JP2000296547A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JP2000296547A
JP2000296547A JP11107952A JP10795299A JP2000296547A JP 2000296547 A JP2000296547 A JP 2000296547A JP 11107952 A JP11107952 A JP 11107952A JP 10795299 A JP10795299 A JP 10795299A JP 2000296547 A JP2000296547 A JP 2000296547A
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filter
resin
film
thermoplastic resin
particles
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JP11107952A
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Hidehito Minamizawa
秀仁 南澤
Kimio Sato
公夫 佐藤
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルター内部での粒子の凝集を抑制するた
めに、樹脂中に添加する粒子の粒径に応じて樹脂がフィ
ルターを通過する時間(滞留時間)を最適化し、フィル
ム表面の粗大突起の数を低減する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を押出機で溶融し、濾過フ
ィルターを通過後、口金より吐出させキャスティングド
ラム上で冷却固化してフィルムを製造する方法におい
て、樹脂中に含有される不活性粒子の平均粒径x(μ
m)と濾過フィルター内での樹脂の平均滞留時間y
(分)が下式(1)、(2)、(3)、(4)で囲まれ
た範囲にあることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの
製造方法。 y=10x0.3 +2 (1) y=2x0.5 (2) y=15 (3) x=0 (4)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムの製造方法に関し、とくに磁気記録媒体、感熱転写
材、電気絶縁材料、包装材料等の用途に有効に用いられ
る熱可塑性樹脂フィルムを製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムは、従来から磁気
記録媒体、感熱転写材、電気絶縁材料、包装材料などの
分野に広く用いられている。近年、各用途の中でも磁気
媒体用途では、蒸着による磁性層の形成などにより、磁
性層の厚みが薄くなる傾向にある。磁性層の厚みが薄く
なると、基材であるフィルムの表面状態が直接磁性層表
面に影響するため、フィルム表面の平滑性が求められて
いる。通常熱可塑性樹脂フィルムは、滑り性改善のため
に不活性粒子を添加し、フィルム表面に突起を形成させ
ているが、上記のようにフィルム表面の平滑化のために
その粒子径はサブミクロンのオーダーまで小さくなって
きている。粒子径が小さくなると、同じ重量を添加した
場合、粒子の個数が増え、表面積が大きくなるために粒
子同士が接触し易くなり、粒子の凝集が起こりやすくな
る。凝集した粒子を取り除く方法としては、特開平2−
11636号公報、特開平7−156139号公報など
に見られるように、樹脂を押出機で溶融した後の工程に
樹脂用の濾過フィルターを設ける方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性樹脂の濾過に
は、フィルターとしては金属繊維、金属粉末などの焼結
体を濾材としたものが用いられるが、このようなフィル
ターは構造が複雑でかつ体積が大きいため、樹脂は数分
から場合によっては10分以上の時間をかけてフィルタ
ーを通過する。樹脂がフィルターを通過する時間が長く
なると、樹脂中に含有される粒子がフィルターの濾材内
部、濾材通過後のフィルター内部等に滞留し、粒子同士
の凝集が発生し易くなる。凝集した粒子は、樹脂をフィ
ルムとして成形した場合、粗大突起となりやすく、フィ
ルムを最終製品に加工して使用した場合の品質が著しく
低下することになる。
【0004】本発明の課題は、上記のようなフィルター
内部での粒子の凝集を抑制するために、樹脂中に添加す
る粒子の粒径に応じて樹脂がフィルターを通過する時間
(滞留時間)を最適化し、フィルム表面の粗大突起の数
を低減することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、
熱可塑性樹脂を押出機で溶融し、濾過フィルターを通過
後、口金より吐出させキャスティングドラム上で冷却固
化してフィルムを製造する方法において、樹脂中に含有
される不活性粒子の平均粒径x(μm)と濾過フィルタ
ー内での樹脂の平均滞留時間y(分)が下式(1)、
(2)、(3)、(4)で囲まれた範囲にあることを特
徴とする方法からなる。 y=10x0.3 +2 (1) y=2x0.5 (2) y=15 (3) x=0 (4) この式(1)、(2)、(3)、(4)で囲まれた範囲
は、図1に示すようになる(ただし、図1にはxが10
(μm)までの範囲を示してあるが、それ以上の範囲に
おいても同様である)。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、望ましい実施
形態と共に詳細に説明する。本発明における熱可塑性樹
脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン等が挙げられ、これらの中でポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等の
ポリエステル系樹脂が好ましい。また本発明の熱可塑性
樹脂は先に挙げたものの中の1種類の単独でも、2種以
上の樹脂の共重合体や、2種以上の樹脂の混合体であっ
てもかまわない。また必要に応じて各種添加剤が添加さ
れていてもかまわない。
【0007】本発明においては、前述の如く、樹脂中に
含有される不活性粒子の平均粒径x(μm)と濾過フィ
ルター内での樹脂の平均滞留時間y(分)が前記式
(1)、(2)、(3)、(4)で囲まれた範囲にある
ことが必要である。本発明の熱可塑性樹脂に含有される
不活性粒子の平均粒径自身としては、特に限定されない
が、0.05μm以上2μm以下、好ましくは0.05
μm以上1.5μm以下であるとフィルム表面の平滑性
と滑り性を共に良好とするのに適している。
【0008】また、不活性粒子の種類としては、無機粒
子、有機粒子いずれでも良く、無機粒子としては、二酸
化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムなど、有
機粒子としてはエチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼ
ン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン等が
挙げられる。これら不活性粒子は単独、あるいは種類又
は粒子径の異なる2種以上の粒子を組み合わせて用いら
れる。樹脂中の含有量としては特に限定はされないが、
0.01重量%以上5重量%以下、好ましくは0.02
重量%以上3重量%以下の場合、本発明の効果を得るの
に適している。
【0009】本発明の濾過フィルターとしては金属繊
維、または金属粉末の焼結体を濾材として用いた円筒状
に加工したもの、濾材を円板状に加工したディスクタイ
プ、2枚の濾材でステンレスの金網等(一般にリテーナ
ーと呼ばれる)を挟み込んだリーフディスクタイプのも
のなどが用いられる。
【0010】濾材の濾過精度としては特に限定はされな
いが、30μm以上、好ましくは25μm以上、更に好
ましくは20μm以上の異物を95%以上捕捉する場合
(つまり、公称、30μmカット、25μmカット、2
0μmカット)、特に熱可塑性樹脂フィルム用として適
している。また、上記不活性粒子の平均粒径xとフィル
ターの濾過精度a(μmカット)の比x/aは、好まし
くは1/20以上1/5以下、より好ましくは1/15
以上1/5以下であると異物の捕捉と濾過寿命を両立す
るのに好適である。
【0011】濾過フィルターは金属繊維濾材のもの、金
属粉末濾材のものいずれかを単独でも、両方を組み合わ
せて用いてもかまわない。また、樹脂の平均滞留時間を
本発明の範囲とするにはフィルターの容積を最適化する
必要があるが、濾材として空隙率30%から80%程
度、好ましくは40%から80%の比較的高い空隙率の
ものを用い、リーフディスクタイプの場合は樹脂の流路
確保のために設置するリテーナーは一般に用いられるス
テンレスの金網を用いたものでもかまわないが、例えば
ディスクの外周から内周に向けてらせん状に樹脂の流路
が設けられ、リテーナー部を樹脂が流れるときの抵抗が
低くなるように設計されたものなど樹脂が通過するとき
の圧力損失が低くなるように設計されたものの場合、フ
ィルター枚数を低減でき必要以上にフィルター容積を大
きくしないために有効である。
【0012】押出機から口金までの工程概要は次の通り
である。押出機は必要とする吐出量に応じて公知のもの
から選ばれ、単軸スクリュー、2軸スクリューいずれの
ものでもかまわない。押出機で溶融吐出された不活性粒
子を含有する樹脂は必要に応じて濾過精度の低い金網フ
ィルター等で予備濾過され、ギアポンプ等で計量後メイ
ン濾過装置へ導かれる。メイン濾過装置は先に述べたよ
うな、例えばリーフディスクタイプの濾過フィルターを
数10枚程度組み込むものである。メイン濾過装置は必
要に応じ濾材の種類または/および濾過精度の異なるも
の2段階以上の濾過としてもよい。尚、本発明で言う濾
過フィルターとはこのメイン濾過装置のことである。メ
イン濾過装置を出た樹脂は公知の口金に導かれ吐出さ
れ、キャスティングドラム上で冷却固化され、非晶状態
のフィルムとなる。
【0013】次に本発明の実施に必要な測定項目、効果
の評価法等について説明する。 (1)樹脂中の不活性粒子の平均粒径 フィルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学(株)製PR−503型)で除去
し粒子を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化さ
れるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これ
をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像
(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザ
ー(たとえばケンブリッジインストルメント社製QTM
900)に結び付け、観察箇所を変えて粒子数5000
個以上で次の数値処理を行ない、それによって求めた数
平均径Dを平均粒径とする。 D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
【0014】(2)フィルターの濾過精度 試験粉体としてACFTD(アリゾナサンド、中位径7
μm)を用いて定圧濾過試験を行い、フィルター濾材通
過前後の粒子数を例えばHIAC PC−320等によ
りカウントし次式により捕集効率を算出する。 捕集効率(%)={(nA−nB)/nA}×100 各粒子径の範囲で捕集効率を計算し、グラフ上に各粒子
径に対する捕集効率をプロットし捕集効率曲線を作成
し、捕集効率95%の粒子径を濾過精度とする。
【0015】(3)フィルム表面の粗大突起個数 2枚のフィルムを静電気を印加させて密着させる。波長
0.54μmの光源の多重干渉式顕微鏡により、密着さ
せたフィルムの10cm×10cmの面積を観察する。
フィルム表面に粗大突起がある場合、フィルム−フィル
ム間に隙間ができ、その隙間の高さに応じて干渉縞が発
生するので、フィルム上に存在する1次以上の干渉縞の
数をカウントする。その後、透過式の顕微鏡で観察しな
がらフィルムの粗大突起と表面付着物を分別し、粗大突
起のみの数をカウントする。
【0016】(4)フィルター内での樹脂の平均滞留時
間 メイン濾過装置内のフィルターの容積V(cm3)と熱
可塑性樹脂の吐出量Q(cm3/分)から次式で求め
る。 平均滞留時間(分)=V/Q 尚、メイン濾過装置として濾材の種類または/および濾
過精度の異なるフィルターにより複数の濾過装置を用い
た場合は個々の濾過装置について平均滞留時間を算出
し、最も時間の長いものを本発明の平均滞留時間とする
【0017】(5)濾過寿命 メイン濾過装置前に設置された濾圧計の数値がスタート
から30kg/cm2上昇するに要する日数を濾過寿命
とした。
【0018】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1(表1) 公知の方法により得られた、不活性粒子を添加したポリ
エチレンテレフタレート(PET)のペレットを180
℃、真空中で4時間乾燥後、公知の押出機に供給し28
0℃の温度で溶融し、濾過精度3μmのフィルターが設
置された濾過装置を通過させた後口金より押出した。こ
のときの吐出量は0.8トン/hr、濾過フィルターの
平均滞留時間は8分であった。次いで、静電印加法を用
いて表面温度25℃のキャスティングドラム上で冷却固
化し非晶状態の未延伸PETフィルムを得た。このフィ
ルムを公知の延伸装置により95℃で縦延伸、100℃
で横延伸後、220℃で3秒間熱固定を行いフィルムを
製膜した。このフィルムの粗大突起数を測定すると33
個/10cm2と良好であった。また、濾過寿命は20
日間の連続使用でも30kg/cm2の濾圧上昇には至
らなかった。尚、フィルムに含有された不活性粒子の平
均粒径は0.3μmであった。
【0019】実施例2〜6、比較例1〜6(表1) 添加する不活性粒子の粒径、平均滞留時間、フィルター
の濾過精度を変更した以外は実施例1と同様の方法でフ
ィルムを製膜した。不活性粒子の平均粒径と濾過フィル
ター内の平均滞留時間が本発明の請求範囲内の場合は粗
大突起数は少なく良好であり、濾過寿命も十分長い日数
であった。しかし、不活性粒子の平均粒径と濾過フィル
ター内の平均滞留時間が本発明の請求範囲から外れる場
合は粗大突起数、濾過寿命を両立することはできなかっ
た。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂を押出機
で溶融し濾過フィルターを通過後口金より吐出させてキ
ャスティングドラム上で冷却固化しキャストフィルムを
製造するに際し、樹脂中に含有される不活性粒子の平均
粒径と濾過フィルター内での樹脂の滞留時間を特定範囲
とすることにより、フィルターの濾過寿命を維持し、且
つフィルム表面の粗大突起を減少させることができる。
本発明の方法で得られた熱可塑性樹脂フィルムはフィル
ム上の粗大突起が問題となる各用途、例えば磁気記録媒
体、感熱転写材、電気絶縁材料等に広く好適に用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で規定した範囲を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F205 AB16 AB19 AC01 AC04 AG01 AR11 AR12 GB02 GF02 GN04 GN18 GN24 4F207 AB16 AB19 AC01 AC04 AG01 AR11 AR12 KA01 KA17 KF02 KK64 KL40 KM15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を押出機で溶融し、濾過フ
    ィルターを通過後、口金より吐出させキャスティングド
    ラム上で冷却固化してフィルムを製造する方法におい
    て、樹脂中に含有される不活性粒子の平均粒径x(μ
    m)と濾過フィルター内での樹脂の平均滞留時間y
    (分)が下式(1)、(2)、(3)、(4)で囲まれ
    た範囲にあることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの
    製造方法。 y=10x0.3 +2 (1) y=2x0.5 (2) y=15 (3) x=0 (4)
  2. 【請求項2】 樹脂中に含まれる不活性粒子の平均粒径
    が0.05μm以上2μm以下であることを特徴とする
    請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂中の不活性粒子の含有量が0.01
    重量%以上5重量%以下である請求項1または2記載の
    熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂中に含有される不活性粒子の平均粒
    径xと濾過フィルターの濾過精度a(μmカット)の比
    x/aが1/20以上1/5以下であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィル
    ムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016203384A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 株式会社カネカ 光学フィルムの製造方法

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