JP2000294445A - 圧力破砕型保護デバイス及びこれを用いた爆発防止型コンデンサ - Google Patents

圧力破砕型保護デバイス及びこれを用いた爆発防止型コンデンサ

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JP2000294445A
JP2000294445A JP11031823A JP3182399A JP2000294445A JP 2000294445 A JP2000294445 A JP 2000294445A JP 11031823 A JP11031823 A JP 11031823A JP 3182399 A JP3182399 A JP 3182399A JP 2000294445 A JP2000294445 A JP 2000294445A
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直也 竹原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パッキン等の開口部を閉鎖する特別の部材を
用いることなしに、従来と同等の効果を得ることができ
る圧力破砕型保護デバイスとする。 【構成】 貫通孔110A1 が形成された本体100A
1 と、この本体100A 1 に取り付けられて前記貫通孔
110A1 を閉塞する蓋体200A1 と、この蓋体20
0A1 が取り付けられた側とは反対の側で前記本体10
0A1 に取り付けられて前記貫通孔110A1 を閉塞す
る底体300A1 とを備えており、前記蓋体200A1
には、本体100A1 に取り付けられた状態で前記貫通
孔110A 1 の上を通過する導体層210A1 が形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン電
池等の充電型電池の安全機構や、コンデンサ等の電子部
品の安全機構に適した圧力破砕型保護デバイスと、これ
を用いた爆発防止型コンデンサとに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、携帯電話やビデオカメラ等の
電子機器には、リチウムイオン電池等の充電型電池が数
多く用いられている。これら各種の充電型電池におい
て、例えば、電子機器の故障や誤使用によって過充電状
態や短絡状態になると、電池内部が加熱され、電解液が
分解されてガスが発生し、電池内圧が上昇し、その結果
爆発してしまうおそれがあった。このため、これらの充
電型電池には、爆発を防止する各種の保護デバイスが備
えられている。
【0003】例えば、実開昭64−38764号公報に
は、負極或いは正極の金属集電体と出力端子とを電気的
に接続する平板状をした金属製の集電リードに、円状や
楕円状等をした穿孔を設け、当該穿孔箇所近傍をフッ素
系樹脂で被覆した保護デバイスが開示されている。
【0004】また、特開平08−315803号公報に
は、絶縁性材からなり、一部を開口された筐体と、前記
筐体の開口部を閉鎖し、圧力により変形する加圧部材
と、前記筐体に収納され、導電路を有し、前記加圧部材
による押圧が所定値を越えると前記導電路を破断する破
断部材と、前記導電路に接続される導電性を有する一対
の接続部材と、前記接続部材と前記筐体内部で接合さ
れ、前記筐体にインサート成形された一対の端子と、前
記筐体には、前記接続部材と前記端子の接合部の端子裏
面に達する凹部を備えたことを特徴とする圧力遮断セン
サが開示されている。
【0005】また、これらの保護デバイスは、充電型電
池のみならず、コンデンサにも用いられている。すなわ
ち、電解コンデンサでは、使用時に極性を逆にして接続
する、急激な充放電を繰り返す、耐電圧を越えた電圧を
印加することなとにより、電解コンデンサに過電流が流
れ、内部に含浸された電解液が分解して内部圧力の上昇
を招く。この結果、電解コンデンサが破損して電解液が
漏出し、電子機器を破損させる場合があった。
【0006】この破損を防止するため、大容量の電解コ
ンデンサには防爆機構と呼ばれる様々な爆発防止装置が
組み込まれていた。このように防爆機構を備えた電解コ
ンデンサか、例えば特開平5−251287号公報や特
開平5−251290号公報、第2559925号実用
新案登録公報などに開示されている。
【0007】特開平5−251287号公報に開示され
た電解コンデンサは、コンデンサ素子と一対の外部端子
とを備えており、コンデンサ素子の一方の電極と外部端
子の一方との間に過電流により切断されるヒューズを備
え、このヒューズと交差させた形状記憶合金からなるリ
ード線が、シリコン樹脂等の弾性樹脂によってヒューズ
に固定されている。このリード線には、一定温度以上に
加熱されるとリード線とヒューズ線とを含む平面と垂直
方向に曲がる性質が予め記憶されている。
【0008】この電解コンデンサにあっては、異常な電
圧が印加されたりするとコンデンサ素子に過電流が流
れ、リード線が一定温度以上に加熱される。この結果、
リード線が変形を受けるとともにヒューズ線を機械的に
切断し、過電流による破損を防いでいる。
【0009】一方、特開平5−251290号公報に開
示された電解コンデンサは、コンデンサ素子とこのコン
デンサ素子を納める外装缶とを具備し、外装缶に防爆弁
が設けられている。さらに、外装缶を蓋するキャップに
は、防爆弁の近傍に位置してコンデンサ素子と並列に接
触スイッチが備えれらるとともに、この接触スイッチ直
列に電流ヒューズが設けられている。
【0010】この電解コンデンサにあっては、電解液の
弁解に伴って内部圧力が上昇すると防爆弁が膨らみ、そ
の圧力により防爆弁近傍に位置された接触スイッチが作
動する。この結果、コンデンサ素子と並列に接続された
接触スイッチに大量の電流が流れる。この結果、電流ヒ
ューズが切断され、電解コンデンサの爆発を抑えること
ができ、電解液が外部に漏れることがない。
【0011】また、第2559925号実用新案登録公
報に開示された電解コンデンサにあっては、コンデンサ
素子とこのコンデンサ素子を納める第1の外装缶及びこ
の第1の外装缶を納める第2の外装缶とを具備し、第1
の外装缶の開口は防爆弁を有する封口体にて封口されて
いる。また、第1の外装缶と第2の外装缶との間に空間
が設けられており、この空間は上部空間と下部空間とに
気密的に区分されている。
【0012】この電解コンデンサにあっては、コンデン
サ素子の電極と第1の外装缶との出力端子とを接続する
リードがヒューズとしての機能を有しており、過電流が
流れた場合にはヒューズが遮断される。また、内部圧力
が高まり防爆弁が作動した場合でも、第2の外装缶に電
解液が溜まることにより、電解液が外部に漏出すること
はない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平08−315803号公報の圧力遮断センサに
は以下のような問題点があった。すなわち、この圧力遮
断センサに用いられる加圧部材は圧力によって変形する
もの、具体的にはゴム材料等の弾性材からなるパッキン
が使用されている。このような加圧部材で筐体の開口部
が閉鎖されるのである。そして、開口部の内部と外部と
の圧力差によって導電路を破断部材で破断するのであ
る。パッキンによって開口部を閉鎖する必要がある。
【0014】また、特開平5−251287号公報に開
示された電解コンデンサは、ヒューズと形状記憶合金か
らなるリード線とが略T字形状若しくは略X字形状に交
差されて配置されるため小型化が困難であり、また、リ
ード線に形状記憶合金を用いるためコストが高くなると
いう問題点があった。さらに、形状記憶合金によるリー
ド線が変形し、その変形に伴ってヒューズが機械的に破
損される2次的な機構となっているため、ヒューズとリ
ード線との接着不足等により、動作が不安定になるおそ
れがあった。また、これでは温度上昇による異常は検知
できるが、内部圧力の上昇は検知できないという問題点
があった。
【0015】さらに、特開平5−251290号公報に
開示された電解コンデンサは、接触スイッチと電流ヒュ
ーズとを用いているため構造が複雑になり、製造コスト
が高くなるという問題点があった。また、防爆弁の近傍
に接触スイッチと電流ヒューズとが設置されるため、小
型化することが困難であった。しかも、前記電解コント
同様に、防爆弁が膨張して接触スイッチを作動させ、そ
の後電流ヒューズを遮断するという2次的な機構となっ
ているため、作動圧を一定に調整することが困難になる
という問題もあった。
【0016】また、第2559925号実用新案登録公
報に開示された電解コンデンサにあっては、第1の外装
缶と第2の外装缶とを具備するため、結果として小型化
が困難になり、製造コストも高くなるという問題点があ
った。
【0017】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、パッキン等の開口部を閉鎖する特別の部材を用いる
ことなしに、同等の効果を得ることができる圧力破砕型
保護デバイスと、確実に爆発を防ぐ安全性の高いコンデ
ンサを安価に提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る圧力破砕型
保護デバイスは、貫通孔が形成された本体と、この本体
に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋
体が取り付けられた側とは反対の側で前記本体に取り付
けられて前記貫通孔を閉塞する底体とを備えており、前
記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の
上を通過する導体層が形成されている。
【0019】また、本発明に係る他の圧力破砕型保護デ
バイスは、凹部が形成された本体と、この本体に取り付
けられて前記凹部を閉塞する蓋体とを備えており、前記
蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記凹部の上を
通過する導体層が形成されている。
【0020】さらに、本発明に係るその他の圧力破砕型
保護デバイスは、凹部が形成された第1本体と、凹部が
形成された第2本体とを備えており、前記第1本体の凹
部の底部の方が、第2本体の凹部の底部より薄く形成さ
れ、かつ第1本体の裏面であって凹部の底部に相当する
部分に導体層が形成されており、両凹部を向かい合わせ
にした状態で両本体を組み合わせると、両本体の間に両
凹部で形成される空間と外部とを連通させる連通部が形
成されるようになっている。
【0021】一方、本発明に係る爆発防止型コンデンサ
は、コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を納めるケ
ースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体と、前記コン
デンサ素子と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイ
スとを備え、前記圧力破砕型保護デバイスは、前記ケー
スの内部に向かって露出しており、請求項1乃至6記載
のものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的分解斜視図、図
2は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デ
バイスの概略的斜視図、図3は本発明の第1の実施の形
態に係る圧力破砕型保護デバイスの使用状態を示す概略
的正面図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る圧力
破砕型保護デバイスが作動した状態を示す概略的斜視
図、図5は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型
保護デバイスの変形例を示す概略的平面図、図6は本発
明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの
その他の変形例を示す概略的斜視図、図7は本発明の第
1の実施の形態に係るさらにその他の変形例を示す圧力
破砕型保護デバイスの概略的正面図、図8は本発明の第
1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのさらに
その他の変形例を示す概略的断面図、図9は本発明の第
1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの端子部
への接続形態の一例を示す概略的正面図である。
【0023】また、図10は本発明の第2の実施の形態
に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図、図
11は本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護
デバイスを示す概略的断面図である。
【0024】さらに、図12は本発明の実施の形態に係
る爆発防止型コンデンサの概略的断面図である。
【0025】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕
型保護デバイスA1 は、貫通孔110A1 が形成された
本体100A1 と、この本体100A1 に取り付けられ
て前記貫通孔110A1 を閉塞する蓋体200A1 と、
この蓋体200A1 が取り付けられた側とは反対の側で
前記本体100A1 に取り付けられて前記貫通孔110
1 を閉塞する底体300A1 とを備えており、前記蓋
体200A1 には、本体100A1 に取り付けられた状
態で前記貫通孔110A1 の上を通過する導体層210
1 が形成されている。
【0026】前記本体100A1 は、略直方体状のセラ
ミックスから構成されている。この本体100A1 の上
面から下面にかけて丸形の貫通孔110A1 が開設され
ている。この貫通孔110A1 は、蓋体300A1 と底
体300A1 とによって閉塞される部分である。
【0027】また、前記蓋体200A1 は、平面視で前
記本体100A1 の同じ大きさのセラミックス板であ
る。この蓋体200A1 の上面側には、蓋体200A1
の長手方向に縦断した導体層210A1 が形成されてい
る。この導体層210A1 は、蓋体200A1 を本体1
00A1 に取り付けた場合、前記貫通孔110A1 の上
を通過する位置に設けられている。
【0028】さらに、前記底体300A1 は、平面視で
前記本体100A1 の同じ大きさのセラミックス板であ
る。この底体300A1 には、小さな開口310A1
開設されている。この開口310A1 は、底体300A
1 を本体100A1 に取り付けた場合、前記貫通孔11
0A1 に臨んで貫通孔110A1 と外部とを連通させる
ことができる位置に開設されている。なお、この開口3
10A1 は、前記貫通孔110A1 より十分小さいもの
であることが望ましい。
【0029】ここで、蓋体200A1 は、本体100A
1 及び底体300A1 より薄く形成されていることが必
要である。すなわち、充電型電池等の内圧が所定値より
上昇した場合には、図4に示すように、蓋体200A1
の貫通孔110A1 の真上部分が破損されることで、蓋
体200A1 に形成された導体層210A1 を切断して
導体層210A1 を流れる電流を遮断するものだからで
ある。例えば、蓋体200A1 は、シート状のセラミッ
クス(以下、セラミックスシートとする)を用いること
で40μm程度の極薄とすることができる。なお、図1
においては、本体100A1 の方が底体300A1 より
厚く形成されているが、本体100A1と蓋体200A
1 とは同等の厚さであってもよいことになる。
【0030】このような本体100A1 、蓋体200A
1 及び底体300A1 からなる圧力破砕型保護デバイス
1 は、次のようにして製造される。まず、本体100
1 の上面に蓋体200A1 を、下面に底体300A1
をそれぞれ貼りつけた後、焼成して一体化する。する
と、本体100A1 の貫通孔110A1 は、前記開口3
10A1 を介して外部と連通した状態になる。
【0031】この状態で前記開口310A1 を接着剤等
で封止し、貫通孔110A1 を外部から独立した空間と
する。これで図2に示す圧力破砕型保護デバイスA1
完成する。
【0032】このような圧力破砕型保護デバイスA
1 は、図3に示すように導体層210A 1 の左右両端に
充電型電池の端子部500を半田や超音波溶着等によっ
て接続することで充電型電池に内蔵される。
【0033】また、上述した圧力破砕型保護デバイスA
1 における蓋体200A1 に形成された導体層210A
1 は、端部も中央部も同幅であったが、図5に示す圧力
破砕型保護デバイスA2 では、導体層210A2 の端部
が中央部に比べて幅広く形成されている。このため、前
記端子部500の導体層210A2 への接続が容易にな
っている。ただし、導体層210A2 が本体100A2
に形成された貫通孔110A2 の上側を通過する点は上
述したものと同様である。
【0034】さらに、上述した圧力破砕型保護デバイス
1 及びA2 では、本体100A1、100A2 に1つ
の貫通孔110A1 、110A2 が開設されていたが、
図6に示す圧力破砕型保護デバイスA3 のように、2つ
の貫通孔110A3 を開設してもよい。このように、複
数の貫通孔110A3 を開設すると、いずれかの貫通孔
110A3 の上に位置するように形成された導体層21
0A3 が破断されれば導通が遮断されるため、より信頼
性を向上させることが可能となる。他の部品、例えば蓋
体200A3 や底体300A3 は、上述した圧力破砕型
保護デバイスA 1 等と同様であるので詳細な説明は省略
する。
【0035】また、図7に示す圧力破砕型保護デバイス
4 は、端子部500が導体層210A4 に対して垂直
に接続されることを考慮したものである。このため、圧
力破砕型保護デバイスA4 では、蓋体200A4 に導体
層210A4 の両端部に導体層210A4 を貫く凹み2
20A4 を設け、この凹み220A4 に垂直方向から端
子部500を挿入し、半田付けや接着剤又は加締等で固
定するようにしている。
【0036】ところで、上述した圧力破砕型保護デバイ
スA1 〜A4 では、蓋体200A1、200A2 、20
0A3 、200A4 は勿論のこと、本体100A1 、1
00A2 、100A3 、100A4 、底体300A1
300A2 、300A3 、300A4 も一層のセラミッ
クスから構成されるとして説明した。しかしながら、図
8に示す圧力破砕型保護デバイスA5 のように、本体1
00A5 と底体300A5 とは、複数(図面では4枚と
3枚)の薄いセラミックスシートaを積層して構成する
ことも可能である。このように、セラミックスシートa
を積層して本体100A5 等を構成すると、必要に応じ
て各種の大きさ特に厚さの本体100A 5 等を構成する
ことができるというメリットがある。また、この場合
は、積層されるセラミックスシートa自身は蓋体200
5 より薄くても構わない。
【0037】なお、この場合のセラミックスaには、貫
通孔100A5 となるべき切欠や、開口310A5 とな
るべき切欠が形成されている必要があることはいうまで
もない。
【0038】また、圧力破砕型保護デバイスA 1
3、A5 は、図9に示すように、箱状の端子部500
に両端部を嵌め込むことで接続されることもある。
【0039】次に、本発明の第2の実施の形態に係る圧
力破砕型保護デバイスBについて説明する。この本発明
の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスB
が、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 〜A5 と相違
する点は、圧力破砕型保護デバイスA1〜A5 が本体1
00A1 、100A2 、100A3 、100A4 と蓋体
200A1 、200A2 、200A3 、200A4 と底
体300A1 、300A2 、300A3 、300A4
の3つの部品から構成されていたのに対して、2点の部
品で構成される点である。
【0040】本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕
型保護デバイスBは、図10に示すように、凹部110
Bが形成された本体100Bと、この本体100Bに取
り付けられて前記凹部110Bを閉塞する蓋体200B
とを備えており、前記蓋体200Bには、本体100B
に取り付けられた状態で前記凹部110Bの上を通過す
る導体層210Bが形成されている。
【0041】前記本体100Bは、略直方体状のセラミ
ックスから構成されている。この本体100Bは、上面
から下面にかけて丸形の凹部110Bが形成されてい
る。従って、この本体100Bは、略箱状に形成されて
いることになる。しかも、前記凹部110Bには、蓋体
200Bが取り付けられる面とは異なる面、すなわち下
面に凹部110Bと外部とを連通させる開口120Bが
開設されている。
【0042】一方、前記蓋体200Bは、平面視で前記
本体100Bの同じ大きさのセラミックス板である。こ
の蓋体200Bの上面側には、蓋体200Bの長手方向
に縦断した導体層210Bが形成されている。この導体
層210Bは、蓋体200Bを本体100Bに取り付け
た場合、前記凹部110Bの上を通過する位置に設けら
れている。
【0043】ここで、蓋体200Bは、本体100Bよ
り薄く形成されている。すなわち、充電型電池等の内圧
が所定値より上昇した場合には、蓋体200Bの凹部1
10Bの真上部分が破損されることで、蓋体200Bに
形成された導体層210Bを切断して導体層210Bを
流れる電流を遮断するものだからである。例えば、この
蓋体200Bは、セラミックスシートを用いることで4
0μm程度の極薄とすることができる。
【0044】このような本体100A及び蓋体200B
からなる圧力破砕型保護デバイスBは、次のようにして
製造される。まず、本体100Bの上面に蓋体200B
を貼りつけた後、焼成して一体化する。すると、本体1
00Bの凹部110Bは、前記開口120Bを介して外
部と連通した状態になる。
【0045】この状態で前記開口120Bを接着剤等で
封止し、凹部110Bを外部から独立した空間とする。
これで圧力破砕型保護デバイスBが完成する。
【0046】このように構成された圧力破砕型保護デバ
イスBには、次のような変形例もある。まず、上述した
圧力破砕型保護デバイスA2 と同様に、導体層の端部が
中央部より幅広く形成されたものがある。このタイプの
ものは、前記端子部の導体層への接続が容易になってい
る。
【0047】また、上述した圧力破砕型保護デバイスA
3 が2つの貫通孔110A3 を有していたように、本体
に2つの凹部を設けてもよい。このように、複数の凹部
を設けると、いずれかの凹部の上に位置するように形成
された導体層が破断されれば導通が遮断されるため、よ
り信頼性を向上させることが可能となる。
【0048】さらに、上述した圧力破砕型保護デバイス
4 のように、端子部が導体層に対して垂直に接続され
るように、蓋体に導体層の両端部に導体層を貫く凹みを
設けてもよい。このようにすると、圧力破砕型保護デバ
イスの各種の取付パターンを得ることができる。
【0049】次に、図11を参照しつつ本発明の第3の
実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスCについて説
明する。この本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕
型保護デバイスCは、凹部411が形成された第1本体
410と、凹部421が形成された第2本体420とを
備えており、前記第1本体410の凹部411の底部4
12の方が、第2本体420の凹部421の底部422
より薄く形成され、かつ第1本体410の裏面であって
凹部411の底部412に相当する部分に導体層413
が形成されており、両凹部411、421を向かい合わ
せにした状態で両本体410、420を組み合わせる
と、両本体410、420の間に両凹部411、421
で形成される空間440と外部とを連通させる連通部4
30が形成される。
【0050】第1本体410は、略直方体状のセラミッ
クスから構成されている。この第1本体410は、上面
から下面にかけて丸形の凹部411が形成されている。
従って、この第1本体410は、略箱状に形成されてい
ることになる。また、前記凹部411の上縁部には連通
路430となる凹溝414が形成されている。
【0051】かかる第1本体410の裏面であって凹部
411の底部412に相当する部分には、導体層413
が形成されている。この導体層413は、前記凹部41
1の上を通過するようになっている。
【0052】一方、前記第2本体420は、第1本体4
10と同様に、略直方体状のセラミックスから構成され
ている。この第2本体420は、上面から下面にかけて
丸形の凹部421が形成されている。従って、この第2
本体420は、略箱状に形成されていることになる。ま
た、前記凹部421の上縁部には連通路430となる凹
溝424が形成されている。
【0053】しかしながら、この第2本体420が、第
1本体410と相違する点は、凹部421の底部422
の厚さである。すなわち、第2本体420の凹部421
の底部422の方が、第1本体410の凹部411の底
部412より厚く形成されているのである。従って、底
部411の方が底部422より容易に破断するのであ
る。
【0054】第1本体410と第2本体420とを両凹
部411、421が向かい合うようにして組み合わせる
と、両凹部411、421によって空間440が形成さ
れる。この空間440は、両凹溝414、424によっ
て形成された連通路430によって外部と連通してい
る。
【0055】この圧力破砕型保護デバイスCは次のよう
にして製造される。まず、第1本体410と第2本体4
20とを両凹部411、421が向かい合うようにして
組み合わせた状態で焼成する。すると、両凹部411、
421によって空間440が形成される。この空間44
0は連通路430によって外部と連通しているのは上述
した通りである。
【0056】この状態で前記連通路430を接着剤等で
封止し、前記空間440を外部から独立した空間とす
る。これで圧力破砕型保護デバイスCが完成する。
【0057】上述した圧力破砕型保護デバイスA〜C
は、リチウムイオン電池等の充電型電池やコンデンサ等
の爆発を防止する保護デバイスとして使用される。
【0058】例えば、図12に示すように、前記圧力破
砕型保護デバイスAを用いた爆発防止型コンデンサ10
00は、コンデンサ素子1100と、このコンデンサ素
子1100を納めるケース1200と、このケース12
00の開口部1210を塞ぐ封口体1300と、前記コ
ンデンサ素子1100と電気的に接続された圧力破砕型
保護デバイスAとを備えている。
【0059】前記コンデンサ素子1100は、電解型の
コンデンサであって、一対の端子部1110、1120
を有している。この一対の端子部1110、1120
は、一方側に変位している。これらの端子部1110、
1120のうち、より外側に位置する一方の端子部11
10は、後述する封口体1300に設けられたリード端
子1310に接触するようになっている。
【0060】一方、残る他の端子部1120は、前記端
子部1110より若干短く設定されており、後述するリ
ード部1340に接触するようになっている。
【0061】また、前記ケース1200は、例えば金属
やプラスチック材料から略箱状に形成されている。この
ケース1200の一面は開口部1210として開放され
ている。
【0062】前記ケース1200の開口部1210に
は、封口体1300が嵌め込まれ、例えば金属製のケー
ス1200の開口部1210をかしめることにより、コ
ンデンサ素子1100を納められる。従って、このケー
ス1200の内部は、封口体1300によって外部とは
気密に区分されているのである。この封口体1300
は、例えばプラスチック等の絶縁性材料からやや肉厚状
に形成されている。
【0063】この封口体1300は、両端部にリード端
子1310、1320を有している。このリード端子1
310、1320は、爆発防止型コンデンサ1000の
端子となる部分である。一方のリード端子1310は、
封口体1300の上面に開設された開口1360に上端
が臨んでおり、下端は封口体1300の下面より下側に
突出している。また、他方のリード端子1320は、封
口体1300を貫通している。
【0064】また、この封口体1300の上面側には、
凹部1330が形成されている。この凹部1330は、
圧力破砕型保護デバイスAが収納され、しかも収納され
た圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1 が封口
体1300の上面と面一になる深さに設定されている。
【0065】この凹部1330の両端側には、凹部13
30に収納された圧力破砕型保護デバイスAの導体層2
10A1 に接触するリード部1340、1350が設け
られている。一方のリード部1340、すなわち前記端
子部1120が接触するリーード部1340は、封口体
1300に形成された開口1360に嵌まり込む埋設片
1341と、この埋設片1341と直交する方向に伸び
た接触片1342とから構成されている。前記接触片1
342が圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1
の一端側に接触するようになっている。また、埋設片1
341は、前記端子部1120に垂直に接触するように
なっている。
【0066】また、前記リード部1350は、封口体1
300の上面に突出したリード端子1320の上端に接
続されている。
【0067】従って、前記リード部1340、1350
は、凹部1330に収納された圧力破砕型保護デバイス
Aを上側から押さえ込むようにして、導体層210A1
に接触しているのである。
【0068】このように構成された爆発防止型コンデン
サ1000は、リード端子1310→端子部1110→
コンデンサ素子1100→端子部1120→接触片13
42→圧力破砕型保護デバイスA→リード部1350→
リード端子1320の順で電気的に接続されているので
ある。
【0069】この爆発防止型コンデンサ1000は、過
電流が流れることで電解液が分解し、その結果、ケース
1200の内部圧力が一定値以上に上昇すると、圧力破
砕型保護デバイスAの蓋体200A1 のうち、貫通孔1
10A1 の上に位置する部分が破損し、その結果、導電
層210A1 が破断され、電流が遮断される。
【0070】また、温度上昇によってもケース1200
の内部圧力が増大するので、この場合も同様にして電流
を遮断することが可能である。
【0071】なお、この爆発防止型コンデンサ1000
では、圧力破砕型保護デバイスAを使用したが、他のも
の、すなわち圧力破砕型保護デバイスB、Cであっても
同様の作用を奏することが可能なのは勿論である。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る圧力破砕型保護デバイス
は、貫通孔が形成された本体と、この本体に取り付けら
れて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋体が取り付け
られた側とは反対の側で前記本体に取り付けられて前記
貫通孔を閉塞する底体とを備えており、前記蓋体には、
本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の上を通過する
導体層が形成されている。
【0073】従って、蓋体及び底体によって本体の貫通
孔(従来の開口部に相当する)を閉塞することができる
ので、部品点数を削減しつつ同等の効果を得ることがで
きる。
【0074】また、前記蓋体は、本体及び底体より薄く
形成されているので、底体ではなく確実に蓋体を破砕す
ることができるという効果もある。
【0075】一方、導体層は、蓋体に設けられているの
で、従来のように本体の内部に導体層に相当するものを
引き込む必要がなくなり、その結果として、全体の構成
を簡略化することが可能となった。
【0076】さらに、他の圧力破砕型保護デバイスは、
凹部が形成された本体と、この本体に取り付けられて前
記凹部を閉塞する蓋体とを備えており、前記蓋体には、
本体に取り付けられた状態で前記凹部の上を通過する導
体層が形成されている。
【0077】このように構成された圧力破砕型保護デバ
イスは、底体に相当するものが不要となり、より部品点
数の削減を果たすことができる。
【0078】この圧力破砕型保護デバイスでは、本体に
は、蓋体が取り付けられる面とは異なる面に前記凹部と
連通する開口が開設されている。
【0079】また、他の圧力破砕型保護デバイスとして
は、凹部が形成された第1本体と、凹部が形成された第
2本体とを備えており、前記第1本体の凹部の底部の方
が、第2本体の凹部の底部より薄く形成され、かつ第1
本体の裏面であって凹部の底部に相当する部分に導体層
が形成されており、両凹部を向かい合わせにした状態で
両本体を組み合わせると、両本体の間に両凹部で形成さ
れる空間と外部とを連通させる連通部が形成されるよう
にすることも可能である。
【0080】また、他の本発明に係る爆発防止型コンデ
ンサは、コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を納め
るケースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体と、前記
コンデンサ素子と電気的に接続された圧力破砕型保護デ
バイスとを備え、前記圧力破砕型保護デバイスは、前記
ケースの内部に向かって露出しており、前記請求項1乃
至6記載のものである。
【0081】従って、この爆発防止型コンデンサは、電
解液の分解による内圧上昇にも温度上昇による内圧上昇
にも対応したものとすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスの概略的分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスの概略的斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスの使用状態を示す概略的正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスが作動した状態を示す概略的斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスの変形例を示す概略的平面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスのその他の変形例を示す概略的斜視図であ
る。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るさらにその他
の変形例を示す圧力破砕型保護デバイスの概略的正面図
である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスのさらにその他の変形例を示す概略的断面図
である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保
護デバイスの端子部への接続形態の一例を示す概略的正
面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型
保護デバイスを示す概略的断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型
保護デバイスを示す概略的断面図である。である。
【図12】本発明の実施の形態に係る爆発防止型コンデ
ンサの概略的断面図である。
【符号の説明】
1 圧力破砕型保護デバイス 100A 1 本体 110A 1 貫通孔 200A 1 蓋体 210A 1 導電層 300A 1 底体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯 啓治 大阪府八尾市北久宝寺1丁目4番33号 ホ シデン株式会社内 Fターム(参考) 5H022 AA09 CC08 CC12 KK01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔が形成された本体と、この本体に
    取り付けられて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋体
    が取り付けられた側とは反対の側で前記本体に取り付け
    られて前記貫通孔を閉塞する底体とを具備しており、前
    記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の
    上を通過する導体層が形成されていることを特徴とする
    圧力破砕型保護デバイス。
  2. 【請求項2】 前記蓋体は、本体及び底体より薄く形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の圧力破砕型
    保護デバイス。
  3. 【請求項3】 前記底体には、本体に取り付けられると
    貫通孔と連通する開口が開設されていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の圧力破砕型保護デバイス。
  4. 【請求項4】 凹部が形成された本体と、この本体に取
    り付けられて前記凹部を閉塞する蓋体とを具備してお
    り、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記凹
    部の上を通過する導体層が形成されていることを特徴と
    する圧力破砕型保護デバイス。
  5. 【請求項5】 前記本体には、蓋体が取り付けられる面
    とは異なる面に前記凹部と連通する開口が開設されてい
    ることを特徴とする請求項4記載の圧力破砕型保護デバ
    イス。
  6. 【請求項6】 凹部が形成された第1本体と、凹部が形
    成された第2本体とを具備しており、前記第1本体の凹
    部の底部の方が、第2本体の凹部の底部より薄く形成さ
    れ、かつ第1本体の裏面であって凹部の底部に相当する
    部分に導体層が形成されており、両凹部を向かい合わせ
    にした状態で両本体を組み合わせると、両本体の間に両
    凹部で形成される空間と外部とを連通させる連通部が形
    成されることを特徴とする圧力破砕型保護デバイス。
  7. 【請求項7】 コンデンサ素子と、このコンデンサ素子
    を納めるケースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体
    と、前記コンデンサ素子と電気的に接続された圧力破砕
    型保護デバイスとを備え、前記圧力破砕型保護デバイス
    は、前記ケースの内部に向かって露出しており、前記請
    求項1乃至6記載のものであることを特徴とする爆発防
    止型コンデンサ。
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