JP2000277582A - 搬送台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送台車を高速で走行させても乱流を発生さ
せず、搬送台車に搭載した搬送物や製造装置が汚染され
ることなく、搬送能力を向上することができるようにし
た搬送台車を提供すること。 【解決手段】 上部に搬送物１を搭載するように移載装
置１１を備え、搬送台車１の走行方向Ｖの前面及び後面
を下向きの傾斜面３，４とし、かつこの傾斜面３，４に
外気を吸引する多数の吸気口５，６をそれぞれ形成する
とともに、平坦な上面７に外気を吸引する吸気口８を形
成し、底面９の２個所に形成した排気口に排気ファン１
０を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、搬送台車に関し、
特に、半導体ウエハ、液晶、磁気ディスク、光ディス
ク、コンパクトディスク等の製造工程等でこれらを収納
するカセット等の搬送物（以下、本明細書で「搬送物」
という。）をクリーンな環境の下で搬送するのに適した
搬送台車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、半導体ウエハ、液晶、磁気ディス
ク、光ディスク、コンパクトディスク、等は、塵埃等の
微細粒子が製品の精度、歩留まりに大きく影響するた
め、クリーンルーム内で製造するようにしている。

【０００３】そして、この種の目的で使用されるクリー
ンルームには、一般に、天井から清浄空気を流下させ、
床下から排気する、いわゆるダウンフローが形成される
ように構成され、塵埃等の微細粒子は、このダウンフロ
ーによって速やかにクリーンルーム外に排出されるよう
にされている。

【０００４】また、クリーンルームにおいて、搬送物を
搬送するためには、搬送台車が使用されるが、クリーン
ルーム内の高度なクリーン度を保つために、搬送台車が
走行することによって発生する乱流にてダウンフローが
乱されないようにするために、搬送台車の走行速度を、
通常、０．３ｍ／秒程度に制限して、搬送台車を走行さ
せるようにしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、限られた台
数の搬送台車を用いて、搬送能力を向上するためには、
搬送台車の走行速度を高める必要がある。ところが、搬
送台車を０．３ｍ／秒以上の高速で走行させると、特
に、搬送台車の後面において乱流が発生し、この乱流に
てダウンフローが乱され、床面等から塵埃等の微細粒子
が舞い上げられ、舞い上がった塵埃等の微細粒子によ
り、搬送台車に搭載した搬送物や製造装置が汚染される
という問題があった。

【０００６】本発明は、上記従来の搬送台車の問題点に
鑑み、搬送台車を高速で走行させても乱流を発生させ
ず、搬送台車に搭載した搬送物や製造装置が汚染される
ことなく、搬送能力を向上することができるようにした
搬送台車を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の搬送台車は、上部に搬送物を搭載し、クリ
ーンルーム内を走行する搬送台車において、搬送台車の
走行方向の前面及び後面を下向きの傾斜面とし、かつこ
の傾斜面に空気を吸引する吸気口を形成し、底面に排気
口を形成したことを特徴とする。

【０００８】この搬送台車は、搬送台車の走行方向の前
面及び後面を下向きの傾斜面とし、かつこの傾斜面に空
気を吸引する吸気口を形成し、底面に排気口を形成して
いるので、搬送台車の走行に合わせて搬送台車の前面と
後面の外形状に沿って流れる気流は、前面及び後面の傾
斜面に形成した吸気口から吸引され、底面に形成した排
気口を介して、床下から排気されるため、搬送台車を高
速で走行させても乱流は発生しない。

【０００９】この場合において、搬送台車の平坦な上面
に空気を吸引する吸気口を形成することができる。

【００１０】これにより、搬送台車の平坦な上面に塵埃
等の微細粒子が堆積することを防止できるとともに、ダ
ウンフロー等を搬送台車の上面を通過させて、底面の排
気口から排出することができ、塵埃等の微細粒子が舞い
上げられることをより確実に防止することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の搬送台車の実施の
形態を図面に基づいて説明する。

【００１２】図１〜図３に、本発明の搬送台車の一実施
例を示す。この搬送台車２は、上部に半導体ウエハ、液
晶、磁気ディスク、光ディスク、コンパクトディスク等
のカセット等の搬送物１を搭載するように移載装置１１
を備え、搬送台車１の走行方向Ｖの前面及び後面を下向
きの傾斜面３，４とし、かつこの傾斜面３，４に空気を
吸引する多数の吸気口５，６をそれぞれ形成するととも
に、平坦な上面７に空気を吸引する吸気口８を形成し、
底面９の２個所に形成した排気口に排気ファン１０を配
設するようにしている。

【００１３】この場合において、傾斜面３，４及び上面
７に形成する空気を吸引する吸気口５，６，８は、本実
施例において採用しているような円孔のほか、長孔、ル
ーバ、網体等、空気が円滑に通過できる任意の形状に形
成することができる。

【００１４】また、搬送台車２には、走行レールＲに沿
って走行するための車輪Ｗを配設する。

【００１５】そして、底面９に形成した排気口に配設し
た排気ファン１０を介して、排出された空気は、床面Ｆ
のクレーチィングから床下に排気される。

【００１６】以下、この搬送台車２の作用について説明
する。搬送台車２が、搬送物１を搭載して矢符Ｖ方向
に、所定の速度、例えば、０．３ｍ／秒以上の高速で走
行すると、搬送台車２の走行に合わせて、搬送台車２の
走行方向前面側の気流ａは、下向きの傾斜面に形成した
搬送台車２の前面３に緩やかに衝突し、搬送台車２の前
面３の外形状に沿って流れ、その一部ａ１はそのまま床
面Ｆのクレーチィングから床下に排気されるとともに、
残部は、搬送台車２の前面３に形成した吸気口５から吸
引され、底面９に形成した排気口に配設した排気ファン
１０を介して、床面Ｆのクレーチィングから床下に排気
ａ２される。また、搬送台車２の走行方向後面側の気流
は、下向きの傾斜面に形成した搬送台車２の後面４の外
形状に沿って流れ、搬送台車２の後面４に形成した吸気
口６から吸引され、底面９に形成した排気口に配設した
排気ファン１０を介して、床面Ｆのクレーチィングから
床下に排気ａ３される。

【００１７】一方、搬送台車２の上方の気流ｂの一部
は、ダウンフローと共に、搬送台車２の上面７に形成し
た吸気口６から吸引され、底面９に形成した排気口に配
設した排気ファン１０を介して、床面Ｆのクレーチィン
グから床下に排気ａ２，ａ３される。

【００１８】以上のことにより、搬送台車２を高速で走
行させても、搬送台車２の周囲で気流の滞留や乱流が発
生せず、搬送台車２に搭載した搬送物やクリーンルーム
内の製造装置が塵埃等の微細粒子によって汚染されるこ
となく、クリーンルーム内のクリーン度を維持しながら
搬送能力を向上することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の搬送台車によれば、搬送台車の
走行方向の前面及び後面を下向きの傾斜面とし、かつこ
の傾斜面に空気を吸引する吸気口を形成し、底面に排気
口を形成しているので、搬送台車の走行に合わせて搬送
台車の前面と後面の外形状に沿って流れる気流は、前面
及び後面の傾斜面に形成した吸気口から吸引され、底面
に形成した排気口を介して、床下から排気されるため、
搬送台車を高速で走行させても乱流が発生せず、搬送台
車に搭載した搬送物や製造装置が汚染されることなく、
搬送能力を向上することができる。

【００２０】また、搬送台車の平坦な上面に空気を吸引
する吸気口を形成することにより、搬送台車の平坦な上
面に塵埃等の微細粒子が堆積することを防止できるとと
もに、ダウンフロー等を搬送台車の上面を通過させて、
底面の排気口から排出することができ、塵埃等の微細粒
子が舞い上げられることをより確実に防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の搬送台車の一実施例を示す正面図であ
る。

【図２】同平面図である。

【図３】同側面図である。

【符号の説明】

１ 搬送物 ２ 搬送台車 ３ 前面の傾斜面 ４ 後面の傾斜面 ５，６ 吸気口 ７ 上面 ８ 吸気口 ９ 底面 １０ ファン １１ 移載装置 Ｒ 走行レール Ｗ 車輪 ａ，ｂ，ａ１，ａ２，ａ３ 気流

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に搬送物を搭載し、クリーンルーム
   内を走行する搬送台車において、搬送台車の走行方向の
   前面及び後面を下向きの傾斜面とし、かつこの傾斜面に
   空気を吸引する吸気口を形成し、底面に排気口を形成し
   たことを特徴とする搬送台車。
2. 【請求項２】 搬送台車の平坦な上面に空気を吸引する
   吸気口を形成したことを特徴とする請求項１記載の搬送
   台車。