JP2000281592A - ジアステレオマーの分離精製方法 - Google Patents

ジアステレオマーの分離精製方法

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JP2000281592A
JP2000281592A JP11084809A JP8480999A JP2000281592A JP 2000281592 A JP2000281592 A JP 2000281592A JP 11084809 A JP11084809 A JP 11084809A JP 8480999 A JP8480999 A JP 8480999A JP 2000281592 A JP2000281592 A JP 2000281592A
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bis
tetrakis
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hydroxyphenyl
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Kiyoshi Satou
瀏 佐藤
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
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Nippon Soda Co Ltd
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応用範囲が広く工業的価値の高い選択性に優
れたスルホキシド基を含有する化合物等のジアステレオ
マーの分離精製方法を提供することにある。 【解決手段】 スルホキシド基を含有する化合物等のジ
アステレオマーから特定のジアステレオマーを分離する
方法において、一般式[1]で表されるテトラキスフェ
ノール類を用いることを特徴とするジアステレオマーの
分離精製方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テトラキスフェノ
ール類を用いた分子化合物を利用するジアステレオマー
の分離精製方法に係り、更に詳しくはテトラキスフェノ
ール類とスルホキシド基含有ジアステレオマーとから成
る分子結晶を利用することにより、従来、分離が難しか
ったスルホキシド基含有ジアステレオマーを容易に分離
精製することができるスルホキシド基含有ジアステレオ
マーの分離精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子結晶は、二種以上の化合物が水素結
合やファンデルワールス力などに代表される、共有結合
以外の比較的弱い相互作用によって結合した多分子結晶
であり、簡単な操作によってもとの各成分化合物に解離
する性質を有することから、近年、有用物質の選択分
離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技
術分野における応用が期待されている。具体的な分子結
晶の一例として包接結晶が挙げられ、例えば特開昭61
−53201号公報には、1,1,6,6−テトラフェ
ニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール又は
1,1−ジ(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロピ
ン−1−オールと、特開昭62−22701号公報に
は、1,1'−ビス−2−ナフトールとそれぞれ、5−
クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等
との包接結晶が記載されている。また、特開平6−16
6646号公報にはテトラキスフェノール類と種々の有
機化合物との包接結晶が開示されている。
【0003】これら包接結晶を含む分子結晶は、各々固
有の化学的環境を持つ特定の格子空間を有することか
ら、近年特に、工業的に有用な構造異性体の選択的分離
精製手段として応用が期待されている。分子結晶を利用
する分離精製は、分離精製したい化合物を成分化合物と
して含む分子結晶の作り分けによってなされるが、構造
異性体の分離精製例としては、1,1,6,6−テトラ
フェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールに
よってもたらされる包接結晶を利用するベンゼン、ナフ
タレン、ピリジン、及びキノリン環上の位置異性体の分
離並びにアキシャル異性体とエカトリアル異性体の分離
方法(「包接化合物の基礎と応用」、エヌ・ティー・エ
ス、1989年参照)、尿素、チオ尿素によってもたら
される包接結晶を用いての脂肪族の分岐状化合物から直
鎖状化合物を分離する方法が報告されている(「包接化
合物」、東京化学同人、1989年参照)。何れの方法
も、包接結晶をもたらす化合物を分離したい化合物に直
接添加して分子結晶を得るか、又は包接結晶をもたらす
化合物と分離したい化合物とを、反応溶媒の存在下で反
応させることによって分子結晶を得るかの何れかによっ
てなされる。
【0004】しかし、従来の分子結晶を利用する分離精
製方法では、分離できる物質が非常に限定されている上
に、同じ立体異性体でも工業的に重要なジアステレオマ
ーの分離精製に使用できないものが殆どであった。特
に、反応性の高い半極性で分極しているスルホキシド基
を有するジアステレオマーは、その多くが工業的に重要
な合成基材であるにも関わらず、これらを効率的且つ簡
便にしかも純度良く分離精製できる方法は未だ見出され
ていない。ジアステレオマーは不斉中心を有しながらも
光学対掌体とは異なり、旋光度、融点、そして溶解度な
ど物理的性質及び化学的性質が異なるため再結晶法によ
っても分離精製ができるが、常温で固体でなければなら
ないなど適用可能な物質が限定される上に、回収率が低
く工業的に利用するという観点から満足できるものでは
なかった。更に、ジアステレオマーの分離精製にはクロ
マトグラフィーなども使用されるが、装置が高価な上に
分離条件の調整が困難であり、分離精製量が僅かであっ
ても大量の展開剤を必要とするなど、簡便にそして安価
に分離精製を行うという点で十分に満足できるものでは
なかった。
【0005】このように、分子結晶をはじめ従来の技術
を利用するジアステレオマーの分離精製方法において
は、低コストで応用範囲が広く工業的価値の高いジアス
テレオマーの分離精製方法は未だ見出されていない。特
に、合成基材として工業的に重要なスルホキシド基含有
ジアステレオマーの分子結晶を利用した分離精製方法に
ついては、全く検討されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、合成
の簡単なテトラキスフェノール類を成分化合物とする分
子結晶を利用する、応用範囲が広く工業的価値の高い選
択性に優れたジアステレオマー、特にスルホキシド基含
有ジアステレオマーの分離精製方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決すべく鋭意研究をした結果、特定のテトラキスフェ
ノール類が、分子内に二つのスルホキシド基を有するジ
アステレオマーと容易に安定した分子化合物を形成する
こと、この分子化合物を利用して効率的且つ簡便にしか
も純度良くスルホキシド基含有ジアステレオマーが分離
精製できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち本発明は、スルホキシド基を含有する
化合物等のジアステレオマーから特定のジアステレオマ
ーを分離する方法において、一般式[1]で表されるテ
トラキスフェノール類を用いることを特徴とするジアス
テレオマーの分離精製方法である。
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Xは、(CH2n又はフェニレン
基を表し、nは、0、1、2又は3であり、R1、R
2は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、置換されて
いてもよいフェニル基、ハロゲン原子又は低級アルコキ
シ基を示す。) また、特定のジアステレオマーが上記一般式[1]で表
されるテトラキスフェノール類の分子化合物として分離
されることを特徴とするジアステレオマーの分離精製方
法である。特に、スルホキシド基を含有する化合物が、
一般式[2]で表されることを特徴とするジアステレオ
マーの分離精製方法である。
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Yは、(CH2n、フェニレン
基、キシレン−α,α’−ジイル基、を表し、nは、0
〜8の整数であり、X、Zは、互いに同一又は異なって
いても良い直鎖または分岐を有するC1〜C8のアルキ
ル基、C2〜C8のアルケニル基、置換されていてもよ
いフェニル基又は置換されてもよいベンジル基を示
す。)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるテトラキスフェノール類は、
スルホキシド基含有ジアステレオマー等のジアステレオ
マーと分子化合物を形成し得るものであれば特に制限は
なく、任意のものを1種又は2種以上選択して用いるこ
とができる。
【0014】一般式(1)中のR1,R2はそれぞれ水素
原子、低級アルキル基、置換されてもよいフェニル基、
ハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示すが、低級アル
キル基はC1からC8のアルキル基を、ハロゲン原子は
塩素、臭素、フッ素、ヨウ素を、低級アルコキシ基はC
1からC8のアルコシキ基を、置換されてもよいフェニ
ル基の置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲン基などをあげることができる。一般式(1)で示さ
れるテトラキスフェノール類の具体的な例としては、
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−
テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−
テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−
テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,
2−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テト
ラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメトキシ
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−
テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−
ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,
2,2−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テト
ラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロ
ロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,2,2−テトラキス[(4−ヒドロキシ−3−
フェニル)フェニル]エタン、1,1,3,3−テトラ
キス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,
3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1,3,3−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラ
キス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−
テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メ
トキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,
3,3−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,
4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキ
ス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラ
キス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−ブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テト
ラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−
テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、α,α,α’,α’−テトラキス
(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テト
ラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
−p−エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、
α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テト
ラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレ
ン、α,α,α’,α’(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキ
シフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テ
トラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス
(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシ
レン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメ
トキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、
α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,
α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−
4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラキス[(4−ヒドロキシ−3−フェ
ニル)フェニル]−p−キシレン等を例示することがで
きる。
【0015】本発明において分離精製の対象となるジア
ステレオマーとしては上記テトラキスフェノール類と分
子化合物を形成し得るものであればどのようなものでも
よいが、具体的にはスルホキシド基を含有する化合物を
挙げることができる。そして、スルホキシド基を有する
化合物としては、分子内に二つ以上のスルホキシド基を
持ちテトラキスフェノール類と分子化合物を形成し得る
ものであれば特に制限はなく、任意のものを1種又は2
種以上選択して用いることができる。
【0016】スルホキシド基を有する化合物の具体的な
例としては、1,1−ビス(メチルスルフィニル)メタ
ン、1,2−ビス(メチルスルフィニル)エタン、1,
3−ビス(メチルスルフィニル)プロパン、1,1−ビ
ス(エチルスルフィニル)メタン、1,2−ビス(エチ
ルスルフィニル)エタン、1,3−ビス(エチルスルフ
ィニル)プロパン、1,1−ビス(n−プロピルスルフ
ィニル)メタン、1,2−ビス(n−プロピルスルフィ
ニル)エタン、1,3−ビス(n−プロピルスルフィニ
ル)プロパン、1,1−ビス(iso−プロピルスルフ
ィニル)メタン、1,2−ビス(iso−プロピルスル
フィニル)エタン、1,3−ビス(iso−プロピルス
ルフィニル)プロパン、1−メチルスルフィニル−1−
エチルスルフィニルメタン、1−メチルスルフィニル−
2−エチルスルフィニルエタン、1−メチルスルフィニ
ル−3−エチルスルフィニルプロパン等のビス(アルキ
ルスルフィニル)アルカン類、1,2−ビス(メチルス
ルフィニル)ベンゼン、1,2−ビス(エチルスルフィ
ニル)ベンゼン、1,2−ビス(n−プロピルスルフィ
ニル)ベンゼン、1,2−ビス(iso−プロピルスル
フィニル)ベンゼン、1,3−ビス(メチルスルフィニ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(エチルスルフィニル)ベ
ンゼン、1,3−ビス(n−プロピルスルフィニル)ベ
ンゼン、1,3−ビス(iso−プロピルスルフィニ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルスルフィニル)ベ
ンゼン、1,4−ビス(エチルスルフィニル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(n−プロピルスルフィニル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(iso−プロピルスルフィニル)ベ
ンゼン、1−メチルスルフィニル−2−エチルスルフィ
ニルベンゼン、1−メチルスルフィニル−3−エチルス
ルフィニルベンゼン、1−メチルスルフィニル−4−エ
チルスルフィニルベンゼン等のビス(アルキルスルフィ
ニル)ベンゼン類、α,α’−ビス(メチルスルフィニ
ル)−o−キシレン、α,α’−ビス(エチルスルフィ
ニル)−o−キシレン、α,α’−ビス(n−プロピル
スルフィニル)−o−キシレン、α,α’−ビス(is
o−プロピルスルフィニル)−o−キシレン、α,α’
−ビス(メチルスルフィニル)−m−キシレン、α,
α’−ビス(エチルスルフィニル)−m−キシレン、
α,α’−ビス(n−プロピルスルフィニル)−m−キ
シレン、α,α’−ビス(iso−プロピルスルフィニ
ル)−m−キシレン、α,α’−ビス(メチルスルフィ
ニル)−p−キシレン、α,α’−ビス(エチルスルフ
ィニル)−p−キシレン、α,α’−ビス(n−プロピ
ルスルフィニル)−p−キシレン、α,α’−ビス(i
so−プロピルスルフィニル)−p−キシレン、α−メ
チルスルフィニル−α’−エチルスルフィニル−o−キ
シレン、α−メチルスルフィニル−α’−エチルスルフ
ィニル−m−キシレン、α−メチルスルフィニル−α’
−エチルスルフィニル−p−キシレン等のα,α’−ビ
ス(アルキルスルフィニル)キシレン類、1,1−ビス
(フェニルスルフィニル)メタン、1,2−ビス(フェ
ニルスルフィニル)エタン、1,3−ビス(フェニルス
ルフィニル)プロパン、1−フェニルスルフィニル−1
−トリルスルフィニルメタン、1−フェニルスルフィニ
ル−2−トリルスルフィニルエタン、1−フェニルスル
フィニル−3−トリルスルフィニルプロパン等のビス
(アリールスルフィニル)アルカン類、1,2−ビス
(フェニルスルフィニル)ベンゼン、1,3−ビス(フ
ェニルスルフィニル)ベンゼン、1,4−ビス(フェニ
ルスルフィニル)ベンゼン、1−フェニルスルフィニル
−2−トリルスルフィニルベンゼン、1−フェニルスル
フィニル−3−トリルスルフィニルベンゼン、1−フェ
ニルスルフィニル−4−トリルスルフィニルベンゼン等
のビス(アリールスルフィニル)ベンゼン類、α,α’
−ビス(フェニルスルフィニル)−o−キシレン、α,
α’−ビス(フェニルスルフィニル)−m−キシレン、
α,α’−ビス(フェニルスルフィニル)−p−キシレ
ン、α−フェニルスルフィニル−α’−トリルスルフィ
ニル−o−キシレン、α−フェニルスルフィニル−α’
−トリルスルフィニル−m−キシレン、α−フェニルス
ルフィニル−α’−トリルスルフィニル−p−キシレン
等のα,α’−ビス(アリールスルフィニル)キシレン
類、1,1−ビス(エテニルスルフィニル)メタン、
1,2−ビス(エテニルスルフィニル)エタン、1,3
−ビス(エテニルスルフィニル)プロパン、1,1−ビ
ス(プロペニルスルフィニル)メタン、1,2−ビス
(プロペニルスルフィニル)エタン、1,3−ビス(プ
ロペニルスルフィニル)プロパン、1−エテニルスルフ
ィニル−1−プロペニルスルフィニルメタン、1−エテ
ニルスルフィニル−2−プロペニルスルフィニルエタ
ン、1−エテニルスルフィニル−3−プロペニルスルフ
ィニルプロパン等のビス(アルケニルスルフィニル)ア
ルカン類、1,2−ビス(エテニルスルフィニル)ベン
ゼン、1,3−ビス(エテニルスルフィニル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(エテニルスルフィニル)ベンゼン、
1,2−ビス(プロペニルスルフィニル)ベンゼン、
1,3−ビス(プロペニルスルフィニル)ベンゼン、
1,4−ビス(プロペニルスルフィニル)ベンゼン、1
−エテニルスルフィニル−2−プロペニルスルフィニル
ベンゼン、1−エテニルスルフィニル−3−プロペニル
スルフィニルベンゼン、1−エテニルスルフィニル−4
−プロペニルスルフィニルベンゼン等のビス(アルケニ
ルスルフィニル)ベンゼン類、α,α’−ビス(エテニ
ルスルフィニル)−o−キシレン、α,α’−ビス(エ
テニルスルフィニル)−m−キシレン、α,α’−ビス
(エテニルスルフィニル)−p−キシレン、α,α’−
ビス(プロペニルスルフィニル)−o−キシレン、α,
α’−ビス(プロペニルスルフィニル)−m−キシレ
ン、α,α’−ビス(プロペニルスルフィニル)−p−
キシレン、α−エテニルスルフィニル−α’−プロペニ
ルスルフィニル−o−キシレン、α−エテニルスルフィ
ニル−α’−プロペニルスルフィニル−m−キシレン、
α−エテニルスルフィニル−α’−プロペニルスルフィ
ニル−p−キシレン等のα,α’−ビス(アルケニルス
ルフィニル)キシレン類、1,1−ビス(ベンジルスル
フィニル)メタン、1,2−ビス(ベンジルスルフィニ
ル)エタン、1,3−ビス(ベンジルスルフィニル)プ
ロパン等のビス(アリールメチルスルフィニル)アルカ
ン類、1,2−ビス(ベンジルスルフィニル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(ベンジルスルフィニル)ベンゼン、
1,4−ビス(ベンジルスルフィニル)ベンゼン等のビ
ス(アリールメチルスルフィニル)ベンゼン類、α,
α’−ビス(ベンジルスルフィニル)−o−キシレン、
α,α’−ビス(ベンジルスルフィニル)−m−キシレ
ン、α,α’−ビス(ベンジルスルフィニル)−p−キ
シレン、α,α’−ビス(ベンジルスルフィニル)−o
−キシレン等のα,α’−ビス(アリールメチルスルフ
ィニル)キシレン類、1−メチルスルフィニル−2−フ
ェニルスルフィニルエタン等のアルキルスルフィニルア
リールスルフィニルアルカン類、1−メチルスルフィニ
ル−2−エテニルスルフィニルエタン等のアルキルスル
フィニルアルケニルスルフィニルアルカン類、1−メチ
ルスルフィニル−2−ベンジルスルフィニルエタン等の
アルキルスルフィニルアリールアルキルスルフィニルア
ルカン類、1−フェニルスルフィニル−2−エテニルス
ルフィニルエタン等のアリールスルフィニルアルケニル
スルフィニルアルカン類、1−フェニルスルフィニル−
2−ベンジルスルフィニルエタン等のアリールスルフィ
ニルアリールメチルスルフィニルアルカン類、1−メチ
ルスルフィニル−4−フェニルスルフィニルベンゼン等
のアルキルスルフィニルアリールスルフィニルベンゼン
類、1−メチルスルフィニル−4−エテニルスルフィニ
ルベンゼン等のアルキルスルフィニルアルケニルスルフ
ィニルベンゼン類、1−メチルスルフィニル−4−ベン
ジルスルフィニルベンゼン等のアルキルスルフィニルア
リールアルキルスルフィニルベンゼン類、1−フェニル
スルフィニル−4−エテニルスルフィニルベンゼン等の
アリールスルフィニルアルケニルスルフィニルベンゼン
類、1−フェニルスルフィニル−4−ベンジルスルフィ
ニルベンゼン等のアリールスルフィニルアリールメチル
スルフィニルベンゼン類、α−メチルスルフィニル−
α’−フェニルスルフィニル−p−キシレン等のα−ア
ルキルスルフィニル−α’−アリールスルフィニルキシ
レン類、α−メチルスルフィニル−α’−エテニルスル
フィニル−p−キシレン等のα−アルキルスルフィニル
−α’−アルケニルスルフィニルキシレン類、α−メチ
ルスルフィニル−α’−ベンジルスルフィニル−p−キ
シレン等のα−アルキルスルフィニル−α’−アリール
アルキルスルフィニルキシレン類、α−フェニルスルフ
ィニル−α’−エテニルスルフィニル−p−キシレン等
のα−アリールスルフィニル−α’−アルケニルスルフ
ィニルキシレン類、α−フェニルスルフィニル−α’−
ベンジルスルフィニル−p−キシレン等のα−アリール
スルフィニル−α’−アリールメチルスルフィニルキシ
レン類等を例示することができる。
【0017】本発明において用いられる反応溶媒は、通
常反応溶媒として慣用されているものの中から任意のも
のを1種又は2種以上選択して用いることができる。反
応溶媒の中でも、0℃以上100℃以下の温度範囲で液
体であるものが好適に用いられ、特に20℃以上50℃
以下の温度範囲で液体であるものが好ましい。
【0018】反応溶媒の具体的な例としては、水、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、アリ
ルアルコール、プロパルギルアルコール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、シクロヘキサンジオール等のアルコール類、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアル
デヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等の
アルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、ア
セトニトリル、アクリロニトリル、n−ブチロニトリル
等のニトリル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピ
ラン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル類、スルホンアミド類、N−メチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド
類、ジクロロメタン、クロロホルム、テトタクロロメタ
ン、ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロ
ゲン化炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂
肪族炭化水素、フェノール、クレゾール、レゾルシノー
ル等のフェノール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカ
ルボン酸類及びチオカルボン酸類、スルファミン酸類、
チオカルバミン酸類、チオセミカルバジド類、尿素及び
チオ尿素類、イソチオ尿素類、スルホニル尿素類、チオ
フェノール、アリルメルカプタン、n−ブチルメルカプ
タン等のチオール類、スルフィド類、ジスルフィド類、
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、スルフィナ
ート類、スルフィンアミド類、サルファイト類、スルホ
ン類、チオシアン酸メチルエステル、イソチオシアン酸
メチルエステル等のチオシアン酸類及びイソチオシアン
酸類、アミノ酸類、アミド及びウレタン化合物類、酸無
水物類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、アルケン類、アルキン類、ブチルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネート等のイソシアネート
類、メチレンビスチオシアネート、メチレンビスイソチ
オシアネート等のチオシアネート類及びイソチオシアネ
ート類、ニトロ化合物類、アンモニア、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチ
ルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、ヒドロキシ
ルアミン、エタノールアミン、ベンジルアミン、エチレ
ンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロ
パンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペン
タンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ジプロピレンジアミン、N,N−ジメチル
エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミ
ン等の非環式脂肪族アミン類、シクロヘキシルアミン、
ピロリジン類、アゼチジン類、ピペリジン類、ピペラジ
ン類、ピロリン類等の環式脂肪族アミン類、アニリン、
N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等の芳
香族アミン類、ポリアミン類、イミダゾール、ピロー
ル、ピリジン、ピコリン、フラン、フルフリルアルコー
ル、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルア
ミン、ピラン、クマリン、ベンゾフラン、キサンテン、
ベンゾジオキサン、オキサゾール、イソオキサゾール、
ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、5−メチ
ルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリ
ン、4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレ
ン)ジモルホリン、チオフェン、チアゾール等の複素環
式化合物等を例示することができる。
【0019】本発明における分離は、テトラキスフェノ
ール類と、分離精製の対象となる目的のジアステレオマ
ーを含む2種以上のジアステレオマー、特にスルホキシ
ド基含有ジアステレオマーを含む2種以上のジアステレ
オマーの混合物とを、種々の反応溶媒の存在下、常温〜
100℃で数分間〜数十時間攪拌して反応させることに
よりできる。その場合目的物である特定のジアステレオ
マーがテトラキスフェノール類と分子化合物を選択的に
生成する場合、また、逆に選択的に分子化合物を生成し
ない場合がある。分子化合物は分子結晶となる場合が最
も分離生成方法としては良好であり、目的とする特定の
ジアステレオマーが分子結晶として得られる場合が最も
良好である。スルホキシド基含有ジアステレオマーが液
体の場合には、そのものを反応溶媒として用い分子結晶
を生成させることもできる。
【0020】このようにして得られた分子結晶を、数回
反応溶媒で再結晶すると、目的とする特定のジアステレ
オマーのみを成分化合物とする分子結晶が得られ、この
分子結晶を、反応溶液中からの析出物として濾別した
後、室温〜80℃で真空乾燥するなどの常法により分離
し、分離された分子結晶を常圧下又は減圧下で加熱して
各成分化合物に解離させることにより、目的とするスル
ホキシド基含有ジアステレオマー等の特定のジアステレ
オマーを分離精製することができる。
【0021】本発明の分子結晶の生成を利用したジアス
テレオマー、特にスルホキシド基含有ジアステレオマー
の分離精製方法において、ジアステレオマーの内、どの
ジアステレオマーが分子結晶を構成する成分化合物とな
りうるかは、テトラキスフェノール類とスルホキシド基
含有ジアステレオマー間の分子間相互作用や得られる分
子結晶の構造化学的安定性に依存する。本発明における
分子結晶は、テトラキスフェノール類とスルホキシド基
含有ジアステレオマーとが水素結合やファンデルワール
ス力などに代表される、共有結合以外の比較的弱い相互
作用によって結合した多分子結晶であり、その強さや構
造化学的安定性により分子結晶組成の選択性が発現す
る。
【0022】具体例を挙げると、1,2−ビス(メチル
スルフィニル)メタンのmeso体とdl体のようなス
ルホキシド基含有ジアステレオマーの混合物と、テトラ
キスフェノール類である1,1,2,2−テトラキス
(4−ヒドロキシフェニル)エタンとからなる反応系に
おいては、1,2−ビス(メチルスルフィニル)メタン
のmeso体とテトラキスフェノール類からなる分子結
晶を選択的に得ることができる。一方、1,2−ビス
(メチルスルフィニル)エタンのmeso体とdl体の
ようなスルホキシド基含有ジアステレオマーの混合物
と、テトラキスフェノール類である1,1,2,2−テ
トラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとからなる
反応系においては、1,2−ビス(メチルスルフィニ
ル)エタンのdl体とテトラキスフェノール類からなる
分子結晶を選択的に得ることができる。このように、本
発明の分子結晶の生成を利用したスルホキシド基含有ジ
アステレオマーの分離精製方法においては、従来選別が
困難であった特定のスルホキシド基含有ジアステレオマ
ーの選択的分離が可能になる。
【0023】そして、本発明におけるテトラキスフェノ
ール類とスルホキシド基含有ジアステレオマーの反応生
成物が確かに分子結晶であることは、熱分析(TG−D
TA)、赤外吸収スペクトル(IR)、X線回折パター
ン、13C−固体NMRスペクトル等により確認すること
ができる。また、分子結晶の組成は熱分析、1H−NM
Rスペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)、元素分析等により確認することができる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げて更に詳細に
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら
制限されるものではない。
【0025】実施例1(分子結晶の生成による分離精
製) テトラキスフェノール類として、1,1,2,2−テト
ラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下「TE
P」という)を用い、スルホキシド基含有ジアステレオ
マーの混合物として、1,2−ビス(メチルスルフィニ
ル)メタン(以下「BMSM」という)のmeso体と
dl体との53:47(重量比)混合物を用い、反応溶
媒として酢酸エチルを用いて以下のように分子結晶を生
成させた。TEP2.0g(5.0mmol)を酢酸エ
チル60mlに加え加熱溶解させた。この溶液を室温で
除冷した後、これに上記BMSMジアステレオマー混合
物1.4g(10mmol)を含む酢酸エチル溶液60
mlを静かに加え、24時間室温で放置して結晶を析出
させた。この析出物を濾別した後、室温で減圧乾燥し、
粗結晶を2.6g得た。この粗結晶2.6gを酢酸エチ
ル200mlに加え加熱溶解させた。この溶液を室温で
24時間放置して結晶を析出させた。析出物を濾別した
後、室温で減圧乾燥し、無色微結晶を1.5g(2.2
mmol)得た。この微結晶の1H−NMRスペクトル
[400MHz,CDCl3:δ2.94(s,mes
o体CH3)]、IRスペクトル(KBr:3277,
3102,1028,992cm-1)並びにTG−DT
A(mp172℃)から、TEPとBMSMのmeso
体、1:2(mol比)からなる分子結晶であることを
確認した。
【0026】実施例2(分子結晶の生成による分離精
製) テトラキスフェノール類として、1,1,2,2−テト
ラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下「TE
P」という)を用い、スルホキシド基含有ジアステレオ
マーの混合物として、1,2−ビス(メチルスルフィニ
ル)エタン(以下「BMSE」という)のmeso体と
dl体との45:55(重量比)混合物を用い、反応溶
媒として酢酸エチルを用いて以下のように分子結晶を生
成させた。TEP2.0g(5.0mmol)をメタノ
ール60mlに加え加熱溶解させた。この溶液を室温で
除冷した後、これに上記BMSEジアステレオマー混合
物0.78g(5.0mmol)を含む酢酸エチル溶液
60mlを静かに加え、24時間室温で放置して結晶を
析出させた。この析出物を濾別した後、室温で減圧乾燥
し、粗結晶を0.43g得た。この粗結晶0.43gを
メタノール10mlに加え加熱溶解させた。この溶液を
室温で24時間放置して結晶を析出させた。析出物を濾
別した後、室温で減圧乾燥し、無色微結晶を0.21g
(1.4mmol)得た。この微結晶の13C−NMRス
ペクトル[101MHz,CDCl3:δ46.1(d
l体CH2),38.7(dl体CH3)]、IRスペ
クトル(KBr:3251,992cm-1)並びにTG
−DTA(mp237℃)から、TEPとBMSEのd
l体、1:1(mol比)からなる分子結晶であること
を確認した。
【0027】比較例1(再結晶法) 1,2−ビス(メチルスルフィニル)メタン(以下「B
MSM」という)のmeso体とdl体の61:39
(重量比)混合物1.4g(10mmol)を、クロロ
ホルム−エーテル100mlに加え加熱溶解させ、24
時間室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を濾
別した後、室温で減圧乾燥し、無色結晶を0.7g
(5.0mmol)得た。この結晶の1H−NMRスペ
クトル[400MHz,CDCl3:δ2.94(s,
meso体CH3),2.87(s,dl体CH3)]か
ら、BMSMのmeso体とdl体、57:43(重量
比)からなるジアステレオマー混合物であることを確認
した。
【0028】比較例2(再結晶法) 1,2−ビス(メチルスルフィニル)エタン(以下「B
MSE」という)のmeso体とdl体の45:55
(重量比)混合物0.8g(5.0mmol)を、酢酸
エチル100mlに加え加熱溶解させ、24時間室温で
放置して結晶を析出させた。この析出物を濾別した後、
室温で減圧乾燥し、無色結晶を0.5g(3.4mmo
l)得た。この結晶の1H−NMRスペクトル[101
MHz,CDCl3:δ46.3(meso体CH2),
46.1(dl体CH2),39.0(meso体C
3),38.7(dl体CH3)]から、BMSMのm
eso体とdl体、40:60(重量比)からなるジア
ステレオマー混合物であることを確認した。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、合成の簡単なテトラキ
スフェノール類を成分化合物とする安定な分子結晶を利
用することにより、従来分離が困難であったスルホキシ
ド基含有ジアステレオマー等のジアステレオマーの混合
物の中から目的とする特定のジアステレオマーを効率良
く分離精製することができる。また、分離精製に利用す
る分子結晶は以下の特徴を有することから、本分離精製
方法の産業上における意義は極めて大きい。 1)テトラキスフェノール類を用いることにより、目的
とする工業的に有用なスルホキシド基含有ジアステレオ
マー等のジアステレオマーを安定な分子結晶として得る
ことができる。 2)目的とするスルホキシド基含有ジアステレオマー等
のジアステレオマーを成分化合物とする分子結晶を、分
子間相互作用の違いによってコントロールし、選択的に
生成させうる。 3)生成する分子結晶は、常圧下又は減圧下で加熱する
と容易に各成分化合物に分離することができる。 4)生成する分子結晶は、常温固体であるため、粉体、
懸濁液、粒剤、錠剤等の製剤化も可能であり、極めて取
り扱いが容易である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアステレオマーから特定のジアステレ
    オマーを分離する方法において、一般式[1]で表され
    るテトラキスフェノール類を用いることを特徴とするジ
    アステレオマーの分離精製方法。 【化1】 (式中、Xは、(CH2n又はフェニレン基を表し、n
    は、0、1、2又は3であり、R1、R2は、それぞれ水
    素原子、低級アルキル基、置換されていてもよいフェニ
    ル基、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示す。)
  2. 【請求項2】 特定のジアステレオマーが、一般式
    [1]で表されるテトラキスフェノール類の分子化合物
    として分離されることを特徴とする請求項1記載のジア
    ステレオマーの分離精製方法。 【化2】 (式中、Xは、(CH2n又はフェニレン基を表し、n
    は、0、1、2又は3であり、R1、R2は、それぞれ水
    素原子、低級アルキル基、置換されていてもよいフェニ
    ル基、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示す。)
  3. 【請求項3】 ジアステレオマーが、スルホキシド基を
    含有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2
    記載のジアステレオマーの分離精製方法。
  4. 【請求項4】 スルホキシド基を含有する化合物が、一
    般式[2]で表されることを特徴とする請求項3記載の
    スルホキシド基含有ジアステレオマーの分離精製方法。 【化3】 (式中、Yは、(CH2n、フェニレン基、キシレン−
    α,α’−ジイル基、を表し、nは、0〜8の整数であ
    り、X、Zは、互いに同一又は異なっていても良い直鎖
    または分岐を有するC1〜C8のアルキル基、C2〜C
    8のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基又
    は置換されてもよいベンジル基を示す。)
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