JP3649928B2 - 圧力破砕型保護デバイス及びこれを用いた爆発防止型コンデンサ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン電池等の充電型電池の安全機構や、コンデンサ等の電子部品の安全機構に適した圧力破砕型保護デバイスと、これを用いた爆発防止型コンデンサとに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯電話やビデオカメラ等の電子機器には、リチウムイオン電池等の充電型電池が数多く用いられている。これら各種の充電型電池において、例えば、電子機器の故障や誤使用によって過充電状態や短絡状態になると、電池内部が加熱され、電解液が分解されてガスが発生し、電池内圧が上昇し、その結果爆発してしまうおそれがあった。このため、これらの充電型電池には、爆発を防止する各種の保護デバイスが備えられている。
【0003】
例えば、実開昭64−38764号公報には、負極或いは正極の金属集電体と出力端子とを電気的に接続する平板状をした金属製の集電リードに、円状や楕円状等をした穿孔を設け、当該穿孔箇所近傍をフッ素系樹脂で被覆した保護デバイスが開示されている。
【0004】
また、特開平08−315803号公報には、絶縁性材からなり、一部を開口された筐体と、前記筐体の開口部を閉鎖し、圧力により変形する加圧部材と、前記筐体に収納され、導電路を有し、前記加圧部材による押圧が所定値を越えると前記導電路を破断する破断部材と、前記導電路に接続される導電性を有する一対の接続部材と、前記接続部材と前記筐体内部で接合され、前記筐体にインサート成形された一対の端子と、前記筐体には、前記接続部材と前記端子の接合部の端子裏面に達する凹部を備えたことを特徴とする圧力遮断センサが開示されている。
【0005】
また、これらの保護デバイスは、充電型電池のみならず、コンデンサにも用いられている。
すなわち、電解コンデンサでは、使用時に極性を逆にして接続する、急激な充放電を繰り返す、耐電圧を越えた電圧を印加することなとにより、電解コンデンサに過電流が流れ、内部に含浸された電解液が分解して内部圧力の上昇を招く。この結果、電解コンデンサが破損して電解液が漏出し、電子機器を破損させる場合があった。
【0006】
この破損を防止するため、大容量の電解コンデンサには防爆機構と呼ばれる様々な爆発防止装置が組み込まれていた。このように防爆機構を備えた電解コンデンサか、例えば特開平5−251287号公報や特開平5−251290号公報、第2559925号実用新案登録公報などに開示されている。
【0007】
特開平5−251287号公報に開示された電解コンデンサは、コンデンサ素子と一対の外部端子とを備えており、コンデンサ素子の一方の電極と外部端子の一方との間に過電流により切断されるヒューズを備え、このヒューズと交差させた形状記憶合金からなるリード線が、シリコン樹脂等の弾性樹脂によってヒューズに固定されている。このリード線には、一定温度以上に加熱されるとリード線とヒューズ線とを含む平面と垂直方向に曲がる性質が予め記憶されている。
【0008】
この電解コンデンサにあっては、異常な電圧が印加されたりするとコンデンサ素子に過電流が流れ、リード線が一定温度以上に加熱される。この結果、リード線が変形を受けるとともにヒューズ線を機械的に切断し、過電流による破損を防いでいる。
【0009】
一方、特開平5−251290号公報に開示された電解コンデンサは、コンデンサ素子とこのコンデンサ素子を納める外装缶とを具備し、外装缶に防爆弁が設けられている。さらに、外装缶を蓋するキャップには、防爆弁の近傍に位置してコンデンサ素子と並列に接触スイッチが備えれらるとともに、この接触スイッチ直列に電流ヒューズが設けられている。
【0010】
この電解コンデンサにあっては、電解液の弁解に伴って内部圧力が上昇すると防爆弁が膨らみ、その圧力により防爆弁近傍に位置された接触スイッチが作動する。この結果、コンデンサ素子と並列に接続された接触スイッチに大量の電流が流れる。この結果、電流ヒューズが切断され、電解コンデンサの爆発を抑えることができ、電解液が外部に漏れることがない。
【0011】
また、第2559925号実用新案登録公報に開示された電解コンデンサにあっては、コンデンサ素子とこのコンデンサ素子を納める第1の外装缶及びこの第1の外装缶を納める第2の外装缶とを具備し、第1の外装缶の開口は防爆弁を有する封口体にて封口されている。また、第1の外装缶と第2の外装缶との間に空間が設けられており、この空間は上部空間と下部空間とに気密的に区分されている。
【0012】
この電解コンデンサにあっては、コンデンサ素子の電極と第1の外装缶との出力端子とを接続するリードがヒューズとしての機能を有しており、過電流が流れた場合にはヒューズが遮断される。また、内部圧力が高まり防爆弁が作動した場合でも、第2の外装缶に電解液が溜まることにより、電解液が外部に漏出することはない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平08−315803号公報の圧力遮断センサには以下のような問題点があった。
すなわち、この圧力遮断センサに用いられる加圧部材は圧力によって変形するもの、具体的にはゴム材料等の弾性材からなるパッキンが使用されている。このような加圧部材で筐体の開口部が閉鎖されるのである。そして、開口部の内部と外部との圧力差によって導電路を破断部材で破断するのである。パッキンによって開口部を閉鎖する必要がある。
【0014】
また、特開平5−251287号公報に開示された電解コンデンサは、ヒューズと形状記憶合金からなるリード線とが略T字形状若しくは略X字形状に交差されて配置されるため小型化が困難であり、また、リード線に形状記憶合金を用いるためコストが高くなるという問題点があった。さらに、形状記憶合金によるリード線が変形し、その変形に伴ってヒューズが機械的に破損される2次的な機構となっているため、ヒューズとリード線との接着不足等により、動作が不安定になるおそれがあった。また、これでは温度上昇による異常は検知できるが、内部圧力の上昇は検知できないという問題点があった。
【0015】
さらに、特開平5−251290号公報に開示された電解コンデンサは、接触スイッチと電流ヒューズとを用いているため構造が複雑になり、製造コストが高くなるという問題点があった。また、防爆弁の近傍に接触スイッチと電流ヒューズとが設置されるため、小型化することが困難であった。しかも、前記電解コント同様に、防爆弁が膨張して接触スイッチを作動させ、その後電流ヒューズを遮断するという2次的な機構となっているため、作動圧を一定に調整することが困難になるという問題もあった。
【0016】
また、第2559925号実用新案登録公報に開示された電解コンデンサにあっては、第1の外装缶と第2の外装缶とを具備するため、結果として小型化が困難になり、製造コストも高くなるという問題点があった。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みて創案されたもので、パッキン等の開口部を閉鎖する特別の部材を用いることなしに、同等の効果を得ることができる圧力破砕型保護デバイスと、確実に爆発を防ぐ安全性の高いコンデンサを安価に提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る圧力破砕型保護デバイスは、貫通孔が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋体が取り付けられた側とは反対の側で前記本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する底体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の上を通過する導体層が形成されている。
【0019】
また、本発明に係る他の圧力破砕型保護デバイスは、凹部が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記凹部を閉塞する蓋体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記凹部の上を通過する導体層が形成されている。
【0020】
さらに、本発明に係るその他の圧力破砕型保護デバイスは、凹部が形成された第1本体と、凹部が形成された第2本体とを備えており、前記第1本体の凹部の底部の方が、第2本体の凹部の底部より薄く形成され、かつ第1本体の裏面であって凹部の底部に相当する部分に導体層が形成されており、両凹部を向かい合わせにした状態で両本体を組み合わせると、両本体の間に両凹部で形成される空間と外部とを連通させる連通部が形成されるようになっている。
【0021】
一方、本発明に係る爆発防止型コンデンサは、コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を納めるケースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体と、前記コンデンサ素子と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイスとを備え、前記圧力破砕型保護デバイスは、前記ケースの内部に向かって露出しており、請求項1乃至6記載のものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的分解斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの使用状態を示す概略的正面図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスが作動した状態を示す概略的斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの変形例を示す概略的平面図、図6は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのその他の変形例を示す概略的斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態に係るさらにその他の変形例を示す圧力破砕型保護デバイスの概略的正面図、図8は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのさらにその他の変形例を示す概略的断面図、図9は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの端子部への接続形態の一例を示す概略的正面図である。
【0023】
また、図10は本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図、図11は本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図である。
【0024】
さらに、図12は本発明の実施の形態に係る爆発防止型コンデンサの概略的断面図である。
【0025】
本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスA1 は、貫通孔110A1 が形成された本体100A1 と、この本体100A1 に取り付けられて前記貫通孔110A1 を閉塞する蓋体200A1 と、この蓋体200A1 が取り付けられた側とは反対の側で前記本体100A1 に取り付けられて前記貫通孔110A1 を閉塞する底体300A1 とを備えており、前記蓋体200A1 には、本体100A1 に取り付けられた状態で前記貫通孔110A1 の上を通過する導体層210A1 が形成されている。
【0026】
前記本体100A1 は、略直方体状のセラミックスから構成されている。この本体100A1 の上面から下面にかけて丸形の貫通孔110A1 が開設されている。この貫通孔110A1 は、蓋体300A1 と底体300A1 とによって閉塞される部分である。
【0027】
また、前記蓋体200A1 は、平面視で前記本体100A1 の同じ大きさのセラミックス板である。この蓋体200A1 の上面側には、蓋体200A1 の長手方向に縦断した導体層210A1 が形成されている。この導体層210A1 は、蓋体200A1 を本体100A1 に取り付けた場合、前記貫通孔110A1 の上を通過する位置に設けられている。
【0028】
さらに、前記底体300A1 は、平面視で前記本体100A1 の同じ大きさのセラミックス板である。この底体300A1 には、小さな開口310A1 が開設されている。この開口310A1 は、底体300A1 を本体100A1 に取り付けた場合、前記貫通孔110A1 に臨んで貫通孔110A1 と外部とを連通させることができる位置に開設されている。なお、この開口310A1 は、前記貫通孔110A1 より十分小さいものであることが望ましい。
【0029】
ここで、蓋体200A1 は、本体100A1 及び底体300A1 より薄く形成されていることが必要である。すなわち、充電型電池等の内圧が所定値より上昇した場合には、図4に示すように、蓋体200A1 の貫通孔110A1 の真上部分が破損されることで、蓋体200A1 に形成された導体層210A1 を切断して導体層210A1 を流れる電流を遮断するものだからである。例えば、蓋体200A1 は、シート状のセラミックス(以下、セラミックスシートとする)を用いることで40μm程度の極薄とすることができる。なお、図1においては、本体100A1 の方が底体300A1 より厚く形成されているが、本体100A1 と蓋体200A1 とは同等の厚さであってもよいことになる。
【0030】
このような本体100A1 、蓋体200A1 及び底体300A1 からなる圧力破砕型保護デバイスA1 は、次のようにして製造される。
まず、本体100A1 の上面に蓋体200A1 を、下面に底体300A1 をそれぞれ貼りつけた後、焼成して一体化する。すると、本体100A1 の貫通孔110A1 は、前記開口310A1 を介して外部と連通した状態になる。
【0031】
この状態で前記開口310A1 を接着剤等で封止し、貫通孔110A1 を外部から独立した空間とする。これで図2に示す圧力破砕型保護デバイスA1 が完成する。
【0032】
このような圧力破砕型保護デバイスA1 は、図3に示すように導体層210A1 の左右両端に充電型電池の端子部500を半田や超音波溶着等によって接続することで充電型電池に内蔵される。
【0033】
また、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 における蓋体200A1 に形成された導体層210A1 は、端部も中央部も同幅であったが、図5に示す圧力破砕型保護デバイスA2 では、導体層210A2 の端部が中央部に比べて幅広く形成されている。このため、前記端子部500の導体層210A2 への接続が容易になっている。ただし、導体層210A2 が本体100A2 に形成された貫通孔110A2 の上側を通過する点は上述したものと同様である。
【0034】
さらに、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 及びA2 では、本体100A1 、100A2 に1つの貫通孔110A1 、110A2 が開設されていたが、図6に示す圧力破砕型保護デバイスA3 のように、2つの貫通孔110A3 を開設してもよい。このように、複数の貫通孔110A3 を開設すると、いずれかの貫通孔110A3 の上に位置するように形成された導体層210A3 が破断されれば導通が遮断されるため、より信頼性を向上させることが可能となる。他の部品、例えば蓋体200A3 や底体300A3 は、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 等と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0035】
また、図7に示す圧力破砕型保護デバイスA4 は、端子部500が導体層210A4 に対して垂直に接続されることを考慮したものである。このため、圧力破砕型保護デバイスA4 では、蓋体200A4 に導体層210A4 の両端部に導体層210A4 を貫く凹み220A4 を設け、この凹み220A4 に垂直方向から端子部500を挿入し、半田付けや接着剤又は加締等で固定するようにしている。
【0036】
ところで、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 〜A4 では、蓋体200A1 、200A2 、200A3 、200A4 は勿論のこと、本体100A1 、100A2 、100A3 、100A4 、底体300A1 、300A2 、300A3 、300A4 も一層のセラミックスから構成されるとして説明した。しかしながら、図8に示す圧力破砕型保護デバイスA5 のように、本体100A5 と底体300A5 とは、複数(図面では4枚と3枚)の薄いセラミックスシートaを積層して構成することも可能である。このように、セラミックスシートaを積層して本体100A5 等を構成すると、必要に応じて各種の大きさ特に厚さの本体100A5 等を構成することができるというメリットがある。また、この場合は、積層されるセラミックスシートa自身は蓋体200A5 より薄くても構わない。
【0037】
なお、この場合のセラミックスaには、貫通孔100A5 となるべき切欠や、開口310A5 となるべき切欠が形成されている必要があることはいうまでもない。
【0038】
また、圧力破砕型保護デバイスA 1〜A 3、A5 は、図9に示すように、箱状の端子部500に両端部を嵌め込むことで接続されることもある。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスBについて説明する。
この本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスBが、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 〜A5 と相違する点は、圧力破砕型保護デバイスA 1〜A5 が本体100A1 、100A2 、100A3 、100A4 と蓋体200A1 、200A2 、200A3 、200A4 と底体300A1 、300A2 、300A3 、300A4 との3つの部品から構成されていたのに対して、2点の部品で構成される点である。
【0040】
本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスBは、図10に示すように、凹部110Bが形成された本体100Bと、この本体100Bに取り付けられて前記凹部110Bを閉塞する蓋体200Bとを備えており、前記蓋体200Bには、本体100Bに取り付けられた状態で前記凹部110Bの上を通過する導体層210Bが形成されている。
【0041】
前記本体100Bは、略直方体状のセラミックスから構成されている。この本体100Bは、上面から下面にかけて丸形の凹部110Bが形成されている。従って、この本体100Bは、略箱状に形成されていることになる。しかも、前記凹部110Bには、蓋体200Bが取り付けられる面とは異なる面、すなわち下面に凹部110Bと外部とを連通させる開口120Bが開設されている。
【0042】
一方、前記蓋体200Bは、平面視で前記本体100Bの同じ大きさのセラミックス板である。この蓋体200Bの上面側には、蓋体200Bの長手方向に縦断した導体層210Bが形成されている。この導体層210Bは、蓋体200Bを本体100Bに取り付けた場合、前記凹部110Bの上を通過する位置に設けられている。
【0043】
ここで、蓋体200Bは、本体100Bより薄く形成されている。すなわち、充電型電池等の内圧が所定値より上昇した場合には、蓋体200Bの凹部110Bの真上部分が破損されることで、蓋体200Bに形成された導体層210Bを切断して導体層210Bを流れる電流を遮断するものだからである。例えば、この蓋体200Bは、セラミックスシートを用いることで40μm程度の極薄とすることができる。
【0044】
このような本体100A及び蓋体200Bからなる圧力破砕型保護デバイスBは、次のようにして製造される。
まず、本体100Bの上面に蓋体200Bを貼りつけた後、焼成して一体化する。すると、本体100Bの凹部110Bは、前記開口120Bを介して外部と連通した状態になる。
【0045】
この状態で前記開口120Bを接着剤等で封止し、凹部110Bを外部から独立した空間とする。これで圧力破砕型保護デバイスBが完成する。
【0046】
このように構成された圧力破砕型保護デバイスBには、次のような変形例もある。
まず、上述した圧力破砕型保護デバイスA2 と同様に、導体層の端部が中央部より幅広く形成されたものがある。このタイプのものは、前記端子部の導体層への接続が容易になっている。
【0047】
また、上述した圧力破砕型保護デバイスA3 が2つの貫通孔110A3 を有していたように、本体に2つの凹部を設けてもよい。このように、複数の凹部を設けると、いずれかの凹部の上に位置するように形成された導体層が破断されれば導通が遮断されるため、より信頼性を向上させることが可能となる。
【0048】
さらに、上述した圧力破砕型保護デバイスA4 のように、端子部が導体層に対して垂直に接続されるように、蓋体に導体層の両端部に導体層を貫く凹みを設けてもよい。このようにすると、圧力破砕型保護デバイスの各種の取付パターンを得ることができる。
【0049】
次に、図11を参照しつつ本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスCについて説明する。
この本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスCは、凹部411が形成された第1本体410と、凹部421が形成された第2本体420とを備えており、前記第1本体410の凹部411の底部412の方が、第2本体420の凹部421の底部422より薄く形成され、かつ第1本体410の裏面であって凹部411の底部412に相当する部分に導体層413が形成されており、両凹部411、421を向かい合わせにした状態で両本体410、420を組み合わせると、両本体410、420の間に両凹部411、421で形成される空間440と外部とを連通させる連通部430が形成される。
【0050】
第1本体410は、略直方体状のセラミックスから構成されている。この第1本体410は、上面から下面にかけて丸形の凹部411が形成されている。従って、この第1本体410は、略箱状に形成されていることになる。また、前記凹部411の上縁部には連通路430となる凹溝414が形成されている。
【0051】
かかる第1本体410の裏面であって凹部411の底部412に相当する部分には、導体層413が形成されている。この導体層413は、前記凹部411の上を通過するようになっている。
【0052】
一方、前記第2本体420は、第1本体410と同様に、略直方体状のセラミックスから構成されている。この第2本体420は、上面から下面にかけて丸形の凹部421が形成されている。従って、この第2本体420は、略箱状に形成されていることになる。また、前記凹部421の上縁部には連通路430となる凹溝424が形成されている。
【0053】
しかしながら、この第2本体420が、第1本体410と相違する点は、凹部421の底部422の厚さである。すなわち、第2本体420の凹部421の底部422の方が、第1本体410の凹部411の底部412より厚く形成されているのである。従って、底部411の方が底部422より容易に破断するのである。
【0054】
第1本体410と第2本体420とを両凹部411、421が向かい合うようにして組み合わせると、両凹部411、421によって空間440が形成される。この空間440は、両凹溝414、424によって形成された連通路430によって外部と連通している。
【0055】
この圧力破砕型保護デバイスCは次のようにして製造される。
まず、第1本体410と第2本体420とを両凹部411、421が向かい合うようにして組み合わせた状態で焼成する。すると、両凹部411、421によって空間440が形成される。この空間440は連通路430によって外部と連通しているのは上述した通りである。
【0056】
この状態で前記連通路430を接着剤等で封止し、前記空間440を外部から独立した空間とする。これで圧力破砕型保護デバイスCが完成する。
【0057】
上述した圧力破砕型保護デバイスA〜Cは、リチウムイオン電池等の充電型電池やコンデンサ等の爆発を防止する保護デバイスとして使用される。
【0058】
例えば、図12に示すように、前記圧力破砕型保護デバイスAを用いた爆発防止型コンデンサ1000は、コンデンサ素子1100と、このコンデンサ素子1100を納めるケース1200と、このケース1200の開口部1210を塞ぐ封口体1300と、前記コンデンサ素子1100と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイスAとを備えている。
【0059】
前記コンデンサ素子1100は、電解型のコンデンサであって、一対の端子部1110、1120を有している。この一対の端子部1110、1120は、一方側に変位している。これらの端子部1110、1120のうち、より外側に位置する一方の端子部1110は、後述する封口体1300に設けられたリード端子1310に接触するようになっている。
【0060】
一方、残る他の端子部1120は、前記端子部1110より若干短く設定されており、後述するリード部1340に接触するようになっている。
【0061】
また、前記ケース1200は、例えば金属やプラスチック材料から略箱状に形成されている。このケース1200の一面は開口部1210として開放されている。
【0062】
前記ケース1200の開口部1210には、封口体1300が嵌め込まれ、例えば金属製のケース1200の開口部1210をかしめることにより、コンデンサ素子1100を納められる。従って、このケース1200の内部は、封口体1300によって外部とは気密に区分されているのである。この封口体1300は、例えばプラスチック等の絶縁性材料からやや肉厚状に形成されている。
【0063】
この封口体1300は、両端部にリード端子1310、1320を有している。このリード端子1310、1320は、爆発防止型コンデンサ1000の端子となる部分である。一方のリード端子1310は、封口体1300の上面に開設された開口1360に上端が臨んでおり、下端は封口体1300の下面より下側に突出している。また、他方のリード端子1320は、封口体1300を貫通している。
【0064】
また、この封口体1300の上面側には、凹部1330が形成されている。この凹部1330は、圧力破砕型保護デバイスAが収納され、しかも収納された圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1 が封口体1300の上面と面一になる深さに設定されている。
【0065】
この凹部1330の両端側には、凹部1330に収納された圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1 に接触するリード部1340、1350が設けられている。一方のリード部1340、すなわち前記端子部1120が接触するリーード部1340は、封口体1300に形成された開口1360に嵌まり込む埋設片1341と、この埋設片1341と直交する方向に伸びた接触片1342とから構成されている。前記接触片1342が圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1 の一端側に接触するようになっている。また、埋設片1341は、前記端子部1120に垂直に接触するようになっている。
【0066】
また、前記リード部1350は、封口体1300の上面に突出したリード端子1320の上端に接続されている。
【0067】
従って、前記リード部1340、1350は、凹部1330に収納された圧力破砕型保護デバイスAを上側から押さえ込むようにして、導体層210A1 に接触しているのである。
【0068】
このように構成された爆発防止型コンデンサ1000は、リード端子1310→端子部1110→コンデンサ素子1100→端子部1120→接触片1342→圧力破砕型保護デバイスA→リード部1350→リード端子1320の順で電気的に接続されているのである。
【0069】
この爆発防止型コンデンサ1000は、過電流が流れることで電解液が分解し、その結果、ケース1200の内部圧力が一定値以上に上昇すると、圧力破砕型保護デバイスAの蓋体200A1 のうち、貫通孔110A1 の上に位置する部分が破損し、その結果、導電層210A1 が破断され、電流が遮断される。
【0070】
また、温度上昇によってもケース1200の内部圧力が増大するので、この場合も同様にして電流を遮断することが可能である。
【0071】
なお、この爆発防止型コンデンサ1000では、圧力破砕型保護デバイスAを使用したが、他のもの、すなわち圧力破砕型保護デバイスB、Cであっても同様の作用を奏することが可能なのは勿論である。
【0072】
【発明の効果】
本発明に係る圧力破砕型保護デバイスは、貫通孔が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋体が取り付けられた側とは反対の側で前記本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する底体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の上を通過する導体層が形成されている。
【0073】
従って、蓋体及び底体によって本体の貫通孔(従来の開口部に相当する)を閉塞することができるので、部品点数を削減しつつ同等の効果を得ることができる。
【0074】
また、前記蓋体は、本体及び底体より薄く形成されているので、底体ではなく確実に蓋体を破砕することができるという効果もある。
【0075】
一方、導体層は、蓋体に設けられているので、従来のように本体の内部に導体層に相当するものを引き込む必要がなくなり、その結果として、全体の構成を簡略化することが可能となった。
【0076】
さらに、他の圧力破砕型保護デバイスは、凹部が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記凹部を閉塞する蓋体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記凹部の上を通過する導体層が形成されている。
【0077】
このように構成された圧力破砕型保護デバイスは、底体に相当するものが不要となり、より部品点数の削減を果たすことができる。
【0078】
この圧力破砕型保護デバイスでは、本体には、蓋体が取り付けられる面とは異なる面に前記凹部と連通する開口が開設されている。
【0079】
また、他の圧力破砕型保護デバイスとしては、凹部が形成された第1本体と、凹部が形成された第2本体とを備えており、前記第1本体の凹部の底部の方が、第2本体の凹部の底部より薄く形成され、かつ第1本体の裏面であって凹部の底部に相当する部分に導体層が形成されており、両凹部を向かい合わせにした状態で両本体を組み合わせると、両本体の間に両凹部で形成される空間と外部とを連通させる連通部が形成されるようにすることも可能である。
【0080】
また、他の本発明に係る爆発防止型コンデンサは、コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を納めるケースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体と、前記コンデンサ素子と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイスとを備え、前記圧力破砕型保護デバイスは、前記ケースの内部に向かって露出しており、前記請求項1乃至6記載のものである。
【0081】
従って、この爆発防止型コンデンサは、電解液の分解による内圧上昇にも温度上昇による内圧上昇にも対応したものとすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの使用状態を示す概略的正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスが作動した状態を示す概略的斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの変形例を示す概略的平面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのその他の変形例を示す概略的斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るさらにその他の変形例を示す圧力破砕型保護デバイスの概略的正面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのさらにその他の変形例を示す概略的断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの端子部への接続形態の一例を示す概略的正面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図である。である。
【図12】本発明の実施の形態に係る爆発防止型コンデンサの概略的断面図である。
【符号の説明】
A 1 圧力破砕型保護デバイス
100A 1 本体
110A 1 貫通孔
200A 1 蓋体
210A 1 導電層
300A 1 底体
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン電池等の充電型電池の安全機構や、コンデンサ等の電子部品の安全機構に適した圧力破砕型保護デバイスと、これを用いた爆発防止型コンデンサとに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯電話やビデオカメラ等の電子機器には、リチウムイオン電池等の充電型電池が数多く用いられている。これら各種の充電型電池において、例えば、電子機器の故障や誤使用によって過充電状態や短絡状態になると、電池内部が加熱され、電解液が分解されてガスが発生し、電池内圧が上昇し、その結果爆発してしまうおそれがあった。このため、これらの充電型電池には、爆発を防止する各種の保護デバイスが備えられている。
【0003】
例えば、実開昭64−38764号公報には、負極或いは正極の金属集電体と出力端子とを電気的に接続する平板状をした金属製の集電リードに、円状や楕円状等をした穿孔を設け、当該穿孔箇所近傍をフッ素系樹脂で被覆した保護デバイスが開示されている。
【0004】
また、特開平08−315803号公報には、絶縁性材からなり、一部を開口された筐体と、前記筐体の開口部を閉鎖し、圧力により変形する加圧部材と、前記筐体に収納され、導電路を有し、前記加圧部材による押圧が所定値を越えると前記導電路を破断する破断部材と、前記導電路に接続される導電性を有する一対の接続部材と、前記接続部材と前記筐体内部で接合され、前記筐体にインサート成形された一対の端子と、前記筐体には、前記接続部材と前記端子の接合部の端子裏面に達する凹部を備えたことを特徴とする圧力遮断センサが開示されている。
【0005】
また、これらの保護デバイスは、充電型電池のみならず、コンデンサにも用いられている。
すなわち、電解コンデンサでは、使用時に極性を逆にして接続する、急激な充放電を繰り返す、耐電圧を越えた電圧を印加することなとにより、電解コンデンサに過電流が流れ、内部に含浸された電解液が分解して内部圧力の上昇を招く。この結果、電解コンデンサが破損して電解液が漏出し、電子機器を破損させる場合があった。
【0006】
この破損を防止するため、大容量の電解コンデンサには防爆機構と呼ばれる様々な爆発防止装置が組み込まれていた。このように防爆機構を備えた電解コンデンサか、例えば特開平5−251287号公報や特開平5−251290号公報、第2559925号実用新案登録公報などに開示されている。
【0007】
特開平5−251287号公報に開示された電解コンデンサは、コンデンサ素子と一対の外部端子とを備えており、コンデンサ素子の一方の電極と外部端子の一方との間に過電流により切断されるヒューズを備え、このヒューズと交差させた形状記憶合金からなるリード線が、シリコン樹脂等の弾性樹脂によってヒューズに固定されている。このリード線には、一定温度以上に加熱されるとリード線とヒューズ線とを含む平面と垂直方向に曲がる性質が予め記憶されている。
【0008】
この電解コンデンサにあっては、異常な電圧が印加されたりするとコンデンサ素子に過電流が流れ、リード線が一定温度以上に加熱される。この結果、リード線が変形を受けるとともにヒューズ線を機械的に切断し、過電流による破損を防いでいる。
【0009】
一方、特開平5−251290号公報に開示された電解コンデンサは、コンデンサ素子とこのコンデンサ素子を納める外装缶とを具備し、外装缶に防爆弁が設けられている。さらに、外装缶を蓋するキャップには、防爆弁の近傍に位置してコンデンサ素子と並列に接触スイッチが備えれらるとともに、この接触スイッチ直列に電流ヒューズが設けられている。
【0010】
この電解コンデンサにあっては、電解液の弁解に伴って内部圧力が上昇すると防爆弁が膨らみ、その圧力により防爆弁近傍に位置された接触スイッチが作動する。この結果、コンデンサ素子と並列に接続された接触スイッチに大量の電流が流れる。この結果、電流ヒューズが切断され、電解コンデンサの爆発を抑えることができ、電解液が外部に漏れることがない。
【0011】
また、第2559925号実用新案登録公報に開示された電解コンデンサにあっては、コンデンサ素子とこのコンデンサ素子を納める第1の外装缶及びこの第1の外装缶を納める第2の外装缶とを具備し、第1の外装缶の開口は防爆弁を有する封口体にて封口されている。また、第1の外装缶と第2の外装缶との間に空間が設けられており、この空間は上部空間と下部空間とに気密的に区分されている。
【0012】
この電解コンデンサにあっては、コンデンサ素子の電極と第1の外装缶との出力端子とを接続するリードがヒューズとしての機能を有しており、過電流が流れた場合にはヒューズが遮断される。また、内部圧力が高まり防爆弁が作動した場合でも、第2の外装缶に電解液が溜まることにより、電解液が外部に漏出することはない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平08−315803号公報の圧力遮断センサには以下のような問題点があった。
すなわち、この圧力遮断センサに用いられる加圧部材は圧力によって変形するもの、具体的にはゴム材料等の弾性材からなるパッキンが使用されている。このような加圧部材で筐体の開口部が閉鎖されるのである。そして、開口部の内部と外部との圧力差によって導電路を破断部材で破断するのである。パッキンによって開口部を閉鎖する必要がある。
【0014】
また、特開平5−251287号公報に開示された電解コンデンサは、ヒューズと形状記憶合金からなるリード線とが略T字形状若しくは略X字形状に交差されて配置されるため小型化が困難であり、また、リード線に形状記憶合金を用いるためコストが高くなるという問題点があった。さらに、形状記憶合金によるリード線が変形し、その変形に伴ってヒューズが機械的に破損される2次的な機構となっているため、ヒューズとリード線との接着不足等により、動作が不安定になるおそれがあった。また、これでは温度上昇による異常は検知できるが、内部圧力の上昇は検知できないという問題点があった。
【0015】
さらに、特開平5−251290号公報に開示された電解コンデンサは、接触スイッチと電流ヒューズとを用いているため構造が複雑になり、製造コストが高くなるという問題点があった。また、防爆弁の近傍に接触スイッチと電流ヒューズとが設置されるため、小型化することが困難であった。しかも、前記電解コント同様に、防爆弁が膨張して接触スイッチを作動させ、その後電流ヒューズを遮断するという2次的な機構となっているため、作動圧を一定に調整することが困難になるという問題もあった。
【0016】
また、第2559925号実用新案登録公報に開示された電解コンデンサにあっては、第1の外装缶と第2の外装缶とを具備するため、結果として小型化が困難になり、製造コストも高くなるという問題点があった。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みて創案されたもので、パッキン等の開口部を閉鎖する特別の部材を用いることなしに、同等の効果を得ることができる圧力破砕型保護デバイスと、確実に爆発を防ぐ安全性の高いコンデンサを安価に提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る圧力破砕型保護デバイスは、貫通孔が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋体が取り付けられた側とは反対の側で前記本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する底体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の上を通過する導体層が形成されている。
【0019】
また、本発明に係る他の圧力破砕型保護デバイスは、凹部が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記凹部を閉塞する蓋体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記凹部の上を通過する導体層が形成されている。
【0020】
さらに、本発明に係るその他の圧力破砕型保護デバイスは、凹部が形成された第1本体と、凹部が形成された第2本体とを備えており、前記第1本体の凹部の底部の方が、第2本体の凹部の底部より薄く形成され、かつ第1本体の裏面であって凹部の底部に相当する部分に導体層が形成されており、両凹部を向かい合わせにした状態で両本体を組み合わせると、両本体の間に両凹部で形成される空間と外部とを連通させる連通部が形成されるようになっている。
【0021】
一方、本発明に係る爆発防止型コンデンサは、コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を納めるケースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体と、前記コンデンサ素子と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイスとを備え、前記圧力破砕型保護デバイスは、前記ケースの内部に向かって露出しており、請求項1乃至6記載のものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的分解斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの使用状態を示す概略的正面図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスが作動した状態を示す概略的斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの変形例を示す概略的平面図、図6は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのその他の変形例を示す概略的斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態に係るさらにその他の変形例を示す圧力破砕型保護デバイスの概略的正面図、図8は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのさらにその他の変形例を示す概略的断面図、図9は本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの端子部への接続形態の一例を示す概略的正面図である。
【0023】
また、図10は本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図、図11は本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図である。
【0024】
さらに、図12は本発明の実施の形態に係る爆発防止型コンデンサの概略的断面図である。
【0025】
本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスA1 は、貫通孔110A1 が形成された本体100A1 と、この本体100A1 に取り付けられて前記貫通孔110A1 を閉塞する蓋体200A1 と、この蓋体200A1 が取り付けられた側とは反対の側で前記本体100A1 に取り付けられて前記貫通孔110A1 を閉塞する底体300A1 とを備えており、前記蓋体200A1 には、本体100A1 に取り付けられた状態で前記貫通孔110A1 の上を通過する導体層210A1 が形成されている。
【0026】
前記本体100A1 は、略直方体状のセラミックスから構成されている。この本体100A1 の上面から下面にかけて丸形の貫通孔110A1 が開設されている。この貫通孔110A1 は、蓋体300A1 と底体300A1 とによって閉塞される部分である。
【0027】
また、前記蓋体200A1 は、平面視で前記本体100A1 の同じ大きさのセラミックス板である。この蓋体200A1 の上面側には、蓋体200A1 の長手方向に縦断した導体層210A1 が形成されている。この導体層210A1 は、蓋体200A1 を本体100A1 に取り付けた場合、前記貫通孔110A1 の上を通過する位置に設けられている。
【0028】
さらに、前記底体300A1 は、平面視で前記本体100A1 の同じ大きさのセラミックス板である。この底体300A1 には、小さな開口310A1 が開設されている。この開口310A1 は、底体300A1 を本体100A1 に取り付けた場合、前記貫通孔110A1 に臨んで貫通孔110A1 と外部とを連通させることができる位置に開設されている。なお、この開口310A1 は、前記貫通孔110A1 より十分小さいものであることが望ましい。
【0029】
ここで、蓋体200A1 は、本体100A1 及び底体300A1 より薄く形成されていることが必要である。すなわち、充電型電池等の内圧が所定値より上昇した場合には、図4に示すように、蓋体200A1 の貫通孔110A1 の真上部分が破損されることで、蓋体200A1 に形成された導体層210A1 を切断して導体層210A1 を流れる電流を遮断するものだからである。例えば、蓋体200A1 は、シート状のセラミックス(以下、セラミックスシートとする)を用いることで40μm程度の極薄とすることができる。なお、図1においては、本体100A1 の方が底体300A1 より厚く形成されているが、本体100A1 と蓋体200A1 とは同等の厚さであってもよいことになる。
【0030】
このような本体100A1 、蓋体200A1 及び底体300A1 からなる圧力破砕型保護デバイスA1 は、次のようにして製造される。
まず、本体100A1 の上面に蓋体200A1 を、下面に底体300A1 をそれぞれ貼りつけた後、焼成して一体化する。すると、本体100A1 の貫通孔110A1 は、前記開口310A1 を介して外部と連通した状態になる。
【0031】
この状態で前記開口310A1 を接着剤等で封止し、貫通孔110A1 を外部から独立した空間とする。これで図2に示す圧力破砕型保護デバイスA1 が完成する。
【0032】
このような圧力破砕型保護デバイスA1 は、図3に示すように導体層210A1 の左右両端に充電型電池の端子部500を半田や超音波溶着等によって接続することで充電型電池に内蔵される。
【0033】
また、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 における蓋体200A1 に形成された導体層210A1 は、端部も中央部も同幅であったが、図5に示す圧力破砕型保護デバイスA2 では、導体層210A2 の端部が中央部に比べて幅広く形成されている。このため、前記端子部500の導体層210A2 への接続が容易になっている。ただし、導体層210A2 が本体100A2 に形成された貫通孔110A2 の上側を通過する点は上述したものと同様である。
【0034】
さらに、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 及びA2 では、本体100A1 、100A2 に1つの貫通孔110A1 、110A2 が開設されていたが、図6に示す圧力破砕型保護デバイスA3 のように、2つの貫通孔110A3 を開設してもよい。このように、複数の貫通孔110A3 を開設すると、いずれかの貫通孔110A3 の上に位置するように形成された導体層210A3 が破断されれば導通が遮断されるため、より信頼性を向上させることが可能となる。他の部品、例えば蓋体200A3 や底体300A3 は、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 等と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0035】
また、図7に示す圧力破砕型保護デバイスA4 は、端子部500が導体層210A4 に対して垂直に接続されることを考慮したものである。このため、圧力破砕型保護デバイスA4 では、蓋体200A4 に導体層210A4 の両端部に導体層210A4 を貫く凹み220A4 を設け、この凹み220A4 に垂直方向から端子部500を挿入し、半田付けや接着剤又は加締等で固定するようにしている。
【0036】
ところで、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 〜A4 では、蓋体200A1 、200A2 、200A3 、200A4 は勿論のこと、本体100A1 、100A2 、100A3 、100A4 、底体300A1 、300A2 、300A3 、300A4 も一層のセラミックスから構成されるとして説明した。しかしながら、図8に示す圧力破砕型保護デバイスA5 のように、本体100A5 と底体300A5 とは、複数(図面では4枚と3枚)の薄いセラミックスシートaを積層して構成することも可能である。このように、セラミックスシートaを積層して本体100A5 等を構成すると、必要に応じて各種の大きさ特に厚さの本体100A5 等を構成することができるというメリットがある。また、この場合は、積層されるセラミックスシートa自身は蓋体200A5 より薄くても構わない。
【0037】
なお、この場合のセラミックスaには、貫通孔100A5 となるべき切欠や、開口310A5 となるべき切欠が形成されている必要があることはいうまでもない。
【0038】
また、圧力破砕型保護デバイスA 1〜A 3、A5 は、図9に示すように、箱状の端子部500に両端部を嵌め込むことで接続されることもある。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスBについて説明する。
この本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスBが、上述した圧力破砕型保護デバイスA1 〜A5 と相違する点は、圧力破砕型保護デバイスA 1〜A5 が本体100A1 、100A2 、100A3 、100A4 と蓋体200A1 、200A2 、200A3 、200A4 と底体300A1 、300A2 、300A3 、300A4 との3つの部品から構成されていたのに対して、2点の部品で構成される点である。
【0040】
本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスBは、図10に示すように、凹部110Bが形成された本体100Bと、この本体100Bに取り付けられて前記凹部110Bを閉塞する蓋体200Bとを備えており、前記蓋体200Bには、本体100Bに取り付けられた状態で前記凹部110Bの上を通過する導体層210Bが形成されている。
【0041】
前記本体100Bは、略直方体状のセラミックスから構成されている。この本体100Bは、上面から下面にかけて丸形の凹部110Bが形成されている。従って、この本体100Bは、略箱状に形成されていることになる。しかも、前記凹部110Bには、蓋体200Bが取り付けられる面とは異なる面、すなわち下面に凹部110Bと外部とを連通させる開口120Bが開設されている。
【0042】
一方、前記蓋体200Bは、平面視で前記本体100Bの同じ大きさのセラミックス板である。この蓋体200Bの上面側には、蓋体200Bの長手方向に縦断した導体層210Bが形成されている。この導体層210Bは、蓋体200Bを本体100Bに取り付けた場合、前記凹部110Bの上を通過する位置に設けられている。
【0043】
ここで、蓋体200Bは、本体100Bより薄く形成されている。すなわち、充電型電池等の内圧が所定値より上昇した場合には、蓋体200Bの凹部110Bの真上部分が破損されることで、蓋体200Bに形成された導体層210Bを切断して導体層210Bを流れる電流を遮断するものだからである。例えば、この蓋体200Bは、セラミックスシートを用いることで40μm程度の極薄とすることができる。
【0044】
このような本体100A及び蓋体200Bからなる圧力破砕型保護デバイスBは、次のようにして製造される。
まず、本体100Bの上面に蓋体200Bを貼りつけた後、焼成して一体化する。すると、本体100Bの凹部110Bは、前記開口120Bを介して外部と連通した状態になる。
【0045】
この状態で前記開口120Bを接着剤等で封止し、凹部110Bを外部から独立した空間とする。これで圧力破砕型保護デバイスBが完成する。
【0046】
このように構成された圧力破砕型保護デバイスBには、次のような変形例もある。
まず、上述した圧力破砕型保護デバイスA2 と同様に、導体層の端部が中央部より幅広く形成されたものがある。このタイプのものは、前記端子部の導体層への接続が容易になっている。
【0047】
また、上述した圧力破砕型保護デバイスA3 が2つの貫通孔110A3 を有していたように、本体に2つの凹部を設けてもよい。このように、複数の凹部を設けると、いずれかの凹部の上に位置するように形成された導体層が破断されれば導通が遮断されるため、より信頼性を向上させることが可能となる。
【0048】
さらに、上述した圧力破砕型保護デバイスA4 のように、端子部が導体層に対して垂直に接続されるように、蓋体に導体層の両端部に導体層を貫く凹みを設けてもよい。このようにすると、圧力破砕型保護デバイスの各種の取付パターンを得ることができる。
【0049】
次に、図11を参照しつつ本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスCについて説明する。
この本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスCは、凹部411が形成された第1本体410と、凹部421が形成された第2本体420とを備えており、前記第1本体410の凹部411の底部412の方が、第2本体420の凹部421の底部422より薄く形成され、かつ第1本体410の裏面であって凹部411の底部412に相当する部分に導体層413が形成されており、両凹部411、421を向かい合わせにした状態で両本体410、420を組み合わせると、両本体410、420の間に両凹部411、421で形成される空間440と外部とを連通させる連通部430が形成される。
【0050】
第1本体410は、略直方体状のセラミックスから構成されている。この第1本体410は、上面から下面にかけて丸形の凹部411が形成されている。従って、この第1本体410は、略箱状に形成されていることになる。また、前記凹部411の上縁部には連通路430となる凹溝414が形成されている。
【0051】
かかる第1本体410の裏面であって凹部411の底部412に相当する部分には、導体層413が形成されている。この導体層413は、前記凹部411の上を通過するようになっている。
【0052】
一方、前記第2本体420は、第1本体410と同様に、略直方体状のセラミックスから構成されている。この第2本体420は、上面から下面にかけて丸形の凹部421が形成されている。従って、この第2本体420は、略箱状に形成されていることになる。また、前記凹部421の上縁部には連通路430となる凹溝424が形成されている。
【0053】
しかしながら、この第2本体420が、第1本体410と相違する点は、凹部421の底部422の厚さである。すなわち、第2本体420の凹部421の底部422の方が、第1本体410の凹部411の底部412より厚く形成されているのである。従って、底部411の方が底部422より容易に破断するのである。
【0054】
第1本体410と第2本体420とを両凹部411、421が向かい合うようにして組み合わせると、両凹部411、421によって空間440が形成される。この空間440は、両凹溝414、424によって形成された連通路430によって外部と連通している。
【0055】
この圧力破砕型保護デバイスCは次のようにして製造される。
まず、第1本体410と第2本体420とを両凹部411、421が向かい合うようにして組み合わせた状態で焼成する。すると、両凹部411、421によって空間440が形成される。この空間440は連通路430によって外部と連通しているのは上述した通りである。
【0056】
この状態で前記連通路430を接着剤等で封止し、前記空間440を外部から独立した空間とする。これで圧力破砕型保護デバイスCが完成する。
【0057】
上述した圧力破砕型保護デバイスA〜Cは、リチウムイオン電池等の充電型電池やコンデンサ等の爆発を防止する保護デバイスとして使用される。
【0058】
例えば、図12に示すように、前記圧力破砕型保護デバイスAを用いた爆発防止型コンデンサ1000は、コンデンサ素子1100と、このコンデンサ素子1100を納めるケース1200と、このケース1200の開口部1210を塞ぐ封口体1300と、前記コンデンサ素子1100と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイスAとを備えている。
【0059】
前記コンデンサ素子1100は、電解型のコンデンサであって、一対の端子部1110、1120を有している。この一対の端子部1110、1120は、一方側に変位している。これらの端子部1110、1120のうち、より外側に位置する一方の端子部1110は、後述する封口体1300に設けられたリード端子1310に接触するようになっている。
【0060】
一方、残る他の端子部1120は、前記端子部1110より若干短く設定されており、後述するリード部1340に接触するようになっている。
【0061】
また、前記ケース1200は、例えば金属やプラスチック材料から略箱状に形成されている。このケース1200の一面は開口部1210として開放されている。
【0062】
前記ケース1200の開口部1210には、封口体1300が嵌め込まれ、例えば金属製のケース1200の開口部1210をかしめることにより、コンデンサ素子1100を納められる。従って、このケース1200の内部は、封口体1300によって外部とは気密に区分されているのである。この封口体1300は、例えばプラスチック等の絶縁性材料からやや肉厚状に形成されている。
【0063】
この封口体1300は、両端部にリード端子1310、1320を有している。このリード端子1310、1320は、爆発防止型コンデンサ1000の端子となる部分である。一方のリード端子1310は、封口体1300の上面に開設された開口1360に上端が臨んでおり、下端は封口体1300の下面より下側に突出している。また、他方のリード端子1320は、封口体1300を貫通している。
【0064】
また、この封口体1300の上面側には、凹部1330が形成されている。この凹部1330は、圧力破砕型保護デバイスAが収納され、しかも収納された圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1 が封口体1300の上面と面一になる深さに設定されている。
【0065】
この凹部1330の両端側には、凹部1330に収納された圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1 に接触するリード部1340、1350が設けられている。一方のリード部1340、すなわち前記端子部1120が接触するリーード部1340は、封口体1300に形成された開口1360に嵌まり込む埋設片1341と、この埋設片1341と直交する方向に伸びた接触片1342とから構成されている。前記接触片1342が圧力破砕型保護デバイスAの導体層210A1 の一端側に接触するようになっている。また、埋設片1341は、前記端子部1120に垂直に接触するようになっている。
【0066】
また、前記リード部1350は、封口体1300の上面に突出したリード端子1320の上端に接続されている。
【0067】
従って、前記リード部1340、1350は、凹部1330に収納された圧力破砕型保護デバイスAを上側から押さえ込むようにして、導体層210A1 に接触しているのである。
【0068】
このように構成された爆発防止型コンデンサ1000は、リード端子1310→端子部1110→コンデンサ素子1100→端子部1120→接触片1342→圧力破砕型保護デバイスA→リード部1350→リード端子1320の順で電気的に接続されているのである。
【0069】
この爆発防止型コンデンサ1000は、過電流が流れることで電解液が分解し、その結果、ケース1200の内部圧力が一定値以上に上昇すると、圧力破砕型保護デバイスAの蓋体200A1 のうち、貫通孔110A1 の上に位置する部分が破損し、その結果、導電層210A1 が破断され、電流が遮断される。
【0070】
また、温度上昇によってもケース1200の内部圧力が増大するので、この場合も同様にして電流を遮断することが可能である。
【0071】
なお、この爆発防止型コンデンサ1000では、圧力破砕型保護デバイスAを使用したが、他のもの、すなわち圧力破砕型保護デバイスB、Cであっても同様の作用を奏することが可能なのは勿論である。
【0072】
【発明の効果】
本発明に係る圧力破砕型保護デバイスは、貫通孔が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋体が取り付けられた側とは反対の側で前記本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する底体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の上を通過する導体層が形成されている。
【0073】
従って、蓋体及び底体によって本体の貫通孔(従来の開口部に相当する)を閉塞することができるので、部品点数を削減しつつ同等の効果を得ることができる。
【0074】
また、前記蓋体は、本体及び底体より薄く形成されているので、底体ではなく確実に蓋体を破砕することができるという効果もある。
【0075】
一方、導体層は、蓋体に設けられているので、従来のように本体の内部に導体層に相当するものを引き込む必要がなくなり、その結果として、全体の構成を簡略化することが可能となった。
【0076】
さらに、他の圧力破砕型保護デバイスは、凹部が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記凹部を閉塞する蓋体とを備えており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記凹部の上を通過する導体層が形成されている。
【0077】
このように構成された圧力破砕型保護デバイスは、底体に相当するものが不要となり、より部品点数の削減を果たすことができる。
【0078】
この圧力破砕型保護デバイスでは、本体には、蓋体が取り付けられる面とは異なる面に前記凹部と連通する開口が開設されている。
【0079】
また、他の圧力破砕型保護デバイスとしては、凹部が形成された第1本体と、凹部が形成された第2本体とを備えており、前記第1本体の凹部の底部の方が、第2本体の凹部の底部より薄く形成され、かつ第1本体の裏面であって凹部の底部に相当する部分に導体層が形成されており、両凹部を向かい合わせにした状態で両本体を組み合わせると、両本体の間に両凹部で形成される空間と外部とを連通させる連通部が形成されるようにすることも可能である。
【0080】
また、他の本発明に係る爆発防止型コンデンサは、コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を納めるケースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体と、前記コンデンサ素子と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイスとを備え、前記圧力破砕型保護デバイスは、前記ケースの内部に向かって露出しており、前記請求項1乃至6記載のものである。
【0081】
従って、この爆発防止型コンデンサは、電解液の分解による内圧上昇にも温度上昇による内圧上昇にも対応したものとすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの概略的斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの使用状態を示す概略的正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスが作動した状態を示す概略的斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの変形例を示す概略的平面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのその他の変形例を示す概略的斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るさらにその他の変形例を示す圧力破砕型保護デバイスの概略的正面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスのさらにその他の変形例を示す概略的断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスの端子部への接続形態の一例を示す概略的正面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る圧力破砕型保護デバイスを示す概略的断面図である。である。
【図12】本発明の実施の形態に係る爆発防止型コンデンサの概略的断面図である。
【符号の説明】
A 1 圧力破砕型保護デバイス
100A 1 本体
110A 1 貫通孔
200A 1 蓋体
210A 1 導電層
300A 1 底体
Claims (7)
- 貫通孔が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する蓋体と、この蓋体が取り付けられた側とは反対の側で前記本体に取り付けられて前記貫通孔を閉塞する底体とを具備しており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記貫通孔の上を通過する導体層が形成されていることを特徴とする圧力破砕型保護デバイス。
- 前記蓋体は、本体及び底体より薄く形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力破砕型保護デバイス。
- 前記底体には、本体に取り付けられると貫通孔と連通する開口が開設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の圧力破砕型保護デバイス。
- 凹部が形成された本体と、この本体に取り付けられて前記凹部を閉塞する蓋体とを具備しており、前記蓋体には、本体に取り付けられた状態で前記凹部の上を通過する導体層が形成されていることを特徴とする圧力破砕型保護デバイス。
- 前記本体には、蓋体が取り付けられる面とは異なる面に前記凹部と連通する開口が開設されていることを特徴とする請求項4記載の圧力破砕型保護デバイス。
- 凹部が形成された第1本体と、凹部が形成された第2本体とを具備しており、前記第1本体の凹部の底部の方が、第2本体の凹部の底部より薄く形成され、かつ第1本体の裏面であって凹部の底部に相当する部分に導体層が形成されており、両凹部を向かい合わせにした状態で両本体を組み合わせると、両本体の間に両凹部で形成される空間と外部とを連通させる連通部が形成されることを特徴とする圧力破砕型保護デバイス。
- コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を納めるケースと、このケースの開口部を塞ぐ封口体と、前記コンデンサ素子と電気的に接続された圧力破砕型保護デバイスとを備え、前記圧力破砕型保護デバイスは、前記ケースの内部に向かって露出しており、前記請求項1乃至6記載のものであることを特徴とする爆発防止型コンデンサ。
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