JP2000281905A - 電気抵抗の制御された炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

電気抵抗の制御された炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物

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JP2000281905A
JP2000281905A JP8862399A JP8862399A JP2000281905A JP 2000281905 A JP2000281905 A JP 2000281905A JP 8862399 A JP8862399 A JP 8862399A JP 8862399 A JP8862399 A JP 8862399A JP 2000281905 A JP2000281905 A JP 2000281905A
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carbon fiber
thermoplastic resin
resin composition
fiber
carbon fibers
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Masaki Mitsunaga
正樹 光永
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物において、
該炭素繊維の電気抵抗の指標である体積固有抵抗値が、
通常に用いられている炭素繊維と同レベルであるにも関
わらず、特定の繊維径を有する炭素繊維を使用すること
により、体積固有抵抗値が一定の範囲に制御された炭素
繊維含有熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂(A成分)50〜8
5重量部と(B)体積固有抵抗値が10-3〜10-1Ω・
cmであり、かつ繊維径が0.1〜2μmであることを
特徴とする炭素繊維(B成分)15〜50重量部との合
計100重量部からなり、体積固有抵抗値が105〜1
11Ω・cmの電気抵抗の制御された炭素繊維含有熱可
塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の繊維径を有
する炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
更に詳しくは、炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物におい
て該炭素繊維の電気抵抗の指標である体積固有抵抗値
が、通常用いられている炭素繊維と同レベルであるにも
関わらず、樹脂組成物の体積固有抵抗値がいわゆる制電
領域において一定の範囲に制御された炭素繊維含有熱可
塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、その製造、成形の容易
さのため、あらゆる産業において広く用いられている。
特に熱可塑性樹脂組成物は、一般に優れた電気絶縁性を
示すことから、電子部品の用途に用いられることも多
い。一般的に、熱可塑性樹脂組成物、及びフィラー強化
熱可塑性樹脂系の電子部品に対しては、より高い電気絶
縁性が求められているのではあるが、実際に機器の一部
として使われる際には、そのままでは帯電が起こり、塵
埃の吸着のような不都合が生じる。また環境によっては
帯電がさらに進行し、静電気により周囲の電子機器に対
し電気的障害を与える場合すらある。
【0003】このような塵埃の吸着、電気的障害の防止
が特に必要とされる半導体部品製造等の分野において
は、通常は体積固有抵抗値で表わして1015〜1016Ω
・cm程度である熱可塑性樹脂を、何等かの手段を用い
て若干の導電性を付与し、いわゆる制電領域とされる1
5〜1011Ω・cm程度にする必要がある。また電子
写真感光装置の帯電ロールにおいても同様の導電性レベ
ルの要求がある。
【0004】かかる抵抗値の樹脂組成物を得るために、
有機系の帯電防止剤あるいは導電性を有する樹脂を添加
する方法、樹脂組成物にカーボンブラック、炭素繊維あ
るいは炭素フレーク、金属繊維あるいは金属フレーク、
導電性酸化チタン等の金属コート繊維あるいは導電性マ
イカ等の金属コートフレークを添加する方法等が用いら
れてきた。
【0005】しかしながら、有機系の帯電防止剤や導電
性樹脂を用いた場合は、所望の抵抗値を得るために多量
の添加が必要となるため実用的でない。更に有機系の帯
電防止剤や導電性樹脂は経時変化を起こしたり、環境に
左右されたり、最悪の場合効果が失われることもある。
特に芳香族ポリカーボネート樹脂に代表されるイオン性
の物質により分解されやすく、かつ高温の加工温度が必
要とされるためかかる分解が促進されやすい樹脂におい
ては好ましくない。
【0006】カーボンブラックの添加は熱可塑性樹脂に
対する導電性付与の一つの代表的な方法論であり、これ
については、例えば日本接着協会誌Vol.23,N
o.3,103〜111ページ(1987)の住田の総
説にこれまでの基礎研究の成果がまとめられている。確
かにカーボンブラックの添加によっても容易に導電性を
付与することはできるが、実際にはそれが強力な導電性
を有することと粉体であることから、分散性を高くする
と電気の導通状態を段階的に高くすることが難しく、添
加量がある程度を超えると急激に導電性が上昇する。そ
のため、カーボンブラックを用いることによっては、1
5〜1011Ω・cm程度の微弱な導電性を有する熱可
塑性樹脂組成物またはその成形体を高い生産性で製造す
ることは極めて難しい。
【0007】また従来から機械的物性向上や寸法安定性
を考慮して使用されてきた炭素繊維、金属繊維あるいは
金属フレーク、導電性酸化チタン等の金属コート繊維あ
るいは導電性マイカ等の金属コートフレーク、以上の様
な導電性フィラーはかかる導電性フィラーの電気抵抗が
低く、所望の抵抗値を得るために配合量を少ない範囲と
しなければならず、わずかな配合量のズレによる抵抗値
への影響が大きく、ロット間の抵抗値のバラツキが大き
くなり、実際的でない。
【0008】かかる問題点の解決策として、特定の体積
固有抵抗値を有する炭素繊維を添加させる方法が複数提
案されている。
【0009】特開平5−117446号公報では、体積
固有抵抗値が10-3Ω・cmオーダーである炭素繊維を
作成後、炭素繊維の表面を酸化させることにより、体積
固有抵抗値を高めた炭素繊維を作成し、かかる炭素繊維
を熱可塑性樹脂に配合する方法が具体的に開示されてい
る。
【0010】また特開平7−228707号公報には、
800℃未満の温度で短時間焼成することにより体積固
有抵抗値を高めた炭素繊維を作成し、かかる炭素繊維を
樹脂に配合する方法が具体的に開示されている。
【0011】しかしながら、前者に開示された方法は高
抵抗部分を表面の薄い酸化層に強く依存している性質
上、樹脂の練り込み条件等によってかかる酸化層が傷つ
くためか、得られる樹脂組成物が体積固有抵抗値で10
5〜1011Ω・cmの領域より低い抵抗値となりやす
く、安定した制電領域を得られにくいとの問題がある。
【0012】一方後者に開示された方法は、炭素繊維自
体の製造を不安定な段階で中断する処理を行う性質上、
炭素繊維自体の体積固有抵抗値を安定して製造すること
が困難であり、更に生産性、コストの面でも問題を有し
ているのが現状である。
【0013】更に炭素繊維自体は、体積固有抵抗値が極
めて低いため、樹脂表面からかかる繊維が大きく露出し
たり、脱落することも回避する必要がある。すなわち得
られた樹脂組成物の表面が繊維の浮きが少ない平滑なも
のであることも望まれているが、上記に提案された樹脂
組成物はこの点においても十分とはいえない。
【0014】また特開平2−298556号公報には、
繊維径0.01〜5μmからなる特定の気相成長法炭素
繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
気相成長炭素繊維は原料組成物を気体中で反応させるこ
とにより得られる炭素繊維であるが、かかる気相成長炭
素繊維を利用しても通常の炭素繊維と同様、安定した制
電領域の樹脂組成物を達成するのは困難であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭素繊維を
使用する体積固有抵抗値がいわゆる制電領域において一
定の範囲に安定に制御された炭素繊維含有熱可塑性樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0016】本発明者は、上記の従来技術の問題点に鑑
み、炭素繊維として通常使用される低い体積固有抵抗値
を有する炭素繊維を使用し、かつ安定した制電領域の抵
抗値を満足する樹脂組成物を得ることが重要との設計思
想に基づき、及び樹脂組成物の体積固有抵抗値が組成物
中の炭素繊維の分散状態に影響されている点に着目し鋭
意検討した結果、特定の繊維径のものを用いることによ
り組成物の体積固有抵抗値を一定の範囲に制御し得るこ
とを見出し、更に検討を重ねた結果本発明に到達した。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)熱可塑
性樹脂(A成分)50〜85重量部と(B)体積固有抵
抗値が10-3〜10-1Ω・cmであり、かつ繊維径が
0.1〜2μmであることを特徴とする炭素繊維(B成
分)15〜50重量部との合計100重量部からなり、
樹脂組成物の体積固有抵抗値が105〜1011Ω・cm
の電気抵抗の制御された炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成
物に係るものである。
【0018】本発明でA成分として使用する熱可塑性樹
脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂
などに代表される汎用プラスチックス、ABS(アクリ
ル−ブタジエン−スチレン)樹脂、AES樹脂、ASA
樹脂、ポリフェニルエーテル、ポリアセタール、芳香族
ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン
6,6等に代表されるエンジニアリングプラスチック
ス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフ
ェニレンサルファイドなどのいわゆるスーパーエンプラ
と呼ばれるものも用いることができる。更にスチレン系
熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラスト
マー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステ
ル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エ
ラストマーなどの熱可塑性エラストマーも用いることが
できる。これらの熱可塑性樹脂を混合して用いること
は、組成物の使用目的に応じて適宜選択することができ
る。
【0019】上記の熱可塑性樹脂に加える形で、熱硬化
性樹脂や架橋構造を有する通常のゴム類についても本特
許の目的を損なわない範囲で用いることができ、熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などこ
れまでに知られているものについてはほぼ例外なく用い
ることができ、ゴム類であれば、天然ゴム、イソプレン
ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン
ゴム、アクリルゴム、エピクロールヒドリンゴム、多硫
化ゴム、など種々のゴム材料を用いることができる。
【0020】熱可塑性樹脂のなかでも特に芳香族ポリカ
−ボネ−ト樹脂は成形加工性や機械的物性等の諸特性の
バランスに優れており好ましく使用される。芳香族ポリ
カーボネート樹脂は2価フェノールとカ−ボネ−ト前駆
体とを溶融法、溶液法などの公知の方法で反応させ、製
造されるものである。2価フェノールの代表的なものと
しては、ハイドロキノン、レゾルシノール、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ビ
ドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プ
ロパン、ビス(4−ビドロキシフェニル)サルファイド
等が挙げられる。特にビス(4−ビドロキシフェニル)
アルカン系が好ましく、なかでも通常ビスフェノールA
と称される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンが好適である。またカ−ボネ−ト前駆体として
は、カルボニルハライド、カルボニルエステル及びハロ
ホルメ−ト等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェ
ニルカ−ボネ−ト、2価フェノールのジハロホルメ−ト
等がある。芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂の製造に際し、
適当な分子量調節剤、分岐剤、その他の改質剤などの添
加は差し支えない。また2価フェノール、カ−ボネ−ト
前駆体はいずれも単独あるいは2種以上で使用すること
ができ、さらに得られた芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂を
2種以上混合使用してもよい。
【0021】ポリカーボネート樹脂の分子量は、あまり
に低いと強度が十分でなく、あまりに高いと溶融粘度が
高くなり成形し難くなる為、粘度平均分子量で表して通
常10,000〜50,000、好ましくは、15,0
00〜30,000である。ここでいう粘度平均分子量
(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹
脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度
(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。 ηsp/C=[η]+0.45×[η]2C [η]=1.23×10-40.83 (但し[η]は極限粘度、Cはポリマー濃度で0.7)
【0022】次にポリカーボネート樹脂を製造する基本
的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆物質とし
てホスゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤及び有機
溶媒の存在下で反応させる。酸結合剤としては例えば水
酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水
酸化物、またはピリジン等のアミン化合物が用いられ
る。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促
進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩
等の触媒を用いることができ、分子量調節剤としては例
えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのよ
うなアルキル置換フェノール及び4−(2−フェニルイ
ソプロピル)フェノールのようなアルアルキル置換フェ
ノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温
度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中
のpHは10以上に保つのが好ましい。尚、結果として
得られた分子鎖末端の全てが末端停止剤に由来の構造を
有する必要はない。
【0023】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガ
ス雰囲気下に所定割合の2価フェノール成分及び必要に
応じて分岐剤等を炭酸ジエステルと加熱しながら攪拌し
て、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させ
る方法により行われる。反応温度は生成するアルコール
またはフェノール類の沸点等により異なるが、通常12
0〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧に
して生成するアルコールまたはフェノール類を留出させ
ながら反応を完結させる。また反応を促進するために、
アルカリ金属化合物や含窒素塩基性化合物等の現在公知
のエステル交換反応に使用される触媒を使用することも
できる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエス
テルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフ
チルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチ
ルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフ
ェニルカーボネートが好ましい。また末端停止剤として
ジフェニルカーボネートやメチル(2−フェニルオキシ
カルボニルオキシ)ベンゼンカルボキシレート等を、反
応の初期段階でまたは反応の途中段階で添加すること、
及び反応終了直前に従来公知の各種触媒失活剤を添加す
ることも好ましく行われる。
【0024】また他の好ましい熱可塑性樹脂として熱可
塑性エラストマーを挙げることができる。本発明で使用
するスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ビニル
芳香族炭化水素重合体を含む非エラストマー状重合体ブ
ロック(ブロックaとする)と共役ジエン化合物重合体
を含むエラストマー状重合体ブロック(ブロックbとす
る)とから構成され、a−b、a−b−a等のブロツク
共重合体、及びこれらの水素添加物、またはそれらの混
合物から選ばれた成分を挙げることができる。ここでビ
ニル芳香族炭化水素重合体としては、ポリスチレンが好
ましく、共役ジエン化合物重合体としては、ポリブタジ
エンブロック、ポリイソプレンブロック、ポリ(エチレ
ン−ブチレン)ブロック、ポリ(エチレン−プロピレ
ン)ブロック、ポリブテンブロックを挙げることがで
き、ポリブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック
が好ましく、特にこれらの水素添加物が好ましく使用で
きる。スチレン系熱可塑性エラストマーの市販品として
は(株)クラレ製「セプトン」、「ハイブラー」等が挙
げられ容易に入手可能である。
【0025】本発明で使用するオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーとしては、オレフィン系共重合ゴム、例えば
エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン
・プロピレン・共役ジエン共重合ゴム(EPDM)等の
オレフィンを主成分とする無定型ランダム共重合体の弾
性体、または、それらを有機過酸化物等の存在下に加熱
処理することにより架橋した弾性体を基本成分としてな
るものである。
【0026】これらの共重合体ゴムは、ランダム共重合
体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合
体のいずれでもよく、また、これらのオレフィン系共重
合ゴムの併用であってもよい。かかるオレフィン系熱可
塑性エラストマーとしては、三井化学(株)から、商品
名「ミラストマー」として市販されているものが挙げら
れ、容易に入手可能である。
【0027】本発明のポリアミド系熱可塑性エラストマ
ーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6な
どをハードセグメントとし、ポリエーテルまたはポリエ
ステルをソフトセグメントとするものである。ポリエー
テル、ポリエステルには、ポリエーテルジオール、ポリ
エステルジオールの長鎖ポリオールが用いられる。ポリ
エーテルジオールとしては、ポリ(オキシテトラメチレ
ン)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジペー
ト)グリコールなどを挙げることができる。ポリアミド
系熱可塑性エラストマーの市販品としては東レ(株)
「ペバックス」等が挙げられ容易に入手可能である。
【0028】本発明のポリエステル系熱可塑性エラスト
マーとしては、芳香族ポリエステルをハードセグメント
とし、ポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルをソフト
セグメントとするものである。またハードセグメントに
液晶性芳香族ポリエステルを、ソフトセグメントに脂肪
族ポリエステルを使用した液晶型ポリエステルエラスト
マーも使用可能である。ポリエステル系熱可塑性エラス
トマーの市販品としては、帝人(株)製「ヌーベラ
ン」、東洋紡績(株)製「ペルプレン」、東レ(株)製
「ハイトレル」などを挙げることができ、容易に入手可
能である。
【0029】本発明のポリウレタン系熱可塑性エラスト
マーは、ジイソシアネートとポリオールを基材とし、こ
れに各種の鎖延長剤或いは架橋剤等を組み合わせること
によって得られるものである。ジイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネ
ート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、イソプロピリデン
ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、等が例示
される。ポリオール成分としては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、アクリルポリオール、含ハロゲンポリオール、
含リンポリオール等が用いられる。
【0030】ポリエーテルポリオールとしては、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリ
オキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコール等が、ポリエステルグリコールとしては、
1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジ
エチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等とア
ジピン酸との縮合で得られたものや、酸成分として、フ
タル酸、テレフタル酸、マレイン酸、セバチン酸、ヒド
ロキシ化合物として、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等も用い
られる。また、カプロラクトンを開環して得られるポリ
ラクトンエステルポリオールも用いられる。
【0031】さらに鎖延長剤、架橋剤として、1,2−
エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビ
スフェノールA、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、1,2,6−ヘキサントリオール、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、水素添加4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、3,3’ージクロロ−4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、トリレンジアミン、エタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等が用い
られる。
【0032】ポリウレタン熱可塑性エラストマーの市販
品としては、(株)クラレ製「クラミロンU」、武田バ
ーディシュウレタン(株)製「エラストラン」などを挙
げることができ、容易に入手可能である。
【0033】本発明でB成分として使用される炭素繊維
は、体積固有抵抗値が10-3〜10-1Ω・cmであり、
かつ繊維径が0.1〜2μmであることを特徴とする。
繊維径が0.1μm未満であれば、所望の体積固有抵抗
を達成するために配合量を多くしなければならず、実用
的でない。また2μmを超えると制電領域に安定させる
ことが困難となるばかりか、成形品の表面外観に著しい
悪影響を及ぼすようになる。尚、かかる繊維径は電子顕
微鏡写真よりランダムにサンプリングした100本以上
の平均値として算出が可能である。
【0034】B成分の配合量としてはA成分とB成分と
の合計100重量部中、15〜50重量部である。15
重量部未満であれば導電性が十分となりにくく制電領域
で安定化させることが困難であり、配合量のわずかなズ
レによる抵抗値への影響も大きく、50重量部を超えて
配合しても電気特性や機械的物性の向上が見られず好ま
しくない。
【0035】本発明のB成分で使用する炭素繊維は、原
料組成物を紡糸または成形し次いで炭化することにより
得られたものであり、気相成長法の如く基本的に紡糸工
程を経ないで得られる炭素繊維は含まれない。更に本発
明の炭素繊維は賦活処理を行うことにより比表面積を大
きくしたものを使用することもできる。
【0036】より具体的には、本発明のB成分として
は、レーヨン、リグニン、ポリアクリロニトリル、ピッ
チなどを紡糸して得られる炭素繊維を不融化または安定
化したのち、1000〜1600℃に加熱炭化するか、
さらに2000〜3000℃に加熱黒鉛化して製造され
たものを挙げることができる。
【0037】更に、本発明のB成分としては実質的に芳
香族スルホン酸類またはそれらの塩のメチレン型結合に
よる重合体と溶媒よりなる原料組成物を紡糸または成形
し、次いで炭化することを特徴とする炭素繊維をより好
ましく挙げることができる。かかる炭素繊維は、製造上
通常の炭素繊維と異なり不融化工程を経ないで済むため
炭素繊維自体の生産性が極めて高く、結果として本発明
の繊維径の細い炭素繊維であっても経済的に生産可能で
あるからである。加えていわゆるGPタイプCF程度の
適度な強度を有するため樹脂との溶融混練中に均一に適
度な長さを保って破断し、制電領域を安定して保つこと
も好ましい理由として挙げることができる。
【0038】ここで芳香族スルホン酸類またはそれらの
塩(以下単に芳香族スルホン酸類と略称することがあ
る)の例としては、ナフタレンスルホン酸、アントラセ
ンスルホン酸、フェナントレンスルホン酸、クレオソー
ト油、アントラセン油、タール及びピッチ等の多環芳香
族化合物の混合物をスルホン化したもの、トルエンスル
ホン酸、キシレンスルホン酸、フェノール類スルホン酸
及びこれらの混合物もしくはそれらの塩を挙げることが
できる。これらの芳香族スルホン酸類はそれぞれ相当す
る芳香族化合物類をそれ自体公知の方法に従いスルホン
化することによって得られる。芳香族スルホン酸塩を形
成する陽イオン成分としてはNa+、K+、Ca+2、NH
4 +などが挙げられるが、紡糸後の炭化工程における取り
扱いの容易さの面でNH4 +が好ましい。
【0039】芳香族スルホン酸類のメチレン型結合によ
る重合体としては、芳香族スルホン酸類とメチレン型結
合による縮合体を挙げることができ、それ自体公知の方
法によって製造できるが、一般的には芳香族スルホン酸
類をホルマリン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレ
ンテトラミンあるいはその他のアルデヒド類を用いて縮
合させるのが一般的である。またポリスチレンスルホン
酸の如くビニル基を有する芳香族スルホン酸類を付加重
合させることによって得られるメチレン型結合を有する
芳香族スルホン酸類の重合体を使用することもできる。
【0040】メチレン型結合としては、メチレン結合
(−CH2−結合)が製造等の容易さから特に好ましい
が、−(CH2)n−Tx−(CHR)m−(式中、T
はベンゼン環またはナフタレン環、Rは水素、低級アル
キル基またはベンゼン環、n、m、xはそれぞれ0また
は1の整数を表わし、nとmは共に0ではない)で表わ
される結合も使用することができる。
【0041】またかかるメチレン型結合は、直接芳香環
に結合するだけでなく、ポリスチレン−スルホン酸類の
如く側鎖を介して連結する場合も含まれる。また、これ
らの縮合体は単一組成だけでなく、2種以上の芳香族ス
ルホン酸類またはそれらの塩による共重合、縮合体、及
び2種以上の重合体の混合物として使用可能である。
【0042】溶媒としては、芳香族スルホン酸類のメチ
レン型結合による重合体を溶解するものであれば特に制
限はないが、かかる縮合体等の性質上、水、メタノール
等のアルコール類、アセトニトリル等の極性溶媒を好ま
しく使用でき、なかでも水あるいは水と他の水溶性溶媒
を混合した水系溶媒を好ましく使用することができる。
【0043】芳香族スルホン酸類のメチレン型結合によ
る重合体は、かかる溶媒に溶解または分散させ、必要に
応じて希釈、濃縮等の手段により粘度を調整して原料組
成物とした後、繊維状に紡糸して成形した後炭化処理す
ることにより、本発明の好ましいB成分を得ることがで
きる。
【0044】かかる場合に紡糸助剤として、原料組成物
中の固形物100重量部に対して0.02〜20重量部
の水溶性高分子化合物を添加することにより、かかる原
料組成物の紡糸性を更に改良することが可能となる。水
溶性高分子化合物としては各種の水または水系溶媒に可
溶ないしコロイド状に分散可能な高分子化合物が使用で
きるが、具体的には、ポリアルキレンオキシド、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸−アクリル
アミド)コポリマー等を挙げることができる。
【0045】芳香族スルホン酸類のメチレン型結合によ
る重合体紡糸の際は、紡糸液中に含まれるゲル状異物を
取り除くため、紡糸口金上に焼結金属フィルター、焼結
金属金網フィルター等をいれることも可能である。また
紡糸温度は水を溶媒とする場合20〜100℃が好まし
い。更に延伸時ドラフト率(口金径/原糸径)は2〜1
00であり、好ましくは5〜10である。
【0046】次いで炭化する場合には、非酸化性雰囲気
下、好ましくは純度99.99体積%以上の窒素ガス気
流下に1〜2000℃/分、好ましくは10〜500℃
/分の昇温速度で昇温し、500〜2000℃、好まし
くは1000〜2000℃の温度範囲で加熱焼成するこ
とによって実施される。更に2000〜3000℃で焼
成することにより黒鉛質の繊維状炭素を得ることができ
る。
【0047】尚、かかる炭素繊維を得るための原料組成
物中における芳香族スルホン酸類のメチレン型結合によ
る重合体の量は、縮合体または重合体の種類、水溶性高
分子化合物の種類及び溶媒の種類によって異なるが、通
常20〜90重量%、好ましくは40〜80重量%の範
囲である。
【0048】賦活処理は通常の活性炭類の賦活と同様、
水蒸気や空気、炭酸ガス等によるガス賦活、あるいは硫
酸等を用いる薬品賦活等の方法により実施できる。賦活
処理は炭化物の状態で行ってもよく、紡糸または成形後
炭化処理と同時に行ってもよい。かかる賦活処理により
2BET法で測定して500〜2500m2/gの比表
面積を有する賦活品を得ることができる。
【0049】かくして本発明のB成分として好ましい炭
素繊維を得ることができる。
【0050】本発明の炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物
は、上記各成分を押出機、タンブラー、V型ブレンダ
ー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロー
ル等の混合機により混合して製造することができる。か
くして得られた炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物は各種
の射出成形、押出成形、回転成形など通常の成形方法に
よって成形品を製造することができる。
【0051】本発明の炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物
に使用する樹脂組成物には、トリメチルホスフェートの
ようなリン酸エステルあるいはトリフェニルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイトのような亜リン酸エステル
を全組成物に対して、0.001〜1重量%を配合する
ことにより、さらに熱安定性が向上するので好ましい。
さらに本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤(例え
ば、臭素化ビスフェノール、臭素化ポリエチレン、臭素
化ポリカーボネート、トリフェニルホスフェート、縮合
リン酸エステル、ホスホン酸アミド)、難燃助剤(アン
チモン酸ナトリウム、三酸化アンチモン等)、滴下防止
剤(フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチ
レン等)、核剤(例えば、ステアリン酸ナトリウム、エ
チレン−アクリル酸ナトリウム等)、酸化防止剤(例え
ば、ヒンダードフェノール系化合物系)、紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、滑剤、着色剤等を
配合してもよい。
【0052】また樹脂組成物の体積固有抵抗値が本特許
の請求の範囲内であれば、使用目的に応じて、ガラス繊
維あるいはガラスフレーク、炭素繊維あるいは炭素フレ
ーク、金属繊維あるいは金属フレーク、導電性酸化チタ
ン等の金属コート繊維あるいは導電性マイカ等の金属コ
ートフレーク、ワラストナイト、カオリンクレー、マイ
カ、タルク、等といった一般に知られているフィラーを
用いることができる。またフィラーの形状は繊維状、フ
レーク状、球状、中空状を自由に選択でき、かつフィラ
ーの繊維径や繊維長といった大きさについても本特許の
請求の範囲内であれば特に制限はない。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示し本発明を具体
的に説明する。尚、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0054】(1)体積固有抵抗値の測定 体積固有抵抗の測定は平板のほぼ中央部から試験片(長
さ40mm×幅40mm×厚み2mm)を切り出し、東
亜電波工業(株)製SM−10E型超絶縁計とKENW
OOD製DL−712を用いて行った。測定する体積固
有抵抗値のレベルが105Ω・cm以下のときDL−7
12を用い、測定する体積固有抵抗値のレベルが106
Ω・cm以上のときSM−10E型超絶縁計を用いた。
【0055】(2)外観評価 成形された平板の表面外観を目視評価した。表面にザラ
ツキが無く光沢がある場合を◎、ザラツキが無い場合を
○、若干のザラツキが見られる場合を△、ザラツキが見
られる場合を×として評価した。
【0056】[実施例1〜9、比較例1〜9]表1およ
び表2記載の各成分を表1および表2記載の配合割合で
ドライブレンドした後、径30mmφのダルメージ2段
のスクリューを装備したベント付き単軸押出機[ナカタ
ニ機械(株)製:VSK−30]を用い、表1および表
2に記載のシリンダー温度及びダイス温度でペレット化
した。このペレットをステンレス製バットに厚み2cm
以下のとなるように入れ、真空乾燥機で1mmHg以下
の吸引した状態で、このペレットを熱可塑性エラストマ
ー以外は80℃で、熱可塑性エラストマーは50℃で5
時間乾燥した。その後射出成形機[住友重機械工業
(株)製SG−150U]を用いて長さ90mm×幅5
0mm×厚み2mmの平板を成形し、評価に用いた。評
価結果を表1および表2に示す。
【0057】表1および表2記載の各成分を示す記号は
下記の通りである。 PC:粘度平均分子量22,500の芳香族ポリカ−ボ
ネ−ト樹脂[帝人化成(株)製 パンライト L−12
25] ABS:ABS樹脂[三井化学(株)製 UT−61] Pest:PBT樹脂[帝人(株)製 TRB−J] PS:ポリサルフォン樹脂[テイジン アモコ エンジニ
アリング プラスチックス(株)製ユーデル P−17
00] SEPS:水添スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
クコポリマー[(株)クラレ製 セプトン2005] TPU:熱可塑性ポリウレタンエラストマー[(株)ク
ラレ製 クラミロンU 1198] B−1:体積固有抵抗10-3Ω・cm、繊維径0.8μ
m、カット長2.5mmの炭素繊維[三井鉱山マテリア
ル(株)製 UCF−1000−2.5] B−2:体積固有抵抗10-3Ω・cm、繊維径7μmカ
ット長0.16mmの炭素繊維[東邦レーヨン(株)製
HTA−CMF−0160−0H] B−3:体積固有抵抗10-3Ω・cm、繊維径7μmカ
ット長6mmの炭素繊維[東邦レーヨン(株)製 HT
A−C6U] B−4:体積固有抵抗100〜101Ω・cm、繊維径1
2μmカット長6mmの炭素繊維[三菱化学(株)製
K223G1] タルク:平均粒径2.8μm のタルク[林化成(株)
製 HST−0.8]
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2で明らかなように、実施例1
〜7から、炭素繊維の繊維径を請求項の範囲にすること
により、該炭素繊維の体積固有抵抗が通常の炭素繊維と
同じレベルであるにもかかわらず、樹脂組成物の体積固
有抵抗は特定の範囲で制御されている。さらに実施例は
比較例に比べ表面外観に優れることがわかる。
【0061】比較例1は炭素繊維の配合量が少ないもの
であるが、その組成物が示す体積固有抵抗のレベルは制
電領域に達しない。比較例2〜4は炭素繊維のカット長
を通常より短くしたものであるが、制御でき得る体積固
有抵抗のレベルは制電領域で安定しないことが分かる。
比較例5〜7は通常に用いられる炭素繊維であり、制御
でき得る体積固有抵抗のレベルは更に制電領域で安定し
ない。比較例8、9は炭素繊維の体積固有抵抗を通常よ
り高くしたものであるが、やはり制電領域での安定性に
欠ける。
【0062】
【発明の効果】本発明の炭素繊維含有樹脂組成物は、該
炭素繊維の電気抵抗の指標である体積固有抵抗値が、通
常に用いられている炭素繊維と同レベルであるにも関わ
らず、特定の繊維径を有する炭素繊維を使用することに
より、体積固有抵抗値がいわゆる制電領域において安定
に制御されるものである。したがって例えば熱可塑性樹
脂がポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂などの
場合には液晶ディスプレーガラスのコンテナーなど、熱
可塑性樹脂が熱可塑性エラストマーの場合には電子写真
感光装置の帯電ロールなどにおいて使用可能であり、即
ち制電領域にあることが高精度に要求される電子・電気
機器分野、工作機械・自動車分野等において、その奏す
る工業的効果は格別なものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂(A成分)50〜8
    5重量部と(B)体積固有抵抗値が10-3〜10-1Ω・
    cmであり、かつ繊維径が0.1〜2μmであることを
    特徴とする炭素繊維(B成分)15〜50重量部との合
    計100重量部からなり、体積固有抵抗値が105〜1
    11Ω・cmの電気抵抗に制御された炭素繊維含有熱可
    塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 B成分が、実質的に芳香族スルホン酸類
    またはそれらの塩のメチレン型結合による重合体と溶媒
    よりなる原料組成物を紡糸または成形し、次いで炭化す
    ることを特徴とする炭素繊維である請求項1に記載の炭
    素繊維含有熱可塑性樹脂組成物。
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