JP2000282010A - 再剥離性発泡体ガスケット - Google Patents
再剥離性発泡体ガスケットInfo
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Abstract
目的とする。 【解決手段】発泡体シートの少なくとも一面に粘着剤を
付けた発泡ガスケットにおいて、発泡体シートは接触角
が90度以上の疎水性発泡体であり粘着剤組成が疎水性
ポリオールとイソシアナートと触媒を必須成分としたウ
レタン粘着剤であり、剥離セパレーター上にキャスチン
グした後、発泡体とラミネートされ、硬化後の粘着剤の
接触角が90度以上であることを特徴とした再剥離性発
泡体ガスケットである。
Description
スケットに関する。更に詳しくは、発泡体ガスケットの
少なくも一面にウレタン系の再剥離性粘着剤を施した再
剥離性発泡体ガスケットに関する。
ル、医療用粘着テープ、ごみ取りローラーなどに応用さ
れている。ここで再剥離性粘着剤とは、被着体に粘着剤
をもって貼着物を貼りつけた後、これを剥がした時に、
被着体に粘着剤が残留せず、貼着物に粘着剤が残留して
剥がすことができ、再度、この貼着物を被着体に貼着で
きる機能を有する粘着剤を言う。再剥離性粘着剤はその
凝集力が高い為、被着体より貼着物を剥がす時に凝集破
壊を起こさず剥がれるものである。しかし、感圧接着性
は弱いため、発泡体にその粘着剤をラミネートするの
に、通常の両面テープと同様な転写法で行なうことは不
可能であった。この事を改良する為、本発明者等による
特願平10−99401で、ポリオールとイソシアナー
トを主成分とした反応型ポリウレタン系粘着剤を、未硬
化の状態で発泡体にラミネートし、粘着剤付き発泡体を
得る事が提案されている。これにより、再剥離性の粘着
剤付き発泡体が得られた。しかしながら、本発明者等
は、防水性等を要求される用途においては、発泡体自体
が防水性等を持つ材料であっても、上記の粘着剤を用い
ると防水性能が発揮できず、更には、ウレタン粘着剤が
被着体に付着するので、再剥離性の性能が低下する事を
明らかとした。このことは従来考えられない事で、発泡
体自体が止水性を有する場合、その表面に膜状粘着剤を
付ければ当然止水性は向上するか、又は向上しないまで
も低下しないものと考えることが常識であった。同様に
防湿の目的で発泡体ガスケットに前記のウレタン粘着剤
を付けると、驚くべき事に発泡体ガスケット単独の場合
よりも防湿性が劣ることが明らかとなった。
点を解決し、止水性や防湿性を低下させることなく再剥
離性粘着剤付き発泡体ガスケットを得るために種々検討
した結果、本発明を完成したもので、本発明の目的は、
優れた防水、防湿を有し、且つ、再剥離性を有する発泡
体ガスケットを提供する事である。
ートの少なくとも一面に再剥離性粘着剤をラミネートし
た再剥離性発泡体ガスケットであって、該発泡体シート
は接触角が90度以上の疎水性発泡体であり、該発泡体
シートにラミネートした粘着剤は疎水性ポリオールとイ
ソシアナートと触媒を必須成分としたウレタン系粘着剤
であり、該ウレタン系粘着剤は前記発泡体とラミネー
ト、硬化後の粘着剤の接触角が90度以上であることを
特徴とした再剥離性発泡体ガスケットである。即ち、本
発明は、接触角が90度以上の疎水性発泡体よりなる発
泡体シートという特定の特性を有する発泡体シートの少
なくとも一面に、硬化後の粘着剤の接触角が90度以上
という特定の特性を有する再剥離性粘着剤をラミネート
することによって目的の再剥離性発泡体ガスケットを得
ることが出来るのである。なお、発泡体及び粘着剤の接
触角の測定については後述する。
発明の発泡体ガスケットとは、低通気性の連通気泡発泡
体、又は独立気泡発泡体シートからなる防水、防塵、気
密、防湿を目的としたシール材である。そして、この発
泡体ガスケットに使用される発泡体シートは、発泡体ブ
ロックよりスライスされた薄いシート状のものと、薄く
シート状に発泡されたもので、EPDMゴム、エチレン
ープロピレンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレンー酢酸ビニルなどの、ゴム状またはオレフィン系
発泡体、ウレタンフォーム、ポリ塩化ビニール発泡体な
どの可とう性発泡体が挙げられる。これらの発泡体は独
立気泡/連続気泡に関わらず、防水性を満足する為、発
泡体は90度以上の疎水性発泡体である。接触角が90
度以上のものである必要がある。連続気泡の場合、その
通気度は10cc/cm3/sec以下の通気性が低い
事が好ましい。これらの発泡体は防水すべき隙間に圧縮
し、又は圧縮せず施工する事で、止水する機能を有する
ものである。
トする粘着剤は、疎水性ポリオールとイソシアナートと
触媒を必須成分としたウレタン系再剥離性粘着剤であ
る。即ち、本発明の再剥離性の粘着剤は、疎水性ポリオ
ールとイソシアナートを触媒を用いて硬化させたもの
で、その接触角は90度以上が必要である。接触角が9
0度以下であると、発泡体が止水性を有していても、粘
着剤をラミネートした発泡体シートの止水性が大幅に低
下する。更に、この粘着剤の吸水率は1.0%以下が好
ましい。このように吸水率が低いと、長期間止水性が維
持出来る。なお、再剥離性と言う機能は前述のとおり、
被接着面より粘着剤付きのガスケットを剥がしたとき
に、被接着表面に粘着剤が残留せず、かつガスケット材
料もちぎれず剥がせることである。従って、性能を数値
表現する場合に、ガスケット材の種類によっても異なる
が、90°ピールで0.5kg/cm以下でかつ、プロ
ーブタック値で600g以上が好ましい。疎水性ポリオ
ールとは後に示す相溶性試験において合格するものをい
い、分子骨格が炭化水素の高いポリオールである。それ
らは、ダイマー酸エステル、ひまし油、ひまし油エステ
ル、炭化水素系ポリオールからなる群から選択された少
なくとも1種のポリオール化合物が好ましい。ダイマー
酸系ポリオールとして、ダイマー酸とエチレングリコー
ル、ヂエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
グリセリンなどの多官能性の水酸化物とのエステル化
物、及びこれらの脂肪酸、脂肪族アルコール変性品、ひ
まし油及びひまし油変性品、ポリブタジエン系ポリオー
ル及びその水添品、ポリイソプレン系ポリオール及びそ
の水添品、ダイマー酸の水素還元により得られるダイマ
ージオールトこれを用いたエステル化合物などである。
その他に、セバチン酸、リシノレン酸、ヒドロキシステ
アリン酸などの高級脂肪酸、高級脂肪アルコールを用い
たエステル系ポリオールなども含まれる。ポリオールは
その一部又は全てを、後述のイソシアナートとあらかじ
め反応させたプレポリマーとして用いても良い。ポリオ
ールの全部をプレポリマーとした場合は、硬化反応を進
めるためにエチレングリコール、1、4ーブタンジオー
ルなどの鎖延長剤を用いることが好ましい。
シアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナ
ート(MDI)、粗製のMDI、ヘキサメチレンヂイソ
シアナート(HDI)、イソホロンジイソシアナートな
どを単独又は2種以上混合して使用することが出来る。
そして、これらの化合物はそのまま、又はポリオールと
反応させプレポリマーとして使用することができる。触
媒は、ウレタン生産のため通常使われるトリエチレンヂ
アミンなどのアミン系触媒や、ジブチルチンジラウレー
ト、スタナスオクトエートなどの錫系などの有機金属触
媒が用いられる。粘着剤の接触角を向上させる方法は、
疎水性ポリオールを使用する事が良い方法ではあるが、
それだけでなく、用いるイソシアナートもTDIよりM
DIが良く、イソシアナート部数も少ないより多めが良
い。また、触媒の添加は必須で、その添加量は少ないと
接触角が向上しにくい。このように粘着剤の接触角はい
ろいろな要因で変化可能であり、それらは粘着性能など
の物性との兼ね合で調整する。これらの組成割合として
は、ポリオール成分に対してイソシアネート成分は、2
〜20重量部の割合であり、触媒の使用量としては0.
05〜0.5部程度である。ウレタン系粘着剤には、耐
候性向上のため、紫外線吸収剤の添加やカーボンブラッ
クの配合が望ましい。特に、カーボンブラックは効果が
大きくかつ持続性があるため好ましい。また、粘着力向
上のため石油樹脂などの粘着付与剤、プロセスオイルな
ども添加出来る。本発明の再剥離性発泡ガスケットの斜
視図及び断面図を図1及び図2に示す。図において、本
発明の再剥離性発泡ガスケット10は発泡体11の表面
に再剥離性粘着剤層12を有し、該再剥離性粘着剤層1
2の表面にセパレーター13を有する。
トの製造方法を述べる。先ず、本発明で使用する粘着剤
層の製造方法として、上述の原料を攪判し、剥離性のセ
パレーター上に塗工する。セパレーターは紙やプラスチ
ックフィルムを基材とし、その表面をシリコーンなどの
離型性のあるもので処理したものを用いる。塗工には、
ナイフコーター、ロールコーター、ダイスコーター、ス
プレーコーターなどを用いる。セパレーターにウレタン
系粘着剤を塗工したのち、発泡体をすぐにラミネートし
てもよいが、塗工後加熱により反応を進め、指触による
増粘を確認した後、又は、糸引き現象を確認後、発泡体
をラミネートすると粘着剤の接触角が90°以上に安定
してなり易く、防水性が安定して好ましい。
方法を図示する。図3は製造方法の説明図であり、図4
はその製造方法における粘着剤を塗工する説明図、図5
は他の製造方法の概念図である。図3及び図4におい
て、走行するセパレーター13上に再剥離性粘着剤12
aを載せ、ドクターナイフ21で均一に塗工して再剥離
性粘着剤層12を形成する。次いで、この粘着剤層12
の上に予め発泡した発泡体11を載せ一体とする。他の
方法としては、図5に示すように、セパレーター13上
に再剥離性粘着剤層12をあらかじめ作っておき、これ
に発泡体の原料であるウレタンフォーム原液11aを塗
工し、その後、発泡させて一体とする。このようなウレ
タンフォーム原液を塗工時にラミネートする方法も防水
性が安定して好ましい。本発明における再剥離性発泡体
ガスケットの寸法としては、防水、防湿すべき物品によ
ってことなるが、通常、厚さ0.5〜20mm程度であ
る。
明する。実施例における各測定方法は次の方法によって
行った。 (1)相溶性試験方法 試験管(直径18mm、長さ180mm)に試料2.0
gを秤量し、ビュレットより溶剤(イソプロプルアルコ
ール/水、75/25g/g)を滴下し、液が次第に濁
りをッ生じ、試験官を透かして0.5mmの線が見えな
くなった時の溶剤の添加量が2.0g以下の試料を合格
とする。この時の液温は25℃とする。 (2)粘着力の測定方法 90度剥離力はJIS−1528に従い測定する。プロ
ーブタック力は、クロムメッキされた鏡面仕上げ表面の
プローブ(10Φ×14mm,10g)をサンプルの粘
着面に20秒靜置後、引っ張り試験機にて垂直方向に3
00mm/minのスピードで引っ張り、その荷重を読
む。
て、幅10mmで50mm角の試料1をアクリル板2お
よび3で50%圧締する。その後注水し、漏水を観察す
る。 (4)透湿性の測定 アルミニウム製の試験治具を用い、幅1.2mmで10
0mm×70mmのサンプルを25%圧締する。これを
60℃×80%湿度の槽に入れ、アルミニウム製の蓋に
セットされた湿度センサーにて治具内の湿度を記録す
る。
レスをして非発泡状にする。粘着剤はそのままサンプル
とする。接触角は協和接触角計CA−Aを用い、水滴滴
下後、2分後の値を読む。
コールより得られる水酸基価80、相溶性試験値0.1
gのポリエステルポリオール100部、トリレンジイソ
シアナート65/35(2、4/2、6異性体比:日本
ポリウレタン(社)製)12.4部、触媒としてジブチ
ルチンジラウレート0.1部を混合し、ダイスコーター
を用い、シリコーンで表面処理した離型紙上に100g
/m2になるよう塗工した。 2.疎水性発泡体とのラミネート ポリウレタン発泡体として、接触角98°、密度0.0
53g/cm3の発泡シーリング材であるスーパーシー
ルW(日本発条株製)の厚さ5mmのシートを、上記の
塗工面にラミネートし、100℃のオーブン中で5分間
処理した。同様に5mmシートの裏面にも上記の粘着剤
をラミネートした。これらの粘着剤の接触角は95°
で、プローブタック値800g、90°ピール値0.2
Kg/cmであり、再剥離性を示した。ここで得られた
発泡体ガスケットを、図6で示すアクリル板で50%圧
縮時の防水性を試験すると、20cmの水圧で24時間
漏水がなかった。一方、粘着剤がついていない場合の水
圧は、約13cmであった。
以外、実施例1と同様な方法で、5mmのスーパーシー
ルWの両面に粘着剤がラミネートした製品を作製した。
タック値900g、90°ピール値0.2Kg/cmで
あり、再剥離性を示した。防水性試験では、水圧5cm
であっても2時間程度で漏水がみられた。
m3の高密度独立気泡ウレタンフォームであるニッパレ
イExの1mm品を用い、その片面に実施例1と同様の
方法で粘着剤をつけた。比較例2として、比較例1で用
いた粘着剤を上記のウレタンフォームの片面につけた。
これらのサンプルの透湿性を測定した結果、図7の通り
であった。図7は湿度80%に早く到達するほど悪いこ
とを示し、実施例2が優れていることを示す。
部、PML7012を10部、ヂブチルチンジラウレー
ト0.2と、トリレンジイソシアナート(日本ポリウレ
タン(社)製)65/35(T65)の添加部数を変化
して、実施例1と同様な方法で粘着剤を作製した。疎水
性発泡体として接触角98°、密度0.055g/cm
3の自己スキン付きウレタンフォームであるスーパーシ
ートH6の5mm品の片側に、上記の粘着剤をラミネー
トした。これらのサンプルの防水性、粘着性能は次の表
2の通りである。
性発泡体ガスケットは、 1)発泡体ガスケットの防水機能を満足し、更には被防
水面の密着性が高まるため、その種類を問わず防水機能
を発揮できる。 2)粘着力を活かし、シールを被防水面に貼着すると、
その接着力のため界面からの漏水が防げ、たとえば高圧
洗車時の水圧にも耐え得る。 3)防湿性を有する発泡体ガスケットも、その界面から
の湿分のリークが防げる。 4)再剥離性の粘着剤である為、貼り間違えをしても、
貼りなおしは容易であり、また使い終った後に被接着面
より剥がす事も容易である。従って、部品のリサイクル
する時に部品の分別が容易となる。 等の効果を奏する。
1例を示す説明図
おける粘着剤を塗工する説明図
法を示す説明図
説明図で、aは試験試料の平面図、bは試験具の斜視図
である。
ー 21:ドクターナイフ 1:試験試料 2、3:アクリル樹脂板 4:
スペンサー 5:注水管
Claims (2)
- 【請求項1】発泡体シートの少なくとも一面に再剥離性
粘着剤をラミネートした再剥離性発泡体ガスケットであ
って、該発泡体シートは接触角が90度以上の疎水性発
泡体であり、該発泡体にラミネートした粘着剤は疎水性
ポリオールとイソシアナートと触媒を必須成分としたウ
レタン系粘着剤であり、該ウレタン系粘着剤は前記発泡
体とラミネート、硬化後の粘着剤の接触角が90度以上
であることを特徴とした再剥離性発泡体ガスケット。 - 【請求項2】疎水性ポリオールがダイマー酸エステル、
ひまし油エステル、炭化水素系ポリオールからなる群か
ら選択された少なくとも1種のポリオール化合物である
請求項1記載の再剥離性発泡体ガスケット。
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---|---|---|---|
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WO2007094341A1 (ja) | 2006-02-17 | 2007-08-23 | Mitsui Chemicals Polyurethanes, Inc. | ラミネート用接着剤 |
US7488236B2 (en) | 2001-11-13 | 2009-02-10 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Polishing pad and method of producing the same |
JP2009299903A (ja) * | 2001-03-09 | 2009-12-24 | Nok Corp | ガスケット |
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1999
- 1999-03-30 JP JP08896199A patent/JP4080628B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US7651761B2 (en) | 2001-11-13 | 2010-01-26 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Grinding pad and method of producing the same |
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WO2007094341A1 (ja) | 2006-02-17 | 2007-08-23 | Mitsui Chemicals Polyurethanes, Inc. | ラミネート用接着剤 |
US8097079B2 (en) | 2006-02-17 | 2012-01-17 | Mitsui Chemicals, Inc. | Laminating adhesive |
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