JP2000282650A - 屋根棟部に用いる棟役物並びに太陽電池を備えた屋根構造 - Google Patents

屋根棟部に用いる棟役物並びに太陽電池を備えた屋根構造

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JP2000282650A JP11093036A JP9303699A JP2000282650A JP 2000282650 A JP2000282650 A JP 2000282650A JP 11093036 A JP11093036 A JP 11093036A JP 9303699 A JP9303699 A JP 9303699A JP 2000282650 A JP2000282650 A JP 2000282650A
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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池を備えた屋根の配線を容易に行い、
防水性向上を図る。 【解決手段】 太陽電池7を有する屋根材3Aを野地坂
4上に配設し、屋根材3Aの下面に、電気ケーブル31
を挿通可能な挿通路36を屋根勾配方向に設け、屋根棟
部Bにおける野地坂4上に、前記ケーブル31を棟部B
から屋内に引き入れ可能とするように前記挿通路36に
対応して位置づけられた挿通口52を有する棟役物40
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根棟部に設けら
れる棟役物並びに太陽電池を備えた屋根構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅等の屋根の上に太陽電池を設
置し、この太陽電池から電力を取り出して住宅に供給す
る住宅用太陽発電システムが普及してきている。この種
太陽電池システムとしては、既設の屋根の上にフレーム
等を介して太陽電池ユニットを装着する後付型のもの
と、屋根材(瓦)に太陽電池を一体とした建材一体型の
太陽電池モジュールを屋根の野地坂上に葺いていく屋根
一体型のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記後付型のものにあ
っては、太陽電池の電気ケーブルの屋内への引き込み
を、建物の壁に設けた換気口や軒先側の隙間、或いは屋
根に孔を穿けて行っており、これではケーブルが外部に
露出することが多くなって風雨に曝され、耐久性の問題
が生じていた。また、引き込み箇所が一定せず配線の取
り回しが困難となって施工上手間がかかるものとなって
いた。その点、建材一体型の太陽電池屋根材を用いる場
合、屋根葺き作業と合わせてケーブル配線が行えること
から屋根材の下側にケーブルを這わすことが可能とな
り、外部に露出するようなことが少なくできるものの、
屋内へのケーブル引き込みのために、現地合わせ等によ
り野地坂等に孔を穿けたり棟上部を覆う棟カバーに孔を
穿ける作業を伴っており、施工の手間が多大となるとと
もに防水性に劣り、雨仕舞も困難なものとなっていた。
【0004】そこで、本発明は、太陽電池等の配線を棟
側から容易に引き込むことを可能とし、防水性の点で有
利となる屋根棟部に用いる棟役物、並びに太陽電池を備
えた屋根構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本発明の屋根棟部に用いる棟役物は、屋根棟部にお
ける野地坂上に棟部に沿って取り付けられ、該野地坂と
の間に屋根勾配方向に挿通する挿通口を形成可能な切欠
部を備えているものである。これによれば、野地坂上に
配設した太陽電池付き屋根材のケーブルを適宜経路を介
して棟側に配設し、屋根棟部に設けた棟役物の切欠部を
介して棟部から屋内へケーブルを引き込み可能となる。
【0006】従って、屋内へのケーブル引き込みが所定
個所から行えてケーブルの配線を容易に行いうるととも
に、現地合わせによる孔穿け等も不要であることから施
工上の手間が少なくなる。また、切欠部を棟役物の長手
方向(棟長手方向)に複数設けることにより、屋根材の
配置やケーブルの配設経路に影響されることなく、いず
れかの切欠部を用いてケーブルを引き込み可能となって
いる。また、この棟役物は、その軒側端部が最上段の屋
根材の棟側端部上に配置されて棟側に延びる上壁部と、
該上壁部の棟側端から下方に延びその下端部が野地坂上
に配置される立壁部とを有して構成し、この立壁部の下
部に前記切欠部を形成し、上壁部の上面に、屋根棟部を
覆う棟カバーを取付可能とするのが好ましい。
【0007】このような構成によって、上壁部の軒側端
を屋根材上に配置するとともに、上壁部の下側にケーブ
ルを通して切欠部から棟側に引き出し、上壁部上面に棟
カバーを設けることで、切欠部が棟カバー内に配置され
ることとなって切欠部からの浸水が防止され、更に、ケ
ーブルの露出が防止されることから耐久性向上にも寄与
するものとなる。また、本発明は、太陽電池を備えた屋
根材を含む複数の屋根材を野地坂上に配設している太陽
電池を備えた屋根構造において、前記屋根材の下面に、
電気ケーブルを挿通可能な挿通路を屋根勾配方向に設
け、屋根棟部における野地坂上に、前記ケーブルを棟部
から屋内側に引き入れ可能とするように前記挿通路に対
応して位置づけられた前記ケーブルの挿通口を有する棟
役物を棟部に沿って設けていることを特徴とするもので
ある。
【0008】これによれば、太陽電池のケーブルを屋根
材の下面を通して棟側に配設し、屋根棟部においては、
棟役物の挿通口を介して容易に屋内へ引き込むことが可
能となる。この際、屋根材の挿通路に対応して棟役物の
挿通口が設けられていることから、ケーブルを遠回しす
ることなく最短距離で棟部に配設することができるよう
になる。また、前記挿通路を屋根材に対して棟長手方向
に複数設け、前記挿通口を前記挿通路に対応して設ける
ことにより、いずれかの挿通路を用いて電力の集電場所
に応じたケーブル配線が行えながら、挿通路に対応する
挿通口によりケーブルを最短で屋内に引き込むことが可
能となっている。
【0009】なお、棟役物として、前述したような上壁
部と立壁部とを備えた構成とし、上壁部の軒側端を屋根
材上に配置するとともに、立壁部の下端部を野地坂上に
配置し、上壁部の上面に棟カバーを取り付けるようにす
れば、立壁部の切欠部が棟カバー内に配置されて切欠部
からの水の侵入が防止されるとともに、上壁部でケーブ
ルを覆って雨水等から保護できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図14には、太陽電池を備えた住宅
等の建物1の屋根2A、2Bを示しており、この屋根2
A、2Bは、複数の屋根材3、3Aを野地坂4上に設置
することにより構成され、例えば、南側に向く屋根2A
の全部又は一部には、太陽電池7を一体に備えた屋根材
3Aが利用されている。本図の例では、A枠内で示す範
囲に太陽電池一体型の屋根材3Aが使用され、各屋根材
3Aを縦横に整列状に配設したものとし、当該屋根2A
の他の部分及び反対側の屋根2Bには、太陽電池7を備
えない屋根材3(例えば従来公知の金属製屋根材やセメ
ント製屋根材)が用いられている。
【0011】図6、図7及び図9に示すように、前記太
陽電池付き屋根材3Aは、ベース6の上面に太陽電池7
を備えて構成され、該太陽電池7は、ガラス材に太陽電
池のセルを貼着し、下面に端子ボックス8を備えてい
る。太陽電池7の下面には、金属製板材よりなる基板9
を有しており、図10に示すように、基板9の軒側端に
は下方に折曲する第1折片11と、該第1折片11から
棟側に折曲した第2折片12と、該第2折片12から軒
側に向けて折曲した軒側重合片13とを一体に備えてい
る。
【0012】また、基板9の棟側には、上方に突出する
とともに軒側に向けてL字状に折曲された棟側重合片1
4が設けられている。なお、図7に示すように、基板9
の軒側には上下に貫通する窓10が形成され、太陽電池
7下面の端子ボックス8が窓10を介して基板9の下側
に突出するようになっている。前記ベース6は、発泡樹
脂材等により形成されており、屋根材としての踏み強度
や断熱性を保つべく考慮されている。また、ベース6
は、図6に示すように、軒側端部から棟側端部に向けて
徐々に肉厚が薄くなるように側面視楔型に形成され、左
右中央部で且つ軒側の端部には、前記端子ボックス8を
収容する収容凹部15が形成されている。
【0013】ベース6上面の左右両側には、帯状の金属
板材よりなる一対の支持板16がベース6の屋根勾配方
向に亘って設けられている。各支持板16の棟側端に
は、図9にも示すように、上下に突出するとともに軒側
に折曲する略L字状の上下係止片17,18を備えてお
り、支持板16の軒側端はベース6よりも突出されてい
て、この突出部分に連結ネジ19を介して吊り子20を
固定している。前記吊り子20は、支持板6の下面にネ
ジ止めされる連結片20aと、該連結片20aの棟側端
からベース6の軒側端面に沿って下方に延び、更に棟側
に向けて折曲する前係止片20bを備えている。また前
係止片20bから軒側に向けて折曲され、釘等の固定具
21によって野地坂4上に固定される固定片20cを一
体に備えている。
【0014】よって、ベース6は、軒側端で前係止片2
0bと支持板6とで挟持され、棟側端で下係止片18と
支持板6との間で挟持されるようになり、ここにベース
6、支持板16、吊り子20が一体となるように組み立
てられている。図10にも示すように、前記連結片21
の軒側端には、上側が開放したコ字状の取付片23が一
体に屈曲形成され、この取付片23の軒側端面にはネジ
孔24が形成されている。また、取付片23の軒側端に
は、ネジ孔24に螺合する止めネジ25を介して着脱自
在にストッパ部材26が固定される。
【0015】このストッパ部材26は、取付片23の軒
側端面に対向する縦片26aと、この縦片26aの上端
から棟側に折曲する係止片26bと、縦片26aの下端
から棟側に向けて斜め下方に折曲する止め片26cとを
一体に備えている。そして、前記太陽電池7は、その基
板9の棟側端を支持板16の棟側端に設けた上係止片1
7に係合させるようにしてベース6上に載置され、基板
9の軒側端では、第1折片11及び第2折片12が取付
片23に係合するとともに、該取付片23の前端,第1
折片11及びストッパ部材26を重ね合わせた状態で止
めネジ25を締結することによりベース6に固定され、
該ストッパ部材26の係止片26bにより太陽電池7の
上方への浮き上がりが防止され、更に、縦片26aによ
って前方への移動が規制されるようになっている。
【0016】また、ベース6に設けた収納凹部15に端
子ボックス8が収納され、該端子ボックス8から2本の
コネクタ付き接続ケーブル27が軒側に突出している。
上記構成の太陽電池付き屋根材3Aは、屋根2Aの棟側
から順次設置されるようになっており、具体的には、図
9及び図10に示すように、棟側(上段)に配置される
屋根材3Aの軒側に突出する基板9の下側に、軒側(下
段)に配置される屋根材3Aの棟側端部が挿入される。
そして、上段側の軒側重合片13と下段側の棟側重合片
14とが上下に相対するように配置され、この棟側及び
軒側重合片13,14に対して結合部材28が嵌合され
るようになっている。
【0017】この結合部材28は、上下の挟持片28a
を有する側面視コ字状に形成され、上下挟持片28aを
つなぐ連結片28bによって軒側及び棟側重合片13,
14の先端部を塞ぐように取り付けられ、ここに両重合
片13,14間からの雨水等の浸入防止を図っている。
また、上挟持片28aの上側には、軒側に折り返された
掛止片28cが形成され、結合部材28を各重合片1
3,14に嵌合することによって、掛止片28cがスト
ッパ部材26の止め片26cに係合し、ここに結合部材
28の抜落を防止するとともに、上下段の屋根材3A,
3Aの屋根勾配方向の位置ずれが防止されている。
【0018】また、ストッパ部材26を取り外すことに
よって結合部材28を取外し、ベース6から太陽電池7
を容易に取り外し可能であり、これにより太陽電池7の
交換等のメンテナンスを容易に行い得るようにしてい
る。図11には、各屋根材3Aにおけるケーブルの接続
構造を例示している。本図では、左右3枚の屋根材3A
を上下4段に配設した状態を示しており、左右に隣接す
る屋根材3Aは、端子ボックス8から出ている接続ケー
ブル27によって接続され、左右一端側(右側)にある
上2段、下2段の屋根材3A同士が接続ケーブル27及
び中継ケーブル30を介して接続される。
【0019】また、左右他端側(左側)にある各屋根材
3Aの接続ケーブル27には、屋内側へと引き込まれる
引込ケーブル31の一端が接続されるようになってお
り、よって上下各2段の屋根材3Aがそれぞれ直列に接
続されている。ここで、各接続ケーブル27,30,3
1は、図9に示すように、上段側の屋根材3Aと下段側
の屋根材3Aとの間に形成される左右方向の空間32に
配置されていて風雨等から保護されるようになり、更
に、前記結合部材28により上下段の屋根材3A,3A
の隙間を塞いで浸水を防止していることから、より確実
な保護が図れるようになっている。
【0020】なお、各ケーブル27,30,31のコネ
クタ近傍には、図7に示すようなタグ33が取り付けら
れており、このタグ33は、厚紙等により形成されて、
+−の極性や、接合相手を示す英数字等の符号が記載さ
れるようになっており、これによって誤接続等を防止し
ている。また、前記タグ33を押しピン等によって野地
坂4に仮止めすることにより、屋根材設置時にケーブル
27,30,31が邪魔となったり踏みつけたりするこ
とがないように避けることが可能となる。図6及び図8
に示すように、前記ベース6の下面には、左右複数(図
例では4つ)の凹溝35が所定間隔をおいて設けられて
おり、この凹溝35は、野地坂4とベース6との間に屋
根勾配方向の通路状の空間を形成し、この空間をケーブ
ルの挿通路36としている。そして、前記中継ケーブル
30及び引込ケーブル31は、この挿通路36のいずれ
かを通って棟部側へ配設されるようになっている。
【0021】従って、野地坂4上に配設した屋根材3A
には、図3に示すように、左右方向の収納空間32と屋
根勾配方向の挿通路36とによって縦横にケーブル2
7,30,31の配設が可能であり、挿通路36を複数
設けることによって、建物の構造や電力の集電場所に応
じて挿通路36を選択することができ、また、凹溝35
をベース6の幅に亘るように広く形成するのではなく、
細幅のものを複数形成していることから、野地板4上へ
の載置面積(接触面積)を可及的に拡げて強度を確保し
ている。
【0022】なお、図3の例では、一番端(左側)に設
けられた挿通路36に引込ケーブル31を配設した状態
を示している。前記凹溝35は、ベース6に対して所定
間隔で4つ(左右対称位置に2つずつ)形成されている
ことから、上下段の屋根材3Aを幅1/2ずらした状態
で配設した場合でも、各凹溝35が屋根勾配方向に連続
し、軒側から棟側へ連通した連通路36が形成されるよ
うになっている。図2には、屋根棟部Bの詳細を示して
いる。
【0023】屋根棟部Bの上方には、断面傘状に形成さ
れた棟カバー38が設けられており、該棟カバー38
は、屋根勾配に略沿った傾斜面38aによって屋根面2
A、2Bに雨水等を導くようになされており、該棟カバ
ー38の一側(太陽電池を備えた屋根2A側)は、野地
坂4上に固定されたベース部材(本発明にかかる棟役
物)40を介して固定され、他側(通常の屋根2B側)
は、屋根材3上に固定したベース板39等を介して固定
されている。なお、45は棟木、46は垂木である。
【0024】このベース部材40は、図3〜図5にも示
すように、左右方向(棟長手方向)に長尺の金属製板材
を屈曲形成してなり、屋根勾配に沿う方向の上壁部41
と、該上壁部41の棟側端から下方に延びる立壁部42
と、該立壁部42の下端から軒側に折曲する折り返し部
43とを有して構成されている。また、ベース部材40
は、長手方向に複数の吊り子44を有している。前記吊
り子44は、金属製板材を屈曲形成してなり、上壁部4
1の下面に面接される上面部44aと、上面部44aの
棟側端から下方に延びて立壁部42の前面に面接される
後面部44bと、上面部44aの軒側端から下方に延び
るとともに軒側に屈曲する固定部44cとを有し、該固
定部44cには貫通孔44dが形成されていて釘等の結
合部材47(図2参照)によって野地坂4上に固定さ
れ、また、後面部44bと立壁部42とはリベット48
等によって結合される。
【0025】最上段の屋根材3Aは、図1に示すよう
に、吊り子44の固定部44cにおける立ち上がり部分
44eに近接して配置されており、この屋根材3Aの上
方に、前記上壁部41の軒側端が配置されるようになっ
ている。また、上壁部41の上面には、側面視L字状の
取付ブラケット49がネジ59により固定され、該取付
ブラケット49に棟カバー38一側の縦壁部分38bが
ネジ50により結合されるようになっている。そして、
棟カバー38は、縦壁部38b下端から軒側に屈曲する
斜辺部38cを有し、該斜辺部38cが上壁部41の上
面に沿って配置されるようになっており、棟カバー38
とベース部材との間からの雨水の浸入を防止している。
【0026】前記ベース部材40において、その立壁部
42の下端部には、棟長手方向に複数の切欠部51を形
成している。この切欠部51は、野地坂4との間で屋根
勾配方向に挿通する挿通口52を形成するようになって
おり、各挿通口52は、屋根材3Aに設けた各挿通路3
6よりも広幅に形成されていて、2つ又は3つ以上の挿
通路36に対して左右方向に関して対応するように位置
づけられている。従って、挿通路36に配設された引込
ケーブル31を、挿通口52を介して直線的に棟部へ渡
して屋内に引き込み可能であり、ここに、前記挿通口5
2(切欠部51)は、引込ケーブル31を遠回しするこ
となく最短距離で容易に棟部Bに引き込むことができる
ようにして配線施工性の向上を図っている。
【0027】また、前記挿通口52は棟カバー38内に
配置されることとなり、雨水等は棟カバー38の傾斜面
38aから縦壁部38b、斜辺部38cを経て屋根面2
Aに流下するようになっており、これによって挿通口5
2からの雨水等に浸入を防止可能であり、上壁部41の
下側に引込ケーブル31が配置されることから該ケーブ
ル31が上方側から保護されるようになっている。な
お、前記上壁部41の軒側端は若干下方に屈曲されてお
り、この屈曲部41aは、屋根材3Aの棟側重合片14
の前側に配置されるようになっており、よって、屈曲部
41aは、当該屋根材3Aの軒側への移動を規制するス
トッパとしての役割を担うとともに、上壁部41と屋根
材3Aとの間の雨水等に浸入を防ぐ遮蔽部とされてい
る。
【0028】そして、太陽電池付き屋根材3Aを備えた
野地坂4の棟側端は、少なくともケーブル31の引込部
位が棟頂部よりも若干後退しており、屋内へのケーブル
引込を可能としている。前記挿通口52(切欠部51)
は、屋根材3Aの各挿通路36に1対1で対応するよう
に該挿通路36と同数形成してもよい。太陽電池7付き
屋根材3Aが屋根2の棟部Bまで至らない場合には(最
上段側が太陽電池7を備えない屋根材3の場合)には、
最上段側の屋根材3として、前述のベース6上に太陽電
池7に代わるダミーの屋根部材7’を備えたものとする
とともに、これを下段側の太陽電池7付き屋根材3Aに
対して屋根勾配方向に連続して設けることで挿通路36
を連通させ、上記と同様の配置でベース部材40及び棟
カバー38を設けるようにすればよい。
【0029】図1及び図4に示すように、複数の引込ケ
ーブル31は、挿通路36内等において結束部材54を
介して束ねられ、野地坂4上に固定されるようになって
いる。この結束部材54は、図12に示すように、合成
樹脂材等により形成されていて、板状の受け部材55と
覆い部材56とを有し、この受け部材55及び覆い部材
56は、その長手方向一端部で薄肉状のヒンジ部57に
よって一体的に連結され、開閉自在となっている。
【0030】また、受け部材55の上面には、ケーブル
径に応じた円弧状の保持凹部55aが複数形成され、覆
い部材56の下面にも同様の保持凹部56aが同数形成
され、受け部材55の保持凹部55a内に複数のケーブ
ル31を嵌合するとともに覆い部材56で挟むことによ
り複数の引込ケーブル31を結束可能としてある。ま
た、受け部材55の下面は、平坦面に形成されて野地坂
4上に面接可能であり、受け部材55及び覆い部材56
の両端には平板状の固定部55b,56bを備えてい
て、これら固定部55b,56bには貫通孔58を形成
しており、ケーブル31の保持状態で受け部材55及び
覆い部材56の固定部55b,56bが重合されるとと
もに、貫通孔58を介して釘や止めネジ等の結合部材で
野地坂4に固定することにより、各引込ケーブル31を
横並びに整列した状態で配線可能としてある。
【0031】これにより、各ケーブル31が団子状に束
ねられるようなことが防止され、挿通路36の上下幅が
狭い場合でも引込ケーブル31を挿通可能となって取り
回しが容易に行え、逆に言えば、屋根材ベース6に形成
した凹溝35の深さを浅く形成することが可能となって
ベース6の剛性確保が図られるようになっている。ま
た、図13には、結束部材54の変形例を示しており、
これは、1つの板材60の長手方向中央部を上方にコ字
状に屈曲し、この屈曲部60a内に横並びにケーブルを
配設するとともに、両端の固定部60bに形成した貫通
孔60cを介して野地坂4に固定するようにしたもので
あり、上記と略同様の効果が得られるものとなる。しか
し、先に示した図12の場合、受け部材55と覆い部材
56とによってケーブル31の整列状態を保持した状態
で容易に野地坂4上に固定できるようにしていることか
ら、この点で図12の結束部材54の方が有利なものと
なっている。
【0032】ところで、本発明は、上記実施形態に限る
ことなく適宜設計変更可能である。例えば、屋根材の詳
細構造やその配設状態、各ケーブル27,30,31の
接続構造等は上記実施形態に限られるものではなく適宜
変更可能である。また、本発明の棟役物は、棟カバーを
一体に形成したものであってもよい。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
野地板や棟カバー等に孔を穿ける必要もなく、太陽電池
のケーブルを棟部から屋内へ容易に引き込むことが可能
で、施工性向上を図れるとともに防水性の点でも有利と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部を示す側面断面図である。
【図2】屋根棟部の側面断面図である。
【図3】屋根材及び棟役物の配置状態を示す平面図であ
る。
【図4】本発明に係る棟役物の斜視図である。
【図5】(a)は棟役物の平面図、(b)は、背面図で
ある。
【図6】屋根材の分解斜視図である。
【図7】屋根材の平面図である。
【図8】屋根材の正面断面図である。
【図9】屋根材の上下段の連結状態を示す側面断面図で
ある。
【図10】屋根材の上下段の連結状態を拡大して示す側
面断面図である。
【図11】屋根材の配線構造を示す概略図である。
【図12】(a)は結束部材の変形例を正面図、(b)
は同斜視図である。
【図13】(a)は結束部材の変形例を示す正面図、
(b)は同斜視図である。
【図14】太陽電池付き屋根を備えた建物の斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 屋根 3A 屋根材 4 野地板 36 挿通路 38 棟カバー 40 ベース部材(棟役物) 41 上壁部 42 立壁部 51 切欠部 52 挿通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 洋 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 大本 誠司 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 藤原 隆 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 伊藤 孝司 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 Fターム(参考) 2E108 GG16 KK04 LL01 MM00 NN07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根棟部(B)における野地坂(4)上
    に棟部(B)に沿って取り付けられ、野地坂(4)との
    間に屋根勾配方向に挿通する挿通口(52)を形成可能
    な切欠部(51)を備えていることを特徴とする屋根棟
    部に用いる棟役物。
  2. 【請求項2】 軒側端部が最上段の屋根材(3,3A)
    上に配置されて棟側に延びる上壁部(41)と、該上壁
    部(41)の棟側端部から下方に延びその下端部が野地
    坂(4)上に配置される立壁部(42)とを有して構成
    され、この立壁部(42)の下部に前記切欠部(51)
    が形成され、上壁部(41)の上面に、屋根棟部(B)
    を覆う棟カバー(38)を取付可能としていることを特
    徴とする請求項1に記載の屋根棟部に用いる棟役物。
  3. 【請求項3】 前記切欠部(51)を棟長手方向に複数
    形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    屋根棟部に用いる棟役物。
  4. 【請求項4】 太陽電池(7)を備えた屋根材(3A)
    を含む複数の屋根材(3,3A)を野地坂(4)上に配
    設している太陽電池を備えた屋根構造において、 前記屋根材(3,3A)の下面に、電気ケーブル(3
    1)を挿通可能な挿通路(36)を屋根勾配方向に設
    け、屋根棟部(B)における野地坂(4)上に、前記ケ
    ーブル(31)を棟部(B)から屋内に引き入れ可能と
    するように前記挿通路(36)に対応して位置づけられ
    た挿通口(52)を形成する棟役物(40)を前記棟部
    (B)に沿って設けていることを特徴とする太陽電池を
    備えた屋根構造。
  5. 【請求項5】 前記棟役物(40)は、軒側端部が最上
    段の屋根材(3A)上に配置されて棟側に延びる上壁部
    (41)と、該上壁部(41)の棟側端から下方に延び
    その下端部が野地坂(4)上に配置される立壁部(4
    2)とを有して構成され、この立壁部(42)の下部に
    前記挿通口(52)が形成され、上壁部(41)の上面
    に、屋根棟部(B)を覆う棟カバー(38)を取り付け
    ていることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池を備
    えた屋根構造。
  6. 【請求項6】 前記挿通路(36)を屋根材(3,3
    A)に対して棟長手方向に複数設け、前記挿通口(5
    2)を前記挿通路(36)に対応して設けていることを
    特徴とする請求項4又は5に記載の太陽電池を備えた屋
    根構造。
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