JP2000280891A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JP2000280891A
JP2000280891A JP11089020A JP8902099A JP2000280891A JP 2000280891 A JP2000280891 A JP 2000280891A JP 11089020 A JP11089020 A JP 11089020A JP 8902099 A JP8902099 A JP 8902099A JP 2000280891 A JP2000280891 A JP 2000280891A
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thrust
motor
external control
circuit
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Eiji Yagi
英治 八木
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電動機における出力回転トルクのサイン応答性
を向上させることにより、加減速ブレーキング時の動的
な応答性を向上させ、これにより、思った位置で車両を
容易に停止させることができると共に、運転者に与える
違和感を解消させることができるブレーキ装置の提供。 【解決手段】目標電流差計算部83dで得られた外部制
御信号としての電流差信号iを微分処理する微分回路6
0と、微分処理された微分値信号を増幅する増幅回路6
1とを直列接続したフィードフォワード回路を、電動機
ドライバ回路83eの外部制御信号入力ラインに対し並
列に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ装置に関
し、特に、電動機の回転トルクを軸方向推力に変換する
ボールねじ機構等の軸推力変換機構を備え、この変換さ
れた軸推力をブレーキ液圧制御機構に作用させるように
したブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動機により駆動されるブレーキ
装置としては、例えば、本件出願人が先に出願した特願
平10−40567号の「ブレーキ装置」がある。この
先願のブレーキ装置は、駆動電流に応じた回転トルクを
発生させる電動機と、該電動機で発生する回転トルクを
軸推力に変換伝達する軸推力変換機構を構成するボール
ねじ機構と、該ボールねじ機構における軸推力が伝達さ
れて軸方向に移動する推力軸と、該推力軸の一端に連係
されていて推力軸から受ける推力に応じたブレーキ液圧
を発生させるブレーキ液圧制御機構と、前記推力軸に発
生させるべき軸推力の目標値に応じた外部制御信号を出
力する制御信号作成回路と、該制御信号作成回路で作成
された外部制御信号に応じた駆動電流を前記電動機に出
力する電動機ドライバ回路と、を備えたものであった。
即ち、制御信号作成回路においては、推力軸に発生させ
るべき軸推力の目標値に応じた外部制御信号を出力する
と共に、電動機ドライバ回路においては、外部制御信号
に応じた駆動電流を電動機に出力するようにしたもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置にあっては、上述のように、電動機ドライバ回路にお
いては、外部制御信号作成回路で作成された軸推力の目
標値に応じた外部制御信号をそのまま出力し、電動機ド
ライバ回路においては、入力された外部制御信号に応じ
た駆動電流を電動機に出力するようにしたものであった
ため、以下に述べるような問題点があった。
【0004】即ち、電動機には、駆動コイルのインダク
タンスによる電気的な作動遅れや、ロータの回転慣性モ
ーメントによる機械的な作動遅れがあるため、典型的な
動特性としてサイン応答特性(外部制御信号に対する実
軸推力変動波形)を時間軸で見ると、図9に示すよう
に、外部制御信号入力に対し実軸推進力の位相が遅れる
と共に、ゲインが低下している(図10の周波数−(イ)
ゲイン、(ロ)位相特性参照)。その結果、ブレーキング時
に車両の減速度を調整したい時の応答性に時間遅れが生
じることから、ブレーキペダルの踏み込み踏み戻しに対
し、ブレーキが効き遅れる感じがあって、運転者に違和
感を与えると共に、思った位置で車両を停止させにくい
という問題点があった。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、電動機における出力回転トルクのサイ
ン応答性を向上させることにより、加減速ブレーキング
時の動的な応答性を向上させ、これにより、思った位置
で車両を容易に停止させることができると共に、運転者
に与える違和感を解消させることができるブレーキ装置
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のブレーキ装置は、駆動電流に応じた回転
トルクを発生させる電動機と、該電動機で発生する回転
トルクを軸推力に変換伝達する軸推力変換機構と、該軸
推力変換機構における軸推力が伝達されて軸方向に移動
する推力軸と、該推力軸の一端に連係されていて推力軸
から受ける推力に応じたブレーキ液圧を発生させるブレ
ーキ液圧制御機構と、前記推力軸に発生させるべき軸推
力の目標値に応じた外部制御信号を出力する制御信号作
成回路と、該制御信号作成回路で作成された外部制御信
号に応じた駆動電流を前記電動機に出力する電動機ドラ
イバ回路と、前記電動機ドライバ回路の外部制御信号入
力ラインには、前記制御信号作成回路で作成された外部
制御信号をフィードフォワードすることで電動機駆動電
流を制御するフィードフォワード手段を備えた手段とし
た。
【0007】また、請求項2記載のブレーキ装置は、請
求項1〜3のいずれかに記載のブレーキ装置において、
前記フィードフォワード手段は、直列に接続された微分
手段と増幅手段とを前記電動機ドライバ回路の外部制御
信号入力ラインに対し並列に接続した構成としたことを
特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
【0008】
【作用】本発明請求項1記載のブレーキ装置では、電動
機ドライバ回路から出力された駆動電流により電動機を
駆動させると、該電動機で発生する回転トルクが軸推力
変換機構により軸推力に変換された形で推力軸に伝達さ
れ、この推力軸に連係されたブレーキ液圧制御機構で
は、推力軸の軸推力に応じたブレーキ液圧を発生させ
る。一方、制御信号作成回路において、前記推力軸に発
生させるべき軸推力の目標値に応じた外部制御信号が作
成され、前記電動ドライバ回路では、前記制御信号作成
回路で作成された外部制御信号に応じた駆動電流が前記
電動機に出力される。
【0009】また、前記電動機ドライバ回路の外部制御
信号入力ラインに備えられた前記フィードフォワード手
段において、前記制御信号作成回路で作成された外部制
御信号をフィードフォワードすることで、電動機におけ
る出力回転トルクのサイン応答性が向上するため、加減
速ブレーキング時の動的な応答性が向上し、これによ
り、思った位置で車両を容易に停止させることができる
と共に、運転者に与える違和感が解消される。
【0010】また、請求項2記載のブレーキ装置のフィ
ードフォワード手段では、前記制御信号作成回路で作成
された外部制御信号が、まず、微分手段において微分処
理され、次いで、増幅手段において増幅されるもので、
この微分・増幅された信号が加算された状態で、電動機
ドライバ回路に入力されるもので、これにより、電動機
における出力回転トルクのサイン応答性が向上し、従っ
て、加減速ブレーキング時の動的な応答性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は発明の実施の形態のブレ
ーキ装置の全体図である。図においてWCはホイルシリ
ンダであり、2つ1組のホイルシリンダWCがそれぞれ
第1ブレーキ回路1および第2ブレーキ回路2を介して
液圧制御アクチュエータPAに接続されている。また、
この液圧制御アクチュエータPAに設けられている後述
する電動機26の駆動は、コントロールユニット80に
より制御される。
【0012】以下に、図2の断面図に基づいて液圧制御
アクチュエータPAの構成を説明する。この液圧制御ア
クチュエータPAは、図外のブレーキペダルに連結され
たプッシュロッド23に入力された操作力を伝達する操
作力伝達機構22と、この操作力伝達機構22が伝達す
る操作入力Fpに実軸推力Fsを付加する電動機26
と、この電動機26による実軸推力Fsと操作入力Fp
とに応じた制御液圧を形成し、その制御液圧を各ブレー
キ回路1,2に出力するブレーキ液圧制御機構24を備
えている。
【0013】前記操作力伝達機構22は、カップ状のケ
ース21に図中左右方向である軸方向に摺動自在に設け
られて前記プッシュロッド23の先端部に連結されたピ
ストン軸39と、このピストン軸39の先端部に一体に
形成されたピストン弁29とから構成されている。
【0014】前記ブレーキ液圧制御機構24は、筒状の
ボディ27と、このボディ27の一端部に設けられたリ
ザーバタンク28と、前記ボディ27に形成されたシリ
ンダ穴27aを第1出力室11と第2出力室12とに画
成して前記ピストン弁29の前方に配置されたフリーピ
ストン30と、このフリーピストン30を中立位置に付
勢するスプリング31a,31bとを備えている。そし
て、ブレーキ液圧制御機構24は、前記ピストン軸39
の摺動位置に応じて前記ピストン弁29とフリーピスト
ン30とが油路を開閉するとともに、第1・第2出力室
11,12の容積を縮めることにより、ホイルシリンダ
WCのブレーキ液圧を制御するよう構成されている。
【0015】前記電動機26は、前記ケース21の内周
面に固定された円筒状のステータ32と、このステータ
32の内周側に回転自在に設けられたロータ33とを備
えている。このロータ33は、内周に円筒状のボールね
じケース34を有した肉厚の円板形状に形成され、ボー
ルねじケース34を介して前後のベアリング35a,3
5bにより回転自在に支持されている。
【0016】前記ボールねじケース34の内周に、ボー
ルねじ機構(軸推力変換機構)25が設けられている。
このボールねじ機構25は、前記ボールねじケース34
の内周面に螺旋状に形成されたボール雌ねじ溝38と、
ピストン軸39の外周に結合された外筒(推力軸)40
の外周にボール雌ねじ溝38と対向して形成されたボー
ル雄ねじ溝41と、両ねじ溝38,41の間に転動自在
に介装された鋼鉄製のボール44とから構成されてい
る。
【0017】さらに、前記ボールねじケース34の後端
部の外周面には、筒状のコンミュテータ36が装着され
ている。このコンミュテータ36は、ロータ33の外周
に巻装されたコイル50に接続されている一方、その外
周面には、前記コントロールユニット80に図外のハー
ネスを介して接続された導通スプリング37a,37b
を介して導通された給電接触子としてのブラシ36a,
36bが弾接されている。すなわち、コントロールユニ
ット80からの通電が導通スプリング37a,37b、
ブラシ36a,36b、コンミュテータ36を介してコ
イル50に入力される。
【0018】なお、前記外筒40は、ピストン軸39と
軸方向に移動自在に装着され、ピストン軸39には、前
記外筒40の先端が突き当たる段部43が形成されてい
る。また、この段部43がストッパ42の内周に突き当
たることで、ピストン弁29およびピストン軸39の図
中右方向の移動が規制されるよう構成されている。
【0019】また、前記外筒40の内周には、前記プッ
シュロッド23への入力(操作入力Fp)を検出する入
力センサ81が設けられている。図1に示すように、こ
の入力センサ81ならびに車輪の近傍に設けられて車輪
速を検出する車輪速センサ82がコントロールユニット
80に接続されている。
【0020】前記コントロールユニット80は、図3の
ブロック図に示すとおり、ホイルシリンダ圧を制御すべ
く前記電動機26の作動を制御するブレーキ制御部83
と、少なくとも電力により駆動する推進装置を含む駆動
源の駆動をコントロールする部分であって、減速時に運
動エネルギを電気エネルギとして回収する回生ブレーキ
をコントロールする駆動制御部84とを有している。
【0021】前記駆動制御部84は、車輪速センサ82
からの信号に基づいて減速度を検出する減速度演算部8
4aと、この減速度演算部84aで得られた減速度なら
びに後述するブレーキ圧力に基づいて目標とする回生量
を演算する回生制動力演算部84bと、を備えている。
【0022】また、前記ブレーキ制御部83は、入力セ
ンサ81において検出される運転者によるブレーキペダ
ル踏力(操作入力Fp)に応じたホイルシリンダ圧力を
演算するシリンダ圧力演算部83aと、電動機26にお
ける駆動電流検出に基づいて電動機26から与える実軸
推力Fsを演算する電動機出力回転トルク演算部(実軸
推力検出手段)83bと、この電動機出力回転トルク演
算部83bで得られた実軸推力Fsおよび回生制動力演
算部84bで得られた目標回生量に基づいて、運転者の
制動操作に応じた制動力から回生ブレーキにより生じる
制動力に相当する分を減らす量である目標減圧量(目標
電流)を演算する減圧演算部83cと、現在の電動機2
6における駆動電流と目標電流との差を求める目標電流
計算部83dと、この目標電流計算部(制御信号作成回
路)83dにおいて得られた電流差(外部制御信号)に
応じて電動機26を駆動させる電動機ドライバ回路83
eとを備えている。ちなみに、図4に示すように、電動
機26の出力回転トルクTMは、実駆動電流Isに比例
している。
【0023】さらに、本発明の実施の形態では、入力セ
ンサ81からの入力信号の所定周波数帯成分を除去する
バンドパスフィルタ83m、ならびにこの入力信号の位
相を所定角だけ進ませる位相進角シフト部83nとが設
けられ、かつ、電動機駆動電流の入力信号の所定周波数
帯成分を除去するバンドパスフィルタ83pとが設けら
れている。これらのバンドパスフィルタ83m,83p
は、操作入力Fpからの高周波ノイズを除去し、後述す
る油圧負荷を反映する電動機電流の高周波ノイズを除去
し、油圧負荷からのパルス的なショックを軽減し、操作
感に影響の大きい操作入力Fpからの特定の周波数範囲
を選択的に通過させるよう構成されている。また、位相
進角シフト部83n、操作入力Fpの入力位相を進める
ことにより特定の周波数範囲で入出力応答性を高めるよ
う構成されており、その結果、レスポンス、操作感が向
上するものである。
【0024】また、前記目標電流差計算部83dで得ら
れた電流差信号(外部制御信号)iが入力される電動機
ドライバ回路83eの入力側には、前記制御信号作成回
路を構成する目標電流差計算部83dで得られた電流差
信号(外部制御信号)iをフィードフォワードすること
で電動機駆動電流を制御するフィードフォワード回路を
備えている。
【0025】図5は、フィードフォワード回路の内容を
示すブロック図であり、このブロック図において、60
は、目標電流差計算部83dで得られた外部制御信号と
しての電流差信号iを微分処理する微分回路、61は、
該微分処理された微分値信号を増幅する増幅回路であ
り、この図に示すように、直列に接続された微分回路6
0と増幅回路61とを前記電動機ドライバ回路83eの
外部制御信号入力ラインに対し並列に接続した構成とな
っている。
【0026】次に、発明の実施の形態の作動を説明す
る。 イ)運転者による制動操作時 運転者がブレーキペダルを踏むと、プッシュロッド23
がその入力される操作入力Fpにより図中左にスライド
し、これに連動してピストン軸39も図中左にスライド
する。これと同時に入力センサ81において操作入力F
pが検出され、この検出値に応じてコントロールユニッ
ト80から電動機26に制御電流が出力される。これに
よって、電動機26では、ロータ33とボールねじケー
ス34とが一体に回転し、この回転が各ボール44を介
して外筒40に伝達されて、外筒40はピストン軸39
の外周上を図中左方向へスライドし、その先端が段差面
43に突き当たった時点でピストン軸39に電動機26
からの実軸推力Fsが付与される。
【0027】従って、ピストン軸39およびこれと一体
のピストン弁29は、操作力Fpと実軸推力Fsとの合
力により図中左にスライドするとともに、これに連動し
てフリーピストン30が、軸方向にスライドして第1・
第2出力室11,12の容積が圧縮され、この容積変化
分のブレーキ液(制御圧力)がホイルシリンダWCに供
給されて制動力が発生する。
【0028】この時の電動機26の出力回転トルクTM
と制御圧力PWとの静的な特性は、下記の圧力式に示す
とおりである。 TM=0.5×dd×(PW×BS−Fp)×(π×m
yd×dd+LL)/(π×dd−myd×LL) なお、ddはボールねじの有効直径、BSフリーピスト
ン30の受圧面積、mydはボールねじの摩擦係数、L
Lはボールねじのリードである。
【0029】また、この制御圧力PWすなわちホイルシ
リンダWCへの出力液圧は、図6においてAPで示す特
性で発生するものであり、この場合、操作入力Fpのみ
で作動した場合の特性DPよりも出力液圧が高くなるも
のであり、いわゆる倍力機能が得られる。なお、特性D
Pは、電動機26による実軸推力Fsを全く与えない場
合の特性である。従って、電動機26からの実軸推力F
sを加減することにより、出力液圧特性を図6において
APで示す特性とDPで示す特性との間で変動させるこ
とができる。
【0030】ロ)回生ブレーキ時 エンジンブレーキ時や上記ブレーキ操作時には、駆動系
の回転エネルギにより図外の発電機を作動させて運動エ
ネルギを電気エネルギに変換して回収する回生ブレーキ
作動を行う。そして、この時、上記イ)のブレーキ操作
を行っている時には、回生ブレーキで得られる制動力分
をホイルシリンダWCで発生している制動力から減じる
ことで運転者に違和感を与えないようにする制御を実行
する。
【0031】この制御時、コントロールユニット80で
は、回生制動力演算部84bで演算した目標回生量、お
よび現在の電動機26からの実軸推力Fsとに基づい
て、ブレーキ制御部83において電動機26の目標電流
(目標減圧量)を演算し、この演算結果に基づき電動機
26からの実軸推力Fs(電動機26の出力回転トルク
TM)を減少させ、ホイルシリンダWCの圧力を減圧さ
せる。
【0032】従って、運転者の制動操作に応じた制動力
が、ホイルシリンダWCにおける制動力と回生ブレーキ
による制動力とのトータルで得られることになり、運転
者が制動操作を行った時に、回生ブレーキによる制動力
が急に増加して、運転者が違和感を感じるという不具合
が生じない。
【0033】ハ)自動ブレーキ時 ブレーキ制御部83では、図示はしていない構成によ
り、例えば、自動追尾制御などに伴う制動時、あるい
は、駆動輪がスリップした時に駆動輪のスリップを防止
する駆動スリップ防止制御に伴う制動時、あるいは、車
両が過オーバステアや過アンダステア状態となった時に
これを抑える方向にヨーモーメントを発生させるヨーモ
ーメント制御に伴う制動時、などには、運転者が制動操
作を行っていないのに制動力を発生させる自動ブレーキ
を行う。
【0034】この時には、ブレーキ制御部83は、必要
な制動力に応じた電流を電動機26に通電する。これに
より、ピストン弁29ならびにフリーピストン30が摺
動して、その摺動量に応じたホイルシリンダ圧が発生し
て制動力が生じる。
【0035】ニ)フェイルセーフ時 各センサ81,82やコントロールユニット80、ある
いは各油路に異常が検出された時には、制御を中止す
る。この場合、上述の制御は実行できず、上記イ)の倍
力機能も得られないが、運転者のブレーキペダルの操作
に応じた制動力は発生する。すなわち、運転者がブレー
キペダルを操作すると、プッシュロッド23が、図2に
おいて左方向に移動し、その移動量分だけピストン弁2
9ならびにフリーピストン30が摺動して、ホイルシリ
ンダ圧が発生して制動力が生じる。この場合の出力圧特
性は、図6においてDPで示す特性となり、正常時より
も出力圧が低い特性となる。
【0036】次に、図4に示す前記フィードフォワード
回路の作用を説明する。このフィードフォワード回路
は、まず、微分回路60において、目標電流差計算部8
3dで得られた外部制御信号としての電流差信号iを微
分する処理が行われ、次いで、増幅回路61において、
該微分処理された微分値信号を増幅する処理が行われ、
この微粉・増幅された信号が、電流差信号iに加算され
た状態で外部制御信号として電動機ドライバ回路83e
に入力されることになる。
【0037】即ち、電動機ドライバ回路83eに入力さ
れる電流差信号iに、該信号iを微粉・増幅した信号が
外部制御信号として入力されることで、図7のフローチ
ャート(電流差信号(外部制御信号)i入力に対する電
動機実駆動電流Isの変動波形を示すフローチャート)
に示すように、実駆動電流Isの位相が進み、かつ、ゲ
インが高められる結果、図8のタイムチャート(電流差
信号(外部制御信号)i入力に対する実軸推力の変動波
形を示すタイムチャート)に示すように、サイン応答性
が向上している(図10の周波数−(イ) ゲイン、(ロ)位相
特性参照)。
【0038】以上説明した発明の実施の形態にあって
は、上述のように構成したことで、以下に列挙する効果
が得られる。 a) フィードフォワード回路において、外部制御信号と
しての電流差信号iを微分・増幅した信号を、電流差信
号iに加算された状態で外部制御信号として電動機ドラ
イバ回路83eに入力する構成としたことで、電動機2
6における出力回転トルクのサイン応答性を向上させる
ことができ、これにより、加減速ブレーキング時の動的
な応答性を向上させ、思った位置で車両を容易に停止さ
せることができると共に、運転者に与える違和感を解消
させることができるようになる。
【0039】b) 運転者が制動操作を行ったのに連動し
て、回生ブレーキをかけて運動エネルギを電気エネルギ
に変換した時に、回生ブレーキの状態に応じてホイルシ
リンダWCにおける圧力を減圧し、トータルの制動力が
変化しないため、制動操作に対応した制動力が一定に保
たれ、運転者が違和感を感じることがなく、操作感に優
れている。 c) ホイルシリンダWCにおける負荷変動は、ホイルシ
リンダ圧の変動として表れ、この圧力変動は、常にブレ
ーキ回路1,2を介して両出力室11,12に伝達さ
れ、ピストン弁29ならびにフリーピストン30に作用
し、操作入力Fpおよび実軸推力Fsとの釣り合いとし
てフィードバックされる。従って、ホイルシリンダWC
における負荷変動は、電動機26の駆動電流に反映さ
れ、これを検出することができる。 d) 各センサ81,82や電動機26、あるいはコント
ロールユニット80に異常が生じてコントロールユニッ
ト80による制御を中止したフェイル時には、ブレーキ
ペダルからの操作入力Fpのみでピストン弁29を動か
して制御圧力を発生させて制動力を発生させることがで
きるため、フェイルセーフ性が高い。 e) 上述のような効果を有した4輪のホイルシリンダ圧
制御が、1つの液圧制御アクチュエータPAから成る構
成により達成できるため、装置を安価かつコンパクトに
構成できる。
【0040】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成は、この発明の実施の形態
に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。例
えば、発明の実施の形態においては、電動機26の駆動
力をブレーキ液圧制御機構24に対し、ブレーキペダル
に連係されたプッシュロッド23の推力をアシストする
推力として作用させる場合を例にとったが、電動機の駆
動力のみでブレーキ液圧制御機構を駆動させる構造のも
のにも本発明を適用することができる。
【0041】また、発明の実施の形態においては、フィ
ードフォワード回路として、単純化した例を示したが、
並列に複数設けることにより、さらに応答性を高めるこ
とができるようになる。また、この場合においては、ノ
イズカッターを付加することが望ましい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明請求項1記
載のブレーキ装置では、駆動電流に応じた回転トルクを
発生させる電動機と、該電動機で発生する回転トルクを
軸推力に変換伝達する軸推力変換機構と、該軸推力変換
機構における軸推力が伝達されて軸方向に移動する推力
軸と、該推力軸の一端に連係されていて推力軸から受け
る推力に応じたブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧
制御機構と、前記推力軸に発生させるべき軸推力の目標
値に応じた外部制御信号を出力する制御信号作成回路
と、該制御信号作成回路で作成された外部制御信号に応
じた駆動電流を前記電動機に出力する電動機ドライバ回
路と、前記電動機ドライバ回路の外部制御信号入力ライ
ンには、前記制御信号作成回路で作成された外部制御信
号をフィードフォワードすることで電動機駆動電流を制
御するフィードフォワード手段を備えた構成としたこと
で、電動機における出力回転トルクのサイン応答性を向
上させることができ、これにより、加減速ブレーキング
時の動的な応答性を向上させ、思った位置で車両を容易
に停止させることができると共に、運転者に与える違和
感を解消させることができるようになるという効果が得
られる。
【0043】また、請求項2記載のブレーキ装置では、
請求項1記載のブレーキ装置において、前記フィードフ
ォワード手段は、直列に接続された微分手段と増幅手段
とを前記電動機ドライバ回路の外部制御信号入力ライン
に対し並列に接続した構成としたことで、微分・増幅さ
れた信号が加算された状態で電動機ドライバ回路に入力
されるため、電動機における出力回転トルクのサイン応
答性が向上し、従って、加減速ブレーキング時の動的な
応答性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のブレーキ装置の全体図で
ある。
【図2】発明の実施の形態のブレーキ液圧制御アクチュ
エータを示す断面図である。
【図3】発明の実施の形態におけるコントロールユニッ
トのブロック図である。
【図4】発明の実施の形態における電動機の特性図であ
る。
【図5】発明の実施の形態のコントロールユニットにお
けるフィードフォワード回路のブロック図である。
【図6】発明の実施の形態における油圧制御バルブの出
力特性図である。
【図7】本発明の実施の形態における外部制御信号入力
に対する電動機実駆動電流の変動波形を示すタイムチャ
ートである。
【図8】本発明の実施の形態における外部制御信号入力
に対する実軸推力の変動波形を示すタイムチャートであ
る。
【図9】従来のブレーキ装置における外部制御信号に対
する実軸推力の変動波形を示すタイムチャートである。
【図10】従来装置と発明の実施の形態の周波数−(イ)
ゲイン、(ロ) 位相特性図である。
【符号の説明】
WC ホイルシリンダ PA 液圧制御アクチュエータ 1 第1ブレーキ回路 2 第2ブレーキ回路 11 第1出力回路 12 第2出力回路 21 ケース 22 操作力伝達機構 23 プッシュロッド 24 ブレーキ液圧制御機構 25 ボールねじ機構(軸推力変換機構) 26 電動機 27 ボディ 27a シリンダ穴 28 リザーバタンク 29 ピストン弁 30 フリーピストン 31a スプリング 31b スプリング 32 ステータ 33 ロータ 35a,35b ベアリング 36 コンミュテータ 36a,36b ブラシ 37a,37b 導通スプリング 38 ボール雌ねじ溝 39 ピストン軸 40 外筒(推力軸) 41 ボール雄ねじ溝 42 ストッパ 43 段部 44 ボール 50 コイル 60 微分回路(フィードフォワード回路) 61 増幅回路(フィードフォワード回路) 80 コントロールユニット 81 入力センサ 82 車輪速センサ 83 ブレーキ制御部 83a シリンダ圧力演算部 83b 電動機トルク演算部 83c 減圧演算部 83d 目標電流差計算部(制御信号作成回路) 83e 電動機駆動回路 83m バンドパスフィルタ 83n 位相進角シフト部 83p バンドパスフィルタ 84 駆動制御部 84a 減速度演算部 84b 回生制動力演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D048 BB03 BB07 BB25 BB29 CC41 HH18 HH53 HH66 RR01 RR25 RR29 RR35 5H115 PC06 PG04 PI29 PV09 QI04 QI07 QI15 QN03 QN09 QN21 QN22 QN24 TB01 TO04 TO12 TO23 TO30 5H570 AA21 BB03 DD06 FF04 JJ04 JJ23 LL02 LL12 5H571 AA02 AA20 BB06 FF02 GG04 GG10 HD01 JJ11 JJ23 JJ26 KK06 LL22 LL50 5H607 AA00 BB01 BB04 BB14 CC03 EE53

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動電流に応じた回転トルクを発生させる
    電動機と、 該電動機で発生する回転トルクを軸推力に変換伝達する
    軸推力変換機構と、 該軸推力変換機構における軸推力が伝達されて軸方向に
    移動する推力軸と、 該推力軸の一端に連係されていて推力軸から受ける推力
    に応じたブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧制御機
    構と、 前記推力軸に発生させるべき軸推力の目標値に応じた外
    部制御信号を出力する制御信号作成回路と、 該制御信号作成回路で作成された外部制御信号に応じた
    駆動電流を前記電動機に出力する電動機ドライバ回路
    と、 前記電動機ドライバ回路の外部制御信号入力ラインに
    は、前記制御信号作成回路で作成された外部制御信号を
    フィードフォワードすることで電動機駆動電流を制御す
    るフィードフォワード手段を備えたことを特徴とするブ
    レーキ装置。
  2. 【請求項2】前記フィードフォワード手段は、直列に接
    続された微分手段と増幅手段とを前記電動機ドライバ回
    路の外部制御信号入力ラインに対し並列に接続した構成
    としたことを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003100947A1 (en) * 2002-05-27 2003-12-04 Skf Industrie S.P.A. Electromechanical actuator with ball screw and commutator motor
JP2010132189A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Nissan Motor Co Ltd 電動ブレーキ倍力装置、電動ブレーキ倍力装置付き車両および電動ブレーキ倍力方法
JP2013082449A (ja) * 2005-09-26 2013-05-09 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動倍力装置
CN105162278A (zh) * 2015-07-31 2015-12-16 中国人民解放军国防科学技术大学 一种可主动控制惯质系数的机电惯容器及其控制方法

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