JP2000277056A - 希ガス放電ランプ、希ガス放電ランプ点灯装置および照明装置 - Google Patents

希ガス放電ランプ、希ガス放電ランプ点灯装置および照明装置

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JP2000277056A
JP2000277056A JP12781699A JP12781699A JP2000277056A JP 2000277056 A JP2000277056 A JP 2000277056A JP 12781699 A JP12781699 A JP 12781699A JP 12781699 A JP12781699 A JP 12781699A JP 2000277056 A JP2000277056 A JP 2000277056A
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light
gas discharge
discharge
discharge lamp
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Kiyoshi Nishimura
潔 西村
Akio Watanabe
昭男 渡辺
Kunio Yuasa
邦夫 湯浅
Sadaji Shimokawa
貞二 下川
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放電が安定し、放電のちらつきが生じにくく
て、消費電力が大きくても紫外線の放射効率が良好で、
光出力が飽和しにくい外部電極を備えた希ガス放電ラン
プ、これを用いた希ガス放電ランプ点灯装置および照明
装置を提供する。 【解決手段】希ガスを主体とする放電媒体を封入すると
ともに、外径Dmm、肉厚tmm、比誘電率εが下式を
満足する細長い透光性放電容器に配設する一対の電極の
うち少なくとも一方を透光性放電容器の外面に配設され
た外部電極にした。 0.01<t/(D・ε)<0.05 透光性放電容器の静電容量を小さくして、限流インピー
ダンスとして作用する透光性放電容器のインピーダンス
を適当に大きくすることで、定電流回路にすることがで
きるから、放電が安定し、放電のちらつきが生じにくく
なる。また、上記式を満足するために、透光性放電容器
の外径を大きくすると、透光性放電容器の放熱面積が大
きくなるから、放電媒体の温度上昇が抑制されて光出力
が飽和しにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希ガスを主たる放
電媒体とする希ガス放電ランプ、これを用いた希ガス放
電ランプ点灯装置および照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】透光性放電容器の内部にキセノンなどの
希ガスを放電媒体として封入してなる希ガス放電ランプ
は、環境負荷の大きい水銀を用いなくてよいとともに、
低温時の光束立ち上がり特性が良好であるという利点が
あるので、注目されている。しかし、透光性放電容器の
両端の内部に一対の電極を封装した構造の希ガスを封入
した内部電極形の希ガス放電ランプは、発光量が少な
い。
【0003】そこで、一対の電極を透光性放電容器の外
面の長手方向に沿って離間して配設した外部電極形にす
ることにより、発光量を増加することができ、読取用な
どに用いられるようになってきた。しかし、この外部電
極形の希ガス放電ランプは、放射ノイズが多いとともに
電極間の絶縁が困難であるという弱点がある。
【0004】さらに、一方の電極を外部電極にし、他方
の電極を透光性放電容器の内部において透光性放電容器
の長手方向に延在する内部電極にした内外電極形の希ガ
ス放電ランプがたとえば特開平7−272694号公報
および特表平8−508363号公報などに開示されて
いる。この希ガス放電ランプにおいては、外部電極を接
地して点灯することにより、放射ノイズを低減すること
ができるし、また電極間の絶縁も容易である。しかし、
内部電極の封着が困難でコストが高くなるとともに、外
部電極形の放電ランプより発光量が少ないという弱点が
ある。
【0005】これに対して、本発明者らは先に以下の発
明をなし、この発明は特願平10−139751号とし
て出願されている。すなわち、通常の内部電極形放電ラ
ンプと同様に細長い透光性放電容器の両端に一対の内部
電極を封装するとともに、透光性放電容器の長手方向に
沿って一つの外部電極を配設してなり、一対の内部電極
を同電位にしたうえで、一対の内部電極と外部電極との
間に電圧を印加して点灯するように構成している。この
改良された内外電極形の希ガス放電ランプによれば、内
部電極の封装が容易になるために、コストを低減するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した少なくとも一
方が外部電極からなるいずれの希ガス放電ランプにおい
ても、消費電力を増加していくにしたがい希ガスの温度
が上昇し、これに伴って放電による紫外線の放射効率が
低下して、希ガス放電ランプの発光量が飽和するという
問題がある。
【0007】また、始動直後から安定時に至るにしたが
い光出力が低下するという問題もある。
【0008】さらに、外部電極の周縁部などと透光性放
電容器の外面との間で微小放電が発生しやすいことが分
かった。この微小放電は、大気の電離によるもので、微
小放電が発生すると、オゾンが生成され、オゾン臭がす
る。また、微小放電は、周辺のガラスを局部的に加熱す
るので、ガラスの温度上昇によってガラスの抵抗が減少
するため、漏洩電流が増加する。特にソーダライムガラ
スのようにアルカリ金属の含有量が多いガラスにおいて
は、温度上昇に伴う抵抗の減少が顕著で、絶縁破壊に至
ることがある。
【0009】本発明は、放電が安定し、放電のちらつき
が生じにくく、消費電力が大きくても紫外線の放射効率
が良好で、光出力が飽和しにくい外部電極を備えた希ガ
ス放電ランプ、これを用いた希ガス放電ランプ点灯装置
および照明装置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、加えて微小放電の発生を
防止した希ガス放電ランプ、これを用いた希ガス放電ラ
ンプ点灯装置および照明装置を提供することを他の目的
とする。
【0011】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の希ガス
放電ランプは、外径Dmm、肉厚tmm、比誘電率εが
下式を満足する細長い透光性放電容器と;透光性放電容
器内に封入された希ガスを主体とする放電媒体と;透光
性放電容器の内部に放電を生起させるように少なくとも
一方は透光性放電容器の外面に配設された外部電極によ
って構成されている一対の電極と;を具備していること
を特徴としている。
【0012】0.01<t/(D・ε)<0.05 本発明および以下の各発明において、特に指定しない限
り用語の定義および技術的意味は次による。
【0013】(透光性放電容器について)細長い透光性
放電容器は、ガラスバルブの両端を封止して形成するの
が好適であるが、要すれば透光性セラミックスなどによ
って形成したものでもよい。なお、ガラスとしては、軟
質ガラス、半硬質ガラス、硬質ガラス、石英ガラスなど
を比誘電率が所望の範囲に入るように配慮しながら適宜
選択して用いることができる。
【0014】透光性放電容器が透光性であるとは、透光
性放電容器全体が透光性であることを要件とするもので
はなく、少なくとも放電に伴って発生する光を導出しよ
うとする部分が透光性であればよい。
【0015】透光性放電容器が細長いとは、透光性放電
容器の径の2倍以上の長さを備えていることをいう。
【0016】透光性放電容器の外径Dmm、肉厚tmm
および比誘電率εを前記式を満足するように設定するこ
とにより、透光性放電容器に適切な静電容量を生成させ
ることができる。したがって、透光性放電容器の管径
は、単独では格別制限されない。しかし、外径が大きく
なると表面積が増加して放熱しやすくなるが、外径が大
きすぎると始動性が低下するので、10〜18mmの範
囲が好適であり、より最適には12〜18mmの範囲で
ある。
【0017】さらに、透光性放電容器は、直管状および
曲管状のいずれでもよい。曲管状としては、たとえばU
字状、環状、半円環状など種々の形状を採用することが
できる。
【0018】さらにまた、本発明においては、透光性放
電容器が横断面偏平であってもよいが、この場合には中
心から外部電極に対向する透光正放電容器の外面部分ま
での距離を2倍して外径とする。
【0019】さらにまた、透光性放電容器の長さは、希
ガス放電ランプの用途に適応するように適宜設定される
ので、特段制限されないが、一般的には50〜500m
m程度が好ましい。
【0020】(放電媒体について)放電媒体は、希ガス
を主体とし、希ガスはキセノン、ネオン、アルゴン、ク
リプトンなどであることを許容する。また、希ガスの他
に希ガスのハロゲン化物やハロゲン単体が添加されてい
てもよい。ハロゲンとしては、ヨウ素、臭素、塩素を用
いることができる。数mgから数気圧の範囲で蒸気とし
て存在する元素であれば、放電が可能である。
【0021】希ガスがキセノンのように放電によって紫
外線を発生する場合には、放電容器の内面側などに紫外
線により励起されて可視光を発生する蛍光体層を備える
ことができる。
【0022】また、希ガスの封入圧は、制限されない
が、100kPa以下好ましくは20〜60kPa程度
である。
【0023】(一対の電極について)本発明において、
「一対の電極」とは、一つの透光性放電容器に対して電
極を配設する際の数の制限として表現しているのではな
く、希ガス放電を生起させるのに必要な電極の作用上の
単位として表現しているものである。したがって、一つ
の透光性放電容器に対して一対の電極が一組または複数
組配設されていることを許容する。また、複数組の一対
の電極を一つの透光性放電容器に配設する態様におい
て、一方の電極が他方の複数の電極に対して単一で共通
する電極を構成していることができる。
【0024】また、一対の電極のうち少なくとも一方
は、透光性放電容器の外面に配設された外部電極とす
る。他方の電極は、外部電極および内部電極のいずれで
あってもよい。
【0025】さらに、外部電極は、従来と同様アルミニ
ウムなどの金属箔、導電性塗料膜、金属蒸着膜、透明性
導電膜、金属メッシュ構造体および比較的薄手の金属板
などを適宜用いることができる。なお、本発明におい
て、「メッシュ構造」とは、金網のような編組構造、多
数の孔隙を形成したようなパンチング構造など紫外線ま
たは可視光が部分的に透過可能な構造をいう。
【0026】他方の電極が内部電極により構成される場
合、内部電極を透光性放電容器の長手方向のほぼ全長に
わたる棒状、板状または線状の形態にすることができ
る。この場合、内部電極は、導電性金属たとえばニッケ
ル、ステンレス鋼、タングステン、モリブデンなどによ
って形成することができる。
【0027】また、内部電極は、メッシュ構造体によっ
て構成してもよい。内部電極がメッシュ構造体からなる
場合、希ガス放電によって発生した紫外線がメッシュを
通過して透光性放電容器の内面に形成した蛍光体層に入
射することができるとともに、紫外線の入射により蛍光
体が励起されて発生した可視光が内部電極のメッシュを
通過して透光性放電容器の導光用の部位から外部に導出
されやすくなる。したがって、内部電極がメッシュ構造
を備えていると、内部電極と透光性放電容器の導光用開
口との間の位置関係は、自由度が大きくなる。
【0028】次に、内部電極は、電気特性が不所望に変
化しないため、および蛍光体層などを傷付けないため
に、透光性放電容器に対して所定の位置に固定される。
そのための好ましい態様は、透光性放電容器の一端また
は両端に封着することである。
【0029】また、内部電極は、透光性放電容器の中心
軸上に位置させるのが一般的であるが、要すれば偏心さ
せてもよい。
【0030】さらに、内部電極は、以上説明した構成だ
けでなく、透光性放電容器の両端に通常の内部電極形の
放電ランプと同様な比較的短寸の一対の電極を封装し
て、これらの電極をもって内部電極とすることができ
る。この場合には、透光性放電容器の両端の内部電極を
同電位にして、外部電極との間に電圧を印加する。この
場合の一対の短寸の電極は、冷陰極および熱陰極のいず
れであってもよい。熱陰極は、フィラメント形電極およ
びセラミックス電極形のいずれの形式であってもよい。
【0031】さらにまた、内部電極を透光性放電容器に
封装するには、フレアシール、ビードシール、ピンチシ
ールなど既知の各種シール手段を適宜選択して用いるこ
とができる。
【0032】(その他の構成について)透光性放電容器
の特定の方向へ発光を集中的に導出させたい場合には、
透光性放電容器の長手方向に沿ってアパーチャと称する
導光用の光学的スリットすなわち導光用開口を形成し、
アパーチャ以外の部分に反射膜を形成すると効果的であ
る。反射膜は、反射率の高い酸化チタンなどの微粒子に
よって透光性放電容器の内面に形成することができる。
【0033】また、希ガス放電によって発生する紫外線
を透光性放電容器の外部に導出して利用する場合には、
透光性放電容器の少なくとも導光用の部分を紫外線透過
性材料によって構成すればよい。
【0034】しかし、蛍光体層を透光性放電容器の内面
側に形成して、紫外線を異なる波長のたとえば可視光に
変換して外部へ導出することができる。この場合には、
アパーチャの部分に蛍光体層を形成しないいわゆるアパ
ーチャ形およびアパーチャの部分にも蛍光体層を形成す
る反射形のいずれに構成してもよい。
【0035】蛍光体層を形成するに際して、バックライ
ト装置用、車載計器用などに用いる希ガス放電ランプの
場合には、3波長発光形の希土類蛍光体、ハロ燐酸塩蛍
光体などの白色光系の蛍光体を用いることができる。ま
た、カラー表示用の場合には、赤色、緑色および青色の
原色を発光する蛍光体を用いることができる。さらに、
読取用には、希土類のリン酸塩蛍光体(LaPO:C
3+、Tb3+)やBaAl1219:Mnのよう
な緑色を発光する蛍光体を用いることができる。さらに
また、蛍光体層には蛍光体の他に所望により他の物質を
含んでいることが許容される。
【0036】さらに、透光性放電容器の内面にアルミナ
微粒子などからなる保護膜を形成することもできる。保
護膜を形成する場合には、蛍光体層は保護膜の内面に形
成する。
【0037】(本発明の作用について)本発明における
ような外部電極を備えた希ガス放電ランプは、少なくと
も一方が外部電極である一対の電極間に比較的高い電圧
を透光性放電容器壁を誘電体とする静電容量を直列に介
在させて印加することによって、透光性放電容器内にオ
ゾナイザ放電を生起させる。そして、希ガスのオゾナイ
ザ放電によって紫外線が発生し、紫外線の照射により蛍
光体が励起されて可視光を発光する。また、オゾナイザ
放電においては、誘電体を介在させたギャップ中の微小
面積ごとにストリーマ形式の放電が発生し、ストリーマ
内部は陰極から陽極まで一様に電離が行われていると考
えられる。
【0038】放電媒体がキセノンの場合について述べる
と、キセノンは低ガス圧においては、原子発光(Xe:
波長172nm)のみであるが、約10kPa以上の圧
力では分子発光(Xe2:波長152nm、172n
m)が増加する。
【0039】そうして、透光性放電容器を誘電体とする
静電容量Cは、オゾナイザ放電の際に1/(2πfC)
の値の限流インピーダンスとして作用して、定電流回路
を形成し、オゾナイザ放電がアーク放電に移行するのを
抑制するとともに、特定個所に放電が集中するのを防止
する。
【0040】ところが、上記限流インピーダンスの値
は、周波数に反比例する関係にあるので、高周波点灯を
行うと、インピーダンスが小さくなりすぎて定電流回路
が形成されなくなってしまうことがある。定電流回路が
形成されないと、ランプ電圧の変動によってランプ電流
が変化してしまい、放電が不安定になる。
【0041】これに対して、本発明においては、透光性
放電容器の外径Dmm、肉厚tmmおよび比誘電率εを
下式を満足するように設定することで、静電容量を小さ
くして、限流インピーダンスの値を所要に高めることが
できる。
【0042】0.01<t/(D・ε)<0.05 このため、常に定電流回路が形成されるから、放電が安
定する。
【0043】しかし、上記式の下限値以下では静電容量
が大きくなって限流インピーダンスが小さくなりすぎ、
また上限値以上になると、静電容量が小さくなって限流
インピーダンスが大きくなりすぎて、所要のランプ電流
が流れなくなるので、いずれも不可である。
【0044】さらに、一般にランプ電流を大きくして消
費電力を増加すると、管壁温度が上昇して光出力が飽和
するが、本発明において上記式を満足させるために、透
光性放電容器の外径を大きくした場合、透光性放電容器
の放熱面積が拡張されて管壁温度の上昇を抑制するか
ら、光出力が飽和しにくい。
【0045】ところで、本発明においては、前述したよ
うに透光性放電容器の両端に、内部電極形の放電ランプ
に用いられているのと同様な電極を一対封装して、これ
らを外部電極に対する内部電極とすることができるが、
この希ガス放電ランプを点灯するには、一対の内部電極
を同電位にして、内部電極と外部電極との間に電圧を印
加して、それらの間に放電を生起させる。そうすると、
一対の内部電極の間が導電体によって接続されているよ
うに透光性放電容器のほぼ全長にわたって比較的に均一
な希ガス放電を発生させることができる。
【0046】本発明によれば、上述したように少なくと
も内部電極については通常の内部電極形の放電ランプと
同様構造であることを許容するから、製造設備、製造方
法およびパーツをそのまま利用することができるので、
大幅なコストアップを避けることができる。
【0047】また、上記の場合に以下のように構成する
ことにより、発光量を増加させるか、発光分布を均一化
させるか、およびまたは内部電極の近傍の明るさのちら
つきを抑制することができる。
【0048】1 希ガスの封入圧力をP(Pa)とした
場合に、希ガス放電ランプの定格ランプ電流(mA)を
外部電極の面積(cm)で除したランプ電流密度I
(mA/cm)が下式を満足する。(発光量の増加) −0.2666×P+410.8451>I>0.1
333×P−2.0132 2 希ガスを13332.2〜53228.8Pa封入
する。(発光量の増加) 3 それぞれの内部電極に対向する部分が透光性放電容
器の全周を包囲するリング状部分を形成している外部電
極を用いる。(明るさのちらつき抑制) 4 透光性放電容器の中央部の幅が両端部の幅より大き
い外部電極を用いる。(発光分布の均一化) さらに、本発明においては、一対の電極を透光性放電容
器の外面に離間対向して配設した外部電極によって構成
することができる。外部電極は、電極を透光性放電容器
に封着する必要がないので、コストを下げることができ
るとともに、発光量が多い。
【0049】しかし、一般に電極間の絶縁が困難である
が、透光性放電容器および外部電極に密着して透明質絶
縁被覆を形成し、さらにその上から透明質熱収縮チュー
ブを配設することにより、電極間の絶縁を改善すること
ができる。
【0050】また、一対の電極が外部電極であると、一
般に放射ノイズが高くなるが、通常行われている矩形波
パルス電圧点灯に代えて正弦波交流の半波整流波形のパ
ルス電圧を用いて点灯することにより、発光量の低下を
少なくして放射ノイズを大幅に低減させることができ
る。さらに、正弦波交流の高周波電圧を印加して点灯す
ることにより、さらに放射ノイズを低減させることがで
きる。
【0051】次に、以上説明した各希ガス放電ランプを
高周波で点灯する場合について説明する。
【0052】高周波電源の出力電圧波形は、正弦波交
流、正弦波交流に直流が重畳した非対称交流およびパル
スなどのいずれであってもよい。また、パルスには正弦
波交流の半波整流波形を含むものとする。なお、本発明
において、高周波とは1kHz以上の周波数または繰り
返し周波数をいう。実際的には4kHz〜1MHzの範
囲を用いることができるが、30kHz以上が一般的に
は好ましく、また特に100kHz以上であると放電の
ちらつきが生じにくいので一層好適である。
【0053】直流が重畳した非対称波形電圧によって希
ガス放電ランプを点灯すると、対称波形の電圧によって
点灯するより、発光効率が向上して光量を多く得ること
ができる。
【0054】また、パルス点灯や正弦波交流の半波整流
波形の電圧による点灯にすると、印加電圧波形の間の休
止期間にアフターグローを生じてさらに発光効率が向上
して一層多くの発光量を得ることができる。
【0055】さらに、希ガス放電ランプの外部電極を接
地すると、放射ノイズが減少するとともに、絶縁が容易
になる。
【0056】さらにまた、希ガス放電ランプと高周波電
源とは、一体化してもよいし、互いに離間した別体とし
て構成されていてもよい。
【0057】さらにまた、希ガス放電ランプを調光点灯
させることができる。この場合、調光手段は問わない
が、たとえばPWM方式の調光手段を用いることができ
る。
【0058】請求項2の発明の希ガス放電ランプは、請
求項1記載の希ガス放電ランプにおいて、透光性放電容
器は、外径が12〜18mmであるとともに、単位長さ
当たりの消費電力が0.1〜0.3W/mmであり;放
電媒体の封入圧が20〜60kPaである;ことを特徴
としている。
【0059】透光性放電容器の外径を12〜18mmに
規定することにより、始動性を阻害しない程度に静電容
量を小さくすることができる。
【0060】また、透光性放電容器の単位長さ当たりの
消費電力を0.1〜0.3W/mmに規定することによ
り、管壁温度の過昇を防止して光出力が飽和しにくくす
ることができる。
【0061】さらに、放電媒体の封入圧を20〜60k
Paに規定することにより、発光効率を高くすることが
できる。ただし、封入圧が60kPaを超過すると、放
電のちらつきが顕著になるので、避けるべきである。な
お、「放電のちらつき」とは、短周期の光出力の激しい
変動のことであり、人の眼に感じる明るさのちらつきと
は異なる。
【0062】請求項3の発明の希ガス放電ランプは、請
求項1または2記載の希ガス放電ランプにおいて、印加
電圧の周波数が100kHz以上であることを特徴とし
ている。
【0063】印加電圧の周波数すなわち点灯周波数が1
00kHz以上であると、放電のちらつきが低減する効
果がある。
【0064】請求項4の発明の希ガス放電ランプは、請
求項1ないし3のいずれか一記載の希ガス放電ランプに
おいて、一対の電極は、その一方が透光性放電容器の外
面に配設された外部電極であり、他方が透光性放電容器
の内部に長手方向に沿って配設されるとともに、表面積
Smmとランプ電流の実効値IAとが下式を満足する
内部電極である;ことを特徴としている。
【0065】I/S<0.5(A/mm) 内部電極の径が小さいと、放電媒体のスパッタリングに
よって内部電極の温度が上昇し、場合によっては赤熱化
し、甚だしいときには溶断することもある。
【0066】本発明においては、内部電極の表面積を上
記式を満足するように構成することにより、ランプ電流
を増加しても内部電極の温度が過昇することはない。
【0067】本発明は、一対の電極の一方が内部電極に
よって構成されるから、外部電極をアパーチャの部分を
除いて透光性放電容器の全体に形成し、さらに外部電極
を接地することにより、放射ノイズを大幅に低減するこ
とができる。
【0068】また、電極間の絶縁も容易になる。
【0069】さらに、本発明のような内部電極を用いる
と、電極が両方とも外部電極の場合に比較して一般に発
光量が少なくなるのであるが、以下のいずれかに構成す
ることにより、発光量を増加させることができる。
【0070】1 内部電極を板状にする。
【0071】2 内部電極をメッシュ状にする。
【0072】3 内部電極を加熱されて熱電子放射を行
うように構成する。
【0073】4 内部電極の表面に誘電体層を形成す
る。
【0074】さらにまた、内部電極は、その一端を透光
性放電容器の一端に封着し、他端を透光性放電容器の他
端近傍においてフリーにした構造でもよいし、両端を透
光性放電容器の両端に封着した構造にしてもよい。
【0075】請求項5の発明の希ガス放電ランプは、請
求項1ないし4のいずれか一記載の希ガス放電ランプに
おいて、一対の電極は、その一方が透光性放電容器の外
面に配設された外部電極であり;他方が透光性放電容器
の内部に配設された内部電極であり;一対の電極間にピ
ーク値が2kV以下の交流電圧またはパルス電圧が印加
されたときに微小放電が発生することなく点灯するよう
に構成されている;ことを特徴としている。
【0076】微小放電は、外部電極と外部電極に対向す
る透光性放電容器の内面との間の単位面積当たりの静電
容量の大きさによって変化する。すなわち、上記静電容
量が相対的に大きくなると、相対的に低い電圧を印加し
ても微小放電は発生する。したがって、印加電圧が2k
V以下で微小放電が発生しないためには、静電容量が小
さく規制されている必要がある。
【0077】透光性放電容器の単位面積当たりの静電容
量は、透光性放電容器誘電率を左右する材質および肉厚
により変化する。そして、上記静電容量を許容範囲内に
おいてなるべく小さく規定することによって、微小放電
開始電圧を高くすることができ、これに伴いピーク値が
2kV以下の電圧を一対の電極間に印加して点灯させて
も微小放電が発生しない希ガス放電ランプを実現するこ
とができる。
【0078】なお、印加電圧を2kV以上にすることに
より、ランプ電流を増加することもできるが、放電が局
部的に発生するので、透光性放電容器が放電により破壊
されやすくなるので、実用的でない。
【0079】次に、印加電圧の波形について説明する。
【0080】印加電圧の波形は、正弦波がノイズが低減
するので好ましい。そして、正弦波交流電圧を連続的に
印加するか、または断続的に印加することができる。な
お、連続印加は、希ガス放電ランプを全光点灯する場合
に、また断続的印加は調光点灯する場合に、それぞれ好
適である。
【0081】一方、パルス電圧は、アフターグローによ
り発光量の増加が期待できるが、正弦波交流の半波整流
波形からなるパルス電圧を用いることにより、矩形波の
パルス電圧よりノイズ発生が少なくなるので好ましい。
【0082】請求項6の発明の希ガス放電ランプは、請
求項4または5記載の希ガス放電ランプにおいて、外部
電極と外部電極に対向する透光性放電容器の内面との間
の単位面積当たりの静電容量が0.03μF/m以下
であることを特徴としている。
【0083】上記静電容量が0.03μF/m以下で
あると、電極間にピーク値が2kVまでの電圧を印加し
ても微小放電が発生しないとともに、静電容量によって
形成される限流インピーダンスが大きくなるので、定電
流回路が形成されて放電が安定する。
【0084】本発明において、上記静電容量は、外部電
極の輪郭により画成される面積を有する連続した導電体
を一方の電極とし、透光性放電容器を誘電体として、そ
の内面に上記一方の電極に正対する同一形状および面積
の他方の電極が配設されていると仮定した場合の両電極
間に表れる静電容量をいう。外部電極がメッシュからな
る場合は、その輪郭が一致する連続した導電体として静
電容量を求めるものとする。
【0085】したがって、上記の静電容量は、外部電極
の輪郭により定まる面積、透光性放電容器の誘電率およ
び肉厚から計算によって求めることができる。しかし、
実際に透光性放電容器の内面に外部電極の輪郭に周縁が
対向する電極を形成したLCRメーターにより測定して
求めることもできる。
【0086】請求項7の発明の希ガス放電ランプは、請
求項4ないし6のいずれか一記載の希ガス放電ランプに
おいて、外部電極は、透光性放電容器の長手方向に沿
い、かつ互いに離間して複数配設されており;各外部電
極と内部電極との間に生起する希ガス放電によって励起
されるように透光性放電容器の内面側に形成された蛍光
体層を具備し;透光性放電容器は、各外部電極に対応し
て複数の導光用開口を備えている;ことを特徴としてい
る。
【0087】本発明において、透光性放電容器の長さは
制限されないが、たとえば長さが200〜500mm
で、外径が一般的に20mm以下、好適には6〜8mm
に構成することができる。
【0088】また、外部電極は、透光性放電容器の長手
方向に沿って10〜20個程度配設することが好まし
い。
【0089】さらに、導光用開口は、各外部電極とこれ
に対応する内部電極との間の希ガス放電によって生じる
紫外線に励起されて発生する発光を個別に外部に導出で
きればよく、見かけ上は透光性放電容器の長手方向に沿
った細長い連続した一個の導光用開口であってもよい
し、また複数に分離していてもよい。
【0090】本発明においては、共通とすることが許容
される内部電極に対して、少なくとも外部電極を透光性
放電容器の長手方向に沿って複数配設して、任意の外部
電極とこれに正対する内部電極との間に電圧を印加する
ことにより、任意の外部電極と、これと正対する内部電
極の領域との間に局部的に希ガス放電が生起する。そし
て、希ガス放電が生起している領域に存在する蛍光体層
が励起されて可視光を発生する。発生した可視光は、電
圧が印加された外部電極に対応する導光用開口から外部
へ導出される。
【0091】次に、内部電極を電源の一極に接続したま
まで上記の外部電極に対する電源の他極への接続を遮断
し、今度は異なる外部電極を電源の他極に接続すると、
今までの発光領域は暗転し、異なる外部電極に対応する
導光用開口から発光が外部へ導出される。
【0092】以上の説明から理解できるように、内部電
極が電源の一極に継続的に接続された状態において、選
択された外部電極が電源の他極に接続されることによ
り、その外部電極とこれに正対する内部電極の領域との
間に希ガス放電が生起して、その外部電極に対応する導
光用開口から導光されるから、電源に接続する外部電極
を切り換えることによって発光点が移動することにな
る。
【0093】したがって、隣接する外部電極に順次切り
換えていくことにより、発光点が時間とともに移動する
流れ点滅を行わせることもできる。
【0094】もちろん、複数の外部電極を電源の他極に
同時に並列接続すれば、複数の外部電極に対応する導光
用開口が発光することになる。
【0095】以上の説明は、外部電極を切り換える間内
部電極を継続的に電源の一極に接続している態様であっ
たが、外部電極の切り換えの都度内部電極を同時または
適当な時間差で切り換えてもよい。
【0096】また、内外電極間に印加する電圧を点灯周
波数より明らかに低い周波数でデューティ制御を行うこ
とにより、本発明の希ガス放電ランプの発光点を調光す
ることができる。
【0097】したがって、本発明の希ガス放電ランプを
多数整列して配設するとともに、各外部電極を個別に制
御可能に回路を構成することにより、階調のある静止画
または動画の画像表示を行うことが可能になる。さら
に、赤色発光蛍光体層を備えた希ガス放電ランプ、緑色
発光蛍光体層を備えた希ガス放電ランプおよび青色発光
蛍光体層を備えた希ガス放電ランプを一組としてカラー
絵素ランプユニットを構成し、このカラー絵素ランプユ
ニットを複数組整列して配置することにより、カラー画
像表示を行うことも可能である。
【0098】そうして、本発明においては、外部電極に
よる静電容量、印加電圧の周波数およびピーク値を所定
範囲に規制することにより、点灯回路の浮遊静電容量に
起因する漏れ放電による発光を防止するとともに、オゾ
ンの発生を抑制することができる。しかし、漏れ放電を
さらに一層低減したいときには、隣接する外部電極の間
において透光性放電容器を縮径するか、内部電極に支持
させた遮蔽板を隣接する外部電極の間に位置させるなど
の対策をすることができる。
【0099】請求項8記載の希ガス放電ランプ点灯装置
は、請求項1ないし7のいずれか一記載の希ガス放電ラ
ンプと;ピーク値が2kV以下で、周波数または繰り返
し周波数が30kHz以上の交流電圧またはパルス電圧
を希ガス放電ランプに印加する電源装置と;を具備して
いることを特徴としている。
【0100】本発明において、希ガス放電ランプは、外
部電極および透光性放電容器によって形成される静電容
量が限流インピーダンスになるので、電源装置側に限流
インピーダンスを接続する必要がないが、要すれば別に
用いることができる。
【0101】また、本発明においては、上記交流電圧ま
たはパルス電圧の周波数または繰り返し周波数が30k
Hz以上の高周波数範囲において所期の作用を奏する。
なぜなら、30kHz未満であると、所望の放電電流を
希ガス放電ランプに通流させることが困難であるととも
に、可聴周波数帯域になると可聴ノイズ発生の問題が加
わるからである。
【0102】しかし、周波数の上限に対する理由はな
く、電源装置に用いる半導体デバイスの性能によって自
ずと経済的な周波数は決まるものの、少なくとも1MH
z程度までは十分に実用的である。
【0103】2kV以下のピーク値の交流電圧またはパ
ルス電圧を発生するための回路方式および回路構成につ
いては問わない。しかし、一般的には高周波インバータ
を電源装置として用いることができる。正弦波交流点灯
する場合には、正弦波出力形高周波インバータの高周波
出力をそのまま印加することができる。パルス点灯する
場合には、高周波出力を半波整流してパルス電圧を形成
してもよい。
【0104】請求項9の発明の希ガス放電ランプ点灯装
置は、請求項8記載の希ガス放電ランプ点灯装置におい
て、ランプ電流をIAとし、点灯周波数をfHzとした
きに、希ガス放電ランプの外部電極と外部電極に対向す
る透光性放電容器の内面との間の静電容量Cが下式を満
足することを特徴としている。
【0105】C>I/4πf×10 (F) 本発明は、所定のランプ電流および点灯周波数に対し
て、微小放電を発生しないための希ガス放電ランプの外
部電極および透光性放電容器により定まる静電容量Cの
値を規定している。
【0106】すなわち、印加電圧が2kV以上である
と、微小放電を生じるので、周波数fHzによって希ガ
ス放電ランプを点灯する場合に、微小放電が発生しない
で、しかも所定のランプ電流を流すには、上記式を満足
する静電容量を備えていればよい。
【0107】なお、点灯周波数fHzは、印加電圧が交
流のときは周波数を、パルス電圧のときは繰り返し周波
数を、それぞれ示すものとする。
【0108】請求項10の発明の照明装置は、照明装置
本体と;照明装置本体に配設された請求項8または9記
載の希ガス放電ランプ点灯装置と;を具備していること
を特徴としている。
【0109】本発明において、照明装置とは、希ガス放
電ランプの発光を利用するあらゆる装置を含む広い概念
であり、たとえばバックライト装置、画像読取装置およ
び画像読取装置を含むとともに、これらを組み込んだ各
種OA装置、照明器具および表示装置などをも含むもの
である。
【0110】また、照明装置本体とは、照明装置から放
電ランプ点灯装置を除いた残余の部分をいう。
【0111】さらに、本発明をバックライト装置に適用
する場合、直下式バックライト装置およびサイドライト
式バックライト装置のいずれであっても効果的である。
【0112】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0113】図1は、本発明の希ガス放電ランプの第1
の実施形態を示す横断面図である。
【0114】図2は、同じく縮小縦断面図である。
【0115】各図において、1は透光性放電容器、2は
蛍光体層、3は外部電極、4は内部電極、5は接着剤層
である。
【0116】透光性放電容器1は、外径Dが15mm、
肉厚tが2.0mm、比誘電率εが5.1のホウケイ酸
ガラスの細長いガラスバルブからなり、内面にアパーチ
ャ1aを除いて蛍光体層2が形成されている。また、透
光性放電容器1内には、希ガスとしてキセノンが30k
Pa封入されている。
【0117】なお、図2では主として透光性放電容器1
と内部電極4との取付関係を示すため、蛍光体層2およ
び接着剤層5の図示を省略している。
【0118】外部電極3は、アルミニウム箔からなり、
面積約20%のアパーチャ1aの部分を除いて透光性放
電容器1を包囲するように透光性放電容器1の外面に接
着されている。
【0119】内部電極4は、1.2mm径のニッケル棒
からなり、透光性放電容器1の両端に封着されている。
【0120】接着剤層5は、外部電極3を透光性放電容
器1に接着している。
【0121】そうして、本実施形態の希ガス放電ランプ
は内外電極形であり、外部電極3を接地して点灯するこ
とができる。そして、周波数5000kHz、調光周波
数50kHzのPWM制御による50%調光に設定した
出力電圧1.5kVの一極を接地した高周波電源の高圧
側の他極を放電ランプの内部電極4に接続して、放電ラ
ンプをランプ電流200mAで点灯した。なお、ランプ
電流は、熱的現象による面積制限であるため、実効値で
考えて差し支えない。
【0122】また、上記構成により、透光性放電容器1
に適当なインピーダンスを付与できるので、ノイズや空
間的な電流の集中による放電のちらつきが防止された。
これに対して、従来技術においては、透光性放電容器の
静電容量によるインピーダンスが小さいために、印加電
圧波形のピーク値部分において、急峻な電流が流入して
放電のちらつきが生じる。
【0123】図3は、希ガス放電ランプにおける透光性
放電容器の外径Dmm、肉厚tmmおよび比誘電率εの
変化と放電のちらつきとの関係を示すグラフである。
【0124】図において、横軸はt/D・εを、縦軸は
放電のちらつき(%)を、それぞれ示す。
【0125】t/D・εは、静電容量に反比例的であ
り、これが大きくなるのに伴って放電のちらつきが低減
している。放電のちらつきが5%以下であれば、実用上
問題がない。
【0126】なお、図は、透光性放電容器の外径12m
m、長さ300mm、放電媒体としてキセノンを30k
Pa封入した放電ランプであって、肉厚tおよび比誘電
率εを変化させたものに対して1.5kVの電圧を印加
して点灯した際の放電のちらつきを測定して求めたもの
である。
【0127】図4は、希ガス放電のちらつきを説明する
一部拡大光出力波形図である。
【0128】図において、横軸は時間を、縦軸は光出力
(任意値)を、それぞれ示す。
【0129】放電のちらつきは、光出力の平均値に対す
るピーク値と谷値との差の割合(%)で示す。
【0130】図の拡大部分に示すように、放電のちらつ
きが発生していると、光出力のピーク値と谷値との差が
大きくなる。
【0131】図5は、希ガス放電ランプの透光性放電容
器の単位長さ当たりの消費電力と相対照度との関係を示
すグラフである。
【0132】図において、横軸はW/mmを、縦軸は相
対照度(%)を、それぞれ示す。曲線Aは透光性放電容
器の外径が12mm、曲線bは同じく15mm、曲線c
は同じく18mmの場合のデータを示す。
【0133】図から理解できるように、放電ランプの消
費電力を増加すると、ある程度までは光出力が増加する
が、それ以上になると、飽和してくる。
【0134】また、透光性放電容器の外径が大きい方が
飽和しにくい。
【0135】そうして、外径12〜18mmの範囲にお
いては、0.1〜0.3W/mmの範囲において、消費
電力を増加させることによって光出力を増加させること
ができる。
【0136】図6は、希ガス放電ランプの点灯開始後の
経過時間に対する相対照度および管壁温度の関係を示す
グラフである。
【0137】図において、横軸は経過時間(分)を、縦
軸は左側が相対照度(%)を、右側が管壁温度(℃)
を、それぞれ示す。また、曲線Dは相対照度を示し、曲
線Eは管壁温度を示す。
【0138】測定に用いた希ガス放電ランプは、透光性
放電容器の外径12mm、長さ300mm、放電媒体は
キセノン30kPaで、点灯5000時間後のものを消
費電力50Wで、単位長さ当たりの消費電力が0.17
W/mmで点灯したときのデータである。
【0139】図7は、希ガス放電ランプの放電媒体の封
入圧と、相対発光効率および放電のちらつきとの関係を
示すグラフである。
【0140】図において、横軸は放電媒体の封入圧(k
Pa)を、縦軸は左側が相対発光効率(%)を、右側が
放電のちらつき(%)を、それぞれ示す。また、曲線F
が相対発光効率を示し、曲線Gが放電のちらつきを示
す。
【0141】図から理解できるように、放電媒体を20
kPa以上にすれば、高い発光効率が得られるが、60
kPa以上になると、放電のちらつきが高くなりすぎ
る。放電媒体が20〜60kPaの範囲が適当である。
【0142】図8は、希ガス放電ランプの内部電極の表
面積に対するランプ電流の実効値と照度維持率との関係
を示すグラフである。
【0143】図において、横軸はI/S(A/mm
を、縦軸は照度維持率(%)を、それぞれ示す。
【0144】図から理解できるように、I/Sが0.5
(A/mm)以上になると照度維持率が急激に低下す
る。したがって、内部電極の表面積を大きくしてI/S
を0.5(A/mm)未満になるようにするのがよ
い。
【0145】図9は、本発明の希ガス放電ランプの第1
の実施形態における内部電極が負位相時の希ガス放電の
メカニズムを模式的に説明するとともに紫外線発光領域
を示す要部拡大断面図である。
【0146】図10は、同じく内部電極が正位相時の要
部拡大断面図である。
【0147】各図において、図1と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。また、蛍光体層の図
示は説明上関係ないので省略している。
【0148】内部電極4が負位相時においては、透光性
放電容器1の内部のキセノンの放電によって生成された
プラズマを介して外部電極3に向かって電子が放出さ
れ、外部電極3に対向する透光性放電容器1の内面に到
着する。しかし、電子は透光性放電容器1内を通過する
ことができないので、透光性放電容器1の内面に付着し
て当該内面を負に帯電する。これと同時に、外部電極3
は電気的に等量の正電位に帯電したことになる。以上の
状態は、外部電極3および外部電極3に対向する透光性
放電容器11の内面の間の静電容量が図9の極性に充電
されていることを示している。
【0149】次に、内部電極4が正電位になると、透光
性放電容器1内のキセノン放電により生成されたプラズ
マを介して電子が内部電極4に吸引されて内部電極4内
に流入して、電源に戻る。これと同時に、透光性放電容
器1の当該内面は、電気的に等量の正電位に帯電したこ
とになる。
【0150】そして、再び内部電極4が負位相時になる
と、外部電極3の電子が電源に戻って説明の最初に戻
り、以後以上の動作を繰り返す。その結果、内部電極4
と透光性放電容器1の当該内面との間を電子が行き来し
て希ガス放電が維持される。これを電源から見れば、電
流が希ガス放電ランプに通流して希ガス放電が行われる
ことを意味する。換言すれば、透光性放電容器を誘電体
として外部電極によって形成される静電容量に充放電が
繰り返されるのに伴って希ガス放電ランプ内のキセノン
が放電して紫外線を発光することになる。
【0151】そうして、内部電極4が負位相時には、図
9に示す領域7が紫外線発光する。また、内部電極4が
正位相時には、図10に示す領域8が紫外線発光する。
【0152】これに対して、微小放電は、透光性放電容
器1と外部電極3との間の大気の絶縁破壊によって生じ
るので、透光性放電容器1を誘電体とする外部電極3に
よる静電容量を小さくすれば、それらの間の電界強度が
小さくなって微小放電も生じにくくなるのである。
【0153】図11は、本発明の希ガス放電ランプの第
2の実施形態を示す正面図である。
【0154】図12は、同じく外部電極の要部拡大展開
図である。
【0155】図13は、同じく紫外線発光領域を示す要
部拡大断面図である。
【0156】各図において、図1と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0157】本実施形態は、外部電極3をメッシュ構造
にした点で異なる。
【0158】すなわち、シームレスのメッシュ金属構造
体を外部電極3として透光性放電容器1の全周にわたっ
て被覆したものである。本実施形態のメッシュ構造体
は、いわゆるメリヤス編みになっているので、予め径大
にしたメッシュの筒の中に透光性放電容器1を挿入して
から、筒体の両端を引っ張ると、メッシュ構造体は縮径
して透光性放電容器1の外側に密着して装着される。
【0159】そうして、透光性放電容器1内に発生した
紫外線は、透光性放電容器1の全周にわたって外部電極
3のメッシュの間から外部に導出される。
【0160】また、外部電極3がメッシュ構造である
と、図13に示すように、紫外線発光の領域9が図9お
よび図10に示す発光の領域7および8より拡大される
という特徴が認められる。すなわち、発光量が増大す
る。
【0161】次に、本発明の希ガス放電ランプの第3の
実施形態について説明する。
【0162】本実施形態のランプ構造は、図1に示す第
1の実施形態と同様であるが、数値が異なり、以下のと
おりである。
【0163】すなわち、透光性放電容器1は、外径10
mm、肉厚1mm、長さ300mmのホウケイ酸ガラス
からなる。
【0164】放電媒体は、キセノン40kPaである。
【0165】内部電極4は、直径1mmのNi棒をガラ
スコバール金属を介して透光性放電容器1の両端に封装
している。
【0166】蛍光体層2は、LaPO4:Ce、Tbか
らなり、透光性放電容器1の導光用開口であるアパーチ
ャ1aを除く全周面すなわち270゜の範囲に形成して
いる。
【0167】そうして、本実施形態の希ガス放電ランプ
の外部電極3および内部電極4の間にたとえば点灯周波
数30kHzの電源装置を接続して点灯すると、外部電
極3および内部電極4の近傍で波長172nmを最大値
とする紫外線が放射され、紫外線は蛍光体層2を照射す
る。紫外線の照射により、蛍光体は励起されて緑色の可
視光を発生する。発生した可視光は、アパーチャ1aか
ら外部に導出されるので、たとえば読取用光源として利
用することができる。
【0168】次に、上記実施形態において、点灯周波数
を変化したときの微小放電の開始電圧を測定した結果に
ついて説明する。
【0169】図14は、本発明の希ガス放電ランプの第
3の実施形態における点灯周波数と大気中の微小放電開
始電圧との関係を示すグラフである。
【0170】図において、横軸は点灯周波数(kHz)
を体数表示で、縦軸は大気中の微小放電開始電圧(V)
を、それぞれ示す。
【0171】すなわち、少なくとも1MHzまでにあっ
ては微小放電は、点灯周波数に関係なく一定である。
【0172】図15は、本発明の希ガス放電ランプの第
3の実施形態において外部電極の面積および点灯周波数
を一定した場合に所定ランプ電流が流れる際の印加電圧
との関係を示すグラフである。
【0173】すなわち、このグラフは、外部電極の面積
を30×300×10−6一定にしながら、種々の
静電容量を備えた各種の希ガス放電ランプを用意して、
点灯周波数50kHzにおいて点灯した際に、ランプ電
流が170mA一定になるときの印加電圧を調査した結
果に基づいて作成したものである。
【0174】なお、印加電圧が2000V以上では微小
放電が発生するので好ましくない。したがって、微小放
電が発生しないで所定のランプ電流を流すためには、静
電容量が3μF/m以上であればよい。
【0175】図において、横軸は単位面積当たりの静電
容量(μF/m)を、縦軸は印加電圧(V)を、それ
ぞれ示す。
【0176】単位面積当たりの静電容量が3μF/m
以上の場合に、印加電圧が2kV以下になることが分か
る。
【0177】図16は、本発明の希ガス放電ランプの第
4の実施形態を示す正面図である。
【0178】図17は、同じく拡大側面図である。
【0179】各図において、図1と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0180】本実施形態は、主として内部電極が異な
る。
【0181】すなわち、内部電極4は、一対の冷陰極4
A、4Bを透光性放電容器1の両端に封装することによ
って構成されている。これに伴って、外部電極3は、内
部電極4に対向する部位にリング状部分3a、3aを備
えている。
【0182】なお、透光性放電容器1は、内部の蛍光体
層の図示を省略して内部を透視できるようにしている。
【0183】図18は、本発明の希ガス放電ランプの第
5の実施形態を示す横断面図である。
【0184】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0185】本実施形態は、希ガス放電ランプが外部電
極形である点で異なる。
【0186】すなわち、一対の外部電極3A、3Bがア
パーチャ1aを挟んで離間対向して配設されている。
【0187】図19は、本発明の希ガス放電ランプ点灯
装置の第1の実施形態を示す回路図である。
【0188】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。本実施形態における希
ガス放電ランプは、図1に示すものと同一構造である。
【0189】11は低周波交流電源、12は高周波電源
装置である。
【0190】高周波電源装置12は、高周波インバータ
を主体として構成されており、低周波交流電源11から
の低周波交流電圧を入力して、整流し、さらに周波数3
0kHz以上の高周波に変換して、外部電極3と内部電
極4との間にピーク値が2kV以下の高周波交流電圧を
印加する。これにより希ガス放電ランプは点灯する。
【0191】図20は、本発明の希ガス放電ランプ点灯
装置の第2の実施形態を示す回路図である。
【0192】図において、図16および図19と同一部
分については同一符号を付して説明は省略する。
【0193】希ガス放電ランプは、図16に示すのと同
一構造である。
【0194】高周波電源装置12は、高周波発生回路1
2a、出力トランス12b、コンデンサ12cおよびダ
イオード12dから構成されている。
【0195】高周波発生回路12aは、インバータから
なり、周波数30kHz以上の正弦波の高周波交流電圧
を発生し、その出力端は出力トランス12bの1次巻線
に接続している。
【0196】出力トランス12bの2次巻線の一端は、
コンデンサ12cを介して一対の冷陰極4A、4Bに接
続し、他端は接地されている。このため、一対の冷陰極
4A、4Bは同電位になる。
【0197】ダイオード12dは、そのカソードがコン
デンサ12cと冷陰極4A、4Bとの接続点に接続し、
アノードが接地されている。
【0198】外部電極3は、接地されている。
【0199】そうして、高周波交流電圧の正の半波は、
コンデンサ12cを介して一対の冷陰極4A、4Bと外
部電極3との間に印加される。これに対して、負の半波
は、出力トランス12bの2次巻線、ダイオード12d
およびコンデンサ1cからなる閉回路中を流れるので、
冷陰極4A、4Bおよび外部電極3の間には印加されな
い。このため、放電ランプは、正弦波の正の半波整流波
形の高周波パルス電圧によって点灯する。
【0200】図21は、本発明の希ガス放電ランプ点灯
装置の第3の実施形態を示す回路図である。
【0201】図において、図20と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0202】本実施形態は、正弦波の高周波交流電圧を
内部電極および外部電極の間に印加して図16に示すの
と同一構造の希ガス放電ランプを点灯するように構成し
ている点で異なる。
【0203】すなわち、正弦波の高周波交流を発生する
高周波インバータからなる高周波電源装置12の出力ト
ランス12bの一端を一対の冷陰極4A、4Bに接続
し、他端を外部電極4の接続するとともに、接地したも
のである。
【0204】本実施形態の特徴は、図20に示す希ガス
放電ランプ点灯装置より放射ノイズが低減されることで
ある。
【0205】図22は、本発明の希ガス放電ランプの第
6の実施形態および希ガス放電ランプ点灯装置の第4の
実施形態を示す一部切欠正面図および回路図である。
【0206】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0207】本実施形態は、表示用として好適な希ガス
放電ランプおよびその点灯回路である。
【0208】すなわち、3本の希ガス放電ランプD
、DL、DLそれぞれにおいて、透光性放電容
器1の長手方向に沿って封装された共通の内部電極4に
対して、透光性放電容器1の長手方向に沿い、かつ内部
電極4に正対する複数の外部電極3a、3b、…、3n
が配設されている。また、各外部電極3a、3b、…、
3nに対応して導光用開口1a、1b、…、1nが形成
されている。
【0209】希ガス放電ランプDLの透光性放電容器
1の内面側には赤色発光形の蛍光体層が形成されてい
る。同様に、希ガス放電ランプDLの透光性放電容器
1の内面側には緑色発光形の蛍光体層が形成され、また
希ガス放電ランプDLの透光性放電容器1の内面側に
は青色発光形の蛍光体層が形成されている。すなわち、
希ガス放電ランプDLは赤色発光し、DLは緑色発
光し、DLは青色発光する。
【0210】そうして、3本の希ガス放電ランプD
、DL、DLは、1個のカラー発光ユニットC
PLYを構成している。このカラー発光ユニットCPL
Yは、外部電極3a、3b、…、3nの数に等しい数の
カラー絵素を形成することになる。
【0211】カラー発光ユニットCPLYを点灯するに
際して、各内部電極4は、高周波電圧を出力するととも
に、一方の極が接地されている高周波電源装置12の他
方の極に接続される。
【0212】これに対して、各外部電極3a、3b、
…、3nは、それぞれスイッチSa、Sb、…、Snお
よび接地を介して高周波電源装置12の他極に接続され
る。すなわち、各外部電極3a、3b、…、3nは、接
地された状態で点灯される。
【0213】そうして、たとえば希ガス放電ランプDL
の図において最下段の外部電極3aのスイッチSa
と、希ガス放電ランプDLの最下段のスイッチSaと
が同時にオンされたすると、一方の外部電極3aに対応
する一方の導光用開口1aが赤色に発光し、他方の外部
電極3aに対応する導光用開口1aが緑色に発光する。
したがって、遠隔地点からこれらの発光を注目すると、
加法混色によって黄色に発光しているように見える。こ
のことから理解できるように、各絵素において、3個の
スイッチのオンの組み合わせと、調光とを組み合わせる
と、実に多様な色調および階調の表示を行うことができ
る。
【0214】図23は、本発明の希ガス放電ランプの第
7の実施形態および希ガス放電ランプ点灯装置の第5の
実施形態を示す一部切欠正面図および回路図である。
【0215】図において、図22と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0216】本実施形態は、各絵素間の浮遊静電容量に
よる希ガス放電の漏れを低減するように構成している点
で異なる。
【0217】すなわち、隣接する外部電極間において透
光性放電容器1に縮径部1cを形成したもので、これに
より隣接する外部電極間の希ガス放電の漏れが低減する
ため、表示のコントラストが向上する。
【0218】図24は、本発明の希ガス放電ランプの第
8の実施形態および希ガス放電ランプ点灯装置の第6の
実施形態を示す一部切欠正面図および回路図である。
【0219】図において、図22と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0220】本実施形態もまた、各絵素間の浮遊静電容
量による希ガス放電の漏れを低減するように構成してい
る点で異なる。
【0221】すなわち、内部電極4にセラミックス製の
遮蔽板10を装着し、かつ隣接する外部電極間に配置し
たもので、これにより外部電極間の放電の漏れが低減す
る。
【0222】図25は、本発明の照明装置の第1の実施
形態としての直下式バックライト装置を示す断面図であ
る。
【0223】図において、21は希ガス放電ランプ、2
2は反射板、23は光拡散板である。
【0224】希ガス放電ランプ21は、図16に示す構
造を備えた希ガス放電ランプである。
【0225】反射板22は、内面が放物反射面に形成さ
れ、ランプホルダー22aを一体に備えている。ホルダ
ー22aは、放電ランプ21を反射面の焦点に位置する
ように支持する。
【0226】光拡散板23は、反射板22の開口端に配
設されている。
【0227】そうして、光拡散板23を通過した光を、
さらに要すれば光拡散シートなどを介して、液晶などの
表示体(図示しない。)を背面から照明する。
【0228】図26は、本発明の照明装置の第2の実施
形態としてのサイドライト式バックライト装置を示す断
面図である。
【0229】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。図中、31は希ガス放
電ランプ、32はランプホルダー、33は導光板であ
る。
【0230】希ガス放電ランプ31は、図1に示す放電
ランプと同一構造である。
【0231】ランプホルダー32は、放電ランプ31を
包囲するとともに、導光板33の端縁部分を抱持してい
る。
【0232】導光板33は、透明アクリル樹脂からな
り、希ガス放電ランプ31の発光を側面から入射させ、
内部で全反射を繰り返しながら前面から均一に出射す
る。
【0233】したがって、導光板33の前面に液晶など
の表示体(図示しない。)を背面から照明する。
【0234】図27は、本発明の照明装置の第3の実施
形態としての画像読取装置を示す概念的断面図である。
【0235】図において、41は希ガス放電ランプ、4
2は受光手段、43は信号処理装置、44は原稿載置面
図、45は反射板、46はケースである。
【0236】希ガス放電ランプ41は、図1に示す構造
で、希ガス放電ランプの第3の実施形態を採用してい
る。そして、その導光用開口から出射した光は、原稿面
44を介して原稿(図示しない。)に向けて照射され
る。
【0237】受光手段42は、原稿面からの反射光を受
光するように配置されている。
【0238】信号処理手段43は、受光手段42の出力
信号を処理して画像信号を形成する。 原稿載置面44
は、透明ガラスからなり、その上に原稿を下向きにして
載置する。
【0239】反射板45は、希ガス放電ランプ41から
外部に導出された光を原稿に向かって反射する。
【0240】ケース46は、以上の各構成要素を収納し
ている。
【0241】そうして、希ガス放電ランプ41および受
光手段42と、原稿載置面44とを相対的に走査する。
すなわち、いずれか一方または双方が反対方向に移動し
ていく過程で受光手段42が移動方向に対して直角方向
に順次原稿面からの反射光を受光していく。
【0242】本実施形態の画像読取装置は、複写機、イ
メージスキャナおよびファクシミリなどのOA機器など
に適応する。
【0243】図28は、本発明の照明装置の第4の実施
形態としての画像表示装置を示す一部切欠正面図であ
る。
【0244】図において、51は画像表示装置本体、5
2はカラー絵素ランプユニットである。
【0245】画像表示装置本体51は、前面に表示面5
1aおよび枠体51bを備えているとともに、内部に図
示しない高周波電源装置および画像制御手段などを内蔵
している。
【0246】カラー絵素ランプユニット52は、図22
に示すカラー絵素ランプユニットCPLYからなり、そ
の多数が表示面51aに整列して配設されている。
【0247】そうして、ビデオ画像などを表示すること
ができる。
【0248】
【発明の効果】請求項1ないし7の各発明によれば、希
ガスを主成分とする放電媒体を封入するとともに、外径
Dmm、肉厚tmm、比誘電率εが下式を満足する細長
い透光性放電容器に配設する一対の電極の少なくとも一
方を透光性放電容器の外面に配設された外部電極にした
ことにより、透光性放電容器の静電容量によるインピー
ダンスを大きくして放電を安定させ、かつ放電のちらつ
きを低減し、また透光性放電容器の外径を大きくして下
式を満足させれば透光性放電容器の放熱面積が大きくな
るので、消費電力を増加しても放電媒体の温度上昇が抑
制されて光出力が飽和しにくくなるから、発光量を増加
させた放電ランプを提供することができる。
【0249】0.01<t/(D・ε)<0.05 請求項2の発明によれば、加えて透光性放電容器の外径
を10〜18mm、単位長さ当たりの消費電力を0.1
〜0.3W/mmにし、放電媒体の封入圧を20〜60
kPaにしたことにより、始動性を阻害しないで光出力
が飽和しにくく、かつ発光効率が高くて放電のちらつき
が生じにくい放電ランプを提供することができる。
【0250】請求項3の発明によれば、加えて点灯周波
数を100kHz以上にしたことにより、放電のちらつ
きが生じにくい放電ランプを提供することができる。
【0251】請求項4の発明によれば、加えて内部電極
の表面積Sおよびランプ電流の実効値Iが下式を満足し
たことにより、内部電極の過昇しにくい放電ランプを提
供することができる。
【0252】I/S<0.5(A/mm) 請求項5の発明によれば、加えて一対の電極間にピーク
値が2kV以下の交流電圧またはパルス電圧が印加され
たときに微小放電が生じないように構成されていること
により、点灯中にオゾンが発生しない希ガス放電ランプ
を提供することができる。
【0253】請求項6の発明によれば、加えて外部電極
と外部電極に対向する透光性放電容器の内面との間の単
位面積当たりの静電容量が0.03μF/m以下であ
ることにより、一対の電極間にピーク値が2kV以下の
電圧を印加しても微小放電は発生しない希ガス放電ラン
プを提供することができる。
【0254】請求項7の発明によれば、加えて透光性放
電容器の長手方向に沿い、かつ互いに離間して外部電極
が複数配設されており、各外部電極と内部電極との間に
生起する希ガス放電によって励起されるように透光性放
電容器の内面側に蛍光体層を備え、かつ各外部電極に対
応して複数の;導光用開口を備えていることにより、各
外部電極ごとに希ガス放電を生起させることができるの
で、表示などに好適な希ガス放電ランプを提供すること
ができる。
【0255】請求項8の発明によれば、請求項1ないし
7の効果を有する希ガス放電ランプ点灯装置を提供する
ことができる。
【0256】請求項9の発明によれば、加えてランプ電
流をIAおよび点灯周波数をfHzとしたときに、希ガ
ス放電ランプの外部電極および外部電極に対向する透光
性放電容器の内面の間の静電容量が下式を満足するよう
にしたことにより、微小放電が発生しない希ガス放電ラ
ンプ点灯装置を提供することができる。
【0257】C>I/4πf×10 (F) 請求項10の発明によれば、請求項1ないし7の効果を
有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の希ガス放電ランプの第1の実施形態を
示す横断面図
【図2】同じく縮小縦断面図
【図3】希ガス放電ランプにおける透光性放電容器の外
径Dmm、肉厚tmmおよび比誘電率εの変化と放電の
ちらつきとの関係を示すグラフ
【図4】希ガス放電のちらつきを説明する一部拡大光出
力波形図
【図5】希ガス放電ランプの透光性放電容器の単位長さ
当たりの消費電力と相対照度との関係を示すグラフ
【図6】希ガス放電ランプの点灯開始後の経過時間に対
する相対照度および管壁温度の関係を示すグラフ
【図7】希ガス放電ランプの放電媒体の封入圧と、相対
発光効率および放電のちらつきとの関係を示すグラフ
【図8】希ガス放電ランプの内部電極の表面積に対する
ランプ電流の実効値と照度維持率との関係を示すグラフ
【図9】本発明の希ガス放電ランプの第1の実施形態に
おける内部電極が負位相時の希ガス放電のメカニズムを
模式的に説明するとともに紫外線発光領域を示す要部拡
大断面図
【図10】同じく内部電極が正位相時の要部拡大断面図
【図11】本発明の希ガス放電ランプの第2の実施形態
を示す正面図
【図12】同じく外部電極の要部拡大展開図
【図13】同じく紫外線発光領域を示す要部拡大断面図
【図14】本発明の放電ランプの第3の実施形態におけ
る点灯周波数と大気中の微小放電開始電圧との関係を示
すグラフ
【図15】本発明の放電ランプの第3の実施形態におい
て外部電極の面積および点灯周波数を一定にした場合に
所定のランプ電流が流れる際の印加電圧との関係を示す
グラフ
【図16】本発明の希ガス放電ランプの第4の実施形態
を示す正面図
【図17】同じく拡大側面図
【図18】本発明の希ガス放電ランプの第5の実施形態
を示す横断面図
【図19】本発明の希ガス放電ランプ点灯装置の第1の
実施形態を示す回路図
【図20】本発明の希ガス放電ランプ点灯装置の第2の
実施形態を示す回路図
【図21】本発明の希ガス放電ランプ点灯装置の第3の
実施形態を示す回路図
【図22】本発明の希ガス放電ランプの第6の実施形態
および希ガス放電ランプ点灯装置の第4の実施形態を示
す一部切欠正面図および回路図
【図23】本発明の希ガス放電ランプの第7の実施形態
および希ガス放電ランプ点灯装置の第5の実施形態を示
す一部切欠正面図および回路図
【図24】本発明の希ガス放電ランプの第8の実施形態
および希ガス放電ランプ点灯装置の第6の実施形態を示
す一部切欠正面図および回路図
【図25】本発明の照明装置の第1の実施形態としての
直下式バックライト装置を示す断面図
【図26】本発明の照明装置の第2の実施形態としての
サイドライト式バックライト装置を示す断面図
【図27】本発明の照明装置の第3の実施形態としての
画像読取装置を示す概念的断面図
【図28】本発明の照明装置の第4の実施形態としての
画像表示装置を示す一部切欠正面図
【符号の説明】
1…透光性放電容器 1a…アパーチャ 2…蛍光体層 3…外部電極 4…内部電極 5…接着剤層
フロントページの続き (72)発明者 湯浅 邦夫 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 下川 貞二 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA01 AA19 AC02 AC04 AC12 BA03 BC07 GB01 GB04 GC04 HA10 HB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外径Dmm、肉厚tmm、比誘電率εが下
    式を満足する細長い透光性放電容器と;透光性放電容器
    内に封入された希ガスを主体とする放電媒体と;透光性
    放電容器の内部に放電を生起させるように少なくとも一
    方は透光性放電容器の外面に配設された外部電極によっ
    て構成されている一対の電極と;を具備していることを
    特徴とする希ガス放電ランプ。 0.01<t/(D・ε)<0.05
  2. 【請求項2】透光性放電容器は、外径が10〜18mm
    であるとともに、単位長さ当たりの消費電力が0.1〜
    0.3W/mmであり;放電媒体の封入圧が20〜60
    kPaである;ことを特徴とする請求項1記載の希ガス
    放電ランプ。
  3. 【請求項3】印加電圧の周波数が100kHz以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の希ガス放電
    ランプ。
  4. 【請求項4】一対の電極は、その一方が透光性放電容器
    の外面に配設された外部電極であり、他方が透光性放電
    容器の内部に長手方向に沿って配設されるとともに、表
    面積Smmとランプ電流の実効値IAとが下式を満足
    する内部電極である;ことを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか一記載の希ガス放電ランプ。 I/S<0.5(A/mm
  5. 【請求項5】一対の電極は、その一方が透光性放電容器
    の外面に配設された外部電極であり、他方が透光性放電
    容器の内部に配設された内部電極であり;一対の電極間
    にピーク値が2kV以下の交流電圧またはパルス電圧が
    印加されたときに微小放電が発生することなく点灯する
    ように構成されている;ことを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれか一記載の希ガス放電ランプ。
  6. 【請求項6】外部電極と外部電極に対向する透光性放電
    容器の内面との間の単位面積当たりの静電容量が0.0
    3μF/m以上であることを特徴とする請求項4また
    は5記載の希ガス放電ランプ。
  7. 【請求項7】外部電極は、透光性放電容器の長手方向に
    沿い、かつ互いに離間して複数配設されており;各外部
    電極と内部電極との間に生起する希ガス放電によって励
    起されるように透光性放電容器の内面側に形成された蛍
    光体層を具備し;透光性放電容器は、各外部電極に対応
    して複数の導光用開口を備えている;ことを特徴とする
    請求項4ないし6のいずれか一記載の希ガス放電ラン
    プ。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか一記載の希ガ
    ス放電ランプと;ピーク値が2kV以下で、周波数また
    は繰り返し周波数が30kHz以上の交流電圧またはパ
    ルス電圧を希ガス放電ランプに印加する電源装置と;を
    具備していることを特徴とする希ガス放電ランプ点灯装
    置。
  9. 【請求項9】ランプ電流をIAとし、点灯周波数をfH
    zとしたときに、希ガス放電ランプの外部電極と外部電
    極に対向する透光性放電容器の内面との間の静電容量C
    が下式を満足することを特徴とする請求項8記載の希ガ
    ス放電ランプ点灯装置。 C>I/4πf×10 (F)
  10. 【請求項10】照明装置本体と;照明装置本体に配設さ
    れた請求項8または9記載の希ガス放電ランプ点灯装置
    と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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