JP2000293711A - 立体表示の姿勢制御方法及び立体表示の姿勢制御プログラムを記録したコンピュータ読出し可能記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平方向、垂直方向に加えて視線方向を含む
３軸方向に任意の回転量を指定可能な操作性に優れた立
体表示の姿勢制御方法を提供する。 【解決手段】 マウス及びキーボードの入力を検出し、
この入力がマウスのみか或いはマウスとキーボードとの
同時入力かを判定し、マウスのみの入力と判定された場
合（ａ）、マウスの水平方向のドラッグ量ｄｘに応じて
立体に水平回転角ＲＯＴｈを与えるとともに、マウスの
垂直方向のドラッグｄｙ量に応じて立体に垂直回転角Ｒ
ＯＴｖを与え、マウスとキーボードとの同時入力と判定
された場合（ｂ）、マウスのドラッグ開始位置Ｃの象限
及びドラッグ方向に従って視線方向の回転方向を決定
し、マウスのドラッグ量に応じて視点方向の回転角ＲＯ
Ｔｉを与える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、立体表示の姿勢制
御方法及び立体表示の姿勢制御プログラムを記録したコ
ンピュータ読出し可能記録媒体に係り、特に、マウスと
キーボードによる連係入力を用いた３次元ＣＡＤに好適
な立体表示の姿勢制御方法及び立体表示の姿勢制御プロ
グラムを記録したコンピュータ読出し可能記録媒体に関
する。

【０００２】

【従来の技術】近年、コンピュータの性能が飛躍的に向
上し、パーソナルコンピュータやワークステーションに
おいても従来の２次元ＣＡＤに換えて３次元ＣＡＤが実
行可能となってきた。３次元ＣＡＤにおいては、処理対
象物の３次元的な形状を数値列で表現したモデリングを
行い、この３次元モデルに対してグラフィックディスプ
レイ上で回転、拡大縮小、平行移動等の各種処理を行う
ことができる。

【０００３】また３次元ＣＡＤによれば、体積や重心の
位置など、設計にあたって必要な物理量の計算が簡単に
でき、さらに構造解析や強度計算を行うシステムが利用
するデータを自動的に作り出すこともできる。

【０００４】ところで、従来の３次元ＣＡＤにおける立
体表示の姿勢制御方法には、主として、（１）ボタン選
択方式、（２）スライダー選択方式、（３）ドラッギン
グ指示方式の３方式があった。

【０００５】（１）のボタン選択方式は、水平方向、垂
直方向、視線方向の各回転方向にそれぞれ対応して画面
上に複数のアイコンボタンを設け、いずれかのアイコン
ボタンが選択されたとき、そのアイコンボタンが示す回
転方向に所定の回転ピッチ量分の回転処理を対象立体に
対して行うものである。

【０００６】（２）のスライダー選択方式は、水平方
向、垂直方向、視線方向の各回転方向にそれぞれ対応し
て画面上に複数のスライダーボタンを設け、いずれかの
スライダーボタンがスライドされたとき、このスライダ
ーボタンが示す回転方向にスライド量に応じた回転量分
の回転処理を対象立体に対して行うものである。

【０００７】（３）のドラッギング指示方式は、水平方
向、垂直方向の各回転方向と回転量とを画面上に表示さ
れるポインタを移動させるマウスのドラッグ方向及びド
ラッグ量で指示し、回転表示を行うものである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の立体表示の姿勢制御方法は、それぞれ以下に示す問
題点を有していた。

【０００９】（１）のボタン選択方式は、回転方向をア
イコンのボタンで選択したとき、それぞれのボタンによ
る回転量が予め定まっているため、所望の回転量を指定
して立体を表示することができないという問題点があっ
た。また、回転方向を変更するには、異なるアイコンボ
タンを選択し直さねばならず、操作が煩雑であるという
問題点があった。

【００１０】（２）のスライダー選択方式は、回転量は
スムーズに指定できるが、スライダーボタンのスライド
範囲に制限があるので、同一方向への連続回転できる角
度が限定されるという問題点があった。また、回転方向
を変更するには、異なるスライダーボタンを選択し直さ
ねばならず、操作が煩雑であるという問題点があった。

【００１１】（３）のドラッギング指示方式は、回転の
方向と回転量の自由に指定可能であるが、回転方向が水
平方向と垂直方向に限られ、視線方向の回転ができない
という問題点があった。

【００１２】以上の問題点に鑑み本発明の目的は、上記
従来の立体表示の姿勢制御方法の問題点を解消し、水平
方向、垂直方向に加えて視線方向を含む３軸方向に任意
の回転量を指定可能な操作性に優れた立体表示の姿勢制
御方法を提供することである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１記載の本発明は、マウス及びキーボードを備え
た画像処理装置の画面上に表示された立体の姿勢を制御
する立体表示の姿勢制御方法において、マウス及びキー
ボードの入力を検出する入力検出工程と、前記入力がマ
ウスのみか或いはマウスとキーボードとの同時入力かを
判定する入力判定工程と、前記入力判定工程においてマ
ウスのみの入力と判定された場合、第１の姿勢制御を前
記マウスの移動量に応じた姿勢制御量だけ前記立体の表
示に与えるとともに、前記入力判定工程において同時入
力と判定された場合、第２の姿勢制御を前記マウスの移
動量に応じた姿勢制御量だけ前記立体の表示に与える姿
勢制御工程と、を備えたことを要旨とする。

【００１４】また請求項２記載の本発明は、請求項１記
載の立体表示の姿勢制御方法において、前記第１の姿勢
制御は、水平方向及び垂直方向の回転であり、マウスの
水平方向のドラッグ量に応じて前記立体に水平回転角を
与えるとともに、マウスの垂直方向のドラッグ量に応じ
て前記立体に垂直回転角を与え、前記第２の姿勢制御
は、視点方向の回転であり、マウスのドラッグ量に応じ
て視点方向の回転角を与えることを要旨とする。

【００１５】また請求項３記載の本発明は、請求項２記
載の立体表示の姿勢制御方法において、前記第２の姿勢
制御は、マウスのドラッグ開始象限及びドラッグ方向に
従って回転方向を決定することを要旨とする。

【００１６】また請求項４記載の本発明は、マウス及び
キーボードを備えた画像処理装置の画面上に表示された
立体の姿勢を制御する立体表示の姿勢制御プログラムを
記録したコンピュータ読出し可能記録媒体であって、マ
ウス及びキーボードの入力を検出し、前記入力がマウス
のみか或いはマウスとキーボードとの同時入力かを判定
し、前記判定の結果、マウスのみの入力と判定された場
合、第１の姿勢制御を前記マウスの移動量に応じた姿勢
制御量だけ前記立体の表示に与えるとともに、前記判定
の結果、同時入力と判定された場合、第２の姿勢制御を
前記マウスの移動量に応じた姿勢制御量だけ前記立体の
表示に与える立体表示の姿勢制御プログラムを記録した
ことを要旨とする。

【００１７】

【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施の形態を詳細に説明する。

【００１８】図１は、本発明に係る立体表示の姿勢制御
方法の概念を説明する表示例であり、（ａ）マウスのみ
のよるドラッギング、（ｂ）あるキーを押しながらマウ
スのドラッギングを行う場合の動作を示している。図２
は、本発明に係る立体表示の姿勢制御方法が適用される
コンピュータプログラムを実行するコンピュータシステ
ム例を示す構成図である。図３は、本発明に係る立体表
示の姿勢制御方法を実現する立体表示プログラムの概略
フローチャートである。

【００１９】図２において、パーソナルコンピュータシ
ステム又はエンジニアリングワークステーション等のコ
ンピュータシステムは、処理装置本体１と、表示装置と
してのＣＲＴディスプレイ２と、入力装置としてのマウ
ス３及びキーボード４と、ハードディスク等の補助記憶
装置５と、処理装置本体に内蔵されるフロッピィディス
クドライバ（ＦＤＤ）及びＣＤ−ＲＯＭドライバ８を備
えている。

【００２０】本発明に係る立体表示の姿勢制御方法を実
現する立体表示プログラム６は、図示しないフロッピィ
ディスク又はＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒体からＦＤＤ７ま
たはＣＤ−ＲＯＭドライバ８等により読み取られ、補助
記憶装置５にインストールされる。処理装置本体１は、
その内部に図示しないＣＰＵ及び主メモリを備え、実行
対象の立体表示プログラム６及び処理対象の３次元立体
データを主メモリに読み出して実行する。なお本実施形
態の立体表示プログラムは、マルチウインドウで動作す
るものとするが、これに限定するものではない。

【００２１】図１（ａ）は、本発明に係る立体表示の姿
勢制御方法においてマウスのみによるドラッギングによ
る水平方向及び垂直方向の回転操作を示す概念図であ
る。いま、ある立体をＣＲＴのウインドウ（幅ＳＸドッ
ト、高さＳＹドット）に表示中に、マウスをＡ点からＢ
点までドラッグしたとする。ドラッギングベクトルＶｄ
は、水平成分ｄｘと垂直成分ｄｙを有する。このとき、
水平方向のドラッグ量ｄｘに応じて立体を水平方向に回
転し、垂直方向のドラッグ量ｄｙに応じて立体を垂直方
向に回転する。

【００２２】図１（ｂ）は、本発明に係る立体表示の姿
勢制御方法において、キーボードのあるキーを押しなが
らマウスのドラッギングを行うことによる視線方向の回
転操作を示す概念図である。いま、ある立体をＣＲＴの
ウインドウ（幅ＳＸドット、高さＳＹドット）に表示中
に、あるキーを押しながらマウスをＣ点からＤ点までド
ラッグしたとする。ドラッギングベクトルＶｄは、水平
成分ｄｘと垂直成分ｄｙを有する。このとき、ドラッグ
開始位置である点Ｃの位置がいずれの象限に位置する
か、及び水平方向のドラッグ量ｄｘと垂直方向のドラッ
グ量ｄｙのいずれが大きいかに応じて視線方向の回転方
向を決定し、大きい方のドラッグ成分ｄｘまたはｄｙに
応じて回転量を決定する。そして、この回転方向及び回
転量に応じて視線方向に立体を回転する。

【００２３】次に、図３の概略フローチャートを参照し
ながら、本発明の実施形態の動作を詳細に説明する。

【００２４】まず、マウス３またはキーボード４から入
力が有るかどうかを判定する（ステップＳ１０）。入力
がなければ、他の処理へ移る。入力が有れば、キーボー
ドのみの入力かどうかを判定する（ステップＳ１２）。
キーボードのみの入力で有れば、他の処理へ移る。キー
ボードのみの入力でなければ、ドラッギング方法を判定
する（ステップＳ１４）。マウスボタンのみ押下された
ドラッギングであれば、水平回転及び垂直回転としてス
テップＳ１６へ移行する。マウスボタンと共にキーボー
ドのキーが押下されたドラッギングであれば、視線方向
の回転としてステップＳ２４へ移行する。

【００２５】ステップＳ１６以下の水平方向及び垂直方
向の回転は、まずドラッギング量の管面成分（ｄｘ，ｄ
ｙ）を計算し（ステップＳ１６）、次いで、ドラッギン
グ量の水平成分（ｄｘ）とウインドウ幅（ＳＸ）の比よ
り、水平方向回転量ＲＯＴｈ＝２π×ｄｘ／ＳＸを計算
する。次いで、ドラッギング量の垂直成分（ｄｙ）とウ
インドウ高さ（ＳＹ）の比より、垂直方向回転量ＲＯＴ
ｖ＝２π×ｄｙ／ＳＹを計算する。そして、これら回転
量を使用して立体の回転表示を行い（ステップＳ２
２）、処理を終了する。

【００２６】ステップＳ２４以下の視線方向の回転は、
まずドラッギング量の管面成分（ｄｘ，ｄｙ）を計算し
（ステップＳ２４）、次いで、ドラッギング開始点Ｃの
ウインドウ内象限を算出する（ステップＳ２６）。次い
で、ドラッギング開始象限と、ドラッギング量の水平、
垂直成分より視線方向の回転量を計算する（ステップＳ
２８）。この計算は、例えば、次に示す表１に従って計
算する。そして、この回転量を視線方向の回転量とし
て、立体の回転表示処理を行う（ステップＳ２２）。

【００２７】

【表１】 例えば、図１（ｂ）に示したように、ドラッグ開始点Ｃ
が第２象限とし、ドラッグ量の水平成分ｄｘと、ドラッ
グ量の垂直成分ｄｙとの関係が、|ｄｘ|＜|ｄｙ|である
とすると、表１より視線方向の回転量は、ＲＯＴｉ＝−
２π×ｄｙ／ＳＹとなる。ここで回転量の符号は、正を
時計回り、負を反時計回りとする。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、入
力判定工程においてマウスのみの入力と判定された場
合、第１の姿勢制御を行い、マウスとキーボードとの同
時入力と判定された場合、第２の姿勢制御を行うように
しているので、従来の水平及び垂直方向のみならず、視
線方向の回転操作もマウスのドラッグにより指定するこ
とができるので操作性が向上する。

【００２９】また本発明によれば、マウスとキーボード
との同時入力によって、立体表示の視線方向の回転操作
を行う際に、マウスのドラッグ開始象限及びドラッグ方
向に従って回転方向を決定し、マウスのドラッグ量に応
じて視点方向の回転角を与えているので、任意の回転角
を容易に与えることができる。

【００３０】さらに本発明によれば、３次元立体表示の
姿勢制御を従来に比べてより直感的にオペレーションで
かつスムーズに行えるので、３次元ＣＡＤ作業の大幅な
操作時間の短縮が可能となり、３次元ＣＡＤの難しさを
払拭し、オペレータの精神的負荷を軽減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る立体表示の姿勢制御方法を説明す
る概念図である。

【図２】本発明に係る立体表示の姿勢制御方法を適用し
たコンピュータプログラムを実行するハードウェア構成
例である。

【図３】本発明に係る立体表示の姿勢制御方法を用いた
立体表示プログラムの概略フローチャートである。

【符号の説明】

１ 処理装置本体 ２ ＣＲＴディスプレイ ３ マウス ４ キーボード ５ 補助記憶装置 ６ 立体表示プログラム ７ ＦＤＤ ８ ＣＤ−ＲＯＭドライバ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マウス及びキーボードを備えた画像処理
   装置の画面上に表示された立体の姿勢を制御する立体表
   示の姿勢制御方法において、 マウス及びキーボードの入力を検出する入力検出工程
   と、 前記入力がマウスのみか或いはマウスとキーボードとの
   同時入力かを判定する入力判定工程と、 前記入力判定工程においてマウスのみの入力と判定され
   た場合、第１の姿勢制御を前記マウスの移動量に応じた
   姿勢制御量だけ前記立体の表示に与えるとともに、前記
   入力判定工程において同時入力と判定された場合、第２
   の姿勢制御を前記マウスの移動量に応じた姿勢制御量だ
   け前記立体の表示に与える姿勢制御工程と、 を備えたことを特徴とする立体表示の姿勢制御方法。
2. 【請求項２】 前記第１の姿勢制御は、水平方向及び垂
   直方向の回転であり、マウスの水平方向のドラッグ量に
   応じて前記立体に水平回転角を与えるとともに、マウス
   の垂直方向のドラッグ量に応じて前記立体に垂直回転角
   を与え、 前記第２の姿勢制御は、視点方向の回転であり、マウス
   のドラッグ量に応じて視点方向の回転角を与えることを
   特徴とする請求項１記載の立体表示の姿勢制御方法。
3. 【請求項３】 前記第２の姿勢制御は、マウスのドラッ
   グ開始象限及びドラッグ方向に従って回転方向を決定す
   ることを特徴とする請求項２記載の立体表示の姿勢制御
   方法。
4. 【請求項４】 マウス及びキーボードを備えた画像処理
   装置の画面上に表示された立体の姿勢を制御する立体表
   示の姿勢制御プログラムを記録したコンピュータ読出し
   可能記録媒体であって、マウス及びキーボードの入力を
   検出し、前記入力がマウスのみか或いはマウスとキーボ
   ードとの同時入力かを判定し、前記判定の結果、マウス
   のみの入力と判定された場合、第１の姿勢制御を前記マ
   ウスの移動量に応じた姿勢制御量だけ前記立体の表示に
   与えるとともに、前記判定の結果、同時入力と判定され
   た場合、第２の姿勢制御を前記マウスの移動量に応じた
   姿勢制御量だけ前記立体の表示に与えることを特徴とす
   る立体表示の姿勢制御プログラムを記録したコンピュー
   タ読出し可能記録媒体。