JP2000285895A - 非水電解液電池用セパレーターおよびそれを用いた非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池用セパレーターおよびそれを用いた非水電解液電池

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JP2000285895A
JP2000285895A JP11092017A JP9201799A JP2000285895A JP 2000285895 A JP2000285895 A JP 2000285895A JP 11092017 A JP11092017 A JP 11092017A JP 9201799 A JP9201799 A JP 9201799A JP 2000285895 A JP2000285895 A JP 2000285895A
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nonaqueous electrolyte
aqueous electrolyte
thickness
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Takahiro Tsukuda
貴裕 佃
Kazuchiyo Takaoka
和千代 高岡
Kenji Hyodo
建二 兵頭
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】厚みが薄く、細孔径と機械的強度のバランスが
良く、信頼性の高い非水電解液電池用セパレーターおよ
びそれを用いた非水電解液電池を提供する。 【解決手段】有機珪素化合物が化学結合によって担持さ
れてなる非水電解液電池用セパレーターにおいて、該有
機珪素化合物がポリアルキレンオキサイド変性ポリシロ
キサンであることを特徴とする非水電解液電池用セパレ
ーターおよびそれを用いた非水電解液電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚みが薄く、細孔
径と機械的強度のバランスが良く、信頼性の高い非水電
解液電池用セパレーターおよびそれを用いた非水電解液
電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池などの非水電解液電池
に用いられるセパレーターとして、特開平7−3757
1号公報には、m−アラミドのフィブリッド10〜40
重量%と耐熱性短繊維90〜60重量%とを混合抄造し
てなる紙状シートからなり、かつ該シート厚さが0.0
1〜0.1mmであることを特徴とする電池用セパレー
ターが開示されている。特開平9−64560号公報に
は、セルロース繊維またはセルロース繊維と合成高分子
の複合体に、単離されたセルロース・ミクロフィブリル
が添加されてなることを特徴とするセパレーターが開示
されている。特開平7−302584号公報には、平均
繊維長さが0.2〜1.5mmで、平均繊維径が0.0
5〜1μmの有機合成高分子のミクロフィブリル化繊維
を少なくとも50重量%用いた不織布からなることを特
徴とする電池用セパレーターが開示されている。
【0003】これら不織布からなるセパレーターの場合
には、厚みを薄くすると細孔径や機械的強度に問題が生
じる傾向があった。特に厚みが30μm以下になると、
ピンホールがなくても細孔が大きめになることが多く、
その場合、電解液保持性が低下するばかりでなく、電池
を組み立てた直後に開回路電圧が低下し充電に支障を来
すことがあった。逆に細孔径が小さく、且つ細孔径分布
が狭い均一な不織布の場合には不織布の引張強度、引裂
強度、突刺強度などの機械的強度が著しく弱く、二次加
工処理や電池組立に支障を来すことがあった。また、不
織布を熱処理して強度を高めようとすると、場合によっ
てはフィルム状になって細孔がつぶれてしまうことがあ
り、細孔の大きさと機械的強度のバランスをとることが
難しかった。
【0004】一方、本発明者らは、国際出願番号PCT
/JP98/00113において、非水電解液電池用セ
パレーター並びにそれを用いた非水電解液電池および非
水電解液電池用セパレーターの製造方法を出願してい
る。同号における非水電解液電池用セパレーターは、多
孔質フィルム、有機繊維を含有する織布、不織布、紙か
ら選ばれる1種以上を含有してなる多孔質基材に有機金
属化合物を付着させてなるもので、電池組立時の電池加
工性に優れ、電極が外部短絡して発熱しても、セパレー
ターの収縮や燃焼、あるいは電極間の接触による内部短
絡が発生せず、電池の発火を防止することができ、該非
水電解液電池用セパレーターを用いることにより高いエ
ネルギー密度と優れたサイクル寿命の非水電解液電池が
得られることを特徴とする。
【0005】しかし、同号の非水電解液電池用セパレー
ターであっても厚みが薄い場合、特に30μmより薄い
場合には、機械的強度が著しく低下し、電池組立時に支
障を来す場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる上記問題点を解決するものである。即ち、本発
明の目的は、厚みが薄く、細孔径と機械的強度のバラン
スが良く信頼性の高い非水電解液電池用セパレーターお
よびそれを用いた非水電解液電池を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、有機珪素化合物が
化学結合によって担持されてなる非水電解液電池用セパ
レーターにおいて、特定の有機珪素化合物を担持させる
ことによって、厚みが薄く、細孔径と機械的強度のバラ
ンスが良く、信頼性の高い非水電解液電池用セパレータ
ーおよび非水電解液電池を作製できることを見出し本発
明に至ったものである。
【0008】即ち、本発明は、有機珪素化合物が化学結
合によって担持されてなる非水電解液電池用セパレータ
ーにおいて、該有機珪素化合物がポリアルキレンオキサ
イド変性ポリシロキサンであることを特徴とする非水電
解液電池用セパレーターおよびそれを用いた非水電解液
電池である。
【0009】非水電解液電池用セパレーターが、繊度1
デニール以下の極細繊維を50重量%以上含有してなる
不織布からなることが好ましい。
【0010】極細繊維が、分割型複合繊維の少なくとも
一部が分割されて形成されてなることが好ましい。
【0011】分割型複合繊維の少なくとも一成分が、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルア
ルコールからなることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の非水電解液電池用
セパレーターおよびそれを用いた非水電解液電池につい
て詳細に説明する。
【0013】本発明における有機珪素化合物としては、
ポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンが用いら
れる。ポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンと
は、分子鎖中にポリアルキレンオキサイドのユニットを
有し、塩素基、フッ素基、アセトキシ基、アルコキシ
基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル
基、メルカプト基、メタクリル基から選ばれる加水分解
性基または官能基を1種以上、且つ1個以上有するポリ
シロキサンを指す。ポリアルキレンオキサイドとして
は、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイ
ドなどが挙げられ、これらの分子量は特に限定されるも
のではない。
【0014】ポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキ
サンは、非水電解液電池用セパレーターを構成している
繊維表面や樹脂表面に存在する水酸基、カルボキシル
基、カルボニル基、シラノール基、アミド基、アミノ基
などと直接反応し結合するため非水電解液中で非水電解
液電池用セパレーターから遊離することがない。また、
これら官能基や極性基はそのままではリチウムイオンと
の反応性が強く、電池特性に悪影響を及ぼすため、ポリ
アルキレンオキサイド変性ポリシロキサンがこれらと結
合することにより容量低下やサイクル寿命の短縮化を防
止することができる。
【0015】ポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキ
サンは、非水電解液との親和性が高いため、非水電解液
電池用セパレーターの電解液保持性を良くする効果があ
る。ポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンの分
子鎖は非水電解液中に広がり、あたかも繊維表面や樹脂
表面からひげが生えたような形状になり、ひげ状に見え
る分子鎖にもさらに分岐した分子鎖があるため、繊維や
樹脂の隙間がこれらポリアルキレンオキサイド変性ポリ
シロキサンで占められ、非水電解液電池用セパレーター
の細孔径を小さくする効果も併せ持つ。特にポリアルキ
レンオキサイド変性ポリシロキサンが、1分子中に加水
分解性基や官能基を複数個有する場合にはポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサン同士が架橋しネットワ
ークを形成するため、非水電解液電池用セパレーターの
細孔径を小さくする効果が大きくなる。
【0016】本発明においては、ポリアルキレンオキサ
イド変性ポリシロキサンは1種類だけでも良いが、2種
類以上の混合物として使用しても良い。
【0017】本発明においては、ポリアルキレンオキサ
イド変性ポリシロキサンが1分子中に加水分解性基や官
能基を3個以上有する場合には、ポリアルキレンオキサ
イド変性ポリシロキサン同士が架橋して網目状になるた
め、細孔径を小さくする効果が大きくなる反面、架橋密
度が高くなりすぎるとセパレーターの細孔が潰れて電解
液保持性が低下する傾向がある。そこでポリアルキレン
オキサイド変性ポリシロキサン同士の架橋密度を制御す
る目的で、加水分解性基や官能基を1分子中に2個また
は1個有するポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキ
サンを混合して用いても良い。
【0018】本発明において、加水分解性基や官能基を
2個または1個有するポリアルキレンオキサイド変性ポ
リシロキサンを混合する場合の添加量としては、加水分
解性基や官能基を3個以上有するポリアルキレンオキサ
イド変性ポリシロキサンの重量に対して5〜50重量%
が好ましい。添加量が5重量%未満では架橋密度を制御
しにくく、50重量%より多いと細孔を小さくする効果
が弱まる傾向がある。
【0019】本発明における非水電解液電池用セパレー
ターは、繊度1デニール以下の極細繊維を50重量%以
上含有する不織布からなることが好ましい。
【0020】本発明に用いられる不織布中の極細繊維の
含有量が50重量%未満では、厚みを薄くした場合に、
ピンホールと呼ばれる貫通孔ができやすく、ピンホール
ができなくても細孔径が大きくなり、電解液保持性や表
面平滑性に問題が生じやすくなる。
【0021】一般に極細繊維とは繊度1デニール以下の
合成繊維を指す。極細繊維からなる不織布の製法として
は、熱可塑性ポリマーを溶融し細孔から吐出させ、これ
を音速域の加熱気体で吹き飛ばして細化繊維化しネット
コンベアなどで捕集して不織布を作製するメルトブロー
ン法、抄紙機を用いてシート化する湿式抄紙法などが挙
げられる。
【0022】本発明に用いられる極細繊維の繊維長とし
ては、3〜10mmが好ましい。繊維長が3mmより短
いと、繊維同士の絡みが少なくなり、最終的にセパレー
ターの引張強度や引裂強度が弱くなる傾向がある。繊維
長が10mmより長いと、極細繊維同士がよれて不織布
の地合が悪くなり、最終的にセパレーターの厚みむらが
生じやすくなる。
【0023】極細繊維の製法としては、A成分繊維の中
にB成分の極細繊維が多数含まれるように複合紡糸し繊
維化後、A成分を除去して極細繊維Bを得る方法、A成
分とB成分が相互に介在するように複合紡糸した後、A
B相互の剥離特性を利用して分割相当分の極細繊維を得
る方法、従来の紡糸方法において諸条件を極細繊維向き
に改良して極細繊維を得る方法、繊維を表面から溶かし
て細くする方法、ポリエステルのようなポリマーを分子
配向を伴わない特殊な条件で延伸して極細繊維を得る方
法、フラッシュ紡糸法、フィブリル化しやすくした繊維
やフィルムを叩解して細化させる方法、A成分とB成分
を混合紡糸した後、多量成分を除去する方法、タック紡
糸法、ポリマー中に発泡剤やガスを入れて膨らませ、噴
出させることにより極細繊維群を得る方法、遠心紡糸法
などが挙げられる。
【0024】本発明に用いられる極細繊維を構成する素
材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテンなどのポリオレフィンおよびその共重合体、
ポリエチレンオキシド、ポリメチレンオキシド、ポリエ
チレングリコールなどのポリエーテル、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロ
ン12などのポリアミドおよびその共重合体、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンオキシ
ベンゾエートなどのポリエステルおよびその共重合体、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアル
コール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ア
クリロニトリル系重合体、スチレン−アクリトニトリル
共重合体、ポリカーボネートなどが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0025】一般に分割型複合繊維は、化学的処理によ
り一成分を除去して分割させるタイプと物理的処理によ
り分割させるタイプに分けることができる。本発明に用
いられる分割型複合繊維は何れのタイプでも良い。
【0026】一般に分割型複合繊維の分割前の断面形状
としては、A成分繊維の中にB成分の極細繊維が多数含
まれるように複合紡糸して得られる多芯状、A成分とB
成分が相互に介在するように複合紡糸して得られる花び
ら状、米字状、層状などがあるが、本発明に用いられる
分割型複合繊維の断面形状はこれらに限定されるもので
はない。
【0027】本発明に用いられる分割型複合繊維は、分
割後の繊度が1デニール以下になるものが好ましく、
0.5デニール以下になるものがさらに好ましい。分割
後の繊度が1デニールより太い場合にはセパレーターの
細孔が大きくなりやすい傾向がある。
【0028】本発明に用いられる分割型複合繊維の繊維
長としては、3〜10mmが好ましい。繊維長が3mm
より短いと、繊維同士の絡みが少なくなり、最終的にセ
パレーターの引張強度や引裂強度が弱くなる傾向があ
る。繊維長が10mmより長いと、極細繊維同士がよれ
て不織布の地合が悪くなり、最終的にセパレーターの厚
みむらが生じやすくなる。
【0029】分割型複合繊維が分割することによって得
られる極細繊維が扁平状の場合には不織布を薄く、均一
に加工しやすく、最終的にセパレーターの細孔径が小さ
くなりやすい利点がある。さらに、分割型複合繊維の少
なくとも一成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体
またはポリビニルアルコールからなる場合には、これら
が被膜を形成して他の繊維や樹脂と結合するため、セパ
レーターの細孔がより小さくなりやすいだけでなく、セ
パレーターの引張強度や引裂強度が強くなり、セパレー
ターの表面平滑性が向上し、電極との密着性が良くなる
利点がある。
【0030】本発明における分割型複合繊維の少なくと
も一部を分割させる方法としては、分割型複合繊維を含
むスラリーを湿式抄紙してシート化した後、水や溶媒を
用いて一成分を除去して分割させる方法、高圧流水、カ
レンダー処理などの衝撃を与えて分割させる方法、予め
分割型複合繊維をパルパー、ビーター、リファイナー、
ホモジナイザー、ミルなどを用いて分割させた後、湿式
抄紙してシート化する方法などが挙げられる。
【0031】本発明における非水電解液電池用セパレー
ターが、極細繊維を50重量%以上含有してなる不織布
からなることにより、薄くて厚みが均一な非水電解液電
池用セパレーターが得られる。
【0032】本発明に用いられる不織布を構成する素材
としては、木材パルプ、非木材パルプ、レーヨン、セル
ロース、バクテリアセルロース、キュプラ、ポリノジッ
ク、アセテート、アクリル、ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリビニ
ルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体な
どの樹脂からなる単繊維または複合繊維、これらのフィ
ブリル化繊維またはミクロフィブリル化繊維、各種熱融
着繊維、ガラス繊維、マイクロガラス繊維、アルミナ繊
維、アルミナ・シリカ繊維、セラミックス繊維、ジルコ
ニア繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、アル
ミナウィスカ、ホウ酸アルミウィスカ、コロイダルアル
ミナ、コロイダルシリカなどの無機繊維や無機化合物、
エポキシ樹脂やフッ素樹脂などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0033】本発明における不織布が湿式抄紙法により
製造される場合には、乾式不織布よりもはるかに均一な
不織布が得られるため好ましい。湿式抄紙法で用いられ
る抄紙機としては、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄
紙機、さらには2種以上を組み合わせたコンビネーショ
ンマシンなどが挙げられる。
【0034】湿式抄紙法は、通常、繊維を固形分濃度が
0.1〜5重量%程度になるように分散助剤、粘剤など
を用いて水中に均一に分散してスラリーとし、さらにス
ラリー中に水を追加し、固形分濃度を0.1〜0.00
1重量%に希釈して希薄水性スラリーとし、これを抄紙
機を用いてシート化するものである。
【0035】本発明におけるポリアルキレンオキサイド
変性ポリシロキサンを非水電解液電池用セパレーターに
担持させる方法としては、非水電解液電池用セパレータ
ーにポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンの溶
液を含浸、塗布、噴霧の何れかの方法で接触させ、乾燥
または加熱硬化して担持させる方法、ポリアルキレンオ
キサイド変性ポリシロキサンと反応する官能基や極性基
を有する材料を予めポリアルキレンオキサイド変性ポリ
シロキサンの溶液に含浸、塗布、噴霧の何れかの方法で
接触させ、乾燥または加熱硬化した後、非水電解液電池
用セパレーターを作製する方法がある。
【0036】例えば、湿式抄紙法で不織布を抄紙し、ウ
ェットプレス後の湿潤シートまたは乾燥後のシートにポ
リアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンの溶液を含
浸、塗布、噴霧の何れかの方法で接触させ、乾燥または
加熱硬化することによりポリアルキレンオキサイド変性
ポリシロキサンを不織布に担持させることができる。
【0037】本発明におけるポリアルキレンオキサイド
変性ポリシロキサンは、通常、濃度0.5%以上の水溶
液にして用いられる。濃度が0.5%未満ではセパレー
ターを構成する繊維や樹脂との反応性がやや悪く、セパ
レーターの細孔径を十分小さくする量のポリアルキレン
オキサイド変性ポリシロキサンが担持されにくくなる傾
向がある。
【0038】本発明における不織布の重量に対するポリ
アルキレンオキサイド変性ポリシロキサンの担持量は
0.1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより
好ましい。担持量が0.1重量%未満では、細孔径が十
分小さくならない傾向がある。担持量が0.1重量%よ
り多くなると非水電解液電池用セパレーターの細孔径を
小さくする効果が現れ、1重量%以上になると細孔径が
劇的に小さくなる傾向がある。20重量%より多くなる
と、該ポリシロキサンが密になりすぎて細孔径がつぶれ
る、非水電解液電池用セパレーターの電解液保持性が著
しく低下し内部抵抗が高くなる、非水電解液電池用セパ
レーターの厚み調整がしにくくなる、非水電解液電池用
セパレーターを構成する繊維間結合が弱まり、非水電解
液電池用セパレーターの機械的強度が低下するなどの問
題が生じる傾向がある。また10重量%より多くなる
と、吸湿した水分が抜けにくくなる傾向がある。
【0039】本発明の非水電解液電池用セパレーターの
坪量は、特に制限はないが、5〜100g/m2が好ま
しく、10〜50g/m2がさらに好ましく用いられ
る。
【0040】本発明の非水電解液電池用セパレーターの
厚みは、特に制限はないが電池が小型化できる点から薄
い方が好ましい。具体的には電池組立時に破断しない程
度の強度を持ち、ピンホールが無く、高い均一性を備え
る厚みとして10〜100μmが好ましく用いられ、2
0〜50μmがより好ましく用いられる。10μm未満
では、電池組立時の短絡不良率が増加するため好ましく
ない。一方、100μmより厚くなると、厚みによる電
気抵抗が高くなり、電池特性が低下したり、エネルギー
密度の低下が大きくなるため好ましくない。
【0041】本発明の非水電解液電池用セパレーターの
厚みが所望の厚みよりも厚い場合には二次加工処理によ
り厚みを薄くする必要がある。二次加工処理を行う時期
としては、非水電解液電池用セパレーターに有機珪素化
合物を化学結合により担持させる前後のどちらでも良
い。この二次加工処理としては、スーパーカレンダー、
マシンカレンダー、熱カレンダー、ソフトカレンダー、
熱ソフトカレンダーなどのカレンダーを用いてカレンダ
ー処理を施して厚み調整が行われる。特に熱カレンダー
を用いて加圧熱処理し所望の厚みに調整することがより
好ましい。
【0042】熱カレンダー処理における加圧熱処理の処
理温度としては、用いられる非水電解液電池用セパレー
ターに含まれる樹脂または有機繊維の種類によって異な
り、樹脂または有機繊維のTg以上融点以下の温度で処
理されるが、特に熱融着繊維を配合した場合は熱融着繊
維の接着力発現温度まで加工温度を上げることが必要と
なる。有機繊維の構成、加工条件等から処理温度として
は、50〜210℃が好ましく用いられる。50℃より
も低い温度で加圧処理した場合には充分な接着力が発現
されず、経時で厚み戻りが発生する、所望の厚みまで薄
くできない、または亀裂が生じたりする等のトラブルが
発生するため好ましくない。また、210℃よりも高温
で加圧処理した場合は、樹脂または繊維自身が熱により
劣化して強度が低下したり、変形したりする。劣化が起
こらない場合でも非水電解液電池用セパレーターの密度
が上がりすぎて充分な空隙量が得られずに電池性能を損
なってしまうため好ましくない。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
なお、%とは非水電解液電池用セパレーターを構成する
材料の重量%を意味する。
【0044】下記表1および表2に示した非水電解液電
池用セパレーターを作製した。尚、表中に示した「P
P」はポリプロピレン、「PET」はポリエステル、P
P/PE」はポリプロピレンとポリエチレンからなる芯
鞘複合繊維または分割型複合繊維、「PP/EVOH」
はポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合
体からなる分割型複合繊維をそれぞれ意味する。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】<負極活物質の作製>石油ピッチを焼成し
て粗粒状のピッチコークスを得た。この粗粒状ピッチコ
ークスを粉砕して、平均粒径10μmの粉末とし、この
粉末を不活性ガス中1000℃で焼成して不純物を除去
し、コークス粉末を作製し、負極活物質とした。
【0048】<負極の作製>負極活物質コークス粉末9
0%と結着剤ポリフッ化ビニリデン10%を混練し、負
極合剤を調製した後、N−メチルピロリドンを加えてス
ラリー状とし、負極合剤スラリーを調製した。この負極
合剤スラリーを負極集電体である厚み100μmの帯状
の銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、ローラープレス
機を用いて圧縮成形し、厚み180μm、幅55mm、
長さ556mmの負極を作製した。
【0049】<正極の作製>正極活物質LiCoO2
0%、導電剤グラファイト粉末6%、結着剤ポリフッ化
ビニリデン4%を混練して正極合剤を調製した後、N−
メチルピロリドンを加えてスラリー状とし、正極合剤ス
ラリーを調製した。この正極合剤スラリーを正極集電体
である厚さ20μmの帯状アルミニウム箔の両面に均一
に塗布し、乾燥後、ローラープレス機を用いて圧縮成形
し、厚み150μm、幅53μm、長さ528mmの正
極を作製した。
【0050】実施例1 <非水電解液電池用セパレーターの作製>ポリプロピレ
ン繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.7デニール、繊
維長5mm)40%、ポリプロピレンとエチレン−ビニ
ルアルコールからなる芯鞘複合繊維(大和紡績社製、U
BF、繊度2デニール、繊維長5mm)60%を水中に
分散させたスラリーをパルパーを用いて調製し、傾斜型
抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量13g/m2の不織布
を作製した。該不織布を120℃、プレス圧35kg/
cm2の条件で熱カレンダー処理し、厚みを25μmに
調整した。これにポリエチレンオキサイドユニットを有
し、且つ1分子中にメトキシ基を3個有するポリアルキ
レンオキサイド変性ポリシロキサン(以下「A」と表記
する)の5%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不
織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により
3.8%担持させた。これをスーパーカレンダー処理し
て厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレ
ーターとした。
【0051】<非水電解液電池の作製>負極および正極
を円形打ち抜き機を用いて打ち抜き、直径14mmの円
盤形負極および正極を作製した。本実施例で作製した非
水電解液電池用セパレーターを円形カッターで直径16
mmの円形に切断加工した。円盤形正極をカソード缶に
挿入し、その上に本実施例で円形に作製したセパレータ
ーを載置した。次いで、プロピレンカーボネートとエチ
レンカーボネートを1:1の体積比で混合した溶媒にL
iClO4を1mol/lになるように溶解させた非水
電解液を注入し、円盤形負極を圧着させたアノード缶を
円盤形負極側がセパレーター側になるように載置し、カ
ソード缶とアノード缶を封口ガスケットを介してかし
め、直径20mm、高さ1.6mmのコイン型非水電解
液電池を作製した。
【0052】実施例2 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例1と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量13
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに実
施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロ
キサンの20%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥して
不織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により
13.5%担持させた。これをスーパーカレンダー処理
して厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパ
レーターとした。
【0053】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0054】実施例3 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例1で用
いたポリプロピレン繊維50%、芯鞘複合繊維50%を
水中に分散させたスラリーをパルパーを用いて調製し、
円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量13g/m2の不
織布を作製した。該不織布を実施例1と同様にして熱カ
レンダー処理し、厚みを25μmに調整した。これに実
施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロ
キサンの1%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不
織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により
0.5%担持させた。これをスーパーカレンダー処理し
て厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレ
ーターとした。
【0055】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0056】実施例4 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例3と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量13
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。実施例1
で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサン
の5%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布重
量に対して該ポリシロキサンを化学結合により3.2%
担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを
25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーターと
した。
【0057】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0058】実施例5 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例3と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量13
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。実施例1
で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサン
の10%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布
重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により8.6
%担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚み
を25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーター
とした。
【0059】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0060】実施例6 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例3と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量13
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。実施例1
で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサン
の25%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布
重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により19.
6%担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚
みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレータ
ーとした。
【0061】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0062】実施例7 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例1で用
いたポリプロピレン繊維80%、芯鞘複合繊維20%を
水中に分散させたスラリーをパルパーを用いて調製し、
傾斜型抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量14g/m2
不織布を作製した。これを実施例1と同様にして熱カレ
ンダー処理した後、実施例1で用いたポリアルキレンオ
キサイド変性ポリシロキサンの5%水溶液を含浸させ、
120℃で乾燥して不織布重量に対して該ポリシロキサ
ンを化学結合により2.5%担持させた。これをスーパ
ーカレンダー処理して厚みを25μmに再調整し、非水
電解液電池用セパレーターとした。
【0063】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0064】実施例8 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例7と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理して坪量14
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに実
施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロ
キサン5%、ポリエチレンオキサイドユニットを有し、
且つ1分子中にメトキシ基を2個有するポリアルキレン
オキサイド変性ポリシロキサン(以下「B」と表記す
る)1%、水94%の混合溶液を含浸させ、120℃で
乾燥して不織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結
合により2.1%担持させた。これをスーパーカレンダ
ー処理して厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池
用セパレーターとした。
【0065】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0066】実施例9 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例7と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理して坪量14
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに実
施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロ
キサン5%、ポリエチレンオキサイドユニットを有し、
且つ1分子中にメトキシ基を1個有するポリアルキレン
オキサイド変性ポリシロキサン(以下「C」と表記す
る)1.5%、水93.5%の混合溶液を含浸させ、1
20℃で乾燥して不織布重量に対して該ポリシロキサン
を化学結合により2.8%担持させた。これをスーパー
カレンダー処理して厚みを25μmに再調整し、非水電
解液電池用セパレーターとした。
【0067】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0068】実施例10 <非水電解液電池用セパレーターの作製>アクリル繊維
(三菱レイヨン社製、ボンネル、繊度0.1デニール、
繊維長6mm)70%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維
30%を水中に分散させたスラリーをパルパーを用いて
調製し、円網型抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量14g
/m2の不織布を作製した。該不織布を130℃、プレ
ス圧40kg/cm2で熱カレンダー処理した後、実施
例8で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキ
サン(B)の3%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥し
て不織布重量に対して該シランを化学結合により1.5
%担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚み
を25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーター
とした。
【0069】<非水電解液電池の作製>プロピレンカー
ボネートとジエチルカーボネートを1:1の体積比で混
合した溶媒にLiPF6を1mol/lになるように溶
解させた非水電解液と本実施例で作製した非水電解液電
池用セパレーターを用いた以外は実施例1と同様にして
直径20mm、高さ1.6mmのコイン型非水電解液電
池を作製した。
【0070】実施例11 <非水電解液電池用セパレーターの作製>ポリエステル
繊維(帝人社製、テトロン、繊度0.1デニール、繊維
長5mm)60%、ポリエステル繊維(帝人社製、テピ
ルス、繊度1.1デニール、繊維長5mm)35%、ポ
リビニルアルコール繊維(クラレ社製、VPB107−
1×3)5%を水中に分散させたスラリーをパルパーを
用いて調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量1
5g/m2の不織布を作製した。該不織布を200℃、
プレス圧35kg/cm2で熱カレンダー処理した後、
実施例8で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
ロキサン(B)の10%水溶液を含浸させ、120℃で
乾燥して不織布の重量に対して該ポリシロキサンを化学
結合により7.4%担持させた。これをスーパーカレン
ダー処理して厚みを25μmに再調整し、非水電解液電
池用セパレーターとした。
【0071】<非水電解液電池の作製>エチレンカーボ
ネートとジエチルカーボネートを1:1の体積比で混合
した溶媒にLiBF4を1mol/lになるように溶解
させた非水電解液と本実施例で作製した非水電解液電池
用セパレーターを用いた以外は実施例1と同様にして直
径20mm、高さ1.6mmのコイン型非水電解液電池
を作製した。
【0072】実施例12 <非水電解液電池用セパレーターの作製>ポリプロピレ
ンとポリエチレンからなる分割型複合繊維(大和紡績社
製、DFS−7、繊度2デニール、繊維長6mm)80
%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維20%を水中に分散
させたスラリーをパルパーを用いて調製し、傾斜型抄紙
機を用いて湿式抄紙し、坪量12g/m2の不織布を作
製した。該不織布を実施例1と同様にして熱カレンダー
処理した後、実施例1で用いたポリアルキレンオキサイ
ド変性ポリシロキサン(A)の3%水溶液を含浸させ、
110℃で乾燥して不織布重量に対して該ポリシロキサ
ンを化学結合により1.2%担持させた。これをスーパ
ーカレンダー処理して厚みを25μmに再調整し、非水
電解液電池用セパレーターとした。本実施例で作製した
非水電解液電池用セパレーターの断面を電子顕微鏡で観
察した結果、分割してできた繊維の断面形状が確認さ
れ、分割してできた極細繊維の繊度は1デニール以下で
あった。
【0073】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例10と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0074】実施例13 <非水電解液電池用セパレーターの作製>ポリプロピレ
ンとエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる分割
型複合繊維(チッソ社製、DF2、繊度3デニール、繊
維長6mm)80%、ポリプロピレンとポリエチレンか
らなる芯鞘複合繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度
0.7デニール、繊維長5mm)20%を水中に分散さ
せたスラリーをパルパーを用いて調製し、傾斜型抄紙機
を用いて湿式抄紙し、坪量12g/m2の不織布を作製
した。該不織布を実施例1と同様にして熱カレンダー処
理した後、実施例1で用いたポリアルキレンオキサイド
変性ポリシロキサン(A)の3%水溶液を含浸させ、1
10℃で乾燥して不織布重量に対して該ポリシロキサン
を化学結合により1.9%担持させた。これをスーパー
カレンダー処理して厚みを25μmに再調整し、非水電
解液電池用セパレーターとした。本実施例で作製した非
水電解液電池用セパレーターの断面を電子顕微鏡で観察
した結果、分割してできた繊維の断面形状が確認され、
分割してできた極細繊維の繊度は1デニール以下であっ
た。
【0075】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例10と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0076】実施例14 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例13と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量1
2g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
ロキサン(A)1%、実施例9で用いたポリアルキレン
オキサイド変性ポリシロキサン(C)0.3%、水9
8.7%の混合溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不
織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により
0.1%担持させた。これをスーパーカレンダー処理し
て厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレ
ーターとした。本実施例で作製した非水電解液電池用セ
パレーターの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割し
てできた繊維の断面形状が確認され、分割してできた極
細繊維の繊度は1デニール以下であった。
【0077】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例10と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0078】実施例15 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例13と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量1
2g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
ロキサン(A)3%、実施例9で用いたポリアルキレン
オキサイド変性ポリシロキサン(C)0.9%、水9
6.1%の混合溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不
織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により
2.1%担持させた。これをスーパーカレンダー処理し
て厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレ
ーターとした。本実施例で作製した非水電解液電池用セ
パレーターの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割し
てできた繊維の断面形状が確認され、分割してできた極
細繊維の繊度は1デニール以下であった。
【0079】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例10と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0080】実施例16 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例13と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理して坪量1
2g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
ロキサン(A)10%、実施例9で用いたポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサン(C)3.3%、水8
6.7%の混合溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不
織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により1
0.5%担持させた。これをスーパーカレンダー処理し
て厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレ
ーターとした。これをスーパーカレンダー処理して厚み
を25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーター
とした。本実施例で作製した非水電解液電池用セパレー
ターの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割してでき
た繊維の断面形状が確認され、分割してできた極細繊維
の繊度は1デニール以下であった。
【0081】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例10と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0082】実施例17 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例13と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理して坪量1
2g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例1で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
ロキサン(A)20%、実施例9で用いたポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサン(C)6%、水74%
の混合溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布重量
に対して該ポリシロキサンを化学結合により18.8%
担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを
25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーターと
した。本実施例で作製した非水電解液電池用セパレータ
ーの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割してできた
繊維の断面形状が確認され、分割してできた極細繊維の
繊度は1デニール以下であった。
【0083】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例10と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0084】実施例18 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例13で
用いた分割型複合繊維80%、実施例1で用いた芯鞘複
合繊維20%を水中に分散させたスラリーをパルパーを
用いて調製し、傾斜型抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量
13g/m2の不織布を作製した。該不織布を実施例1
と同様にして熱カレンダー処理し、厚みを25μmに調
整した。これにポリプロピレンユニットを有し、且つ1
分子中にアルコキシ基を3個有するポリアルキレンオキ
サイド変性ポリシロキサン(以下「D」と表示する)の
3%水溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布重量
に対して該ポリシロキサンを化学結合により1.9%担
持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを2
5μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーターとし
た。本実施例で作製した非水電解液電池用セパレーター
の断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割してできた繊
維の断面形状が確認され、分割してできた極細繊維の繊
度は1デニール以下であった。
【0085】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例11と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0086】実施例19 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例18と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量1
3g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例18で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリ
シロキサン(D)1%、実施例8で用いたポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサン(B)0.2%、水9
8.8%の混合溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不
織布重量に対して該ポリシロキサンを化学結合により
0.2%担持させた。これをスーパーカレンダー処理し
て厚みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレ
ーターとした。本実施例で作製した非水電解液電池用セ
パレーターの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割し
てできた繊維の断面形状が確認され、分割してできた極
細繊維の繊度は1デニール以下であった。
【0087】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例11と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0088】実施例20 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例18と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量1
3g/m 2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例18で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリ
シロキサン(D)5%、実施例8で用いたポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサン1%、水94%の混合
溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布重量に対し
て該ポリシロキサンを化学結合を介して3.6%担持さ
せた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを25μ
mに再調整し、非水電解液電池用セパレーターとした。
本実施例で作製した非水電解液電池用セパレーターの断
面を電子顕微鏡で観察した結果、分割してできた繊維の
断面形状が確認され、分割してできた極細繊維の繊度は
1デニール以下であった。
【0089】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例11と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコ
イン型非水電解液電池を作製した。
【0090】実施例21 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例18と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量1
3g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例18で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリ
シロキサン(D)10%、実施例8で用いたポリアルキ
レンオキサイド変性ポリシロキサン(B)2%、水88
%の混合溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布重
量に対して該ポリシロキサンを化学結合により8.7%
担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを
25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーターと
した。本実施例で作製した非水電解液電池用セパレータ
ーの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割してできた
繊維の断面形状が確認され、分割してできた極細繊維の
繊度は1デニール以下であった。
【0091】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0092】実施例22 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例18と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量1
3g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
実施例18で用いたポリアルキレンオキサイド変性ポリ
シロキサン(D)20%、実施例8で用いたポリアルキ
レンオキサイド変性ポリシロキサン(B)4%、水76
%の混合溶液を含浸させ、120℃で乾燥して不織布重
量に対して該ポリシロキサンを化学結合により19.1
%担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚み
を25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーター
とした。本実施例で作製した非水電解液電池用セパレー
ターの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割してでき
た繊維の断面形状が確認され、分割してできた極細繊維
の繊度は1デニール以下であった。
【0093】<非水電解液電池の作製>本実施例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0094】比較例1 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例1と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量14
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これにジ
メチルジメトキシラン5%、メタノール45%、水50
%の混合溶液を含浸させ、110℃で加熱硬化させて不
織布重量に対して該シランを化学結合により3.5%担
持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを2
5μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーターとし
た。
【0095】<非水電解液電池の作製>本比較例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0096】比較例2 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例3と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量14
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これにジ
メチルジメトキシラン10%、メタノール45%、水4
5%の混合溶液を含浸させ、110℃で加熱硬化させて
不織布重量に対して該シランを化学結合により7.5%
担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを
25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーターと
した。
【0097】<非水電解液電池の作製>本比較例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmの非水
電解液電池を作製した。
【0098】比較例3 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例7と同
様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量14
g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これにジ
メチルジメトキシラン10%、メタノール45%、水4
5%の混合溶液を含浸させ、110℃で加熱硬化して不
織布重量に対して該シランを化学結合により5.9%担
持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚みを2
5μmに再調整し、非水電解液電池用セパレーターとし
た。
【0099】<非水電解液電池の作製>本比較例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmの非水
電解液電池を作製した。
【0100】比較例4 <非水電解液電池用セパレーターの作製>実施例13と
同様にして湿式抄紙および熱カレンダー処理し、坪量1
2g/m2、厚み25μmの不織布を作製した。これに
ジエチルジエトキシシラン10%、エタノール45%、
水45%の混合溶液を含浸させ、110℃で加熱硬化さ
せて不織布重量に対して該シランを化学結合により8.
5%担持させた。これをスーパーカレンダー処理して厚
みを25μmに再調整し、非水電解液電池用セパレータ
ーとした。本比較例で作製した非水電解液電池用セパレ
ーターの断面を電子顕微鏡で観察した結果、分割してで
きた繊維の断面形状が確認され、分割してできた極細繊
維の繊度は1デニール以下であった。
【0101】<非水電解液電池の作製>本比較例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmの非水
電解液電池を作製した。
【0102】比較例5 <非水電解液電池用セパレーターの作製>ポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサンを全く担持させなかっ
た以外は実施例7と同様にして湿式抄紙および熱カレン
ダー処理し、坪量14g/m2、厚み25μmの不織布
を作製し、そのまま非水電解液電池用セパレーターとし
た。
【0103】<非水電解液電池の作製>本比較例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmの非水
電解液電池を作製した。
【0104】比較例6 <非水電解液電池用セパレーターの作製>ポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサンを全く担持させなかっ
た以外は実施例13と同様にして湿式抄紙および熱カレ
ンダー処理し、坪量12g/m2、厚み25μmの不織
布を作製し、そのまま非水電解液電池用セパレーターと
した。
【0105】<非水電解液電池の作製>本比較例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmの非水
電解液電池を作製した。
【0106】比較例7 <非水電解液電池用セパレーターの作製>平均長径1.
0μm、平均短径0.2μm、平均繊維長0.6mmの
ポリエチレン繊維状物を水に分散し、0.1重量%のス
ラリーを調製した。このスラリーを円網抄紙機を用いて
抄紙し、坪量13g/m2の不織布を作製した。この不
織布は引張強度や引裂強度が著しく弱いものであった。
これを120℃、プレス圧35kg/cm2の条件で熱
カレンダー処理し、厚みを25μmに調整し、非水電解
液電池用セパレーターとした。
【0107】<非水電解液電池の作製>本比較例で作製
した非水電解液電池用セパレーターを用いた以外は実施
例1と同様にして直径20mm、高さ1.6mmのコイ
ン型非水電解液電池を作製した。
【0108】上記の実施例1〜22および比較例1〜7
により得られた非水電解液電池用セパレーターおよびコ
イン型非水電解液電池について、下記の試験方法により
測定し、その結果を下記表に示した。
【0109】<最大細孔径>実施例1〜22および比較
例1〜7により得られた非水電解液電池用セパレーター
について、ASTM F316−80で規定されるバブ
ルポイント法を用いて最大細孔径を測定した。
【0110】<引張強度>実施例1〜22および比較例
1〜7により得られた非水電解液電池用セパレーターに
ついて、マシンディレクトリーに平行になるように幅2
0mmの短冊状に10本切断し、引張強度試験器を用い
て引張強度を測定し、平均値を求めた。
【0111】<開回路電圧不良>実施例1〜22および
比較例1〜7により得られたコイン型非水電解液電池を
組み立てた直後30分間、開回路電圧を測定した。それ
ぞれ10個について開回路電圧を測定し、充電に支障を
来す程度まで開回路電圧が低下したコイン型非水電解液
電池の数を計測した。
【0112】<エネルギー密度>上記<開回路電圧不良
>を試験、評価したコイン型非水電解液電池を1mA/
cm2の電流密度で終止電圧4.2Vに達するまで定電
流充電し、充電できたコイン型非水電解液電池につい
て、引き続き1mA/cm2の電流密度で終止電圧2.
75Vに達するまで放電させたときの放電容量から、正
極活物質1g当たりのエネルギー密度(mAh/g)を
算出した。充放電できたコイン型非水電解液電池のエネ
ルギー密度の平均値を求め評価した。この値が大きいほ
ど良い。
【0113】
【表3】
【0114】
【表4】
【0115】評価:表3の結果から明らかなように、本
発明における実施例1で作製した非水電解液電池用セパ
レーターは、繊度1デニール以下の極細繊維を40重量
%しか含有していない不織布からなるため最大細孔径が
大きめで、該非水電解液電池用セパレーターを用いて非
水電解液電池を組み立てた直後に開回路電圧不良を起こ
す場合があった。
【0116】実施例2で作製した非水電解液電池用セパ
レーターも、繊度1デニール以下の極細繊維を40重量
%しか含有していない不織布からなるが、ポリアルキレ
ンオキサイド変性ポリシロキサンの担持量が13.5%
と多いために、最大細孔径は実施例1の非水電解液電池
用セパレーターよりも小さくなり、該非水電解液電池用
セパレーターを用いて非水電解液電池を作製した直後に
開回路電圧不良は起こらなくなった。
【0117】実施例3〜21で作製した非水電解液電池
用セパレーターは、繊度1デニール以下の極細繊維を5
0重量%以上含有してなる不織布からなり、ポリアルキ
レンオキサイド変性ポリシロキサンが担持されているた
め、最大細孔径が小さく、該非水電解液電池用セパレー
ターを用いて作製した非水電解液電池は開回路電圧不良
がなく、高いエネルギー密度が得られた。
【0118】これらの中で実施例6、15、16、21
で作製した非水電解液電池用セパレーターのように、ポ
リアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンの担持量が
10%より多くなると、最大細孔径は著しく小さくなる
反面、電解液保持性がやや劣り、エネルギー密度がやや
減少する傾向と強度低下の傾向が見られた。
【0119】実施例12〜22で作製した非水電解液電
池用セパレーターは、分割型複合繊維の少なくとも一部
が分割して形成された極細繊維を50重量%以上含有し
てなる不織布からなるため、最大細孔径が小さく、電解
液保持性に優れるため高いエネルギー密度が得られた。
特に実施例13〜22で使用した分割型複合繊維は、一
成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体であるた
め、熱カレンダー処理によって被膜が形成され、他の極
細繊維を同量含有してなる場合よりも最大細孔径が小さ
く、且つ、引っ張り強度などの機械的強度が強く、該非
水電解液電池用セパレーターを用いて作製した非水電解
液電池は開回路電圧不良がなく、高いエネルギー密度が
得られた。
【0120】一方、表4の結果から明らかなように、比
較例1〜4で作製した非水電解液電池用セパレーター
は、ポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンの代
わりにジメチルジメトキシシランまたはジエチルジエト
キシシランを担持させてなるため、最大細孔径を小さく
する効果が得られず、該非水電解液電池用セパレーター
を用いて非水電解液電池を組み立てた直後に開回路電圧
が著しく低下し、充電に支障を来す場合があった。
【0121】比較例5、6で作製した非水電解液電池用
セパレーターは、有機珪素化合物が全く担持されていな
いため、最大細孔径が大きく、該非水電解液電池用セパ
レーターを用いて作製した非水電解液電池は開回路電圧
不良を起こす場合があった。また、繊維に含まれる水酸
基の影響により、エネルギー密度が著しく低かった。
【0122】比較例7で作製した非水電解液電池用セパ
レーターは、ミクロフィブリル化繊維を50重量%含有
してなるため、最大細孔径が小さく、該非水電解液電池
用セパレーターを用いて非水電解液電池を組み立てた直
後の開回路電圧不良がなく、高いエネルギー密度が得ら
れたが、ミクロフィブリル化繊維が細かすぎて繊維同士
の絡みが少なく、またミクロフィブリル化繊維自身に結
着力がないため、引張強度や突刺強度が著しく弱く電池
組立時の取り扱いに支障を来した。
【0123】
【発明の効果】有機珪素化合物を化学結合によって担持
させてなる非水電解液電池用セパレーターにおいて、本
発明のように該有機珪素化合物が、ポリアルキレンオキ
サイド変性ポリシロキサンである場合には、非水電解液
電池用セパレーターの最大細孔径を小さくする効果が大
きい。本発明における非水電解液電池用セパレーター
が、繊度1デニール以下の極細繊維を50重量%以上含
有してなる不織布からなる場合には、非水電解液電池用
セパレーターの最大細孔径が小さく、該非水電解液電池
用セパレーターを用いて作製した非水電解液電池の開回
路電圧不良を引き起こすことがなく、高いエネルギー密
度と優れたサイクル寿命が得られる。本発明における不
織布を構成する極細繊維が、分割型複合繊維の少なくと
も一部が分割して形成されてなる場合には、最大細孔径
がより小さくなる。特に分割型複合繊維の少なくとも一
成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリ
ビニルアルコールからなる場合には、これらが被膜を形
成して他の繊維や樹脂と結合するため、さらに最大細孔
径が小さくなり、非水電解液電池用セパレーターの引張
強度、引裂強度、突刺強度などの機械的強度が強くな
り、非水電解液電池を組立てる際の短絡不良率が低くな
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機珪素化合物が化学結合によって担持
    されてなる非水電解液電池用セパレーターにおいて、該
    有機珪素化合物がポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
    ロキサンであることを特徴とする非水電解液電池用セパ
    レーター。
  2. 【請求項2】 非水電解液電池用セパレーターが、繊度
    1デニール以下の極細繊維を50重量%以上含有してな
    る不織布からなる請求項1記載の非水電解液電池用セパ
    レーター。
  3. 【請求項3】 極細繊維が、分割型複合繊維の少なくと
    も一部が分割されて形成された請求項2記載の非水電解
    液電池用セパレーター。
  4. 【請求項4】 分割型複合繊維の少なくとも一成分が、
    エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニル
    アルコールからなる請求項3記載の非水電解液電池用セ
    パレーター。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項に記載の非水
    電解液電池用セパレーターを用いた非水電解液電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009087948A (ja) * 2008-12-05 2009-04-23 Du Pont Teijin Advanced Paper Kk コーティングセパレータ、その製造方法およびそれを用いた電気電子部品
JP2011166043A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Panasonic Corp 蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの製造方法

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