JP2000277487A - ドライエッチング装置 - Google Patents

ドライエッチング装置

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JP2000277487A
JP2000277487A JP11077132A JP7713299A JP2000277487A JP 2000277487 A JP2000277487 A JP 2000277487A JP 11077132 A JP11077132 A JP 11077132A JP 7713299 A JP7713299 A JP 7713299A JP 2000277487 A JP2000277487 A JP 2000277487A
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plasma
dry etching
power supply
gas
etching
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JP11077132A
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Mitsuru Okikawa
満 沖川
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PFCガス等、地球温暖化係数の高いガスを
使用せずとも、あるいはその使用量を抑制して、プラズ
マを用いた精度の高いエッチングを可能ならしめるとと
もに、コスト的にも安価なドライエッチング装置を提供
する。 【解決手段】ドライエッチング装置はプラズマ反応炉1
1、プラズマ生成用電源21、イオン入射用電源22及
び基板バイアス電源23等を備えて構成される。プラズ
マ反応炉11内には、平行平板電極である上部電極14
及び下部電極15が設けられている。上部電極14に
は、プラズマ生成用電源21及びイオン入射用電源22
が接続されるとともに、その下面には、平板状(二次
元)をなすPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)1
2が下部電極15に対向して設けられる。プラズマP中
のイオンはイオン入射用電源22によってPTFE12
に入射され、エッチングに寄与するC(炭素)、F(フ
ッ素)ラジカルを発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライエッチング
装置にかかり、特に真空容器中に配置したエッチング対
象をプラズマを用いてエッチングするドライエッチング
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、MOS−LSIやLCD(液晶デ
ィスプレイ)等の製造に使用されるドライエッチング装
置としては、CF4,C48等のパーフルオロカーボン
(PFC)ガスを使用したエッチング装置が広く用いら
れている。このドライエッチング装置では、上記PFC
ガスを用いて発生されるプラズマ中の化学的に極めて活
性な中性ラジカルやイオンが、同プラズマ中に置かれた
エッチング対象、例えばSi(シリコン),SiO
2(シリコン酸化膜),Si34(シリコン窒化膜)な
どと更に化学的、物理的に反応して、所望のエッチング
が行われるものと考えられている。
【0003】ところで近年は、地球温暖化問題が広く取
り上げられており、半導体製造プロセスにおいても、上
記PFC等の地球温暖化係数(GWP)の高い反応ガス
についてはその使用の削減が求められている。そして、
こうした問題に対処するために、上記ドライエッチング
装置としても、近年は、固体であるPTFE(ポリテト
ラフルオロエチレン)にレーザ光を照射して、C(炭
素)及びF(フッ素)を含むラジカルを取り出す装置が
提案されている(例えば、「Digest of PapersMicrop
rocesses and Nanotechnology '98 July 13-16 1
998 Kyungju,Koria , 14A-1-2 " Novel Proces
s Of SiO2/Si Selective EtchingUsing New Gas
System Against Global Warming:(地球温暖化に対
する新ガスシステムを使用したSiO2/Siの選択エッチン
グに関する新プロセス)" M.Hori他(名古屋大
学)」)。図3に、こうした装置のプラズマ反応炉内部
の平面構造を参考までに示す。
【0004】同図3に示すように、この装置では、円筒
状に形成されたプラズマ反応炉51内の端部に軸52a
によってPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)52
が回転可能に支持されるとともに、同反応炉51のほぼ
中央部にエッチング対象となる被エッチング基板53が
配置されている。また、プラズマ反応炉51の外部に
は、前記PTFE52にレーザ光を照射するためのCO
2レーザ装置54が設けられている。そして、同エッチ
ング装置にあっては、そのエッチングに際し、固体であ
るPTFE52にレーザ光を照射してCF2ラジカル及
びCF3ラジカル等のラジカルを取り出し、この取り出
したラジカルをプラズマP内に導入して被エッチング基
板53のエッチングを行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、PTFE
等の固体にレーザ光を照射してエッチングのためのラジ
カルを生成することとすれば、上記PFCガス等、地球
温暖化係数の高い反応ガスを使用せずとも、所望のエッ
チングを行うことはできる。しかし、同装置にあって
は、こうしたレーザ光の照射によってラジカルが生成さ
れるものであることから、そのラジカル源は、点状とな
り、被エッチング基板53とそのラジカル源との距離
が、同基板53表面の場所に大きく依存することとな
る。そして、この点状に生成されたラジカルがプラズマ
中に拡散されたものが被エッチング基板53のエッチン
グに供されることとなるため、同基板53に対するラジ
カル密度の均一性において新たな問題が生じることとも
なっている。ちなみに、被エッチング基板53に対する
ラジカル密度の均一性が保たれない場合には、当該ドラ
イエッチング装置としてのエッチング精度そのものが危
ぶまれることともなる。また、ラジカル発生のためのエ
ネルギ供給源であるレーザをエッチング装置に付加しな
ければならず、コスト面でも不利となる。
【0006】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、PFCガス等、地球温暖化係
数の高いガスを使用せずとも、あるいはその使用量を抑
制して、プラズマを用いた精度の高いエッチングを可能
ならしめるとともに、コスト的にも安価なドライエッチ
ング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、請求項1記載の発明では、真空容器中に配置した
エッチング対象をプラズマを用いてエッチングするドラ
イエッチング装置において、前記真空容器中にC(炭
素)及びF(フッ素)を含む固体を前記プラズマに接す
る態様で配置し、該配置した固体に同プラズマ中の粒子
を入射せしめて前記エッチングのための粒子を生成する
ことをその要旨とする。
【0008】ドライエッチング装置としてのこうした構
成によれば、上記プラズマに接する態様で配置したC
(炭素)及びF(フッ素)を含む固体から、エッチング
のための粒子が生成されることから、地球温暖化係数の
高い前述したパーフルオロカーボン(PFC)ガス等を
使用しないエッチングが可能となる。また、同構成によ
れば、上記エッチング対象に近接して二次元のラジカル
源を持つことができることから、エッチング対象に供給
するラジカルの密度を均一にすることができるようにも
なる。そして、レーザ等の使用も不要であることから、
コスト的にも有利である。
【0009】なお、上記C(炭素)及びF(フッ素)を
含む固体としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオ
ロエチレン)等がある。また、請求項2記載の発明で
は、上記請求項1記載のドライエッチング装置におい
て、前記エッチング対象及び前記C(炭素)及びF(フ
ッ素)を含む固体は平行平板電極のそれぞれ一方及び他
方に配置され、前記固体が配置された側の電極に前記プ
ラズマ中のイオンを入射せしめる自己バイアス電圧を発
生させるための高周波電源が接続されてなることをその
要旨とする。
【0010】請求項2記載の発明のこうした構成によれ
ば、エッチング対象と平行に二次元のラジカル源を持つ
ことができることから、上述したエッチング対象に供給
するラジカル密度の均一化もより容易となる。また、同
構成によれば、プラズマを生成するための高周波電源と
上記イオンを入射せしめる自己バイアス電圧を発生させ
るための高周波電源とでそれら電源を共通化することも
可能となる。
【0011】また、請求項3記載の発明では、同じく上
記請求項1記載のドライエッチング装置において、前記
C(炭素)及びF(フッ素)を含む固体は、前記エッチ
ング対象が配置される電極を除き、前記プラズマをとり
まく壁の一部若しくは全部に配置され、該固体が配置さ
れた壁に前記プラズマ中のイオンを入射せしめる自己バ
イアス電圧を発生させるための高周波電源が接続されて
なることをその要旨とする。
【0012】請求項3記載の発明の同構成では、上記高
周波電源の共通化は難しいものの、C(炭素)及びF
(フッ素)を含む固体の配置態様についての自由度が増
し、上述したエッチング対象に供給するラジカル密度の
均一化を図るうえでの設計の自由度も向上する。
【0013】また、請求項4記載の発明では、上記請求
項1〜3のいずれか1項に記載のドライエッチング装置
において、前記プラズマのプラズマ源として、希ガスを
用いたプラズマ源を使用することをその要旨とする。
【0014】希ガスである例えばAr(アルゴン)等は
安定したガスであるとともに、そのイオンによるスパッ
タ率も高い。このため、この希ガスを用いたプラズマ源
を使用する請求項4記載の発明の同構成によれば、上記
固体からC(炭素)及びF(フッ素)を含むラジカルを
効率よく、しかも安定して生成することができるように
なる。
【0015】また、請求項5記載の発明では、同じく上
記請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライエッチン
グ装置において、前記プラズマのプラズマ源として、希
ガスに酸素及び水素の少なくとも一方を添加したガスを
用いたプラズマ源を使用することをその要旨とする。
【0016】請求項5記載の発明のこうした構成によれ
ば、C(炭素)及びF(フッ素)を含むラジカルの組成
を積極的に変化させて、エッチング対象となる例えばシ
リコン酸化膜、シリコン、シリコン窒化膜、レジスト等
のエッチング速さを所望の速さにコントロールすること
が可能となる。特に、Ar(アルゴン)等の希ガスに酸
素が添加される場合には、上記エッチング対象に達しエ
ッチングに影響を与えるラジカルの組成においてC(炭
素)の割合を下げることができ、例えばアスペクト比
(孔の直径に対する孔の深さの割合)の大きな微細孔の
エッチングが途中で止まってしまうような不都合を防止
することができるようになる。また、Ar(アルゴン)
等の希ガスに水素が添加される場合には、同じくラジカ
ルの組成においてF(フッ素)の割合を下げることがで
き、選択比、例えばシリコンのエッチング速さに対する
シリコン酸化膜のエッチング速さの割合を高めることが
できるようになる。そして、これら酸素及び水素の両方
が適宜の割合で混合されたガスがAr(アルゴン)等の
希ガスに添加される場合にも、それら混合の割合に応じ
て上記エッチング速さを適宜にコントロールすることが
できるようになる。
【0017】また、請求項6記載の発明では、これも同
じく上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライエ
ッチング装置において、前記プラズマのプラズマ源とし
て、希ガスにCx FyHz( x,y,zは任意の整数、ただし
z は0を含む)を添加したガス、若しくは希ガスにCx
FyHz及び酸素の混合ガスを添加したガスを用いたプラ
ズマ源を使用することをその要旨とする。
【0018】請求項6記載の発明のこうした構成によれ
ば、従来のパーフルオロカーボン(PFC)ガス、すな
わちCF4 やC48等のガスも使用することができると
ともに、その使用量を削減する意味での上記C(炭素)
及びF(フッ素)を含む固体の使用が有効となる。すな
わち同構成によれば、従来のドライエッチング装置、並
びにそのプロセスをそのまま流用しつつ、上記パーフル
オロカーボン(PFC)ガスの使用量削減が可能とな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るドライエッチ
ング装置の一実施の形態について図1及び図2を参照し
て説明する。
【0020】図1は、本実施の形態におけるドライエッ
チング装置の構成についてその概要を示したものであ
る。このエッチング装置は、同図1に示すように、プラ
ズマ反応炉11、プラズマ生成用電源21、イオン入射
用電源22及び基板バイアス電源23等を備えて構成さ
れる。
【0021】また、上記プラズマ反応炉11内には、平
行平板電極である上部電極14及び下部電極15が設け
られている。そして、前記上部電極14には、上記プラ
ズマ生成用電源21及びイオン入射用電源22が各々直
流成分を阻止するためのコンデンサC1及びC2を介し
て接続されている。なお、この上部電極14はプラズマ
反応炉11内に設けられる絶縁基板16の下部に取り付
けられている。さらに本実施の形態においては、この上
部電極14の下面に、平板状(二次元)をなすPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)12が、下部電極15
に対向するとともに、後述するようにプラズマPに接す
るように、すなわち同プラズマP中のイオン等がその二
次元面に均一に入射されるように設けられている。な
お、このPTFE12は後述するように、エッチング作
用に寄与するラジカルを発生させるラジカル源として、
従来のパーフルオロカーボン(PFC)ガスに代えて使
用される。また、このPTFE12及び上記上部電極1
4には、後述するAr(アルゴン)ガス等のプラズマ源
を上下電極14,15間に均等に供給して同電極間にお
いて均一なプラズマPを発生させるための、複数個のガ
ス導入孔18が設けられている。
【0022】一方、下部電極15には、上記基板バイア
ス電源23が同じくコンデンサC3を介して接続されて
いる。また、この下部電極15の上面には、シリコンウ
エハ13等のエッチング対象が載置される。なお、上記
PTFE12は、図1に示すようにこのシリコンウエハ
13の上面を覆うかたちで設けられている。
【0023】また、上記プラズマ生成用電源21は、1
0MHz以上の周波数を有する高周波電圧、例えば周波
数500MHzの高周波電圧を上部電極14を介して反
応ガスに印加するもので、この電圧印加によって上部電
極14と下部電極15との間にそのプラズマPを発生さ
せる。
【0024】一方、上記イオン入射用電源22は、10
0KHz〜60MHzの周波数を有する高周波電圧、例
えば周波数13.36MHzの高周波電圧を上部電極1
4に印加するもので、この電圧印加によって同電極14
に上記PTFE12にプラズマ中のイオンを入射させる
ための自己バイアス電圧を発生させる。
【0025】また、上記基板バイアス電源23は、例え
ば800KHzの周波数を有する高周波電圧を下部電極
15に印加するもので、この電圧印加によってシリコン
ウエハ13にプラズマ中のイオンを入射させて同ウエハ
13に対し異方性エッチングを行うためのバイアス電圧
を発生させる。
【0026】またプラズマ反応炉11には、上記プラズ
マ源(反応ガス)を同反応炉11に導入するための導入
通路17が設けられている。次に、このように構成され
る本実施の形態のドライエッチング装置によるエッチン
グメカニズムについて説明する。
【0027】まず、所定の真空度に維持されたプラズマ
反応炉11に、Ar(アルゴン)ガス等の希ガスを前記
導入通路17から反応ガスとして導入する。さらにこの
導入は、上述したように上記PTFE12及び上部電極
14に設けられた複数個のガス導入孔18を通じて行わ
れるため、Ar(アルゴン)等の反応ガスは上下電極1
4,15間に均等に供給される。
【0028】そしてこのArガスにプラズマ生成用電源
21から上記高周波電圧を印加する。これにより、同A
rガスは上下電極14,15間においてほぼ均一なプラ
ズマ状態となり、そのプラズマP中にArイオン等が生
成される。なおここで、プラズマ生成用電源21はプラ
ズマPを発生させることはできるが、Arイオンを上部
電極14に向けて加速するバイアス電圧を十分に発生さ
せることはできない。そのため、本実施の形態では、こ
のバイアス電圧を十分に確保するために上部電極14に
上記イオン入射用電源22からの高周波電圧をさらに印
加する。これにより、Arイオンは十分なエネルギーを
得て上部電極14に向けて加速され、該上部電極14に
設けられたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)1
2に入射されるようになる。そしてこのArイオンの入
射に伴なって、PTFE12からは、C(炭素)及びF
(フッ素)を含む粒子がプラズマP中に脱離される。な
おこのとき、Arイオンの入射による物理的スパッタリ
ングのみならず、プラズマからのラジカル等の粒子の入
射による化学反応によってもまた、PTFE12の一部
の原子がプラズマP中に脱離されると考えられる。
【0029】この脱離された粒子は、プラズマP内で励
起され、エッチング反応に寄与し得るように十分に活性
化されて、上記シリコンウエハ13に到達する。そし
て、こうしてシリコンウエハ13に到達したラジカル粒
子等が同ウエハ13の所定エッチング箇所のエッチング
に寄与することとなる。ここでPTFE12から脱離さ
れる粒子としては、ラジカル、イオン、あるいは不活性
の中性粒子等が考えられ、これらの粒子がプラズマ中に
入ることにより、プラズマ中の電子との衝突によって活
性化(励起)、あるいは分離・活性化され、ラジカル
(あるいはイオン)になってシリコンウエハ13に供給
されると考えられる。
【0030】そして、本実施の形態においては、基板バ
イアス電源23から下部電極15を介して基板バイアス
電圧が発生されるため、Arイオン及びプラズマ内に発
生するその他のイオンによるエッチング(異方性エッチ
ング)が主に行われる。
【0031】なおこのとき、本実施の形態においては、
上述したように、PTFE12は、平行平板電極である
上部電極14の下面にシリコンウエハ(エッチング対
象)13の上面を覆うかたちで二次元的に設けられてい
るとともに、プラズマPに接するように、すなわち同プ
ラズマP中のイオンがその二次元面に均一に入射される
ように設けられている。そのため、PTFE12から生
成される粒子の密度が均一化されるとともに、シリコン
ウエハ13に供給される粒子(イオン,ラジカル等)の
密度も均一化される。その結果、同シリコンウエハ13
を均一にエッチングすることができる。
【0032】また、本実施の形態にあっては、上記イオ
ン入射用電源22の出力電力を調節して上部電極14に
入射するArイオンのエネルギーを制御することがで
き、ひいてはPTFE12から脱離される粒子の密度を
制御して、エッチングの速さ等を可変とすることもでき
る。これは一般に、図2に示すように、このイオン入射
用電源22の出力電力に応じて、上部電極14に発生す
る自己バイアス電圧及びPTFE12から放出される粒
子(ラジカル等)の密度を変化させることができること
による。
【0033】また、本実施の形態でプラズマ源とするA
r等の希ガスは、安定したガスであるとともに、そのイ
オンによるスパッタ率も高い。このため、この希ガスを
用いたプラズマを使用する本実施の形態においては、P
TFE12からC(炭素)及びF(フッ素)を含むラジ
カル等を効率よく、しかも安定して生成することができ
るようになる。
【0034】以上説明したように、本実施の形態のドラ
イエッチング装置によれば、以下に列記するような多く
の優れた効果を得ることができる。 (1)本実施の形態においては、プラズマPに接する態
様で配置したPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
12から、エッチングに寄与する粒子が生成されること
から、地球温暖化係数の高い前述したパーフルオロカー
ボン(PFC)ガス等を使用しないエッチングが可能と
なる。
【0035】(2)また、このPTFE12は、平行平
板電極である上部電極14の下面にシリコンウエハ(エ
ッチング対象)13の上面を覆うかたちで二次元的に設
けられているとともに、プラズマPに接するように、す
なわち同プラズマP中のイオンがその二次元面に均一に
入射されるように設けられている。そのため、PTFE
12から生成される粒子の密度が均一化されるととも
に、シリコンウエハ13に供給される粒子(イオン,ラ
ジカル等)の密度も均一化され、その結果、同シリコン
ウエハ13を均一にエッチングすることができる。
【0036】(3)本実施の形態においては、プラズマ
源として、Ar(アルゴン)等の希ガスを使用するた
め、PTFE12からC(炭素)及びF(フッ素)を含
むラジカル等を効率よく、しかも安定して生成すること
ができる。
【0037】(4)本実施の形態においては、基板バイ
アス電源23から下部電極15を介して基板バイアス電
圧が発生されるため、Arイオン及びプラズマ内に発生
するその他のイオンによるエッチング(異方性エッチン
グ)を好適に行うことができる。
【0038】(5)本実施の形態においては、上記イオ
ン入射用電源22の出力電力を調節して上部電極14に
入射するArイオンのエネルギーを制御することがで
き、ひいてはPTFE52から脱離される粒子の密度を
制御して、エッチングの速さ等を可変とすることもでき
る。
【0039】(6)本実施の形態においては、Ar(ア
ルゴン)等の反応ガスの導入は、PTFE12及び上部
電極14に設けられた複数個のガス導入孔18を通じて
行われるため、同反応ガスは上下電極14,15間に均
等に供給されるとともに、同電極間においてほぼ均一な
プラズマPを発生させることができる。
【0040】(7)本実施の形態においては、エッチン
グに際してレーザ等の使用は不要であることから、コス
ト的にも有利である。なお、以上説明した本発明の実施
の形態は以下のようにその構成を変更して実施すること
もできる。
【0041】・上記実施の形態においては、プラズマ生
成用電源21及びイオン入射用電源22を個別に設ける
例を示したが、同実施の形態のように平行平板形の電極
構造にあっては、これらを一つの電源に共通化するよう
に構成することもできる。また、イオン入射用電源22
を個別に設ける場合には、基板バイアス電源23にプラ
ズマ生成用電源21としての機能を併せ持たせて、この
プラズマ生成用電源21を割愛する構成とすることもで
きる。
【0042】・上記実施の形態においては、PTFE1
2を平行平板電極である上部電極14の下面に設ける例
を示したが、PTFE12の配置態様はこれに限られな
い。例えば、ガス導入孔18を有する平板状のPTFE
12を、上部電極14から離間させるかたちで上下電極
14,15間に設け、プラズマPと接するように構成し
てもよい。
【0043】・また、PTFE12を、エッチング対象
(シリコンウエハ)13が配置される下部電極15を除
いて、プラズマPをとりまく壁の一部若しくは全部に配
置し、そのPTFE12が配置された壁に前記イオン入
射用電源22を接続するように構成してもよい。この構
成においては、上記プラズマ生成用電源21及びイオン
入射用電源22の共通化は難しいものの、PTFE12
の配置態様についての自由度が増し、上述したエッチン
グ対象(シリコンウエハ)13に供給する粒子密度の均
一化を図るうえでの設計の自由度も向上するようにな
る。
【0044】・上記実施の形態のプラズマ反応炉11の
外部にさらに、プラズマPに磁界を印加する電磁コイル
を設ける構成としてもよい。同構成によれば、粒子(プ
ラズマ)密度を高めてエッチング特性をさらに向上させ
ることができるようになる。
【0045】・上記実施の形態においては、プラズマP
を発生させるプラズマ源としてArガスのみを使用する
例を示したがこれに限られない。その他、プラズマ源と
して、Arガスに酸素及び水素の少なくとも一方を添加
したガスを使用するようにしてもよい。こうした構成に
よれば、C(炭素)及びF(フッ素)を含むラジカルの
組成を積極的に変化させて、エッチング対象となる例え
ばシリコン酸化膜、シリコン、シリコン窒化膜、レジス
ト等のエッチング速さを所望の速さにコントロールする
ことが可能となる。特に、Ar(アルゴン)等の希ガス
に酸素が添加される場合には、上記エッチング対象に達
しエッチングに影響を与えるラジカルの組成においてC
(炭素)の割合を下げることができ、例えばアスペクト
比(孔の直径に対する孔の深さの割合)の大きな微細孔
のエッチングが途中で止まってしまうような不都合を防
止することができるようになる。また、Ar等の希ガス
に水素が添加される場合には、同じくラジカルの組成に
おいてF(フッ素)の割合を下げることができ、選択
比、例えばシリコンのエッチング速さに対するシリコン
酸化膜のエッチング速さの割合を高めることができるよ
うになる。そして、これら酸素及び水素の両方が適宜の
割合で混合されたガスがAr等の希ガスに添加される場
合にも、それら混合の割合に応じて上記エッチング速さ
を適宜にコントロールすることができるようになる。
【0046】・プラズマ源としてはさらに、Ar(アル
ゴン)にCx FyHz( x,y,zは任意の整数、ただしz は
0を含む)を添加したガス、若しくはAr(アルゴン)
にCxFyHz及び酸素の混合ガスを添加したガスを用い
るようにしてもよい。これによれば、従来のパーフルオ
ロカーボン(PFC)ガス、すなわちCF4やC48
のガスも使用することができるとともに、その使用量を
削減する意味での上記PTFE12の使用が有効とな
る。すなわち同構成によれば、従来のドライエッチング
装置、並びにそのプロセスをそのまま流用しつつ、上記
パーフルオロカーボン(PFC)ガスの使用量削減が可
能となる。
【0047】・また、プラズマ源としての希ガスはAr
(アルゴン)に限られず、その他、Ne(ネオン)、H
e(ヘリウム)等を使用してもよい。 ・また、プラズマ源としての希ガス等の導入にかかる構
成も、必ずしも上部電極14及びPTFE12にガス導
入孔18を設ける構成に限られず、同ガス導入孔18を
設けずにプラズマ源を導入する構成としてもよい。
【0048】・上記実施の形態においては、プラズマ反
応炉11中に配置されるラジカル源としてPTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)12を使用する例を示した
が、このラジカル源は、C(炭素)及びF(フッ素)を
含む固体であればよい。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、プラズマ
に接する態様で配置したC(炭素)及びF(フッ素)を
含む固体から、エッチングのための粒子が生成されるこ
とから、地球温暖化係数の高いパーフルオロカーボン
(PFC)ガス等を使用しないエッチングが可能とな
る。また、エッチング対象に近接して二次元のラジカル
源を持つことができることから、エッチング対象に供給
するラジカルの密度を均一にすることができるようにも
なる。そして、レーザ等の使用も不要であることから、
コスト的にも有利である。
【0050】また、請求項2記載の発明によれば、エッ
チング対象と平行に二次元のラジカル源を持つことがで
きることから、エッチング対象に供給するラジカル密度
の均一化もより容易となる。また、プラズマを生成する
ための高周波電源とイオンを入射せしめる自己バイアス
電圧を発生させるための高周波電源とでそれら電源を共
通化することも可能となる。
【0051】また、請求項3記載の発明によれば、C
(炭素)及びF(フッ素)を含む固体の配置態様につい
ての自由度が増し、エッチング対象に供給するラジカル
密度の均一化を図るうえでの設計の自由度も向上する。
【0052】また、請求項4記載の発明によれば、C
(炭素)及びF(フッ素)を含む固体からそれらC(炭
素)及びF(フッ素)を含むラジカル等を効率よく、し
かも安定して生成することができる。
【0053】また、請求項5記載の発明によれば、C
(炭素)及びF(フッ素)を含むラジカルの組成を積極
的に変化させて、エッチング対象となる例えばシリコン
酸化膜、シリコン、シリコン窒化膜、レジスト等のエッ
チング速さを所望の速さにコントロールすることが可能
となる。
【0054】また、請求項6記載の発明によれば、従来
のドライエッチング装置、並びにそのプロセスをそのま
ま流用しつつ、パーフルオロカーボン(PFC)ガスの
使用量削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドライエッチング装置の一実施の形態
についてその構造を概略的に示す部分断面図。
【図2】イオン入射用電源の電力とバイアス電圧及び放
出粒子密度の関係を示すグラフ。
【図3】従来のドライエッチング装置の構造例を示す部
分平面図。
【符号の説明】
11…プラズマ反応炉、12…PTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)、14…上部電極、15…下部電極、
18…ガス導入孔、21…プラズマ生成用電源、22…
イオン入射用電源、23…基板バイアス電源。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器中に配置したエッチング対象をプ
    ラズマを用いてエッチングするドライエッチング装置に
    おいて、 前記真空容器中にC(炭素)及びF(フッ素)を含む固
    体を前記プラズマに接する態様で配置し、該配置した固
    体に同プラズマ中の粒子を入射せしめて前記エッチング
    のための粒子を生成することを特徴とするドライエッチ
    ング装置。
  2. 【請求項2】前記エッチング対象及び前記C(炭素)及
    びF(フッ素)を含む固体は平行平板電極のそれぞれ一
    方及び他方に配置され、前記固体が配置された側の電極
    に前記プラズマ中のイオンを入射せしめる自己バイアス
    電圧を発生させるための高周波電源が接続されてなる請
    求項1記載のドライエッチング装置。
  3. 【請求項3】前記C(炭素)及びF(フッ素)を含む固
    体は、前記エッチング対象が配置される電極を除き、前
    記プラズマをとりまく壁の一部若しくは全部に配置さ
    れ、該固体が配置された壁に前記プラズマ中のイオンを
    入射せしめる自己バイアス電圧を発生させるための高周
    波電源が接続されてなる請求項1記載のドライエッチン
    グ装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラ
    イエッチング装置において、 前記プラズマのプラズマ源として、希ガスを用いたプラ
    ズマ源を使用することを特徴とするドライエッチング装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラ
    イエッチング装置において、 前記プラズマのプラズマ源として、希ガスに酸素及び水
    素の少なくとも一方を添加したガスを用いたプラズマ源
    を使用することを特徴とするドライエッチング装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラ
    イエッチング装置において、 前記プラズマのプラズマ源として、希ガスにCxFyHz
    ( x,y,zは任意の整数、ただしz は0を含む)を添加し
    たガス、若しくは希ガスにCxFyHz 及び酸素の混合ガ
    スを添加したガスを用いたプラズマ源を使用することを
    特徴とするドライエッチング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007273718A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置と方法
KR101768761B1 (ko) 2014-02-27 2017-08-17 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 고주파 플라즈마 처리 장치 및 고주파 플라즈마 처리 방법
JP2018116950A (ja) * 2017-01-16 2018-07-26 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法及び粘着テープ

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