JP2000282270A - 外面塗覆装鋳鉄管 - Google Patents

外面塗覆装鋳鉄管

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JP2000282270A JP8725199A JP8725199A JP2000282270A JP 2000282270 A JP2000282270 A JP 2000282270A JP 8725199 A JP8725199 A JP 8725199A JP 8725199 A JP8725199 A JP 8725199A JP 2000282270 A JP2000282270 A JP 2000282270A
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Yoshisada Michiura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛系プライマー層が本来有する優れた防食
性を引き出して、防食性に優れた外面塗覆装鋳鉄管を提
供する。 【解決手段】 管外面に形成された亜鉛系プライマー層
と、その上にアクリル系樹脂プライマーによって形成さ
れた平均厚さ3〜50μmの樹脂プライマー層と、更に
その上に上塗り塗料によって形成された上塗り層とを有
する外面塗覆装鋳鉄管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下水道管やガス
管等に広く用いられる鋳鉄管に関し、詳しくは、防食性
が改善された外面塗覆装鋳鉄管に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳鉄管は上下水道管やガス管等に広く用
いられている。このような鋳鉄管は、埋設環境で使用さ
れることが多く、近年、特に管外面の耐久性、耐食性の
向上が求められている。そのため、管外面の防食層とし
て亜鉛系プライマーを用いることが多い。亜鉛系プライ
マーとしては、例えば、ジンクリッチ塗料や亜鉛(Zn
−Al擬合金、Zn−Al合金を含む)溶射によって形
成されるものがある。近年では、亜鉛溶射によって形成
される亜鉛系プライマー層が、防食性能に優れることか
ら広く用いられてきている。
【0003】この亜鉛系プライマー層は、その犠牲防食
効果により、鋳鉄管の防食には優れた効果を発揮するも
のの、固く、脆いために鋳鉄管の保管、輸送や埋設等の
施工時に破損しやすい。また、亜鉛系プライマー層をそ
のまま屋外に放置すると、白錆が発生し、さらには酸性
雨や酸性土壌の影響で亜鉛が溶出して防食性が損なわれ
る。これらの輸送、埋設時の衝撃からの保護、或いは外
観の向上、耐候性、耐食性の維持等の目的のため、亜鉛
系プライマー層の上に上塗り塗料(例えば、日本水道協
会規格;JWWA K139に規定されている合成樹脂
塗料)を施すのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、亜鉛系
プライマー層と上塗り塗料とは層間付着性が一般に乏し
い。また、鋳鉄管の製造工程上の問題や保管スペースの
関係で亜鉛系プライマー層を形成させた後、上塗り塗料
を施すまでの間、屋外での仮置きが避けられず、その間
に白錆が発生し、上塗り塗料との付着性がさらに乏しく
なり、亜鉛系プライマー層が本来有する優れた防食性が
低下するといった問題があった。そのため、鋳鉄管の防
食性が損なわれるという問題が生じていた。よって、本
発明の目的は、亜鉛系プライマー層が本来有する優れた
防食性を引き出して、防食性に優れた外面塗覆装鋳鉄管
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
問題点に着目し鋭意研究を重ねた結果、特定の組成の樹
脂プライマーを特定量、亜鉛系プライマー層上に塗装す
ることで、上述の亜鉛系プライマー層の白錆発生を防止
し、更に上塗り塗料との付着性を向上せしめて、亜鉛系
プライマー層が本来有する優れた防食性を引き出し、外
面塗覆装鋳鉄管の防食性を著しく向上せしめることを見
出し、本発明を完成させるに到った。
【0006】すなわち、本発明の外面塗覆装鋳鉄管は、
管外面に形成された亜鉛系プライマー層と、その上にア
クリル系樹脂プライマーによって形成された平均厚さ3
〜50μmの樹脂プライマー層と、更にその上に上塗り
塗料によって形成された上塗り層とを有することを特徴
とする。また、前記アクリル系樹脂プライマーの固形分
の80重量%以上は、炭素数8〜18の長鎖のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体類5〜6
0重量%と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸
単量体類5〜20重量%と、その他共重合可能な単量体
類20〜90重量%とを共重合して得られるアクリル系
樹脂であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の必須構成成分の一つである亜鉛系プライマ
ー層は、鋳鉄管の外面の防食性を長期にわたって維持す
る層であり、具体的には、ジンクリッチ塗料や亜鉛(Z
n−Al擬合金、Zn−Al合金を含む)溶射によって
形成される層である。特に、亜鉛溶射によって形成され
る亜鉛系プライマー層は、防食性に優れることから近年
広く用いられてきている。
【0008】これら亜鉛系プライマー層の形成方法には
特に制限が無く、公知慣用の方法が用いられる。亜鉛系
プライマー層の厚みも、特に制限がないものの、例え
ば、日本ダクタイル鉄管協会規格JDPA Z 201
0「ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗装」に準拠し、ジンク
リッチ塗料によって形成される層の場合150g/m2
以上、亜鉛溶射によって形成される層の場合130g/
2 以上が良好な防食性を維持する目安となる。
【0009】本発明の必須構成成分の一つである樹脂プ
ライマー層は、亜鉛系プライマー層の耐食性、特に耐白
錆性の向上と、上塗り塗料との層間付着性の向上のため
に形成される層であり、アクリル系樹脂プライマーを前
記亜鉛系プライマー層に塗装することによって形成され
る層である。樹脂プライマー層の塗装膜厚は、3〜50
μmの範囲にあるのがよい。塗装膜厚が3μm未満で
は、亜鉛系プライマー層の耐食性の向上が望めなく、逆
に50μmを超える塗装膜厚では、上塗り塗料との層間
付着性が低下するようになるので好ましくない。更に好
ましいのは5〜20μmの範囲である。
【0010】前記アクリル系樹脂プライマーは、亜鉛系
プライマー層との付着性、或いは上塗り塗料との付着性
を考慮すると使用樹脂の極性が高い方が好ましく、一
方、亜鉛系プライマー層の防食性を考慮すると樹脂の極
性が低い方が好ましい。この観点より、長鎖のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体類と、
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体類とを
一定比率、組み合わせて得られるアクリル系樹脂を使用
するのが好適である。すなわち、炭素数8〜18の長鎖
のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量
体類5〜60重量%と、α,β−モノエチレン性不飽和
カルボン酸単量体類5〜20重量%と、その他共重合可
能な単量体類20〜90重量%とを共重合して得られる
アクリル系樹脂を使用することが特に好ましい。
【0011】上述の長鎖のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステル単量体類が全単量体中5重量%未満
の場合、得られる塗膜の耐食性、耐水性が劣るようにな
り、逆に60重量%を超える量を使用しても耐食性向上
の効果が飽和するばかりか、亜鉛系プライマー層との付
着性が低下するので好ましくない。より好ましくは全単
量体中15〜45重量%の範囲で使用される。また、
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体類が全
単量体中5重量%未満の場合、得られる塗膜の亜鉛系プ
ライマー層への付着性が低下し、逆に20重量%を超え
る量を使用しても、得られる塗膜の耐食性、耐水性が低
下するので好ましくない。より好ましくは全単量体中7
〜15重量%の範囲で使用される。また、その他共重合
可能な単量体類は、樹脂のTg、極性、顔料分散性等の
調整のため、全単量体中20〜90重量%の範囲で使用
される。より好ましくは全単量体中40〜78重量%の
範囲である。
【0012】長鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体類としては、例えば、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル、(メタ)アクリル酸セシル、(メタ)アクリル
酸ステアリルなどが挙げられる。これらは、一種もしく
は二種以上の混合物として使用される。中でも、特開昭
58−53961号公報に示されるような、メタクリル
酸エステル類を使用することが好ましく、具体的には、
メタクリル酸ラウリル、アクリエステルSL(三菱レイ
ヨン(株)製、炭素数12および13のアルキル基を有
するメタクリル酸エステルの混合物)など、炭素数10
〜14のアルキル基を有するメタクリル酸エステルを使
用することが、耐食性、防食性向上の観点から特に好ま
しい。
【0013】α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸
単量体類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸等の一塩基酸単量体類、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸等の二塩基酸単量体及びこれらのハ
ーフエステル類が挙げられる。これらは、一種もしくは
二種以上の混合物として使用される。
【0014】その他共重合可能な単量体類としては、例
えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の
(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン等の芳香族単量体;2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等の水酸
基、グリシジル基、アミド基を分子内に有する官能基単
量体;アルコキシシリル基、アミノ基、エチレンオキシ
ド基、燐酸基、スルフォニル基等の官能基を分子内に有
する官能基単量体などが挙げられる。これらは、樹脂の
Tg、極性、顔料分散性等の調整のため、必要に応じ選
択され、一種もしくは二種以上の混合物として使用され
る。
【0015】アクリル系樹脂の重合方法としては、溶液
重合、乳化重合或いは懸濁重合等の公知慣用の手法が用
いられるアクリル系樹脂の分子量は、特に制限はないも
のの、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GP
C)によるポリスチレン換算の数平均分子量で8000
〜50000の範囲にあるのが好ましい。分子量が80
00未満の場合、得られる塗膜の耐水性、耐候性が劣る
ようになり、50000を超えると、付着性が劣るよう
になり好ましくない。アクリル系樹脂のガラス転移温度
(Tg)には、特に制限がないものの、得られる塗膜の
付着性、耐ブロッキング性、耐候性、耐水性、防食性等
の兼ね合いで、理論計算値で0から30℃の範囲にある
のが好ましい。
【0016】アクリル系樹脂プライマーの塗料化の際、
塗料形態としては塗装の簡便さを考慮して、溶剤可溶形
態か水性の形態が好ましい。また、該プライマー中の固
形分換算で上記したアクリル系樹脂が80重量%以上含
有されていることが好ましい。該樹脂分がプライマー中
の固形分で80重量%未満の場合には、得られる塗膜の
付着性と防食性が劣るようになるので好ましくない。
【0017】更に本発明の外面塗覆装鋳鉄管(以下、鋳
鉄管と記す)では、アクリル系樹脂プライマーの塗装
後、鋳鉄管内面の防食性を付与させるために管内面にエ
ポキシ系等の粉体焼付塗料を塗装する場合がある。この
際、樹脂プライマー層が150〜300℃の温度範囲で
20分から3時間程度、高温雰囲気下に曝される場合が
ある。この観点より、アクリル系樹脂プライマーの耐熱
性を考慮すると、アクリル系樹脂の数平均分子量は12
000以上であることが好ましく、さらに、樹脂組成と
してはスチレン等の芳香族ビニル単量体が全単量体中3
0重量%以下であることが好ましい。この範囲を逸脱す
ると、高温雰囲気下での暴露後、樹脂プライマー層と上
塗り塗料との付着性が低下するので注意を要する。
【0018】また、鋳鉄管内面を粉体焼付塗料によって
塗装する場合、ピンホール生成を防止するため、粉体塗
料の塗装前に鋳鉄管を部分的に直火や高周波加熱により
加熱する場合がある。この際、樹脂プライマー層が最高
で550℃で数分間、高温雰囲気下に曝される場合があ
る。この局部加熱の後も上塗り塗料との良好な付着性を
維持するためには、アクリル系樹脂の数平均分子量は2
5000以下であることが好ましい。
【0019】また、塗装工程での作業環境の確保と引火
火災の防止の観点、さらには地球環境の保全の観点よ
り、アクリル系樹脂プライマーは水性であることが特に
好ましい。水性プライマーの場合、上記したアクリル系
樹脂が水性樹脂である必要がある。この場合、水溶性有
機溶剤中で溶液重合を行い、アクリル系樹脂の酸価の一
部または全てを、アンモニアやアミン類のような揮散性
の塩基性物質で中和し、水性化するのが簡便である。こ
の際、アクリル系樹脂プライマーの有機溶剤含有量や揮
散物質の臭気、毒性、引火性等に配慮すべきことは論を
待たない。
【0020】アクリル系樹脂プライマーには、必要に応
じて、顔料、防錆剤、消泡剤、レベリング剤、粘性調整
剤、顔料分散剤、有機溶剤類、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、架橋剤等公知慣用の塗料添加剤が必要に応じて使用
可能である。
【0021】本発明のもう一つの構成成分である上塗り
層は、亜鉛系プライマー層の保護、美観向上のため必須
の構成要素である。上塗り層は、その目的に適合するも
のであれば、それを形成する上塗り塗料の種類等に特に
制限はない。但し、一定の保護効果を発揮させるために
は、例えば、日本水道協会規格JWWA K139に規
定されている合成樹脂塗料によって塗装された、規定膜
厚を有する層であることが好ましい。また、合成樹脂塗
料としては、耐候性と防食性との両立の観点から、アク
リル樹脂系塗料を用いることが好ましい。
【0022】上塗り塗料も、塗装工程での作業環境の確
保と引火火災の防止の観点、さらには地球環境の保全の
観点より、水性であることが特に好ましい。その塗装時
期も特に制限はないものの、鋳鉄管成形、亜鉛系プライ
マー層形成、アクリル系樹脂プライマー塗装、更に必要
があれば管内面保護層形成等全ての工程の後、塗装され
るのが生産効率上好ましい。また、形成される膜厚、塗
装乾燥方法等にも特に制限はない。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示して、本発明を更に詳細に
説明する。ここで、「部」および「%」は特断のない限
り重量基準とする。
【0024】(合成例1) 樹脂プライマー用アクリル系樹脂の合成 還流冷却器、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えたフ
ラスコに、キシレン900重量部(以下特断のない限り
重量基準とする)を仕込み、80℃に昇温した。反応装
置の温度を80℃に保持したまま、これに、スチレン1
50部、アクリル酸n−ブチル250部、メタクリル酸
n−ブチル250部、メタクリル酸ラウリル100部、
メタクリル酸メチル180部、メタクリル酸70部より
成る単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート15部をエチレングリコールモノブチ
ルエーテル100部に溶解した開始剤混合物とを4時間
かけて滴下した。その後、同温度で4時間保持して反応
を完結せしめて室温まで冷却した。得られた溶剤可溶型
樹脂は固形分50%、固形分酸価45、ゲルパーミュエ
ーションクロマトグラフによる数平均分子量2100
0、理論Tg8℃であった。これを以降S−1と略称す
る。
【0025】(合成例2) 樹脂プライマー用アクリル系樹脂の合成 合成例1と同様の反応装置を用い、これにイソプロピル
アルコール600部を仕込み80℃に昇温した。反応装
置の温度を80℃に保持しながら、これに、スチレン2
00部、アクリル酸n−ブチル150部、メタクリル酸
ラウリル300部、メタクリル酸メチル250部、メタ
クリル酸100部より成る単量体混合物と、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート20部をイソプ
ロピルアルコール100部に溶解した開始剤混合物とを
4時間かけて滴下した。その後、トリエチルアミン11
0部と水1500部を加え攪拌した。得られた水性樹脂
は固形分30%、固形分酸価64、数平均分子量200
00、理論Tg7℃であった。これを以降W−2と略称
する。
【0026】(合成例3、4、5) 樹脂プライマー用アクリル系樹脂の合成 合成例1、2に準拠し、重合開始剤量を10〜50部、
反応温度を80〜125℃に変化させ、表1に示す単量
体組成で水性樹脂W−3、W−4’及び溶剤可溶型樹脂
S−5’を合成した。結果を表1にまとめて記載する。
【0027】
【表1】
【0028】(表1の脚注) 2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル LMA :メタクリル酸ラウリル SMA :メタクリル酸ステアリル MAA :メタクリル酸 AA :アクリル酸 St :スチレン BA :アクリル酸n−ブチル BMA :メタクリル酸n−ブチル MMA :メタクリル酸メチル
【0029】(樹脂プライマー用他の樹脂) WATERSOL CD−540:大日本インキ化学工
業(株)製の水性のエポキシエステル樹脂(固形分40
%) WATERSOL CD−520:大日本インキ化学工
業(株)製の水性のアルキド樹脂(固形分39%) VONCOAT 2315 :大日本インキ化学工
業(株)製の酢酸ビニルエマルジョン(固形分50%)
【0030】(樹脂プライマーの調製) ・水性樹脂の場合(W−2、W−3、W−4’、CD−
540、CD−520、2315):樹脂(固形分換算
50部)にDISPERSE BLACK HG−90
1(大日本インキ化学工業社製のカーボンブラック水性
分散顔料)1部とNOPCO8034L(サンノプコ社
製の消泡剤)0.05部を加え攪拌の後、水を加え固形
分を15%に調整した。 ・溶剤系樹脂の場合(S−1,S−5’) 樹脂(固形分換算10部)にMA−100(三菱化学社
製のカーボンブラック)0.25部を加え、サンドミル
で20分分散後、更に樹脂(固形分40部)とキシレン
を加え攪拌し、固形分を15%に調整した。
【0031】(試験方法及び評価基準) (1)耐白錆性:サンシャインウェザオメーターによる
促進試験 ・150×70×7mmの鋳鉄管片(基材)に亜鉛溶射
を130g/m2 施し、これを約60℃に予熱し、上記
で調製した各種樹脂プライマーをそれぞれ乾燥膜厚が5
〜10μmになるようにスプレー塗装した。放冷後、室
温雰囲気下で3日間乾燥したものを試片として下記の試
験に供した。尚、比較として樹脂プライマーを全く塗装
しないものも試験に供した。 ・上記試片をサンシャインウェザオメーターにセット
し、24時間連続降雨の条件で試験し、取り出し後24
時間室温で乾燥後、セロハンテープを試片に貼り付け、
瞬時に剥がした際のセロハンテープに付着した白錆の量
を下記の基準で評価した。 ◎:セロハンテープに付着した白錆が全く認められない
もの ○:セロハンテープに付着した白錆の専有面積が、全体
の10%未満 △:セロハンテープに付着した白錆の専有面積が、全体
の10%以上30%未満 ×:セロハンテープに付着した白錆の専有面積が、全体
の30%以上
【0032】(2)付着性:常態での上塗り塗料との付
着性及び高温加熱後の上塗り付着性 ・上記(1)と同様に亜鉛溶射した鋳鉄管試片に、各種
樹脂プライマーを塗装乾燥したものと、樹脂プライマー
を塗装しないものをそれぞれ3試片ずつ用意した。 ・それぞれ3試片のうち1試片はそのまま室温で放置
し、もう一つの試片は管内面の粉体焼付塗装のための加
熱を想定し約250℃で更に3時間加熱した。更にもう
一つの試片は管内面の粉体焼付塗装のピンホール発生防
止のための加熱処理を想定し約550℃で1分加熱し
た。 ・上記の熱履歴の異なるそれぞれの試片に対し、上塗り
塗料として水性アクリル系黒色塗料「クリモトコートW
R」(大日本塗料株式会社製の日本水道協会規格;JW
WA K139に規定されている合成樹脂塗料)を乾燥
膜厚が80〜90μmになるようにスプレー塗装した。
塗装条件は、上記で室温放置の試片は60℃に再加熱し
て上塗り塗料を塗装し、他の250℃或いは550℃に
再加熱した試片は加熱後、室温で60℃まで放冷し、塗
装した。 ・それぞれの試片を室温まで放冷後、室温で7日間乾燥
した。その後、カッターナイフで素地に達する2×2m
mのゴバン目を25個作り、セロハンテープを貼り付
け、瞬時に剥がした時、試片に上塗り層が残存したゴバ
ン目の数を数え、残存数/25で付着性を評価した。 ○:20/25〜25/25 △:10/25〜19/25 ×: 0/25〜 9/25
【0033】(3)耐水性 ・上記(1)と同様の亜鉛溶射した鋳鉄管試片に、上記
(2)の常温放置の試片と同様の条件で、それぞれの樹
脂プライマーと上塗り塗料を塗装した。その後、試片の
側面および裏面に市販のエポキシ/ポリアミド2液硬化
系樹脂プライマーを塗装し、マスキングをした。・室温
で更に7日間乾燥させた試片を水道水に7日間浸漬し、
塗膜のしわ、膨れ、割れ、剥がれの発生状況を目視で判
定した。 ◎:塗膜のしわ、膨れ、割れ、剥がれが全くない状態 ○:塗膜のしわ、膨れ、割れ、剥がれの面積が全塗膜中
5%未満の状態 △:塗膜のしわ、膨れ、割れ、剥がれの面積が全塗膜中
5%以上10%未満の状態 ×:塗膜のしわ、膨れ、割れ、剥がれの面積が全塗膜中
10%以上の状態
【0034】(4)耐塩水性 ・上記(3)と同様に作成した試片を3%食塩水に3日
間浸漬し、(3)と同様に外観変化を目視にて判定し
た。
【0035】[実施例1]溶剤系のアクリル系樹脂S−
1を用いて樹脂プライマーを調製し、これを用いた鋳鉄
管試片について、上記耐白錆性、付着性、耐水性、耐塩
水性を評価した。結果を表2および表3に示す。
【0036】[実施例2〜5、比較例1〜3]プライマ
ー用の樹脂を表2および表3に示すものに変更した以外
は、実施例1と同様に行った。結果を表2および表3に
示す。
【0037】[比較例4]樹脂プライマー層を設けなか
った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2およ
び表3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】表2および表3の結果から明らかなよう
に、アクリル系樹脂からなる樹脂プライマー層を有する
鋳鉄管は上塗り層の付着性がよく、優れた防食性を示し
ていることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の外面塗
覆装鋳鉄管は、管外面に形成された亜鉛系プライマー層
と、その上にアクリル系樹脂プライマーによって形成さ
れた平均厚さ3〜50μmの樹脂プライマー層と、更に
その上に上塗り塗料によって形成された上塗り層とを有
するので、亜鉛系プライマー層における白錆発生を防止
し、樹脂プライマー層と亜鉛系プライマー層との付着
性、および樹脂プライマー層と上塗り層との付着性を向
上せしめて、亜鉛系プライマー層が本来有する優れた防
食性を引き出すことができる。これにより、鋳鉄管の防
食性は著しく向上する。また、前記アクリル系樹脂プラ
イマーの固形分の80重量%以上が、炭素数8〜18の
長鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル
単量体類5〜60重量%と、α,β−モノエチレン性不
飽和カルボン酸単量体類5〜20重量%と、その他共重
合可能な単量体類20〜90重量%とを共重合して得ら
れるアクリル系樹脂であれば、樹脂プライマー層と亜鉛
系プライマー層との付着性、樹脂プライマー層と上塗り
層との付着性、および亜鉛系プライマー層の防食性がさ
らに良好となり、鋳鉄管の防食性がさらに向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 D 5/08 5/08 133/06 133/06 C23C 4/08 C23C 4/08 F16L 58/10 F16L 58/10 (72)発明者 斉藤 昌彦 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 杉村 誠司 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 道浦 吉貞 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 Fターム(参考) 3H024 EA02 EC04 ED07 EE03 4F100 AB08A AK02C AK25C BA04 BA07 BA10A BA10D CC00D DA11 EJ65B EJ65C GB51 JB02 YY00C 4J038 CG031 CG141 CH041 PA07 PB05 PC02 4K031 AA01 AB02 CB31 FA09 4K062 AA01 BA01 BC09 CA04 FA04 FA05 FA16 GA01 GA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳鉄管外面に形成された亜鉛系プライマ
    ー層と、その上にアクリル系樹脂プライマーによって形
    成された平均厚さ3〜50μmの樹脂プライマー層と、
    更にその上に上塗り塗料によって形成された上塗り層と
    を有することを特徴とする外面塗覆装鋳鉄管。
  2. 【請求項2】 前記アクリル系樹脂プライマーの固形分
    の80重量%以上が、炭素数8〜18の長鎖のアルキル
    基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体類5〜6
    0重量%と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸
    単量体類5〜20重量%と、その他共重合可能な単量体
    類20〜90重量%とを共重合して得られるアクリル系
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の外面塗覆装
    鋳鉄管。
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