JP2000294287A - 二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池の製造方法

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JP2000294287A
JP2000294287A JP11104112A JP10411299A JP2000294287A JP 2000294287 A JP2000294287 A JP 2000294287A JP 11104112 A JP11104112 A JP 11104112A JP 10411299 A JP10411299 A JP 10411299A JP 2000294287 A JP2000294287 A JP 2000294287A
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Japan
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gel
forming monomer
electrode
active material
negative electrode
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Masaaki Mita
雅昭 三田
Toshiya Naruto
俊也 鳴戸
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に電極中の活物質の濃度を高めることが出来
る様に改良された二次電池の製造方法を提供する。 【解決手段】正極および/または負極が少なくとも集電
体とその上にポリマーにて固着され且つ電解液を保持し
て成る活物質層とから構成され、しかも、上記のポリマ
ーがゲル形成モノマーから誘導され、そして、ゲル形成
モノマーから誘導されるポリマーに電解液が保持されて
成る電解質層を介し上記の正極および負極が平板状に積
層されて成る二次電池の製造方法であって、少なくとも
活物質と電解液とゲル形成モノマーとが含有された電極
調製用混合物を正極および/または負極側の集電体上に
圧縮成形する工程と上記のゲル形成モノマーの重合工程
とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池の製造方
法に関し、詳しくは、特性に優れた二次電池の工業的に
有利な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、正極および/または負極が少
なくとも集電体とその上にポリマーにて固着され且つ電
解液を保持して成る活物質層とから構成され、しかも、
上記のポリマーがゲル形成モノマーから誘導され、そし
て、ゲル形成モノマーから誘導されるポリマーに電解液
が保持されて成る電解質層を介し上記の正極および負極
が平板状に積層されて成る二次電池は、例えばリチウム
二次電池として公知である。
【0003】そして、上記のリチウム二次電池の製造方
法としては、例えば、活物質と電解液とゲル形成モノマ
ーとが含有された電極調製用塗料を集電体上に塗布した
後、ゲル形成モノマーを重合させて正極と負極とを形成
し、次いで、電解液とゲル形成モノマーとが含有された
ゲル状電解質層用塗料を上記の正極または負極上に塗布
した後、ゲル形成モノマーを重合させる方法が知られて
いる(特開平5−41247号公報)。
【0004】しかしながら、上記の方法の場合、円滑な
塗布を行う必要性から、電極調製用塗料の粘度には限界
があり、電極中の活物質の量を増やして電池の容量を十
分に高めることが出来ないと言う問題がある。特に、連
続塗布が必要となる工業的プロセスの場合に上記の問題
は顕著である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、特に電極中の活
物質の濃度を高めることが出来る様に改良された二次電
池の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
を重ねた結果、圧縮成形手段の利用により、上記の目的
を容易に達成し得ることを知得し、本発明の完成に至っ
た。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、正極および/
または負極が少なくとも集電体とその上にポリマーにて
固着され且つ電解液を保持して成る活物質層とから構成
され、しかも、上記のポリマーがゲル形成モノマーから
誘導され、そして、ゲル形成モノマーから誘導されるポ
リマーに電解液が保持されて成る電解質層を介し上記の
正極および負極が平板状に積層されて成る二次電池の製
造方法であって、少なくとも活物質と電解液とゲル形成
モノマーとが含有された電極調製用混合物を正極および
/または負極側の集電体上に圧縮成形する工程(A)と
上記のゲル形成モノマーの重合工程(B)とを含むこと
を特徴とする二次電池の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、正極および/または負極が少なく
とも集電体とその上にポリマーにて固着され且つ電解液
を保持して成る活物質層とから構成され、しかも、上記
のポリマーがゲル形成モノマーから誘導され、そして、
ゲル形成モノマーから誘導されるポリマーに電解液が保
持されて成る電解質層を介し上記の正極および負極が平
板状に積層されて成る二次電池である限り、各種の電池
に適用し得るが、以下の説明においては、代表的な二次
電池であるリチウム二次電池を例として採り上げる。な
お、上記の何れか一方の電極(通常は負極)は、リチウ
ム箔などの金属自体で構成することが出来る。
【0009】集電体としては、通常、アルミや銅などの
金属箔や金網が使用され、その厚さは適宜選択される
が、通常1〜50μm、好ましくは5〜30μmであ
る。集電体は、その上に固着される活物質層との接着強
度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ま
しい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨
法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法におい
ては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバ
フ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。
【0010】更に、集電体は、活物質層との接着強度を
高めるため、接着層を設けて使用することも出来る。接
着層は、通常、接着性化合物とバインダー樹脂とを含有
する混合物から成り、斯かる混合物としては、例えば、
特公平7−70328号公報に記載の混合物などを使用
することが出来る。接着層の厚さは、通常0.05〜1
0μm、好ましくは0.1〜1μmとされる。
【0011】無機化合物から成る正極活物質としては、
遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、
遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属とし
ては、Fe、Co、Ni、Mn等が使用される。正極活
物質に使用される無機化合物の具体例としては、Mn
O、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物、ニ
ッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リ
チウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS
2、FeS、MoS2等の遷移金属硫化物が挙げられる。
有機化合物から成る正極活物質としては、例えば、ポリ
アニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系
化合物、ポリスルフィド系化合物、N―フルオロピリジ
ニウム塩などが挙げられる。正極活物質の粒径は、通常
1〜30μm、好ましくは1〜10μmとされる。
【0012】負極活物質としては、グラファイトやコー
クス等の炭素系活物質が挙げられる。また、負極活物質
としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル
等の酸化物や硫酸塩、金属リチウム、Li−Al、Li
−Bi−Cd,Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リ
チウム遷移金属窒化物、シリコン等も使用できる。負極
活物質の粒径は、通常1〜50μm、好ましくは5〜2
0μmとされる。
【0013】電解液の成分であるリチウム塩(支持電解
質)としては、LiPF6又はLiClO4が好適であ
る。一方、電解液の他の成分である溶媒としては、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カ
ーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、エチルメチルカーボネート等の非環状カーボネ
ート類から選ばれた1種または2種以上の混合液が好適
である。電解液には、電池の安定性、性能、寿命を高め
るため、例えば、トリフルオロプロピレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネート、
1,6−Dioxaspiro[4,4]nonane
−2,7−dione、12−クラウン−4−エーテル
等の添加剤を加えてもよい。
【0014】ゲル形成モノマー(ポリマーの前駆体モノ
マー)としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メト
キシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアク
リレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、
エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタク
リレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポ
リエチレングリコールモノメタクリレート、N、Nジエ
チルアミノエチルアクリレート、N、Nジメチルアミノ
エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリル
アクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリド
ン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート等の反応性不飽和基含有モノマーが挙げ
られる。なお、本発明における「ゲル形成モノマー」と
は、ポリマーを構成する最小繰り返し単位に対応する化
合物のみに限定されず、重合によって上記ポリマーを形
成する他の化合物(例えばダイマー等)をも包含する。
【0015】上記のゲル形成モノマーの重合方法として
は、後述する様に加熱重合や紫外線照射重合が挙げられ
る。従って、上記のゲル形成モノマーは、通常、上記の
重合方法に応じて各種の重合開始剤と共に使用される。
【0016】熱重合開始剤としては、1,1−ジ(ター
シャルブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、2,2−ビス−[4,4−ジ(ターシャ
ルブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン]、1,
1−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)−シクロヘキサ
ン、ターシャリブチルパーオキシ−3,5,5−トリメ
チルヘキサノネート、ターシャリブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノネート、ジベンゾイルパーオキサイド
等が挙げられる。紫外線重合開始剤としては、ベンゾイ
ン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキサイド等
が挙げられる。
【0017】電極には、必要に応じ、導電材料、補強材
などの各種の機能を発現する添加剤を含有させることが
出来る。導電材料としては、活物質に適量混合して導電
性を付与できるものであれば特に制限されないが、通
常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛など
の炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられ
る。また、電池の安定性や寿命を高めるため、トリフル
オロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
カテコールカーボネート、1,6−Dioxaspir
o[4,4]nonane−2,7−dione、12
−クラウン−4−エーテル等が使用できる。更に、補強
材として、各種の無機および有機の球状、板状、棒状、
繊維状などのフィラーが使用できる。
【0018】また、電極には、その機械的強度向上のた
め、バインダーを含有させることが出来る。斯かるバイ
ンダーとしては、シリケートやガラスの様な無機化合物
の他に各種の樹脂が挙げられる。バインダー用樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリー
1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系ポリマー、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和系ポリマー、
ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジ
ン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマ
ー、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、
ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル系ポリマー、ポ
リフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフ
ルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニル
アルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン等のハロゲン含有ポリマー、ポリアニリン等の導
電性ポリマー等が挙げられる。これらの樹脂の重量平均
分子量は、通常1,000〜3,000,000、好ま
しくは10,000〜500,000とされる。
【0019】本発明における正極および/または負極
は、基本的には、従来のリチウム二次電池と同じであ
り、少なくとも集電体とその上にポリマーにて固着され
且つ電解液を保持して成る活物質層とから構成され、し
かも、上記のポリマーがゲル形成モノマーから誘導され
る。
【0020】本発明の製造方法の特徴は、電極の製作工
程にあり、少なくとも活物質と電解液とゲル形成モノマ
ーとが含有された電極調製用混合物を正極および/また
は負極側の集電体上に圧縮成形する工程と上記のゲル形
成モノマーの重合工程とを含む点にある。
【0021】上記の圧縮成形工程は、具体的には、圧縮
成形用金型の下型(キャビティ)面に所定形状(通常キ
ャビティと実質的に同一大きさ)の集電体を載置し、そ
の上に成形材料としての上記の電極調製用混合物を投入
し、上型(コア)を閉じた後、圧縮成形機(プレス)に
よって加圧賦形することにより行われる。
【0022】本発明においては、二次電池の製造におけ
る出発物質に相当する集電体として目的の形状になされ
ている集電体を使用するため、材料の無駄が生じる打ち
抜き加工を必要としない。この際、例えば正極のみを上
記の方法で作成し且つ負極を所定形状の金属自体で構成
することも出来るが、両極を上記の方法で作成すること
も出来る。
【0023】上記の圧縮成形に供される電極調製用混合
物は、前述の電極構成用材料にて調製されるが、必要に
応じ、粘度調節剤を含有していてもよい。
【0024】上記の電極調製用混合物中の活物質の割合
は次の様な観点から決定される。すなわち、活物質の割
合が余りにも多い場合は、高レートでの特性が悪化する
傾向にあり、しかも、圧縮成形が困難となる傾向があ
る。一方、活物質の割合が余りにも少ない場合は十分に
容量が高められた二次電池が得られない。ところで、本
発明においては、電極の製作に塗布工程が不要であるた
め、電極調製用混合物の粘度の自由度が高い。従って、
電極調製用混合物中の活物質含有量を高め、換言すれ
ば、電極の構成要素である活物質層中の活物質の割合を
高めることにより、二次電池の容量の向上を容易に図る
ことが出来る。本発明において、電極調製用混合物中の
活物質の割合の下限値は、通常20重量%、好ましくは
40重量%、更に好ましくは60重量%、特に好ましく
は70重量%とされ、上限値は、通常90重量%、好ま
しくは80重量%とされる。
【0025】電極調製用混合物中の電解液の割合は次の
様な観点から決定される。すなわち、電解液の割合が余
りにも多い場合は、高レートでの特性が悪化する傾向に
あり、しかも、圧縮成形が困難となる傾向がある。一
方、電解液の割合が余りにも少ない場合は、十分に容量
が高められた二次電池が得られない。本発明において、
電極調製用混合物中の電解液の割合の下限値は、通常1
0重量%、好ましくは20重量%とされ、上限値は、通
常60重量%、好ましくは40重量%とされる。電極調
製用混合物中のゲル形成モノマーの割合は、上記の電解
液の場合と同様に決定される。
【0026】電解液とゲル形成モノマーとの合計量に対
するゲル形成モノマーの割合は、次の様な観点から決定
される。すなわち、ゲル形成モノマーの割合が余りにも
多い場合は、高レートでの特性が悪化する傾向にあり、
余りにも少ない場合は、電極の機械的強度が不足する傾
向にある。本発明において、上記のゲル形成モノマーの
割合の下限値は、通常1重量%、好ましくは5重量%と
され、上限値は、通常70重量%、好ましくは40重量
%、更に好ましくは20重量%とされる。
【0027】その他の添加剤、重合開始剤、導電材料や
補強材などの添加剤、バインダー、粘度調節剤の割合
は、活物質、電解液およびゲル形成モノマーの全量に対
し、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、
更に好ましくは5重量%以下とされる。上記の各成分の
割合が20重量%を超える場合は、活物質、電解液およ
びゲル形成モノマーの割合が相対的に低下し過ぎて好ま
しくない傾向にある。上記の各成分を使用する際、その
下限は、活物質、電解液およびゲル形成モノマーの全量
に対し、通常0.1重量%とされる。
【0028】圧縮成形に供される電極調製用混合物は、
圧縮成形可能な流動特性を有する状態に調節されていな
ければならない。斯かる粘度調節は、活物質の粒径や電
解液の種類の選定および使用量などによって行われる。
また、必要に応じて、溶媒が使用される。
【0029】集電体上に圧縮成形された電極調製用混合
物(換言すれば後述の重合工程後の活物質層)の厚さ
は、次の様な観点から決定される。すなわち、活物質層
が余りにも厚い場合はレート特性が悪化する傾向にあ
り、余りにも薄い場合は二次電池全体としての容量が低
下し過ぎる。本発明において、活物質層の厚さの下限値
は、通常1μm、好ましくは30μmとされ、上限値
は、通常1000μm、好ましくは200μmとされ
る。
【0030】前記のゲル形成モノマーの重合工程それ自
体は、公知の加熱重合や紫外線照射重合に従って行うこ
とが出来る。そして、例えば、前記の圧縮成形工程と同
時に加熱重合工程を行うことも出来、また、圧縮成形工
程終了後に正極側と負極側の夫々について重合工程を行
うことも出来る。更には、重合によって正極と負極とを
形成し、次いで、電解液とゲル形成モノマーとが含有さ
れたゲル状電解質層用塗料を上記の正極または負極上に
塗布した後、ゲル形成モノマーを重合させる方法も採用
することが出来る。
【0031】本発明において、ゲル形成モノマーの重合
工程は、前記の圧縮成形工程の後、圧縮成形された各電
極調製用混合物の間に電解液とゲル形成モノマーとが担
持されたシートを介在させて熱処理(熱重合)すること
により行うのが好ましい。斯かる方法によれば、正極側
と負極側とを別々に重合する場合に比し、貼り合せ面の
ゲル形成モノマーによるウエット状態に基づき各電極極
とゲル状電解質層とが一層良好に一体化される結果、抵
抗の少ない電池が得られる。
【0032】電解液とゲル形成モノマーとの担持用シー
トとしては、電池のセパレータとして使用される各種の
多孔膜や不織布などを使用するすることが出来、具体的
には、洋紙、和紙などの紙類、各種の天然、合成繊維か
ら作られる布類、分離精製などに使用される市販のフィ
ルター類などが挙げられる。シートの厚みは、通常5〜
200μm、好ましくは10〜150μm、更に好まし
くは10〜80μmである。また、上記の積層状態によ
るゲル形成モノマーの熱重合は、通常60〜150℃、
好ましくは60〜100℃の温度で行われる。
【0033】上記の様にして得られた、正極と負極とが
ポリマーに電解液が保持されて成るゲル状電解質層を介
して平板状に積層された電池素子は、例えば外部端子な
どの必要な部品を取り付け加工した後、必要に応じて複
数個積層し、ケースに収納されて二次電池とされる。ケ
ースとしては、柔軟性、屈曲性、可撓性などを有する形
状可変性のケース使用してもよく、また、剛性のケース
を使用してもよい。ケースの材質としては、プラスチッ
ク、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板
などが挙げられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例中、
「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、以下の
例で使用した「Photomer4050」及び「Ph
otomer4158」は、何れも、末端にエステル基
を介して結合されたアクリル基を有するHenkel社
の製ポリエチレンオキシドである。
【0035】実施例1 <電極調製用混合物およびゲル状電解質層形成用混合物
の調製>以下の表1及び表2に示す組成に従って8時間
ニーダーで混練・分散処理し、正極用塗料と負極用塗料
を調製した。また、以下の表3に示す組成に従ってゲル
状電解質層形成用組成物を調製した。
【0036】
【表1】 (正極用混合物) LiCoO2(活物質) :75.0部 アセチレンブラック(導電材) : 6.0部 プロピレンカーボネート(PC)(電解液) : 8.0部 エチレンカーボネート(EC)(電解液) : 8.0部 LiClO4(支持電解質) : 1.0部 「Photomer4050」 : 1.1部 「Photomer4158」 : 1.1部 熱架橋開始剤(チバガイギー社製「Trignox21」): 0.5部
【0037】
【表2】 (負極用混合物) グラファイト(活物質) :78.0部 プロピレンカーボネート(PC)(電解液) : 7.4部 エチレンカーボネート(EC)(電解液) : 7.4部 LiClO4(支持電解質) : 0.9部 「Photomer4050」 : 1.8部 「Photomer4158」 : 1.8部 熱架橋開始剤(チバガイギー社製「Trignox21」): 0.5部
【0038】
【表3】 (ゲル状電解質層形成用混合物) プロピレンカーボネート(PC)(電解液) :44.0部 エチレンカーボネート(EC)(電解液) :44.0部 LiClO4(支持電解質) : 5.5部 「Photomer4050」 : 4.7部 「Photomer4158」 : 2.3部 熱架橋開始剤(チバガイギー社製「Trignox21」): 0.1部
【0039】<電極形成および電解質層の形成>圧縮成
形金型として、下型と上型の各角部のRが1.5mm、
ギャップが20μm、抜きテーパーが1.0°である方
形状の圧縮成形用金型(縦および横:約10cm)を使
用した。集電体として、金型内の形状に倣った形状
(R:1.5mm、縦および横:約10cm)に打ち抜
き加工された厚さ20μmのアルミ箔(正極)及び銅箔
(負極)を使用した。
【0040】先ず、下型面に集電体を載置し、その略中
央部に正極用および負極用の電極調製用混合物(シー
ト)をそれぞれ投入し、上型(コア)を閉じた後、圧縮
成形機によって加圧賦形した。次いで、上記の集電体と
略同一形状で厚さ約60μの不織布をゲル状電解質層形
成用混合物に含浸させた後、上記で得た正極側と負極側
との間に介在させ、90℃で10分加熱した。
【0041】<パッケージィング工程>次いで、上記で
得た電池素子3個を同極同士が重なる様に積層し、各正
極端子および各負極端子にそれぞれ集合正極端子および
集合負極端子を取り付けた後、蓋付真空パックに封入
し、積層型リチウム二次電池を作成した。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、容量、サイクル特性、
レート特性に優れる二次電池が提供されるが、本発明の
二次電池は、特に電極中の活物質の濃度が高いために容
量が優れ、圧縮成形によって集電体と活物質層が強固に
固着されて密着性が良好となるためにサイクル特性が優
れる。更に、本発明によれば、成形によって電極の形状
が決定されるために電極構成用材料を無駄なく使用する
ことが出来、しかも、電極の形状を任意に選択すること
が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK02 AK03 AK05 AK16 AL01 AL02 AL06 AL07 AL11 AL12 AM00 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ12 CJ02 CJ05 CJ11 DJ07 DJ08 EJ11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および/または負極が少なくとも集
    電体とその上にポリマーにて固着され且つ電解液を保持
    して成る活物質層とから構成され、しかも、上記のポリ
    マーがゲル形成モノマーから誘導され、そして、ゲル形
    成モノマーから誘導されるポリマーに電解液が保持され
    て成る電解質層を介し上記の正極および負極が平板状に
    積層されて成る二次電池の製造方法であって、少なくと
    も活物質と電解液とゲル形成モノマーとが含有された電
    極調製用混合物を正極および/または負極側の集電体上
    に圧縮成形する工程(A)と上記のゲル形成モノマーの
    重合工程(B)とを含むことを特徴とする二次電池の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 正極側および負極側の集電体上に電極調
    製用混合物をそれぞれ圧縮成形した後、当該圧縮成形さ
    れた各電極調製用混合物の間に電解液とゲル形成モノマ
    ーとが担持されたシートを介在させて熱処理する、ゲル
    形成モノマーの重合工程を含む請求項1に記載の製造方
    法。
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