JP2000291689A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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JP2000291689A
JP2000291689A JP11096908A JP9690899A JP2000291689A JP 2000291689 A JP2000291689 A JP 2000291689A JP 11096908 A JP11096908 A JP 11096908A JP 9690899 A JP9690899 A JP 9690899A JP 2000291689 A JP2000291689 A JP 2000291689A
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clutch mechanism
driving force
ball screw
clutch
ball
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JP11096908A
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Hiroshi Kushino
宏 久志野
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動力伝達装置において、ボールねじ機構の
構造が複雑となったり、軸方向に大型化したりしてしま
う。 【解決手段】 駆動力伝達装置10は、メインクラッチ
機構10cと、パイロットクラッチ機構10dと、両ク
ラッチ機構間に位置し前記パイロットクラッチ機構10
dの摩擦係合力を前記メインクラッチ機構10cに対す
る押圧力に変換するボールねじ機構10eとから構成さ
れている。そして、前記ボールねじ機構10eを複数条
ねじにて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対回転可能な回
転部材間に配設されて、これらの回転部材間でトルク伝
達を行う駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動力伝達装置の一形式として、特開平
3−282019号公報に示されているように、互いに
同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に
配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク
伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して
摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記
メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に
位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メ
インクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構を
備えた駆動力伝達装置がある。
【0003】当該駆動力伝達装置においては、パイロッ
トクラッチ機構を構成する電磁石の電磁コイルに通電す
ることにより磁路が形成されて、磁気誘導作用によりパ
イロットクラッチ機構が作動してメインクラッチ機構を
作動させ、両回転部材間でトルク伝達がされるように構
成されている。
【0004】上記公報に示された駆動力伝達装置におい
ては、カム面とボールとの面圧が大きくなって、カム面
が陥没したりカムロックしたりする可能性がある。この
ため、上記公報に示されたカム機構に代えてボールねじ
機構を備えた駆動力伝達装置が、実用新案登録第251
9936号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実用新案登録第251
9936号公報に示された駆動力伝達装置においては、
ボールねじ機構が1条ねじにて構成されていて、ボール
がねじ溝からこぼれないよう、ボールねじ機構にボール
の循環機構を設けたり、ねじ溝を長くしたりする必要が
ある。このため、ボールねじ機構の構造が複雑となった
り、軸方向に大型化したりしてしまう。なお、ボールね
じ機構において、リード角を小さくすれば軸方向長さを
小型化することはできるが、ナット部材およびねじ部材
間の相対回転に対する軸方向移動量が小さくなってしま
い、駆動力伝達装置の応答性が悪化する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
問題に対処することにある。本発明の請求項1に係る発
明は、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両
回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部
材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電に
より作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ
機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラ
ッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係
合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換す
るボールねじ機構とを備えた駆動力伝達装置において、
前記ボールねじ機構を複数条ねじにて構成したことを特
徴とするものである。
【0007】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記ボールね
じ機構の各ねじ溝をらせん溝の一部が形成された部分ね
じにて構成したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の作用・効果】本発明の請求項1に係る駆動力伝
達装置においては、ボールねじ機構のナット部材および
ねじ部材の間の配設されるボールが等角度間隔に位置す
ることとなるため、各ねじ溝に配設されるボールを1個
または数個としてもナット部材およびねじ部材の間が安
定する。従って、ボールねじ機構においては、各ねじ溝
に配設されるボールの個数を減らすことができ、その分
軸方向長さを小型化することができる。また、ボールの
循環機構も必要ない。
【0009】また、本発明の請求項2に係る駆動力伝達
装置においては、ボールねじ機構のねじ溝のリード角を
大きくすることができるため、駆動力伝達装置の応答性
が良い。また、ナット部材およびねじ部材の軸方向寸法
を変更することなくリード角を変更することができ、設
計変更を容易に行い得る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る第1の実施の形
態を図面に基づいて説明する。当該駆動力伝達装置10
は、図1に示すように、FF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)ベースの四輪駆動車における後輪側への
駆動力伝達経路に配設される。
【0011】当該四輪駆動車において、トランスアクス
ル21はトランスミッションとトランスファを一体に備
えているもので、エンジン22の駆動力をフロントデフ
ァレンシャル23を介して両アクスルシャフト24aに
出力して前輪24bを駆動させるとともに、第1プロペ
ラシャフト25に出力する。第1プロペラシャフト25
は、駆動力伝達装置10を介して第2プロペラシャフト
26に連結しており、これら両プロペラシャフト25,
26がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力は
リアデファレンシャル27に伝達され、同デファレンシ
ャル27から両アクスルシャフト28aへ出力されて両
後輪28bを駆動させる。
【0012】しかして、駆動力伝達装置10は、図2に
示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メイン
クラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、
およびボールねじ機構10eを備えている。
【0013】アウタハウジング10aは、有底筒状のケ
ース部11aと、ケース部11aの開口部に螺着されて
同開口部を液密的に覆蓋するカバー体11bとからなる
ものである。ケース部11aはアルミ合金等の非磁性体
にて形成されていている。また、カバー体11bは、鉄
系材料等の磁性体にて形成された磁性部位11b1,1
1b3と、両磁性部位11b1,11b3の径方向の中
間部に筒状のステンレス等の非磁性体にて形成された非
磁性部位11b2とを溶接して一体的に構成されてい
る。ケース部11aの先端部には、第1プロペラシャフ
ト25の後端部がトルク伝達可能に連結される。
【0014】インナシャフト10bは、カバー体11b
の中央部を液密的に貫通してアウタハウジング10a内
に挿入されていて、軸方向の移動を規制された状態でケ
ース部11aとカバー体11bに回転可能に支持されて
いる。インナシャフト10bには、第2プロペラシャフ
ト26の先端部が挿入されてトルク伝達可能に連結され
る。
【0015】メインクラッチ機構10cは、湿式多板式
の摩擦クラッチであって多数のクラッチプレート(イン
ナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート1
2b)を備えていて、ケース部11aの奥壁側に配設さ
れている。摩擦クラッチを構成する各インナクラッチプ
レート12aは、インナシャフト10bの外周にスプラ
イン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各
アウタクラッチプレート12bは、アウタハウジング1
0aのケース部11aの内周にスプライン嵌合して軸方
向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプ
レート12aと各アウタクラッチプレート12bとは交
互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、
互いに離間して自由状態になる。
【0016】パイロットクラッチ機構10dは、電磁石
13、摩擦クラッチ14、およびアーマチャ15を備え
ている。電磁石13は環状を呈しているもので、電磁コ
イル13aと同電磁コイル13aを支持するヨーク13
bとから構成されている。電磁石13は、カバー体11
bの環状凹所11b4内にて、同カバー体11bとの間
にわずかな隙間を設定して回転可能に組付けられてい
る。
【0017】摩擦クラッチ14は、複数のクラッチプレ
ート(インナクラッチプレート14a,アウタクラッチ
プレート14b)からなり、各インナクラッチプレート
14aは、後述するボールねじ機構10eを構成するナ
ット部材16の外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動
可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート1
4bは、アウタハウジング10aのケース部11aの内
周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ
ている。各インナクラッチプレート14aと各アウタク
ラッチプレート14bとは交互に位置して、互いに当接
して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状態に
なる。
【0018】各インナクラッチプレート14aおよび各
アウタクラッチプレート14bには、磁束の短絡を防止
するため、周方向に延びる長孔が周方向に所定間隔を保
持して複数形成されている。これらの長孔は、カバー体
11bの非磁性部位11b2の先端面に対向し得る位置
にある。
【0019】アーマチャ15は環状を呈するもので、ア
ウタハウジング10aのケース部11aの内周にスプラ
イン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩
擦クラッチ14を挟んでカバー体11bに対向して位置
している。
【0020】ボールねじ機構10eは、メインクラッチ
機構10cとパイロットクラッチ機構10dとの間に配
設されているもので、ナット部材16、ねじ部材17、
ボール18を備えている。図3に示すように、ボールね
じ機構10eは3条ねじにて形成されている。これらの
各ねじ溝16a,17aは、らせん溝の一部が形成され
た部分ねじにて構成されており、さらに各ねじ溝16
a,17aには、ボール18が1個ずつ配設されてい
る。
【0021】図2に示すように、ナット部材16は、そ
の外周に摩擦クラッチ14の各インナクラッチプレート
14aがスプライン嵌合している。また、ねじ部材17
は、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合され
て一体回転可能に組付けられている。
【0022】ボールねじ機構10eとメインクラッチ機
構10cとの間には、ピストン19がメインクラッチ機
構10cを押圧可能に、かつ、アウタハウジング10
a、インナシャフト10bのいずれにも回転可能に組付
けられている。また、ボールねじ機構10eとカバー体
11bとの間にはスラストベアリング20が介在してい
る。ピストン19およびスラストベアリング20は、ナ
ット部材16、ねじ部材17のいずれにも当接するよう
になっている。
【0023】なお、電磁石13の電磁コイル13aへの
通電は、アクセル開度、車速、差動回転数、舵角等の信
号を取り込み、車両の走行状態に応じて電流値を制御し
ている。また、運転者がスイッチ操作により後述する各
駆動モードに切り換え得るようにしてもよい。この場
合、スイッチは車室内の運転席の近傍に配設される。
【0024】かかる構成の駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aへの通電がなされていない場合に
は磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態に
ある。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作
動の状態にあって、ボールねじ機構10eを構成するナ
ット部材16は、ボール18を介してねじ部材17と一
体回転可能であり、メインクラッチ機構10cは非作動
の状態にある。このため、車両は二輪駆動の駆動モード
を構成する。
【0025】一方、電磁石13の電磁コイル13aへ通
電されると、パイロットクラッチ機構10dには磁路が
形成されて、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。
このため、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧し
て摩擦係合させ、パイロットクラッチ機構10dにパイ
ロットトルクが発生する。この結果、ナット部材16と
ねじ部材17との間に相対回転が生じてボールねじ機構
10eが作動する。
【0026】ここで、ボールねじ機構10eの作動につ
いて説明する。ボールねじ機構10eは、相対回転の方
向に応じて、ナット部材16またはねじ部材17のいず
れかがピストン19を押圧してメインクラッチ機構10
cを摩擦係合するようになっている。
【0027】当該四輪駆動車が前進しているときに前輪
がスリップした場合、駆動力伝達装置10は、インナシ
ャフト10bよりもアウタハウジング10aの回転速度
が速くなる。このときボールねじ機構10eは、例え
ば、ナット部材16がスラストベアリング20により軸
方向移動を規制され、ねじ部材17が図中左側へ移動し
てピストン19を押圧する。
【0028】また、アウタハウジング10aとインナシ
ャフト10bとの間の相対回転が逆方向の場合には、ボ
ールねじ機構10eは、ねじ部材17がスラストベアリ
ング20により軸方向移動を規制されるため、ナット部
材16が図中左側へ移動してピストン19を押圧する。
【0029】この結果、メインクラッチ機構10cは摩
擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合して、ア
ウタハウジング10aとインナシャフト10bとの間の
トルク伝達を行う。このため車両は、電磁石13の電磁
コイル13aへの印加電流の値に応じて、両プロペラシ
ャフト25,26間が非結合状態〜直結状態の間でトル
ク伝達可能な四輪駆動の駆動モードを構成する。
【0030】また、電磁石13の電磁コイル13aへの
印加電流を所定の値に高めると、アーマチャ15は強く
吸引されて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、
ナット部材16とねじ部材17との間の相対回転を増大
させる。この結果、ナット部材16またはねじ部材17
のいずれかは、ピストン19に対する押圧力を高めてメ
インクラッチ機構10cを結合状態とする。このため、
車両は両プロペラシャフト25,26が直結した四輪駆
動の駆動モードを構成する。
【0031】しかして、当該駆動力伝達装置10におい
ては、図3および図4に示すように、ボールねじ機構1
0eが3条の部分ねじにて構成されていて、各ねじ溝に
はボール18が1個ずつ配設されている。このため、ボ
ールねじ機構10eにおいては、各ねじ溝16a,17
aにボール18が等角度間隔に位置するためナット部材
16とねじ部材17との間のガタがなくなる。また、各
ねじ溝16a,17aに配設されるボール18が1個ず
つのため、各ねじ溝16a,17aのリード角を大きく
することなく軸方向に小型化することができるととも
に、ナット部材16およびねじ部材17の軸方向寸法を
変更することなくリード角を変更することが可能とな
る。
【0032】なお、本実施の形態では、ボールねじ機構
10eを3条の部分ねじにて構成していたが複数条の部
分ねじであればよい。また、ボールねじ機構10eの各
ねじ溝16a,17aに配設されるボール18の数は、
同ボールねじ機構10eのリード角、軸方向寸法、ボー
ル18の径などの設定により複数個とすることも可能で
ある。
【0033】次に、本発明に係る第2の実施の形態を図
面に基づいて説明する。当該駆動力伝達装置10は、第
1の実施の形態と同様、図1に示すように、四輪駆動車
における後輪側への駆動力伝達経路中(第1プロペラシ
ャフト25と第2プロペラシャフト26との間)に配設
されている。
【0034】しかして、駆動力伝達装置10は、図4に
示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、摩擦ク
ラッチであるメインクラッチ機構10c、および同メイ
ンクラッチ機構10cを押圧する押圧力発生手段10f
を備えて差動回転数に応じたトルクを伝達するよう構成
されていて、さらにロック手段10gとしてパイロット
クラッチ機構10dおよびボールねじ機構10eを備え
ている。なお、ボールねじ機構10eは、第1の実施の
形態に示されたものと同様のものである。
【0035】アウタハウジング10aは、有底の筒状の
アウタケース11aと、アウタケース11aの一端開口
部に螺着されて同開口部を覆蓋するカバー体11bから
なるもので、インナシャフト10bはカバー体11bの
中央部を液密的に貫通してアウタケース11a内に延び
ていて、軸方向の移動を規制された状態で回転可能に支
持されている。アウタハウジング10aにおけるアウタ
ケース11aの先端部には第1プロペラシャフト25が
トルク伝達可能に連結され、かつインナシャフト10b
にはその内孔内に挿入された第2プロペラシャフト26
がトルク伝達可能に連結される。
【0036】メインクラッチ機構10cは、多数枚のク
ラッチディスク12aとクラッチプレート12bを備え
た湿式多板の摩擦クラッチで、各クラッチディスク12
aはインナシャフト10bの外周側にスプライン嵌合し
て軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ各クラッチプレ
ート12bはアウタケース11aの内周側にスプライン
嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各クラ
ッチディスク12aと各クラッチプレート12bとは交
互に位置していて、互いに当接して摩擦係合するととも
に互いに離間して自由状態となる。
【0037】押圧力発生手段10fは、ピストン10f
1、ロータ10f2、および流体室Rに封入された高粘
性流体からなるもので、ピストン10f1はアウタハウ
ジング10a内にて、インナシャフト10bの外周に液
密的に回転可能で軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ
アウタケース11aに対しては液密的に軸方向へ移動可
能でかつ一体回転可能に組付けられている。ピストン1
0f1は、この状態でアウタケース11aの奥壁の内側
面に設けた凹所を流体室Rに形成している。
【0038】ロータ10f2は、径方向へ延びる複数の
突出部を有するもので、インナシャフト10bの外周に
固定された状態で流体室Rに収容されている。
【0039】ロック手段10gは、パイロットクラッチ
機構10d、ボールねじ機構10e、およびピストン1
9から構成されている。ここでは、ロック手段10gに
ついては、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明す
る。パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aには、運転席近傍に配設されたo
n−offスイッチに接続されていて、通常(off)
は通電が遮断され、スイッチ操作(on)によりメイン
クラッチ機構10cを完全に結合したロック状態とする
のに必要な所定の電流が流れるようになっている。
【0040】これにより、パイロットクラッチ機構10
dにおいては、電磁石13の電磁コイル13aに通電さ
れた場合には、ヨーク13b、摩擦クラッチ14、およ
びアーマチャ15間に磁界が発生して、アーマチャ15
および摩擦クラッチ14は磁気誘導作用により電磁石1
3側に吸引され、ボールねじ機構10eの作用によって
ピストン19がメインクラッチ機構10cを押圧し、メ
インクラッチ機構10cがロック状態となる。なお、ボ
ールねじ機構10eは、第1の実施の形態と同様のもの
で、図3および図4に示されている。
【0041】かかる構成の駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aが非通電状態にある場合には、摩
擦クラッチ14およびアーマチャ15は自由状態にあっ
て、ボールねじ機構10eのナット部材16およびねじ
部材17はボール18を介してインナシャフト10bに
一体回転可能な状態にあり、摩擦クラッチ14およびボ
ールねじ機構10eはそれらの機能を規制された状態に
ある。
【0042】従って、当該駆動力伝達装置10を搭載し
た車両において、両プロペラシャフト25,26間に差
動回転が発生し、これに起因してアウタハウジング10
aとインナシャフト10b間に相対回転が発生した場合
には、押圧力発生手段10fを構成するロータ10f2
は流体室R内でアウタハウジング10aに対して相対回
転して、流体室R内には両プロペラシャフト25,26
間の差動回転速度に応じた押圧力が発生する。この押圧
力はピストン10f1を押圧してメインクラッチ機構1
0cに伝達され、メインクラッチ機構10cは差動回転
速度に応じて摩擦係合する。
【0043】このため、第1プロペラシャフト25は、
アウタハウジング10a、メインクラッチ機構10c、
インナシャフト10bを介して第2プロペラシャフト2
6に連結され、第1プロペラシャフト25から第2プロ
ペラシャフト26へ差動回転速度に応じたトルクが伝達
される。
【0044】一方、当該駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aに通電すると、ヨーク13b、摩
擦クラッチ14、およびアーマチャ15間に磁界が発生
して、アーマチャ15および摩擦クラッチ14は磁気誘
導作用により電磁石13側に吸引される。この結果、摩
擦クラッチ14は摩擦係合してナット部材16をアウタ
ケース11a側に連結し、ねじ部材17とナット部材1
6とを相対回転可能な状態とする。これにより、ボール
ねじ機構10eは有効に機能する。
【0045】従って、当該駆動力伝達装置10を搭載し
た車両において、両プロペラシャフト25,26間に差
動回転が発生し、これに起因してアウタハウジング10
aとインナシャフト10b間に相対回転が発生した場合
には、押圧力発生手段10fでは押圧力が発生する。こ
のとき電磁石13の電磁コイル13aに通電すると、ロ
ック手段10gにおいても押圧力が発生する。
【0046】すなわち、ロック手段10gにおいては、
アウタハウジング10aとインナシャフト10b間に相
対回転が発生すると、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に
よりナット部材16およびねじ部材17間に相対回転が
発生してボールねじ機構10eを作動させ、ピストン1
9をメインクラッチ機構10c側へ押圧する。この結
果、メインクラッチ機構10cは、押圧力発生手段10
fにて発生する押圧力と、これとは反対側に位置するロ
ック手段10gにて発生する押圧力とにより、両側から
強く押圧されて強固に摩擦係合されて完全に結合したロ
ック状態となる。
【0047】従って、当該駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aに通電することによりロック手段
10gを有効状態とし、両プロペラシャフト25,26
間に差動回転が発生した場合には、メインクラッチ機構
10cを瞬時にロック状態として車両を完全な四輪駆動
状態に構成して、車両の脱輪状態からの脱出、悪路走
行、砂地走行等の過酷な走行条件下での走行性能を向上
させることができる。このため、過酷な状態に遭遇した
場合には、車両をこの過酷な走行条件に適した走行性能
に容易に切換えることができる。また、当該駆動力伝達
装置10においては、on−offスイッチのスイッチ
操作により、前後輪間の差動回転速度に応じたトルクを
伝達する四輪駆動状態から完全な四輪駆動状態に切り換
えるように構成しているので、高価な制御装置を必要と
しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装
置を搭載した車両の概略説明図である。
【図2】同駆動力伝達装置の断面図である。
【図3】同駆動力伝達装置のボールねじ機構を示す図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装
置の断面図である。
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…アウタハウジング、1
0b…インナシャフト、10c…メインクラッチ機構、
10d…パイロットクラッチ機構、10e…ボールねじ
機構、10f…押圧力発生手段、10f1…ピストン、
10f2…ロータ、R…流体室、10g…ロック手段、
11a…ケース部、11b…カバー体、12a…インナ
クラッチプレート、12b…アウタクラッチプレート、
13…電磁石、13a…電磁コイル、14…摩擦クラッ
チ、14a…インナクラッチプレート、14b…アウタ
クラッチプレート、14a1…丸穴、15…アーマチ
ャ、16…ナット部材、16a…ねじ溝、17…ねじ部
材、17a…ねじ溝、18…ボール、19…ピストン、
20…スラストベアリング、21…トランスアクスル、
22…エンジン、23…フロントデファレンシャル、2
4a…アクスルシャフト、24b…前輪、25…第1プ
ロペラシャフト、26…第2プロペラシャフト、27…
リアデファレンシャル、28b…後輪。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する
    内外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両
    回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、
    通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットク
    ラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロッ
    トクラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の
    摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に
    変換するボールねじ機構とを備えた駆動力伝達装置にお
    いて、前記ボールねじ機構を複数条ねじにて構成したこ
    とを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の駆動力伝達装置におい
    て、前記ボールねじ機構の各ねじ溝をらせん溝の一部が
    形成された部分ねじにて構成したことを特徴とする駆動
    力伝達装置。
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