JP2000283920A - 流動状態解析装置及び方法 - Google Patents

流動状態解析装置及び方法

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JP2000283920A
JP2000283920A JP8843999A JP8843999A JP2000283920A JP 2000283920 A JP2000283920 A JP 2000283920A JP 8843999 A JP8843999 A JP 8843999A JP 8843999 A JP8843999 A JP 8843999A JP 2000283920 A JP2000283920 A JP 2000283920A
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solid
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liquid
measurement
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JP8843999A
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Toshiaki Tsubone
俊明 局
Kei Baba
圭 馬場
Katsumi Tsuchiya
活美 土屋
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固体、液体、気体からなる3相系溶液の流動状
態を高精度に測定する。 【解決手段】固形物と気泡の少なくとも一方を測定対象
物として含む液体の流動状態を解析する装置2である。
この装置2は、光ファイバ4a、4bを折り曲げた折り
曲げ部を削って形成され液体内に備えられるプローブ5
a、5bと、このプローブ5a、5bを形成する光ファ
イバ4a、4bの一端に光を投光する投光手段3と、プ
ローブ5a、5bを形成する光ファイバ4a、4bの他
端から光を受光する受光手段6と、この受光手段6によ
って受光した光の状態に基づいて、測定対象物の種別判
定、測定対象物の径測定、測定対象物の移動速度測定、
液体の容積に対する測定対象物の容積の割合測定のう
ち、少なくとも一つを実行する解析手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体(固相)、気
体(気相)、液体(液相)からなる3相系溶液中の固形
物ならびに気泡の径、移動特性、ホールドアップ(volu
me of material held or contained in a process:溶
液の容積に対する固形物又は気泡の容積の割合)を測定
する流動状態解析装置及び方法に関し、例えば微生物固
定化担体を利用する排水処理装置である気液固3相流動
床における固体物ならびに気泡の径、移動特性、ホール
ドアップを測定する流動状態解析装置及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】下水処理システム、排水処理システムに
おいては、例えば下水又は排水に微生物固定化担体が混
ぜられ、担体投入型生物反応漕を用いて浄化処理がなさ
れる。
【0003】図6は、下水処理システムの概略を示すブ
ロック図である。
【0004】この下水処理システム1においては、まず
流入された下水に対して第1沈殿池1aで浄化がなされ
る。
【0005】次に、第1沈殿池1aで浄化された下水に
担体が加えられ、担体投入型生物反応漕1bによって生
物反応による浄化がなされる。
【0006】次に、この担体投入型生物反応漕1bの生
物反応によって浄化された下水から担体が分離スクリー
ン1cによって分離される。
【0007】そして、担体が分離された下水が第2沈殿
池1dで浄化され、処理水として流出される。
【0008】ここで、例えば担体投入型生物反応漕1b
等のような化学工学、生物工学上の反応装置で扱う気
体、液体、固体を含む多相溶液の流動状態を測定するこ
とは、液体の状態を各種の処理条件として利用する場合
や、反応装置内の現状を認識する場合に有用である。
【0009】従来において、反応装置における多相溶液
の状態を測定する方法として、液体と気体を含む2相系
溶液における気泡の状態の測定方法が適用されている。
すなわち、多相溶液であっても、2相系溶液における気
泡の状態測定を行い、この気泡の状態測定により多相溶
液の状態を判断している。
【0010】従来から利用されている2相系溶液におけ
る気泡の状態測定方法には、例えば写真撮影法、ビデオ
撮影法、透過光強度測定法、レーザードップラー法、電
気探針法、超音波反射・透過法、光プローブ法等があ
る。
【0011】ここで、写真撮影法又はビデオ撮影法は、
溶液の映像を撮影し、この映像を画像解析して気泡の状
態を求めるものである。
【0012】また、透過光強度測定法、レーザードップ
ラー法、電気探針法、超音波反射・透過法は、光や電
流、超音波等の信号を溶液に発信し、次に溶液を透過後
あるいは溶液から反射された後の光や電流、超音波等の
信号を受信し、この受信した信号の結果に基づいて気泡
の状態を求めるものである。
【0013】さらに、光プローブ法は、実開昭57−1
66114号公報、実開昭58−69206号公報に開
示されている手法であり、信号の発信部、検出部及び伝
達部に光ファイバを使用する方法である。この光プロー
ブ法に利用されるセンサにおいては送信ファイバと受信
ファイバとが別々に設けられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来においては、多相溶液の状態を調べる場合であって
も2相系溶液における気泡の状態測定方法を適用してい
る。
【0015】しかしながら、上記の透過光強度測定法、
レーザードップラー法、電気探針法、超音波反射・透過
法は、液体と気体の間の密度、屈折率、電気伝導度等の
差を利用して溶液の状態を測定する方法であり、これら
の方法によって液体中の気泡の状態を測定しても直接測
定に関わらない固体によって液体中の信号の伝搬が妨げ
られ、精度の高い測定ができない。すなわち、これらの
方法は、気体及び液体からなる2相系溶液に適用する場
合には比較的良好な精度で測定可能であるが、3相系の
溶液の場合に適用すると、固体がその測定を妨害し、気
体の測定精度に問題が生じる。
【0016】また、写真撮影法及びビデオ撮影法は、映
像を解析する方法であるため、2次元のモデルには適用
可能であるが、3次元のモデルのように撮影面からさら
に幅(厚さ)がある場合には撮影しきれない部分(溶液
の内部)が発生し、この部分の状態が測定不可能であ
る。
【0017】さらに、従来の光プローブ法は、液体中に
含まれている気体の測定を主な目的としており、固体は
一般的に反射光が弱いため測定対象とされていない。こ
こで、弱い反射を生じさせる障害物を固体として検出
し、固体の状態を測定したとしても、液体中の気体及び
固体の双方を同時に計測できなくなるという問題があ
る。すなわち、この従来の光プローブ法によって3相溶
液の解析を行う場合、反射光の波形から液体に含まれて
いる固体、気体を区別することは困難である。
【0018】このように、従来から適用されている液体
中の気体の状態を測定する方法では、固体、液体、気体
からなる3相系の状態を解析することができない。
【0019】本発明は、以上のような実状に鑑みてなさ
れたもので、光ファイバを折り曲げ、この折り曲げ部を
削って形成される光プローブを利用することで、固体、
気体を含む液体の流動状態を高精度に解析する流動状態
解析装置及び方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下のような手段を講じた。
【0021】第1の発明は、固形物と気泡の少なくとも
一方を測定対象物として含む液体の流動状態を解析する
装置であって、光ファイバを折り曲げた折り曲げ部を削
って形成され、液体内に備えられる少なくとも一つのプ
ローブと、プローブを形成する光ファイバの一端に光を
投光する投光手段と、プローブを形成する光ファイバの
他端から光を受光する受光手段と、受光手段によって受
光した光の状態に基づいて、測定対象物の種別判定、測
定対象物の径測定、測定対象物の移動速度測定、液体の
容積に対する測定対象物の容積の割合測定のうち、少な
くとも一つを実行する解析手段とを具備した流動状態解
析装置である。
【0022】この第1の発明の流動状態解析装置では、
光ファイバを折り曲げた際の折り曲げ部を削ったプロー
ブが用いられる。この光ファイバの一端から投光された
光の一部は折り曲げ部から液体内に放射される。液体内
に放射された光は、固形物又は気泡に当たって反射さ
れ、再び光ファイバに入り、この光ファイバの他端に伝
達された光の光量が測定される。なお、気泡が直接プロ
ーブに接する場合もあるが、この場合には光ファイバの
一端から投光された光の一部は折り曲げ部から気泡内に
放射され、気泡内に放射された光が反射され、再び光フ
ァイバに入り、この光ファイバの他端に伝達された光の
光量が測定される。
【0023】この光ファイバの他端に受光される光量の
変化を調べると、反射体があるか否かを識別可能であ
り、また反射体がある場合にはこの反射体が固形物か又
は気泡かを識別可能である。
【0024】したがって、この反射光量の変化によっ
て、液体中の気体又は固体の種別判定が可能である。
【0025】また、このプローブを2つ並べて設置し、
光ファイバの他端に伝達される光の量の変化の時間差に
よって固形物又は気泡の移動速度が求められる。
【0026】さらに、光量の変化(固形物又は気泡の検
出されている時間長)と移動速度とによって、固形物又
は気泡の径の測定が可能である。
【0027】さらに、光量の変化によって所定時間内に
検出される固形物又は気泡の数とこの所定時間内に検出
された固形物又は気泡の径とから固形物又は気泡の容積
を求め、この求めた容積から固形物又は気泡のホールド
アップ(充填率)を求めることができる。なお、固形物
及び気泡のホールドアップは、プローブにおけるそれぞ
れの検出時間を全測定時間で除したものとして算出する
こともできる。
【0028】ゆえに、多相溶液に含まれる固形物及び気
泡の双方の状態を同時に測定することができ、また削り
部から放射されて多相溶液中を透過する光の反射により
測定がなされるため、3次元的な反応装置における多相
溶液の流動状態も良好に測定できる。
【0029】第2の発明は、固形物と気泡の少なくとも
一方を測定対象物として含む液体の流動状態を解析する
方法であって、光ファイバを折り曲げた折り曲げ部を削
って形成された少なくとも一つのプローブを前記液体内
に備え、プローブを形成する光ファイバの一端から光を
投光し、プローブを形成する光ファイバの他端から光を
受光し、受光された光の状態に基づいて、測定対象物の
種別判定、測定対象物の径測定、測定対象物の移動速度
測定、液体の容積における測定対象物の容積の割合測定
のうち、少なくとも一つを実行する流動状態解析方法で
ある。
【0030】この第2の発明の流動状態解析方法は、上
記第1の発明の流動状態解析解析装置で実施される解析
方法であり、第1の発明と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。
【0032】本実施の形態においては、光ファイバを折
り曲げて削った光プローブを用いて、この光プローブの
前方に気相又は固相があるか否かを解析し、気相又は固
相の状態を解析することでこの気相及び固相を含む液相
の流動状態を解析する流動状態解析装置について説明す
る。
【0033】図1は、本実施の形態に係る流動状態解析
装置の構成を示すブロック図である。
【0034】この流動状態解析装置2は、主に投光器3
と、2本の光ファイバ4a、4bを加工して生成される
2つの光プローブ5a、5bと、受光器6と、データ処
理装置7とから構成される。
【0035】投光器3は、各光ファイバ4a、4bの一
端側に光を投光するレーザ投光用コリメータであり、例
えば波長650nmの赤色レーザ発光ダイオード3a、
3b(max1.5mW)が2つ利用される。
【0036】各光プローブ5a、5bは、一端が投光器
3に接続され他端が受光器6に接続された光ファイバ4
a、4bを折り曲げ、この折り曲げ部の先端を削って生
成される。折り曲げ部の先端からは投光器3によって光
ファイバ4a、4bに投光されたレーザの一部が放射さ
れ、この放射先に固相又は気相等のような反射体がある
とこの放射されたレーザが反射され、この反射体による
反射光が再び折り曲げ部の先端から光ファイバ4a、4
b内に取り入れられる。
【0037】図2は、光プローブ5a、5bを生成する
ために光ファイバを折り曲げて削る状態を示す図であ
る。
【0038】光ファイバ4の折り曲げの曲率及び研削量
は、反射体が固相であるか気相であるかを反射光量から
分別可能な領域となるように設定される。
【0039】一般的に、気相についてはどのような研削
量においても十分な反射感度が得られるため、固相につ
いて良好な反射感度が得られるような折り曲げ曲率及び
研削量が用いられる。
【0040】すなわち、反射光の応答は、3相溶液の条
件(固形物の形状、表面性状、3相のホールドアップ、
吹き込みガス量等の条件)によって異なるため、気相、
液相、固相とで異なる応答波形が発生するように、光フ
ァイバ4の折り曲げ曲率及び研削量は調整される。
【0041】なお、ここでは光ファイバ4の折り曲げ部
先端の削り量は、反射光の量が反射体によって最も異な
るような削り量をトライアンドエラーによって定めると
する。
【0042】図3は、光プローブ5a、5bの外観を示
す側面図であり、2つの光プローブ5a、5bが組み合
わされている。
【0043】各光プローブ5a、5bは、ぞれぞれ直径
0.25mmの光ファイバ4a、4bが折り曲げられ、
この折り曲げ部の先端が削られて形成される。各光ファ
イバ4a、4bは、それぞれタイゴン・チューブ30
a、30b内を通過し、外径1.2mm、内径0.8m
mのステンレス管8a、8bの一端側から挿入され、折
り曲げ部がステンレスパイプ8a、8bの他端側に1.
5mm突き出た状態でエポキシ樹脂9により固定されて
いる。また、2本のステンレスパイプ8a、8bは、そ
れぞれの軸が平行になり、それぞれが有する光ファイバ
4a、4bの折り曲げ部の中心距離が2.0mmとなる
ように外径4mmのステンレス棒31に固定されてい
る。さらにこのステンレス棒31が外径4.2mmのス
テンレス管10に固定されている。このステンレス管1
0とタイゴン・チューブ30a、30bはエポキシ樹脂
9により固定されている。
【0044】ステンレス管10の軸方向の長さは22m
mであり、ステンレス棒31はステンレス管10から軸
方向に15mm突出しており、さらにステンレス管8
a、8bはステンレス管10から軸方向に20mm突出
している。
【0045】図1の受光器6は、各光ファイバ4a、4
bの他端側で検出される微弱の光信号を電気信号に変換
し、増幅してデータ処理装置7に出力する装置であり、
光電子増倍管(Photomultiplier)11a、11b、マ
ルチ出力型直流安定化電源12、フォトセンサアンプ1
3a、13bとから構成される。
【0046】マルチ出力型直流安定化電源12は、高圧
電源を光電子増倍管11a、11bに提供する装置であ
り、ここでは−(400〜1500)V、1Aの電源を
提供可能な装置が利用されている。
【0047】光電子増倍管11a、11bは、波長18
5〜850nmの範囲で光を受光可能な装置であり、受
光した光を電気信号としてフォトセンサアンプ13a、
13bに出力する装置である。
【0048】フォトセンサアンプ13a、13bは、光
電子増倍管11a、11bから出力された電気信号を増
幅してデータ処理装置7に出力する。
【0049】データ処理装置7は、フォトセンサアンプ
13a、13bから入力したアナログの電気信号をA/
D変換器によってデジタルの電気信号に変換する。ま
た、このデータ処理装置7は、ソフトウェアとして電気
信号のデジタルサンプリング用プログラム、信号処理用
プログラム、統計解析用プログラムを備えている。
【0050】図4は、データ処理装置7で得られる電気
信号の変化状態例を示す図である。
【0051】光プローブの前方を気泡が通過した場合に
は、データ処理装置7で観測される電気信号の電圧値が
大きく上昇する。そこで、気泡識別用のしきい値TBを
定め、このしきい値TBを電気信号の電圧値が超える場
合を気泡通過状態Bと考えることができる。
【0052】また、光プローブの前方を固形物が通過し
た場合には、電気信号の電圧値が気泡の通過時ほどでは
ないが上昇する。そこで、固形物識別用のしきい値TP
を定め、このしきい値TPを電気信号の電圧値が超える
場合を固形物通過状態Pと考える。
【0053】したがって、このデータ処理装置7は、上
記ソフトウェア群の処理により、電気信号の電圧の変化
状態としきい値TB、TPとを比較し、各光プローブ5
a、5bの前方の固相又は気相の有無を判定する。
【0054】また、2つの光プローブ5a、5bによっ
て固形物又は気泡が検出される時間差と2つの光プロー
ブ5a、5bの折り曲げ部の距離とに基づいて、検出さ
れた固形物又は気泡の移動速度を求める。
【0055】さらに、光プローブ5a、5bのいずれか
の前方を固形物又は気泡が通過する時間と先で測定され
た固形物又は気泡の移動速度とに基づいて、いずれかの
光プローブ前方の固形物又は気泡の径を求める。
【0056】さらに、所定時間内に検出された固形物又
は気泡の数、当該所定時間内に測定された固形物又は気
泡の径、先で測定された固形物又は気泡の移動速度とに
基づいて、固形物又は気泡のホールドアップを計算で求
める。
【0057】上記のような構成を有する流動状態解析装
置2によって実行される流動状態解析動作について以下
に説明する。
【0058】本実施の形態に係る流動状態解析装置2
は、例えばアルコール製造処理や排水処理などで利用さ
れる生物化学反応漕内の3相溶液の流動状態を解析す
る。
【0059】この生物化学反応漕の3相溶液内には、こ
の流動状態解析装置2の2つの光プローブ5a、5bが
設置されており、投光器3からのレーザが各光ファイバ
4a、4bの一端に投光される。
【0060】投光器3から投光されたレーザは、各光フ
ァイバ4a、4bによって伝達されるが、このレーザの
一部は各光ファイバ4a、4bの折り曲げ部でクラッド
層に漏出され、さらに削り部から溶液中に放出される。
【0061】ここで、光プローブ5a、5bの削り部か
ら放出されるレーザの放出先(以下、「光プローブの前
方」という)に固形物や気泡がある場合には、この放出
されたレーザが固形物や気泡によって反射される。そし
て、この反射された光は、再び光プローブ5a、5bの
削り部から光ファイバ4a、4b内部に取り入れられ、
放出されなかったレーザとともに光ファイバ4a、4b
の他端側に導かれる。
【0062】受光器6では各光ファイバ4a、4bの他
端側に導かれたレーザの光量が検出され、この検出され
た光量に関するデータがデータ処理装置7に出力され
る。
【0063】データ処理装置7では、光量の変化に基づ
いて各光プローブ5a、5bの前方に固形物又は気泡が
あるか否かが判定される。また、2つの光プローブ5
a、5bの前方に固形物又は気泡があると判定された場
合の時間差と2つの光プローブ5a、5bの折り曲げ部
の距離に基づいて、固形物又は気泡の移動速度が測定さ
れる。さらに、光プローブ5a、5bのいずれかの前方
に固形物又は気泡があると判定された時間長(光プロー
ブ前方を固形物又は気泡が通過する時間)と測定された
固形物又は気泡の移動速度とに基づいて、この光プロー
ブ前方に存在する固形物又は気泡の径が測定される。さ
らに、所定時間内に測定された固形物又は気泡の径から
気泡又は固体の体積が推定され、この気泡又は固体の体
積と、所定時間内に測定された固形物又は気泡の数と、
測定された固形物又は気泡の移動速度とに基づいて、固
形物又は気泡のホールドアップが測定される。
【0064】以上説明したように、本実施の形態に係る
流動状態解析装置2においては、光ファイバ4a、4b
を2つに折り曲げ、その先端を削り取って形成した光プ
ローブ5a、5bが液体中に配置され、この光プローブ
5a、5bを構成する光ファイバ4a、4bで伝達され
る光の量が検出される。
【0065】すなわち、光ファイバ4a、4bを削った
ことにより入射光の一部が3相溶液中に放射され、固形
物や気泡に当たって反射した光が再び光プローブ5a、
5b内に取り込まれる。そして、この反射光の信号が解
析され、3相溶液の流動状態が解析される。
【0066】この流動状態解析装置2においては、送信
側から受光側まで伝達されるレーザ光線が一本の光ファ
イバ4a、4bによって導かれる。したがって、この流
動状態解析装置の光プローブ5a、5bは、従来の光プ
ローブ法で用いられるセンサ(送信ファイバと受信ファ
イバが別となっている)に比べ、反射光の検出感度が約
10倍以上、場合によっては100倍近く向上する。
【0067】したがって、この光プローブ5a、5bを
介して伝達されるレーザ光の光量は、当該光プローブ5
a、5bの前方に液相のみが存在する場合、気相が存在
する場合、固相が存在する場合でそれぞれ大きく相違す
るため、光プローブ5a、5bの前方における固形物や
気泡の有無判定が可能となる。
【0068】また、この光プローブ5a、5bを2つ並
べて配置することで固形物又は気泡の移動速度が測定さ
れる。
【0069】さらに、測定された固形物又は気泡の移動
速度と一方の光プローブ5a、5bの前方を固形物又は
気泡が通過する時間とに基づいて、固形物又は気泡の径
が測定される。
【0070】さらに、観測された固形物又は気泡の数
と、測定された固形物又は気泡の移動速度と、各固形物
又は気泡の径とに基づく演算によって、固形物又は気泡
のホールドアップが測定される。
【0071】したがって、3相溶液中に含まれる固形物
及び気泡の双方の状態を同時に測定することができる。
【0072】また、本実施の形態においては、光プロー
ブ5a、5bを構成する光ファイバ4a、4bの削り部
から3相溶液中に放射されたレーザ光の反射具合によっ
て固形物と気泡のうちの少なくとも一つの状態が測定さ
れるため、3次元的に3相溶液内部の流動状態が解析可
能である。
【0073】なお、本実施の形態に係る流動状態解析装
置2の構成要素において採用されている各寸法は一例に
すぎず、測定対象や測定状況によって最適な寸法に変更
可能である。
【0074】
【実施例】(実施例1)本発明の第1の実施の形態に係
る流動状態解析装置2の測定精度について以下に説明す
る。なお、ここでは既知の値及びビデオ撮影法による測
定値と、本発明によって得られる測定値とを比較し、精
度の良否を判断する。
【0075】図5は、本発明の流動状態解析装置2によ
って測定された値の精度調査を行うための2次元気泡モ
デル水槽を示す斜視断面図である。
【0076】ここでは例として、内寸が幅1m、空気を
吹き込まない状態での有効水深2m、奥行き3cmの2
次元気泡モデル水槽14が適用されている。
【0077】また、この2次元気泡モデル水槽14に
は、この水槽14の中央付近を縦に区切る仕切り板15
が設けられている。
【0078】この2次元気泡モデル水槽14には固形物
16を含む水が満たされる。なお、固形物16として
は、直径4.0mm、比重1.03のプラスチックビー
ズを用いる。また、ここでは、液体に対するホールドア
ップ(充填率)が体積換算で3%となる量の固形物16
が水に含まれている。
【0079】さらに、この2次元気泡モデル水槽14に
は、仕切り板15で分けられた一方の底部に空気吹き込
み用のディフューザ17が設置されており、このディフ
ューザ17から空気が水中に吹き込まれて気泡18が生
成され、固形物16及び水が流動化される。
【0080】第1の実施の形態に係る流動状態解析装置
2による流動状態の解析位置は、仕切り板15で分けら
れた2次元気泡モデル水槽2の一方側の上部、中部、下
部、及び仕切り板15で分けられた他方側の上部、中
部、下部の6点である。
【0081】表1は、既知の値、ビデオ撮影法による測
定結果、本発明による測定結果の測定値の比較を示して
いる。
【0082】なお、本発明による測定結果である固形物
16又は気泡18の移動速度には、測定点Bで測定され
た移動速度を用いている。また、この移動速度以外の測
定値としては、測定点A〜Fで測定された値の平均値を
用いている。
【0083】
【表1】
【0084】この表1の測定結果が示すように、本発明
により測定された固形物16の径は4.03mmであ
り、固形物16の径として既に知られている値4.0m
mとほぼ同様である。
【0085】また、本発明により測定された固形物16
のホールドアップは3.05%であり、固形物16のホ
ールドアップとして既に知られている値3.0%とほぼ
同様である。
【0086】さらに、本発明により測定された固形物1
6の移動速度21.2cm/秒、気泡18の径3.2m
m、気泡18の移動速度33.4cm/秒、気泡18の
ホールドアップ2.3%は、それぞれビデオ撮影法によ
り測定された固形物16の移動速度21.1cm/秒、
気泡18の径3.2mm、気泡18の移動速度33.3
cm/秒、気泡18のホールドアップ2.2%とほぼ同
様である。すなわち、本発明により測定された各測定値
は、ビデオ撮影法により測定された各測定値と±5%以
内の差しか有さない結果となる。
【0087】以上の比較結果により、本発明を適用する
ことで、3相溶液における固相及び気相の移動速度、
径、ホールドアップの測定が高精度に可能であり、良好
な流動状態の解析が可能なことが分かる。
【0088】(実施例2)本発明は液体中に放出された
光の反射具合に基づいて流動状態を解析するため、2次
元的な状態の3相溶液に限られず、3次元的な状態の3
相溶液に対して流動解析が可能である。
【0089】上記の実施例1において精度の良否判定を
2次元モデルで行ったのは、本発明以外の流動状態の解
析手法では3次元モデルにおける気泡の径、気泡の移動
速度が測定不能であり、本発明と他の方法とで結果の比
較ができないためである。
【0090】しかしながら、3次元モデルにより良否判
定を行う場合であっても、固形物の径、固形物のホール
ドアップに関しては既知の値と本発明による測定値とを
比較すればよく、また気体のホールドアップに関しては
演算で推定される値と本発明による測定値とを比較すれ
ば測定精度の良否判定が可能となる。
【0091】すなわち、ここでは、固形物の径は、先の
実施例1の場合と同様に予め径が知られている固形物を
水に含ませる。また、固形物のホールドアップは、水へ
の固形物の投入量から予め求める。さらに、気体のホー
ルドアップは、{(気泡を吹き込んでいる時の水面の高
さ−気泡を吹き込まない時の水面の高さ)×水槽の垂直
方向の断面積}により算出される。そして、これらの値
と、本発明による測定値とを比較し、良否判定を試み
る。
【0092】以上のような点に鑑み、ここでは3次元モ
デルとして、内径が30cmであり高さが4mの外筒管
と、内径が17cmであり外径が18cmであり高さが
3.7mの内筒管とから構成されるドラフトチューブ式
の反応装置(ドラフト管つき気泡塔)により良否判定を
試みる。なお、このドラフトチューブ式の反応装置で
は、内筒管内部を気泡が上昇し、内筒管と外筒管の間を
戻り水が流れる。
【0093】このドラフトチューブ式反応装置におい
て、本発明により測定された固体の径は、既に知られて
いる固体の径と±5%以内の差しか有さない。また、本
発明により測定された固体のホールドアップも、既に知
られている固体のホールドアップと±5%以内の差しか
有さない。さらに、本発明により測定された気泡のホー
ルドアップも、算出された気泡のホールドアップと±5
%以内の差しか有さない。
【0094】以上の比較結果により、本発明を適用する
ことで、3次元のモデルにおいても、3相溶液における
固相及び気相の径、ホールドアップ等の測定が高精度に
可能であることが分かる。
【0095】
【発明の効果】以上詳記したように本発明では、光ファ
イバを折り曲げ、この折り曲げ部の先端を削って形成し
たプローブを3相溶液内に備える。そして、この光ファ
イバの一端に投光した光を光ファイバの他端において受
光し、検出する。
【0096】この光ファイバで伝達される光の一部は、
プローブの削り部から溶液中に放出されるが、この放出
された光は放出先に固形物又は気泡のような測定対象物
があれば反射され、再びプローブ内部に取り込まれる。
【0097】また、プローブを形成する際の光ファイバ
の折り曲げや削りは、プローブ内部に取り込まれる反射
光の量が反射対象物の種別によって大きく変化するよう
に行われている。
【0098】したがって、本発明においては、プローブ
の削り部から放出された光の放出先に固形物又は気泡が
あるか否かを高精度に識別可能である。
【0099】また、上記のプローブを2つ用いることに
より、識別された固形物又は気泡の移動速度、径、ホー
ルドアップが高精度に測定される。
【0100】したがって、本発明を適用することで、多
相溶液に含まれている固形物及び気泡の双方の状態を同
時に解析することができる。
【0101】また削り部から放射されて多相溶液中を透
過する光の反射により測定がなされるため、3次元的な
反応装置における多相溶液内部の流動状態も良好に解析
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る流動状態解析装置の
構成を示すブロック図。
【図2】光プローブを生成するために光ファイバを折り
曲げて削る状態を示す図。
【図3】光プローブの外観を示す側面図。
【図4】データ処理装置で得られる電気信号の変化状態
例を示す図。
【図5】本発明の流動状態解析装置によって測定された
値の精度調査を行うための2次元気泡モデル水槽を示す
斜視断面図。
【図6】下水処理システムの概略を示すブロック図。
【符号の説明】
1…下水処理システム 2…流動状態解析装置 3…投光器 3a、3b…赤色レーザ発光ダイオード 4a、4b…光ファイバ 5a、5b…光プローブ 6…受光器 7…データ処理装置 8a、8b、10…ステンレス管 30a、30b…タイゴン・チューブ 31…ステンレス棒 9…エポキシ樹脂 11a、11b…光電子増倍管 12…マルチ出力型直流安定化電源 13a、13b…フォトセンサアンプ 14…2次元気泡モデル水槽 15…仕切り板 16…固形物 17…ディフューザ 18…気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 活美 徳島県徳島市南常三島町2丁目1番地 徳 島大学工学部化学応用工学科内 Fターム(参考) 2F065 AA26 AA61 CC00 FF32 FF44 GG06 JJ05 JJ17 LL02 NN13 QQ01 QQ03 QQ08 QQ25 2G059 AA05 BB04 CC20 EE02 FF07 GG01 GG03 HH01 HH02 HH06 JJ17 KK02 KK03 MM05 MM09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形物と気泡の少なくとも一方を測定対
    象物として含む液体の流動状態を解析する装置であっ
    て、 光ファイバを折り曲げた折り曲げ部を削って形成され、
    前記液体内に備えられる少なくとも一つのプローブと、 前記プローブを形成する光ファイバの一端に光を投光す
    る投光手段と、 前記プローブを形成する光ファイバの他端から光を受光
    する受光手段と、 前記受光手段によって受光した光の状態に基づいて、前
    記測定対象物の種別判定、前記測定対象物の径測定、前
    記測定対象物の移動速度測定、前記液体の容積に対する
    前記測定対象物の容積の割合測定のうち、少なくとも一
    つを実行する解析手段とを具備したことを特徴とする流
    動状態解析装置。
  2. 【請求項2】 固形物と気泡の少なくとも一方を測定対
    象物として含む液体の流動状態を解析する方法であっ
    て、 光ファイバを折り曲げた折り曲げ部を削って形成された
    少なくとも一つのプローブを前記液体内に備え、 前記プローブを形成する光ファイバの一端から光を投光
    し、 前記プローブを形成する光ファイバの他端から光を受光
    し、 前記受光された光の状態に基づいて、前記測定対象物の
    種別判定、前記測定対象物の径測定、前記測定対象物の
    移動速度測定、前記液体の容積における前記測定対象物
    の容積の割合測定のうち、少なくとも一つを実行するこ
    とを特徴とする流動状態解析方法。
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Cited By (3)

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JP2007171025A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 気液二相流模擬試験装置および気液二相流模擬試験方法
CN104237077A (zh) * 2014-09-22 2014-12-24 中国石油大学 一种气体扩散速度测定装置及应用
JP2022070861A (ja) * 2020-03-03 2022-05-13 パイオニア株式会社 気泡検出器

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