JP3616001B2 - 傘脱水装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、傘脱水装置に係り、特に、濡れた傘を短時間で自動的に脱水する傘脱水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
公共施設や大規模建造物などにおいては、降雨時に入場者が所持する濡れた傘から滴る水滴で施設内等の床が濡れるのを防止するために、例えば入口に傘を入れるためのビニール製の袋を用意して、傘からの滴による床濡れの防止を図っている。
【0003】
しかし、濡れた傘をいちいち袋に入れる作業には時間がかかり、建物入口等が混雑するという不都合があるほか、その作業はきわめて面倒であるため用意した袋を使用しない入場者がいて、ビニール製の袋が有効に活用されないという問題がある。さらに、使用済みのビニール製の袋は散乱し易く、廃棄物として処理する上でも容易でないことから、回収及び処理に手間と費用がかかるという問題がある。
【0004】
上記の問題点を考慮して、ファン装置を用いて濡れた傘から水滴を吸引し脱水する装置が特開昭58−158483号公報において提案されている。また、脱水効率を高めることを目的として、特開平6−42864号公報にはヒータで熱した熱風を傘体に吹き付けるようにした脱水装置が提案されている。
【0005】
上記の公報記載の脱水装置は、ロート状に形成された傘受器に傘を置き、ファン装置で水滴を吸引することにより傘に付着した水滴を排除するように構成したものであり、ビニール製の袋を用意する必要がなく、従ってビニール製の袋の回収及び廃棄に要する手間等を省くことができるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の脱水装置においては、ロート状の傘受け器につぼめた傘を置いた状態で傘に付着した水滴の吸引を行うものであるため、つぼめた傘の布地に形成されたひだの重なる面に付着している水滴についてはファン装置によっては充分には吸引されないという問題がある。
【0007】
また、前述のような脱水装置においては、入場者は脱水装置に傘を装填した状態で脱水動作が終了するまでその場で待機する必要があるため、続けて多数の入場者が脱水装置を利用できるようにするためには、数多くの脱水装置を用意する必要があり、広いスペースが必要になる。また、人の流れの多い場所では脱水装置を利用することにより人の流れに滞りが生じやすいという問題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、傘布地のひだの間に付着している水滴をも確実に脱水するとともに、水滴の脱水動作が利用者の歩行期間に短時間で完了し、利用者が滞ることのない傘脱水装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の傘脱水装置は、傘の先端部を下方にした姿勢で前記傘を移動させる傘移動手段と、前記傘の布地に接触するように対向して配置された吸水性を有する一対の吸水体と、前記一対の吸水体を前記傘の移動方向またはその反対方向に移動させる吸水体移動手段と、前記吸水体に吸収された水滴を絞り出す脱水手段と、前記傘移動手段または前記吸水体移動手段を駆動制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記駆動制御手段は、前記傘の移動または前記一対の吸水体の移動が所定移動パターンになるように、前記傘移動手段または前記吸水体移動手段を駆動制御することを特徴とする。
【0011】
また、前記駆動制御手段は、前記一対の吸水体の各々を互いに逆方向に移動するように前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする。
【0012】
また、前記駆動制御手段は、前記一対の吸水体の各々を互いに同方向に移動するように前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする。
【0013】
また、前記傘移動手段は、前記傘の先端部を挟み保持可能な一対の傘固定部材と、前記一対の傘固定部材を接近離反可能に移動させる傘固定部材移動手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、前記駆動制御手段は、前記傘移動手段によって前記傘の移動させる間に前記傘を所定角度だけ自転させるように、前記傘固定部材移動手段及び前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする。
【0015】
また、前記一対の吸水体は、前記傘の布地に接触するように基材から突出して形成された複数の突起体を有することを特徴とする。
【0016】
また、前記突起体は、弾性材からなることを特徴とする。
【0017】
また、前記突起体は、棒状の形状を有し、前記基材上にマトリックス状に配列されていることを特徴とする。
【0018】
また、前記一対の吸水体の各々は、ループ状に形成されており、前記傘の移動方向に沿って配設されたガイドローラによって回転案内されることを特徴とする。
【0019】
また、前記脱水手段は、前記一対の吸水体の各々が変形しながら通過可能に立設された水絞りローラを有することを特徴とする。
【0020】
また、前記傘および前記一対の吸水体から脱水された水滴を貯留する貯留槽を備えることを特徴とする。
【0021】
上述の発明において、傘を先端部を下方にした姿勢で自動的に移動させ、吸水性を有する一対の吸水体を傘の布地に接触させて傘の移動方向またはその反対方向に移動させることにより、傘の布地に付着している水滴を吸水体に吸収し、吸水体に吸収された水分は脱水手段によって絞り出され、吸水板の吸収水分の飽和を防止し、脱水作業の継続を可能とする。
【0022】
駆動制御手段によって、傘の移動または吸水体の移動に関して所望の所定移動パターンになるように、傘移動手段または吸水体移動手段を制御することにより、脱水作用が効率的に且つ確実に実行されるでき、また、傘脱水装置の設置場所や設置目的に応じて、脱水の完全性と脱水処理速度との間の調整を図ることが可能になる。
【0023】
一対の吸水体の各々を互いに逆方向に移動させることにより、傘の移動に対する吸水体の相対移動速度を一対の吸水体の間で互いに異ならせることができる。
【0024】
一対の吸水体の各々を互いに同方向に移動させることにより、吸水体を傘の各々の側部に同等に接触させることができる。
【0025】
一対の傘固定部材を接近離反可能に移動させることにより、傘が自転しないように固定保持される状態と傘が自転可能に保持される状態とを設定することが可能になる。
【0026】
傘が自転可能に保持される状態を所定の時間だけ設定することにより、一対の吸水体の移動速度を互いに異ならせることにより、傘の移動させる間に傘を所定角度だけ自転させることができる。
【0027】
また、一対の吸水体は、傘の布地に接触するように基材から突出して形成された複数の突起体を有するので、吸水が効率的になるように突起体を傘の布地に接触でき、また傘の布地に当接する面積を大きくでき、吸水体による吸水効率を向上させることができる。
【0028】
また、突起体は、弾性材からなるので、突起体は傘の移動に追随して折れ曲がりながら傘の布地部分を押圧接触し付着した水を吸水するとともに、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘の布地部分の他の部分に付着した水を叩き落とすことができ、脱水効率の向上を図ることができる。
【0029】
また、突起体は、棒状の形状を有し基材上にマトリックス状に配列されているので、傘の布地部分にムラ無く確実に接触でき、吸水体による吸水効率を向上させることができる。
【0030】
また、一対の吸水体の各々はループ状に形成され、傘の移動方向に沿って配設されたガイドローラによって回転案内されるので、吸水体の回転方向や回転方向を制御することにより、吸水体の容易に種々の移動パターンを設定することが可能になる。
【0031】
また、脱水手段は、一対の吸水体の各々が変形しながら通過可能に立設された水絞りローラを有するので、脱水手段を簡易に構成することができる。
【0032】
また、脱水された水分を貯留槽に貯留することにより、任意の場所への設置を可能とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の傘脱水装置の第1の実施の形態及び第2の実施の形態を以下に図面により詳細に説明する。
【0034】
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の傘脱水装置の第1の実施の形態について説明する。図1は本実施例の傘脱水装置について断面をもって示す正面図であり、図2は、図1のA矢視の側面図であり、図3はB矢視の平面図である。また、図4は、傘を保持する傘支持台の詳細を示す図であり、図5は、傘保持台において傘が保持されている状態を示す図である。
【0035】
図1に示すように本実施例の傘脱水装置1は、主として傘13を保持して水平方向に移動させる傘移動手段3と、傘13に付着している水滴を除去する吸水板9と、脱水した雨滴を貯留する貯留槽11とから構成され、これらの機構をカバー2で覆うようにした構造でなる。
【0036】
傘移動手段3は、主に図1及び図2に示すように、傘13を保持する傘保持台5と、傘保持台5を水平方向に移動させる傘移動機構部4とから構成される。また、傘保持台5は透穴を有する複数の直線案内軸受42を下部に備えるテーブル41の上に搭載され、傘移動機構部4は、直線案内軸受42の透穴を貫通し、テーブル41の水平の移動方向に延在する一対のガイド軸43を備え、一対のガイド軸43の間にはボールねじ44が配置されており、ボールねじ44のナットはテーブル41側に固定されており、ボールねじ44を回転するとテーブル41が移動する機構を構成している。
【0037】
また、図3に示すように、ボールねじ44の一端にはタイミングプーリー45が固定され、近接して配置されたモーター48の出力軸に取り付けられたタイミングプーリー47とタイミングベルト46によって動力伝達が可能に構成される。つまり、傘保持台5は、テーブル41の複数個の直線案内軸受42と一対のガイド軸43とによって移動可能に構成され、モータ48によりボールねじ44へ動力が伝達されることにより移動が制御される。
【0038】
傘保持台5は、主に図4に示すように、テーブル41上に設けられた基台51と、基台51の上に設けられた一対の軸受台52と、軸受台52の先端部に軸53によって回動可能に支持された傘保持アームを備える一対の傘固定アーム54と、一対の傘固定アーム54をスプリング55によって傘保持アーム同士が互いに接近する方向に付勢するように形成されるとともに、基台51の中央部には傘13の石突きを収容する石突き収容筒56が設けられる。
【0039】
一対の傘固定アーム54の傘保持アームには、図4(a)に示すように、移動方向の前部側及び後部側、かつ近接する両角部に斜辺57、58を設ける。傘保持アームはその高さが、図1に示すように、傘保持台5の始点及び終点に対応するところの入口側に設けられた入口スタッド7および出口側に設けられた出口スタッド8の高さと一致しており、傘保持アームに設けた斜辺57、58は、傘保持台5の両移動終端部においてそれぞれのスタッド7、8に当接することにより、傘固定アーム54は互いに離反する方向に回動させられる。
【0040】
吸水板9は吸水性を備えるとともに、外力によって変型した際に直ちに元の形状に復元する弾性および柔軟性を備える材質、所謂弾性体で形成される。また図1〜3に示すように、吸水板9には表面に多数個の突起91を設けられる。この突起91は傘13に接触した際に傘13に過大な負荷がかからないような形状が選択される。また、本実施例の吸水板9としては、複数の突起がマトリックス状に配置されている形状の例を示しているが、傘13に過度の負荷を与えず、かつ傘の布地面に対する接触面積を可能な限り大きくできる構造であればこれに限るものではない。
【0041】
2枚の吸水板9は、主に図3に示すように、突起91を対向させた姿勢で、かつそれぞれ吸水板基板92に固定された状態で2本のスライドレール93によって傘保持台5の移動方向と同じ方向に移動可能に支持されており、スライドレール93は支柱94に固定されている。
【0042】
吸水板9の移動は、図3に示すように、駆動モーター98による駆動軸95に固定された一対の駆動アーム96、一対の連接棒97および一対のスライドレール93によってクランク・スライダ機構を形成しており、駆動モーター98を運転することにより、吸水板9は水平方向に往復移動を行う。
【0043】
さらに、一対の駆動アーム96は駆動軸95に固定する位置を180°ずれた角度にしてあるために、駆動アーム96の位相は180°ずれており、その結果吸水板9の移動方向は常に互いに反対方向となる。
【0044】
本実施例においては、傘の水滴を吸収した弾性体からの脱水手段としてテーブル41上に傘保持台5と一体に固定された一対の脱水ローラー10を備える。一対の脱水ローラー10が垂直方向の軸を中心に回転可能に支持されてテーブル41に固定されており、脱水ローラー10はそれぞれ吸水板9の突起91に圧接するように位置が選択されて固定される。脱水ローラー10は傘保持台5の後方に一体に固定されており傘保持台5の移動とともに移動する。
【0045】
脱水手段はかならずしもローラーである必要はなく、吸水板9に当接して吸水板9から水滴を絞りだせるものであればよい。
【0046】
本実施例においては、基板12の下に貯留槽11が配置される。基板12には脱水された雨滴が貯留槽11にスムースに流れ込むように窓を適宜設けておく。
【0047】
次に、本実施例の傘脱水装置1の動作について説明する。初期状態では傘保持台5は図1に示すように右端の位置で待機している。この状態では、傘保持台5における傘固定アーム54の傘保持アームの入口側の斜辺57は入口スタッド7と当接しており、傘固定アーム54は開いている。いま入場者が雨に濡れた傘13の先端部を傘保持台5に差し込むと、図示しないセンサーにより傘13が傘保持台5に挿入されたことを感知して傘移動機構部4が起動し、傘保持台5が出口方向に向かって移動を開始する。傘保持台5の入口側の斜辺57が入口スタッド7から離れると傘保持アームが閉じて、図5に示すように傘13の石突き部が石突き収容筒56に収まった姿勢で傘固定アーム54の傘保持アームが傘3の先端部をしっかりと固定する。
【0048】
傘保持台5が出口方向に移動を開始するのと同時に吸水板を駆動する駆動モータ98が駆動され、一対の吸水板9は水平方向の往復運動を開始する。吸水板9は、傘13が出口に到達するまでの間に多数回の往復移動がなされるように移動速度が設定されている。
【0049】
傘13が吸水板9のある領域に入ると、傘13の布地の部分に吸水板9の突起91が変形しながら接触し、傘13は突起91により揉まれるために、傘13の布地についた水滴の一部は突起91に吸収され、あるいははじき飛ばされる。その結果、傘13の布地についた水滴が効率良く脱水される。
【0050】
本実施例では一対の吸水板9はその移動方向が互いに反対になるように構成されている。雨に濡れた傘13は畳まれた状態では、襞状になっている布地どうしが密着しているために、襞の間の水滴を脱水するのが困難であるが、吸水板9を互いに反対方向に動かすことにより、密着している襞を解放して傘13の布地が吸水板9に均等に当たる効果がある。
【0051】
また、傘保持台5が固定されているテーブル41に弾性体を絞る脱水ローラー10が固定されており、傘保持台5が移動するのにともない、脱水ローラー10も出口側に向かって移動する結果、雨滴が付着した傘13から吸水板9に吸着された雨滴を時間を置かずに吸水板9から絞り出すことができる。
【0052】
傘13が図1の左端の位置に到達すると、駆動モーターが制御され、傘移動機構部4が停止し、傘保持台5をその位置に停止し、同時に吸水板9の往復移動も停止する。この位置では傘保持台5の出口側の斜辺58が出口スタッド8に当接する結果、傘固定アーム54が開いて傘13の固定が解除されるので、脱水作業の終了した傘13は容易に傘保持台5から引き抜くことができる。傘13が引き抜かれたことを図示しないセンサーが感知すると傘移動機構部4が再度起動し、傘保持台5を入口側の初期状態の定位置に復帰させて待機させる。
【0053】
入場者は入口側で本実施例の傘脱水装置に傘13を挿入した後に、数歩進んで出口側で傘13を引き抜くだけで傘13に付着していた水滴が脱水される。したがって、入場者は歩行期間の短時間に傘の脱水が完了し従来のように建物の入口で入場者が滞留するようなことはない。
【0054】
本実施例では、傘13から除去された水滴は下方の貯留槽11に溜めるように構成している。多くの場合、傘脱水装置は建物内部等へ設置することから、貯留槽を備えることは好適である。つまり、貯留槽11を設けることにより、所定量の水滴が溜まったら、図示しないドレーンを開いて外部に排水するか、あるいはポンプなどで排水溝等に吸い出すようにすることで汎用性の高い傘脱水装置を実現することができる。
【0055】
なお、本発明においては、貯留槽11の設置は必ずしも必要とするものではなく、傘脱水装置の設置場所等に応じて、傘脱水装置から直接下部に排水することも、配管を使用して排水溝等に排水することにより建物等の床を濡らすことを防止するように構成することもできることは明らかである。
【0056】
また、本実施例では、吸水板9の移動方向は傘13の移動方向と同じく水平方向とした例を示しているが、傘13の移動方向に対して若干傾けることによって、突起91が傘13に当たる位置を変化させるように構成すること、つまり傘の移動方向と略同じ方向とする等の構成とすることができる。更に、傘の移動方向を水平方向から傾けるように構成することもできる。要するに傘13の布地に吸水板9の突起91を満遍なく接触するような相互の移動態様の変更及び傘脱水装置の設置環境、使用態様等に応じた変更が可能である。
【0057】
また、一対の駆動軸96に固定する駆動アーム96の角度を180°ずれた関係にして吸水板9の移動方向を常に互いに反対方向となるようにした例を示しているが、この角度は0°〜180°の範囲で適宜変更することができ、一対の駆動軸96を同一方向に移動するように構成することもできる。
【0058】
また、一対の吸水板9の駆動を1個のモーターによっているが、それぞれ個別に駆動してもよい。さらに、傘13を保持する傘保持台5の傘13をチャックする機構の開閉を入口および出口のスタッドによっているが、モータあるいはエアーシリンダー等のアクチュエーターを使用してもよい。
【0059】
また、前記実施例では、脱水ローラーを傘保持台の後方の位置に設置した例を示しているが、傘の脱水動作時に傘の移動に先行して脱水ローラーが移動し、脱水直後の吸水板により傘の脱水が行われるように、脱水ローラーを傘保持台の前方側に設置する構成とすることが可能である。
【0060】
次に、本発明の傘脱水装置の第2の実施の形態について図6乃至図14を参照して説明する。
【0061】
図6は本実施形態の傘脱水装置について断面をもって示す正面図であり、図7は、図1のAA矢視の側面図であり、図8はBB矢視の平面図である。また、図9及び図10は、傘を移動保持する傘移動手段の詳細を示す図である。
【0062】
図6に示すように本実施形態の傘脱水装置101は、傘13の先端部を下方にした姿勢で傘13を移動させる傘移動手段103と、傘13の布地に接触するように対向して配置された吸水性を有する一対の吸水ベルト109と、一対の吸水ベルト109を傘13の移動方向またはその反対方向に移動させる吸水ベルト移動手段110と、傘13に付着している水滴を除去する脱水手段108と、傘移動手段103または吸水ベルト移動手段110を駆動制御する駆動制御手段112と、脱水した雨滴を貯留する貯留槽111とから構成され、これらの機構を覆うカバー102とを備えている。駆動制御手段112は、傘13の移動または一対の吸水ベルト109の移動が所定移動パターンになるように、傘移動手段103または吸水ベルト移動手段110を駆動制御する。
【0063】
傘移動手段103は、図6及び図7に示すように、傘13を保持する傘保持機構部105と、傘保持機構部105を水平方向に移動させる傘移動機構部104とから構成される。
【0064】
傘移動機構部104は、水平の移動方向に延在する一対のガイド軸143と、一対のガイド軸143の間に配設されたボールねじ144と、ボールねじ144の一端に固定されたタイミングプーリー145と、傘移動用モーター148と、傘移動用モーター148の出力軸に取り付けられたタイミングプーリー147とを備えている。ボールねじ144が回転するとテーブル141が移動する。
【0065】
次に、図9及び図10を参照して、傘保持機構部105について説明する。 傘保持機構部105は、テーブル141の上に搭載されており、テーブル141上に設けられた一対のガイド軸151と、互いに開閉移動可能に一対のガイド軸151に支持された一対の傘固定治具152と、一対のガイド軸151の間に配設されたボールねじ153と、ボールねじ153の上方に一対の傘固定治具152の開閉移動する方向に延在する断面U字状の傘受け部154と、ボールねじ153に連結されたチェーンスプロケット155と、傘固定用モータ156と、傘固定用モータ156の出力軸に連結されたチェーンスプロケット157と、チェーンスプロケット155とチェーンスプロケット157に懸けられたチェーン158とを備えている。
【0066】
一対の傘固定治具152の各々の中央には半円状の切り込み部152aが形成されており、傘13の先端部が傘受け部154に当接した状態で切り込み部152aに挟まれ、傘13が固定保持される。一対の傘固定治具152は傘固定用モータ156によってボールねじ153を介して移動駆動され、傘固定用モータ156の回転方向を選択することによって接近移動または離反移動が行われる。
【0067】
次に、吸水ベルト109について説明する。
吸水ベルト109は吸水性を備えるとともに、外力によって変型した際に直ちに元の形状に復元する弾性および柔軟性を備える材質、例えばウレタン材等の弾性体で形成されている。また、各々の吸水ベルト109は、図8に示すようにループ状に形成されている。
【0068】
また図12に示すように、吸水ベルト109は、基材201と基材201の表面から突出して形成された多数個の棒状の突起体202とを有する。多数個の突起体202はマトリックス状に配列されている。一つの突起体202の大きさは、例えば約2cm2の断面積と約5cmの長さを有する。隣接する突起体202との間の間隔は、例えば約5cmである。
【0069】
一方の吸水ベルト109の突起体202の先端と対向する他方の吸水ベルト109の突起体202の先端との間の間隔は、傘13の布地部分の太さに比べて狭く設定されている。従って、対向する吸水ベルト109の突起体202が傘13の布地部分の両側部を通過する際に、あるいは傘13の布地部分が対向する吸水ベルト109の突起体202の間を通過する際に、突起体202は傘13に接触し傘13の移動方向に追随して折れ曲がり、ある程度折れ曲がった段階で、その弾性によって逆方向に跳ね返される。吸水ベルト109の突起体202は傘13の移動に追随して折れ曲がりながら傘13の布地部分に押圧接触し、付着した水が突起体202に吸水される。また、吸水ベルト109の突起体202は、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘13の他の布地部分に付着した水を叩き落とすように作用する。なお、突起体202は、逆方向に跳ね返されることによって、傘13の布地部分に接触しそこに付着する水を吸水するようにも作用する。
【0070】
なお、本実施例の吸水ベルト109としては、突起体202がマトリックス状に配列されている例を示しているが、傘13に過度の負荷を与えず、かつ傘の布地面に対する接触面積を可能な限り大きくできる構造であればこれに限るものではない。また、例えば、基材201を布材等の非弾性材で形成し、突起体202のみを弾性材で形成することも可能である。
【0071】
次に、吸水ベルト移動手段110について説明する。
傘13の移動経路の両側には、前部のガイドローラ211と、中間部のガイドローラ212と、後部のガイドローラ213が立設されている。ガイドローラ211、212はそれらの上下に配設された軸受けによって自由回転可能に支持されている。ガイドローラ213は、その上下に配設された軸受けによって回転駆動可能に支持されており、吸水ベルト109を回転駆動させるためのベルト駆動ローラとして機能する。
【0072】
ループ状に形成された吸水ベルト109は、ガイドローラ211、212、213によって回転案内可能に装着されている。各々のガイドローラ213の近傍には吸水ベルト用モータ214が配設されている。ガイドローラ213の下部に固着されたスプロケットと吸水ベルト用モータ214の出力軸に固着されたスプロケットとの間には、駆動チェーン215が装架されている。吸水ベルト用モータ214によって駆動チェーン215が駆動されガイドローラ213が回転駆動され、吸水ベルト109がガイドローラ211、212、213によって回転案内される。
【0073】
各々の吸水ベルト用モータ214は駆動制御手段112によって互いに独立に駆動制御され、各々の吸水ベルト109の移動方向や移動速度は互いに独立に設定することが可能である。
【0074】
次に、脱水手段108について説明する。
ガイドローラ211の近傍には水絞りローラ217が配設されている。水絞りローラ217は、ガイドローラ211、212と同様に、その上下に配設された軸受けによって自由回転可能に支持されている。図11及び図12に示すように、ガイドローラ211と水絞りローラ217との間隔は、突起体202が折れ曲がり変形して初めて通過可能なように狭く設定されている。吸水ベルト109がガイドローラ211と水絞りローラ217との間に形成された隙間を通過することによって、吸水ベルト109の突起体202に吸水された水はガイドローラ211の側面と水絞りローラ217の側面との間で絞り出され、絞り出された雨滴は貯留槽111に貯留される。なお、ガイドローラ211と水絞りローラ217との間隔は基材201の厚さよりもさらに狭く設定し、基材201に吸水された水を脱水することも可能である。
【0075】
次に、駆動制御手段112について説明する。
駆動制御手段112は、図6に示すように装置の下部空間に配設されており、傘13の移動及び一対の吸水ベルト109の移動が所定移動パターンになるように、時系列で定められた所定のプログラムに従って、傘移動用モーター148、傘固定用モータ156及び吸水ベルト用モータ214を制御する。ここで、複数の所定のプログラムを予め準備しておき、カバー102上に設けられた外部スイッチによって、脱水装置装置の設置場所や使用目的等に応じて選択できるようにしてもよい。
【0076】
次に、傘13の移動及び一対の吸水ベルト109の移動の所定移動パターンの一例を図13及び図14を参照して説明する。ここで、図14に示すように、傘13は移動のスタート地点から移動の終点に向かって移動する。左側にある吸水ベルト109を吸水ベルト(1)とし右側にある吸水ベルト109を吸水ベルト(2)とする。
【0077】
図13において、ST1の前の工程において、一対の傘固定治具152を開いた状態で傘13を傘固定治具152にセットし、その後装置のスタートボタンを押すと、傘固定用モータ156が作動し傘固定治具152が閉じ傘13の先端部が固定保持される。
【0078】
次に、ST1では、傘移動用モーター148が駆動され傘13の移動が開始し、一方の吸水ベルト用モータ214によって吸水ベルト(1)が右(反時計方向)回転し、他方の吸水ベルト用モータ214によって吸水ベルト(2)が左(時計方向)回転する。吸水ベルト(1)は右回転し傘13の移動方向と同方向に移動するので、吸水ベルト(1)の傘13に対する相対速度は小さくなり、また、吸水ベルト(2)は左回転し傘13の移動方向と逆方向に移動するので、吸水ベルト(2)の傘13に対する相対速度は大きくなる。このように、吸水ベルト(1)と吸水ベルト(2)は、互いに逆方向に移動するので、傘13の布地部分の一方の側部と対向する他方の側部とにおいて異なった速度で接触移動する。
【0079】
前述したように、対向する吸水ベルト(1)、(2)の突起体202が傘13の布地部分の両側を通過する際に、突起体202は傘13に接触し傘13の移動方向に追随して折れ曲がり、ある程度折れ曲がった段階で、その弾性によって逆方向に跳ね返される。各々の突起体202は、傘13に対して相対移動に間に渡って、このような動作を繰り返す。そして、突起体202は傘13の移動に追随して折れ曲がりながら傘13の布地部分を押圧接触し付着した水を吸水するとともに、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘13の布地部分の他の部分に付着した水を叩き落とす。
【0080】
なお、吸水ベルト(1)と吸水ベルト(2)とは、傘13に対する異なる相対速度を有するので、突起体202の繰り返し動作の頻度は吸水ベルト(1)にある突起体202と吸水ベルト(2)にある突起体202とで異なる。この結果、傘13の布地部分の一方の側部と対向する他方の側部とで異なった複雑なパターンで、吸水ベルト(1)と吸水ベルト(2)によって吸水行為が行われる。これによって、傘13の布地部分に付着した水は、布地部分における水の付着位置や付着強度等が異なることによって生じる種々の態様においても確実に脱水され、つぼめた傘13の布地のひだの重なる面に付着した水滴をも確実に脱水することができる。
【0081】
次に、ST2では、吸水ベルト(1)を逆転して左回転し、吸水ベルト(2)を逆転し右回転する。これによって、ST1において脱水対象としていた同一の布地部分に対し逆方向から脱水することになり、つぼめた傘13の布地のひだの重なる面をめくり返し付着した水滴をも確実に脱水することができる。
【0082】
さらに、ST2では、傘固定用モータ156を作動させて傘固定治具152を所定の短時間だけ開く。このとき、吸水ベルト(1)は左回転し、吸水ベルト(2)は右回転し互いに逆方向に回転しているので、傘13は反時計方向に自転するように突起体202から力を受ける。傘固定治具152を開く時間を選択することにより、傘13を例えば約90度の角度だけ反時計方向に自転させることができる。
【0083】
次に、ST3において、傘13を例えば約90度の角度だけ自転させた時点で傘固定治具152を閉じ傘13を固定保持する。また、吸水ベルト(1)を逆転して右回転し、吸水ベルト(2)は逆転して左回転する。ST3においては、傘13が例えば約90度の角度だけ自転しているので、傘13の布地部分の異なる部分の脱水が行われる。
【0084】
次に、ST4において、ST2における場合と同様に傘固定用モータ156を作動させて傘固定治具152を所定の短時間だけ開く。吸水ベルト(1)は右回転し、吸水ベルト(2)は左回転し互いに逆方向に回転しているので、傘13は時計方向に自転するように突起体202から力を受ける。傘固定治具152を開く時間を選択することにより、傘13を例えば約180度の角度だけ時計方向に自転させる。
【0085】
次に、ST5において、ST3における場合と同様に、傘13を例えば約180度の角度だけ自転させた時点で傘固定治具152を閉じ傘13を固定保持する。また、吸水ベルト(1)を逆転して右回転し、吸水ベルト(2)は逆転して左回転する。ST5においては、ST1やST3における場合とは異なる布地部分の脱水が行われる。
【0086】
次に、ST6において、傘13が終点に到達したことを検知して一連の脱水工程が終了したことを認知し、傘固定治具152が開き、次に、利用者が傘13を取り出したことを検知して、傘固定治具152をスタート地点に戻し、次の利用者の利用を待つ。
【0087】
図13及び図14に示すST乃至ST6によれば、吸水ベルト(1)、(2)を移動中の傘13の両側から当接して移動し、布地の水滴を吸収するようにしているので、傘に付着した雨滴を極めて短時間に吸収でき、かつ布地のひだの間に付着している雨滴でも残すことなく吸収することができ、高速で確実な脱水を行うことができる。
【0088】
なお、上述したST1乃至ST6における傘13の移動パターンは一例であり、本発明では上述の移動パターンに限らず種々のパターンが可能である。例えば、ST2乃至ST5の工程を省略したり、あるいはこれらの一部のみを実行することも可能である。また、ST2乃至ST5に類似した他の工程をさらに加えることも可能である。
【0089】
また、傘13の移動速度と、吸水ベルト(1)及び吸水ベルト(2)の移動速度との間の相対速度傘13の移動速度と、吸水ベルト(1)及び吸水ベルト(2)の移動速度との間の相対速度は、種々に設定することが可能であり、脱水装置装置の設置場所や使用目的等に応じて、脱水作用が最も効率的に且つ確実に実行されるように設定するようにすればよい。
【0090】
また、脱水の完全性と脱水処理速度とは、脱水の完全性を求めれば脱水処理速度が遅くなるというように互いに相反する面がある。どちらを優先するかは、複数の所定のプログラムを予め駆動制御手段112に準備しておき、脱水装置装置の設置場所や使用目的等に応じて選択できるようにすればよい。例えば、百貨店では脱水の完全性を優先させ、駅等の混雑する場所では脱水処理速度を優先させるようにしてもよい。
【0091】
以上、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態について説明したが、これらの実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0092】
降雨時に濡れた傘から滴る水滴で建物の床等が濡れるのを防止するために、従来、例えば降雨時に入口に傘を入れるためのビニール製の袋を用意することや、ファン装置を用いて濡れた傘から水滴を吸引し脱水する装置を設置することで対応している。しかし、上記の方法ではいずれも入口で入場者が立ち止まって対応するために、人の流れの多い場所では、脱水装置の利用のために人の流れに滞りが生じるという問題点があった。また、ファン装置を用いて濡れた傘から水滴を吸引し脱水する装置やその改良装置では、つぼめた傘布地のひだの重なる面の水滴が充分にファン装置によって吸引されないという問題があった。
【0093】
これに対し、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態の傘脱水装置によれば、上述の問題を解決することができる。すなわち、傘は傘移動手段に保持された状態で自動的に人の歩行方向に移動しながら傘の脱水を行うように構成されているために建物の入口に入場者が滞留することをなくすることができる。
【0094】
また、吸水体を移動中の傘の両側から当接して移動し、布地の水滴を吸収するようにしているので、傘に付着した雨滴が極めて短時間に吸収でき、かつ布地のひだの間に付着している雨滴でも残すことなく吸収することができ、高速で確実な脱水を行うことができる。
【0095】
また、吸水体は複数の突起体を有するので、対向する一対の吸水体の突起体が傘の布地部分の両側を通過する際に、突起体は傘の移動に追随して折れ曲がりながら傘の布地部分を押圧接触し付着した水を吸水するとともに、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘の布地部分の他の部分に付着した水を叩き落とすことができ、脱水効率の向上を図ることができる。
【0096】
また、脱水された水滴を貯蔵する貯蔵槽を備えることにより、建物等の床を雨傘に付着した雨滴で濡らすのを防ぐことができ、さらに建物の入口において入場者が滞ることを回避することができる。脱水された水分を貯留槽に貯留することにより、任意の場所への設置を可能とする。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の構成によれば、吸水体を移動中の傘の両側から当接して移動し、布地の水滴を吸収するようにしているので、傘に付着した雨滴が極めて短時間に吸収でき、かつ布地のひだの間に付着している雨滴でも残すことなく吸収することができ、高速で確実な脱水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の傘脱水装置の第1の実施形態を断面でもって示す正面図である。
【図2】図1の傘脱水装置をA矢印方向から見た側面図である。
【図3】図1の傘脱水装置をB矢印方向から見た平面図である。
【図4】第1の実施形態の傘脱水装置の傘保持機構部の詳細を示す図である。
【図5】傘保持機構部に傘が保持された状態を示す図である。
【図6】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態を断面でもって示す正面図である。
【図7】図6の傘脱水装置をAA矢印方向から見た側面図である。
【図8】図6の傘脱水装置をBB矢印方向から見た平面図である。
【図9】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態におけるの傘保持機構部の詳細を示す平面である。
【図10】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態における傘保持機構部の詳細を示す正面図である。
【図11】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態における脱水手段を示すの正面図である。
【図12】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態における脱水手段を示すの斜視図である。
【図13】脱水工程を示すフローチャト図である。
【図14】図13に対応する脱水工程と傘の位置との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 傘脱水装置
2 カバー
3 傘移動手段
4 傘移動機構部
5 傘保持機構部
9 吸水板
10 脱水ローラー
11 貯留槽
13 傘
98 吸水板駆動モーター
101 傘脱水装置
102 カバー
103 傘移動手段
104 傘移動機構部
105 傘保持機構部
108 脱水手段
109 吸水ベルト
110 吸水ベルト移動手段
111 貯水糟
112 駆動制御手段
152 傘固定治具
202 突起体
211,212、213 ガイドローラ
217 水絞りローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、傘脱水装置に係り、特に、濡れた傘を短時間で自動的に脱水する傘脱水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
公共施設や大規模建造物などにおいては、降雨時に入場者が所持する濡れた傘から滴る水滴で施設内等の床が濡れるのを防止するために、例えば入口に傘を入れるためのビニール製の袋を用意して、傘からの滴による床濡れの防止を図っている。
【0003】
しかし、濡れた傘をいちいち袋に入れる作業には時間がかかり、建物入口等が混雑するという不都合があるほか、その作業はきわめて面倒であるため用意した袋を使用しない入場者がいて、ビニール製の袋が有効に活用されないという問題がある。さらに、使用済みのビニール製の袋は散乱し易く、廃棄物として処理する上でも容易でないことから、回収及び処理に手間と費用がかかるという問題がある。
【0004】
上記の問題点を考慮して、ファン装置を用いて濡れた傘から水滴を吸引し脱水する装置が特開昭58−158483号公報において提案されている。また、脱水効率を高めることを目的として、特開平6−42864号公報にはヒータで熱した熱風を傘体に吹き付けるようにした脱水装置が提案されている。
【0005】
上記の公報記載の脱水装置は、ロート状に形成された傘受器に傘を置き、ファン装置で水滴を吸引することにより傘に付着した水滴を排除するように構成したものであり、ビニール製の袋を用意する必要がなく、従ってビニール製の袋の回収及び廃棄に要する手間等を省くことができるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の脱水装置においては、ロート状の傘受け器につぼめた傘を置いた状態で傘に付着した水滴の吸引を行うものであるため、つぼめた傘の布地に形成されたひだの重なる面に付着している水滴についてはファン装置によっては充分には吸引されないという問題がある。
【0007】
また、前述のような脱水装置においては、入場者は脱水装置に傘を装填した状態で脱水動作が終了するまでその場で待機する必要があるため、続けて多数の入場者が脱水装置を利用できるようにするためには、数多くの脱水装置を用意する必要があり、広いスペースが必要になる。また、人の流れの多い場所では脱水装置を利用することにより人の流れに滞りが生じやすいという問題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、傘布地のひだの間に付着している水滴をも確実に脱水するとともに、水滴の脱水動作が利用者の歩行期間に短時間で完了し、利用者が滞ることのない傘脱水装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の傘脱水装置は、傘の先端部を下方にした姿勢で前記傘を移動させる傘移動手段と、前記傘の布地に接触するように対向して配置された吸水性を有する一対の吸水体と、前記一対の吸水体を前記傘の移動方向またはその反対方向に移動させる吸水体移動手段と、前記吸水体に吸収された水滴を絞り出す脱水手段と、前記傘移動手段または前記吸水体移動手段を駆動制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記駆動制御手段は、前記傘の移動または前記一対の吸水体の移動が所定移動パターンになるように、前記傘移動手段または前記吸水体移動手段を駆動制御することを特徴とする。
【0011】
また、前記駆動制御手段は、前記一対の吸水体の各々を互いに逆方向に移動するように前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする。
【0012】
また、前記駆動制御手段は、前記一対の吸水体の各々を互いに同方向に移動するように前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする。
【0013】
また、前記傘移動手段は、前記傘の先端部を挟み保持可能な一対の傘固定部材と、前記一対の傘固定部材を接近離反可能に移動させる傘固定部材移動手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、前記駆動制御手段は、前記傘移動手段によって前記傘の移動させる間に前記傘を所定角度だけ自転させるように、前記傘固定部材移動手段及び前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする。
【0015】
また、前記一対の吸水体は、前記傘の布地に接触するように基材から突出して形成された複数の突起体を有することを特徴とする。
【0016】
また、前記突起体は、弾性材からなることを特徴とする。
【0017】
また、前記突起体は、棒状の形状を有し、前記基材上にマトリックス状に配列されていることを特徴とする。
【0018】
また、前記一対の吸水体の各々は、ループ状に形成されており、前記傘の移動方向に沿って配設されたガイドローラによって回転案内されることを特徴とする。
【0019】
また、前記脱水手段は、前記一対の吸水体の各々が変形しながら通過可能に立設された水絞りローラを有することを特徴とする。
【0020】
また、前記傘および前記一対の吸水体から脱水された水滴を貯留する貯留槽を備えることを特徴とする。
【0021】
上述の発明において、傘を先端部を下方にした姿勢で自動的に移動させ、吸水性を有する一対の吸水体を傘の布地に接触させて傘の移動方向またはその反対方向に移動させることにより、傘の布地に付着している水滴を吸水体に吸収し、吸水体に吸収された水分は脱水手段によって絞り出され、吸水板の吸収水分の飽和を防止し、脱水作業の継続を可能とする。
【0022】
駆動制御手段によって、傘の移動または吸水体の移動に関して所望の所定移動パターンになるように、傘移動手段または吸水体移動手段を制御することにより、脱水作用が効率的に且つ確実に実行されるでき、また、傘脱水装置の設置場所や設置目的に応じて、脱水の完全性と脱水処理速度との間の調整を図ることが可能になる。
【0023】
一対の吸水体の各々を互いに逆方向に移動させることにより、傘の移動に対する吸水体の相対移動速度を一対の吸水体の間で互いに異ならせることができる。
【0024】
一対の吸水体の各々を互いに同方向に移動させることにより、吸水体を傘の各々の側部に同等に接触させることができる。
【0025】
一対の傘固定部材を接近離反可能に移動させることにより、傘が自転しないように固定保持される状態と傘が自転可能に保持される状態とを設定することが可能になる。
【0026】
傘が自転可能に保持される状態を所定の時間だけ設定することにより、一対の吸水体の移動速度を互いに異ならせることにより、傘の移動させる間に傘を所定角度だけ自転させることができる。
【0027】
また、一対の吸水体は、傘の布地に接触するように基材から突出して形成された複数の突起体を有するので、吸水が効率的になるように突起体を傘の布地に接触でき、また傘の布地に当接する面積を大きくでき、吸水体による吸水効率を向上させることができる。
【0028】
また、突起体は、弾性材からなるので、突起体は傘の移動に追随して折れ曲がりながら傘の布地部分を押圧接触し付着した水を吸水するとともに、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘の布地部分の他の部分に付着した水を叩き落とすことができ、脱水効率の向上を図ることができる。
【0029】
また、突起体は、棒状の形状を有し基材上にマトリックス状に配列されているので、傘の布地部分にムラ無く確実に接触でき、吸水体による吸水効率を向上させることができる。
【0030】
また、一対の吸水体の各々はループ状に形成され、傘の移動方向に沿って配設されたガイドローラによって回転案内されるので、吸水体の回転方向や回転方向を制御することにより、吸水体の容易に種々の移動パターンを設定することが可能になる。
【0031】
また、脱水手段は、一対の吸水体の各々が変形しながら通過可能に立設された水絞りローラを有するので、脱水手段を簡易に構成することができる。
【0032】
また、脱水された水分を貯留槽に貯留することにより、任意の場所への設置を可能とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の傘脱水装置の第1の実施の形態及び第2の実施の形態を以下に図面により詳細に説明する。
【0034】
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の傘脱水装置の第1の実施の形態について説明する。図1は本実施例の傘脱水装置について断面をもって示す正面図であり、図2は、図1のA矢視の側面図であり、図3はB矢視の平面図である。また、図4は、傘を保持する傘支持台の詳細を示す図であり、図5は、傘保持台において傘が保持されている状態を示す図である。
【0035】
図1に示すように本実施例の傘脱水装置1は、主として傘13を保持して水平方向に移動させる傘移動手段3と、傘13に付着している水滴を除去する吸水板9と、脱水した雨滴を貯留する貯留槽11とから構成され、これらの機構をカバー2で覆うようにした構造でなる。
【0036】
傘移動手段3は、主に図1及び図2に示すように、傘13を保持する傘保持台5と、傘保持台5を水平方向に移動させる傘移動機構部4とから構成される。また、傘保持台5は透穴を有する複数の直線案内軸受42を下部に備えるテーブル41の上に搭載され、傘移動機構部4は、直線案内軸受42の透穴を貫通し、テーブル41の水平の移動方向に延在する一対のガイド軸43を備え、一対のガイド軸43の間にはボールねじ44が配置されており、ボールねじ44のナットはテーブル41側に固定されており、ボールねじ44を回転するとテーブル41が移動する機構を構成している。
【0037】
また、図3に示すように、ボールねじ44の一端にはタイミングプーリー45が固定され、近接して配置されたモーター48の出力軸に取り付けられたタイミングプーリー47とタイミングベルト46によって動力伝達が可能に構成される。つまり、傘保持台5は、テーブル41の複数個の直線案内軸受42と一対のガイド軸43とによって移動可能に構成され、モータ48によりボールねじ44へ動力が伝達されることにより移動が制御される。
【0038】
傘保持台5は、主に図4に示すように、テーブル41上に設けられた基台51と、基台51の上に設けられた一対の軸受台52と、軸受台52の先端部に軸53によって回動可能に支持された傘保持アームを備える一対の傘固定アーム54と、一対の傘固定アーム54をスプリング55によって傘保持アーム同士が互いに接近する方向に付勢するように形成されるとともに、基台51の中央部には傘13の石突きを収容する石突き収容筒56が設けられる。
【0039】
一対の傘固定アーム54の傘保持アームには、図4(a)に示すように、移動方向の前部側及び後部側、かつ近接する両角部に斜辺57、58を設ける。傘保持アームはその高さが、図1に示すように、傘保持台5の始点及び終点に対応するところの入口側に設けられた入口スタッド7および出口側に設けられた出口スタッド8の高さと一致しており、傘保持アームに設けた斜辺57、58は、傘保持台5の両移動終端部においてそれぞれのスタッド7、8に当接することにより、傘固定アーム54は互いに離反する方向に回動させられる。
【0040】
吸水板9は吸水性を備えるとともに、外力によって変型した際に直ちに元の形状に復元する弾性および柔軟性を備える材質、所謂弾性体で形成される。また図1〜3に示すように、吸水板9には表面に多数個の突起91を設けられる。この突起91は傘13に接触した際に傘13に過大な負荷がかからないような形状が選択される。また、本実施例の吸水板9としては、複数の突起がマトリックス状に配置されている形状の例を示しているが、傘13に過度の負荷を与えず、かつ傘の布地面に対する接触面積を可能な限り大きくできる構造であればこれに限るものではない。
【0041】
2枚の吸水板9は、主に図3に示すように、突起91を対向させた姿勢で、かつそれぞれ吸水板基板92に固定された状態で2本のスライドレール93によって傘保持台5の移動方向と同じ方向に移動可能に支持されており、スライドレール93は支柱94に固定されている。
【0042】
吸水板9の移動は、図3に示すように、駆動モーター98による駆動軸95に固定された一対の駆動アーム96、一対の連接棒97および一対のスライドレール93によってクランク・スライダ機構を形成しており、駆動モーター98を運転することにより、吸水板9は水平方向に往復移動を行う。
【0043】
さらに、一対の駆動アーム96は駆動軸95に固定する位置を180°ずれた角度にしてあるために、駆動アーム96の位相は180°ずれており、その結果吸水板9の移動方向は常に互いに反対方向となる。
【0044】
本実施例においては、傘の水滴を吸収した弾性体からの脱水手段としてテーブル41上に傘保持台5と一体に固定された一対の脱水ローラー10を備える。一対の脱水ローラー10が垂直方向の軸を中心に回転可能に支持されてテーブル41に固定されており、脱水ローラー10はそれぞれ吸水板9の突起91に圧接するように位置が選択されて固定される。脱水ローラー10は傘保持台5の後方に一体に固定されており傘保持台5の移動とともに移動する。
【0045】
脱水手段はかならずしもローラーである必要はなく、吸水板9に当接して吸水板9から水滴を絞りだせるものであればよい。
【0046】
本実施例においては、基板12の下に貯留槽11が配置される。基板12には脱水された雨滴が貯留槽11にスムースに流れ込むように窓を適宜設けておく。
【0047】
次に、本実施例の傘脱水装置1の動作について説明する。初期状態では傘保持台5は図1に示すように右端の位置で待機している。この状態では、傘保持台5における傘固定アーム54の傘保持アームの入口側の斜辺57は入口スタッド7と当接しており、傘固定アーム54は開いている。いま入場者が雨に濡れた傘13の先端部を傘保持台5に差し込むと、図示しないセンサーにより傘13が傘保持台5に挿入されたことを感知して傘移動機構部4が起動し、傘保持台5が出口方向に向かって移動を開始する。傘保持台5の入口側の斜辺57が入口スタッド7から離れると傘保持アームが閉じて、図5に示すように傘13の石突き部が石突き収容筒56に収まった姿勢で傘固定アーム54の傘保持アームが傘3の先端部をしっかりと固定する。
【0048】
傘保持台5が出口方向に移動を開始するのと同時に吸水板を駆動する駆動モータ98が駆動され、一対の吸水板9は水平方向の往復運動を開始する。吸水板9は、傘13が出口に到達するまでの間に多数回の往復移動がなされるように移動速度が設定されている。
【0049】
傘13が吸水板9のある領域に入ると、傘13の布地の部分に吸水板9の突起91が変形しながら接触し、傘13は突起91により揉まれるために、傘13の布地についた水滴の一部は突起91に吸収され、あるいははじき飛ばされる。その結果、傘13の布地についた水滴が効率良く脱水される。
【0050】
本実施例では一対の吸水板9はその移動方向が互いに反対になるように構成されている。雨に濡れた傘13は畳まれた状態では、襞状になっている布地どうしが密着しているために、襞の間の水滴を脱水するのが困難であるが、吸水板9を互いに反対方向に動かすことにより、密着している襞を解放して傘13の布地が吸水板9に均等に当たる効果がある。
【0051】
また、傘保持台5が固定されているテーブル41に弾性体を絞る脱水ローラー10が固定されており、傘保持台5が移動するのにともない、脱水ローラー10も出口側に向かって移動する結果、雨滴が付着した傘13から吸水板9に吸着された雨滴を時間を置かずに吸水板9から絞り出すことができる。
【0052】
傘13が図1の左端の位置に到達すると、駆動モーターが制御され、傘移動機構部4が停止し、傘保持台5をその位置に停止し、同時に吸水板9の往復移動も停止する。この位置では傘保持台5の出口側の斜辺58が出口スタッド8に当接する結果、傘固定アーム54が開いて傘13の固定が解除されるので、脱水作業の終了した傘13は容易に傘保持台5から引き抜くことができる。傘13が引き抜かれたことを図示しないセンサーが感知すると傘移動機構部4が再度起動し、傘保持台5を入口側の初期状態の定位置に復帰させて待機させる。
【0053】
入場者は入口側で本実施例の傘脱水装置に傘13を挿入した後に、数歩進んで出口側で傘13を引き抜くだけで傘13に付着していた水滴が脱水される。したがって、入場者は歩行期間の短時間に傘の脱水が完了し従来のように建物の入口で入場者が滞留するようなことはない。
【0054】
本実施例では、傘13から除去された水滴は下方の貯留槽11に溜めるように構成している。多くの場合、傘脱水装置は建物内部等へ設置することから、貯留槽を備えることは好適である。つまり、貯留槽11を設けることにより、所定量の水滴が溜まったら、図示しないドレーンを開いて外部に排水するか、あるいはポンプなどで排水溝等に吸い出すようにすることで汎用性の高い傘脱水装置を実現することができる。
【0055】
なお、本発明においては、貯留槽11の設置は必ずしも必要とするものではなく、傘脱水装置の設置場所等に応じて、傘脱水装置から直接下部に排水することも、配管を使用して排水溝等に排水することにより建物等の床を濡らすことを防止するように構成することもできることは明らかである。
【0056】
また、本実施例では、吸水板9の移動方向は傘13の移動方向と同じく水平方向とした例を示しているが、傘13の移動方向に対して若干傾けることによって、突起91が傘13に当たる位置を変化させるように構成すること、つまり傘の移動方向と略同じ方向とする等の構成とすることができる。更に、傘の移動方向を水平方向から傾けるように構成することもできる。要するに傘13の布地に吸水板9の突起91を満遍なく接触するような相互の移動態様の変更及び傘脱水装置の設置環境、使用態様等に応じた変更が可能である。
【0057】
また、一対の駆動軸96に固定する駆動アーム96の角度を180°ずれた関係にして吸水板9の移動方向を常に互いに反対方向となるようにした例を示しているが、この角度は0°〜180°の範囲で適宜変更することができ、一対の駆動軸96を同一方向に移動するように構成することもできる。
【0058】
また、一対の吸水板9の駆動を1個のモーターによっているが、それぞれ個別に駆動してもよい。さらに、傘13を保持する傘保持台5の傘13をチャックする機構の開閉を入口および出口のスタッドによっているが、モータあるいはエアーシリンダー等のアクチュエーターを使用してもよい。
【0059】
また、前記実施例では、脱水ローラーを傘保持台の後方の位置に設置した例を示しているが、傘の脱水動作時に傘の移動に先行して脱水ローラーが移動し、脱水直後の吸水板により傘の脱水が行われるように、脱水ローラーを傘保持台の前方側に設置する構成とすることが可能である。
【0060】
次に、本発明の傘脱水装置の第2の実施の形態について図6乃至図14を参照して説明する。
【0061】
図6は本実施形態の傘脱水装置について断面をもって示す正面図であり、図7は、図1のAA矢視の側面図であり、図8はBB矢視の平面図である。また、図9及び図10は、傘を移動保持する傘移動手段の詳細を示す図である。
【0062】
図6に示すように本実施形態の傘脱水装置101は、傘13の先端部を下方にした姿勢で傘13を移動させる傘移動手段103と、傘13の布地に接触するように対向して配置された吸水性を有する一対の吸水ベルト109と、一対の吸水ベルト109を傘13の移動方向またはその反対方向に移動させる吸水ベルト移動手段110と、傘13に付着している水滴を除去する脱水手段108と、傘移動手段103または吸水ベルト移動手段110を駆動制御する駆動制御手段112と、脱水した雨滴を貯留する貯留槽111とから構成され、これらの機構を覆うカバー102とを備えている。駆動制御手段112は、傘13の移動または一対の吸水ベルト109の移動が所定移動パターンになるように、傘移動手段103または吸水ベルト移動手段110を駆動制御する。
【0063】
傘移動手段103は、図6及び図7に示すように、傘13を保持する傘保持機構部105と、傘保持機構部105を水平方向に移動させる傘移動機構部104とから構成される。
【0064】
傘移動機構部104は、水平の移動方向に延在する一対のガイド軸143と、一対のガイド軸143の間に配設されたボールねじ144と、ボールねじ144の一端に固定されたタイミングプーリー145と、傘移動用モーター148と、傘移動用モーター148の出力軸に取り付けられたタイミングプーリー147とを備えている。ボールねじ144が回転するとテーブル141が移動する。
【0065】
次に、図9及び図10を参照して、傘保持機構部105について説明する。 傘保持機構部105は、テーブル141の上に搭載されており、テーブル141上に設けられた一対のガイド軸151と、互いに開閉移動可能に一対のガイド軸151に支持された一対の傘固定治具152と、一対のガイド軸151の間に配設されたボールねじ153と、ボールねじ153の上方に一対の傘固定治具152の開閉移動する方向に延在する断面U字状の傘受け部154と、ボールねじ153に連結されたチェーンスプロケット155と、傘固定用モータ156と、傘固定用モータ156の出力軸に連結されたチェーンスプロケット157と、チェーンスプロケット155とチェーンスプロケット157に懸けられたチェーン158とを備えている。
【0066】
一対の傘固定治具152の各々の中央には半円状の切り込み部152aが形成されており、傘13の先端部が傘受け部154に当接した状態で切り込み部152aに挟まれ、傘13が固定保持される。一対の傘固定治具152は傘固定用モータ156によってボールねじ153を介して移動駆動され、傘固定用モータ156の回転方向を選択することによって接近移動または離反移動が行われる。
【0067】
次に、吸水ベルト109について説明する。
吸水ベルト109は吸水性を備えるとともに、外力によって変型した際に直ちに元の形状に復元する弾性および柔軟性を備える材質、例えばウレタン材等の弾性体で形成されている。また、各々の吸水ベルト109は、図8に示すようにループ状に形成されている。
【0068】
また図12に示すように、吸水ベルト109は、基材201と基材201の表面から突出して形成された多数個の棒状の突起体202とを有する。多数個の突起体202はマトリックス状に配列されている。一つの突起体202の大きさは、例えば約2cm2の断面積と約5cmの長さを有する。隣接する突起体202との間の間隔は、例えば約5cmである。
【0069】
一方の吸水ベルト109の突起体202の先端と対向する他方の吸水ベルト109の突起体202の先端との間の間隔は、傘13の布地部分の太さに比べて狭く設定されている。従って、対向する吸水ベルト109の突起体202が傘13の布地部分の両側部を通過する際に、あるいは傘13の布地部分が対向する吸水ベルト109の突起体202の間を通過する際に、突起体202は傘13に接触し傘13の移動方向に追随して折れ曲がり、ある程度折れ曲がった段階で、その弾性によって逆方向に跳ね返される。吸水ベルト109の突起体202は傘13の移動に追随して折れ曲がりながら傘13の布地部分に押圧接触し、付着した水が突起体202に吸水される。また、吸水ベルト109の突起体202は、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘13の他の布地部分に付着した水を叩き落とすように作用する。なお、突起体202は、逆方向に跳ね返されることによって、傘13の布地部分に接触しそこに付着する水を吸水するようにも作用する。
【0070】
なお、本実施例の吸水ベルト109としては、突起体202がマトリックス状に配列されている例を示しているが、傘13に過度の負荷を与えず、かつ傘の布地面に対する接触面積を可能な限り大きくできる構造であればこれに限るものではない。また、例えば、基材201を布材等の非弾性材で形成し、突起体202のみを弾性材で形成することも可能である。
【0071】
次に、吸水ベルト移動手段110について説明する。
傘13の移動経路の両側には、前部のガイドローラ211と、中間部のガイドローラ212と、後部のガイドローラ213が立設されている。ガイドローラ211、212はそれらの上下に配設された軸受けによって自由回転可能に支持されている。ガイドローラ213は、その上下に配設された軸受けによって回転駆動可能に支持されており、吸水ベルト109を回転駆動させるためのベルト駆動ローラとして機能する。
【0072】
ループ状に形成された吸水ベルト109は、ガイドローラ211、212、213によって回転案内可能に装着されている。各々のガイドローラ213の近傍には吸水ベルト用モータ214が配設されている。ガイドローラ213の下部に固着されたスプロケットと吸水ベルト用モータ214の出力軸に固着されたスプロケットとの間には、駆動チェーン215が装架されている。吸水ベルト用モータ214によって駆動チェーン215が駆動されガイドローラ213が回転駆動され、吸水ベルト109がガイドローラ211、212、213によって回転案内される。
【0073】
各々の吸水ベルト用モータ214は駆動制御手段112によって互いに独立に駆動制御され、各々の吸水ベルト109の移動方向や移動速度は互いに独立に設定することが可能である。
【0074】
次に、脱水手段108について説明する。
ガイドローラ211の近傍には水絞りローラ217が配設されている。水絞りローラ217は、ガイドローラ211、212と同様に、その上下に配設された軸受けによって自由回転可能に支持されている。図11及び図12に示すように、ガイドローラ211と水絞りローラ217との間隔は、突起体202が折れ曲がり変形して初めて通過可能なように狭く設定されている。吸水ベルト109がガイドローラ211と水絞りローラ217との間に形成された隙間を通過することによって、吸水ベルト109の突起体202に吸水された水はガイドローラ211の側面と水絞りローラ217の側面との間で絞り出され、絞り出された雨滴は貯留槽111に貯留される。なお、ガイドローラ211と水絞りローラ217との間隔は基材201の厚さよりもさらに狭く設定し、基材201に吸水された水を脱水することも可能である。
【0075】
次に、駆動制御手段112について説明する。
駆動制御手段112は、図6に示すように装置の下部空間に配設されており、傘13の移動及び一対の吸水ベルト109の移動が所定移動パターンになるように、時系列で定められた所定のプログラムに従って、傘移動用モーター148、傘固定用モータ156及び吸水ベルト用モータ214を制御する。ここで、複数の所定のプログラムを予め準備しておき、カバー102上に設けられた外部スイッチによって、脱水装置装置の設置場所や使用目的等に応じて選択できるようにしてもよい。
【0076】
次に、傘13の移動及び一対の吸水ベルト109の移動の所定移動パターンの一例を図13及び図14を参照して説明する。ここで、図14に示すように、傘13は移動のスタート地点から移動の終点に向かって移動する。左側にある吸水ベルト109を吸水ベルト(1)とし右側にある吸水ベルト109を吸水ベルト(2)とする。
【0077】
図13において、ST1の前の工程において、一対の傘固定治具152を開いた状態で傘13を傘固定治具152にセットし、その後装置のスタートボタンを押すと、傘固定用モータ156が作動し傘固定治具152が閉じ傘13の先端部が固定保持される。
【0078】
次に、ST1では、傘移動用モーター148が駆動され傘13の移動が開始し、一方の吸水ベルト用モータ214によって吸水ベルト(1)が右(反時計方向)回転し、他方の吸水ベルト用モータ214によって吸水ベルト(2)が左(時計方向)回転する。吸水ベルト(1)は右回転し傘13の移動方向と同方向に移動するので、吸水ベルト(1)の傘13に対する相対速度は小さくなり、また、吸水ベルト(2)は左回転し傘13の移動方向と逆方向に移動するので、吸水ベルト(2)の傘13に対する相対速度は大きくなる。このように、吸水ベルト(1)と吸水ベルト(2)は、互いに逆方向に移動するので、傘13の布地部分の一方の側部と対向する他方の側部とにおいて異なった速度で接触移動する。
【0079】
前述したように、対向する吸水ベルト(1)、(2)の突起体202が傘13の布地部分の両側を通過する際に、突起体202は傘13に接触し傘13の移動方向に追随して折れ曲がり、ある程度折れ曲がった段階で、その弾性によって逆方向に跳ね返される。各々の突起体202は、傘13に対して相対移動に間に渡って、このような動作を繰り返す。そして、突起体202は傘13の移動に追随して折れ曲がりながら傘13の布地部分を押圧接触し付着した水を吸水するとともに、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘13の布地部分の他の部分に付着した水を叩き落とす。
【0080】
なお、吸水ベルト(1)と吸水ベルト(2)とは、傘13に対する異なる相対速度を有するので、突起体202の繰り返し動作の頻度は吸水ベルト(1)にある突起体202と吸水ベルト(2)にある突起体202とで異なる。この結果、傘13の布地部分の一方の側部と対向する他方の側部とで異なった複雑なパターンで、吸水ベルト(1)と吸水ベルト(2)によって吸水行為が行われる。これによって、傘13の布地部分に付着した水は、布地部分における水の付着位置や付着強度等が異なることによって生じる種々の態様においても確実に脱水され、つぼめた傘13の布地のひだの重なる面に付着した水滴をも確実に脱水することができる。
【0081】
次に、ST2では、吸水ベルト(1)を逆転して左回転し、吸水ベルト(2)を逆転し右回転する。これによって、ST1において脱水対象としていた同一の布地部分に対し逆方向から脱水することになり、つぼめた傘13の布地のひだの重なる面をめくり返し付着した水滴をも確実に脱水することができる。
【0082】
さらに、ST2では、傘固定用モータ156を作動させて傘固定治具152を所定の短時間だけ開く。このとき、吸水ベルト(1)は左回転し、吸水ベルト(2)は右回転し互いに逆方向に回転しているので、傘13は反時計方向に自転するように突起体202から力を受ける。傘固定治具152を開く時間を選択することにより、傘13を例えば約90度の角度だけ反時計方向に自転させることができる。
【0083】
次に、ST3において、傘13を例えば約90度の角度だけ自転させた時点で傘固定治具152を閉じ傘13を固定保持する。また、吸水ベルト(1)を逆転して右回転し、吸水ベルト(2)は逆転して左回転する。ST3においては、傘13が例えば約90度の角度だけ自転しているので、傘13の布地部分の異なる部分の脱水が行われる。
【0084】
次に、ST4において、ST2における場合と同様に傘固定用モータ156を作動させて傘固定治具152を所定の短時間だけ開く。吸水ベルト(1)は右回転し、吸水ベルト(2)は左回転し互いに逆方向に回転しているので、傘13は時計方向に自転するように突起体202から力を受ける。傘固定治具152を開く時間を選択することにより、傘13を例えば約180度の角度だけ時計方向に自転させる。
【0085】
次に、ST5において、ST3における場合と同様に、傘13を例えば約180度の角度だけ自転させた時点で傘固定治具152を閉じ傘13を固定保持する。また、吸水ベルト(1)を逆転して右回転し、吸水ベルト(2)は逆転して左回転する。ST5においては、ST1やST3における場合とは異なる布地部分の脱水が行われる。
【0086】
次に、ST6において、傘13が終点に到達したことを検知して一連の脱水工程が終了したことを認知し、傘固定治具152が開き、次に、利用者が傘13を取り出したことを検知して、傘固定治具152をスタート地点に戻し、次の利用者の利用を待つ。
【0087】
図13及び図14に示すST乃至ST6によれば、吸水ベルト(1)、(2)を移動中の傘13の両側から当接して移動し、布地の水滴を吸収するようにしているので、傘に付着した雨滴を極めて短時間に吸収でき、かつ布地のひだの間に付着している雨滴でも残すことなく吸収することができ、高速で確実な脱水を行うことができる。
【0088】
なお、上述したST1乃至ST6における傘13の移動パターンは一例であり、本発明では上述の移動パターンに限らず種々のパターンが可能である。例えば、ST2乃至ST5の工程を省略したり、あるいはこれらの一部のみを実行することも可能である。また、ST2乃至ST5に類似した他の工程をさらに加えることも可能である。
【0089】
また、傘13の移動速度と、吸水ベルト(1)及び吸水ベルト(2)の移動速度との間の相対速度傘13の移動速度と、吸水ベルト(1)及び吸水ベルト(2)の移動速度との間の相対速度は、種々に設定することが可能であり、脱水装置装置の設置場所や使用目的等に応じて、脱水作用が最も効率的に且つ確実に実行されるように設定するようにすればよい。
【0090】
また、脱水の完全性と脱水処理速度とは、脱水の完全性を求めれば脱水処理速度が遅くなるというように互いに相反する面がある。どちらを優先するかは、複数の所定のプログラムを予め駆動制御手段112に準備しておき、脱水装置装置の設置場所や使用目的等に応じて選択できるようにすればよい。例えば、百貨店では脱水の完全性を優先させ、駅等の混雑する場所では脱水処理速度を優先させるようにしてもよい。
【0091】
以上、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態について説明したが、これらの実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0092】
降雨時に濡れた傘から滴る水滴で建物の床等が濡れるのを防止するために、従来、例えば降雨時に入口に傘を入れるためのビニール製の袋を用意することや、ファン装置を用いて濡れた傘から水滴を吸引し脱水する装置を設置することで対応している。しかし、上記の方法ではいずれも入口で入場者が立ち止まって対応するために、人の流れの多い場所では、脱水装置の利用のために人の流れに滞りが生じるという問題点があった。また、ファン装置を用いて濡れた傘から水滴を吸引し脱水する装置やその改良装置では、つぼめた傘布地のひだの重なる面の水滴が充分にファン装置によって吸引されないという問題があった。
【0093】
これに対し、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態の傘脱水装置によれば、上述の問題を解決することができる。すなわち、傘は傘移動手段に保持された状態で自動的に人の歩行方向に移動しながら傘の脱水を行うように構成されているために建物の入口に入場者が滞留することをなくすることができる。
【0094】
また、吸水体を移動中の傘の両側から当接して移動し、布地の水滴を吸収するようにしているので、傘に付着した雨滴が極めて短時間に吸収でき、かつ布地のひだの間に付着している雨滴でも残すことなく吸収することができ、高速で確実な脱水を行うことができる。
【0095】
また、吸水体は複数の突起体を有するので、対向する一対の吸水体の突起体が傘の布地部分の両側を通過する際に、突起体は傘の移動に追随して折れ曲がりながら傘の布地部分を押圧接触し付着した水を吸水するとともに、ある程度折れ曲がった段階で逆方向に跳ね返されることによって、傘の布地部分の他の部分に付着した水を叩き落とすことができ、脱水効率の向上を図ることができる。
【0096】
また、脱水された水滴を貯蔵する貯蔵槽を備えることにより、建物等の床を雨傘に付着した雨滴で濡らすのを防ぐことができ、さらに建物の入口において入場者が滞ることを回避することができる。脱水された水分を貯留槽に貯留することにより、任意の場所への設置を可能とする。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の構成によれば、吸水体を移動中の傘の両側から当接して移動し、布地の水滴を吸収するようにしているので、傘に付着した雨滴が極めて短時間に吸収でき、かつ布地のひだの間に付着している雨滴でも残すことなく吸収することができ、高速で確実な脱水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の傘脱水装置の第1の実施形態を断面でもって示す正面図である。
【図2】図1の傘脱水装置をA矢印方向から見た側面図である。
【図3】図1の傘脱水装置をB矢印方向から見た平面図である。
【図4】第1の実施形態の傘脱水装置の傘保持機構部の詳細を示す図である。
【図5】傘保持機構部に傘が保持された状態を示す図である。
【図6】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態を断面でもって示す正面図である。
【図7】図6の傘脱水装置をAA矢印方向から見た側面図である。
【図8】図6の傘脱水装置をBB矢印方向から見た平面図である。
【図9】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態におけるの傘保持機構部の詳細を示す平面である。
【図10】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態における傘保持機構部の詳細を示す正面図である。
【図11】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態における脱水手段を示すの正面図である。
【図12】本発明の傘脱水装置の第2の実施形態における脱水手段を示すの斜視図である。
【図13】脱水工程を示すフローチャト図である。
【図14】図13に対応する脱水工程と傘の位置との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 傘脱水装置
2 カバー
3 傘移動手段
4 傘移動機構部
5 傘保持機構部
9 吸水板
10 脱水ローラー
11 貯留槽
13 傘
98 吸水板駆動モーター
101 傘脱水装置
102 カバー
103 傘移動手段
104 傘移動機構部
105 傘保持機構部
108 脱水手段
109 吸水ベルト
110 吸水ベルト移動手段
111 貯水糟
112 駆動制御手段
152 傘固定治具
202 突起体
211,212、213 ガイドローラ
217 水絞りローラ
Claims (12)
- 傘の先端部を下方にした姿勢で前記傘を移動させる傘移動手段と、
前記傘の布地に接触するように対向して配置された吸水性を有する一対の吸水体と、
前記一対の吸水体を前記傘の移動方向またはその反対方向に移動させる吸水体移動手段と、
前記吸水体に吸収された水滴を絞り出す脱水手段と、
前記傘移動手段または前記吸水体移動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする傘脱水装置。 - 前記駆動制御手段は、前記傘の移動または前記一対の吸水体の移動が所定移動パターンになるように、前記傘移動手段または前記吸水体移動手段を駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
- 前記駆動制御手段は、前記一対の吸水体の各々を互いに逆方向に移動するように前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
- 前記駆動制御手段は、前記一対の吸水体の各々を互いに同方向に移動するように前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
- 前記傘移動手段は、前記傘の先端部を挟み保持可能な一対の傘固定部材と、前記一対の傘固定部材を接近離反可能に移動させる傘固定部材移動手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
- 前記駆動制御手段は、前記傘移動手段によって前記傘の移動させる間に前記傘を所定角度だけ自転させるように、前記傘固定部材移動手段及び前記吸水体移動手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の傘脱水装置。
- 前記一対の吸水体は、前記傘の布地に接触するように基材から突出して形成された複数の突起体を有することを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
- 前記突起体は、弾性材からなることを特徴とする請求項7に記載の傘脱水装置。
- 前記突起体は、棒状の形状を有し、前記基材上にマトリックス状に配列されていることを特徴とする請求項7に記載の傘脱水装置。
- 前記一対の吸水体の各々は、ループ状に形成されており、前記傘の移動方向に沿って配設されたガイドローラによって回転案内されることを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
- 前記脱水手段は、前記一対の吸水体の各々が変形しながら通過可能に立設された水絞りローラを有することを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
- 前記傘および前記一対の吸水体から脱水された水滴を貯留する貯留槽を備えることを特徴とする請求項1に記載の傘脱水装置。
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