JP2000276952A - フラットハーネス保持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラットハーネスを所定の交差角度に簡単に
折り返せるとともに、別途部材が必要ないフラットハー
ネス保持構造を提供する。 【解決手段】 フラットハーネス保持構造10は、フラッ
トハーネス20の幅方向一端縁20Ａに設けた固定部11と、
フラットハーネス20の幅方向他端縁20Ｂに設けた係合部
12とを備える。固定部11および係合部12は、互いに係合
可能であるとともに、フラットハーネス20の長手方向に
沿った位相位置に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はフラットハーネス保
持構造に係り、例えば自動車等に用いられるフラットハ
ーネスを折り返して固定するフラットハーネス保持構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、自動車の内部において配策され
るフラットハーネスは、車体の形状等に応じて所定の交
差角度で折り返されることが多い。図２（Ａ）ないし図
２（Ｃ）には、フラットハーネス40を任意方向に向けて
折り返した状態に保持するためのフラットハーネス保治
具30が示されている（特開平4-209417号公報参照：従来
例）。

【０００３】フラットハーネス保治具30は、一対の係合
孔31，31を有する板状片32と、一対のクリップ33，33を
有する板状片34とを備え、各係合孔31，31に対して各ク
リップ33，33が挿入係合可能とされている。このフラッ
トハーネス保治具30は、あらかじめフラットハーネス40
の長手方向に対して交差する折返線41を境界線とする対
称位置に複数の係合孔43を穿設しておき、折返線41に沿
ってフラットハーネス40を折り返すことにより各係合孔
43を同一軸線上に配置し、次いで板状片34のクリップ3
3，33を各係合孔43，43に挿通させてから板状片32の係
合孔31に係合させることにより、フラットハーネス40を
任意方向に向けて折り返した状態に保持する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来例は、あらかじめ導体を避けるようにフラットハ
ーネス40に係合孔43を複数穿設しておく必要があるた
め、フラットハーネス40が幅広にならざるを得ないとと
もに、板状片32，34が必要であるため部品点数が多数化
するという問題がある。本発明は、前述した問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的はフラットハーネス
を所定の交差角度に簡単に折り返せるとともに、別途部
材が必要ないフラットハーネス保持構造を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、フラットハーネスの配索方向を変え
るために、前記フラットハーネスを長手方向に対して交
差する折返線を境界として折り返して固定するフラット
ハーネス保持構造であって、前記フラットハーネスの幅
方向一端縁に設けられた固定部と、前記フラットハーネ
スの幅方向他端縁に設けられた係合部とを備え、前記固
定部および前記係合部が互いに係合可能であるととも
に、前記フラットハーネスの長手方向に沿った位相位置
に配置されていることを特徴としている。

【０００６】ここで、固定部としては略リング形状を例
示でき、係合部としては略リング状の固定部に対して挿
通し、かつ、引抜不可能な略矢尻形状を例示できる。そ
して、これらの固定部および係合部は、フラットハーネ
スの折曲角度を考慮して、フラットハーネスの長手方向
に対して所定の角度で交差する線上に配置しておけばよ
い。

【０００７】例えば、フラットハーネスを略直角に折り
曲げる場合、固定部および係合部の位相寸法は、フラッ
トハーネスの幅寸法と等しく設定しておけばよい。そし
て、固定部および係合部の位相寸法をフラットハーネス
の幅寸法を超えるように設定しておけばフラットハーネ
スの折返角度を鋭角にでき、固定部および係合部の位相
寸法をフラットハーネスの幅寸法未満に設定しておけば
フラットハーネスの折返角度を鈍角にできる。

【０００８】このように構成されたフラットハーネス保
持構造においては、固定部と係合部とを係合させれば、
フラットハーネスを所定の角度に折り返した状態に保持
できることになる。そして、このフラットハーネス保持
構造においては、あらかじめフラットハーネスに係合孔
を複数穿設しておく必要や、別途部品の必要がなく、従
来に比較してフラットハーネスを小型化できるととも
に、構成部品を少数化できることになる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図１に示すように、本発
明に係る実施形態のフラットハーネス保持構造10は、フ
ラットハーネス20の幅方向一端縁20Ａに設けられた固定
部11と、フラットハーネス20の幅方向他端縁20Ｂに設け
られた係合部12とを備えている。

【００１０】固定部11は、フラットハーネス20の幅方向
に突出するとともに厚み方向に沿って貫通する係合孔11
Ａを有している。この固定部11は、係合孔11Ａの内周面
および係合孔11Ａの開口縁部が金属箔等により被覆され
ていて、機械的強度が増大されている。一方、係合部12
は、フラットハーネス20の幅方向に突出するとともに、
先端が略矢尻状に形成されたピン12Ａを備えている。こ
の係合部12は、先端が金属箔等により被覆されていて、
機械的強度が増大されている。

【００１１】そして、これらの固定部11および係合部12
は、フラットハーネス20の長手方向に沿って位相寸法Ｌ
を挟む位相位置に配置されていて（図１（Ａ）参照）、
フラットハーネス20の被覆材24と一体成形されている。
位相寸法Ｌは、フラットハーネス20の所望の折返角度に
基づいて適宜選択されている。すなわち、例えばフラッ
トハーネス20を直角に折り返す場合、位相寸法Ｌはフラ
ットハーネス20の幅寸法に等しく設定されている。

【００１２】このようなフラットハーネス保持構造10
は、係合部12の先端を固定部11の係合孔11Ａに挿入させ
て係合させることにより（図１（Ｂ）参照）、フラット
ハーネス20が折返線21を境界として略直角に折り返した
状態に保持する。そして、このようなフラットハーネス
保持構造10によれば、従来のように、あらかじめフラッ
トハーネスに係合孔を複数穿設しておく必要や、別途部
品の必要がなく、従来に比較してフラットハーネスを小
型化できるとともに、構成部品を少数化できる。

【００１３】さらに、実施形態において例示したフラッ
トハーネス，被覆材，固定部，係合部等の材質，形状，
寸法，形態，数，配置等は、本発明を達成できるもので
あれば任意であり、限定されない。また、本発明のフラ
ットハーネス保持構造は、例えば自動車に用いられるフ
ラットハーネスにのみ適用可能ではなく、航空機，船
舶，工作機械，機器等に用いられるフラットハーネスに
も適用可能である。

【００１４】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、固定部と係合部とを係合させれば、フラットハーネ
スを所定の角度に折り返した状態に保持でき、かつ、従
来に比較してフラットハーネスを小型化できるととも
に、構成部品を少数化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る実施形態を示す平面図である。

【図２】従来のフラットハーネスを示す斜視図，平面図
および分解斜視図である。

【符号の説明】

10 フラットハーネス保持構造 11 固定部 12 係合部 20 フラットハーネス 20Ａ 一端縁 20Ｂ 他端縁 21 折返線 24 被覆材

フロントページの続き (72)発明者 白木 賢太郎 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 Ｆターム(参考） 5G309 AA11 GA01 5G311 CA05 CF05 CF06 5G363 AA16 BA05 DA15 DC02

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フラットハーネスの配索方向を変えるた
   めに、前記フラットハーネスを長手方向に対して交差す
   る折返線を境界として折り返して固定するフラットハー
   ネス保持構造であって、 前記フラットハーネスの幅方向一端縁に設けられた固定
   部と、前記フラットハーネスの幅方向他端縁に設けられ
   た係合部とを備え、前記固定部および前記係合部が互い
   に係合可能であるとともに、前記フラットハーネスの長
   手方向に沿った位相位置に配置されていることを特徴と
   するフラットハーネス保持構造。