JP2000282503A - 掘削機の振動発生アダプター - Google Patents

掘削機の振動発生アダプター

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JP2000282503A
JP2000282503A JP11085602A JP8560299A JP2000282503A JP 2000282503 A JP2000282503 A JP 2000282503A JP 11085602 A JP11085602 A JP 11085602A JP 8560299 A JP8560299 A JP 8560299A JP 2000282503 A JP2000282503 A JP 2000282503A
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Yokichi Nagasawa
要吉 長澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】掘削機のアームの先端とバケットの間に介在さ
れ、それ自体で振動を発生し、振動をアーム側に伝達さ
せない。 【解決手段】アーム18の先端に連結された振動発生ア
ダプター21と、振動発生アダプター21の前側に連結
されたバケット22とから成り、アーム18を揺動させ
ることでバケット22により土砂の掘り取り作業を行う
ことができると共に、振動発生アダプター21から発生
させた振動をバケット22に伝えて土砂の転圧作業を行
うことができる機構において、振動発生アダプター21
は、アーム18に連結される上ジョイント体32と、バ
ケット22に連結される下ジョイント体34と、上ジョ
イント体32と下ジョイント体34の間に介在された緩
衝体36と、上ジョイント体32と下ジョイント体34
を選択的に結合するか開放することができる係合機構3
3と、下ジョイント体34に固定されて振動を発生する
ことができる振動発生機構35とから構成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、掘削機のアームの
先端とバケットの間に介在され、それ自体で振動を発生
することができる掘削機の振動発生アダプターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】道路を掘り返す工事には各種あり、下水
道工事、上水道工事、地中線配管工事、ガス配管工事等
が多い。このような工事作業では、まず舗装してある道
路を掘り起こし、溝状に開削する。掘り下げた穴の中に
埋設物を埋めたり、配管の保守を行ったりした後でその
穴に土砂の埋め戻し、その土砂を転圧してから最後に舗
装を施工する。さて、市街地の道路には、このような掘
り返して埋め戻した工事の跡が残っていて、路面に凹凸
が形成されていることがしばしば見かけることがある。
工事の後で路面に凹凸の段差が残っていると、走行する
車両に振動が生じ、搭乗者や積載物に悪影響がある。こ
のような段差が車線の方向と平行に形成されているので
あれば、走行する車両には影響が少ない。だが、車線を
横断する方向に段差が形成されていると、車両には大き
な振動となる。中には、工事跡が時間経過と共に沈下す
ることを予想し、土砂を隆起させて工事を完了させるこ
ともある。だが、予め沈下する高さを予測して隆起させ
ていたのでは、同じように車両に振動を発生させる原因
となる。
【0003】このような工事後に形成された路面に残っ
た凹凸の段差は、埋め戻し作業の工程における土砂の転
圧が充分におこなわれなかったことから発生している。
このため、埋め戻した後の路面を完全に平坦にするに
は、穴に戻した土砂を均して圧力で踏み固めておかなけ
ればならない。土砂を充分に固めておけば、沈下するこ
ともなくなり、舗装後の路面は水平を保つことができ
る。この転圧の工程では、指定土砂を溝や穴の中に30
センチ程度の厚さに均し、その土砂の上面から振動発生
機(ランマー、プレート、振動ローラーなどとも呼ぶ)
により押し固めている。このような転圧の作業では、掘
り下げた溝や穴の中に振動発生機を吊り下ろし、作業者
が溝や穴の中で振動発生機を操作しなければならないも
のであった。このような工程では、狭い溝や穴の中に振
動発生機を吊り下ろしたり、吊り上げたりする作業が必
要となり、作業が煩雑となるものであった。また、狭い
溝や穴の中で作業員が振動発生機を操作しなければなら
ず、危険を伴うことになっていた。そして、このような
掘り起こしと埋め戻しの作業現場は、連続していないこ
とが多く、掘り起こした溝や穴のそれぞれに重い振動発
生機を吊り下げて、危険な作業を繰り返さなければなら
ない欠点があった。
【0004】このような転圧作業の非効率と危険性を解
除するために、掘削機(バックホーとも呼ばれる)のア
ームに取り付けることができる振動発生アダプターが提
供されている。この種のアダプターは、掘削機のアーム
に連結されているバケットを取り外し、アームの先端に
振動発生アダプターを取り付け、振動発生アダプターに
バケットを連結することができるものである。この構成
では、通常の土砂の掘削作業ではバケットをそのまま使
用して土砂を掘り取ることができる。転圧の作業におい
ては、振動発生アダプターに電力又は油圧を供給してそ
れ自体で振動を発生させ、発生した振動をバケットに伝
達することができる。このバケットの背面を土砂の表面
に接触させ、振動によってその土砂を突き固める作用が
可能となっていた。このようなアダプターでは、掘り取
った溝や穴の中に振動発生機を吊り下げる必要もなく、
作業員が溝や穴に入って作業することもなくなり、作業
効率が向上するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
振動発生アダプターであっては、発生した振動はバケッ
トに伝達されるが、同時にアームやバケットシリンダー
にも伝達されることになった。この振動がアームやバケ
ットシリンダーに伝達されると、その振動によって金属
疲労が発生し、アームやバケットシリンダーが破損する
原因となっていた。また、金属部分が破損しなくとも、
機械部分の故障の原因となり、長期に掘削機を使用する
ことができにくくなっていた。また、発生した振動の全
てがバケット方向に伝えられないため、土砂を転圧する
作用力として働かず、転圧の効果が半減することになっ
ていた。さらに、このような振動発生アダプターを使用
すると、振動がアームなどに伝えられて騒音を増幅する
ことになり、市街地での転圧作業では使用することがで
きにくいものであった。
【0006】この点を解消するため、本発明の振動発生
アダプターでは、アダプターを上部ジョイント体と下部
ジョイント体に分け、両ジョイント体の間を柔軟な緩衝
体で連結し、両ジョイント体の結合と解除は係合機構で
可能なように組み立ててある。この下部ジョイント体に
は振動発生機構を固定してあり、上部ジョイント体をア
ームに連結し、下部ジョイント体をバケットに連結して
ある。この構成により、通常の掘削作業においては、係
合機構により上部ジョイント体と下部ジョイント体とを
一体となるように結合させ、従来からの掘削機と同じ動
作ができるように保持している。土砂を転圧する作業で
は、係合機構を動作させて上部ジョイント体と下部ジョ
イント体の結合を解除し、両ジョイント体が別個に動作
するように開放させる。そして、振動発生機構により振
動を発生させると、その振動は下部ジョイント体を介し
てバケットに伝えられ、バケットの背面が接触する土砂
を転圧することができる。係合機構が解除されたことに
より、下部ジョイント体と上部ジョイント体は緩衝体を
介して連結されていることになり、下部ジョイント体に
固定してある振動発生機構から発生した振動は緩衝体に
よって吸収され、振動は上部ジョイント体には伝えられ
ない。このため、バケットで転圧作業を行っていても、
上部ジョイント体を介してアームやバケットシリンダー
には振動が伝えられず、金属疲労や騒音の発生を防止す
ることができる。
【0007】さらに、振動発生機構からの振動は下方に
向けて伝達され、エネルギーの全ては土砂を転圧する作
用力に向けられ、土砂に押しつけたバケットにより効率
の良い転圧作業が可能となる。このようにして係合機構
を作動させることにより、掘削機による動作の機能を掘
削と土砂の転圧に自由に切り換えることができる。この
切り換えは掘削機の運転席で操作することができ、従来
のように掘り下げた溝や穴の中に重い振動発生機を吊り
下げる作業が不要となり、作業工程を連続して行うこと
ができる。このため、作業の効率化が図れて、掘削工事
を短時間で完了して安価に行うことができる。さらに、
掘り下げた溝や穴の中に作業員が入ることがなく、安全
な作業を行うことができることになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、移動できる車
体と、車体に取り付けられて上下に揺動できるアーム
と、アームの先端に連結された振動発生アダプターと、
振動発生アダプターの前側に連結されたバケットとから
成り、アームを揺動させることでバケットにより土砂の
掘り取り作業を行うことができると共に、振動発生アダ
プターから発生させた振動をバケットに伝えて土砂の転
圧作業を行うことができる機構において、振動発生アダ
プターは、アームに連結される上ジョイント体と、バケ
ットに連結される下ジョイント体と、上ジョイント体と
下ジョイント体の間に介在された緩衝体と、上ジョイン
ト体と下ジョイント体を選択的に結合するか開放するこ
とができる係合機構と、下ジョイント体に固定されて振
動を発生することができる振動発生機構とから構成され
たことを特徴とする(請求項1)。
【0009】本発明の係合機構は、上ジョイント体に固
着され、油圧により左右に出没する係合ピンと、下ジョ
イント体に固着されて係合ピンを進退させるピン係合穴
を有する係合体とから構成されたことを特徴とする(請
求項2)。
【0010】本発明の係合機構は、上ジョイント体に固
着され、その側面にそれぞれ外側に向かって鍵状に開い
た係合溝を有する一対のフック板と、両フック板の間に
介在されてその長さを伸縮できる伸縮機構と、下ジョイ
ント体に固着され、左右に間隔を置いて平行に配置さ
れ、フック板の係合溝と接触できる係合軸とから構成さ
れたことを特徴とする(請求項3)。
【0011】本発明の係合機構は、上ジョイント体に固
着され、その側面にそれぞれ外側に向かって鍵状に開い
た係合溝を有する一対のフック板と、両フック板の間に
介在された一対のリンク板と、両フック板の間に介在さ
れて両者を引っ張り合うスプリングと、下ジョイント体
に固着され、左右に間隔を置いて平行に配置され、フッ
ク板の係合溝と接触できる係合軸とから構成されたこと
を特徴とする(請求項4)。
【0012】本発明の緩衝体は、柔軟性のある材質で形
成されたダンパーを中心に設けてあり、上ジョイント体
の下面と下ジョイント体の上面の間に介在させたことを
特徴とする(請求項5)。
【0013】本発明の緩衝体は、柔軟性のある材質で形
成されたダンパーを中心に設けてあり、上ジョイント体
の側面と下ジョイント体の側面の間に介在させたことを
特徴とする(請求項6)。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面により説明する。図1は本発明の実施の形態である振
動発生アダプター21を掘削機10のアーム18に取り
付けた状態を示す斜視図である。このように、アーム1
8の先端に振動発生アダプター21を連結し、振動発生
アダプター21の下面にバケット22を連結した形態が
使用の状態となり、以下に説明する振動発生アダプター
の各種の実施の形態において、この図1で示す使用の状
態は共通している。
【0015】先ず、車体11の左右にはそれぞれ無端状
に巻回されたクローラー12、12を配置してあり、こ
のクローラー12を前後に回転するか逆転させること
で、車体11を前進、後進あるいは方向転換させること
ができる。この車体11の上部には旋回台13を水平に
載置してあり、この旋回台13は車体11に対して水平
方向に回転させることができる。この旋回台13の上部
の一方にはエンジンや油圧発生装置を収納した機械部1
4が載置してあり、旋回台13の上部の他方には掘削機
10を操縦する作業員が搭乗するためのキャビン15が
載置してある。この旋回台13の前面中央には、やや
『く』の字形に形成したブーム16の下端を上下に揺動
自在に連結してあり、ブーム16の中央と旋回台13の
前側の間には一対の油圧シリンダー17、17を介在さ
せてある。このブーム16の先端にはやや直線状をした
アーム18の後部がピン19により揺動自在に連結して
あり、アーム18の後端とブーム16の背面中央との間
には油圧シリンダー20を介在させてある。そして、ア
ーム18の先端にはユニット状に組み立てられている振
動発生アダプター21を連結してあり、振動発生アダプ
ター21の下面にはバケット22を連結してある。アー
ム18の先端部にはリンク24が連結してあり、リンク
24の上端とアーム18の後部背面の間には油圧シリン
ダー23を介在させてあり、リンク24の上端と振動発
生アダプター21の間にはロッド25を介在させてあ
る。
【0016】この掘削機10は従来から知られている構
造のものと同じであり、従来の掘削機ではアーム18の
先端にバケット22をピンで連結させていた。図1にお
ける本発明の実施の形態では、アーム18の先端よりバ
ケット22を取り外し、アーム18とロッド25の先端
に振動発生アダプター21を取り付け、振動発生アダプ
ター21の下面にバケット22をピンで連結させた構造
である。このため、従来から知られている構造の掘削機
10に振動発生アダプター21をバケット22の間に介
在させた構成と考えれば良い。この構成により、油圧シ
リンダー17、20、23をそれぞれ共存させることで
ブーム16、アーム18を上下に揺動させ、バケット2
2を上下に回動させることで土砂を堀り取ることができ
る。そして、土砂を転圧する際には振動発生アダプター
21の内部に収納した振動発生機構によりバケット22
を振動させ、バケット22の背面を土砂に圧接させなが
ら転圧させることが可能となる。
【0017】次に、図2乃至図7は本発明の第一の実施
の形態を示すものである。図2は組み立てられた振動発
生アダブター31の外観を示す斜視図であり、図3は振
動発生アダブター31の縦断面図であり、図4は側面図
であり、図5は主要な機構を分離して示す分解斜視図で
ある。この振動発生アダブター31は大きく分けて上ジ
ョイント体32、係合機構33、下ジョイント体34、
振動発生機構35、緩衝体36より構成されている。上
ジョイント体32は図1におけるアーム18とロッド2
5にピン連結することができるものであり、下ジョイン
ト体34の下面には図1におけるバケット22をピン連
結させることができるものである。
【0018】上ジョイント体32は肉厚の厚い鋼板によ
って構成され、その断面はやや『コ』の字形をしてお
り、上ジョイント体32の下面の前後(図2中で右手前
と左奥側)にはそれぞれ係合機構33、33を固定して
ある。上ジョイント体32の下面には下ジョイント体3
4を配置してあり、この下ジョイント体34は内部が空
洞で前後の側面が開口した箱状をしており、下ジョイン
ト体34の内部には油圧によって振動を発生することが
できる振動発生機構35を収納してある。係合機構3
3、33は遠隔操作により下ジョイント体34と係合と
解除ができるものであり、係合機構33、33を介して
上ジョイント体32と下ジョイント体34が一体となっ
たり、分離したりさせることができる。この上ジョイン
ト体32と下ジョイント体34の間には一対の緩衝体3
6、36を前後に配置してあり、緩衝体36、36によ
って上ジョイント体32と下ジョイント体34が連結し
てある。
【0019】次に、図5により、前述した上ジョイント
体32、係合機構33、下ジョイント体34、振動発生
機構35、緩衝体36のそれぞれの具体的な構成につい
て詳細に説明する。上ジョイント体32は厚い頑丈な鋼
板を素材としており、その平面部を占める取付板41は
長方形状に成形されていて、取付板41の上面の左右両
側には一対の連結板42、42を垂直となるように固着
してある。これらの取付板41、連結板42、42によ
り、上ジョイント体32は断面が『コ』の字形となった
構造物となっている。各連結板42、42のそれぞれの
両端上面は半円形に盛り上がっていて、その盛り上がっ
た両端の側面には挿入パイプ43、43が固着してあ
り、各挿入パイプ43、43の中央には開口を貫通形成
してある。連結板42、42の前後に固着された挿入パ
イプ43、43を結ぶ軸線は平行となるように配置され
ている。この取付板41の下面の前後には、それ単体で
作動するようにユニット状に組立られた係合機構33、
33をそれぞれ固定してあり、係合機構33、33の両
端からは係合ピン50を出没させることができる。
【0020】この係合機構33の詳細な構造については
図6、図7によって示される。係合機構33の主要部を
占めるのはブロック状をした両開口シリンダー46であ
り、両開口シリンダー46の中央には左右に開口したシ
リンダー穴47を貫通開口してある。この両開口シリン
ダー46の側面の中央には内部空間と連通する押出しポ
ート48が取り付けてあり、両開口シリンダー46の側
面の左右には内部空間と連通する一対の引込みポート4
9がそれぞれ取り付けてある。そして、シリンダー穴4
7内には一対のピストン51、51が気密に、かつ摺動
自在に挿入してあり、各ピストン51、51の外側面に
は係合ピン50、50が一体となるように固着してあ
る。これらのピストン51、51をシリンダー穴47内
に収納し、各係合ピン50、50を外側に向けた状態
で、両開口シリンダー46の両側の開口には閉鎖板52
を密着させて閉鎖してある。この閉鎖板52の中央には
ピン穴53が開口してあり、ピン穴53には係合ピン5
0を挿通させてあり、閉鎖板52の側面からは係合ピン
50を出没できるようにしてある。
【0021】図6で示された部品により組み立てられた
係合機構33の断面が図7で示されている。この図7で
示すように、両開口シリンダー46の両側の開口はそれ
ぞれ閉鎖板52、52によって閉鎖され、閉鎖板52の
中央に開けたピン穴53には係合ピン50を摺動自在に
挿入してあり、係合ピン50の終端にはピストン51を
固着してある。そして、押出しポート48の開口位置は
シリンダー穴47の中央に位置し、両ピストン51と5
1の間に位置している。また、各引込みポート49の開
口位置は、それぞれピストン51の外側と閉鎖板52の
内面の間に位置させてある。このため、押出しポート4
8に圧力油を供給すると、各ピストン51、51はそれ
ぞれ左右に摺動し、各係合ピン50、50はそれぞれ閉
鎖板52、52の外面よりも突出し、係合ピン50と5
0の先端の距離は離れる。また、各引込みポート49、
49に圧力油を供給すると、各ピストン51と51はそ
れぞれ両開口シリンダー46の内部で接近するように摺
動し、各係合ピン50、50はそれぞれ閉鎖板52、5
2の内部に引き込まれる。このため、両係合ピン50と
50の先端の距離は短くなる。このような構成の係合機
構33、33をそれぞれ取付板41の下面に固定してあ
り、それぞれの係合ピン50、50の軸線が平行となる
ように配置してある。
【0022】前述した緩衝体36は、柔軟性のある材質
により上下の振動を吸収し、アーム18側に振動を伝え
ない機能を持つものである。各緩衝体36、36は円筒
形状をダンパー56と、ダンパー56の上下面に密着さ
れる金属製の円盤形をした一対の押え板57、57と、
各押え板57、57の中央で上下に向けて突出したボル
ト58、58とから構成されている。このダンパー56
は、柔軟性があり、上下の圧力によって変形して振動を
吸収する合成ゴムや合成樹脂などを素材としており、円
筒形になるようにドラム状に形成されている。そして、
この緩衝体36を上ジョイント体32の下面に固定する
には、上側のボルト58、58を取付板41に開口した
穴に挿通し、取付板41の上面に突出したボルト58、
58にナット(図示せず)をねじ込むことで取り付ける
ことができる。
【0023】次に、下ジョイント体34は厚い頑丈な鋼
板を素材としており、それぞれは長方形をした天板6
1、側板62、底板63から組み立てられている。この
天板61の形状は長方形であり、前述した取付板41の
長さとほぼ同一とし、その幅は少し広くなるように設定
してある。この天板61の下面の左右端には長方形をし
た一対の側板62、62を直角に固着してあり、両側板
62、62は平行となるように配置してある。これらの
側板62、62の下端には長方形をした底板63の左右
端が固着してあり、底板63の形状は天板61とほぼ同
じとなるように設定してある。こうして、天板61、側
板62、62、底板63により、両端が開口した四角い
箱状の構造物が形成され、これが下ジョイント体34の
本体となる。この天板61の上面の前後左右の四箇所に
はブロック状をした4つの係合体64が固着してあり、
各係合体64の中央にはそれぞれピン係合穴65を開口
してある。前側両側のピン係合穴65、65を結ぶ軸線
と後側両側のピン係合穴65、65を結ぶ軸線は平行と
なるように配置してあり、かつ、平行となった前後のピ
ン係合穴65、65を結ぶ軸線の間隔は取付板41に固
着した前後の係合機構33、33にある係合ピン50、
50の軸線の間隔と同一となるように設定してある。ま
た、左右にある一対の係合体64、64の内側の間隔
は、前述した係合機構33の閉鎖板52と52の側面の
距離よりも少し長くなるように設定してある。この底板
63の下面の左右には、一対の連結板66が間隔を置い
て固着してあり、左右の連結板66の間であってその前
後には内部が貫通した一対の挿入パイプ67、67を固
着してある。
【0024】前述の下ジョイント体34は内部空洞の構
造となっており、この四角い空洞の内部には振動発生機
構35を挿入して固着してある。振動発生機構35は、
内部が空洞となって作動室73を形成したケース71
と、ケース71の下面に固着され、左右に延長して底板
63に固定できる取付台72と、作動室73の内部に挿
入される偏芯錘74と、取付台72の開口に密着するキ
ャップ75と、キャップ75に固定される油圧モーター
77から構成されている。この構成では、油圧モーター
77の回転軸76をキャップ75に挿通して、油圧モー
ター77をキャップ75に固定し、回転軸76に偏芯錘
74を取り付けた後で偏芯錘74を作動室73の内部に
挿入する。そして、キャップ75をケース71の側面に
ネジなどで取り付けることで組み立てることができる。
こうして組み立てられた振動発生機構35では、油圧モ
ーター77に圧力油を供給すると回転軸76と偏芯錘7
4が回転し、回転することで偏芯錘74により振動が発
生し、この振動はケース71全体を振動させることにな
る。この振動発生機構35を下ジョイント体34に固定
するには、振動発生機構35を下ジョイント体34の側
面開口から内部に挿入し、取付台72を底板63の内面
に密着させてボルトなどで固着し、振動発生機構35は
天板61、側板62、62、底板63で形成された空間
内に固定されることになる。
【0025】次に、第一の実施の形態における作用につ
いて説明する。
【0026】この振動発生アダブター31を使用するに
は、図1に示すように、アーム18とバケット22の間
に振動発生アダブター31を介在させ、挿入パイプ4
3、43をアーム18とロッド25にピン(通常はアー
ム18、ロッド25とバケット22を接続するために用
いているもの)で結合し、挿入パイプ67、67のそれ
ぞれにバケット22をピンで結合する。こうして、図2
で示すように、組み立てられた振動発生アダブター31
は掘削機10に取り付けることができる。
【0027】この状態で、掘削機10により土砂を掘り
取る掘削作業をする場合には、押出しポート48より圧
力油を供給して、上ジョイント体32と下ジョイント体
34を係合させる。すなわち、圧力油が押出しポート4
8に供給されると、図7で示すようにシリンダー穴47
の中央の空間に圧力油が流入し、この空間で膨張して左
右のピストン51と51をシリンダー穴47内で摺動さ
せる。このため、各ピストン51、51に固着してある
係合ピン50、50は左右に移動し、ピン穴53、53
内を摺動しながら閉鎖板52、52の外側面より突出す
る。それぞれの係合ピン50が閉鎖板52から突出する
ことにより、それぞれの係合ピン50は係合体64の中
央に開口したそれぞれのピン係合穴65に挿入され、係
合機構33と係合体64は係合ピン50によって結合さ
れたことになる。こうして、係合ピン50がピン係合穴
65に挿入されることで、上ジョイント体32と下ジョ
イント体34は一体となって連結されたことになり、強
固な構造物となる。このため、アーム18から加えられ
た力は振動発生アダブター31を介してそのままバケッ
ト22に伝えられ、バケット22により土砂を掘り取る
ことができる。この掘り取りの動作は従来から知られて
いる掘削機10の動作と同じである。
【0028】次に、掘り取った溝や穴の中に敷きつめた
土砂を転圧する作業では、上ジョイント体32と下ジョ
イント体34の結合を解除しなければならない。このた
め、2つの引込みポート49、49に圧力油を供給し、
図7で示すように、シリンダー穴47の内部空間であっ
て、ピストン51、51と閉鎖板52の間の空間に圧力
油を流入させる。すると、圧力油が膨張することで、各
ピストン51、51はシリンダー穴47の中央部に向け
て摺動し、同時に係合ピン50、50はピン穴53、5
3内を摺動しながらシリンダー穴47に引き込まれる。
すると、各係合ピン50、50は前述とは逆にピン係合
穴65、65から引き出され、係合ピン50、50と係
合体64、64の係合が解除され、上ジョイント体32
と下ジョイント体34の結合が解除される。こうして、
上ジョイント体32と下ジョイント体34は2つの緩衝
体36、36により連結された状態となる。
【0029】この状態となってから、油圧モーター77
に圧力油を供給するとその出力軸である回転軸76は回
転を始め、回転軸76に固定してある偏芯錘74を回転
させることになる。この偏芯錘74の重心位置は偏芯さ
せてあることから、回転運動は振動運動となり、その振
動はケース71全体を振動させることになる。ケース7
1が振動する力によって、下ジョイント体34は上下に
振動させられる。この下ジョイント体34の振動は底板
63に連結したバケット22に伝えられ、このバケット
22の背面を掘り取った溝や穴の底に均した土砂に密着
させると、その振動は土砂を転圧する作用力となる。こ
の振動による転圧作業の際に、アーム18を押し下げる
と、その力は緩衝体36、36を介して下ジョイント体
34に伝えられて転圧する作用力となる。この転圧の作
業において、振動発生機構35から発生した振動力は下
ジョイント体34とバケット22を上下に振動させて土
砂の転圧の動力源となる。だが、上ジョイント体32と
下ジョイント体34の間には緩衝体36、36を介在さ
せてあり、各緩衝体36、36の中央部には弾力性のあ
るダンパー56、56を設けてあるため、このダンパー
56、56が緩衝材となり、振動を吸収して上ジョイン
ト体32には振動が伝えられない。このため、振動発生
機構35、下ジョイント体34の振動は上ジョイント体
32やアーム18には伝達されず、アーム18、ロッド
25、油圧シリンダー23などの金属疲労や故障を発生
を防止することができる。
【0030】次に、図8乃至図10は、本発明の第二の
実施の形態における振動発生アダブター81を示すもの
である。この振動発生アダブター81は、第一の実施の
形態における振動発生アダブター31と同じ機能を有し
ているが、上側のユニットである上ジョイント体82
と、下側のユニットである下ジョイント体84の係合と
解除を行う機構部分が相違している。
【0031】図8においては、振動発生アダブター81
が組み立てられて、上ジョイント体82と下ジョイント
体84が結合した状態の外観が示されている。この振動
発生アダブター81は、大きく分けて上ジョイント体8
2、係合機構83、下ジョイント体84、振動発生機構
85、緩衝体86(図8では内部に収納されていて表示
されていない)の部材より構成されている。図8、図9
では、上ジョイント体82の上部の前後には丸棒状をし
た連結軸101が平行に挿通してあるが、この連結軸1
01は図1における掘削機10のアーム18とロッド2
5にそれぞれ挿通されるものである。
【0032】図10は、この第二の実施の形態における
各部の構成を分離して詳細に説明するものである。ま
ず、上ジョイント体82はアーム18とロッド25に連
結されるものであり、肉厚の厚い強固な鋼板によって形
成された取付板91と連結板92により構成されてい
る。取付板91は平坦な長方形状をしており、取付板9
1の上面の左右には垂直に連結板92、92が固定して
あり、取付板91と連結板92、92により断面がやや
『コ』の字形状をした構造物が形成されている。それぞ
れの連結板92、92の両端は半円形に盛り上げられて
おり、それぞれの両端の中央には貫通開口した挿入パイ
プ93、93を固着してある。前後の挿入パイプ93、
93の中央を結ぶ軸線は平行となるように配置してあ
る。
【0033】この上ジョイント体82の左右に配置され
た係合機構83は、それぞれが一対のフック板97、9
7と両フック板97と97の間に介在された伸縮機構1
04とから構成されている。フック板97は、薄肉鋼板
を細長い小判形に形成したものであり、フック板97の
上部には貫通開口を形成した軸受パイプ98を固着して
ある。また、フック板97の下部側面には外側に向かっ
て円弧形に切り欠いた係合溝99を形成してあり、フッ
ク板97の中央側面には通し穴100を開口してある。
このフック板97を上ジョイント体82に回動自在に連
結するには、軸受パイプ98を挿入パイプ93の外側に
位置させ、軸受パイプ98、挿入パイプ93の開口に連
結軸101を挿通させる。この連結軸101が挿入パイ
プ93に保持されると、軸受パイプ98は連結軸101
に対して自由に回動することができるように軸支され、
結果として、連結軸101の両端にはそれぞれフック板
97、97が回動自在に連結されたことになる。
【0034】前述した伸縮機構104は、油圧シリンダ
ー105とシリンダーロッド106から構成されてお
り、この伸縮機構104によって前後にある一対のフッ
ク板97、97が回動させられる。油圧シリンダー10
5の一方は閉鎖しているが、他方からはシリンダーロッ
ド106を出没自在に突出させてあり、油圧シリンダー
105の一方にはコ字形連結体107を固着してあり、
シリンダーロッド106の先端にはコ字形連結体108
を固着してある。それぞれのコ字形連結体107、10
8の先端にはスリット状の切り込みが入れてあり、それ
ぞれの先端部にはその軸方向と直角になるようにピン穴
109、110を開口してある。この伸縮機構104を
組み立てるには、コ字形連結体107の先端のスリット
を一方のフック板97に挿入し、ピン穴109と通し穴
100に共通してピン111を挿通させて油圧シリンダ
ー105を一方のフック板97に連結する。そして、コ
字形連結体108のスリットを他方のフック板97に挿
入し、ピン穴110と通し穴100に共通してピン11
2を挿通させてシリンダーロッド106を他方のフック
板97に連結する。すると、図8で示すように、油圧シ
リンダー105、シリンダーロッド106は一対のフッ
ク板97、97の間に介在させられたことになる。この
油圧シリンダー105に圧力油を供給すると、シリンダ
ーロッド106が出没し、これによりピン穴109と1
10との間隔が変動され、よって一対のフック板97、
97によって形成された『ハ』の字形の開角度を変動さ
せることができる。
【0035】上ジョイント体82の下面に配置された下
ジョイント体84は、内部が空洞のやや箱状をしたもの
であり、上下左右の面はそれぞれやや肉厚の強固な鋼板
で形成されている。下ジョイント体84の上面には天板
121が配置されており、この天板121は取付板91
と同じ長さで幅が少し広い長方形状をしており、天板1
21の下面の左右にはそれぞれ側板122、122を固
着してある。これらの側板122、122はその中央で
少し内側に向けて曲げてあり、上半分は傾斜させてあ
り、下半分は平行となるように配置してある。各側板1
22、122のそれぞれの下端には底板123の上面の
左右が固着してあり、底板123は天板121の幅より
も少し広い長方形状をしている。これらの天板121、
側板122、122、底板123により、断面がやや台
形をして、両端が開口した内部中空の箱状をした下ジョ
イント体84が形成されている。この天板121の上面
の前後(図10で右手前側と左奥側)には、断面が四角
いブロック状をした固定ユニット124、124を固着
してあり、各固定ユニット124、124の長さ方向は
天板121の長さ方向と直角となるように配置してあ
る。そして、各固定ユニット124、124の両端から
は丸棒状をした係合軸125、125を外側に向けて突
出させてあり、各係合軸125、125にはそれぞれフ
ック板97、97の係合溝99、99が着脱自在に係合
されるようになっている。
【0036】次に、取付板91と天板121の間には緩
衝体86が介在されていて、この緩衝体86によって上
ジョイント体82と下ジョイント体84が連結されてい
る。緩衝体86は、中央にダンパー115が配置され、
ダンパー115の上下面には円盤形をした金属製の押え
板116、116が密着させてあり、各押え板116、
116の上下面の中央にはボルト117、117が垂直
に突起させてある。このダンパー115は柔軟性のある
合成ゴムや合成樹脂を素材として円筒形に形成されてお
り、上下の応力により変形して振動を吸収する機能を持
っている。このように構成された緩衝体86を上ジョイ
ント体82に連結するには、ボルト117を取付板91
の中央に開口した穴に挿通し、取付板91の上面に突出
したボルト117にナットをねじ込むことにより固定す
ることができる。そして、緩衝体86を下ジョイント体
84に連結するにはボルト117を天板121の中央に
開口した穴に挿通し、天板121の下面に突出したボル
ト117にナットをねじ込むことにより固定することが
できる。このように組み立てることにより、取付板91
と天板121は緩衝体86を介して連結されたことにな
り、上下方向の振動はダンパー115によって吸収され
ることになる。
【0037】前述の下ジョイント体84の内部空間には
振動発生機構85が挿入されている。この振動発生機構
85は、内部が空洞となって作動室133を形成したケ
ース131と、ケース131の下面に固着され、左右に
延長して底板123に固定できる取付台132と、作動
室133の内部に挿入される偏芯錘134と、取付台1
32の開口に密着するキャップ135と、キャップ13
5に固定される油圧モーター137とから構成されてい
る。この構成では、油圧モーター137の回転軸136
をキャップ135に挿通して、油圧モーター137をキ
ャップ135に固定し、回転軸136に偏芯錘134を
取り付けた後で偏芯錘134を作動室133の内部に挿
入する。そして、キャップ135をケース131の側面
にネジなどで取り付けることで組み立てることができ
る。こうして組み立てられた振動発生機構85では、油
圧モーター137に圧力油を供給すると回転軸136と
偏芯錘134が回転し、回転することで偏芯錘134に
より振動が発生し、この振動はケース131全体を振動
させることになる。この振動発生機構85を下ジョイン
ト体84に固定するには、振動発生機構85を下ジョイ
ント体84の側面開口から内部に挿入し、取付台132
を底板123の内面に密着させてボルトなどで固着す
る。こうして、振動発生機構85は天板121、側板1
22、122、底板123で形成された空間内に固定さ
れることになる。
【0038】この第二の実施の形態における振動発生ア
ダブター81を掘削機10で使用するには、図1におけ
るアーム18とバケット22の間に振動発生アダブター
81を介在させて連結する。この機構により、掘削機1
0で通常の掘削作業を行い、溝や穴を掘り取る動作を行
うには、各油圧シリンダー105、105に圧力油を供
給し、各油圧シリンダー105、105からシリンダー
ロッド106、106を伸長させる。すると、油圧シリ
ンダー105とシリンダーロッド106の先端間の距離
が拡大し、コ字形連結体107と108の間隔が広が
る。すると、左右のフック板97、97はそれぞれ連結
軸101、101を回転の中心として外方に向かって開
き、フック板97、97の係合溝99、99はそれぞれ
係合軸125、125の外周に固く密着する。このよう
にして、フック板97、97により上ジョイント体82
と下ジョイント体84は一体となるように強固に連結さ
れる。このため、アーム18を上下に揺動させると、そ
の力は振動発生アダブター81を介してバケット22に
伝えられ、土砂の掘り取りの作業を行うことができ、通
常の掘削機10と同様の掘削作業が可能となる。
【0039】そして、この振動発生アダブター81によ
り転圧作業を行うには、まず、上ジョイント体82と下
ジョイント体84の結合を解除させる。各油圧シリンダ
ー105、105の内部から圧力油を排出させると、シ
リンダーロッド106、106は油圧シリンダー10
5、105の内部に引き込められ、シリンダーロッド1
06と油圧シリンダー105の距離が縮小され、コ字形
連結体107と108の間隔が短くなる。このため、伸
縮機構104の左右に配置した一対のフック板97、9
7はそれぞれ連結軸101を回転の中心として内側に回
動し、『ハ』の字形に開いていた左右のフック板97、
97の開角度が狭くなる。すると、それぞれの係合溝9
9、99は係合軸125、125から引き外され、フッ
ク板97、97と係合軸125、125の係合が解除さ
れる。このようにして係合機構83が解除されたことか
ら、取付板91と天板121とはそれまでの強固な結合
が開放され、両者は緩衝体86により柔軟に連結された
ことになる。このような、緩衝体86による上ジョイン
ト体82と下ジョイント体84の連結により、両者は柔
軟に連結されたことになる。
【0040】そして、転圧の作業においては、振動発生
機構85を作動させて振動を発生させ、振動発生機構8
5を固定した下ジョイント体84を介してバケット22
に振動を伝える。この下ジョイント体84の振動は上方
にも伝えられるが、上方への振動はダンパー115によ
って吸収され、その振動は上ジョイント体82には伝え
られない。こうして、下ジョイント体84で発生した振
動は上ジョイント体82に伝えられることはなく、転圧
作業において振動発生機構85から発生した上下方向の
振動は下ジョイント体84とバケット22にのみ伝えら
れる。転圧作業では、アーム18を押し下げてバケット
22を土砂の表面に押し付ける操作を行うが、下側から
の振動はダンパー115を変形させるだけであり、この
ダンパー115で振動が吸収されて上部の機構には伝達
しなくなる。このため、アーム18、ロッド25などの
掘削機10の機構に金属疲労や損傷を発生させることが
無くなる。
【0041】次に、図11乃至図14は、本発明の第三
の実施の形態を示すものである。図11は、第三の実施
の形態における振動発生アダブター141を組み立てた
状態を示す斜視図であり、この振動発生アダブター14
1は、上ジョイント体142、係合機構143、振動発
生機構145(図11では上ジョイント体142に覆わ
れて現れていない)、下ジョイント体144、緩衝体1
46(図11では上ジョイント体142に覆われて現れ
ていない)とから構成されている。この実施の形態で
は、他の実施の形態における振動発生アダブター31、
81と構成が違い、緩衝体146は上ジョイント体14
2と下ジョイント体144の左右両側に取り付けられて
いる。図12は、この振動発生アダブター141を図1
1中で右手前から左奥方向に向けて見た側面図である。
【0042】そして、図13により、振動発生アダブタ
ー141を構成する主要部材を上下方向に分離して、そ
れぞれの部材を詳細に示した分解斜視図である(この図
13では、振動を発生するための振動発生機構145は
図示していない。しかし、振動発生機構145は、第
一、第二の実施の形態で説明した振動発生機構35、8
5と同一の機構である)。この振動発生アダブター14
1の上面を大きく覆っている上ジョイント体142は、
カバー板150と、一対の連結板151と、一対の係合
板153から構成されている。カバー板150は肉厚の
強固な鋼板を素材として形成されており、その中央部分
は長方形の平坦な形状であり、水平に配置されている。
このカバー板150の両側は下方に折り曲げられてい
て、垂直に垂れ下げられていて、断面がやや『コ』の字
形に加工してある。このカバー板150の上面には、間
隔を置いて平行となるように一対の連結板151、15
1が垂直に固着してあり、各連結板151、151はカ
バー板150の両側に垂れ下げられた側片と平行となる
ように配置してある。各連結板151、151の両端は
それぞれ半円形に盛り上げられており、その両端には内
部が貫通した挿入パイプ152、152を固定してあ
る。両挿入パイプ152、152を結ぶ軸線は平行とな
るように配置してある。
【0043】また、カバー板150の下面には、長方形
状をした一対の係合板153、153を間隔を置いて平
行となるように固着してあり、各係合板153、153
はそれぞれ連結板151、151と同じ平面位置となる
ように配置されている。これらのカバー板150、連結
板151、151、係合板153、153により上ジョ
イント体142が構成されていて、両側が垂れ下がり、
内部下面には側片と平行となるように係合板153、1
53を垂れ下げた構造となっていて、それぞれの部材は
一体となるように強固に固着してある。この係合板15
3、153のみを取り出した状態は図13中で破線で示
されていて、各係合板153、153は長方形状をして
いて、その前後には内部に開口を貫通形成したピン出没
パイプ154、154を固定してある。
【0044】そして、一対の係合機構143、143
は、前述した一対の係合板153、153の間に配置さ
れて固定されており、係合機構143、143はそれぞ
れピン出没パイプ154、154の位置に配置してあ
る。この係合機構143は、その両端からロッド15
9、159を出没させることができ、各ロッド159、
159はピン出没パイプ154、154の開口より出没
させ、係合板153の側面より外側に飛び出させたり、
内部に引き込めることができるようになっている。この
係合機構143の内部の構造は図14で示されていて、
その中央部には円筒形をしたシリンダー胴157を配置
してあり、シリンダー胴157の両端は平板状をした端
末板158、158で閉鎖してある。各端末板158、
158の中央には開口が貫通してあり、この開口には丸
棒状のロッド159、159を摺動自在に挿通してあ
る。そして、各ロッド159、159のシリンダー胴1
57内の先端にはピストン160、160を固着してあ
り、各ピストン160、160はシリンダー胴157の
内周に気密に密着し、かつ、摺動自在となるように挿通
してある。
【0045】この構成の係合機構143、143を係合
板153、153に固定するには、それぞれの係合機構
143、143の長さ方向を係合板153、153の面
とは直角となるように配置し、一方のロッド159を一
方のピン出没パイプ154に挿入させ、他方のロッド1
59を他方のピン出没パイプ154に挿入させる。この
ときには、係合板153、153の内側面には端末板1
58、158の外側面が密着することになる。そして、
係合板153と端末板158とをネジなどで締めつける
ことにより両者を結合し、係合機構143、143を係
合板153、153の間に固定させる。
【0046】このシリンダー胴157の側面の中央には
その内部と連通する押出しポート161を設けてあり、
シリンダー胴157の側面の左右にはその内部の空間と
連通する引込みポート162、162を設けてある。押
出しポート161は一対のピストン160、160の間
の空間に連通させてあり、各引込みポート162、16
2と各端末板158、158の間の空間に連通させてあ
る。この構成のため、押出しポート161に圧力油を供
給するとシリンダー胴157の内部中央で圧力油が膨張
し、ピストン160、160は左右に摺動させられ、各
ロッド159、159は左右方向に突出する。また、引
込みポート162、162に圧力油を供給すると各ピス
トン160、160はそれぞれシリンダー胴157の中
央方向に摺動され、各ロッド159、159はそれぞれ
シリンダー胴157の内部に引き込められる。
【0047】次に、この実施の形態では、振動を吸収す
る緩衝体146は各係合板153、153の左右にそれ
ぞれ2個ずつ、合計で4個が固着されている。各緩衝体
146の中央部は、柔軟な材質の合成ゴムや合成樹脂な
どで円筒形に形成したダンパー166が設けてある。こ
のダンパー166の左右の側面には鉄板を円盤形に形成
した一対の押え板167、167を密着してあり、各押
え板167、167の中央にはボルト168、168を
左右に突出してある。この緩衝体146を係合板153
に固着するには、一方のボルト168、168を係合板
153の開口した穴に挿入し、係合板153の内側から
ボルト168、168にナットをねじ込むことにより各
緩衝体146はそれぞれ係合板153の外側面に固定さ
せることができる。
【0048】次に、下ジョイント体144は、長方形状
をした底板171と、この底板171の上面左右に垂直
に固定された一対の側板172、172より構成されて
いる。底板171、側板172、172は肉厚の強固な
鋼板で形成されており、断面は『コ』の字形となるよう
に形成されている。底板171の長さはカバー板150
の長さとほぼ同一とし、その幅はカバー板150の幅よ
りも少し狭くなるように設定してある。各側板172、
172の左右にはピン係合穴173、173を貫通開口
してある。両ピン係合穴173と173の間隔は、前述
したピン出没パイプ154と154の間隔に一致させて
ある。そして、底板171の下面には、一対の連結板1
74、174を間隔を置いて平行となるように固着して
あり、連結板174、174の間には内部に開口を貫通
形成した挿入パイプ175を固定してある。
【0049】この下ジョイント体144を上ジョイント
体142に組み合わせるには、図13で示す上ジョイン
ト体142の下方より下ジョイント体144を上方に移
動させ、各側板172、172をカバー板150の左右
の両袖の内面と係合板153、153の外面の間の空間
に挿入する。こうして、上ジョイント体142の下面に
形成した櫛の歯状の空間に側板172、172が接触せ
ずに挿入されたことになる。そして、側板172、17
2に開口したネジ穴に各緩衝体146、146のボルト
168、168を挿通し、側板172、172の外側面
に突出したボルト168、168にナットをねじ込むこ
とにより固定する。こうして、緩衝体146、146に
よって側板172、すなわち下ジョイント体144は上
ジョイント体142の下部に吊り下げられて組み立てら
れたことになる。この組み立ての際には、各ピン出没パ
イプ154の軸線は各ピン係合穴173の軸線と一致す
るように配置させる。
【0050】この第三の実施の形態の形態における振動
発生アダブター141の作用を説明する。この振動発生
アダブター141を掘削機10に取り付けるには、一方
の挿入パイプ152にアーム18をピンで連結し、他方
の挿入パイプ152にロッド25をピンで連結する。そ
して、挿入パイプ175にバケット22をピンで連結さ
せ、アーム18の先端に振動発生アダブター141を介
してバケット22を接続させる。このように組み立てた
状態で、掘削の作業と転圧の作業を切り換えて行うこと
ができる。
【0051】この実施の形態である振動発生アダブター
141を使用して掘削機10により掘削の作業を行うに
は、押出しポート161に圧力油を供給し、圧力油をシ
リンダー胴157の空間の中央で膨張させる。この圧力
油の膨張で左右のピストン160、160はそれぞれ図
14中で左右の方向に向いてシリンダー胴157内で摺
動し、ピストン160、160に固着したロッド15
9、159をそれぞれ左右の端末板158、158より
突出させる。各ロッド159、159の先端はピン出没
パイプ154、154より押し出され、さらにその外方
に位置するピン係合穴173、173にそれぞれ嵌まり
込み、ロッド159、159はピン出没パイプ154、
154とピン係合穴173、173を係合させる。この
ロッド159、159は係合板153、153の前後左
右の四隅で突出し、側板172、172の四隅に係合す
ることになり、上ジョイント体142と下ジョイント体
144は一体となって強固に連結されたことになる。こ
の状態でアーム18を上下に揺動させると、振動発生ア
ダブター141の下面に連結したバケット22は同時に
上下に移動し、通常の掘削機と同様に掘削の機能を果た
すことができる。
【0052】そして、この実施の形態である振動発生ア
ダブター141を使用して転圧の作業を行うには、各引
込みポート162、162に圧力油を供給する。その圧
力油はシリンダー胴157内部であってピストン16
0、160と端末板158、158の間の空間で膨張す
ることになり、各ピストン160、160をシリンダー
胴157の中央方向に押動させるように作用する。する
と、各ピストン160、160に固着したロッド15
9、159は端末板158、158の開口を摺動してシ
リンダー胴157内に引き込まれる。すると、それぞれ
のロッド159、159はピン係合穴173、173か
ら引き抜かれ、ロッド159、159による上ジョイン
ト体142と下ジョイント体144の係合が解除され、
上ジョイント体142と下ジョイント体144は四箇所
にある緩衝体146、146で連結されて保持された状
態に切り換わる。この状態で振動発生機構145を動作
させて振動を発生すると、その振動は下ジョイント体1
44とバケット22に伝えられる。しかし、上ジョイン
ト体142の方向には緩衝体146、146を構成する
各ダンパー166、166が変形しながらその振動を吸
収するため、振動発生機構145からの振動は上ジョイ
ント体142には伝わらない。このようにして、振動発
生機構145から発生した振動は下ジョイント体144
とバケット22に伝えられ、上ジョイント体142には
振動が伝えられなく、アーム18に対してはその振動は
伝達されない。
【0053】次に、図15、16は本発明の第四の実施
の形態を示すものであり、係合機構180のみを取り出
して図示してある。この係合機構180は図8乃至図1
0で示した第二の実施の形態における係合機構83の変
形例を示すものである。第二の実施の形態の係合機構8
3では、フック板97、97を回動させるために油圧シ
リンダー105を使用していたが、この実施の形態では
手動によりフック板181、181を回動させることが
できるものである。
【0054】図15では係合機構180を示した斜視図
であり、この実施の形態におけるフック板181、18
1は図8におけるフック板97、97に対応したもので
あり、これらのフック板181、181は図8で示した
連結軸101、101に軸支される。この係合機構18
0は、一対のフック板181、181と両フック板18
1と181の間に介在された伸縮機構186とから構成
されている。フック板181は、薄肉鋼板を細長い小判
形に形成したものであり、フック板181の上部には貫
通開口を形成した軸受パイプ182を固着してある。ま
た、フック板181の下部外側面には外側に向かって円
弧形に切り欠いた係合溝183を形成してあり、フック
板181の下部内側面にはバネ穴184を開口してあ
る。そして、一対のフック板181と181はそれぞれ
を背中合わせに配置してあり、それぞれのバネ穴184
と184の間には細長いスプリング185を張り渡して
あり、このスプリング185によってフック板181と
181は内側に回動するように常時付勢されている。
【0055】伸縮機構186は、細長い棒状をした一対
のリンク板188と189から構成されている。リンク
板188の一端(図15、16で左端)は左側のフック
板181の側面中央に位置させてあり、両者はピン19
0により回動自在に連結してある。そして、リンク板1
89の一端(図15、16で右端)は右側のフック板1
81の側面中央に位置させてあり、両者はピン191に
より回動自在に連結してある。それぞれのリンク板18
8と189の他端(図15、16で中央)は中折れピン
192により回動自在に連結してあり、リンク板18
8、189はピン190、191、中折れピン192に
よりリンク状に連結されている。このリンク板188の
右側の外周には断面が『ロ』の字形であって、リンク板
188の長さ方向に移動させることができるスライダー
194を挿通してあり、リンク板188の外周にはスラ
イダー194を図中右方向に押動するバネ193を挿通
してある。このバネ193により、スライダー194は
常時中折れピン192の方向に付勢されている。また、
リンク板189の上部であって、中折れピン192に接
近した位置には、手動によりこのリンク板189を上下
に回動させることができるハンドル195を固定してあ
る。
【0056】この実施の形態の作用を説明すると、図1
5は左右のフック板181、181を『ハ』の字形に拡
大させ、図8における係合軸125、125にフック板
181、181の係合溝183、183を係合させ、図
8の上ジョイント体82と下ジョイント体84を一体と
なるように結合させた状態を示すものである。この状態
の時、リンク板188と189は直線状に配置されてい
て、スライダー194の内部空間にはリンク板189の
先端部を挿入してあり、リンク板188と189が一直
線になった状態を維持するように固定している。この時
に、スライダー194はバネ193によってリンク板1
89の方向に押されているので、振動などによってスラ
イダー194がリンク板189から外れないように保持
している。このように、リンク板188と189は一直
線状に配置されているため、ピン190、191、中折
れピン192は直線状の位置にあり、リンク機構が山形
に持ち上がることはない。また、左右のフック板181
と181はスプリング185によって内側に引っ張られ
ているが、リンク板188と189が直線状を維持して
いるためフック板181と181は『ハ』の字形に開い
た状態を維持しており、係合軸125、125との係合
を解除することはない。
【0057】次に、図16は伸縮機構186を操作して
係合溝183、183と係合軸125、125との係合
を解除した状態を示すものである。図15の状態から図
16の状態に移行するには、スライダー194をバネ1
93の弾性に逆らって図15中で左方向に摺動させ、ス
ライダー194の内部空間よりリンク板189の先端を
開放する。すると、リンク板188、189はピン19
0、191、中折れピン192を回転の中心として自由
に回動することができるようになり、ハンドル195を
手動により上方に引き上げて、リンク板189をピン1
91を中心にして時計方向に回動させる。すると、リン
ク板188も中折れピン192を回動の中心として回動
し、両リンク板188、189は山形に変形する。左右
のフック板181と181はスプリング185の弾力に
より中心方向に引き寄せられて、下方に拡大した『ハ』
の字形の開角度が狭められる。このため、フック板18
1、181はそれぞれが接近するように軸受パイプ18
2、182を中心にして回動し、各係合溝183、18
3は係合軸125、125から離れることになる。こう
して、図8で示す、係合溝183、183は係合軸12
5、125の係合が解除され、上ジョイント体82と下
ジョイント体84の結合が解除され、下ジョイント体8
4からの振動は上ジョイント体82に伝えられない。
【0058】なお、本発明の実施の態様において、各振
動発生アダプター31、81、141の下面にはバケッ
ト22を連結して掘削と転圧の作業を行うことで説明し
たが、このような使用方法ではなく、バケット22の代
わりに転圧専用の治具を連結させても良い。このような
使用方法では、例えば、バケット22の代わりに下面が
平坦でソリのような治具を連結し、その平坦な下面に振
動を与えながら転圧することもでき、この構成では従来
の油圧コンパクターと同様の施工を行うことができる。
また、バケット22の代わりに複数の鉄輪を軸支した治
具を連結し、鉄輪に振動を与えながらアーム18を前後
動させ、土砂の内部まで振動を与えて転圧することもで
きる。このような治具を使用すると、バケット22の背
面を利用して土砂を転圧するのに比べ、専用の形状をし
ていることか、転圧の効果を高めることができる。
【0059】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、土
砂を掘り取る掘削作業の時には係合機構により上ジョイ
ント体と下ジョイント体を強固に係合して一体化させる
ことができ、この状態ではバケットにより通常の掘削作
業を行うことができる。また、土砂の転圧の作業を行う
際には、係合機構により上ジョイント体と下ジョイント
体の結合を解除し、両者を柔軟性のある緩衝体により連
結させる。そして、下ジョイント体に固定した振動発生
機構により振動を発生させ、その振動をバケットに伝え
ることでバケットの背面に接触させた土砂を転圧させる
ことができる。この転圧の作業の際には、緩衝体がその
振動を吸収し、掘削機のアーム等には振動を伝えないよ
うに防いでいる。このため、転圧の作業において振動が
発生しても、掘削機の機械部分に振動による金属疲労や
損傷を発生させず、長期の使用を可能とする。そして、
振動発生機構から発生させた振動エネルギーはバケット
の方向に伝達させることができ、全てのエネルギーを土
砂の転圧に向けることができ、作業の効率化を図ること
ができる。この掘削と転圧の作業の切り換えは係合機構
により容易に行うことができるので、掘り取った溝や穴
の中に作業員が入って転圧機を操作する必要がなくな
り、作業員の危険性を解消することができる。また、従
来の作業のように、掘削機と転圧機を作業現場で用意す
る必要がなくなり、狭い作業現場であっても二つの異な
った作業を掘削機だけで処理することができる。
【0060】この上ジョイント体と下ジョイント体の結
合と解除では、上ジョイント体に固着されて油圧により
左右に出没する係合ピンと、下ジョイント体の左右に固
着されて係合ピンを進退させるピン係合穴を有する係合
体とから構成されている。このため、簡単な構造である
が、係合ピンをピン係合穴に進退させることで上ジョイ
ント体と下ジョイント体の結合と解除を行うことがで
き、両者の結合を強固に維持することができる。
【0061】また、上ジョイント体と下ジョイント体の
結合と解除では、上ジョイント体に固着され、その側面
にそれぞれ外側に向かって鍵状に開いた係合溝を有する
一対のフック板と、両フック板の間に介在されてその長
さを伸縮できる伸縮機構と、下ジョイント体に固着さ
れ、左右に間隔を置いて平行に配置され、フック板の係
合溝と接触できる係合軸とから構成されている。この構
成では、伸縮機構により一対のフック板は『ハ』の字形
に開閉させることができ、その開角度によって係合軸と
の係合を行うことができる。このとき、伸縮機構の伸長
力を強めることにより、係合溝と係合軸は強固に結合さ
せることができ、ガタや緩みを発生させることが無く、
長期に使用することが可能となる。
【0062】この上ジョイント体と下ジョイント体の結
合と解除では、上ジョイント体に固着され、その側面に
それぞれ外側に向かって鍵状に開いた係合溝を有する一
対のフック板と、両フック板の間に介在された一対のリ
ンク板と、両フック板の間に介在されて両者を引っ張り
合うスプリングと、下ジョイント体に固着され、左右に
間隔を置いて平行に配置され、フック板の係合溝と接触
できる係合軸とから構成されている。この構成では、一
対のリンク板によりリンク機構が形成されていて、一対
のフック板は三点の回動点で連結されたことになる。こ
の一対のリンク板を直線状に切り換えることで一対のフ
ック板は外側に開いて係合溝が係合軸も噛み合い、上ジ
ョイント体と下ジョイント体を結合させることができ
る。そして、一対のリンク板を山形に回動させることで
一対のフック板は接近して係合溝は係合軸から離れて結
合を解除することができる。この機構では、油圧機構な
どの動力を必要とせず、人力で結合と解除の切り換えを
行うことができ、機構が簡素となる。
【0063】上ジョイント体と下ジョイント体の間に介
在させた緩衝体は、柔軟性のある材質で形成されたダン
パーが主要部材であり、この配置のため、バケット、す
なわち下ジョイント体からの振動はそのままダンパーを
変形する力となり、振動は上ジョイント体に伝えられる
ことはなくなる。この位置に緩衝体を設けたため、ダン
パーには上下から圧縮されることになり、エネルギーを
ダンパーの変形に仕向けるには無理が無い方向となる。
【0064】また、上ジョイント体と下ジョイント体の
間に介在させた緩衝体は、柔軟性のある材質で形成され
たダンパーを主要部材としており、複数の緩衝体を上ジ
ョイント体の側面と下ジョイント体の側面の間に介在さ
せてあり、振動発生アダプターの高さを低く設計するこ
とができる。そして、左右に緩衝体が配置されたことか
ら、上下の振動のみならず、左右方向の振動もダンパー
を変形させることになり、二方向の振動を吸収すること
ができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動発生アダプターを掘削機に取
り付け、使用する状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の振動発生アダプターの第一の実施の形
態を組み立てた状態の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の振動発生アダプターの第一の実施の形
態における、縦方向に切断した状態をしめす断面図であ
る。
【図4】本発明の振動発生アダプターの第一の実施の形
態における、一部を切り欠いて横方向から見た側面図で
ある。
【図5】本発明の振動発生アダプターの第一の実施の形
態における、主要部材を分解して示す分解斜視図であ
る。
【図6】本発明の振動発生アダプターの第一の実施の形
態において使用する係合機構を構成する部材を分解して
示す分解斜視図である。
【図7】本発明の振動発生アダプターの第一の実施の形
態において使用する係合機構を縦方向に切断した断面図
である。
【図8】本発明の振動発生アダプターの第二の実施の形
態を組み立てた状態の外観を示す斜視図である。
【図9】本発明の振動発生アダプターの第二の実施の形
態における、側面方向から見た側面図である。
【図10】本発明の振動発生アダプターの第二の実施の
形態における、主要部材を分解して示す分解斜視図であ
る。
【図11】本発明の振動発生アダプターの第三の実施の
形態を組み立てた状態の外観を示す斜視図である。
【図12】本発明の振動発生アダプターの第三の実施の
形態における、側面方向から見た側面図である。
【図13】本発明の振動発生アダプターの第三の実施の
形態における、主要部材を分解して示す分解斜視図であ
る。
【図14】本発明の振動発生アダプターの第三の実施の
形態において使用する係合機構を縦方向に切断した断面
図である。
【図15】本発明の振動発生アダプターで使用する係合
機構の第四の実施の形態を示し、他の機構を省略した斜
視図である。
【図16】本発明の振動発生アダプターで使用する係合
機構の第四の実施の形態を示し、係合を解除した状態を
示す正面図である。 10 掘削機 18 アーム 21 振動発生アダプター 22 バケット 25 ロッド 31 振動発生アダプター 32 上ジョイント体 33 係合機構 34 下ジョイント体 35 振動発生機構 36 緩衝体 50 係合ピン 56 ダンパー 64 係合体 65 ピン係合穴 81 振動発生アダプター 82 上ジョイント体 83 係合機構 84 下ジョイント体 85 振動発生機構 86 緩衝体 97 フック板 104 伸縮機構 115 ダンパー 125 係合軸 141 振動発生アダプター 142 上ジョイント体 143 係合機構 144 下ジョイント体 145 振動発生機構 146 緩衝体 159 ロッド 166 ダンパー 173 ピン係合穴 180 係合機構 186 伸縮機構 181 フック板 188 リンク板 189 リンク板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動できる車体と、車体に取り付けられ
    て上下に揺動できるアームと、アームの先端に連結され
    た振動発生アダプターと、振動発生アダプターの前側に
    連結されたバケットとから成り、アームを揺動させるこ
    とでバケットにより土砂の掘り取り作業を行うことがで
    きると共に、振動発生アダプターから発生させた振動を
    バケットに伝えて土砂の転圧作業を行うことができる機
    構において、振動発生アダプターは、アームに連結され
    る上ジョイント体と、バケットに連結される下ジョイン
    ト体と、上ジョイント体と下ジョイント体の間に介在さ
    れた緩衝体と、上ジョイント体と下ジョイント体を選択
    的に結合するか開放することができる係合機構と、下ジ
    ョイント体に固定されて振動を発生することができる振
    動発生機構とから構成されたことを特徴とする掘削機の
    振動発生アダプター。
  2. 【請求項2】 前記係合機構は、上ジョイント体に固着
    され、油圧により左右に出没する係合ピンと、下ジョイ
    ント体に固着されて係合ピンを進退させるピン係合穴を
    有する係合体とから構成されたことを特徴とする請求項
    1記載の掘削機の振動発生アダプター。
  3. 【請求項3】 前記係合機構は、上ジョイント体に固着
    され、その側面にそれぞれ外側に向かって鍵状に開いた
    係合溝を有する一対のフック板と、両フック板の間に介
    在されてその長さを伸縮できる伸縮機構と、下ジョイン
    ト体に固着され、左右に間隔を置いて平行に配置され、
    フック板の係合溝と接触できる係合軸とから構成された
    ことを特徴とする請求項1記載の掘削機の振動発生アダ
    プター。
  4. 【請求項4】 前記係合機構は、上ジョイント体に固着
    され、その側面にそれぞれ外側に向かって鍵状に開いた
    係合溝を有する一対のフック板と、両フック板の間に介
    在された一対のリンク板と、両フック板の間に介在され
    て両者を引っ張り合うスプリングと、下ジョイント体に
    固着され、左右に間隔を置いて平行に配置され、フック
    板の係合溝と接触できる係合軸とから構成されたことを
    特徴とする請求項1記載の掘削機の振動発生アダプタ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記緩衝体は、柔軟性のある材質で形成
    されたダンパーを中心に設けてあり、上ジョイント体の
    下面と下ジョイント体の上面の間に介在させたことを特
    徴とする請求項1記載の掘削機の振動発生アダプター。
  6. 【請求項6】 前記緩衝体は、柔軟性のある材質で形成
    されたダンパーを中心に設けてあり、上ジョイント体の
    側面と下ジョイント体の側面の間に介在させたことを特
    徴とする請求項1記載の掘削機の振動発生アダプター。
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