口303のシャッタは開いている。
【0048】窓部202とチャンバ300との間の装置
基板201上に設けられたピッチコンバーションステー
ジ203は、比較的深い凹部を有し、この凹部の周縁が
傾斜面で囲まれた形状とされたICチップの位置修正お
よびピッチ変更手段であり、この凹部に第1の移送装置
204に吸着された被試験ICチップを落し込むと、傾
斜面で被試験ICチップの落下位置が修正されることに
なる。これにより、たとえば4個の被試験ICチップの
相互の位置が正確に定まるとともに、カスタマトレイと
チャンバ内ICトレイとの搭載ピッチが相違しても、位
置修正およびピッチ変更された被試験ICチップを第2
の移送装置205で吸着してチャンバ内ICトレイに積
み替えることで、チャンバ内ICトレイに形成されたI
C収納凹部に精度良く被試験ICチップを積み替えるこ
とができる。
【0049】カスタマトレイからピッチコンバーション
ステージ203へ被試験ICチップを積み替える第1の
移送装置204は、図8に示すように、装置基板201
の上部に架設されたレール204aと、このレール20
4aによってカスタマトレイとピッチコンバーションス
テージ203との間を往復する(この方向をY方向とす
る)ことができる可動アーム204bと、この可動アー
ム204bによって支持され、可動アーム204bに沿
ってX方向に移動できる可動ヘッド204cとを備えて
いる。
【0050】この第1の移送装置204の可動ヘッド2
04cには、吸着ヘッド204dが下向きに装着されて
おり、この吸着ヘッド204dが空気を吸引しながら移
動することで、カスタマトレイから被試験ICチップを
吸着し、その被試験ICチップをピッチコンバーション
ステージ203に落とし込む。こうした吸着ヘッド20
4dは、可動ヘッド204cに対して例えば4本程度装
着されており、一度に4個の被試験ICチップをピッチ
コンバーションステージ203に落とし込むことができ
る。
【0051】一方、ピッチコンバーションステージ20
3からチャンバ300内のICトレイへ被試験ICチッ
プを積み替える第2の移送装置205も同様の構成であ
り、図6および図8に示すように、装置基板201の上
部に架設されたレール205aと、このレール205a
によってピッチコンバーションステージ203とICト
レイとの間を往復することができる可動アーム205b
と、この可動アーム205bによって支持され、可動ア
ーム205bに沿ってX方向に移動できる可動ヘッド2
05cとを備えている。
【0052】この第2の移送装置205の可動ヘッド2
05cには、吸着ヘッド205dが下向に装着されてお
り、この吸着ヘッド205dが空気を吸引しながら移動
することで、ピッチコンバーションステージ203から
被試験ICチップを吸着し、チャンバ300の入口30
3を介して、その被試験ICチップをチャンバ内ICト
レイに積み替える。こうした吸着ヘッド205dは、可
動ヘッド205cに対して例えば4本程度装着されてお
り、一度に4個の被試験ICチップをICトレイへ積み
替えることができる。
【0053】チャンバ300 本実施形態に係るチャンバ300は、位置CR1でIC
トレイに積み込まれた被試験ICチップに目的とする高
温または低温の温度ストレスを与える恒温機能を備えて
おり、熱ストレスが与えられた状態にある被試験ICチ
ップを恒温状態でテストヘッド302のコンタクト部3
02a(図7参照)に接触させる。
【0054】ちなみに、本実施形態のIC試験装置用ハ
ンドラ1では、被試験ICチップに低温の温度ストレス
を与えた場合には後述するホットプレート401で除熱
するが、被試験ICチップに高温の温度ストレスを与え
た場合には、自然放熱によって除熱する。ただし、別途
の除熱槽または除熱ゾーンを設けて、高温を印加した場
合は被試験ICチップを送風により冷却して室温に戻
し、また低温を印加した場合は被試験ICチップを温風
またはヒータ等で加熱して結露が生じない程度の温度ま
で戻すように構成しても良い。
【0055】図7に示すコンタクト部302aを有する
テストヘッド302は、テストチャンバ301の中央下
側に設けられており、このテストヘッド302の両側に
ICトレイ110の静止位置CR5が設けられている。
そして、この位置CR5に搬送されてきたICトレイに
載せられた被試験ICチップを、図8に示す第3の移送
装置304によってテストヘッド302上に直接的に運
び、被試験ICチップをコンタクト部302aに電気的
に接触させることにより試験が行われる。
【0056】また、試験を終了した被試験ICチップ
は、ICトレイ101には戻されずに、テストヘッド1
02の両側の位置CR5に出没移動するイグジットトレ
イEXT1に載せ替えられ、チャンバ300の外に搬出
される。高温の温度ストレスを印加した場合には、この
チャンバ300から搬出されてから自然に除熱される。
【0057】図9は、チャンバ300内においてICト
レイ110(または110a)の流れを三次元的に示し
たものである。図9に示すように、チャンバ300の内
部では、2組のICトレイ110が、それぞれ位置CR
1から位置CR6へと循環し、また位置CR1へと戻る
ようになっている。
【0058】図6に示す第2の移送装置205から被試
験ICを受け取る位置は、厳密にいえば図9に示す位置
CR1より僅かに上部とされている(この位置を図9に
二点鎖線で示す)。これは、チャンバ300の天井に開
設された入口303にICトレイ110を下方から臨ま
せて、当該入口303をICトレイ110で遮蔽し、チ
ャンバ部300内の熱放出を防止するためであり、この
ためにICトレイ110は、被試験ICを受け取る際に
位置CR1から少しだけ上昇する。その後、ICトレイ
110は、位置CR1へ戻され、図示省略してあるスラ
イド移動装置により、位置CR2へとスライド移動され
る。
【0059】位置CR2に搬送されたICトレイ110
は、図示省略してあるトレイ垂直搬送装置によって鉛直
方向の下に向かって幾段にも積み重ねられた状態で位置
CR3へと垂直搬送される。主としてこの搬送中に、被
試験ICに高温または低温の温度ストレスが与えられ
る。その後、位置CR5のICトレイが空くまで待機し
たのち、最下段の位置CR3からテストヘッド302と
ほぼ同一レベル位置CR4へと、図1に示すトレイ水平
搬送装置360によって搬送される。
【0060】さらに、図1に示すトレイ水平搬送装置3
60によって、位置CR4からテストヘッド302側へ
向かって水平方向の位置CR5に搬送され、ここで被試
験ICのみがテストヘッド302のコンタクト部302
a(図8参照)へ送られる。被試験ICがコンタクト部
302aへ送られたあとのICトレイ110は、その位
置CR5から水平方向の位置CR6へと、図1に示すト
レイ水平搬送装置360により搬送される。その後、図
示省略してあるトレイ垂直搬送装置により鉛直方向の上
に向かって搬送され、位置CR6から元の位置CR1に
戻る。
【0061】このように、ICトレイ110は、チャン
バ部300内のみを循環して搬送されるので、一旦昇温
または降温してしまえば、ICトレイ自体の温度はその
まま維持され、その結果、チャンバ部300における熱
効率が向上することになる。
【0062】なお、図9に示すICトレイ110の取り
廻し経路において、図5に示すICトレイ110のシャ
ッタ15を開く必要がある位置は、図8に示す第2の移
送手段205から被試験ICを受け取る位置CR1(厳
密にはその僅かに上部)と、この被試験ICを第3の移
送装置304によってテストヘッド302のコンタクト
部302aへ受け渡す位置CR5の2ヶ所である。
【0063】特に限定はされないが、本実施形態では位
置CR1においては、図5に示すICトレイ110のシ
ャッタ15の上面に設けられた開閉用ブロック181
を、図9に示す流体圧シリンダ182で引っかけて開閉
する。この流体圧シリンダ182はテストチャンバ30
1側に取り付けられている。そして、停止状態にあるI
Cトレイ110に対して流体圧シリンダ182のロッド
を後退させることで、シャッタ15に設けられた開閉用
ブロック181を引っかけながら当該シャッタ15を開
く。また、被試験ICの搭載が終了したら、流体圧シリ
ンダ182のロッドを前進させることで当該シャッタ1
5を閉じる。
【0064】これに対して、テストヘッド302の近傍
位置CR5においては、ICトレイ110自体が、図1
に示すトレイ水平搬送装置360によって移動するの
で、この水平移動を利用してICトレイ110のシャッ
タ15を開閉することもできる。たとえば、図9に示す
ように、ICトレイ110は位置CR4から位置CR5
へ向かって水平に搬送されるが、この途中にシャッタ1
5を開閉するためのストッパを設け、このストッパを、
ICトレイ110が位置CR4から位置CR5へ移動す
る際にシャッタ15の開閉用ブロック181に当接させ
る。このストッパが設けられた位置は、ICトレイ11
0が位置CR5で停止したときにちょうどシャッタ15
が全開する位置でもある。図5に示すICトレイ110
では、シャッタ15に2つの開閉用ブロック181が設
けられているので、ストッパも2つ設けることが好まし
い。
【0065】図7に示す本実施形態のテストヘッド30
2には、8個のコンタクト部302aが一定のピッチで
設けられており、コンタクトアームの吸着ヘッドも同一
ピッチで設けられている。また、ICトレイには、所定
ピッチで16個の被試験ICチップが収容されるように
なっている。
【0066】テストヘッド302に対して一度に接続さ
れる被試験ICチップは、たとえば1行×16列に配列
された被試験ICチップに対して、1列おきの被試験I
Cチップである。
【0067】つまり、1回目の試験では、1,3,5,
7,9,11,13,15列に配置された8個の被試験
ICチップをテストヘッド302のコンタクト部302
aに接続して試験し、2回目の試験では、ICトレイを
1列ピッチ分だけ移動させて、2,4,6,8,10,
12,14,16列に配置された被試験ICチップを同
様に試験する。このため、図示はしないが、テストヘッ
ド302の両側の位置CR5に搬送されてきたICトレ
イ101を、その長手方向に所定ピッチだけ移動させる
移動装置が設けられている。その移動装置は、図1に示
すトレイ水平搬送装置360であっても良い。
【0068】ちなみに、この試験の結果は、ICトレイ
に付された例えば識別番号と、当該ICトレイの内部で
割り当てられた被試験ICチップの番号で決まるアドレ
スに記憶される。
【0069】本実施形態のIC試験装置用ハンドラ1に
おいて、テストヘッド302のコンタクト部302aへ
被試験ICチップを移送してテストを行うために、図8
に示す第3の移送装置304がテストヘッド302の近
傍に設けられている。この第3の移送装置304は、I
Cトレイの静止位置CR5およびテストヘッド302の
延在方向(Y方向)に沿って設けられたレール304a
と、このレール304aによってテストヘッド302と
ICトレイの静止位置CR5との間を往復することがで
きる可動ヘッド304bと、この可動ヘッド304bに
下向きに設けられた吸着ヘッドとを備えている。吸着ヘ
ッドは、図示しない駆動装置(たとえば流体圧シリン
ダ)によって上下方向にも移動できるように構成されて
いる。この吸着ヘッドの上下移動により、被試験ICチ
ップを吸着できるとともに、コンタクト部302a(図
7参照)に被試験ICチップを押し付けることができ
る。
【0070】本実施形態の第3の移送装置304では、
一つのレール304aに2つの可動ヘッド304bが設
けられており、その間隔が、テストヘッド302とIC
トレイの静止位置CR5との間隔に等しく設定されてい
る。そして、これら2つの可動ヘッド304bは、一つ
の駆動源(たとえばボールネジ装置)によって同時にY
方向に移動する一方で、それぞれの吸着ヘッドは、それ
ぞれ独立の駆動装置によって上下方向に移動する。した
がって、一方の可動ヘッド304bにより、テストヘッ
ド302でのICチップのコンタクトを行い、同時に他
方の可動ヘッド304bにより、位置CR5にあるIC
トレイからICチップの吸着動作を行うことができる。
【0071】既述したように、それぞれの吸着ヘッド
は、一度に8個の被試験ICチップを吸着して保持する
ことができ、その間隔はコンタクト部302aの間隔と
等しく設定されている。この第3の移送装置304の動
作の詳細は省略する。
【0072】アンローダ部400 アンローダ部400には、上述した試験済ICチップを
チャンバ300から払い出すためのイグジットトレイが
設けられている。このイグジットトレイは、図7および
図8に示すように、テストヘッド302の両側それぞれ
の位置EXT1と、アンローダ部400の位置EXT2
との間をX方向に往復移動できるように構成されてい
る。テストヘッド302の両側の位置EXT1では、I
Cトレイとの干渉を避けるために、ICトレイの静止位
置CR5のやや上側であって第3の移送装置304の吸
着ヘッドのやや下側に重なるように出没する。
【0073】イグジットトレイの具体的構造は特に限定
されないが、ICトレイのように、被試験ICチップを
収容できる凹部が複数(ここでは8個)形成されたプレ
ートで構成することができる。
【0074】このイグジットトレイは、テストヘッド3
02の両側のそれぞれに都合2機設けられており、一方
がテストチャンバ301の位置EXT1へ移動している
間は、他方はアンローダ部400の位置EXT2へ移動
するというように、ほぼ対称的な動作を行う。
【0075】イグジットトレイの位置EXT2に近接し
て、ホットプレート401が設けられている。このホッ
トプレート401は、被試験ICチップに低温の温度ス
トレスを与えた場合に、結露が生じない程度の温度まで
加熱するためのものであり、したがって高温の温度スト
レスを印加した場合には当該ホットプレート401は使
用する必要はない。
【0076】本実施形態のホットプレート401は、後
述する第4の移送装置404の吸着ヘッド404cが一
度に8個の被試験ICチップを保持できることに対応し
て、2列×16行、都合32個の被試験ICチップを収
容できるようにされている。そして、第4の移送装置4
04の吸着ヘッド404cに対応して、ホットプレート
401を4つの領域に分け、位置EXT2でのイグジッ
トトレイから吸着保持した8個の試験済ICチップをそ
れらの領域に順番に置き、最も長く加熱された8個の被
試験ICチップをその吸着ヘッド404cでそのまま吸
着して、バッファ部402へ移送する。
【0077】ホットプレート401の近傍には、それぞ
れ昇降テーブルを有する2つのバッファ部402が設け
られている。各バッファ部402の昇降テーブルは、位
置EXT2でのイグジットトレイおよびホットプレート
401と同じレベル位置(Z方向)と、それより上側の
レベル位置、具体的には装置基板201のレベル位置と
の間をZ方向に移動する。このバッファ部402の具体
的構造は特に限定されないが、たとえばICトレイやイ
グジットトレイと同じように、被試験ICチップを収容
できる凹部が複数(ここでは8個)形成されたプレート
で構成することができる。
【0078】また、これらバッファ部402を構成する
一対の昇降テーブルは、一方が上昇位置で静止している
間は、他方が下降位置で静止するといった、ほぼ対称的
な動作を行う。
【0079】位置EXT2でのイグジットトレイからバ
ッファ部402に至る範囲のアンローダ部400には、
第4の移送装置404(図8参照)が設けられている。
この第4の移送装置404は、図6および図8に示すよ
うに、装置基板201の上部に架設されたレール404
aと、このレール404aによって位置EXT2とバッ
ファ部402との間をY方向に移動できる可動アーム4
04bと、この可動アーム404bによって支持され、
可動アーム404bに対してZ方向に上下移動できる吸
着ヘッド404cとを備え、この吸着ヘッド404cが
空気を吸引しながらZ方向およびY方向へ移動すること
で、位置EXT2にあるイグジットトレイから被試験I
Cチップを吸着し、その被試験ICチップをホットプレ
ート401に落とし込むとともに、ホットプレート40
1から被試験ICチップを吸着してその被試験ICチッ
プをバッファ部402へ落とし込む。本実施形態の吸着
ヘッド404cは、可動アーム404bに8本装着され
ており、一度に8個の被試験ICチップを移送すること
ができる。
【0080】ちなみに、可動アーム404bおよび吸着
ヘッド404cは、バッファ部402の上昇位置と下降
位置との間のレベル位置を通過できる位置に設定されて
おり、これによって一方のバッファ部402が上昇位置
にあっても、干渉することなく他方のバッファ部402
に被試験ICチップを移送することができる。
【0081】さらに、アンローダ部400には、第5の
移送装置406および第6の移送装置407が設けら
れ、これら第5および第6の移送装置406,407に
よって、バッファ部402に運び出された試験済の被試
験ICチップがカスタマトレイに積み替えられる。
【0082】このため、装置基板201には、IC格納
部100の空ストッカEMP(図7参照)から運ばれて
きた空のカスタマトレイを装置基板201の上面に臨む
ように配置するための窓部403が都合4つ開設されて
いる。
【0083】第5の移送装置406は、図6および図8
に示すように、装置基板201の上部に架設されたレー
ル406aと、このレール406aによってバッファ部
402と窓部403との間をY方向に移動できる可動ア
ーム406bと、この可動アーム406bによって支持
され、可動アーム406bに対してX方向へ移動できる
可動ヘッド406cと、この可動ヘッド406cに下向
きに取り付けられZ方向に上下移動できる吸着ヘッド4
06dとを備えている。そして、この吸着ヘッド406
dが空気を吸引しながらX、YおよびZ方向へ移動する
ことで、バッファ部402から被試験ICチップを吸着
し、その被試験ICチップを対応するカテゴリのカスタ
マトレイへ移送する。本実施形態の吸着ヘッド406d
は、可動ヘッド406cに2本装着されており、一度に
2個の被試験ICチップを移送することができる。
【0084】なお、本実施形態の第5の移送装置406
は、右端の2つの窓部403にセットされたカスタマト
レイにのみ被試験ICチップを移送するように、可動ア
ーム406bが短く形成されており、これら右端の2つ
の窓部403には、発生頻度の高いカテゴリのカスタマ
トレイをセットすると効果的である。
【0085】これに対して、第6の移送装置406は、
図6および図8に示すように、装置基板201の上部に
架設された2本のレール407a,407aと、このレ
ール407a,407aによってバッファ部402と窓
部403との間をY方向に移動できる可動アーム407
bと、この可動アーム407bによって支持され、可動
アーム407bに対してX方向へ移動できる可動ヘッド
407cと、この可動ヘッド407cに下向きに取り付
けられZ方向に上下移動できる吸着ヘッド407dとを
備えている。そして、この吸着ヘッド407dが空気を
吸引しながらX、YおよびZ方向へ移動することで、バ
ッファ部402から被試験ICチップを吸着し、その被
試験ICチップを対応するカテゴリのカスタマトレイへ
移送する。本実施形態の吸着ヘッド407dは、可動ヘ
ッド407cに2本装着されており、一度に2個の被試
験ICチップを移送することができる。
【0086】上述した第5の移送装置406が、右端の
2つの窓部403にセットされたカスタマトレイにのみ
被試験ICチップを移送するのに対し、第6の移送装置
407は、全ての窓部403にセットされたカスタマト
レイに対して被試験ICチップを移送することができ
る。したがって、発生頻度の高いカテゴリの被試験IC
チップは、第5の移送装置406と第6の移送装置40
7とを用いて分類するとともに、発生頻度の低いカテゴ
リの被試験ICチップは第6の移送装置407のみによ
って分類することができる。
【0087】こうした、2つの移送装置406,407
の吸着ヘッド406d,407dが互いに干渉しないよ
うに、図6および図8に示すように、これらのレール4
06a,407aは異なる高さに設けられ、2つの吸着
ヘッド406d,407dが同時に動作してもほとんど
干渉しないように構成されている。本実施形態では、第
5の移送装置406を第6の移送装置407よりも低い
位置に設けている。
【0088】ちなみに、図示は省略するが、それぞれの
窓部403の装置基板201の下側には、カスタマトレ
イを昇降させるための昇降テーブルが設けられており、
試験済の被試験ICチップが積み替えられて満杯になっ
たカスタマトレイを載せて下降し、この満杯トレイをト
レイ移送アームに受け渡し、このトレイ移送アームによ
ってIC格納部100の該当するストッカUL1〜UL
5(図7参照)へ運ばれる。また、カスタマトレイが払
い出されて空となった窓部403には、トレイ移送アー
ムによって空ストッカEMPから空のカスタマトレイが
運ばれ、昇降テーブルに載せ替えられて窓部403にセ
ットされる。
【0089】本実施形態の一つのバッファ部402に
は、16個の被試験ICチップが格納でき、またバッフ
ァ部402の各ICチップ格納位置に格納された被試験
ICチップのカテゴリをそれぞれ記憶するメモリが設け
られている。
【0090】そして、バッファ部402に預けられた被
試験ICチップのカテゴリと位置とを各被試験ICチッ
プ毎に記憶しておき、バッファ部402に預けられてい
る被試験ICチップが属するカテゴリのカスタマトレイ
をIC格納部100(UL1〜UL5)から呼び出し
て、上述した第3および第6の移送装置406,407
で、対応するカスタマトレイに試験済ICチップを収納
する。
【0091】[その他の実施形態]なお、本発明は、上
述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範
囲内で種々に改変することができる。
【0092】たとえば、本発明に係る部品ハンドリング
装置では、ハンドラにおけるICチップの取り回し方法
は、図示する実施形態に限定されない。また、本発明に
係るチャンバ内部材移動装置および部品ハンドリング装
置より取り扱われる電子部品としては、ICチップに限
定されない。
【0093】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、比較的単純な機構により、トレイ用キャリアなどの
チャンバ内移動部材を所定の停止位置で正確に停止させ
ることが容易であり、移動部材に作用する負荷が小さ
く、故障が少ないチャンバ内部材移動装置および部品ハ
ンドリング装置を実現することができる。また、特にチ
ャンバ内部を低温状態に保持する場合に、結露を有効に
防止し得るチャンバ内部材移動装置および部品ハンドリ
ング装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係るチャンバ内
部材移動装置の構成を示す概略図である。
【図2】 図2は図1に示す断熱スリーブ付き駆動ワイ
ヤ導入部材の斜視図である。
【図3】 図3は図2に示すIII−III線に沿う駆動ワイ
ヤ導入部材の断面図である。
【図4】 図4はトレイ水平搬送装置の要部斜視図であ
る。
【図5】 図5はトレイの斜視図である。
【図6】 図6はIC試験装置用ハンドラの全体斜視図
である。
【図7】 図7は図6に示す試験装置用ハンドラにおい
てICチップの流れを示す概念図である。
【図8】 図8は同試験装置用ハンドラにおいて図7に
示すICチップの流れを実現するためのICチップの移
送装置を模式的に示す平面図である。
【図9】 図9はIC試験装置用ハンドラのチャンバ内
で用いられるトレイの搬送経路を説明するための斜視図
である。
【符号の説明】
1…IC試験装置用ハンドラ(部品ハンドリング装置) 15… シャッタ 16… スプリング 100… IC格納部 110,110a… ICトレイ 120… 凸部 200… ローダ部 300… チャンバ 301… テストチャンバ 302… テストヘッド 302a… コンタクト部 303… チャンバ部の入口 320a… トレイ水平キャリア(移動部材) 322a… 開口部 326… レール 330… 駆動ワイヤ 342… 駆動モータ(駆動源) 344… 駆動ドラム 360… トレイ水平搬送装置(チャンバ内部材移動装
置) 370… 断熱スリーブ 372… 駆動ワイヤ導入部材 374… 貫通孔 376… 乾燥空気導入孔 378… 吹き出し口 380… シリコーン製リング(シール部材) 382… フェルト製リング(吸水部材) 384… 樹脂チューブ 386… シリコーン製円盤(シール部材) 400… アンローダ部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部環境と異なる条件に内部が設定され
    るチャンバ内に移動可能に配置してある移動部材を駆動
    する駆動ワイヤと、 前記チャンバの外部に配置され、前記駆動ワイヤを長手
    方向に沿って移動させるように、前記駆動ワイヤに連結
    してある駆動源と、 前記チャンバ壁に取り付けられ、前記駆動ワイヤが前記
    チャンバの内外で貫通する貫通孔が形成してある駆動ワ
    イヤ導入部材と、 前記駆動ワイヤ導入部材の貫通孔に装着され、前記駆動
    ワイヤの外周に摺設する吸水部材とを有するチャンバ内
    部材移動装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動ワイヤ導入部材の貫通孔のチャ
    ンバ内部側には、乾燥空気を吹き出す吹き出し口が具備
    してある請求項1に記載のチャンバ内部材移動装置。
  3. 【請求項3】 前記吸水部材が、フェルト製リングで構
    成してあり、前記貫通孔のチャンバ外部側に装着してあ
    る請求項1または2に記載のチャンバ内部材移動装置。
  4. 【請求項4】 前記貫通孔の軸方向両端部には、当該貫
    通孔の内部を実質的に密封するシール部材が装着してあ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のチャンバ内部材移動
    装置。
  5. 【請求項5】 前記移動部材が、前記チャンバ内で試験
    すべき部品が収容されたトレイを搬送するためのキャリ
    アである請求項1〜4のいずれかに記載のチャンバ内部
    材移動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のチャン
    バ内部材移動装置を有する部品ハンドリング装置。
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JPWO2010052773A1 (ja) * 2008-11-06 2012-03-29 株式会社島津製作所 パレット搬送機構、および基板検査装置

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