JP2000290842A - フライヤ駆動方法 - Google Patents

フライヤ駆動方法

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JP2000290842A
JP2000290842A JP11097462A JP9746299A JP2000290842A JP 2000290842 A JP2000290842 A JP 2000290842A JP 11097462 A JP11097462 A JP 11097462A JP 9746299 A JP9746299 A JP 9746299A JP 2000290842 A JP2000290842 A JP 2000290842A
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flyer
yarn
unwinding
package
rotation speed
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JP11097462A
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Isao Nagao
勲 長尾
Hiroshi Takada
寛 高田
Kenichi Inada
健一 稲田
Manabu Tanaka
学 田中
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フライヤをフライヤ駆動モータにより積極的に
駆動させ、糸解舒と加撚を最適な回転速度で行うように
したフライヤ駆動方法を提供すること。 【解決手段】フライヤFを用いてパッケージPから糸を
解舒して加撚を行う多重撚糸機Tにあって、前記フライ
ヤを駆動するフライヤ駆動モータM3と、前記フライヤ
駆動モータの回転速度を計測する回転速度計測手段RS
Mとを備え、前記フライヤの回転速度を運転開始時に所
定時間計測し、計測されたフライヤの回転速度から前記
フライヤ駆動モータの設定値を新たに設定するようにし
たフライヤ駆動方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パッケージから
糸を解舒しながら加撚を行う際に用いられるフライヤ
を、フライヤ駆動モータによって積極的に回転駆動させ
る構成の多重撚糸機にあって、解舒と加撚に最適な回転
速度でフライヤを駆動するフライヤ駆動方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、従来、パッケージから糸
を解舒しながら加撚を行う場合、パッケージから解舒さ
れる解舒糸に伴って回転し、解舒糸をガイドするように
構成されているフライヤが用いられている。この従来の
フライヤは、パッケージから解舒される糸の張力によっ
て消極的に回転するように構成されているものであって
所謂消極駆動方式(フリー回転方式)のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の消極駆動方
式によるフライヤは、パッケージにおける糸の解舒位置
(解舒点)が上部側に移っている場合には、解舒張力が
低く、糸の解舒位置が下部側に移っている場合には、パ
ッケージ表面を擦りながら解舒されるので、解舒張力が
高くなり、さらに、パッケージの巻き径が大きい段階で
は、解舒張力が低く、パッケージの巻き径が小さくなる
と解舒張力が高くなるものであって、糸の解舒期間中に
おける張力の変動が大きな問題として指摘されていた。
【0004】このように、糸の解舒時に張力変動が生じ
ると、低張力時にはバルーンが広がってしまい、例え
ば、四重撚糸機にあっては、内側バルーンと外側バルー
ンとが接触し、糸切れの大きな原因となっていた。
【0005】さらにまた、パッケージから糸を解舒する
場合、解舒糸がパッケージ外層に対して擦られる状態で
解舒されるため、糸の解舒時に張力変動が生じると、毛
羽発生の大きな原因ともなっていた。
【0006】そこで、この発明は、従来指摘されている
上記する問題点を解決しようとするものであり、フライ
ヤに回転駆動源を直結することにより、糸の解舒速度に
同期させてフライヤを積極的に駆動させ、パッケージの
上端側および下端側の糸解舒位置並びにパッケージの巻
き径のいかんに係わらず張力変動を抑え、バルーン変動
を抑えて、糸切れの原因を抑制しようとするフライヤ装
置に対して、該フライヤを解舒と加撚に最適な回転速度
で駆動させるようにしたフライヤ駆動方法を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記する目
的を達成するにあたって、具体的には、フライヤを用い
てパッケージから糸を解舒して加撚を行う多重撚糸機に
あって、前記フライヤを駆動するフライヤ駆動モータ
と、前記フライヤ駆動モータの回転速度を計測する回転
速度計測手段とを備え、前記フライヤの回転速度を運転
開始時に所定時間計測し、計測されたフライヤの回転速
度から前記駆動モータの設定値を新たに設定するフライ
ヤ駆動方法を構成するものである。
【0008】さらに、この発明では、前記フライヤの回
転速度を運転開始時に所定時間計測し、計測されたフラ
イヤの回転速度の所定割合の回転速度をモータ駆動速度
の初期設定値とするフライヤ駆動方法を構成するもので
ある。
【0009】さらに、この発明では、前記モータ駆動速
度の初期設定値を、計測された回転速度より遅い回転速
度に設定するようにしたフライヤ駆動方法を構成するも
のでもある。
【0010】さらにまた、この発明では、前記回転速度
計測手段によって計測される操業中の回転速度と、設定
された回転速度との比較を行うとともに、その変化の割
合に応じて新たな回転速度を自動的に設定するようにし
たフライヤ駆動方法を構成するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明になるフライヤ駆
動方法について、図面に示す具体的な実施例にもとづい
て詳細に説明する。図1は、この発明になるフライヤ駆
動方法を四重撚糸機に適用した具体的な構成例を示すも
のであって、図1Aは、当該フライヤ駆動方法を四重撚
糸機に適用した具体的な構成例の全体を示す概略的な側
断面図、図1Bは、パルス計測用カウンターの具体例を
示す概略的な平面図、図1Cは、発電手段における永久
磁石配列ディスクの具体例を示す概略的な平面図であ
る。図2および図3は、多重撚糸機における解舒糸の解
舒態様例を説明するための概略図であり、図2は、二重
撚糸機に対する適用例を示すものであって、図2Aは、
糸の解舒位置がパッケージの上部側に位置する状態を示
す概略的な側面図であり、図2Bは、糸の解舒位置がパ
ッケージの下部側に位置する状態を示す概略的な側面図
である。図3は、四重撚糸機に対する適用例を示すもの
で、図3Aは、糸の解舒位置がパッケージの上部側に位
置する状態を示す概略的な側面図であり、図3Bは、糸
の解舒位置がパッケージの下部側に位置する状態を示す
概略的な側面図である。
【0012】一方、図4および図5は、パッケージから
糸を解舒する場合における張力変動の状態を示す張力波
形図であり、図4は、パッケージが大径時(φ135 〜φ
133 程度) である場合における張力波形図を示すもので
あって、図4Aは、従来の消極的駆動方式によるフライ
ヤを用いた場合の張力波形図であり、図4Bは、この発
明になる積極的駆動方式によるフライヤ駆動方法を適用
した場合の張力波形図である。図5は、パッケージが小
径時(φ48〜φ46程度) である場合における張力波形図
を示すものであって、図5Aは、従来の消極的駆動方式
によるフライヤを用いた場合の張力波形図であり、図5
Bは、この発明になる積極的駆動方式のフライヤ駆動方
法を適用した場合の張力波形図である。図6は、本発明
になるフライヤ駆動方法におけるフローチャート図であ
る。
【0013】図7は、多重撚糸機の基本的な構成を説明
するための概略図であり、二重撚糸機の一錘部分を示す
概略的な斜視図である。
【0014】まず、図7にもとづいて、二重撚糸機にあ
って一錘の撚糸ユニットTUの具体的構成について説明
する。この一錘の撚糸ユニットTUは、スピンドル装置
61と巻取装置62とを含むものからなっている。前記
スピンドル装置61は図示されない静止盤とスピンドル
軸63に固定された回転盤64とを有している。磁石吸
引で静止状態を保つ静止盤上に載置された給糸パッケー
ジSPから解舒される糸Y1 は、テンション装置65に
入って所定の張力が付与され、静止盤の下方での回転盤
64の高速回転によりバルーンさせられ、上方のバルー
ンガイド67に至るようになっている。そして、テンシ
ョン装置65から回転盤64に至るまでに一回の撚りが
入り、回転盤64からバルーンガイド67に至るまでに
もう一回の撚りが入り、合計二回加燃され、所謂、ダブ
ルツイストの加撚処理がなされた撚糸Y2 を供する。な
お、図7に示す実施例において、各錘のスピンドルは、
それぞれスピンドル駆動源68を備えた単錘駆動型の撚
糸ユニットを構成する。
【0015】一方、前記巻取装置62は、前記撚糸Y2
を巻取パッケージ69に巻き上げるものである。前記撚
糸Y2 は、ガイドローラ70、71およびフィードロー
ラ72を経てトラバースガイド73に至る。前記撚糸Y
2 は、前記トラバースガイド73で綾振りされ、クレー
ドルアーム74に支持され、巻取ドラム75に転接する
巻取パッケージ69に巻き取られる。
【0016】この種の二重撚糸機における1メートル毎
の撚数は、次式によって表される。撚数=〔回転盤の回
転数(rpm) ×2〕/ヤーンスピード(m/min) なお、上式におけるヤーンスピードは、巻取装置の巻取
速度によっており、回転盤の回転数は、スピンドル装置
のスピンドル軸の回転数によっている。
【0017】上記する一錘の撚糸ユニットは、フィラメ
ント糸用給糸パッケージによる構成のものと、スパン糸
用給糸パッケージによる構成のものとがあり、いずれに
対してもこの発明になるフライヤ駆動方法を適用するこ
とができる。
【0018】以下、この発明になるフライヤ駆動方法に
ついて、図1〜図6にもとづいて詳細に説明する。図1
は、この発明になるフライヤ駆動方法を四重撚糸機Tに
適用した具体的な構成例である。この図1に示す実施例
において、フライヤ装置FAを備えた四重撚糸機Tは、
第1の回転駆動系構成部11と、第2の回転駆動系構成
部12と、第3の回転駆動系構成部13と、静止系構成
部14とを含むものからなっている。
【0019】前記四重撚糸機Tにおける第1の回転駆動
系構成部11は、スピンドルレール15に対してベアリ
ング機構16を介して設置されているスピンドル17
と、前記スピンドル17を回転駆動するための第1の回
転駆動源18と、前記スピンドル17に取り付けられて
いる外ポット構造体19とを含むものからなっている。
より具体的には、前記第1の回転駆動系構成部11にお
ける第1の回転駆動源18は、モータM1であり、モー
タベルト20によって前記スピンドル17を約8000
〜10000rpm程度で回転できるように構成されて
いる。
【0020】前記スピンドル17の上端部側17aに
は、外ポット構造体19が固定的に取付けられており、
該外ポット構造体19は、前記モータM1によって、約
8000〜10000rpm程度で回転できるように構
成されている。前記スピンドル17の上端部側17aに
は、軸方向にのびる解舒糸通路21が設けてあり、前記
外ポット構造体19には、放射方向にのび、該外ポット
構造体19の外部に貫通する解舒糸通路22が設けてあ
る。前記外ポット構造体19の外表面19aは、上部に
向けてラッパ状に広がった形状をしている。
【0021】一方、前記四重撚糸機Tにおける第2の回
転駆動系構成部12は、前記スピンドル17に対し、ベ
アリング機構23を介して取り付けてある回転プーリ体
24と、前記回転プーリ体24を回転駆動するための第
2の回転駆動源25と、前記回転プーリ体24に対して
マグネットカップリング機構26A、26Bを介して磁
気連結されている内ポット構造体27とを含むものから
なっている。より具体的には、前記第2の回転駆動系構
成部12における第2の回転駆動源25は、モータM2
であり、モータベルト28によって前記回転プーリ体2
4、マグネットカップリング機構26A、26Bを介し
て前記内ポット構造体27を約3000〜10000r
pm程度で回転できるように構成されている。前記内ポ
ット構造体27の回転方向は、前記外ポット構造体19
の回転方向に対して逆向きに設計されている。
【0022】前記内ポット構造体27における基部27
Aは、ベアリング機構29を介して前記スピンドル17
に支持されており、該基部27A側には、放射方向にの
び、前記内ポット構造体27の外部に貫通する解舒糸通
路30が設けてある。さらに、基部27A側には、後述
する永久磁石31を配置するための永久磁石配置ディス
ク32が固定的に取り付けてある。前記永久磁石配置デ
ィスク32に配置される永久磁石31の配列態様例を図
1Cに示す。前記永久磁石31は、前記四重撚糸機Tの
スピンドル回転駆動系における回転円盤部に対し、同心
円状に交互に配置したS極素子31Sと、N極素子31
Nとからなっている。
【0023】前記内ポット構造体27は、前記基部27
Aから上方に向けてのびていて、上端側において開口す
る筒状のポット部27Bを備えており、前記筒状のポッ
ト部27Bの内周面によって後述する内バルーンIBの
軌道を規制するように構成されている。
【0024】一方、前記四重撚糸機Tにおける静止系構
成部14は、前記スピンドル17の軸心上にパッケージ
Pを支持するパッケージ支持部33と、前記パッケージ
支持部33に支持されたパッケージPの外周囲に所望の
間隔をおいてカバーを形成するチーズカバー部34とを
含むものからなっている。
【0025】前記静止系構成部14は、静止用マグネッ
ト手段35A、35Bとによって、前記第1の回転駆動
系構成部11および前記第2の回転駆動系構成部12の
回転期間中、静止した状態に維持されるようになってい
る。
【0026】さらに、前記静止系構成部14は、前記第
2の回転駆動系構成部12における永久磁石配置ディス
ク32に配置してある永久磁石31に対し、磁界ギャッ
プGを隔てて対向するように配置した界磁コイルからな
る界磁部材36を含むものからなっており、前記永久磁
石31と、前記界磁部材36とによって発電手段GMを
構成する。また、前記静止系構成部14には、前記フラ
イヤ駆動モータの駆動および制御のための制御用基板3
7が組み合わされている。
【0027】前記静止系構成部14は、パッケージ支持
部33の上端部側33aに対して取付けられていて、後
述するパルス計測用カウンター38に応答する、例え
ば、光センサー等による検知手段39を含むものからな
っている。この発明において、前記パルス計測用カウン
ター38と検知手段39とにより回転速度計測手段RS
Mを構成する。
【0028】この発明の好ましい実施例にあって、前記
パルス計測用カウンター38は、例えば、図1Bに示す
もののように、フライヤ支持体40に固定的に取り付け
たディスク部材によって形成されており、ディスク部材
を適度の角度間隔をおいて複数の放射線で分割した形態
のものからなっている。このパルス計測用カウンター3
8は、例えば、1周30カウントあるいは1周6カウン
トのものとして設計される。
【0029】一方、前記四重撚糸機Tにおける第3の回
転駆動系構成部13は、この発明の要部をなすものであ
る。前記第3の回転駆動系構成部13は、前記スピンド
ル17の軸心上に回転軸心が一致するようにフライヤF
を支持するフライヤ支持体40と、前記フライヤ支持体
40に取り付けてあるテンサー41と、前記フライヤ支
持体40との間にワンウェイクラッチ機構42を介在し
て前記フライヤFを回転させるためのフライヤ回転駆動
手段FRMを含むものからなっている。
【0030】この発明において、前記フライヤ回転駆動
手段FRMは、糸の解舒にともなって連動して回転する
とともに、糸の解舒速度に同期して前記フライヤを積極
的に回転駆動させるためのものである。すなわち、前記
フライヤ回転駆動手段FRMは、モータM3でなるフラ
イヤ回転駆動源43と、前記フライヤ回転駆動源の回転
軸43aに対して組み合わされたワンウェイクラッチ4
2とを含むものからなり、前記フライヤFが、前記フラ
イヤ回転駆動源43の回転軸43aおよびワンウェイク
ラッチ42を介して連結されている。
【0031】このように、フライヤFとモータM3でな
るフライヤ回転駆動源43とをワンウェイクラッチ機構
42を介在して連結(フライヤが速い方はフリー回転)
してフライヤ回転駆動手段FRMを組み込むことは、図
2Aおよび図3Aに示すようにパッケージPの上部側位
置P1を解舒する時には、フライヤ速度が速く、解舒張
力が低いことに着目してなされたもので、この時の速度
をモータM3にフィードバックすることにより、パッケ
ージPの上部側以外を解舒する時には、フライヤの回転
が先行するため解舒張力が掛からず、従って、解舒張力
は、パッケージ径に関係なく、また、パッケージPの上
部側位置P1並びに下部側位置P2に関係なくほぼ一定
となる。
【0032】上記する具体的な構成例として、前記第3
の回転駆動系構成部13に対して、図1Aおよび図1B
に示すようなパルス計測用カウンター38が設けてあ
り、このパルス計測用カウンター38と前記静止系構成
部14に設けてある検知手段39とによって、前記フラ
イヤ回転駆動手段FRMにおけるモータM3をフィード
バック制御するようになっている。
【0033】さらに、この発明において、前記フライヤ
装置は、パッケージPの上部側の解舒速度、すなわち、
解舒される糸の最大解舒速度にて回転駆動するように構
成されている。さらに、この発明において、前記発電手
段GMに代えて前記フライヤ回転駆動源のための電源
を、乾電池、あるいは、太陽電池等によって構成するこ
ともできる。
【0034】上記する構成になるフライヤ駆動方法FA
を備えた四重撚糸機Tにおいて、パッケージPから解舒
される糸Y1は、フライヤFのヤーンガイド部Fa、第
3の回転駆動系構成部13に設けたテンサー41、チー
ズカバー34と内ポット構造体27との間の筒状空隙、
第2の回転駆動系構成部12の内ポット構造体27に設
けた解舒糸通路30、第1の回転駆動系構成部11のス
ピンドル17に設けた解舒糸通路21、外ポット構造体
19に設けた解舒糸通路22およびバルーンガイドBG
を通過して、巻取装置において巻き取られる。
【0035】この場合、前記パッケージPから解舒され
る糸Y1は、テンサー41から内ポット構造体27まで
の間にあっては、内バルーンIBの軌跡を形成し、外ポ
ット構造体19からバルーンガイドBGまでの間にあっ
ては、外バルーンOBの軌跡を形成する。前記パッケー
ジPから解舒される糸Y1は、前記フライヤ装置FAを
含む第3の回転駆動系構成部13、内ポット構造体27
を含む第2の回転駆動系構成部12、外ポット構造体1
9を含む第1の回転駆動系構成部11およびバルーンガ
イドBGを通過する過程において4回の撚りが加えられ
た撚糸Y2を供することになる。
【0036】この発明になるフライヤ駆動方法に関し
て、フライヤの回転速度の制御方法の具体的内容につい
て説明する。まず、当該積極駆動式フライヤを備えた多
重撚糸機において、当該撚糸機を稼働させるための開始
スイッチをON操作すると、装置の始動に対し、自己発
電手段を駆動電源とする前記フライヤ駆動モータは、約
5秒間程度駆動せず、フライヤが自由回転する時間帯が
生じる。この運転開始時に、糸の解舒速度を求める。例
えば、1周を光センサーで6パルスカウントするパルス
計測カウンターを設けておき、5秒間でカウントした回
数により周波数を求める。5秒後に、求めた周波数の8
0%の速度で前記フライヤ駆動モータを駆動させる。こ
のように、前記フライヤ駆動モータの回転速度を遅らせ
ることにより、フライヤの回転が速すぎて解舒しすぎる
のを防ぐことができる。
【0037】しかる後、1パルス毎(1/6回転)の時
間を所定回数計測し、その時の最大時間と最小時間との
差を求め、例えば、その差が50msec以上なら前記
フライヤ駆動モータの回転速度が遅すぎるものと判断
し、僅かに周波数を上げる。また、例えば、その差が5
0msec未満が所定回数続けば、前記フライヤ駆動モ
ータの回転速度が速すぎて1周分速く回転するのを防ぐ
目的で周波数を僅かに下げる。
【0038】このようにして、前記フライヤ駆動モータ
の回転速度を運転開始時に所定時間計測し、計測された
回転速度の所定割合(約80%)の回転速度をモータ駆
動速度の初期設定値に制御設定するものであり、且つ、
回転速度計測手段によって計測される操業中の回転速度
と、設定された回転速度との比較を行うとともに、その
変化の割合に応じて新たな回転速度を自動的に設定する
ようにしてある。
【0039】次いで、この発明になるフライヤ駆動方法
について、図4AおよびB、図5AおよびBに基づき、
従来の回転駆動源を有しないフリー回転式のフライヤ駆
動方法と対比し、解舒張力の変動の関係について比較し
て検討する。
【0040】図4は、横軸が時間であって、縦軸が張力
をあらわすグラフであり(以下、同様)、パッケージP
が大径(φ135 〜φ133 程度) の状況における解舒張力
の変動を示す張力波形図であって、図4Aは、従来の回
転駆動源を有しないフリー回転式のフライヤ装置による
解舒張力の変動を示すグラフであり、図4Bは、この発
明の回転駆動源を有する積極回転式のフライヤ装置によ
る解舒張力の変動を示すグラフである。一方、図5は、
パッケージPが小径(φ48〜φ46程度) の状況における
解舒張力の変動を示す張力波形図であって、図5Aは、
従来の回転駆動源を有しないフリー回転式のフライヤ装
置による解舒張力の変動を示すグラフであり、図5B
は、この発明の回転駆動源を有する積極回転式のフライ
ヤ装置による解舒張力の変動を示すグラフである。
【0041】これらの図4Aおよび図4B、図5Aおよ
び図5Bからも明らかなように、パッケージPの巻径の
いかんにかかわらず、図4Bおよび図5Bに示すこの発
明の回転駆動源を有する積極回転式のフライヤ装置によ
る解舒張力は、解舒期間中(パッケージの上部側位置P
1および下部側位置P2との間の往復走行期間中)ほぼ
一定であり、図4Aおよび図5Aのグラフに示す従来の
回転駆動源を有しないフリー回転式のフライヤ装置によ
る解舒期間中の解舒張力の大きな変動と比べて飛躍的な
結果をもたらすことが判明された。
【0042】要するに、この発明になるフライヤ駆動方
法は、図6に示すように、多重撚糸機の操業開始段階に
おいては、フライヤが消極回転しており、このフライヤ
の回転速度を回転速度計測手段により計測して、初期回
転速度を計測値の約80%に設定し、該計測値と設定値
とを比較して、一定期間、差がない(計測値が設定値を
越えない)と減速を指令し、差が生じる(計測値が設定
値を越える)と増速を指令するように構成されているも
のである。
【0043】
【発明の効果】以上の構成になるこの発明のフライヤ駆
動方法によれば、多重撚糸機の各錘のそれぞれの糸解舒
条件に応じた最適な回転速度を設定できる点において有
効に作用し、糸を解舒する最適な回転速度でフライヤを
駆動することが可能となると共に、糸が急に回転されて
もその糸に追随してフライヤが回転するために、糸に過
分な張力を与えずに解舒することができ、糸切れを可及
的に防ぐことができる点においても極めて有効に作用す
るものといえる。
【0044】さらに、この発明になるフライヤ駆動方法
によれば、運転開始とともに直ちにフライヤをモータ駆
動することが可能であり、また、運転開始直後にフライ
ヤが異常に急回転されてもその80%を駆動回転数とし
たので、フライヤ駆動モータの回転速度が速すぎて一周
分速く回転するのを防ぐことができ、糸に損傷を与えな
くなった点においても極めて有効に作用するものといえ
る。
【0045】さらにまた、この発明になるフライヤ駆動
方法によれば、パッケージから糸が解舒されながら巻き
径が減少するに従い回転数が増加する場合におけるフラ
イヤの回転数制御が確実に行えるようになった点におい
ても極めて有効に作用するものといえる。
【0046】さらに、この発明になるフライヤ駆動方法
によれば、それぞれの撚糸部において独立した制御が可
能となって、安定した解舒と撚糸加工が可能である点に
おいても極めて有効に作用するものといえる。
【0047】さらにまた、この発明になるフライヤ駆動
方法によれば、パッケージ下部に巻かれた糸を解舒する
時には、フライヤ装置により糸を剥ぐように解舒するの
で、糸がパッケージ表面に巻き付きながら解舒される従
来の解舒方法に比べて、糸の毛羽立ちが防止出来ると共
に、バルーンが変動することなく安定する点においても
極めて有効に作用する。また、内側バルーンIBと外側
バルーンOBとが形成される四重撚糸機においては、解
舒の際の張力変動による内側バルーンIBと外側バルー
ンOBとの接触を防止することができ、糸切れを防止し
得る点においても極めて有効に作用するものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明になるフライヤ駆動方法を四
重撚糸機に適用した具体的な構成例を示すものであっ
て、図1Aは、フライヤ装置を四重撚糸機に適用した具
体的な構成例の全体を示す概略的な側断面図であり、図
1Bは、パルス計測用カウンターの具体例を示す概略的
な平面図、図1Cは、発電手段における永久磁石配列デ
ィスクの具体例を示す概略的な平面図である。
【図2】図2は、多重撚糸機における解舒糸の解舒態様
例を説明するための概略図であって、図2Aは、二重撚
糸機に対する適用例であり、糸の解舒位置がパッケージ
の上部側に位置する状態を示す概略的な側面図、図2B
は、同じく二重撚糸機に対する適用例であり、糸の解舒
位置がパッケージの下部側に位置する状態を示す概略的
な側面図である。
【図3】図3は、多重撚糸機における解舒糸の解舒態様
例を説明するための概略図であって、図3Aは、四重撚
糸機に対する適用例であり、糸の解舒位置がパッケージ
の上部側に位置する状態を示す概略的な側面図、図3B
は、同じく四重撚糸機に対する適用例であり、糸の解舒
位置がパッケージの下部側に位置する状態を示す概略的
な側面図である。
【図4】図4は、パッケージから糸を解舒する場合にお
ける張力変動の状態を示すものであり、横軸が時間であ
って、縦軸が張力をあらわす張力波形図であり、図4A
は、パッケージが大径時(φ135 〜φ133 程度) である
場合における張力波形図であり、従来の消極的駆動方式
によるフライヤを用いた場合の張力波形図、図4Bは、
パッケージが大径時(φ135 〜φ133 程度) である場合
における張力波形図であり、この発明になる積極的駆動
方式のフライヤ駆動方法を適用した場合の張力波形図で
ある。
【図5】図5は、パッケージから糸を解舒する場合にお
ける張力変動の状態を示すものであり、横軸が時間であ
って、縦軸が張力をあらわす張力波形図であり、図5A
は、パッケージが小径時(φ48〜φ46程度) である場合
における張力波形図であって、従来の消極的駆動方式に
よるフライヤを用いた場合の張力波形図、図5Bは、パ
ッケージが小径時(φ48〜φ46程度) である場合におけ
る張力波形図であり、この発明になる積極的駆動方式の
フライヤ駆動方法を適用した場合の張力波形図である。
【図6】図6は、本発明になるフライヤ駆動方法におけ
るフローチャート図である。
【図7】図7は、多重撚糸機の基本的な構成を説明する
ための概略図であり、二重撚糸機の一錘部分を示す概略
的な斜視図である。
【符号の説明】
FA フライヤ装置 T 四重撚糸機 11 第1の回転駆動系構成部 12 第2の回転駆動系構成部 13 第3の回転駆動系構成部 14 静止系構成部 17 スピンドル 18 第1の回転駆動源 19 外ポット構造体 M1 第1のモータ M2 第2のモータ M3 第3のモータ 21 軸方向にのびる解舒糸通路 22 放射方向にのびる解舒糸通路 25 第2の回転駆動源 26A、26B マグネットカップリング機構 27 内ポット構造体 30 放射方向にのびる解舒糸通路 31 永久磁石 31S S極永久磁石素子 31N N極永久磁石素子 32 永久磁石配置ディスク IB 内バルーン OB 外バルーン 34 チーズカバー部 35A、35B 静止用マグネット手段 36 界磁部材 37 制御用基板 GM 発電手段 RSM 回転速度計測手段 38 パルス計測用カウンター 39 検知手段 41 テンサー 42 ワンウェイクラッチ機構 FRM フライヤ回転駆動手段 43 フライヤ回転駆動源 43a 回転軸 Y1 パッケージから解舒された糸 Y2 加撚処理糸
フロントページの続き (72)発明者 稲田 健一 京都府京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機械株式会社本社工場内 (72)発明者 田中 学 京都府京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機械株式会社本社工場内 Fターム(参考) 4L056 AA42 BD05 BD25 BD58 DA33 EA19 EA34 EB20 EC56 EC75 EC85

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フライヤを用いてパッケージから糸を解
    舒して加撚を行う多重撚糸機にあって、前記フライヤを
    駆動するフライヤ駆動モータと、前記フライヤ駆動モー
    タの回転速度を計測する回転速度計測手段とを備え、前
    記フライヤの回転速度を運転開始時に所定時間計測し、
    計測されたフライヤの回転速度から前記駆動モータの設
    定値を新たに設定することを特徴とするフライヤ駆動方
    法。
  2. 【請求項2】 前記フライヤの回転速度を運転開始時に
    所定時間計測し、計測されたフライヤの回転速度の所定
    割合の回転速度をモータ駆動速度の初期設定値とするこ
    とを特徴とする請求項1に記載のフライヤ駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記モータ駆動速度の初期設定値を、計
    測された回転速度より遅い回転速度に設定するようにし
    たこと特徴とする請求項2に記載のフライヤ駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記回転速度計測手段によって計測され
    る操業中の回転速度と、設定された回転速度との比較を
    行うとともに、その変化の割合に応じて新たな回転速度
    を自動的に設定するようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載のフライヤ駆動方法。
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EP00102716A EP1045053A1 (en) 1999-04-05 2000-02-09 Flyer device and flyer drive method
CNB001032054A CN1271259C (zh) 1999-04-05 2000-03-16 锭翼装置及锭翼的驱动方法
KR1020000017330A KR20010020707A (ko) 1999-04-05 2000-04-03 플라이어장치 및 플라이어 구동방법

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107419387A (zh) * 2017-08-24 2017-12-01 山东岱银纺织集团股份有限公司 一种长丝被动退绕张力控制装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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