JP2018052114A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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佳宏 森田
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂フィルムに含まれる粒子の凝集物や、ポリマーの異物の発生物を効率よく除去し、濾圧変動による生産性の。【解決手段】溶融した熱可塑性樹脂をフィルターで濾過する工程を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、前記フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、かつ少なくとも一方の濾材が、以下の特徴1及び2を備える、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。特徴1:濾過精度が20〜40μmである。特徴2:濾材の空隙部の厚み方向の長さが、濾材の全体厚みに対して20%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、異物による表面欠点の発生を軽減することができる、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関するものである。
熱可塑性樹脂フィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び耐薬品性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、金属蒸着材料、製版材料、磁気記録材料、表示材料、転写材料、窓貼り材料、ディスプレイ材料、ヘルスケアー材料などの多くの用途で使用されている。これらの熱可塑性樹脂フィルムは、その表面に目的とする機能に応じて別の層が設けられている。そのため、これらの熱可塑性樹脂フィルムには、それらの機能に影響を与えないように、表面が平滑であること、特にはフィルム表面上に異物がないことが求められる。そのため、異物除去を目的として、ポリマーの濾過過程において、フィルターの濾過精度を高くする方法や、濾過精度が異なる濾過材を用いる方法が採用されている(例えば、特許文献1)。
特開2001−322157号公報
しかしながら、フィルターの濾過精度を高くすると、異物の発生は抑制されるが、熱可塑性樹脂を濾過する工程において濾圧変動が起こり、フィルムの生産安定性が低下するという問題や、フィルム中に異物が流出して品質が低下するという問題があった。本発明は、係る従来技術の問題点を改良し、異物による表面欠点の発生を軽減することができる、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供することをその課題とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の構成からなる。
(1) 溶融した熱可塑性樹脂をフィルターで濾過する工程を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、前記フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、かつ少なくとも一方の濾材が、以下の特徴1及び2を備えることを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
特徴1:濾過精度が20μm以上40μm以下である。
特徴2:濾材の空隙部の厚み方向の長さが、濾材の全体厚みに対して20%以下である。
(2) 前記特徴1及び前記特徴2を備える濾材の空隙部の厚み方向の長さが、0.5mm以下であることを特徴とする、(1)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(3) 前記特徴1及び前記特徴2を備える濾材の空隙率が50%以下であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
本発明により、異物による表面欠点の発生を軽減することができる、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供することができる。
フィルターの一例を示す断面図である。 フィルターの一例を示す断面図である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、溶融した熱可塑性樹脂をフィルターで濾過する工程を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、前記フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、かつ少なくとも一方の濾材が、以下の特徴1及び2を備えることを特徴とする。
特徴1:濾過精度が20μm以上40μm以下である。
特徴2:濾材の空隙部の厚み方向の長さが、濾材の全体厚みに対して20%以下である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法における熱可塑性樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリオレフィン樹脂等を単独で又は組み合わせて用いることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル樹脂を用いることが好ましい。また必要に応じて、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加してもよい。
前記の熱可塑性樹脂には、本発明の効果を損なわない限り、フィルムの滑り性等を向上させるために不活性粒子を添加してもよい。不活性粒子の平均粒径は、フィルム表面の平滑性と滑り性を両立する観点から、0.05μm以上3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1.5μm以下である。また、不活性粒子は平均粒径の異なるものを複数種用いてもよい。
不活性粒子の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、無機粒子、有機粒子のいずれであってもよく、また両者を混合してもよい。無機粒子としては、例えば、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、及び二酸化チタンなどを単独で又は組み合わせて用いることができる。有機粒子としては、例えば、エチルビニル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、及びシリコーン等を単独で又は組み合わせて用いることができる。不活性粒子の含有量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、フィルムを構成する全成分を100質量%としたときに、0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.005質量%以上3質量%以下である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、溶融した熱可塑性樹脂をフィルターで濾過する工程を有する。このような態様とすることにより、溶融した熱可塑性樹脂組成物から異物を取り除くことができ、フィルムにおける異物の発生を軽減することができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、かつ少なくとも一方の濾材が、以下の特徴1及び2を備えることが重要である。
特徴1:濾過精度が20μm以上40μm以下である。
特徴2:濾材の空隙部の厚み方向の長さが、濾材の全体厚みに対して20%以下である。
ここで、支持体とはフィルターとしての形状を保つための部材をいう。通常、濾材は柔らかく強度も低いため、濾材をフィルターとして用いるためには、支持体の上下に濾材を有する態様とする。このようなフィルターの例としては、図1や2に示すようなリーフディスクタイプのものが挙げられる。
支持体は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、公知の材料を使用することができるが、濾過時には高温の溶融熱可塑性樹脂組成物が大量にフィルターを通過することとなるため、耐熱性と耐圧性に優れた材料を用いることが好ましい。このような材料の例としては、例えば金網が挙げられる。
濾材も本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、支持体と同様の理由より耐熱性と耐圧性に優れた材料を用いることが好ましい。このような材料の例として、金属繊維や金属粉末の焼結体等が挙げられる。より具体的には、ステンレス、及び銅等の繊維や粉末の焼結体が適している。中でも、熱可塑性樹脂との反応性や耐腐食性の点で、ステンレスの繊維や粉末の焼結体が好ましく、さらにステンレスの繊維や粉末の焼結体の中でも、SUS304、SUS316、SUS316L、SUS343等の繊維や粉末の焼結体がより好ましい。
濾過精度とは、試験粉体としてACFTD(アリゾナサンド、中位径7μm)を用いた定圧濾過試験により測定した濾過精度をいい、測定方法の詳細は後述する。支持体の上下の濾材の濾過精度がいずれも20μm未満であると、異物に起因するフィルム表面の欠点の発生頻度は軽減されるが、フィルターを使用開始してから短時間で圧力が上昇し始めるため濾圧変動が生じ、長手方向に厚みムラが発生することがある。また、濾材の使用可能時間が短くなるためにフィルターを交換する回数も増え、生産性も低下する。一方、支持体の上下の濾材の濾過精度がいずれも40μmを超えると、濾圧変動による厚みムラが発生しにくくなるが、異物が濾材から流出し易くなるため、異物に起因するフィルム表面の欠点の発生頻度が増加する。異物に起因するフィルム表面の欠点の発生頻度の軽減と濾圧変動に伴う厚みムラの軽減を両立する観点から、支持体の上下の濾材の濾過精度がいずれも20μm以上40μm以下であることがより好ましく、25μm以上35μm以下であることがより好ましい。上下の濾材の濾過精度は、本発明の効果を損なわない限り等しくても互いに異なっていてもよいが、互いに異なる場合は濾圧上昇時にそれぞれの濾材にかかる負荷に差が生じて使用中にフィルターが変形し易くなることがあるため、上下の濾材の濾過精度は等しいことが好ましい。
濾材の濾過精度を20μm以上40μm以下又は上記の好ましい範囲とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、濾材の形状を調節する方法が挙げられる。例えば、濾材が金属繊維である場合はその直径を大きくすることにより、金属粉末である場合はその粒子径を大きくすることにより、濾過精度を粗くすることができる。また、濾材が複数種の混合物である場合は、繊維鎖の直径の大きいものや粉末の粒子径の大きなものの比率を上げることによっても、濾過精度を粗くすることができる。
濾材の空隙部の厚み方向の長さが、いずれも濾材の全体厚みに対して20%を超えると、フィルターを使用している最中に濾材の強度が低下して濾材が変形し易くなることがある。その結果、フィルターの再使用が困難となることや、濾材の破損により異物等が流出して熱可塑性樹脂フィルムの生産性が低下することがある。
濾材の空隙部の厚み方向の長さとは、フィルターを支持体と垂直な面で切断したときの断面(以下、厚み方向断面ということがある。)上に、厚み方向と平行な直線を引いたときに、濾材中の空隙部に係る部分の長さをいう。濾材の全体厚みとは、同様にして引いた直線の濾材全体に係る部分の長さをいう。なお、濾材の空隙部の厚み方向の長さや濾材の全体厚みは、支持体の上側の濾材と下側の濾材について別々に測定するものとする。このとき、厚み方向断面の撮影や長さの測定は走査型電子顕微鏡(以下、SEMということがある。)の測長機能によって行うことができる。
濾材の変形を軽減する観点から、支持体の上下における濾材の空隙部の厚み方向の長さが、いずれも20%以下であることが好ましい。支持体の上下における濾材の空隙部の厚み方向の長さの下限値は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、溶融した熱可塑性樹脂を通過させ異物を補足する観点から4%あれば十分であり、10%であることが好ましく、15%であることがより好ましい。支持体の上下における濾材の空隙部の厚み方向の長さは、本発明の効果を損なわない限り等しくても互いに異なっていてもよいが、濾圧上昇時にそれぞれの濾材にかかる負荷に差を生じさせないため、互いに等しいことが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法においては、異物の流出を軽減する観点から、特徴1及び特徴2を備える濾材の空隙部の厚み方向の長さが、0.5mm以下であることが好ましい。特徴1及び特徴2を備える濾材の空隙部の厚み方向の長さが0.5mmを超えると、異物が濾材より流出し、熱可塑性樹脂フィルム表面に異物に起因する欠点が発生し易くなるために、熱可塑性樹脂フィルムの生産性が低下することがある。上記観点から、特徴1及び特徴2を備える濾材の空隙部の厚み方向の長さは、0.3mm以上0.4mm以下であることがより好ましい。なお、支持体の上側及び下側の濾材がいずれも特徴1及び特徴2を備える場合においては、少なくとも一方の濾材の空隙部の厚み方向の長さが、0.5mm以下であればよいが、両方の濾材の空隙部の厚み方向の長さが、0.5mm以下であればより好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法においては、特徴1及び特徴2を備える濾材の空隙率が50%以下であることが好ましい。このような態様とすることにより、異物の流出や、濾材の強度低下に起因する破損を軽減することができる。上記観点、およびフィルターに過度な負荷をかけずに溶融した熱可塑性樹脂組成物を通過させる観点から、特徴1及び特徴2を備える濾材の空隙率は30%以上40%以下であることがより好ましい。濾材の空隙率は、濾材を水に浸漬させた後の重量と、これを乾燥させた後の重量を測定し、その差を水の比重で除して空隙体積を算出し、この値を濾材の体積で除した値を百分率で表すことにより求めることができる。
以下、本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明する。但し、これは本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されない。
先ず、熱可塑性樹脂のペレットを含む混合物を、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機等の通常使用されている公知の混合機により溶融して押し出し、必要に応じて濾過精度の低い金属フィルターなどで予備濾過する。混合機は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、単軸又は二軸押出機を用いることが好ましい。
次いで、予備濾過された熱可塑性樹脂組成物をギアポンプなどで計量し、前述のフィルターを備えるメイン濾過装置へ供給して濾過する。メイン濾過装置は、前述のフィルターを備えるものであれば特に制限はないが、前述のフィルターがリーフディスクタイプのフィルターであるものが好ましい。また、フィルターの枚数は、本発明の効果を損なわない限り特に請願されず、要求される品質に応じて適宜選定すればよい。例えば、光学用途のフィルムを製造する場合などは、品質への要求が極めて高いため80枚以上150枚以下のフィルターを用いることが好ましい。
図面を用いて、本発明で使用することができるフィルターの一例を説明する。図1のフィルターは支持体2とハブリング3の上下に金属粉末焼結体からなる濾材1(以下、単に濾材1ということがある。)を有し、端部4が溶接された構成を有している。また、図2は支持体2とハブリング3の上下に金属多孔板7と金属繊維焼結体からなる濾材6(以下、単に濾材6ということがある。)を有し、端部4が溶接された構成を有している。このとき、金属多孔版7は濾材6の変形を防ぐ役割を担う。熱可塑性樹脂は図1,2の濾材1や濾材6表面より熱可塑性樹脂中の不要な異物を除去されながら支持体2の方向に流れ、続いて支持体2に平行にハブリング3に向かって流れる。ハブリング3には濾材1や濾材6の流れと平行な方向に貫通した貫通孔5が周方向にわたって設けられており、熱可塑性樹脂は貫通孔5を通過してハブリング3の内側に流出し濾過される。
その後、メイン濾過装置を通過した熱可塑性樹脂を口金に導いて吐出させ、キャスティングドラム上で冷却固化し、非晶状態のフィルムを得る。このフィルムを必要に応じて縦延伸装置および/または横延伸装置、同時二軸延伸装置などを用いて一軸または二軸に延伸することができる。また、必要に応じて、易滑性や帯電防止性等の機能を付与するために、各種不活性粒子や添加剤を含む塗材によるコーティングを行ってもよい。このようなコーティングの方法は、ダイコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、及びバーコート法などの公知の方法から適宜選択することができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
(1)フィルターの濾過精度
試験粉体としてACFTD(アリゾナサンド、中位径7μm)を分散した水を定圧下で濾過し、フィルター濾材通過前後の粒子数をHIAC PC−320(ベックマンコールター社製)によりカウントし次式により捕集効率を算出した。
捕集効率(%)={(n−n)/n}×100
:フィルター濾材通過前の粒子数 n:フィルター濾材通過後の粒子数
各粒子径の範囲で捕集効率を計算し、グラフ上に各粒子径に対する捕集効率をプロットし捕集効率曲線を作成し、捕集効率95%の粒子径を濾過精度とした。
(2)濾材厚み、濾材の空隙部の厚み方向の長さ
濾材を厚み方向に切断して得た濾材断面をSEMにて観察及び撮影し、SEMの測長機能により、撮影で得た断面画像に厚み方向と平行な直線を引いて、空隙部分を含む濾材全体に係る部分の長さ、及び濾材中の空隙部に係る部分の長さを測定した。同様の測定を任意の10箇所で行い、空隙部分を含む濾材全体に係る部分の長さ、及び濾材中の空隙部に係る部分の長さの平均値を算出し、前者を濾材厚み、後者を濾材の空隙部の厚み方向の長さとした。なお、フィルターの上下で同じ濾材を用いているため、測定は片方の濾材のみについて行った。
(3)濾材の空隙率
濾材を水に10分間浸漬して取り出し、その質量を測定した。次いで、得られたフィルターを、温度を120℃に設定した乾燥機で24時間乾燥させ、その質量を測定した。乾燥前後のフィルターの質量差を算出し、これを水の比重で除して空隙体積を算出した。最後に、この空隙体積を、空隙部分を含めた濾材全体の体積で除した値を百分率で表し、これを空隙率とした。
(4)フィルム表面の異物数(白色ポリエステルフィルムのみ)
スリット工程にて任意の幅に裁断しながら長さ30mのフィルムを巻き取り、これを検査用ロールとした。検査用ロールよりフィルムを巻き出して目視で異物を確認し、それらの個数を10m当たりに換算した数をフィルム表面の異物個数とした。
(5)光沢度(白色ポリエステルフィルムのみ)
得られたフィルムより10cm角の大きさのサンプルを幅方向両端部と幅方向中央の3箇所で採取し、光沢計 UGV−6P(スガ試験機株式会社製)を用いてJISZ−8741(1997)に準じて光沢度を測定した。3点における測定値の平均値をフィルムの光沢度とした。なお、測定条件は入射角60°、受光角60°とした。
なお、異物やフィルム製造プロセス上問題となる易滑性の低下を軽減する点で、光沢度の好ましい範囲は31%以上40%以下であり、より好ましくは33%以上38%以下である。得られたフィルムの光沢度が31%以上であることは、溶融ポリマー中の凝集物がフィルターにより十分に補足されており、異物が発生しにくい状況下でフィルムの製造が行われていたことを意味する。また、得られたフィルムの光沢度が40%以下であることは、凝集物以外の酸化チタンなどの粒子成分が過度に捕捉されておらず、フィルムの易滑性低下に起因する搬送性の悪化が生じていない状態でフィルムの製造が行われたことを意味する。フィルムの易滑性低下に起因する搬送性の悪化が生じている状態でフィルムを製造すると、得られたフィルムを例えばロール状態で長期保存すると、易滑性の不足によりフィルム同士が固着してロールからの巻き出しが困難になることがある。
(6)欠点個数(透明ポリエステルフィルムのみ)
ポリエステルフィルムを巻き取って中間製品ロールを得る前に、インライン欠点検査機 アイリス−M(株式会社アヤハエンジニアリング製)で欠点個数を測定した。得られた中間製品ロールの幅、巻長より、1,000m当たりの欠点個数を算出し、得られた値を欠点個数とした。
<白色ポリエステルフィルム>
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(以降、PETと省略することがある。)チップに、平均粒子径0.3μmのアナターゼ型酸化チタン微粒子マスターチップ50質量%を、7質量%に希釈されるように添加した原料を180℃で3時間真空乾燥した後、押出機に供給し、濾過精度27μm、濾材厚み2.0mm、濾材の空隙部の厚み方向の長さ0.3mm、濾材の空隙率34.5%の濾材を支持体の両面に有するリーフディスク型フィルターを130枚積層させた濾過装置に導入した後、口金に導入した。
口金より吐出した溶融シートを表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上に静電化法で密着冷却固化させ未延伸フィルムとした。続いて該未延伸フィルムを常法に従い98℃に加熱されたロール群を用いて長手方向に3.2倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。さらに該延伸フィルムをテンターに導き125℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向に3.4倍延伸した。その後テンター内で220℃の熱固定を行ない、均一に徐冷後巻取り、厚み188μの白色ポリエステルフィルムのロールを得た。得られたロールよりフィルムを巻き出し、スリット工程で製品ロールとして採取する前に、製品ロールと同じ幅で30mの検査ロールを採取した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例2〜11、比較例1〜7)
使用するフィルターの濾過精度、濾材厚み、濾材の空隙部の厚み方向の長さ、濾材の空隙率を表1、2に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法で白色ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1、2に示す。
<透明ポリエステルフィルム>
(実施例12〜16、比較例8〜11)
アナターゼ型酸化チタン微粒子マスターチップの代わりに二酸化珪素マスターチップを使用し、使用するフィルターの濾過精度、濾材厚み、濾材の空隙部の厚み方向の長さ、濾材の空隙率を表3に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法で透明ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
本発明により、異物による表面欠点の発生を軽減することができる、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供することができる。本発明により得られるフィルムは、表面欠点が少ないため、光学用途等に好適に用いることができる。
0 フィルター
1 金属粉末焼結体からなる濾材
2 支持体
3 ハブリング
4 端部
5 貫通孔
6 金属繊維焼結体からなる濾材
7 金属多孔板

Claims (3)

  1. 溶融した熱可塑性樹脂をフィルターで濾過する工程を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、前記フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、かつ少なくとも一方の濾材が、以下の特徴1及び2を備えることを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    特徴1:濾過精度が20μm以上40μm以下である。
    特徴2:濾材の空隙部の厚み方向の長さが、濾材の全体厚みに対して20%以下である。
  2. 前記特徴1及び前記特徴2を備える濾材の空隙部の厚み方向の長さが、0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記特徴1及び前記特徴2を備える濾材の空隙率が50%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
JP2017181009A 2016-09-27 2017-09-21 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 Pending JP2018052114A (ja)

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