JP2000283647A - 傘脱水機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯留した水分を排水する、日常の取り扱い作
業の軽減を図った傘脱水機を提供することにある。 【解決手段】 傘に付着した水分を除去する傘脱水機に
おいて、前記水分を貯留する着脱可能なトレイを備え、
トレイには貯留口と、該貯留口内及び前面から底面にわ
たって把手部が設けられ、且つ、前記トレイが貯留量を
透視できるように透明材から成ることを特徴とする傘脱
水機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、傘に付着した水分
を除去する傘脱水機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】大勢の人が集まるホール、レストラン、
店舗や会社などで、雨天時に傘から垂れる雨水で床が濡
れないように玄関口に設置する傘脱水機が提案されてい
る。

【０００３】この種の傘脱水機の構造は、走行する対向
させた一対の吸水ベルト間で傘を挟持して、正転・逆転
を繰り返し、傘の布張りを揺動させて搬送しつつ、傘に
付着した水分を吸水ベルトで吸水除去するものである。
そして吸水ベルトに吸水された水分は、絞りローラで圧
迫されて脱水され、下部のトレイに貯留されるものであ
る。即ち、利用者は歩きながら濡れた傘を傘脱水機に挿
入し、傘を傘脱水機内で搬送させることにより、傘に付
着した水分が除去され、店内の床等に傘からの雨水が滴
り落ちることを防止するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の傘脱水機のトレイにあっては、トレイを引き出すた
めの把手部は設けられているものの、排水するための、
即ち、持ち運び用としての把手部は設けられていなかっ
た。

【０００５】このため、下部に設けられたトレイを持ち
上げるに、即ち、持ち運び用の把手部が設けられていな
いことによる身体への負担は甚だ大きなものであった。
また、前記トレイには、その貯留量を把握するための手
段も設けられておらず、更にトレイの外装色としては内
部が見え難い構造であった。

【０００６】このため、トレイに貯留した水分を排水す
るに際しては、管理者がその経験に基づき適度な間隔で
排水作業を行なっていた。しかしこの作業がタイムリー
に行なわれないと貯留した水分が溢れ出る結果となって
いた。そこでトレイの貯留量を報知する構造も考えられ
るが、構造が大掛かりなものとなり、コストアップを招
くものである。

【０００７】本発明の目的は、貯留した水分を排水す
る、日常の取り扱い作業の軽減を図った傘脱水機を提供
することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項１記載の傘脱水機は、傘に付着した
水分を除去する傘脱水機において、前記水分を貯留する
着脱可能なトレイを備え、トレイには貯留口と、該貯留
口内及び前面から底面にわたって把手部が設けられ、且
つ、前記トレイが貯留量を透視できるように透明材から
成ることを特徴とする。

【０００９】このように引き出し用の把手部及び持ち運
び用の把手部を設けたことにより、取り扱う管理者の作
業性の容易化・向上に役立ち、更に、トレイ内の貯留量
を透視できることにより、排水作業が効率良く行なえ
る。

【００１０】また、請求項２記載の傘脱水機は、傘に付
着した水分を除去する傘脱水機において、傘の挿入を検
知する傘検知手段と、該傘検知手段による検知結果に基
づいて、その傘の挿入数をカウントするカウント手段を
設けたことを特徴とする。

【００１１】このようにしたため、トレイの排水作業が
適宜、タイムリーに行なえるため、貯留した水分が溢れ
出る事故が発生しなくなる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を図
面に基づいて詳述する。傘脱水機１０の基台１１上に
は、上下方向にした傘Ａが水平方向に通過できる通路１
２を構成するように、所定の間隔を隔ててケース本体１
３ａ、１３ｂが平行に立設されている。

【００１３】ケース本体１３ａ、１３ｂには、この通路
１２の入口１２ａにおいて傘Ａを入れやすいように右端
側に向かって開くように傾斜湾曲部１４ａ、１４ｂが設
けられ、この傾斜湾曲部１４ａ、１４ｂの中間部から出
口１２ｂ近傍にかけて、上下方向の全長にわたって、吸
水ベルト３３ａ、３３ｂが通路１２へ突出するための開
口１５ａ、１５ｂが設けられている。

【００１４】入口１２ａ側の端部において、ケース本体
１３ａ、１３ｂ内の底部に減速装置を備えた駆動モータ
１６ａ、１６ｂが基台１１の上板１１ａに固定されてい
る。

【００１５】駆動モータ１６ａ、１６ｂの近傍におい
て、ケース本体１３ａ、１３ｂ内には、基台１１の上板
１１ａとケース本体１３ａ、１３ｂの上部に固定された
枠板１７ａ、１７ｂとの間に垂直に駆動軸１８ａ、１８
ｂが回動自在に取り付けられている。この駆動軸１８
ａ、１８ｂに駆動モータ１６ａ、１６ｂの回転が歯車２
０ａ、２０ｂ、２１ａ、２１ｂを介して伝達される。

【００１６】ケース本体１３ａ側のそれぞれの駆動軸１
８ａには、複数個（例えば５個）プーリ２２ａが固定さ
れていて、駆動軸１８ａと一体的に回転する。他方のケ
ース本体１３ｂ側のそれぞれの駆動軸１８ｂの場合も全
く同一の構成で、駆動軸１８ｂには５個のプーリ２２ｂ
が固定されていて、駆動軸１８ｂと一体的に回転するよ
うに成っている。

【００１７】ケース本体１３ａ、１３ｂの出口１２ｂ側
において、基台１１の上板１１ａと枠板１７ａ、１７ｂ
との間に、垂直に従動軸３０ａ、３０ｂが回動自在に取
り付けられ、該従動軸３０ａ、３０ｂにはプーリ３１
ａ、３１ｂが固定されている。

【００１８】前記駆動軸１８ａ、１８ｂの５個のプーリ
２２ａ、２２ｂと従動軸３０ａ、３０ｂの５個のプーリ
３１ａ、３１ｂには、それぞれ上下方向に５段に吸水ベ
ルト３３ａ、３３ｂが架け渡されている。

【００１９】ケース本体１３ａ、１３ｂ内には、図３及
び図５に示すように５段の各吸水ベルト３３ａ、３３ｂ
内において、垂直方向にフレーム板３５ａ、３５ｂが基
台１１の上板１１ａと枠板１７ａ、１７ｂ間に固定され
ている。

【００２０】フレーム板３５ａ、３５ｂの通路１２側の
面には、５段の各吸水ベルト３３ａ、３３ｂに対応して
５段に棚３６ａ、３６ｂが水平方向に固定され、この各
段の棚３６ａ、３６ｂにそれぞれ複数個（例えば７個）
のローラ支持体３７ａ、３７ｂが回動自在に取り付けら
れている。ローラ支持体３７ａ、３７ｂの先端には押圧
ローラ４０ａ、４０ｂが回動自在に取り付けられてい
る。

【００２１】ローラ支持体３７ａ、３７ｂはスプリング
（図示せず）によって通路１２側に突出する方向に押圧
付勢されていて、このため、押圧ローラ４０ａ、４０ｂ
は各段の一対の吸水ベルト３３ａ、３３ｂの対向した平
行部分を通路１２において互いに接近する方向に押圧し
ている。

【００２２】吸水ベルト３３ａ側のベルト走行方向の中
間の５個の押圧ローラ４０ａと、吸水ベルト３３ｂ側の
ベルト走行方向の中間の５個の押圧ローラ４０ｂは、図
３に示すようにベルト走行方向において互い違いにずれ
た位置に設けられている。

【００２３】フレーム板３５ａ、３５ｂの通路１２とは
反対面には、各吸水ベルト３３ａ、３３ｂに対応して上
下方向の各５段において、従動軸３０ａ、３０ｂの近傍
にそれぞれ１個の支持枠４１ａ、４１ｂが固定され、こ
の支持枠４１ａ、４１ｂにローラ支持体４２ａ、４２ｂ
が回動自在に取り付けられている。ローラ支持体４２
ａ、４２ｂにはテンションローラ４３ａ、４３ｂが回動
自在に取り付けられている。ローラ支持体４２ａ、４２
ｂはスプリング（図示せず）によって押圧付勢され、こ
のためテンションローラ４３ａ、４３ｂは吸水ベルト３
３ａ、３３ｂの通路１２から反対側の部分を互いに離れ
る方向に押圧している。

【００２４】また、フレーム板３５ａ、３５ｂの通路１
２とは反対面には、駆動軸１８ａ、１８ｂの近傍におい
て支持板４５ａ、４５ｂが固定され、この支持板４５
ａ、４５ｂに固定ローラ４６ａ、４６ｂが回動自在に取
り付けられている。

【００２５】各段ごとのテンションローラ４３ａ、４３
ｂは、一対の吸水ベルト３３ａ、３３ｂ間に傘Ａが挟持
されて押圧ローラ４０ａ、４０ｂが押し戻されて吸水ベ
ルト３３ａ、３３ｂが弛もうとした分だけ外方へ押し出
して、吸水ベルト３３ａ、３３ｂにテンションローラを
保たせる役割を担っている。

【００２６】そして、各段ごとに、駆動軸１８ａ、１８
ｂと固定ローラ４６ａ、４６ｂとの中間部において、各
段ごとに各吸水ベルト３３ａ、３３ｂをスプリング力
（図示せず）によって外方から強く内側に押圧して吸水
ベルト３３ａ、３３ｂを圧縮して水分を排出させる脱水
ローラ４７ａ、４７ｂが支持台４８ａ、４８ｂに回動自
在に取り付けられ、支持台４８ａ、４８ｂはケース本体
１３ａ、１３ｂに固定されている。

【００２７】吸水ベルト３３ａ、３３ｂを挟んで、前記
脱水ローラ４７ａ、４７ｂと対向する位置には、挟持ロ
ーラ５０ａ、５０ｂが設けられていて、該挟持ローラ５
０ａ、５０ｂはフレーム３５ａ、３５ｂに取り付けられ
ている。

【００２８】挟持ローラ５０ａ、５０ｂは、傘Ａが搬送
中にあっては点線で示すように吸水ベルト３３ａ、３３
ｂから離れた位置に待機していて、傘Ａが搬送されたの
ちは実線で示すように脱水ローラ４７ａ、４７ｂとで吸
水ベルト３３ａ、３３ｂを挟むような位置に、例えば、
ソレノイド等により回動する（図４参照）。

【００２９】吸水ベルト３３ａ、３３ｂは、傘Ａの搬送
後も後述するタイマー５１で設定された所定時間走行し
続けるように形成されていて、この間、吸水ベルト３３
ａ、３３ｂは空回りをし続け、脱水ローラ４７ａ、４７
ｂと挟持ローラ５０ａ、５０ｂに挟まれることにより含
まれた水分は強く絞られることに成る。

【００３０】また、脱水ローラ４７ａ、４７ｂ及び挟持
ローラ５０ａ、５０ｂには、螺旋状の溝４７ｃ及び溝５
０ｃを設け、これにより脱水ローラ４７ａ、４７ｂ及び
挟持ローラ５０ａ、５０ｂで絞られた吸水ベルト３３
ａ、３３ｂの水分は、溝４７ｃ及び溝５０ｃに沿って流
下し、スムーズに脱水され、且つ排水される効果がある
（図７参照）。

【００３１】基台１１内には、脱水ローラ４７ａ、４７
ｂ及び挟時ローラ５０ａ、５０ｂによって排水落下した
水分を貯留するためのトレイ５２が出し入れ可能に収納
されている。このトレイ５２は基台１１の側方に引き出
して外部へトレイ５２内の水分を排出するものである。
また、上方から滴下してくる水分を集めて、トレイ５２
の貯留口５２ａへ案内するために、樋５３が上板１１ａ
の下面に固定されている。

【００３２】本実施例では、貯留したトレイ５２の取り
扱いを極めて容易にすることを目的としたもので、前記
トレイ５２の前面側の上面に設けられた貯留口５２ａ
は、手の平が入る大きさに開口されている。また、前面
から底面にわたって、前記トレイを基台１１から引き出
すための把手部６１が設けられている。更に、貯留口５
２ａ内に、前記トレイ５２内の水分を排水するための持
ち運び用の把手部６２が設けられている。

【００３３】即ち、排水時には、両把手部６１に手を掛
けてトレイ５２を手前に引き出したのち、貯留口５２ａ
から手を挿入して把手部６２を掴み、持ち運んで排水作
業を行なえば良い。

【００３４】そして、トレイ５２は、内部を透視可能な
樹脂材に構成して、水分の貯量を外部から視認すること
ができるようにしてある。

【００３５】ケース本体１３ａ、１３ｂの入口１２ａ側
には、傘検出手段、例えば一対の投光器５５ａ、受光器
５５ｂが上下方向に複数段に設けられ、傘Ａが該投光器
５５ａと受光器５５ｂとの間に受け渡されている光を遮
断すると、駆動モータ１６ａ、１６ｂが回転して、吸水
ベルト３３ａ、３３ｂが予め決められた時間走行するよ
うに成っている。

【００３６】前記、本体側面に取り付けられたタイマー
５１のダイヤル設定により、上述の吸水ベルト３５ａ、
３５ｂの空回り走行時間を設定することが出来るように
成っている。

【００３７】または傘脱水機１０を設置している店舗等
が閉店したのち、所定時間吸水ベルト３３ａ、３３ｂを
空回り運転させることもできる。即ち、タイマー５１を
操作することにより吸水ベルト３３ａ、３３ｂが空回り
運転を行い、設定時間後に空回り運転が停止し、その
間、吸水ベルト３３ａ、３３ｂに含まれた水分が十分に
除去されることとなる。

【００３８】５４は、利用者の操作により吸水ベルト３
３ａ、３３ｂを停止し、更に再度、押されると逆転し、
傘Ａを入口１２ａに戻す停止ボタンである。

【００３９】尚、吸水ベルト３３ａ、３３ｂはその相対
速度が異なり、一方の吸水ベルト３３ａの速度が他方の
吸水ベルト３３ｂの速度より速くまたは遅く走行し、更
に正転・逆転を繰り返して走行するため、傘Ａはキリモ
ミ状に正逆回転しつつ搬送される。従って、傘Ａは全周
にわたって吸水ベルト３３ａ、３３ｂに圧接して吸水さ
れ、この正逆回転によって傘Ａの布の重なり部分及び奥
まった部分も吸水ベルト３３ａ、３３ｂに圧接されて十
分に吸水される。

【００４０】また、図６、８に示すように、利用者の指
・手等が誤って吸水ベルト３３ａ、３３ｂに触れ、万が
一、怪我への安全対策及び通路１２内への異物の混入を
防止する長方形板状のカバー体７１ａ、７１ｂが、枠板
１７ａ、１７ｂの上部に対向し、水平状態で互いに逆方
向に摺動することにより開閉自在となるように設けられ
ている。

【００４１】つまり、枠板１７ａ、１７ｂの中央部及び
両端部には蝶番７２が固着され、該蝶番７２の内側部７
２ａには長穴７２ｂが穿設されている。長穴７２ｂには
ネジ７２ｃが遊嵌状態で挿入され、カバー７１ａ、７１
ｂと固着されている。カバー７１ａ、７１ｂは長穴７２
ｂに沿って互いに逆方向に摺動し開閉するが、開口端部
７１ｃに下から上方向に力が加わった際には蝶番７２に
て上方に回動するように成っている。

【００４２】また、蝶番７２間には一端が枠板１７ａ、
１７ｂに、他端がカバー７１ａ、７１ｂに係合されたバ
ネ７３が設けられて、一対のカバー１７ａ、１７ｂは互
いに接近する方向に押接され、通路１２の上方を遮蔽し
ている。

【００４３】カバー１７ａ、１７ｂの入口側にはテーパ
ー部７４ａ、７４ｂがあり、このため、吸水ベルト３３
ａ、３３ｂの走行によって傘Ａの握柄Ａ１がこのテーパ
ー部７４ａ、７４ｂに接触すると、バネ７３の押圧力に
抗してカバー７１ａ、７１ｂは入口側から互いに離れる
方向に長穴７２ｂによって後退し、握柄Ａ１がカバー７
１ａ、７１ｂの出口側から出ると、カバー１７ａ、１７
ｂは再び互いに接触した状態に戻る。

【００４４】そして、開口端部７１ｃが上方に回動する
と、その突出片７５が検出手段である光センサーＳの光
を遮断し、吸水ベルト３３ａ、３３ｂの走行をが停止す
るように成している（図９参照）。

【００４５】尚、検出手段は、図１０に図示するように
マイクロスイッチ７６ａ、７６ｂであっても良く、該マ
イクロスイッチ７６ａ、７６ｂは枠板１７ａ、１７ｂの
端部に設けられ、カバー７１ａ、７１ｂの開口端部７１
ｃの回動により、スイッチが入るように成している。

【００４６】カバー７１ａ、７１ｂの上方への回動作用
は、上記蝶番７２によるほか、図１１に示すように可撓
性プラスチックによるヒンジ７７でも良い。また、図１
２に示すような固定板７８の側面に突設した突起７８ａ
に、可動板７９の穴７９ａを嵌合させる構造でも良い。

【００４７】駆動モータ１６ａ、１６ｂの近傍には、傘
脱水機１０を制御する基板１００が設けられていて、該
基板１００には、前記一対の投光器５５ａ、受光器５５
ｂ、及び傘Ａの挿入数をカウントするカウント手段であ
るカウンタ２００が配線されている。この配線は、カウ
ンタ２００の積算に投光器５５ａ、受光器５５ｂが接続
されているものである。（図１３）

【００４８】即ち、傘Ａが投光器５５ａと受光器５５ｂ
との間に受け渡されている光を遮断して、傘Ａを検出す
るごとにカウンタ２００の数値が上がるものである。こ
のカウンタ２００の積算値によってトレイ５２内の水分
の貯留量が把握できるものである。

【００４９】尚、水分の貯留量が満杯に当たる積算値に
達した時点でブレーカ３００を切り、傘脱水機１０の使
用を中止するように構成することも可能である。

【００５０】

【発明の効果】以上説明した本発明の請求項１記載の傘
脱水機のトレイにて、排水作業が容易となり、身体への
負担も大幅に軽減されるものであると同時に、水分の貯
留量を透視できることにより、排水作業が効率良く行な
われるものである。

【００５１】また、本発明の請求項２記載の傘脱水機で
は、カウンタの積算値により、適宜、水分の貯留量が把
握でき、貯留した水分が溢れ出る事故により利用者に迷
惑をかけることもない。

【００５２】しかも本発明の傘脱水機を提供するにあた
り、構造が大掛かりなものでなく、よってコストアップ
の抑制を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る傘脱水機の斜視図

【図２】本発明に係るトレイの断面図

【図３】本発明に係る傘脱水機の平面状態図

【図４】同実施形態における脱水ローラ付近の平面拡大
状態図

【図５】同実施形態における正面図

【図６】同実施形態における全体斜視図

【図７】同実施形態における脱水ローラと挟持ローラ付
近の状態図

【図８】同実施形態におけるカバーの状態斜視図

【図９】同実施形態におけるカバーの回動状態を示す状
態図

【図１０】他の実施形態における検出手段を設けたカバ
ーの回動状態を示す状態図

【図１１】他の実施形態におけるカバーの状態斜視図

【図１２】他の実施形態におけるカバーの状態斜視図

【図１３】本実施例におけるカウンタ手段の配線図

【符号の説明】

１０ 傘脱水機 ３３ａ、３３ｂ 吸水ベルト ５２ トレイ ５２ａ 集水貯留口 ５５ａ 投光器 ５５ｂ 受光器 ６１ 把手部 ６２ 把手部 １００ 基板 ２００ カウンタ Ａ 傘

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 傘に付着した水分を除去する傘脱水機に
   おいて、前記水分を貯留する着脱可能なトレイを備え、
   トレイには貯留口と、該貯留口内及び前面から底面にわ
   たって把手部が設けられ、且つ、前記トレイが貯留量を
   透視できるように透明材から成ることを特徴とする傘脱
   水機。
2. 【請求項２】 傘に付着した水分を除去する傘脱水機に
   おいて、傘の挿入を検知する傘検知手段と、該傘検知手
   段による検知結果に基づいて、その傘の挿入数をカウン
   トするカウント手段を設けたことを特徴とする傘脱水
   機。