JP2000281753A - シールド用導電性樹脂組成物 - Google Patents

シールド用導電性樹脂組成物

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JP2000281753A
JP2000281753A JP9088599A JP9088599A JP2000281753A JP 2000281753 A JP2000281753 A JP 2000281753A JP 9088599 A JP9088599 A JP 9088599A JP 9088599 A JP9088599 A JP 9088599A JP 2000281753 A JP2000281753 A JP 2000281753A
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conductive
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content
shield
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JP9088599A
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Masamichi Ono
正道 大野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体積固有抵抗値が102 Ω・cm以下で、流
れ特性にも優れ、種々のサイズのシールドの成形が可能
なシールド用導電性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤、導電性フィラ
ー、無機質フィラー、硬化促進剤、離型剤及び添加剤か
らなるシールド用導電性樹脂組成物を、エポキシ樹脂の
含有量を導電性樹脂組成物に対して15〜40重量%、
硬化剤の含有量を10〜25重量%、導電性フィラーの
含有量を7〜25重量%、無機質フィラーの含有量を2
2〜80重量%、硬化促進剤の含有量を0.1〜1重量
%、離型剤の含有量を0.2〜1重量%、添加剤の含有
量を0.1〜0.3重量%とし、無機質フィラーの形状
を球状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置
等の絶縁スペーサや絶縁筒等に埋設されるシールドの導
電性と成形性を好適にすべく改良を施したシールド用導
電性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、内部に絶縁性ガスが充填され
たガス絶縁開閉装置等においては、装置の内部に配設さ
れた導体を絶縁支持するために熱硬化性樹脂からなる絶
縁スペーサや絶縁筒が用いられており、さらに、これら
の絶縁スペーサや絶縁筒の管路との接続部近傍には、絶
縁スペーサや絶縁筒の低圧部の電界を緩和し、断路器の
遮断または投入時の開閉サージ波形によるこれらのまわ
りの欠陥を検出するために、導電性のシールドが埋設さ
れている。なお、このようなシールドとしては、従来、
金属あるいはグラファイトやニッケル粉末を充填した熱
硬化性樹脂が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属製
シールドの場合、絶縁スペーサや絶縁筒本体を構成する
樹脂とシールドを構成する金属との線膨張係数の差が大
きいため、熱応力が大きくなり、これに起因した欠陥が
生じやすいという問題があった。一方、グラファイトや
ニッケル粉末を充填した熱硬化性樹脂製のシールドにお
いては、金属製シールドのような問題は生じないが、体
積固有抵抗値が102 〜104 Ω・cmとかなり高く、
そのため開閉サージの1MHz近傍の周波数特性が悪
く、絶縁スペーサや絶縁筒のまわりの欠陥検出感度が低
いという問題があった。
【0004】さらに、このような熱硬化性樹脂製のシー
ルドにおいては、多量のグラファイトやニッケル粉末を
充填しているため、コストが高くなるばかりでなく、流
れ特性が悪く、8MPa以上の高圧で成形を行わなけれ
ばならないため、外径が500mm以上の大型のものは
製作できなかった。
【0005】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解消するために提案されたものであり、その目的
は、体積固有抵抗値が102 Ω・cm以下で、流れ特性
にも優れ、種々のサイズのシールドの成形が可能なシー
ルド用導電性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成
するに至ったものである。
【0007】[無機質フィラーの形状]すなわち、本発
明者は、請求項1に記載した通り、所定量のエポキシ樹
脂、硬化剤、導電性フィラー、無機質フィラー、硬化促
進剤、離型剤及び添加剤からなるシールド用導電性樹脂
組成物において、無機質フィラーの形状を球状にするこ
とによって、上記の目的を達成できることを見出したも
のである。このように、無機質フィラーの形状を球状に
することで、エポキシ樹脂の流れ性を損なわずに均一に
成形することができるため、導電性フィラーの分散性が
良くなり、内部欠陥がなく、機械的強度に優れた、導電
性の向上したシールドを成形することができることが判
明した。
【0008】[シールド用導電性樹脂組成物の組成]エ
ポキシ樹脂、硬化剤、導電性フィラー、無機質フィラ
ー、硬化促進剤、離型剤及び添加剤からなるシールド用
導電性樹脂組成物を構成する各成分の量について種々検
討した結果、導電性樹脂組成物に対し、エポキシ樹脂の
含有量が15〜40重量%、硬化剤の含有量が10〜2
5重量%、導電性フィラーの含有量が7〜25重量%、
無機質フィラーの含有量が22〜80重量%、硬化促進
剤の含有量が0.1〜1重量%、離型剤の含有量が0.
2〜1重量%、添加剤の含有量が0.1〜0.3重量%
であることが望ましいことが判明した。なお、各成分の
含有量を上記の範囲とした理由については、以下に説明
する。
【0009】(エポキシ樹脂について)エポキシ樹脂の
範囲を15〜40重量%としたのは、以下の理由によ
る。すなわち、シールド用導電性樹脂組成物中における
エポキシ樹脂の配合量を、0〜70重量%の範囲で変え
て調製した各樹脂組成物について、流れ性及び抵抗値を
調べたところ、図1に示すような結果が得られた。ま
ず、流れ性は90〜120cmの範囲が良好であること
から、エポキシ樹脂の配合量が15重量%未満では、流
れ性に効果がなく、成形性が悪くなることが判明した。
一方、エポキシ樹脂の配合量が40重量%を超えると、
抵抗値が急激に増加し、導電性に効果がなくなることが
判明した。
【0010】これらの結果から、エポキシ樹脂の配合量
を15〜40重量%とすることにより、エポキシ樹脂の
流れ性を損なわずに均一に成形することができるため、
導電性フィラーの分散性が良くなり、内部欠陥がなく、
機械的強度に優れ、導電性の向上したシールドを成形す
ることができるシールド用導電性樹脂組成物を得ること
ができる。
【0011】また、エポキシ樹脂としては、ノボラック
系エポキシ樹脂を用いることが望ましい。その理由は以
下の通りである。すなわち、エポキシ樹脂は、軟化点が
60℃未満の場合は流動性が過大であり、逆に100℃
を超えると成形性が悪いが、ノボラック系エポキシ樹脂
は、軟化点が60〜100℃の範囲なので、成形性に優
れており、エポキシ樹脂の流れ性を損なわずに均一に成
形することができるからである。従って、ノボラック系
エポキシ樹脂を用いることにより、導電性フィラーの分
散性が良くなり、内部欠陥がなく、機械的強度に優れ
た、導電性の向上したシールドを成形することができる
ことが分かった。
【0012】(硬化剤について)硬化剤の範囲を10〜
25重量%としたのは、以下の理由による。すなわち、
シールド用導電性樹脂組成物中における硬化剤の配合量
を、0〜50重量%の範囲で変えて調製した各樹脂組成
物について、引張り強さ及び反応率を調べたところ、図
2に示すような結果が得られた。まず、引張り強さは4
0MPa以上必要であることから、硬化剤の配合量が1
0重量%未満では、樹脂の硬化反応が遅くなり、樹脂組
成物の機械的強度が悪くなることが判明した。一方、硬
化剤の配合量が25重量%を超えると、樹脂の反応率が
100%になり、急激に硬化反応が速くなるため、樹脂
組成物に内部欠陥が発生することが判明した。
【0013】これらの結果から、硬化剤の配合量を10
〜25重量%とすることにより、硬化反応の変動に影響
されず、また、エポキシ樹脂の流れ性を損なわずに均一
に成形することができるため、導電性フィラーの分散性
が良くなり、内部欠陥がなく、機械的強度に優れ、導電
性の向上したシールドを成形することができるシールド
用導電性樹脂組成物を得ることができることが分かっ
た。
【0014】また、硬化剤としては、ノボラック系フェ
ノール樹脂を用いることが望ましい。その理由は以下の
通りである。すなわち、フェノール樹脂は、軟化点が6
0℃未満の場合は流動性が過大であり、逆に100℃を
超えると成形性が悪いのに対して、ノボラック系フェノ
ール樹脂は、軟化点が60〜100℃の範囲なので、成
形性に優れており、エポキシ樹脂の流れ性を損なわずに
均一に成形することができるからである。従って、硬化
剤としてノボラック系フェノール樹脂を用いることによ
り、導電性フィラーの分散性が良くなり、内部欠陥がな
く、機械的強度に優れた、導電性の向上したシールドを
成形することができることが分かった。
【0015】(導電性フィラーについて)導電性フィラ
ーの範囲を7〜25重量%としたのは、以下の理由によ
る。すなわち、シールド用導電性樹脂組成物中における
導電性フィラーの配合量を、0〜50重量%の範囲で変
えて調製した各樹脂組成物について、抵抗値及び流れ性
を調べたところ、図3に示すような結果が得られた。ま
ず、導電性フィラーの配合量が7重量%未満では、抵抗
値が高く導電性に効果がなくなることが判明した。一
方、流れ性は90〜120cmの範囲が良好であるが、
導電性フィラーの配合量が25重量%を超えると、流れ
性が悪くなり、成形性が悪くなることが判明した。
【0016】これらの結果から、導電性フィラーの配合
量を7〜25重量%とすることにより、導電性フィラー
の分散性が良くなり、エポキシ樹脂の流れ性を損なわず
に均一に成形することができるため、内部欠陥がなく、
機械的強度に優れ、導電性の向上したシールドを成形す
ることができるシールド用導電性樹脂組成物を得ること
ができることが分かった。
【0017】また、導電性フィラーとしては、黒鉛粉末
を用いることが望ましい。その理由は以下の通りであ
る。すなわち、導電性フィラーとして黒鉛粉末を用いた
場合、黒鉛粉末の粒子の連鎖が互いに接触して導電回路
を形成するため、導電性の向上したシールドを成形する
ことができるからである。また、導電性フィラーとして
は、導電性カーボンブラックを用いることも望ましい。
その理由は以下の通りである。すなわち、導電性フィラ
ーとして導電性カーボンブラックを用いた場合、分散し
た導電性カーボンブラックの粒子間を電子がジャンピン
グすることによるトンネル効果が起こるため、導電性が
向上したシールドを成形することができるからである。
【0018】(無機質フィラーについて)無機質フィラ
ーの範囲を22〜80重量%としたのは、以下の理由に
よる。すなわち、シールド用導電性樹脂組成物中におけ
る無機質フィラーの配合量を、0〜100重量%の範囲
で変えて調製した各樹脂組成物について、収縮率及び流
れ性を調べたところ、図4に示すような結果が得られ
た。まず、無機質フィラーの配合量が22重量%未満で
は、収縮率が急激に大きくなり、寸法安定性に欠けるこ
とが判明した。一方、流れ性は90〜120cmの範囲
が良好であるが、無機質フィラーの配合量が80重量%
を超えると、流れ性が悪くなり、成形性が悪くなること
が判明した。
【0019】これらの結果から、無機質フィラーの配合
量を22〜80重量%とすることにより、エポキシ樹脂
の流れ性を損なわずに均一に成形することができるた
め、内部欠陥がなく、機械的強度に優れたシールドを成
形することができるシールド用導電性樹脂組成物を得る
ことができることが分かった。
【0020】また、無機質フィラーとしては、結晶シリ
カを用いることが望ましい。その理由は以下の通りであ
る。すなわち、結晶シリカは収縮率の安定性に優れてい
るばかりでなく、絶縁スペーサを構成する無機質フィラ
ーとシールドを構成する結晶シリカとの線膨張係数の差
が小さいため、無機質フィラーとして結晶シリカを用い
た場合、熱応力を小さくすることができる。従って、内
部欠陥がなく、機械的強度に優れたシールドを成形する
ことができるからである。
【0021】(硬化促進剤について)硬化促進剤の範囲
を0.1〜1重量%としたのは、以下の理由による。す
なわち、シールド用導電性樹脂組成物中における硬化促
進剤の配合量を、0.01〜10重量%の範囲で変えて
調製した各樹脂組成物について、引張り強さ及び流れ性
を調べたところ、図5に示すような結果が得られた。ま
ず、硬化促進剤の配合量が0.1重量%未満では、樹脂
の硬化反応を促進できなくなるため、未硬化物が樹脂組
成物の中に残存し、急激に引張り強さが40MPa以下
になり、樹脂組成物の機械的強度が悪くなることが判明
した。一方、流れ性は90〜120cmの範囲が良好で
あるが、硬化促進剤の配合量が1重量%を超えると、流
れ性が悪くなり、成形性が悪くなることが判明した。
【0022】これらの結果から、硬化促進剤の配合量を
0.1〜1重量%とすることにより、硬化反応の促進度
合いに影響されず、また、エポキシ樹脂の流れ性を損な
わずに均一に成形することができるため、内部欠陥がな
く、機械的強度に優れたシールドを成形することができ
るシールド用導電性樹脂組成物を得ることができること
が分かった。
【0023】また、硬化促進剤としては、イミダゾール
系硬化触媒を用いることが望ましい。その理由は以下の
通りである。すなわち、イミダゾール系硬化触媒は、樹
脂組成物の成形温度範囲、すなわち150〜170℃の
範囲で、樹脂の硬化反応を選択的に促進することができ
るからである。
【0024】(離型剤について)離型剤の範囲を0.2
〜1重量%としたのは、以下の理由による。すなわち、
シールド用導電性樹脂組成物中における離型剤の配合量
を、0.01〜10重量%の範囲で変えて調製した各樹
脂組成物について、樹脂金型付着率及び樹脂表面浮出し
率を調べたところ、図6に示すような結果が得られた。
まず、離型剤の配合量が0.2重量%未満では、急激に
樹脂が金型に付着するようになるため、樹脂組成物の離
型性が悪くなることが判明した。一方、離型剤の配合量
が1重量%を超えると、離型剤が急激に樹脂組成物の内
部から表面に浮き出すことが判明した。これらの結果か
ら、離型剤の配合量を0.2〜1重量%とすることによ
り、樹脂組成物を常に安定して離型することができるシ
ールド用導電性樹脂組成物を得ることができることが分
かった。
【0025】また、離型剤としては、モンタン酸エステ
ルワックスを用いることが望ましい。その理由は以下の
通りである。すなわち、モンタン酸エステルワックス
は、樹脂組成物の離型後、樹脂組成物の表面に付着して
も、アセトン、アルコールといった有機溶剤で容易に拭
き取ることができるからである。
【0026】(添加剤について)添加剤の範囲を0.1
〜0.3重量%としたのは、以下の理由による。すなわ
ち、シールド用導電性樹脂組成物中における添加剤の配
合量を、0.01〜10重量%の範囲で変えて調製した
各樹脂組成物について、流れ性及び引張り強さを調べた
ところ、図7に示すような結果が得られた。まず、流れ
性は90〜120cmの範囲が良好であることから、添
加剤の配合量が0.1重量%未満では、樹脂の流れ性が
悪く、混練性が悪くなることが判明した。一方、添加剤
の配合量が0.3重量%を超えると、流動性が過大にな
り、引張り強さが急激に40MPa以下になり、成形時
の機械的強度が悪くなることが判明した。
【0027】これらの結果から、添加剤の配合量を0.
1〜0.3重量%とすることにより、混練不良がなく、
機械的強度に優れたシールドを成形することができるシ
ールド用導電性樹脂組成物を得ることができることが分
かった。
【0028】また、添加剤としては、エチレンビスアミ
ド型滑剤を用いることが望ましい。その理由は以下の通
りである。すなわち、エチレンビスアミド型滑剤は、樹
脂組成物の混練温度範囲、すなわち60〜100℃の範
囲で、樹脂の硬化反応を選択的に促進することができる
からである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例1〜3及び比較例を用
いて、より具体的に説明する。なお、実施例1〜3及び
比較例の組成は、表1に示す通りである。
【0030】
【表1】
【0031】[1.導電性樹脂組成物の調製] (実施例1)実施例1においては、表1に示したよう
に、樹脂として、エポキシ樹脂EOCN−103S(日
本化薬製の商品名)を26重量%、硬化剤として、ノボ
ラック系フェノール樹脂BRG−558(昭和ユニオン
合成製の商品名)を11重量%、導電性フィラーとし
て、黒鉛ACP(日本黒鉛工業製の商品名)を20重量
%、無機質フィラーとして、その形状が球状であるMS
V35N(龍森製の商品名)を42重量%、硬化促進剤
として、キュアゾールC17Z−T(四国化成製の商品
名)を0.3重量%、離型剤として、ヘキストE(日本
ヘキスト製の商品名)を0.5重量%、添加剤として、
アルフローH−100S(日本油脂製の商品名)を0.
2重量%を混合し、均一に混練して導電性樹脂組成物を
製造した。
【0032】(実施例2)実施例2においては、表1に
示したように、導電性フィラーとして、ケッチェンブラ
ックEC600JD(ライオンアクゾ製の商品名)を8
重量%、無機質フィラーとして、その形状が球状である
MSV35N(龍森製の商品名)を54重量%含有し、
その他の成分及び含有量は実施例1と同様にして、これ
らを混合し、均一に混練して導電性樹脂組成物を製造し
た。
【0033】(実施例3)実施例3においては、表1に
示したように、導電性フィラーとして、黒鉛ACP(日
本黒鉛工業製の商品名)を20重量%及びケッチェンブ
ラックEC600JD(ライオンアクゾ製の商品名)を
4重量%、無機質フィラーとして、その形状が球状であ
るMSV35N(龍森製の商品名)を38重量%含有
し、その他の成分及び含有量は実施例1及び実施例2と
同様にして、これらを混合し、均一に混練して導電性樹
脂組成物を製造した。
【0034】(比較例)比較例においては、表1に示し
たように、導電性フィラーとして、黒鉛ACP(日本黒
鉛工業製の商品名)を14重量%、無機質フィラーとし
て、クリスタライト3KS(龍森製の商品名)を48重
量%含有し、その他の成分及び含有量は実施例1〜3と
同様にして、これらを混合し、均一に混練して導電性樹
脂組成物を製造した。なお、無機質フィラーとして用い
たクリスタライト3KSは、上記実施例1〜3で用いた
MSV35Nと異なり、その形状は球状ではない。
【0035】[2.硬化物の特性]上記の組成を有する
実施例1〜3及び比較例について、流れ性、X線透過
性、熱変形温度、引張り強さ、抵抗値を調べたところ、
表2に示したような結果が得られた。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかなように、実施例1〜3に
おいては、比較例に比べて、流れ性、X線透過性、熱変
形温度、引張り強さ、抵抗値の各特性が向上することが
判明した。すなわち、実施例1においては、導電性フィ
ラーである黒鉛ACPによって、黒鉛粒子の連鎖が互い
に接触し導電回路を形成するため、導電性を向上させる
ことができると考えられる。また、絶縁スペーサを構成
するエポキシ樹脂とシールドを構成する無機質フィラー
である結晶シリカとの線膨張係数の差が小さいため、熱
応力を小さくすることができる。さらに、無機質フィラ
ーの形状を球状にすることで、エポキシ樹脂の流れ性を
損なわずに均一に成形することができるため、導電性フ
ィラーの分散性が良くなり、内部欠陥がなく、機械的強
度に優れた導電性の向上したシールドを成形することが
できることが分かった。
【0038】また、実施例2においては、導電性フィラ
ーであるケッチェンブラックEC600JDによって、
分散した導電性カーボンブラックの粒子間を電子がジャ
ンピングすることによるトンネル効果が起こり、導電性
を向上させることができると考えられる。その他の作用
・効果は、上記実施例1と同様である。
【0039】さらに、実施例3においては、抵抗値は
“3”となり、比較例だけでなく実施例1及び実施例2
と比較しても、特に良好な結果が得られた。その理由
は、導電性フィラーとして黒鉛ACPとケッチェンブラ
ックEC600JDの両方を用いることによって、黒鉛
粒子の連鎖が互いに接触することによる導電回路の形成
と、分散した導電性カーボンブラックの粒子間を電子が
ジャンピングすることによるトンネル効果の相互作用に
よって、導電性をさらに向上させることができると考え
られる。その他の作用・効果は、上記実施例1と同様で
ある。
【0040】これに対して、無機質フィラーの形状が球
状でない比較例においては、特に、X線透過性、引張り
強さ、抵抗値の各特性が、実施例と比較して大幅に低下
することが判明した。その理由は、無機質フィラーの形
状が球状でないため、エポキシ樹脂の流れ性が損なわ
れ、導電性フィラーの分散性が悪くなるため、内部欠陥
が生じ、機械的強度が低下し、導電性も低下したと考え
られる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、体
積固有抵抗値が102 Ω・cm以下で、流れ特性にも優
れ、種々のサイズのシールドの成形が可能なシールド用
導電性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ樹脂配合量と流れ性及び抵抗値の関係
を示すグラフ
【図2】硬化剤配合量と引張り強さ及び反応率の関係を
示すグラフ
【図3】導電性フィラー配合量と抵抗値及び流れ性の関
係を示すグラフ
【図4】無機質フィラー配合量と収縮率及び流れ性の関
係を示すグラフ
【図5】硬化促進剤配合量と引張り強さ及び流れ性の関
係を示すグラフ
【図6】離型剤配合量と樹脂金型付着率及び樹脂表面浮
出し率の関係を示すグラフ
【図7】添加剤配合量と流れ性及び引張り強さの関係を
示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/10 C08K 5/10 5/20 5/20 C08L 63/00 C08L 63/00 C 63/04 63/04 H01B 1/24 H01B 1/24 Z Fターム(参考) 4J002 AE033 CC042 CD061 DA026 DA036 DJ016 EP028 EU117 FD016 FD116 FD142 FD157 FD163 GQ02 4J036 AA01 AF06 DA01 DC41 FA02 FA05 FA10 FA12 FB08 JA15 5G301 DA18 DA19 DA33 DA57 DD10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、導電性フィラ
    ー、無機質フィラー、硬化促進剤、離型剤及び添加剤か
    らなるシールド用導電性樹脂組成物であって、 前記導電性樹脂組成物に対し、エポキシ樹脂の含有量が
    15〜40重量%、硬化剤の含有量が10〜25重量
    %、導電性フィラーの含有量が7〜25重量%、無機質
    フィラーの含有量が22〜80重量%、硬化促進剤の含
    有量が0.1〜1重量%、離型剤の含有量が0.2〜1
    重量%、添加剤の含有量が0.1〜0.3重量%であ
    り、 前記無機質フィラーの形状が球状であることを特徴とす
    るシールド用導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ樹脂が、ノボラック系エポ
    キシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のシール
    ド用導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記硬化剤が、ノボラック系フェノール
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載のシールド用
    導電性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記導電性フィラーが、黒鉛粉末である
    ことを特徴とする請求項1記載のシールド用導電性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 前記導電性フィラーが、導電性カーボン
    ブラックであることを特徴とする請求項1記載のシール
    ド用導電性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記無機質フィラーが、結晶シリカであ
    ることを特徴とする請求項1記載のシールド用導電性樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記硬化促進剤が、イミダゾール系硬化
    触媒であることを特徴とする請求項1記載のシールド用
    導電性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記離型剤が、モンタン酸エステルワッ
    クスであることを特徴とする請求項1記載のシールド用
    導電性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記添加剤が、エチレンビスアミド型滑
    剤であることを特徴とする請求項1記載のシールド用導
    電性樹脂組成物。
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