JP5443404B2 - 蛍光検出装置、蛍光検出装置の診断方法、および蛍光検出方法 - Google Patents

蛍光検出装置、蛍光検出装置の診断方法、および蛍光検出方法 Download PDF

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本発明は、レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する蛍光検出装置、この装置の診断方法、およびこの装置が行う蛍光検出方法に関する。
医療、生物分野では、フローサイトメータが広く用いられている。このフローサイトメータは、レーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を光電子増倍管やアバランシェフォトダイオード等の光電変換器を用いて受光して、細胞や遺伝子等の生体物質の種類や頻度、さらには、測定対象物の特性を分析する。
具体的には、フローサイトメータは、細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の生体物質等の分析対象物を蛍光試薬でラベル化して作った測定対象物を、圧力を与えて毎秒約10m以内の速度で管路内を流れるシース液に流してラミナーシースフローを形成する。このフロー中の測定対象物にレーザ光を照射することにより、フローサイトメータは、分析対象物に付着した蛍光色素が発する蛍光を受光し、この蛍光を分析対象物のラベルとして識別することで分析対象物を特定する。
特に、異なる蛋白質同士か結合するか否か等の蛋白質の相互作用に関する研究において、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いた蛍光検出装置及び蛍光検出方法が有効に用いられつつある。FRETは、蛋白質同士が結合してお互いの蛋白質に付着した蛍光色素のうち一方の蛍光色素から他方の蛍光色素に、励起したエネルギーの一部が、双極子モーメントの作用を介して発光することなく移動して、移動先の蛍光色素が移動したエネルギーを用いて蛍光を発する現象をいう。例えば、蛍光緩和時間を用いてFRETの程度を測定することにより、蛋白質間の相互作用、あるいは蛋白質間の結合を調べることが可能なFRETを用いた蛍光検出装置及び蛍光検出方法が知られている(特許文献1)。
特開2007−232559号公報
しかし、上記FRETを用いた蛍光検出装置及び蛍光検出方法における蛍光緩和時間の測定では、別の測定方法により既知となった蛍光物質の蛍光緩和時間を基準として、蛍光緩和時間は算出される。すなわち、測定対象物の蛍光緩和時間は、既知の蛍光物質の蛍光緩和時間に基づいて較正される。しかし、この基準となる蛍光物質の蛍光緩和時間は、測定方法によりばらつき、また、蛍光物質の経時変化によって蛍光緩和時間が変化することがあり、必ずしも基準とする蛍光緩和時間が絶対的な値であるとはいえない場合もある。
測定対象とする蛍光の蛍光緩和時間が比較的長い場合は、算出された蛍光緩和時間は、上記基準とする蛍光緩和時間の変動の影響を大きく受けないが、蛍光緩和時間が短い場合、上記基準とする蛍光緩和時間の変動の影響を大きく受けることになる。このような問題は、所定の蛍光物質の発する蛍光の蛍光強度を基準として蛍光強度を求める場合においても同様に生じる。
そこで、本発明は、レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する際、従来に比べて蛍光検出をより正確に行うことができる蛍光検出装置及び蛍光検出方法、および、従来に比べて蛍光検出をより正確に行うための蛍光検出装置の診断方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する蛍光検出装置である。当該装置は、
測定対象物を測定点で照射するためにレーザ光を出射するレーザ光源部と、
前記測定対象物が前記レーザ光の照射を受けることで発する蛍光の波長の光を透過するフィルタを備え、前記フィルタを透過した光を受光して第1受光信号を出力する第1受光部と、
前記第1受光信号を処理して処理信号を生成する信号処理部と、
前記処理信号を用いて、蛍光の蛍光強度および蛍光緩和時間を算出する分析部と、
前記レーザ光が通過するとき、前記レーザ光の波長を前記フィルタを透過する光の波長にシフトする変換素子であって、前記レーザ光源部と、前記測定対象物を照射する前記レーザ光の測定点との間の光路上に挿入自在に設けられた波長変換素子と、を有する。
当該装置は、前記波長変換素子が前記光路外の位置に配された状態で、前記レーザ光を前記測定点に位置する前記測定対象物に照射し、前記測定対象物が発する前記蛍光を前記第1受光部が受光し、前記分析部において前記処理信号を用いて前記蛍光の蛍光強度および蛍光緩和時間の少なくとも一方を算出する測定モードと、前記波長変換素子が前記光路内の位置に配され、前記測定対象物が前記測定点に位置しない状態で、前記波長変換素子を通過した前記レーザ光の一部を前記第1受光部が受光し、前記分析部において前記処理信号を用いて、前記第1受光部及び前記信号処理部における信号の伝送・処理遅延を診断する診断モードとの間で、モードの切り替えを行う、
前記蛍光検出装置は、さらに、前記測定点を通過した前記レーザ光の一部を受光し、あるいは、前記測定点に位置する前記測定対象物により散乱した前記レーザ光の散乱光を受光して、第2受光信号を出力する第2受光部を有し、
前記レーザ光源部が出射する前記レーザ光は、設定された周波数の変調信号で強度変調される。
このとき、前記蛍光検出装置は、前記測定モードでは、
前記信号処理部は、前記変調信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第1処理信号を生成し、前記分析部は、前記第1処理信号を用いて蛍光の蛍光緩和時間を算出し、
前記診断モードでは、
前記信号処理部は、前記第2受光部から出力された前記第2受光信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号を生成し、前記分析部は、前記第2処理信号を用いて前記第1受光信号の前記位相遅れを伝送・処理遅延として算出し、算出した前記伝送・処理遅延を、前記測定モードにおいて前記蛍光緩和時間を算出する際に用いる、ことが好ましい。
また、前記分析部は、例えば、前記伝送・処理遅延が設定範囲を超えた場合、前記第1受光部あるいは前記信号処理部に異常がある、と判定する。
前記波長変換素子は、ウランガラスからなる板部材であることが好ましい。
前記診断モードは、前記測定モードの前に実行されることが好ましい。
また、本発明の別の一態様は、レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する蛍光検出装置の診断方法である。
前記蛍光検出装置は、測定対象物を測定点で照射するためにレーザ光を出射するレーザ光源部と、前記測定対象物が前記レーザ光の照射を受けることで発する蛍光の波長の光を透過するフィルタを備え、前記フィルタを透過した光を受光して、第1受光信号を出力する第1受光部と、前記測定点を通過した前記レーザ光の一部を受光して第2受光信号を出力する第2受光部と、前記第1受光信号を処理して処理信号を生成する信号処理部と、前記処理信号を用いて蛍光を分析する分析部と、を有する。
当該診断方法は、
前記レーザ光源部から出射したレーザ光を、前記測定点に至る光路上で、波長変換素子を用いて前記フィルタを透過する光の波長にシフトし、
波長のシフトした前記レーザ光の一部を、前記フィルタを通して前記第1受光部で受光して前記第1受光信号を出力するとともに、波長のシフトした前記レーザ光の一部を前記第2受光部で受光して第2受光信号を出力し、
前記信号処理部において、前記第1受光信号を処理して前記第2受光信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号を生成し、
前記分析部において、前記第1受光信号の位相遅れを含む前記第2処理信号を用いて前記第1受光信号の前記位相遅れを伝送・処理遅延として算出し、算出された前記伝送・処理遅延の診断を行うことにより前記蛍光検出装置の診断を行う、
その際、例えば、前記伝送・処理遅延が設定範囲を超えた場合、前記第1受光部あるいは前記信号処理部に異常があると判定する。
また、前記レーザ光の波長のシフトのために、ウランガラスからなる板部材を前記波長変換素子として用いることが好ましい。
本発明のさらに別の一態様は、レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する蛍光検出装置の蛍光検出方法である。
前記蛍光検出装置は、測定対象物を測定点で照射するためにレーザ光を出射するレーザ光源部と、前記測定対象物が前記レーザ光の照射を受けることで発する蛍光の波長の光を透過するフィルタを備え、前記フィルタを透過した光を受光して、第1受光信号を出力する第1受光部と、前記測定点を通過した前記レーザ光の一部を受光して第2受光信号を出力する第2受光部と、前記第1受光信号を処理して処理信号を生成する信号処理部と、前記処理信号を用いて蛍光を分析する分析部と、を有し、前記蛍光検出装置の診断を行う診断モードと蛍光の検出を行う測定モードと、備える。
前記蛍光検出方法の前記診断モードでは、
前記レーザ光源部から、設定された周波数の変調信号で強度変調されたレーザ光を出射し、
出射した前記レーザ光を、前記測定点に至る光路上で前記フィルタを透過する光の波長にシフトし、
波長のシフトした前記レーザ光の一部を、前記フィルタを通して前記第1受光部で受光して前記第1受光信号を出力するとともに、波長のシフトした前記レーザ光の一部を前記第2受光部で受光して前記第2受光信号を出力し、
前記信号処理部において、前記第2受光信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号を生成し、
前記分析部において、前記第1受光信号の位相遅れを含む前記第2処理信号を用いて前記第1受光信号の前記位相遅れを伝送・処理遅延として算出する。
前記測定モードでは、
前記レーザ光源部から、前記変調信号で強度変調されたレーザ光を出射して前記測定点に位置する前記測定対象物に照射し、
前記第1受光部において、前記測定対象物の発する蛍光を受光して前記第1受光信号を出力し、
前記信号処理部において、前記変調信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第1処理信号を生成し、
前記分析部において、前記第1処理信号を用いて前記第1受光信号の位相遅れを算出し、算出した前記位相遅れと前記伝送・処理遅延とを用いて、前記測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時間を算出する。
このとき、前記レーザ光の波長のシフトのために、ウランガラスからなる板部材を波長変換素子として用いることが好ましい。
本実施形態の蛍光検出装置、蛍光検出方法、および蛍光検出装置の診断方法によれば、従来に比べて蛍光検出をより正確に行うことができる。
本発明の蛍光検出装置の一実施形態であるフローサイトメータの概略構成図である。 図1に示すフローサイトメータのレーザ光源部の一例の概略構成図である。 図1に示すフローサイトメータの受光部の一例の概略構成図である。 図1に示すフローサイトメータの制御・処理部の一例の概略構成図である。 図1に示すフローサイトメータの分析部の一例の概略構成図である。 本実施形態の蛍光検出方法の診断モードのフローの一例を示す図である。 本実施形態の蛍光検出方法の測定モードのフローの一例を示す図である。
以下、本発明の蛍光検出装置、蛍光検出装置の診断方法、および蛍光検出方法を、本実施形態に基づいて詳細に説明する。
(フローサイトメータ)
図1は、本発明の蛍光検出装置の一実施形態であるフローサイトメータ10の概略構成図である。
以下説明する実施形態では、バッファー液に懸濁した、蛍光色素を有する生体物質Mを、測定対象物として説明するが、生体物質Mの他に所定の蛍光色素を備え、生体物質Mと生体結合をするマイクロビーズを生体物質Mとともにバッファー液に含ませ、生体物質M及びマイクロビーズを測定対象物とすることもできる。
フローサイトメータ10は、本体ユニット20と、分析部(コンピュータ)80とを有する。本体ユニット20は、レーザ光の照射を受けることにより蛍光を発する生体物質Mをバッファー液に懸濁して構成された試料12にレーザ光を照射し、試料12中の生体物質Mが備える蛍光色素の発する蛍光の蛍光信号を検出して信号処理をする。分析部(コンピュータ)80は、本体ユニット20で得られた処理結果から検出した蛍光の蛍光強度及び蛍光緩和時間を算出し、この算出結果を用いて試料12中の測定対象物の分析を行なう。
フローサイトメータ10は、測定対象物である生体物質Mが発する蛍光の蛍光緩和時間を従来に比べて正確に算出するために、本体ユニット20における信号の伝送および処理による遅延を表す位相遅れを算出し、この算出結果を、蛍光緩和時間の算出の際に用いる。すなわち、フローサイトメータ10は、試料12を用いることなく、レーザ光の一部を受光して、信号の伝送・処理遅延を算出し、この算出した伝送・処理遅延を診断することにより、本体ユニット20の異常の有無を判定する診断モードと、レーザ光の照射を受けた試料12が発する蛍光を受光することにより蛍光の蛍光緩和時間を算出する測定モードを備える。測定モードにおける蛍光緩和時間の算出の際に、フローサイトメータ10は、診断モードで算出した伝送・処理遅延を用いる。
本体ユニット20は、レーザ光源部22と、受光部24,26と、制御・処理部28と、管路30と、を主に有する。
制御・処理部28は、レーザ光源部22からのレーザ光を所定の変調周波数で強度変調させる変調信号を生成するために制御する制御部、及び受光部26からの受光信号を処理する信号処理部を含む。管路30は、高速流を形成するシース液に、生体物質Mを含んだバッファー液からなる試料12を流してフローを形成する。管路30の出口には、回収容器32が設けられている。フローサイトメータ10には、レーザ光の照射により短時間内に試料12中の生体物質Mを識別し分離するためのセル・ソータを配置して別々の回収容器に分離するように構成することもできる。
レーザ光源部22は、所定の波長のレーザ光、例えばλ=405nm等のレーザ光を出射する部分である。レーザ光は、管路30中の所定の位置に集束するようにレンズ系23が設けられている。この集束位置は試料12の測定点を形成する。
図2は、レーザ光源部22の構成の一例を示す図である。
レーザ光源部22は、強度変調したレーザ光を出射する。レーザ光源部22は、例えば、青色のレーザ光BをCW(連続波)レーザ光として出射し、このCWレーザ光の強度を所定の周波数で変調する光源22aを有する。
さらに、レーザ光源部22は、レンズ系23と、レーザドライバ34と、を有する。レンズ系23は、レーザ光を管路30中の測定点に集束させる。レーザドライバ34は、光源22aを駆動する。レーザドライバ34には、レーザ光を強度変調するための変調信号が供給される。
これらのレーザ光を出射する光源として例えば半導体レーザが用いられる。レーザ光は、例えば5〜100mW程度の出力である。レーザ光源部22から出射されるレーザ光は変調信号に基づいて強度変調され、強度を変調する周波数(変調周波数)は、その周期が蛍光緩和時定数に比べてやや長い、例えば10〜50MHzである。
光源22aは、レーザ光が蛍光色素を励起して特定の波長帯域の蛍光を発するように、予め定められた波長帯域で発振する。レーザ光によって励起される蛍光色素は測定しようとする生体物質Mに付着されており、生体物質Mが測定対象物として管路30を通過する際、測定点でレーザ光の照射を受けて特定の波長で蛍光を発する。
また、レーザ光源部22と、試料12を照射するレーザ光の測定点との間の光路上に、波長変換素子29が挿入自在に設けられている。波長変換素子29は、通過するレーザ光の波長を、後述するバンドパスフィルタ26c1,26c2を透過する光の波長にシフトする。波長変換素子29は、例えばウランガラスからなる板部材が用いられるが、これ以外の波長を変換する部材が用いられてもよい。波長変換素子29は、診断モードにおいてレーザ光の光路上に配されて、レーザ光の波長をシフトさせる。これにより、波長のシフトしたレーザ光を受光部24,26において同時に受光させる。測定モードではレーザ光の波長がシフトすることなくレーザ光が試料12を照射するように、波長変換素子29はレーザ光の光路外に配される。
受光部24は、管路30を挟んでレーザ光源部22と対向するように配置されており、光電変換器(例えば、フォトダイオード)を備える。光電変換器は、診断モードでは、波長がシフトしたレーザ光の一部を受光して受光信号(第2受光信号)を出力し、測定モードでは、測定点を通過する試料12中の生体物質Mによってレーザ光が前方散乱することにより、生体物質Mが測定位置を通過する旨の検出信号を出力する。診断モードにおいて受光部24から出力され受光信号は、制御・処理部28に供給され、後述する受光部26から出力される受光信号(第1受光信号)の位相遅れを算出するための参照信号として用いられる。一方、測定モードにおいて受光部24から出力される検出信号は、制御・処理部28に供給され、制御・処理部28において生体物質Mが管路30中の測定点を通過するタイミングを知らせるトリガ信号として用いられる。
受光部26は、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直方向であって、かつ管路30中の試料12の移動方向に対して垂直方向に配置されている。受光部26は、診断モードでは、波長変換素子29により波長がシフトし管路30により乱反射したレーザ光の一部を受光し、測定モードでは測定点にて照射された試料12の生体物質Mが発する蛍光を受光する光電変換器を備える。図3は、受光部26の一例の概略構成図である。本実施形態では、受光部26は、蛍光を2つの波長に分離して2つの受光素子を用いて蛍光を受光するが、蛍光を受光する受光素子は1つであってもよい。
図3に示す受光部26は、レーザ光、あるいは試料12中の生体物質Mが発する蛍光を集束させるレンズ系26aと、ハーフミラー26bと、バンドパスフィルタ26c1,26c2と、光電子増倍管等の光電変換器27a,27bと、を有する。
レンズ系26aは、受光部26に入射したレーザ光あるいは蛍光を光電変換器27a、27bの受光面に集束させる。
ハーフミラー26bは、光の一部を反射させて、一部を透過させるミラーである。
バンドパスフィルタ26c1,26c2は、各光電変換器27a,27bの受光面の前面に設けられ、所定の波長帯域の光のみが透過するフィルタである。透過する光の波長帯域は、蛍光色素の発する蛍光の波長帯域に対応して設定されている。バンドパスフィルタ26c1,26c2のフィルタリングにより、光電変換器27a,27bが所定の波長帯域の光を取り込めるように設定されている。
光電変換器27a,27bは、例えば光電子増倍管を備えたセンサを備え、光電面で受光した光を電気信号に変換するセンサである。ここで、受光するレーザ光あるいは蛍光は位相差情報を持った光信号として受光されるので、出力される電気信号は位相差情報を持った受光信号(第1受光信号)となる。この受光信号は、増幅器で増幅されて、制御・処理部28に供給される。
制御・処理部28は、図4に示すように、信号生成部40と、信号処理部42と、コントローラ44と、を有する。
信号生成部40は、レーザ光の強度を所定の周波数で変調(振幅変調)するための変調信号を生成する。具体的には、信号生成部40は、発振器46、パワースプリッタ48及びアンプ50,52を有し、生成される変調信号を、レーザ光源部22のレーザドライバ34に供給するとともに、信号処理部42に供給する。信号処理部42に変調信号を供給するのは、後述するように、測定モードにおいて光電変換機27a,27bから出力される受光信号を検波するための参照信号として用いるためである。なお、変調信号は、所定の周波数の正弦波信号であり、10〜50MHzの範囲の周波数に設定される。
信号処理部42は、診断モード及び測定モードにおいて、光電変換器27a,27bから出力される受光信号を処理する。信号処理部42は、アンプ54a,54bと、パワースプリッタ56と、スイッチング回路57と、IQミキサ58a,58bと、を主に有する。アンプ54a,54bは、光電変換器27a,27bから出力される受光信号を増幅する。パワースプリッタ56は、スイッチング回路57から送られる信号をミキサ58a,58bに分配する。
スイッチング回路57は、診断モードあるいは測定モードに応じて、IQミキサ58a,58bで用いる参照信号を切り替えるための回路で、後述するシステム制御器60からの制御によって参照信号の切り替えが行われる。スイッチング回路57には、参照信号として、信号生成部40から出力された変調信号が供給され、また、受光部24において出力されて適正に増幅された受光信号(第2受光信号)が供給される。信号処理部42は、スイッチング回路57の切り替えにより、診断モードでは受光部24から供給された受光信号(第2受光信号)を参照信号として用い、測定モードでは信号生成部40から供給された変調信号を参照信号として用いる。
IQミキサ58a,58bは、光電変換器27a,27bから供給される受光信号(第1受光信号)を、信号生成部40から供給される参照信号とミキシングする。具体的には、IQミキサ58a,58bのそれぞれは、参照信号を受光信と乗算して、受光信号のcos成分(参照信号と同位相の信号成分)と高周波成分を含む処理信号を算出するとともに、参照信号の位相を90度シフトさせた信号を受光信号と乗算して、受光信号のsin成分(参照信号に対して90度の位相差のある信号成分)と高周波成分を含む処理信号を算出する。このcos成分を含む処理信号及びsin成分を含む処理信号は、コントローラ44に供給される。したがって、診断モードでは、受光部24から供給された受光信号(第2受光信号)を参照信号に用いるので、上記処理信号は、第2受光信号に対する第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号となる。一方、測定モードでは、信号生成部40から供給された変調信号を参照信号に用いるので、処理信号は、変調信号に対する第1受光信号の位相遅れを含む第1処理信号となる。
コントローラ44は、信号生成部40に所定の周波数の変調信号(正弦波信号)を生成させるように制御し、さらに、スイッチング回路57の切り替えを制御し、信号処理部42にて生成された第1処理信号、第2処理信号から、高周波成分を取り除いて第1処理信号、第2処理信号のcos成分の値及びsin成分の値を求める部分である。
具体的には、コントローラ44は、システム制御器60と、ローパスフィルタ62と、アンプ64と、A/D変換器66と、を有する。
システム制御器60は、信号処理装置20の各部分の動作制御のための指示を与えるとともに、フローサイトメータ10の全動作を管理する。ローパスフィルタ62は、信号処理部42で演算されたcos成分(Re成分)、sin成分(Im成分)に高周波成分が加算された第1処理信号、第2処理信号から高周波成分を取り除く。アンプ64は、高周波成分の取り除かれたcos成分(Re成分)、sin成分(Im成分)の第1処理信号、第2処理信号を増幅する。A/D変換器66は、増幅された第1処理信号、第2処理信号をサンプリングする。
システム制御器60は、レーザ光の強度変調のために、発振器46の発振周波数を定める。
コントローラ44は、デジタル化されたcos成分(Re成分)、sin成分(Im成分)の処理信号を、分析部80に供給する。
分析部80は、診断モードにおいて、受光部26及び信号処理部42を通過する信号の伝送・処理遅延を算出して診断し、算出した伝送・処理遅延を用いて受光部26または信号処理部42の異常を判定する。分析部80は、測定モードにおいて、生体物質Mの発する蛍光の蛍光強度と蛍光緩和時間を求め、試料12中の生体物質Mの蛍光の種類を、蛍光強度および蛍光緩和時間を用いて識別する。
図5は、分析部80の構成を示す図である。
分析部80は、CPU82及びメモリ84を有するコンピュータにより構成される。メモリ84に記憶されているプログラムを起動させることにより、分析部80の各部分がソフトウェアモジュールとして形成される。具体的には、分析部80は、ソフトウェアモジュールとして、蛍光強度算出部86と、位相遅れ算出部88と、蛍光緩和時間算出部90と、異常診断部92と、を有する。勿論、これらの部分を専用回路で構成することもできる。
蛍光強度算出部86は、A/D変換器66から供給されたcos成分(Re成分)、sin成分(Im成分)の第1処理信号、第2処理信号を複素数(=(Re成分:cos成分の値)+j(Im成分:sin成分の))で表したときの絶対値を求めることで、信号の強度を算出する。診断モードでは、受光部24はレーザ光の一部を受光するので、算出する信号の強度はレーザ光の強度を表す。測定モードでは、受光部24は試料12の生体物質Mが発する蛍光を受光するので、算出する信号の強度は蛍光の強度を表す。診断モードでは、算出したレーザ光の強度は異常診断部92に送られる。
位相遅れ算出部88は、A/D変換器66から供給されたcos成分(Re成分)、sin成分(Im成分)の第1処理信号、第2処理信号を複素数(=(Re成分:cos成分の値)+j(Im成分:sin成分の))で表したとき、複素数の偏角(tan-1(蛍光データのIm成分/蛍光データのRe成分))を、位相遅れθmeasとして算出する。
診断モードにおいては、位相遅れ算出部88が算出する位相遅れθmeasは、受光部24から供給された第2受光信号に対する受光部26から供給された第1受光信号の位相遅れであり、受光部26および信号処理部42における第1受光信号の伝送・処理遅延を表す。算出された伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasは、メモリ84に記憶されるとともに、異常診断部92に送られる。一方、測定モードにおいては、位相遅れ算出部88が算出する位相遅れθmeasは、信号生成部40から供給された変調信号に対する受光部26から供給された第1受光信号の位相遅れであり、受光部26および信号処理部42における第1受光信号の伝送・処理遅延と、蛍光の発光過程おける遅れと、レーザ光の光路長(レーザ光源部22から測定点までの光路長)及び蛍光の光路長(測定点から受光部24までの光路長)による光の伝送遅れの合計を表す。なお、レーザ光の光路長及び蛍光の光路長による光の伝送遅れは、フローサイトメータ10では一定であり、レーザ光の光路長及び蛍光の光路長が既知であるので、これらの光路長に起因する光の伝送遅れは既知であり、メモリ84に記憶されている。算出された伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasは、試料12や管路30に依存しない値である。
したがって、位相遅れ算出部88は、測定モードにおいて、測定モードで算出した位相遅れθmeasから、診断モードで算出しメモリ84に記憶された伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasを差し引き、さらに、メモリ84に記憶されている光路長に起因する光伝送の遅れを差し引くことにより、生体物質Mの発する蛍光の発光過程における位相遅れθflを正確に算出することができる。
蛍光緩和時間算出部90は、位相遅れ算出部88で算出された位相遅れθflを用いて、蛍光緩和時間τをτ=1/(2πf)・tan(θfl)の式にしたがって算出する。ここで、fは、レーザ光の強度変調に用いた変調信号の周波数である。蛍光緩和時間τをτ=1/(2πf)・tan(θfl)の式にしたがって算出することができるのは、蛍光の発光が、1次の緩和過程に沿った変化を示すからである。
蛍光強度算出部86で算出された蛍光強度および蛍光緩和時間算出部90で算出された蛍光緩和時間は、図示されないプリンタやディスプレイ等の出力装置に出力される。また、分析対象物の分析のために用いられる。
異常診断部92は、診断モードにおいて、蛍光強度算出部86で算出したレーザ光の強度および位相遅れ算出部88で算出した伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasを診断する。
この診断により、異常診断部92は、受光部26および信号処理部42に異常がないか判定する。測定モードでは診断は行われない。具体的には、異常診断部92は、算出した強度および伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasを予め設定されたそれぞれの閾値と比較することにより、受光部26および信号処理部42の異常の有無を判定する。たとえば、異常診断部92は、少なくとも、算出した伝送・処理遅延が設定範囲を超えた場合、異常有りと判定する。より具体的には、算出された強度が予め設定された強度の範囲に含まれ、算出された伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasが、設定された上限値以下である場合、異常診断部92は、受光部26および信号処理部42は正常であると判定し、それ以外は受光部26あるいは信号処理部42に異常が発生したと判定する。判定の結果はディスプレイ等の出力装置に出力される。
オペレータは、判定の結果に応じて、測定モードで試料12の蛍光の検出を行うか、受光部26および信号処理部42の整備、修理、補修を行うか、を決定することができる。
本実施形態では、異常判定部92において、受光部26および信号処理部42の異常の有無のために強度と位相遅れの診断をするが、少なくとも一方を診断することもできる。異常判定部92が強度のみを診断する場合、レーザ光の強度変調は行わず、一定の強度のレーザ光を用いることもできる。
(蛍光検出方法)
図6,7は、本実施形態の蛍光検出方法の一例のフローを示す図である。図6は、診断モードのフローの一例を示し、図7は、測定モードのフローの一例を示す。
まず、診断モードにおいて、波長変換素子29がレーザ光の光路外から光路内へ移動する(ステップS10)。波長変換素子29の移動は、制御・処理部28のシステム制御器60の制御によって図示されない移動機構を介して行われる。
次に、レーザ光源部22が、設定された周波数の変調信号を用いて強度変調されたレーザ光を出射する(ステップS20)。
このとき、レーザ光は、通過する波長変換素子29の作用によって波長がシフトする。シフトしたレーザ光の波長は、受光部26のバンドパスフィルタ26c1,26c2を透過する波長帯域にある。このとき管路30には試料12は流されない。このため、レーザ光は、管路30の部材の各面で乱反射して、受光部24,26で受光される(ステップS30)。
信号処理部42は、受光部26から出力された第1受光信号に対して、受光部24から出力された第2受光信号を参照信号として用いてミキシング処理をする(ステップS40)。これにより、信号処理部42は、第2受光信号に対する第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号を生成する。
次に、分析部80の位相遅れ算出部88は、生成された第2処理信号を用いて、伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasを算出する。さらに、蛍光強度算出部86は、第2処理信号を用いて受光部26で受光したレーザ光の強度を算出する(ステップS50)。算出した伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasは、メモリ84に記憶される。
次に、異常診断部92は、算出した伝送・処理遅延および強度を、予め設定された閾値と比較することにより診断し、受光部26及び信号処理部42が正常か異常かを判定する(ステップS60)。算出した伝送・処理遅延および強度が予め設定された閾値に対して大きい値を持つ場合、異常診断部92は、受光部26あるいは信号処理部42に異常が発生していると判定する。
判定の結果、正常である場合、図示されないディスプレイに判定の結果が表示され、図7に示す測定モードに移行して、フローサイトメータ10は、蛍光検出を行う(ステップS70)。一方、判定の結果が異常である場合、図示されないディスプレイに判定の結果が表示され、受光部26及び信号処理部42が整備、修理、補修がされるように指示が出される。これにより、受光部26及び信号処理部42の整備、修理、補修がなされる(ステップS80)。
次に、測定モードでは、まず、波長変換素子29がレーザ光の光路内から光路外へ移動する(ステップS110)。波長変換素子29の移動は、制御・処理部28のシステム制御器60の制御によって図示されない移動機構を介して行われる。
次に、レーザ光源部22が、設定された周波数の変調信号を用いて強度変調されたレーザ光を出射する(ステップS120)。このとき管路30には、試料12が流され、測定点を生体物質Mが順番に横切る。このため、測定点を横切る生体物質Mで前方散乱したレーザ光を受光部24が受光するとともに、生体物質Mが発する蛍光を受光部26が受光する(ステップS130)。
信号処理部42は、受光部26から出力された第1受光信号に対して、レーザ光の強度変調に用いた変調信号を参照信号として用いてミキシングする(ステップS140)。これにより、信号処理部42は、変調信号に対する第1受光信号の位相遅れを含む第1処理信号を生成する。
次に、分析部80の位相遅れ算出部88は、生成された第1処理信号を用いて、位相遅れθmeasを算出し、さらに、この算出したθmeasから、診断モードで算出しメモリ84に記憶された伝送・処理遅延を表す位相遅れθmeasを差し引き、さらに、メモリ84に記憶されている光路長に起因する光伝送の遅れを表す位相遅れを差し引くことにより、生体物質Mの発する蛍光の発光過程における位相遅れθflを算出する。さらに、蛍光強度算出部86は、第1処理信号を用いて受光部26で受光した蛍光の強度を算出する。さらに、蛍光緩和時間算出部90は、位相遅れθflを用いて蛍光緩和時間を算出する(ステップS150)。
以上のように、本実施形態は、波長変換素子29の光路上の移動を自在に行い、受光部26から出力される第1受光信号のミキシングに用いる参照信号を、変調信号あるいは受光部24から出力される第2受光信号に切替えることができる。このため、本実施形態は、診断モードでは、受光部26および信号処理部42における伝送・処理の遅延あるいは、受光部26で受光したレーザ光の強度を算出することができ、装置の異常の有無の判定を容易に行うことができる。本実施形態では、異常の状態で装置が用いられることは無いので、従来に比べて蛍光検出をより正確に安定して行うことができる。
また、測定モードでは、算出した伝送・処理の遅延を用いて、正確な蛍光の発光過程の遅れを求めることができ、これにより、正確な蛍光緩和時間を算出することができる。
また、波長変換素子29として、蛍光緩和時間が経時変化し難いウランガラスからなる板部材を用いるので、長期にわたり診断を行うことができる。
測定モードの前に、診断モードを行うので、異常な検出結果を得る不都合は回避される。
以上、本発明の蛍光検出装置、蛍光検出装置の診断方法、および蛍光検出方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 フローサイトメータ
12 試料
20 本体ユニット
22 レーザ光源部
22a 光源
23,26a レンズ系
24,26 受光部
26b ハーフミラー
26c,26c2 バンドパスフィルタ
27a,27b 光電変換器
28 制御・処理部
29 波長変換素子
30 管路
32 回収容器
34 レーザドライバ
40 信号生成部
42 信号処理部
44 コントローラ
46 発振器
48,56 パワースプリッタ
50,52,54a,54b,54c,64 アンプ
57 スイッチング回路
58a,58b IQミキサ
60 システム制御器
62 ローパスフィルタ
66 A/D変換器
80 分析部
82 CPU
84 メモリ
86 蛍光強度算出部
88 位相遅れ算出部
90 蛍光緩和時間算出部
92 異常診断部

Claims (10)

  1. レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
    測定対象物を測定点で照射するためにレーザ光を出射するレーザ光源部と、
    前記測定対象物が前記レーザ光の照射を受けることで発する蛍光の波長の光を透過するフィルタを備え、前記フィルタを透過した光を受光して第1受光信号を出力する第1受光部と、
    前記第1受光信号を処理して処理信号を生成する信号処理部と、
    前記処理信号を用いて、蛍光の蛍光強度および蛍光緩和時間を算出する分析部と、
    前記レーザ光が通過するとき、前記レーザ光の波長を前記フィルタを透過する光の波長にシフトする変換素子であって、前記レーザ光源部と、前記測定対象物を照射する前記レーザ光の測定点との間の光路上に挿入自在に設けられた波長変換素子と、を有し、
    前記波長変換素子が前記光路外の位置に配された状態で、前記レーザ光を前記測定点に位置する前記測定対象物に照射し、前記測定対象物が発する前記蛍光を前記第1受光部が受光し、前記分析部において前記処理信号を用いて前記蛍光の蛍光強度および蛍光緩和時間の少なくとも一方を算出する測定モードと、前記波長変換素子が前記光路内の位置に配され、前記測定対象物が前記測定点に位置しない状態で、前記波長変換素子を通過した前記レーザ光の一部を前記第1受光部が受光し、前記分析部において前記処理信号を用いて
    前記第1受光部及び前記信号処理部における信号の伝送・処理遅延を診断する診断モードとの間で、モードの切り替えを行う、ことを特徴とする蛍光検出装置。
  2. さらに、前記測定点を通過した前記レーザ光の一部を受光し、あるいは、前記測定点に位置する前記測定対象物により散乱した前記レーザ光の散乱光を受光して、第2受光信号を出力する第2受光部を有し、
    前記レーザ光源部が出射する前記レーザ光は、設定された周波数の変調信号で強度変調され、
    前記測定モードでは、
    前記信号処理部は、前記変調信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第1処理信号を生成し、前記分析部は、前記第1処理信号を用いて蛍光の蛍光緩和時間を算出し、
    前記診断モードでは、
    前記信号処理部は、前記第2受光部から出力された前記第2受光信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号を生成し、前記分析部は、前記第2処理信号を用いて前記第1受光信号の前記位相遅れを前記伝送・処理遅延として算出し、算出した前記伝送・処理遅延を、前記測定モードにおいて前記蛍光緩和時間を算出する際に用いる、請求項1に記載の蛍光検出装置。
  3. 前記分析部は、前記伝送・処理遅延が設定範囲を超えた場合、前記第1受光部あるいは前記信号処理部に異常がある、と判定する、請求項2に記載の蛍光検出装置。
  4. 前記波長変換素子は、ウランガラスからなる板部材である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光検出装置。
  5. 前記診断モードは、前記測定モードの前に実行される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光検出装置。
  6. レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する蛍光検出装置の診断方法であって、
    前記蛍光検出装置は、測定対象物を測定点で照射するためにレーザ光を出射するレーザ光源部と、前記測定対象物が前記レーザ光の照射を受けることで発する蛍光の波長の光を透過するフィルタを備え、前記フィルタを透過した光を受光して、第1受光信号を出力する第1受光部と、前記測定点を通過した前記レーザ光の一部を受光して第2受光信号を出力する第2受光部と、前記第1受光信号を処理して処理信号を生成する信号処理部と、前記処理信号を用いて蛍光を分析する分析部と、を有し、
    前記レーザ光源部から出射したレーザ光を、前記測定点に至る光路上で、波長変換素子を用いて前記フィルタを透過する光の波長にシフトし、
    波長のシフトした前記レーザ光の一部を、前記フィルタを通して前記第1受光部で受光して前記第1受光信号を出力するとともに、波長のシフトした前記レーザ光の一部を前記第2受光部で受光して第2受光信号を出力し、
    前記信号処理部において、前記第1受光信号を処理して前記第2受光信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号を生成し、
    前記分析部において、前記第1受光信号の位相遅れを含む前記第2処理信号を用いて前記第1受光信号の前記位相遅れを伝送・処理遅延として算出し、算出された前記伝送・処理遅延の診断を行うことにより前記蛍光検出装置の診断を行う、ことを特徴とする蛍光検出装置の診断方法。
  7. 前記伝送・処理遅延が設定範囲を超えた場合、前記第1受光部あるいは前記信号処理部に異常があると判定する、請求項6に記載の蛍光検出装置の診断方法。
  8. 前記レーザ光の波長のシフトのために、ウランガラスからなる板部材を前記波長変換素子として用いる、請求項6または7に記載の蛍光検出装置の診断方法。
  9. レーザ光の照射を受けることにより測定対象物が発する蛍光を検出する蛍光検出装置の蛍光検出方法であって、
    前記蛍光検出装置は、測定対象物を測定点で照射するためにレーザ光を出射するレーザ光源部と、前記測定対象物が前記レーザ光の照射を受けることで発する蛍光の波長の光を透過するフィルタを備え、前記フィルタを透過した光を受光して、第1受光信号を出力する第1受光部と、前記測定点を通過した前記レーザ光の一部を受光して第2受光信号を出力する第2受光部と、前記第1受光信号を処理して処理信号を生成する信号処理部と、前記処理信号を用いて蛍光を分析する分析部と、を有し、前記蛍光検出装置の診断を行う診断モードと蛍光の検出を行う測定モードと、備え、
    前記診断モードでは、
    前記レーザ光源部から、設定された周波数の変調信号で強度変調されたレーザ光を出射し、
    出射した前記レーザ光を、前記測定点に至る光路上で前記フィルタを透過する光の波長にシフトし、
    波長のシフトした前記レーザ光の一部を、前記フィルタを通して前記第1受光部で受光して前記第1受光信号を出力するとともに、波長のシフトした前記レーザ光の一部を前記第2受光部で受光して前記第2受光信号を出力し、
    前記信号処理部において、前記第2受光信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第2処理信号を生成し、
    前記分析部において、前記第1受光信号の位相遅れを含む前記第2処理信号を用いて前記第1受光信号の前記位相遅れを伝送・処理遅延として算出し、
    前記測定モードでは、
    前記レーザ光源部から、前記変調信号で強度変調されたレーザ光を出射して前記測定点に位置する前記測定対象物に照射し、
    前記第1受光部において、前記測定対象物の発する蛍光を受光して前記第1受光信号を出力し、
    前記信号処理部において、前記変調信号に対する前記第1受光信号の位相遅れを含む第1処理信号を生成し、
    前記分析部において、前記第1処理信号を用いて前記第1受光信号の位相遅れを算出し、算出した前記位相遅れと前記伝送・処理遅延とを用いて、前記測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時間を算出する、ことを特徴とする蛍光検出方法。
  10. 前記レーザ光の波長のシフトのために、ウランガラスからなる板部材を波長変換素子として用いる、請求項9に記載の蛍光検出方法。
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