JP2000294443A - 薄膜デバイスの製造方法及び薄膜デバイス - Google Patents

薄膜デバイスの製造方法及び薄膜デバイス

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JP2000294443A
JP2000294443A JP11094740A JP9474099A JP2000294443A JP 2000294443 A JP2000294443 A JP 2000294443A JP 11094740 A JP11094740 A JP 11094740A JP 9474099 A JP9474099 A JP 9474099A JP 2000294443 A JP2000294443 A JP 2000294443A
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thermosetting
insulating layer
substrate
thin
film device
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Hidehiko Yamaoka
英彦 山岡
Osamu Shinoura
治 篠浦
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TDK Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/32Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying conductive, insulating or magnetic material on a magnetic film, specially adapted for a thin magnetic film
    • H01F41/34Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying conductive, insulating or magnetic material on a magnetic film, specially adapted for a thin magnetic film in patterns, e.g. by lithography

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸の有る基板の上に絶縁層を形成するにあ
たって、簡易かつ作業性の良い方法で、しかも、絶縁層
の上部表面の平滑性に優れ、この上に形成される機能膜
の特性劣化等が極めて少ない薄膜デバイスの製造方法及
び薄膜デバイスを提供する。 【解決手段】 表面に凹凸部を備える第1の基板の上に
熱硬化性有機塗料を塗布して塗料塗膜を形成した後に、
熱硬化処理して熱硬化性絶縁層を形成する工程を有する
薄膜デバイスの製造方法であって、前記熱硬化処理は、
前記塗料塗膜の上を表面が平坦な第2の基板で押圧しな
がら行なわれるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好適には携帯電話
等の小型電子装置に用いられる薄膜コイル、磁気記録に
用いられる薄膜磁気ヘッドあるいは薄膜磁界センサ等の
薄膜導電体、薄膜磁性体等により構成される薄膜デバイ
スの製造方法あるいは薄膜デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子装置の小型化に伴いそれに用
いられる個々の電子部品にも、より小型化が求められて
いる。そのため、これらの電子装置に用いられるコイル
部を有するインダクタ、トランス等も、バルクの導線を
巻き線したいわゆるバルクデバイスから、薄膜堆積法と
フォトリソグラフィー技術によって製造される薄膜コイ
ルを用いた薄膜デバイスへと移行しつつある。そして、
いわゆる薄膜インダクタ、薄膜磁気ヘッド等の薄膜磁気
デバイスにおいては、磁性薄膜をパターニングし、磁気
回路を形成しているのが実状である。
【0003】これらの薄膜デバイスを構成する機能層
は、主として、導体層、絶縁層、誘電体層、磁性体層な
どであり、これらの層が順に積層され機能膜積層構造が
作製される。このうち導体層は電流を印加するための層
であり、銅、金等の材料で回路が形成され、一般に、こ
れらの導体層の上下には絶縁層が形成される。
【0004】絶縁層の形成に際しては、熱硬化性の有機
物樹脂、例えばノボラック系フォトレジストやポリイミ
ド樹脂を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を熱硬化する
ことによって絶縁特性の良好な絶縁層を安価に形成する
ことが可能となる。
【0005】このように形成された絶縁層の上には、さ
らに磁性層等の機能層が成膜されることがある。このよ
うな場合には、下地とも言える絶縁層表面の平坦化が極
めて重要な役割を果たし、平坦化が保証されていないと
成膜された機能層、例えば磁性層の特性が劣化してしま
うおそれがある。よりわかり易い具体的な一例として、
図5(a)に示されるようなコイルパターンが形成され
た基板100上には、コイル110の有るライン部(1
10)と、コイル間のスペース部111が存在し、いわ
ゆる凹凸が形成された面となっている。このような凹凸
面の上に絶縁層を形成するために熱硬化性の樹脂塗膜1
30を塗設した後(図5(b))、熱硬化処理が行なわ
れる。すると、樹脂塗膜は硬化していく過程で収縮を起
こす。このように凹凸のある面上に有機物樹脂塗膜13
0を成膜し熱硬化処理させると、元の塗膜の厚さが凹凸
の位置によりそれぞれ異なるために、ライン部110上
に形成された絶縁層(塗膜厚さが小)は硬化後に凸部
に、スペース部111上に形成された絶縁層(塗膜厚さ
が大)は硬化後に凹部になってしまう(図5(c))。
具体的数値例を挙げてさらに分かり易く説明すると、例
えば、(コイル)ライン部110の厚さは10μm、
(コイル)ライン部110上には10μmの塗膜(レジ
スト)が有り、それが50%に収縮すると5μmの熱硬
化絶縁層となる。これに対して(コイル)スペース部1
11上には20μmのレジストがありそれが50%に収
縮すると10μmの熱硬化絶縁層となる。その結果、ラ
イン部110上は基板表面からコイル厚10μmに絶縁
層5μmが加わった15μmの高さとなる。しかしスペ
ース部111上は、絶縁層のみで10μmである。この
ため絶縁層表面で5μmの凹凸が生じてしまうのであ
る。
【0006】そこで、硬化後の絶縁層表面の凹凸を軽減
する方法、すなわち平坦化のために提案が従来よりなさ
れてきている。一例を挙げると、例えば、1層が薄い絶
縁層を多数回に分けて塗布、熱硬化を行うことが有効な
一手法であることが知られている。例えば、10μmの
絶縁層を形成するのに2μmの絶縁層を5層重ねること
である程度の平坦化が図られる。
【0007】また、特開平4−206010号公報に
は、絶縁層上部が平坦になるまでフォトレジストを塗布
形成し、その後アッシングにより絶縁層を任意の厚さま
で薄くすることを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法
が開示されている。
【0008】さらに、特開平4−45804号公報に
は、凹凸のある下地上に第1絶縁層を塗布し、さらに第
2絶縁層を第1絶縁層の上に塗布し、第2絶縁層を選択
的に露光・現像し、さらに熱処理硬化後、イオンビーム
により絶縁層を薄くすることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
提案の方法はいずれも多くの時間と労力を要し、実際に
素子を作製する工程ではコスト・時間などで問題を生じ
ることが多い。また、絶縁層表面の平滑性も決して十分
なものとは言えず、さらなる改善が望まれている。
【0010】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであり、その目的は、上記従来の問題点を解決
し、凹凸の有る基板の上に熱硬化性絶縁層を形成するに
あたって、簡易かつ作業性の良い方法で、しかも、硬化
後の熱硬化性絶縁層の上部表面の平滑性に優れ、この上
に形成される機能膜の特性劣化等が極めて少ない薄膜デ
バイスの製造方法及び薄膜デバイスを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明は、表面に凹凸部を備える第1の基板
の上に熱硬化性有機塗料を塗布して塗料塗膜を形成した
後に、熱硬化処理して熱硬化性絶縁層を形成する工程を
有する薄膜デバイスの製造方法であって、前記熱硬化処
理は、前記塗料塗膜の上を表面が平坦な第2の基板で押
圧しながら行なわれるように構成される。
【0012】また、本発明の薄膜デバイスの製造方法
は、基板の一方の表面に凹凸部を備える複数個の基板の
凹凸部上にそれぞれ熱硬化性有機塗料を塗布して塗料塗
膜を形成した複数の塗膜基板を準備した後、これらの基
板を順次積み上げて、基板の他方の平滑面で、その下に
位置する塗料塗膜を押圧しながら加熱硬化させる部分を
備えてなるように構成される。
【0013】また、本発明の好ましい態様として、前記
積み上げられる最上部に位置する基板は、熱硬化性絶縁
層が形成されていない基板として構成される。
【0014】また、本発明の好ましい態様として、前記
塗料塗膜と、これを押圧する基板との間に、硬化後の熱
硬化性絶縁層と接着しにくい材料からなる薄膜もしくは
介在基板を介在させて熱硬化処理、または押圧する基板
そのものを熱硬化性絶縁層と接着しにくい材料から構成
させ熱硬化処理してなるように構成される。
【0015】また、本発明の好ましい態様として、前記
薄膜または介在基板がフッ素系樹脂として構成される。
【0016】また、本発明の好ましい態様として、前記
熱硬化処理は、押圧圧力100〜3000g/cm
熱処理温度150〜450℃の条件で行なわれる。
【0017】また、本発明の好ましい態様として、前記
熱硬化性絶縁層の硬化後の厚さを直径とする高さ規制用
の球体を、スペーサーとして2枚の基板間に挿入し、前
記押圧しながらの熱硬化処理が行なわれる。
【0018】また、本発明の好ましい態様として、前記
熱硬化性絶縁層が形成される基板の周辺に同じ熱硬化性
絶縁層からなる高さ規制用のダミーパターンを形成し、
このダミーパターンをスペーサーとし、前記押圧しなが
らの熱硬化処理が行なわれる。
【0019】また、本発明の好ましい態様として、前記
押圧しながらの熱硬化処理により形成された前記熱硬化
性絶縁層の少なくとも上部表面に磁性層が形成される。
【0020】また、本発明の好ましい態様として、前記
押圧しながらの熱硬化処理により形成された前記熱硬化
性絶縁層は、その表面形状が、二次元的に平坦な平坦主
要部を有し、当該平坦主要部における、任意の2方向で
測定した「うねり」が0.05μm/mm以下となるよ
うに製造される。
【0021】本発明は、表面に凹凸部を備える第1の基
板の上に熱硬化性絶縁層を形成した薄膜デバイスであっ
て、前記熱硬化性絶縁層の表面形状が、二次元的に平坦
な平坦主要部を有し、当該平坦主要部における、任意の
2方向で測定した「うねり」が0.05μm/mm以下
であるように構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薄膜デバイスの製
造方法及び薄膜デバイスに関して、好適な具体的実施の
形態を示しつつ、詳細に説明する。
【0023】図1(a)〜(d)は、本発明の薄膜デバ
イスの製造方法の一例を工程順に示した断面図である。
【0024】まず、最初に、基板21の表面に例えば厚
さ10μm程度の凸状コイルパターン5が所定の形態に
設けられることにより、基板21上に凹凸部50が形成
される(図1(a))。
【0025】次いで、この凹凸部50が形成された第1
の基板21の上に、凹凸部50を覆うように例えば、厚
さ20μm程度のフォトレジストである熱硬化性有機塗
料7aが塗布されるとともに、フォトリソ手法により所
定のパターニングが行なわれ未硬化の塗料塗膜7が形成
される(図1(b))。この段階では、塗料塗膜7の上
部表面71は平坦である。
【0026】従来の技術では、このままの状態で熱硬化
処理して塗膜を硬化させ熱硬化性絶縁層を形成せること
が一般的に行なわれていたが、本発明における熱硬化処
理は、図1(c)に示されるように前記塗料塗膜7の上
部表面71を表面が平坦な第2の基板22で押圧しなが
ら行なうことを特徴としている。すなわち、本発明の熱
硬化処理が塗料塗膜7の上部表面71を第2の基板22
で押圧しながら行なわれることにより、塗膜7を構成す
る熱硬化性樹脂は連続的に下方に変形しながら硬化収縮
反応が進行する。このため、押圧している基板22の平
滑な当接面22aの表面状態を転写した形となり、樹脂
の硬化熱収縮に起因する凹凸は生じない。なお、当接面
22aの表面状態は、熱硬化により形成された熱硬化性
絶縁層の表面の平滑性に影響を及ぼすために出来るだけ
平滑なものを用いることが望ましい。
【0027】なお、一度、熱硬化処理を終了した後で
は、熱硬化性絶縁層は加温しても変形しにくいために同
様に平坦な基板を圧着しながら熱処理をおこなっても、
一度生じた凹凸は改善しない。なお、本発明で押圧と
は、2枚の基板が荷重がかかった状態でほぼ密着してい
る状態を指す。荷重の加え方は均一な塗膜厚が形成でき
れば特に制限はなく、簡便な一例として何らかの重しを
用いる方法でもよいし、さらには機械的な各種の加圧方
法が可能である。
【0028】本発明に用いられる熱硬化性絶縁層形成の
ための熱硬化性有機塗料主成分は、熱硬化処理により良
好な絶縁特性を示す各種の樹脂、例えばポリイミドやノ
ボラック系フォトレジスト等の公知の樹脂を用いること
が出来る。特にノボラック系フォトレジストや、ポリイ
ミドフォトレジストの様に感光性のある樹脂を用いるこ
とが好ましく、成膜後にパターニングし、それを熱硬化
処理することで、容易にパターニングされた絶縁層を形
成出来る。これらの熱硬化性樹脂は、硬化過程において
かなり高い収縮率を示す。例えば、ノボラック樹脂であ
るポジ型フォトレジストでは、300℃の熱硬化処理に
おいて、膜厚が30〜50%程度薄くなる。この硬化収
縮が、従来の問題であった平坦化の大きな妨げとなって
いた。
【0029】本発明における塗膜の最適な押圧圧力は、
樹脂の種類、硬化させるための加熱温度、塗膜厚さ等に
より種々変化する。しかしながら、本発明者らが種々の
パターンで実験を行った結果、押圧圧力100〜300
0g/cmであることが好ましく、特に好ましくは2
00〜1000g/cmであることが判明した。押圧
圧力が100g/cm未満では、熱硬化性絶縁層の平
坦化が不十分となる傾向が生じ、また、1000g/c
を超えるとパターニングされた樹脂が、パターンの
外にまで広がってしまうおそれがある。
【0030】また、熱硬化処理における加熱温度は15
0℃以上450℃以下が好ましい。温度が450℃を超
えると塗膜樹脂が熱分解反応をおこして耐電圧が低下し
てしまうおそれがある。また、温度が150℃未満とな
ると硬化反応の進行に時間がかかり作業効率が低下して
しまう。さらに温度が150℃未満では、例えばその上
に真空成膜法で磁性薄膜を成膜する際に、磁性薄膜と絶
縁層との密着強度が低下してしまう傾向がある。これは
樹脂の硬化反応と平行して進行している熱分解反応が低
温では殆ど起こらないために、表面に活性の有る官能基
が少ないためと思われる。150℃以上450℃以下の
範囲では、適度の熱分解反応が起こり、CH基、COO
H基等の活性官能基が絶縁層表面に形成されるために、
例えば磁性薄膜との密着強度も良い。なお、密着強度を
挙げるためには磁性薄膜の下地膜として酸化しやすい金
属、すなわち酸化物を形成しやすい金属、例えばクロ
ム、チタン等、あるいはこれらを含む合金薄膜を設ける
ことが有効である。
【0031】このようにして、塗膜を押圧しながらの熱
硬化処理が完了した後、押圧のための基板22が除去さ
れ、図1(d)の状態に至る。すなわち、図1(d)に
示されるように基板21の凹凸部50を覆うように熱硬
化性絶縁層77が形成される。本発明における熱硬化性
絶縁層77は、その上部の表面に、二次元的に平坦な平
坦主要部77aを有し、この平坦主要部77aにおけ
る、任意の2方向(好ましくは直交するX軸とY軸)で
測定した「うねり」が0.05μm/mm以下であるよ
うに設定されるのがよい。本発明で平坦主要部77aと
は、押圧するための基板22で実質的に押圧されかつ形
成された平滑面をいい、熱硬化性絶縁層77のショルダ
ー部や側面部は除外することを意味する。そして、平坦
主要部77aの上に、好ましい態様として例えば、磁性
層(磁性薄膜)80等が形成される。なお、磁性層80
は、熱硬化性絶縁層77のショルダー部や側面部まで回
り込んで形成されることもあるが、その主要部、具体的
には磁性層全面積の70%以上、特に好ましくは磁性層
全面積の90%以上は、絶縁層の平坦主要部77の上に
形成される。
【0032】上記の「うねり」が0.05μm/mm以
下であると、この上に形成された例えば磁性膜の磁気特
性が驚くほど向上する。この結果、磁気デバイスの特性
が改善される。
【0033】本発明における「うねり」の定義は以下の
とおりである。すなわち、本発明でいう「うねり」と
は、ろ波中心線うねりであり、抜き取り部分1mm、高
域カットオフ値0mm、低域カットオフ値0.3mmで
測定したときの、うねりの最大山高さWpと最大谷高さ
Wvの合計であるWp+Wvで定義される。測定方向は
X軸、Y軸の2軸方向とされる。
【0034】なお、本発明によれば、基板21上に形成
された凹凸部50の凹凸の大きさをTpp1とし、平坦主
要部77aの凹凸の大きさをTpp2とした場合、Tpp1
×0.1>Tpp2とすることが容易に実現可能である。
Tppは、層上の凹凸の最大の大きさをあらわし、より具
体的には、触針段差計を用い、基準長さ100μm、カ
ットオフ無しで測定したときの最大深さ(大きさ)で定義
される。
【0035】本発明において、さらに熱硬化処理後に、
押圧した平坦基板22と絶縁層77(塗膜7)が形成され
た基板21とを分離する際に、すみやかに分離するため
に、図2に示されるように平坦な基板22の押圧側表面
に、(1)絶縁層77(塗膜7)と接着しにくい材料から
なる薄膜9を被着形成させたり、(2)基板22そのも
のを接着しにくい材料としたり(この場合、図2の符号
9の部材は不要)、あるいは(3)介在基板9(フィル
ム、シート状のもの)を挟み込ませるように介在させる
ことが好ましい。特に好ましい具体例としては、フッ素
系樹脂が薄膜9として基板22の押圧側表面にコーテイ
ングされていること、あるいは基板22そのものがフッ
素系樹脂であること、あるいは薄いフッ素系樹脂のフィ
ルムが押圧するための基板と絶縁層との間に挿入されて
いること等である。
【0036】さらに押圧のための圧力を均一に加えるた
めには、所望の大きさのスペーサーを、押圧する際に挟
むことが好ましい。例えば、図3に示されるように硬化
後の絶縁層77厚さが10μmの場合には10μmの複
数のボール8を対向する基板21,22間の数カ所に挟
み込んで熱硬化処理を行うことで、基板全体を均一に押
圧することが可能となる。あるいは、原理的には同じで
あるが、薄膜デバイスとして必要な有機物絶縁層パター
ンの周囲に、スペーサーとして同じ有機物絶縁層材料か
らなるダミーパターン(作用は、上記ボール8と同じ)
を形成しておくことも好ましい方法である。このダミー
パターンは、薄膜デバイスとして必要な有機物絶縁層パ
ターン形成時に同時に作製すればよい。
【0037】また、図4に示すように、多数の基板を同
時に処理するには、素子形成面となる凹凸のある面とは
反対側の基板面、つまり基板裏面を、平坦面を有する基
板として利用することが可能である。
【0038】すなわち、図4に示されるように多数の基
板を同時に熱硬化処理する場合には、基板の一方の表面
に凹凸部50を備える複数個の基板21,23,25の
凹凸部50上にそれぞれ熱硬化性有機塗料を塗布して塗
料塗膜7を形成した複数の塗膜基板21,23,25を
準備した後、これらの基板を順次積み上げて、図示のご
とく基板の他方の平滑面(基板裏面)で、その下に位置
する塗料塗膜7を押圧しながら加熱硬化させる部分を備
えるように構成すればよい。「塗料塗膜を押圧しながら
加熱硬化させる部分を備える」と表現したのは、最も下
に位置する基板21の裏面は、塗料塗膜を押圧する作用
をしていないし、しかも積み上げられる最上部に位置す
る基板27は、上記の準備された塗膜形成基板21,2
3,25とは異なり別途準備された熱硬化性絶縁層のな
い基板27であることを考慮したためである。
【0039】なお、図4に示される実施の形態において
は、絶縁層の厚さを規制するために基板間に高さ規制用
の複数の球体8がスペーサーとして挿入されている。さ
らに、塗料塗膜7と、これを押圧する基板裏面との間
に、硬化後の熱硬化性絶縁層と接着しにくい材料からな
るシート状の介在基板9が介在されている。
【0040】なお、本発明の製造方法により作成され
た、表面に凹凸のある基板上に熱硬化性絶縁層を形成し
た薄膜デバイスにおいては、上述のごとく前記絶縁層の
表面形状が、圧着された基板平面のプロファイルが転写
されるために、2次元的に平坦になる。より具体的に
は、任意の2方向で測定した「うねり」を0.05μm
/mm以下にすることが実現可能である。この様な表面
形態は他の方法では実現することはできず、本発明によ
ってのみ達成される。そして、このような2次元的平坦
化状態は、その上に形成した磁性膜の磁気特性が良い。
その結果、磁気デバイスの特性が改善する。
【0041】
【実施例】以下に具体的実験例(実施例、比較例)を示
し、本発明をさらに詳細に説明する。具体的サンプルの作製
【0042】3インチガラス基板上に、フレームめっき
法により、厚さ4μm、ライン幅10μm、ラインスペ
ース5μmの銅コイルパターンを形成した。
【0043】この銅コイルパターン上に、AZP462
0ポジレジスト(ヘキスト社製)を20μmの厚さにな
るようにスピンコーターで塗布した。所定温度、時間で
プリベイクした後、マスクを通じて紫外線露光、現像し
所定の絶縁層形状にパターニングした。
【0044】このようにして絶縁層が形成された基板と
平坦性を有する押圧用の基板の間に、厚さ10μmのポ
リフッ化ビニリデンフィルムを挟み、押圧のための圧力
を加えながら、50℃/時間の昇温速度で昇温、最高温
度400℃、保持時間1時間の真空中熱硬化処理を行っ
た。
【0045】なお、押圧のための圧力は、100g/c
、500g/cm、1000g/cmと種々変
えた。また、比較のために、押圧のための圧力ゼロのも
のも作製した(比較例1)。
【0046】またさらに、絶縁層形成の際の1処理の厚
さを実施例1の1/5とし、塗布、プリベイク、露光、
現像、熱硬化の一連の工程を5回繰り返し、最終的に実
施例1と同じ厚さの絶縁層のものを作製した(比較例
2)。この比較例2サンプルの作製において、押圧のた
めの圧力は、ゼロとした。なお、この比較例2サンプル
の作製には、実施例1の約5倍の製造時間を要した。
【0047】このようにして絶縁層を形成した後に、絶
縁層の上に、スパッタ法により、4μm厚のパーマロイ
(Ni−20wt%Fe)膜を成膜し、その透磁率を評
価した。また別途、パーマロイ膜を成膜前に熱硬化処理
後の絶縁層表面を触針式表面粗さ計で測定し、Tppとう
ねり(量)を評価した。なお、Tppは、前述したように
絶縁層上の凹凸の最大の大きさをあらわし、より具体的
には、触針段差計を用い、基準長さ100μm、カット
オフ無しで測定したときの最大深さ(大きさ)で定義され
る。
【0048】結果を下記表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、表面に凹凸部を備える第1
の基板の上に熱硬化性有機塗料を塗布して塗料塗膜を形
成した後に、熱硬化処理して熱硬化性絶縁層を形成する
工程を有する薄膜デバイスの製造方法であって、前記熱
硬化処理は、前記塗料塗膜の上を表面が平坦な第2の基
板で押圧しながら行なわれるように構成されているの
で、凹凸の有る基板の上に絶縁層を形成するにあたっ
て、簡易にかつ効率よく形成でき、しかも、絶縁層の上
部表面の平滑性に優れ、この上に形成される磁性膜で代
表される機能膜の特性劣化等が極めて少ない薄膜デバイ
スが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、それぞれ、本発明の薄膜デ
バイスの製造方法の一例を工程順に示した断面図であ
る。
【図2】塗料塗膜の上を表面が平坦な基板で押圧しなが
ら行なわれる熱硬化処理の一態様を示す断面図である。
【図3】塗料塗膜の上を表面が平坦な基板で押圧しなが
ら行なわれる熱硬化処理の一態様を示す断面図である。
【図4】塗料塗膜の上を表面が平坦な基板で押圧しなが
ら行なわれる熱硬化処理の一態様を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、それぞれ、従来の薄膜デバ
イスの製造方法の一例を工程順に示した断面図である。
【符号の説明】
5…コイルパターン 50…凹凸部 7…塗料塗膜 8…球体 9…薄膜または介在基板 21,22,23,25,27…基板 77…熱硬化性絶縁層 77a…平坦主要部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸部を備える第1の基板の上に
    熱硬化性有機塗料を塗布して塗料塗膜を形成した後に、
    熱硬化処理して熱硬化性絶縁層を形成する工程を有する
    薄膜デバイスの製造方法において、 前記熱硬化処理は、前記塗料塗膜の上を表面が平坦な第
    2の基板で押圧しながら行なわれることを特徴とする薄
    膜デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板の一方の表面に凹凸部を備える複数
    個の基板の凹凸部上にそれぞれ熱硬化性有機塗料を塗布
    して塗料塗膜を形成した複数の塗膜基板を準備した後、
    これらの基板を順次積み上げて、基板の他方の平滑面
    で、その下に位置する塗料塗膜を押圧しながら加熱硬化
    させる部分を備えてなることを特徴とする薄膜デバイス
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記積み上げられる最上部に位置する基
    板は、熱硬化性絶縁層が形成されていない基板である請
    求項2に記載の薄膜デバイスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塗料塗膜と、これを押圧する基板と
    の間に、硬化後の熱硬化性絶縁層と接着しにくい材料か
    らなる薄膜もしくは介在基板を介在させて熱硬化処理、
    または押圧する基板そのものを熱硬化性絶縁層と接着し
    にくい材料から構成させ熱硬化処理してなる請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の薄膜デバイスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜または介在基板がフッ素系樹脂
    である請求項4に記載の薄膜デバイスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱硬化処理は、押圧圧力100〜3
    000g/cm、熱処理温度150〜450℃の条件
    で行なわれる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の薄膜デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱硬化性絶縁層の硬化後の厚さを直
    径とする高さ規制用の球体を、スペーサーとして2枚の
    基板間に挿入し、前記押圧しながらの熱硬化処理を行う
    請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の薄膜デバイ
    スの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記熱硬化性絶縁層が形成される基板の
    周辺に同じ熱硬化性絶縁層からなる高さ規制用のダミー
    パターンを形成し、このダミーパターンをスペーサーと
    し、前記押圧しながらの熱硬化処理を行う請求項1ない
    し請求項7のいずれかに記載の薄膜デバイスの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記押圧しながらの熱硬化処理により形
    成された前記熱硬化性絶縁層の少なくとも上部表面に磁
    性層を形成する請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の薄膜デバイスの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記押圧しながらの熱硬化処理により
    形成された前記熱硬化性絶縁層は、その表面形状が、二
    次元的に平坦な平坦主要部を有し、当該平坦主要部にお
    ける、任意の2方向で測定した「うねり」が0.05μ
    m/mm以下となるように製造される請求項1ないし請
    求項9のいずれかに記載の薄膜デバイスの製造方法。
  11. 【請求項11】 表面に凹凸部を備える第1の基板の上
    に熱硬化性絶縁層を形成した薄膜デバイスであって、 前記熱硬化性絶縁層の表面形状が、二次元的に平坦な平
    坦主要部を有し、当該平坦主要部における、任意の2方
    向で測定した「うねり」が0.05μm/mm以下であ
    ることを特徴とする薄膜デバイス。
  12. 【請求項12】 前記熱硬化性絶縁層の少なくとも上部
    表面に磁性層が形成されている請求項11に記載の薄膜
    デバイス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7477127B2 (en) 2004-09-30 2009-01-13 Tdk Corporation Electronic device having organic material based insulating layer and method for fabricating the same
KR20200125730A (ko) * 2019-03-04 2020-11-04 가부시키가이샤 프리켄 코일 장치 및 제조 방법

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