JP2000277716A - 半導体層の評価方法、半導体層の評価装置及び記憶媒体 - Google Patents

半導体層の評価方法、半導体層の評価装置及び記憶媒体

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JP2000277716A
JP2000277716A JP11084674A JP8467499A JP2000277716A JP 2000277716 A JP2000277716 A JP 2000277716A JP 11084674 A JP11084674 A JP 11084674A JP 8467499 A JP8467499 A JP 8467499A JP 2000277716 A JP2000277716 A JP 2000277716A
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Masataka Ito
正孝 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に完全空乏化するようなSOI層の不純物
濃度あるいは比抵抗(キャリア濃度)を簡便、迅速かつ
低コストで測定する。 【解決手段】 51,52はSOI層1の表面に接触し
た探針であり、測定回路54に接続されている。53は
半導体基板3の裏面に接触した電極であり、測定回路5
4に接続されている。測定回路54は探針間の電気伝導
度を計測する計測手段と電極の電位を制御する電位制御
手段にあたり、工程1及び工程2を実施する。11は検
出回路であり、反転電位Vt 及び/又はフラットバンド
電位Vfbを検出する検出手段にあたり、工程3及び工程
4を実施する。12は第1の換算回路であり、工程5を
実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に絶縁層を
介して形成された半導体層、特に絶縁物上に単結晶シリ
コン層を有する半導体基板(SOI基板: Silicon On
Insulator )の単結晶シリコン層( SOI層)の電気特
性評価に用いるのに好適な測定方法および測定装置、並
びにSOI層中に含まれる不純物濃度の評価方法、及び
当該評価方法を使用するための装置、及び当該評価を行
なうためのプログラムを格納した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】SOI層のキャリア濃度(または比抵抗
値、不純物濃度)は、SOI層を利用して作製された電
界効果型トランジスタ(FET)のしきい値電圧等に影
響を及ぼすため、一定の範囲内に制御する必要がある。
【0003】そして、SIMOX法や貼り合わせ法等の
各種SOI基板の製造工程は、いずれの場合もイオン注
入工程や高温処理工程等の不純物濃度の変動を生じる可
能性のある工程を含んでいる。
【0004】そのため、SOI基板製造工程途中あるい
は完成したSOI基板のSOI層中の不純物濃度を実際
に測定するSIMS法(2次イオン質量分析法)などに
より、所望のキャリア濃度が得られていることを確認し
ていた。
【0005】しかしながら、SIMS法等の成分分析に
より不純物濃度を測定する方法は、分析に長時間を要
し、また高価な分析装置を必要とするため、より簡便な
方法により、SOI層の不純物濃度を求める方法の確立
が望まれていた。
【0006】半導体基板中の不純物濃度を求める簡便な
方法として、いわゆる4探針法により比抵抗測定し、そ
の値から不純物濃度を見積もる方法がある。
【0007】図4は、上述の4探針法を用いた半導体基
板の評価方法を示す模式図である。図4(a)は評価装
置の構成を、図4(b)は評価の手順をそれぞれ示して
いる。ここで、半導体基板としてはSOI基板を用いて
いる。図4(a)において、1は基板3上に絶縁層2を
介して形成されたSOI層である。4〜7はSOI層1
の表面に接触している探針であり、通常、間隔Lをもっ
て等間隔に配置されている。
【0008】8は探針4と探針7の間にSOI層1を介
して所定の電流を生じる定電流源であり、9は探針5と
探針6によりSOI層1中に生じる電圧降下を測定する
電圧計である。
【0009】定電流源8の発生電流値Iと電圧計9によ
って測定される電圧値Vから、探針間隔Lと試料形状を
考慮した換算式: RS =(π/ln2)・(V/I)・Fr によってSOI層1のシート抵抗値RS が求められる。
ここで、Frは試料形状に依存する補正項である。更
に、SOI層1の厚みt1 を用いてSOI層1の比抵抗
値ρが、 ρ=RS ・t1 により計算される。
【0010】そして、不純物の種類が分かっている場合
には、例えば、”The Bell SystemTechnical Journal,3
88 (1962)”に記載されているような比抵抗値と不純物
濃度との換算曲線(図5)をもちいて、SOI層の不純
物濃度を見積もることが考えられる。
【0011】この4探針法によって、SOI層の厚さが
100nm、不純物であるボロンの濃度が2.5×10
16(atoms/cm3 )(SIMS法による測定値N
SIMS)であるSOI層の比抵抗を測定したところ、5
5.4Ω・cmであった。この比抵抗値から、図5を用
いて換算された不純物濃度NR は、5.0×1014(a
toms/cm3 )であり、上記のSIMS法による分
析した結果(2.5×1016(atoms/cm3 ))
との誤差は、−98%であった。ここでいう誤差とは、 〔(NR −NSIMS)/NSIMS〕×100 で定義される値である。
【0012】これは、不純物濃度が比較的低い場合や、
SOI層が比較的薄い場合には絶縁層中の電荷の影響や
半導体基板の電位の影響を受けてSOI層全体が空乏化
しているためと考えられる。このように、完全空乏状態
化においては、4探針法による比抵抗測定値は、SOI
層中の不純物濃度を反映しておらず、SOI層の特性評
価方法として用いることができなかった。
【0013】SOI層のキャリア濃度を求める別の方法
が、"MEETING ABSTRACTS Vol.97-2THE 1997 JOINT INTE
RNATIONAL MEETING, THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY AND
THE INTERNATIONAL SOCIETY OF ELECTROCHEMISTRY"(AU
GUST 31-SEPTEMBER 5, 1997PARIS)のp.2327に記載され
ている。
【0014】当該方法を図6を用いて説明する。図6
(a)は評価装置の構成を、図6(b)は評価の手順を
それぞれ示している。図6(a)において、1はSOI
層、2は絶縁層、3はシリコン基板である。測定回路5
4により、探針51、探針52間に定電圧Vsdを印加
し、電極53の電位Vg を変化させながら探針51、探
針52間の電流値Isdを測定する。
【0015】こうして得られるVg −Isd曲線の一例を
図7に示す。図7中のNAは、SIMS法により測定さ
れた不純物濃度の値である。
【0016】そして、ここで得られたVg −Isd特性か
ら、Isdが最小となる時の電極53の電位Vg をVmin
とし、このVmin の値を求める。このVmin の値はSO
I層のキャリア濃度に対応することが分かっているの
で、あらかじめSIMS法等の成分分析法により求めた
不純物濃度とVmin の対応関係を求めておけば、Vmin
をキャリア濃度に換算することができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7の
不純物濃度4.1×1016(atoms/cm3 )の試
料のVg −Isd特性のように、SOI層全体が空乏化
し、Vg の変化に対してIsdが実質的に0の値を示す空
乏状態化する場合においては(図中の領域(i))、I
sdが最小となるときの電位Vmin を決定することができ
なかった。すなわち、Vmin から不純物濃度を求める方
法は、SOI層が完全空乏化する場合には適用できなか
った。
【0018】上記の点に鑑み、本発明の目的はSOI基
板のSOI層、特に半導体基板の電位によってSOI層
が完全空乏化するようなSOI層のキャリア濃度、不純
物濃度あるいは比抵抗を簡便、迅速かつ低コストで測定
する方法及び装置、記憶媒体を提供することにある。
【0019】なお、キャリア濃度とは、p型又はn型の
導電型を規定する不純物(ボロンやリン)等がドープさ
れていることにより生じるキャリアの濃度を意味する。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の半導体層の評価方法は、半導体基板上に絶
縁層を介して形成された半導体層を評価する際に、前記
半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空乏状
態から反転状態に転ずる際の反転電位を利用して、前記
半導体層に含まれるキャリア濃度又は不純物濃度を見積
もる。
【0021】本発明の半導体層の評価方法の一態様にお
いて、前記キャリア濃度又は不純物濃度を見積もった
後、当該見積もりに基づいて前記半導体層の比抵抗値に
換算する。
【0022】本発明の半導体層の評価方法は、半導体基
板上に絶縁層を介して形成された半導体層を評価する際
に、前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層
が空乏状態から反転状態に転ずる際の前記半導体基板の
電位である反転電位を計測する工程と、前記反転電位
を、前記半導体層に含まれるキャリア濃度又は不純物濃
度、若しくは前記半導体層の比抵抗値に換算する工程と
を含む。
【0023】本発明の半導体層の評価方法は、半導体基
板上に絶縁層を介して形成された半導体層を評価する際
に、前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層
が空乏状態から反転状態に転ずる際の前記半導体基板の
電位である反転電位を計測する工程と、前記半導体基板
の電位の変化に伴って前記半導体層が空乏状態から蓄積
状態に或いは蓄積状態から空乏状態に転ずる際の前記半
導体基板の基板電位であるフラットバンド電位を計測す
る工程と、前記反転電位と前記フラットバンド電位との
差を、前記半導体層に含まれるキャリア濃度又は不純物
濃度、若しくは前記半導体層の比抵抗値に換算する工程
とを含む。
【0024】本発明の半導体層の評価方法の一態様にお
いて、前記反転電位及び/又は前記フラットバンド電位
を、前記半導体層に接触する複数の探針及び前記半導体
基板に接触する電極により計測する。
【0025】本発明の半導体層の評価方法の一態様にお
いて、前記半導体層は、前記半導体基板の当該半導体層
に対する電位を制御することによって完全空乏化する半
導体層である。
【0026】本発明の半導体層の評価方法の一態様にお
いて、前記半導体基板、前記絶縁層及び前記半導体層が
順次積層されてなる基板が、シリコン基板上に酸化シリ
コン層を介して単結晶シリコン層を有するSOI基板で
ある。
【0027】本発明の半導体層の評価装置は、半導体基
板上に絶縁層を介して形成された半導体層を評価するも
のであって、前記半導体層に接触する複数の探針と、前
記半導体基板に接触する電極と、前記探針間の電気伝導
度を計測する計測手段と、前記電極の電位を制御する電
位制御手段と、前記半導体基板の電位の変化に伴って前
記半導体層が空乏状態から反転状態に転ずる際の前記半
導体基板の電位である反転電位を検出する検出手段とを
備える。
【0028】本発明の半導体層の評価装置の一態様は、
前記反転電位を用いて、前記半導体層のキャリア濃度又
は不純物濃度、若しくは前記半導体層の比抵抗値に換算
する換算手段を更に備える。
【0029】本発明の半導体層の評価装置の一態様にお
いて、前記検出手段は、前記反転電位とともに、前記半
導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空乏状態
から蓄積状態に或いは蓄積状態から空乏状態に転ずる際
の前記半導体基板の基板電位であるフラットバンド電位
ををも検出する。
【0030】本発明の記憶媒体は、半導体基板上に絶縁
層を介して形成された半導体層を評価するに際して、前
記半導体層における反転電位を利用して、当該半導体層
のキャリア濃度。不純物濃度又は比抵抗値を評価する機
能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記憶
したコンピュータ読み取り可能なものである。
【0031】本発明の記憶媒体の一態様において、前記
プログラムは、前記半導体基板の電位の変化に伴って前
記半導体層が空乏状態から反転状態に転ずる際の前記半
導体基板の電位である反転電位を検出する検出プログラ
ムと、前記反転電位を、所定の計算式又はデータテーブ
ルを用いてキャリア濃度、不純物濃度又は比抵抗値に換
算する換算プログラムとを含む。
【0032】本発明の記憶媒体の一態様において、前記
換算プログラムは、前記反転電位とともに、前記半導体
基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空乏状態から
蓄積状態に或いは蓄積状態から空乏状態に転ずる際の前
記半導体基板の基板電位であるフラットバンド電位をも
検出し、前記反転電位と前記フラットバンド電位との差
を、キャリア濃度、不純物濃度又は比抵抗値に換算す
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した好適な実
施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】図1は、本発明の一実施形態における評価
装置を示す模式図である。図1において、51,52は
SOI層1の表面に接触した探針であり、測定回路54
に接続されている。53は半導体基板3の裏面に接触し
た電極であり、測定回路54に接続されている。
【0035】測定回路54は探針間の電気伝導度を計測
する計測手段と電極の電位を制御する電位制御手段にあ
たり、工程1及び工程2を実施する。すなわち、測定回
路54は探針51、探針52間に定電圧Vsdを印加し、
次いで電極53の電位Vg を変化させながら探針51、
探針52間の電流値Isdを測定する。
【0036】図2は、測定回路54によって測定された
p型SOI基板のVg −Isd特性の一例である。この図
2において、横軸は半導体層1の電位を基準にしたとき
の半導体基板3の電位を表すVg を示し、縦軸は探針5
1、探針52間に定電圧Vsdを印加したときに探針5
1、探針52間に生じる電流値Isdである。
【0037】図2において、Isdが実質的に0の領域が
空乏領域であり、空乏領域よりもVg が大なる領域が反
転領域、空乏領域よりもVg が小なる領域が蓄積領域で
ある。
【0038】なお、空乏領域は厳密には部分空乏領域と
完全空乏領域に分類することができる(不図示)。空乏
領域と反転領域の境界のVg が反転電位Vt であり、空
乏領域と蓄積領域の境界のVg がフラットバンド電位V
fbである。
【0039】図1中で、11は検出回路であり、反転電
位Vt 及び/又はフラットバンド電位Vfbを検出する検
出手段にあたり、工程3及び工程4を実施する。すなわ
ち、測定回路54の出力データから反転電圧Vt 及びフ
ラットバンド電圧Vfbを検出する。
【0040】検出の方法としては、例えばIsdをVg で
2回微分して変極点を検出する方法でVfb、及びVt を
求めることができる。なお、次に述べる工程5でVfbを
用いない場合には工程4は省略しても良い。
【0041】12は第1の換算回路であり、工程5を実
施する。すなわち、検出回路11から出力されたVt 、
またはVt −Vfbの値をキャリア濃度に換算する。換算
の方法として、あらかじめ、Vt の測定値及びSIMS
法等の成分分析により不純物濃度の値が分かっている複
数の試料から換算曲線(図3の実線)を作成しておく方
法がある。
【0042】また、Vt 及びVfbの値と、半導体層1の
厚みt1 や絶縁層2の厚み等のパラメータを含む計算式
を作成しそれによってVt の値からキャリア濃度を換算
してもよい。
【0043】あるいは、あらかじめ計算や実験等によっ
て求めた対応関係のデータテーブル等を記憶回路に記憶
しておき、そこからVt ,Vfbの値に応じたキャリア濃
度の値を読み出すことでも達成される。
【0044】工程5において、キャリア濃度の換算にV
t −Vfbの値を用いた場合は、絶縁層2中の電荷量が多
い場合に生じる測定誤差を回避することができるが、こ
の誤差が許容範囲内である場合にはVt のみを用いても
差し支えない。
【0045】13は第2の換算回路であり、工程6を実
施する。すなわち、第1の換算回路12から出力された
キャリア濃度を比抵抗に換算する。換算の方法として
は、例えば、あらかじめ不純物の種類に応じたキャリア
濃度と比抵抗の対応関係をデータテーブルとして記憶回
路に記憶しておき、そこからキャリア濃度の値に応じた
比抵抗の値を読み出すことで達成される。また、キャリ
ア濃度又は不純物濃度と反転電位Vt との相関をモデル
を構築してシミュレーションすることで換算してもよ
い。勿論、キャリア濃度を比抵抗値に換算する必要がな
ければ、工程6を行なう必要はない。
【0046】以上述べた検出回路11、第1の換算回路
12、第2の換算回路13は、それぞれ専用の電気回路
により構成することが可能であるが、これらの機能を達
成する手段はこれに限るものではなく、例えば、コンピ
ューターとソフトウェアによるデータ処理装置によって
同様の機能を達成するものであっても良い。
【0047】また、本実施形態では、Vt またはVt −
Vfbの値をキャリア濃度に換算し、更に比抵抗に換算し
たが、Vt またはVt −Vfbの値から直接にキャリア濃
度、不純物濃度及び比抵抗値のいずれかに変換するもの
であっても良い。更に、キャリア濃度、不純物濃度及び
比抵抗値の相互間で変換しても良く、それらの変換の順
番を限定するものではない。
【0048】なお、SOI層を作製する方法は、シリコ
ン基板に酸素イオンを打ち込み熱処理を行ない埋込酸化
膜を形成するSIMOX法や、特開平5−21338号
公報や、特開平5−211128号公報に記載された貼
り合わせ法などいずれによっても構わない。
【0049】本発明は、反転電位と不純物濃度に相関が
あることを利用して、SOI層の不純物濃度等を評価す
るものである。SOI層は、その不純物濃度(キャリア
濃度、比抵抗値)や厚さによって、完全空乏化する場合
としない場合とがあるが、概ねSOI層の厚さに関して
は1μm以下、とくに数百nm以下の場合、またキャリ
ア濃度に関しては、1×1018(atoms/cm3
以下の場合、SOI層の比抵抗値に関しては0.1(Ω
・cm)以上、SOI層のシート抵抗値が1000(Ω
/□)以上の場合に、完全空乏化する傾向が強い。
【0050】(実験例)以下、本発明の実施形態に基づ
いて、実際にSOI層の評価を行なった実験について説
明する。
【0051】SOI層が不純物としてボロンをドーピン
グしたp型シリコンであり、絶縁層が厚さ200nmの
シリコン酸化膜であるSOIウェハを、図1(a)に示
す評価装置で測定した。測定回路にはヒューレットパッ
カード社製の商品名HP4145Bを用いた。
【0052】測定はSOI層中のボロン濃度のみが異な
る、試料番号1〜3の3種類について行なった。
【0053】測定の結果、Vt の値はそれぞれ1.9
V,2.5V,3.7Vであった。このVt の値を、あ
らかじめSIMS等の成分分析法によって求めた換算曲
線によってボロン濃度に換算した。用いた換算曲線を図
3のグラフ中に実線で示す。この実線は、ボロン濃度の
異なる複数の試料のVt の値とSIMS法による不純物
濃度の測定の結果から作成したものである。
【0054】換算の結果、試料番号1〜3のSOI層の
ボロン濃度は、それぞれ3.5×1015,6.9×10
15,1.8×1016(atoms/cm3 )であった。
【0055】一方、比較のため、試料番号1〜3のSO
I層のボロン濃度をSIMS法によって測定したとこ
ろ、それぞれ3.0×1015,7.0×1015,2.0
×10 16(atoms/cm3 )であった。SIMS法
による測定結果を図3のグラフ中に丸印で示す。丸印の
点は、横軸を該当試料の本実施例によるVt の値、縦軸
をSIMS法によるボロン濃度の値としてプロットした
ものであり、実線と丸印の乖離の度合いが、本実験例と
SIMS法との間の誤差を示すものである。このよう
に、反転電位と不純物濃度との間には密接な関係があ
り、反転電位を利用して不純物濃度を容易に換算できる
ことが分かる。
【0056】本実施形態の方法によるボロン濃度値のS
IMS法による値に対する相対誤差は、試料番号1〜3
についてそれぞれ15.4%,−1.5%,−7.9%
であった。以上の結果を以下の表1にまとめて示す。
【0057】
【表1】
【0058】以上の結果から、本実施形態の方法によ
り、SOI層中の不純物濃度が測定されることが確認で
きた。
【0059】なお、本実施例ではp型不純物であるボロ
ンが単結晶シリコン中に拡散したSOI層の場合を示し
たが、不純物の種類、タイプ、及び半導体の種類は何ら
これらに限定されるものではなく、他のものであっても
同様の作用効果を得るものである。SOI基板の作製方
法も、シリコン基板に酸素イオンを打ち込み熱処理を行
ない埋込酸化膜を形成するSIMOX法や、特開平5−
21338号公報及び特開平5−211128号公報記
載の貼り合わせ法により作成した試料であっても構わな
い。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、半導体基板の電位によ
ってSOI層(半導体層)が完全空乏化するようなSO
I層の不純物濃度または比抵抗を、高価な成分分析装置
等を用いることなく、電気測定とデータ処理により簡
便、迅速かつ低コストで測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における評価装置及び評価工
程を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態における測定結果の一例を示
す特性図である。
【図3】本発明の実験例における測定結果の一例を示す
特性図である。
【図4】従来技術における評価装置及び評価工程を示す
模式図である。
【図5】従来技術における測定結果の一例を示す特性図
である。
【図6】別の従来技術における評価装置及び評価工程を
示す模式図である。
【図7】別の従来技術における測定結果の一例を示す特
性図である。
【符号の説明】
1 SOI層 2 基板 3 絶縁層 4〜7,51,52 探針 8 定電流源 9 電圧計 11 検出回路 12 第1の換算回路 13 第2の換算回路 53 電極 54 測定回路

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に絶縁層を介して形成され
    た半導体層を評価する方法において、 前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空
    乏状態から反転状態に転ずる際の反転電位を利用して、
    前記半導体層に含まれるキャリア濃度又は不純物濃度を
    見積もることを特徴とする半導体層の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記キャリア濃度又は不純物濃度を見積
    もった後、当該見積もりに基づいて前記半導体層の比抵
    抗値に換算することを特徴とする請求項1に記載の半導
    体層の評価方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に絶縁層を介して形成され
    た半導体層を評価する方法において、 前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空
    乏状態から反転状態に転ずる際の前記半導体基板の電位
    である反転電位を計測する工程と、 前記反転電位を、前記半導体層に含まれるキャリア濃度
    又は不純物濃度、若しくは前記半導体層の比抵抗値に換
    算する工程とを含むことを特徴とする半導体層の評価方
    法。
  4. 【請求項4】 半導体基板上に絶縁層を介して形成され
    た半導体層を評価する方法において、 前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空
    乏状態から反転状態に転ずる際の前記半導体基板の電位
    である反転電位を計測する工程と、 前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空
    乏状態から蓄積状態に或いは蓄積状態から空乏状態に転
    ずる際の前記半導体基板の基板電位であるフラットバン
    ド電位を計測する工程と、 前記反転電位と前記フラットバンド電位との差を、前記
    半導体層に含まれるキャリア濃度又は不純物濃度、若し
    くは前記半導体層の比抵抗値に換算する工程とを含むこ
    とを特徴とする半導体層の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記反転電位及び/又は前記フラットバ
    ンド電位を、前記半導体層に接触する複数の探針及び前
    記半導体基板に接触する電極により計測することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体層の
    評価方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体層は、前記半導体基板の当該
    半導体層に対する電位を制御することによって完全空乏
    化する半導体層であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の半導体層の評価方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体基板、前記絶縁層及び前記半
    導体層が順次積層されてなる基板が、シリコン基板上に
    酸化シリコン層を介して単結晶シリコン層を有するSO
    I基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の半導体層の評価方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板上に絶縁層を介して形成され
    た半導体層を評価する装置において、 前記半導体層に接触する複数の探針と、 前記半導体基板に接触する電極と、 前記探針間の電気伝導度を計測する計測手段と、 前記電極の電位を制御する電位制御手段と、 前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空
    乏状態から反転状態に転ずる際の前記半導体基板の電位
    である反転電位を検出する検出手段とを備えることを特
    徴とする半導体層の評価装置。
  9. 【請求項9】 前記反転電位を用いて、前記半導体層の
    キャリア濃度又は不純物濃度、若しくは前記半導体層の
    比抵抗値に換算する換算手段を更に備えることを特徴と
    する請求項8に記載の半導体層の評価装置。
  10. 【請求項10】 前記検出手段は、前記反転電位ととも
    に、前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層
    が空乏状態から蓄積状態に或いは蓄積状態から空乏状態
    に転ずる際の前記半導体基板の基板電位であるフラット
    バンド電位ををも検出することを特徴とする請求項8に
    記載の半導体層の評価装置。
  11. 【請求項11】 半導体基板上に絶縁層を介して形成さ
    れた半導体層を評価するに際して、 前記半導体層における反転電位を利用して、当該半導体
    層のキャリア濃度、不純物濃度又は比抵抗値を評価する
    機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記
    憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  12. 【請求項12】 前記プログラムは、 前記半導体基板の電位の変化に伴って前記半導体層が空
    乏状態から反転状態に転ずる際の前記半導体基板の電位
    である反転電位を検出する検出プログラムと、 前記反転電位を、所定の計算式又はデータテーブルを用
    いてキャリア濃度、不純物濃度又は比抵抗値に換算する
    換算プログラムとを含むことを特徴とする請求項11に
    記載の記憶媒体。
  13. 【請求項13】 前記換算プログラムは、 前記反転電位とともに、前記半導体基板の電位の変化に
    伴って前記半導体層が空乏状態から蓄積状態に或いは蓄
    積状態から空乏状態に転ずる際の前記半導体基板の基板
    電位であるフラットバンド電位をも検出し、 前記反転電位と前記フラットバンド電位との差を、キャ
    リア濃度、不純物濃度又は比抵抗値に換算することを特
    徴とする請求項12に記載の記憶媒体。
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